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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087620
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ピザ作製方法及びピザ作製用網
(51)【国際特許分類】
   A21C 11/02 20060101AFI20240624BHJP
   A47J 37/00 20060101ALI20240624BHJP
   A21C 11/12 20060101ALI20240624BHJP
   A21B 3/13 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
A21C11/02 A
A47J37/00 301
A21C11/12
A21B3/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202546
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大貫 正文
(72)【発明者】
【氏名】宮田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆志
【テーマコード(参考)】
4B031
4B040
【Fターム(参考)】
4B031CA19
4B031CF05
4B031CF13
4B040AA02
4B040AC03
4B040AE04
4B040ED10
(57)【要約】
【課題】焼成時のピザ全体の膨らみを抑制しつつピザ作製の時間を短縮することができるピザ作製方法及びピザ作製用網を提供する。
【解決手段】複数の凸部31が形成されたピザ作製用網1を用いてピザを作製するピザ作製方法は、ピザ生地Kを複数の凸部31aに載置するピザ生地載置工程S2と、ピザ生地Kのピザ作製用網1と背向する上面にソースを載置するソース載置工程S3と、複数の凸部31aに載置されたピザ生地Kを押圧して結着させるピザ生地押圧工程S4と、押圧されたピザ生地Kをピザに焼成するピザ焼成工程S6と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の突起が形成された生地台を用いてピザを作製するピザ作製方法であって、
ピザ生地を複数の前記突起に載置するピザ生地載置工程と、
ピザ生地の前記生地台と背向する上面にソースを載置するソース載置工程と、
複数の前記突起に載置されたピザ生地を押圧して結着させるピザ生地押圧工程と、
押圧されたピザ生地をピザに焼成するピザ焼成工程と、を含む、
ピザ作製方法。
【請求項2】
前記ソース載置工程において、ソースをレードルによりピザ生地の上面に載置し、
前記ピザ生地押圧工程において、ピザ生地を前記レードルにより複数の前記突起に押圧しながら載置されたソースを前記レードルによりピザ生地の上面に塗布する、
請求項1に記載のピザ作製方法。
【請求項3】
前記ピザ生地押圧工程において、前記レードルをピザ生地の上面と当接されるように移動させることにより、ピザ生地の押圧及びソースの塗布を同時に行う、
請求項2に記載のピザ作製方法。
【請求項4】
前記生地台は、平坦部が形成された環状の網無領域と、前記網無領域の内側に位置するとともに複数の前記突起が形成された網有領域と、を有するピザ作製用網であり、
前記ピザ生地載置工程において、ピザ生地の環状の外縁領域が前記網無領域に位置するとともにピザ生地の前記外縁領域の内側に形成された中央領域が前記網有領域に位置するようにピザ生地を前記ピザ作製用網に載置する、
請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のピザ作製方法。
【請求項5】
前記ピザ焼成工程において、ピザ生地を前記ピザ作製用網に載置された状態でピザに焼成する、
請求項4に記載のピザ作製方法。
【請求項6】
ピザ生地の加工工程に用いられるピザ作製用網であって、
ピザ生地の環状の外縁領域が載置される平坦部が形成された環状の網無領域と、
前記網無領域の内側に位置するとともにピザ生地の前記外縁領域の内側に形成された中央領域が載置される複数の突起が形成された網有領域と、を備える、
ピザ作製用網。
【請求項7】
前記ピザ作製用網は、ピザ生地のピザ焼成工程にも用いられ、
前記網有領域には、前記突起としての複数の凸部及び複数の凹部とが交互に配置してからなる凹凸部が形成され、
前記凹凸部は、前記凸部が前記平坦部の一面から突出するとともに前記凹部が前記平坦部の他面から突出するように形成されている、
請求項6に記載のピザ作製用網。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピザ作製方法及びピザ作製用網に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、焼成時の風船状の膨らみを抑制するために、穿孔用器具により小孔をピザ類の生地表面に穿設する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-304736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、穿孔用器具により小孔を均一にピザ類の生地表面に穿設する場合に、時間がかかるという不具合があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、この問題点に着目してなされたものであり、焼成時のピザ全体の膨らみを抑制しつつピザ作製の時間を短縮することができるピザ作製方法及びピザ作製用網を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、複数の突起が形成された生地台を用いてピザを作製するピザ作製方法であって、ピザ生地を複数の前記突起に載置するピザ生地載置工程と、ピザ生地の前記生地台と背向する上面にソースを載置するソース載置工程と、複数の前記突起に載置されたピザ生地を押圧して結着させるピザ生地押圧工程と、押圧されたピザ生地をピザに焼成するピザ焼成工程と、を含むピザ作製方法が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、ピザ生地の加工工程に用いられるピザ作製用網であって、ピザ生地の環状の外縁領域が載置される平坦部が形成された環状の網無領域と、前記網無領域の内側に位置するとともにピザ生地の前記外縁領域の内側に形成された中央領域が載置される複数の突起が形成された網有領域と、を備えるピザ作製用網がさらに提供される。
【発明の効果】
【0008】
これらの態様によれば、焼成時のピザ全体の膨らみを抑制しつつピザ作製の時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、本実施形態に係る生地台としてのピザ作製用網を示す平面図である。
図1B図1Bは、図1Aにおける線IB-IB線に沿う断面図である。
図1C図1Cは、図1Bにおける部分Cを拡大して表示する拡大図である。
図2図2は、本実施形態に係るピザ作製方法の各工程を示すフローチャートである。
図3図3は、ピザ生地がピザ作製用網に載置された状態を示す断面図である。
図4図4は、ピザ生地をレードルにより押圧して結着させるピザ生地押圧工程を示す概略図である。
図5図5は、変形例に係る生地台を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態(以下、単に本実施形態とも称する。)について説明する。なお、本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0011】
まず、図1A及び図1Bを参照しながら本実施形態に係るピザ作製方法に用いられる生地台について説明する。
【0012】
図1Aは、本実施形態に係るピザ作製用網1を示す平面図である。図1Bは、図1Aにおける線IB-IB線に沿う断面図である。図1Cは、図1Bにおける部分Cを拡大して表示する拡大図である。
【0013】
図1Aから図1Cに示すように、生地台としてのピザ作製用網1は、本実施形態に係るピザ作製方法に用いられる金網であり、耐熱性、軽量化及び高熱伝導率(冷めやすさ)の観点からアルミ材から構成されることが好ましい。また、ピザ作製用網1は、網無領域2及び網有領域3を備える。
【0014】
網無領域2は、環状(具体的には、円環状)の領域である。網無領域2の全域には、環状(円環状)の平坦部21が形成されている。平坦部21は、二枚の平板211を、網有領域3を形成する凹凸部31の外縁の両面に重ねて溶接により形成されている。また、平坦部21は、所定の厚さh1を有する。平坦部21の両面、すなわち、二枚の平板211の背向する両面は、ピザ生地K(例えば、ハンドトス(Hand Tossed)生地、パンピザ生地又はイタリアン生地)がピザ作製用網1の両面に載置されたとき、ピザ生地Kの外縁領域K1(図3参照)と当接する平坦面211aとして形成されている。
【0015】
網有領域3は、網無領域2の内側に位置する円形状の領域である。網有領域3の全域には、格子状の凹凸部31が形成されている。凹凸部31は、同一の高さh2(具体的には、凸部31aの基端が位置する基準面P(図1Cにおける二点鎖線)から凸部31aの先端までの高さ)を有する突起としての複数の凸部31aと、同一の深さh3(具体的には、凹部31bの基端が位置する基準面Pから凹部31bの先端までの深さ)を有する突起としての複数の凹部31bとがそれぞれ交互に配置して形成されている。なお、高さh2と深さh3とは、一致している。
【0016】
凹凸部31は、平坦部21の両平坦面211aから僅かに突出している。すなわち、凹凸部31は、凸部31aが平坦部21の一方の平坦面211a(図1Bにおける上面)から突出するとともに凹部31bが平坦部21の他方の平坦面211a(図1Bにおける下面)から突出するように構成されている。この場合に、凸部31aの先端から凹部31bの先端までの距離(すなわち、h2+h3)は、平坦部21の所定の厚さh1よりも大きい。
【0017】
これにより、ピザ生地Kが載置される載置面を識別する必要がなく、ピザ作製用網1の両面にピザ生地Kを載置することができるため、片面にのみピザ生地Kを載置可能なピザ作製用網に比べ、ピザ作製用網1の使用性を向上させることができる。
【0018】
複数の凸部31aは、ピザ生地Kがピザ作製用網1の一面に載置されたとき、先端がピザ生地Kの中央領域K2(図3参照)と当接するように形成されている。一方、複数の凹部31bは、ピザ生地Kがピザ作製用網1の他面に載置されたとき、先端がピザ生地Kの中央領域K2と当接するように形成されている。
【0019】
凹凸部31のピザ生地載置機能の確保及びソースの塗布しやすさの両立の観点から、凸部31aの先端から凹部31bの先端までの距離は、2mm以上6mm以下であることが好ましい。そして、凸部31aの先端から凹部31bの先端までの距離が2mmを下回ると、凸部31a又は凹部31bが平坦部21から突出しなくなるため、凹凸部31のピザ生地載置機能を確保できなくなる。一方、凸部31aの先端から凹部31bの先端までの距離が6mmを上回ると、凸部31a間に載置されるピザ生地Kが撓みやすくなり、ピザ生地Kへのソースを塗布しにくくなる。なお、本実施形態では、凸部31aの先端から凹部31bの先端までの距離は、2mmである。
【0020】
また、ピザ作製用網1の製造しやすさ及びソースの塗布しやすさの両立の観点から、凸部31a間のピッチd(図4参照)は、3mm以上20mm以下であることが好ましい。そして、凸部31a間のピッチdが3mmを下回ると、ピザ作製用網1の製造しにくくなる。一方、凸部31a間のピッチdが20mmを上回ると、凸部31a間に載置されるピザ生地Kが撓みやすくなり、ピザ生地Kへのソースを塗布しにくくなる。なお、本実施形態では、凸部31a間のピッチdは、10mmである。
【0021】
本実施形態では、凹凸部31は、凸部31aが平坦部21の一方の平坦面211aから突出するとともに凹部31bが平坦部21の他方の平坦面211aから突出するように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、凸部31aの先端が平坦部21の一方の平坦面211aと面一になるとともに凹部31bが平坦部21の他方の平坦面211aと面一になるように構成されてもよい。
【0022】
次に、図2から図4を参照しながら本実施形態に係るピザ作製方法について説明する。
【0023】
図2は、本実施形態に係るピザ作製方法の各工程を示すフローチャートである。図3は、ピザ生地Kがピザ作製用網1に載置された状態を示す断面図である。なお、図3において、ピザ生地Kが断面で示されていない。図4は、ピザ生地Kをレードル4により押圧して結着させるピザ生地押圧工程を示す概略図である。
【0024】
本実施形態に係るピザ作製方法により作製されたピザは、具体的に、ピザの外周縁に位置する耳領域が膨らみパリパリ食感(クリスピー感/Crispy)があり、耳領域の内周側に位置する本体領域が膨らまずにもっちり(すなわち、もちもち感、弾力感が強い等)した食感があるローマ風ピザである。そして、図2に示すように、ピザ作製方法は、S1からS6に示す工程を含む。
【0025】
図2に示すように、まず、工程S1(ピザ生地成形工程)において、ピザ生地K(具体的には、略円盤状のピザ生地K)を成形する。なお、ピザ生地Kの成形については、従来と同様の工程(例えば、ピザ生地Kの押し出し工程及びピザ生地Kのプレス工程等を含む工程)により実行されるため、ここではこの詳細な説明を割愛する。
【0026】
次に、工程S2(ピザ生地載置工程)において、成形されたピザ生地Kをピザ作製用網1の一面(すなわち、複数の凸部31a)に載置する。具体的には、図3に示すように、焼成後のピザの耳領域に対応するピザ生地Kの環状(具体的には、円環状)の外縁領域K1がピザ作製用網1の網無領域2に位置するとともに、焼成後のピザの本体領域に対応するピザ生地Kの外縁領域K1の内側に形成された円形状の中央領域K2が網有領域3に位置するようにピザ生地Kをピザ作製用網1に載置する。
【0027】
この場合に、ピザ作製用網1の網無領域2に位置するピザ生地Kの環状(具体的には、円環状)の外縁領域K1は、平坦部21の平坦面211aと当接している。また、ピザ作製用網1の網有領域3に位置するピザ生地Kの中央領域K2は、複数の凸部31aの先端と当接しているものの、複数の凹部31bと当接していない。すなわち、ピザ作製用網1の網有領域3に位置するピザ生地Kの中央領域K2は、複数の凸部31aの先端によって支持されている。
【0028】
次に、工程S3(ソース載置工程)において、ピザ生地Kのピザ作製用網1と背向する上面にソース(具体的には、液体又は半液体のピザ用調味料/図示しない)をレードル4により載置する。具体的には、レードル4を用いることにより、ソース収容部に収容されたソースをピザ生地Kの上面に載置する。
【0029】
次に、工程S4(ピザ生地押圧工程)において、複数の凸部31aに載置されたピザ生地Kの中央領域K2をレードル4(具体的には、レードル4のお玉の底部)により押圧して結着させることで、ピザ生地Kのガス(気泡)抜きが実現される。これにより、穿孔用器具により小孔をピザ類の生地表面に穿設する方法に比べ、焼成時のピザ全体の膨らみを抑制しつつピザ作製の時間を短縮することができる。この結果、ピザ作製の作業効率を向上させることができる。また、ピザ生地Kに穿孔が形成されないため、焼成後のピザの美観性を向上させることができる。
【0030】
具体的には、図4に示すように、ピザ生地Kの中央領域K2をレードル4により複数の凸部31aに押圧しながら載置されたソースをレードル4により均一にピザ生地Kの上面(具体的には、上面の全面)に塗布する。より具体的には、図4の矢印Rで示すように、レードル4をピザ生地Kの上面と当接されるように移動させることにより、ピザ生地K(中央領域K2)の押圧及びソースの塗布を同時に行う。
【0031】
そして、工程S3及び工程S4の両方にレードル4が用いられるため、二つの工程を同一の道具(レードル4)により行うことができ、ピザ作製の簡易化を図ることができる。
【0032】
また、ガス抜きをするためのピザ生地Kへの押圧と、ピザ生地Kへのソースの塗布とは、レードル4の水平移動のみにより同時に行われるため、ピザ生地ガス抜き工程及びソース塗布工程をピザ生地押圧工程に統合させることができ、ピザ作製の工程の数を低減させることができる。この結果、ピザ作製の簡易化をより図ることができるとともにピザ作製の時間をより短縮することができる。
【0033】
さらに、ソースがピザ生地Kの中央領域K2のみならず、ピザ生地Kの外縁領域K1に塗布された場合に、ピザ生地Kの外縁領域K1がレードル4により平坦部21の平坦面211aに押圧されても、複数の凸部31aの先端に押圧されるもの比べ、外縁領域K1のガス抜きがされにくいため、外縁領域K1に対応する焼成後のピザの耳領域の膨らみを確保することができる。この結果、理想的なローマ風ピザを焼成することができる。
【0034】
次に、工程S5(食材トッピング工程)において、食材としてのチーズ、ベーコンや野菜等(図示しない)を均一にピザ生地Kの上面に載置する。
【0035】
次に、工程S6(ピザ焼成工程)において、押圧されたピザ生地Kをピザに焼成する。具体的には、ピザ作製用網1に載置されたピザ生地Kを窯又はオーブンにより焼成する。これにより、耳領域が膨らみパリパリ食感(クリスピー感/Crispy)があり、本体領域が膨らまずにもっちり(すなわち、もちもち感、弾力感が強い等)した食感がある理想的なローマ風ピザを焼成することができる。
【0036】
特に、ピザ作製用網1に載置されたピザ生地Kが、加熱源が奥側に位置する窯により焼成される場合に、ピザ作製用網1の平坦部21は、複数の凹部31bによって持ち上げられているため、平坦部21と窯の載置板との間には、空気が流通可能な空気流路が形成されることになる。そして、ピザ生地Kがこの空気通路よって均一に加熱されてピザに焼成される。
【0037】
(作用効果)
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
【0038】
本実施形態に係るピザ作製方法は、複数の凸部31aが形成されたピザ作製用網1を用いてピザを作製するピザ作製方法であって、ピザ生地Kを複数の凸部31aに載置するピザ生地載置工程S2と、ピザ生地Kのピザ作製用網1と背向する上面にソースを載置するソース載置工程S3と、複数の凸部31aに載置されたピザ生地Kを押圧して結着させるピザ生地押圧工程S4と、押圧されたピザ生地Kをピザに焼成するピザ焼成工程S6と、を含む。
【0039】
本実施形態に係るピザ作製用網1は、ピザ生地Kの加工工程に用いられるピザ作製用網1であって、ピザ生地Kの環状の外縁領域K1が載置される平坦部21が形成された環状の網無領域2と、網無領域2の内側に位置するとともにピザ生地Kの外縁領域K1の内側に形成された中央領域K2が載置される複数の凸部31aが形成された網有領域3と、を備える。
【0040】
これらの構成によれば、穿孔用器具により小孔をピザ類の生地表面に穿設する方法に比べ、焼成時のピザ全体の膨らみを抑制しつつピザ作製の時間を短縮することができる。この結果、ピザ作製の作業効率を向上させることができる。また、ピザ生地Kに穿孔が形成されないため、焼成後のピザの美観性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、ソース載置工程S3において、ソースをレードル4によりピザ生地Kの上面に載置し、ピザ生地押圧工程S4において、ピザ生地Kをレードル4により複数の凸部31aに押圧しながら載置されたソースをレードル4によりピザ生地Kの上面に塗布する。
【0042】
また、本実施形態では、ピザ生地押圧工程S4において、レードル4をピザ生地Kの上面と当接されるように移動させることにより、ピザ生地Kの押圧及びソースの塗布を同時に行う。
【0043】
これらの構成によれば、ソース載置工程S3及びピザ生地押圧工程S4の両方にレードル4が用いられるため、二つの工程を同一の道具(レードル4)により行うことができ、ピザ作製の簡易化を図ることができる。
【0044】
また、ガス抜きをするためのピザ生地Kへの押圧と、ピザ生地Kへのソースの塗布とは、レードル4の水平移動のみにより同時に行われるため、ピザ生地ガス抜き工程及びソース塗布工程をピザ生地押圧工程に統合させることができ、ピザ作製の工程の数を低減させることができる。この結果、ピザ作製の簡易化をより図ることができるとともにピザ作製の時間をより短縮することができる。
【0045】
また、本実施形態では、ピザ作製用網1は、平坦部21が形成された環状の網無領域2と、網無領域2の内側に位置するとともに複数の凸部31aが形成された網有領域3と、を有し、ピザ生地載置工程S2において、ピザ生地Kの環状の外縁領域K1が前記網無領域2に位置するとともにピザ生地Kの外縁領域K1の内側に形成された中央領域K2が網有領域3に位置するようにピザ生地Kをピザ作製用網1に載置する。
【0046】
この構成によれば、ソースがピザ生地Kの中央領域K2のみならず、ピザ生地Kの外縁領域K1に塗布された場合に、ピザ生地Kの外縁領域K1がレードル4により平坦部21の平坦面211aに押圧されても、複数の凸部31aの先端に押圧されるもの比べ、外縁領域K1のガス抜きがされにくいため、外縁領域K1に対応する焼成後のピザの耳領域の膨らみを確保することができる。この結果、理想的なローマ風ピザを焼成することができる。
【0047】
また、本実施形態では、ピザ焼成工程S6において、ピザ生地Kをピザ作製用網1に載置された状態でピザに焼成する。
【0048】
この構成によれば、耳領域が膨らみパリパリ食感(クリスピー感/Crispy)があり、本体領域が膨らまずにもっちり(すなわち、もちもち感、弾力感が強い等)した食感がある理想的なローマ風ピザを焼成することができる。
【0049】
また、本実施形態では、ピザ作製用網1は、ピザ生地Kのピザ焼成工程にも用いられ、網有領域3には、複数の凸部31a及び複数の凹部31bとが交互に配置してからなる凹凸部31が形成され、凹凸部31は、凸部31aが平坦部21の一面から突出するとともに凹部31bが平坦部21の他面から突出するように形成されている。
【0050】
この構成によれば、ピザ生地Kが載置される載置面を識別する必要がなく、ピザ作製用網1の両面にピザ生地Kを載置することができるため、片面にのみピザ生地Kを載置可能なピザ作製用網に比べ、ピザ作製用網1の使用性を向上させることができる。
【0051】
(変形例)
以下、図5を参照しながら変形例に係る生地台について説明する。なお、変形例では、上述した実施形態と同様の点については省略し、主に上述した実施形態と相違する点について説明する。
【0052】
図5は、変形例に係る生地台を示す側面図である。
【0053】
上述した実施形態では、生地台は、ピザ作製用網1から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、円板状のベース51と、ベース51の片面から突出する複数の突起52と、を有するピザ作製用台5(図5参照)から構成されてもよい。
【0054】
この場合に、ベース51の外周縁には、突起52が形成されていない平坦面511が形成されている。そして、平坦面511にピザ生地Kの外縁領域K1(図3参照)が載置されるとともに複数の突起52の先端にピザ生地Kの中央領域K2(図3参照)が載置される。
【0055】
また、上述した実施形態では、ピザ作製用網1は、ピザ生地Kの加工工程のみならず、ピザ生地Kのピザ焼成工程にも用いられているが、これに限定されるものではなく、例えば、ピザ生地Kの加工工程にのみ用いられてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、ピザ生地載置工程S2において、ピザ生地Kは、中央領域K2が複数の凸部31aの先端(ピザ作製用網1の一面)に載置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、中央領域K2が複数の凹部31bの先端(ピザ作製用網1の他面)に載置されてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、ピザ生地押圧工程S4には、ソース載置工程S3と同様にレードル4が用いられているが、これに限定されるものではなく、例えば、レードル4と異なる他の押圧部材が用いられてもよい。
【0058】
また、上述した実施形態では、ピザ生地押圧工程S4及びソース塗布工程は、同時に行われているが、これに限定されるものではなく、例えば、別々行われてもよい。
【0059】
以上、本実施形態及び各変形例について説明したが、上述した実施形態及び各変形例は、本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述した実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0060】
1 ピザ作製用網(生地台)
2 網無領域
3 網有領域
4 レードル
21 平坦部
211a 平坦面
31 凹凸部
31a 凸部
31b 凹部
K ピザ生地
K1 外縁領域
K2 中央領域
S2 ピザ生地載置工程
S3 ソース載置工程
S4 ピザ生地押圧工程
S6 ピザ焼成工程
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5