(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087678
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】店舗客注管理装置、店舗客注管理方法、および、店舗客注管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240624BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202613
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦地 勇希
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】店舗にて自店在庫が無く、客注が発生した場合、在庫保管場所から店舗への在庫品の細かいステータスを管理することができる店舗客注管理装置、店舗客注管理方法、および、店舗客注管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された在庫データを引当可能在庫データとして特定し、依頼商品、引当可能保管場所、依頼店舗、および、依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得し、店舗客注データに基づいて、引当可能在庫データを更新し、引当可能保管場所から依頼店舗へ依頼商品の移動データを取得し、移動データに基づいて、引当可能在庫データを更新し、引当可能保管場所から依頼店舗へ依頼商品が移動入庫された場合、依頼商品の移動入庫数量に基づいて、引当可能在庫データを更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた店舗客注管理装置であって、
前記記憶部は、
商品、保管場所、現在庫数量、引当済数量、引当可能数量、および、移動積送数量を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、前記依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された前記在庫データを引当可能在庫データとして特定し、前記依頼商品、前記引当可能保管場所、依頼店舗、および、前記依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得する店舗客注取得手段と、
前記店舗客注データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する在庫引当手段と、
前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動データを取得し、前記移動データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動取得手段と、
前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品が移動入庫された場合、前記依頼商品の移動入庫数量に基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動入庫手段と、
を備えたことを特徴とする店舗客注管理装置。
【請求項2】
前記在庫引当手段は、
前記店舗客注データに基づいて、前記引当可能在庫データに設定された前記引当済数量に前記依頼数量を追加し、且つ、前記引当可能数量から前記依頼数量を差し引くことで、前記引当可能在庫データを更新することを特徴とする請求項1に記載の店舗客注管理装置。
【請求項3】
前記移動取得手段は、
前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動出庫数量を設定した前記移動データを取得し、前記移動データに基づいて、前記引当可能在庫データに設定された前記引当済数量から前記移動出庫数量を差し引き、且つ、前記移動積送数量に前記移動出庫数量を追加することで、前記引当可能在庫データを更新することを特徴とする請求項2に記載の店舗客注管理装置。
【請求項4】
前記移動入庫手段は、
前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品が移動入庫された場合、前記依頼商品の前記移動入庫数量に基づいて、前記引当可能在庫データに設定された前記移動積送数量から前記移動入庫数量を差し引くことで、前記引当可能在庫データを更新することを特徴とする請求項3に記載の店舗客注管理装置。
【請求項5】
前記移動入庫手段は、
更に、前記依頼商品、前記依頼店舗である前記保管場所、ならびに、前記移動入庫数量である前記現在庫数量を紐付けて設定した依頼店舗在庫データを前記在庫記憶手段に追加登録することを特徴とする請求項4に記載の店舗客注管理装置。
【請求項6】
前記引当可能保管場所は、
引当可能店舗であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の店舗客注管理装置。
【請求項7】
前記引当可能保管場所は、
引当可能倉庫であり、
前記在庫引当手段は、
更に、前記店舗客注データに基づいて、前記依頼店舗、前記引当可能倉庫、前記依頼商品、および、前記依頼数量を紐付けて設定した受注データを取得することを特徴とする請求項2に記載の店舗客注管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記受注データに基づいて、前記引当可能倉庫から前記依頼店舗への前記依頼数量の前記依頼商品の出荷指示データを前記引当可能倉庫に通知する出荷指示手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の店舗客注管理装置。
【請求項9】
前記移動取得手段は、
前記出荷指示データに基づいて、前記引当可能倉庫から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動出庫数量を設定した出荷データを取得し、前記出荷データに基づいて、前記引当可能在庫データに設定された前記引当済数量から前記移動出庫数量を差し引き、且つ、前記移動積送数量に前記移動出庫数量を追加することで、前記引当可能在庫データを更新することを特徴とする請求項8に記載の店舗客注管理装置。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた店舗客注管理装置に実行させるための店舗客注管理方法であって、
前記記憶部は、
商品、保管場所、現在庫数量、引当済数量、引当可能数量、および、移動積送数量を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部において実行される、
顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、前記依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された前記在庫データを引当可能在庫データとして特定し、前記依頼商品、前記引当可能保管場所、依頼店舗、および、前記依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得する店舗客注取得ステップと、
前記店舗客注データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する在庫引当ステップと、
前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動データを取得し、前記移動データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動取得ステップと、
前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品が移動入庫された場合、前記依頼商品の移動入庫数量に基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動入庫ステップと、
を含むことを特徴とする店舗客注管理方法。
【請求項11】
記憶部と制御部とを備えた店舗客注管理装置に実行させるための店舗客注管理プログラムであって、
前記記憶部は、
商品、保管場所、現在庫数量、引当済数量、引当可能数量、および、移動積送数量を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、前記依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された前記在庫データを引当可能在庫データとして特定し、前記依頼商品、前記引当可能保管場所、依頼店舗、および、前記依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得する店舗客注取得ステップと、
前記店舗客注データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する在庫引当ステップと、
前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動データを取得し、前記移動データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動取得ステップと、
前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品が移動入庫された場合、前記依頼商品の移動入庫数量に基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動入庫ステップと、
を実行させるための店舗客注管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗客注管理装置、店舗客注管理方法、および、店舗客注管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、店舗にて客注が発生した場合、在庫保管場所の在庫について在庫データベースが検索され、在庫がある場合、在庫保管場所に出荷指示が送信され、在庫データベースが更新される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、在庫の出荷指示後にのみ、在庫データベースの在庫更新が行われるため、客注後、出庫時、入庫時等の在庫の細かいステータスを管理できず、正確な仕訳作成等を実現することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、店舗にて自店在庫が無く、客注が発生した場合、在庫保管場所から店舗への在庫品の細かいステータスを管理することができる店舗客注管理装置、店舗客注管理方法、および、店舗客注管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る店舗客注管理装置は、記憶部と制御部とを備えた店舗客注管理装置であって、前記記憶部は、商品、保管場所、現在庫数量、引当済数量、引当可能数量、および、移動積送数量を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部は、顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、前記依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された前記在庫データを引当可能在庫データとして特定し、前記依頼商品、前記引当可能保管場所、依頼店舗、および、前記依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得する店舗客注取得手段と、前記店舗客注データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する在庫引当手段と、前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動データを取得し、前記移動データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動取得手段と、前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品が移動入庫された場合、前記依頼商品の移動入庫数量に基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動入庫手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る店舗客注管理装置において、前記在庫引当手段は、前記店舗客注データに基づいて、前記引当可能在庫データに設定された前記引当済数量に前記依頼数量を追加し、且つ、前記引当可能数量から前記依頼数量を差し引くことで、前記引当可能在庫データを更新することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る店舗客注管理装置において、前記移動取得手段は、前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動出庫数量を設定した前記移動データを取得し、前記移動データに基づいて、前記引当可能在庫データに設定された前記引当済数量から前記移動出庫数量を差し引き、且つ、前記移動積送数量に前記移動出庫数量を追加することで、前記引当可能在庫データを更新することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る店舗客注管理装置において、前記移動入庫手段は、前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品が移動入庫された場合、前記依頼商品の前記移動入庫数量に基づいて、前記引当可能在庫データに設定された前記移動積送数量から前記移動入庫数量を差し引くことで、前記引当可能在庫データを更新することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る店舗客注管理装置において、前記移動入庫手段は、更に、前記依頼商品、前記依頼店舗である前記保管場所、ならびに、前記移動入庫数量である前記現在庫数量を紐付けて設定した依頼店舗在庫データを前記在庫記憶手段に追加登録することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る店舗客注管理装置において、前記引当可能保管場所は、引当可能店舗であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る店舗客注管理装置において、前記引当可能保管場所は、引当可能倉庫であり、前記在庫引当手段は、更に、前記店舗客注データに基づいて、前記依頼店舗、前記引当可能倉庫、前記依頼商品、および、前記依頼数量を紐付けて設定した受注データを取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る店舗客注管理装置において、前記制御部は、前記受注データに基づいて、前記引当可能倉庫から前記依頼店舗への前記依頼数量の前記依頼商品の出荷指示データを前記引当可能倉庫に通知する出荷指示手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る店舗客注管理装置において、前記移動取得手段は、前記出荷指示データに基づいて、前記引当可能倉庫から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動出庫数量を設定した出荷データを取得し、前記出荷データに基づいて、前記引当可能在庫データに設定された前記引当済数量から前記移動出庫数量を差し引き、且つ、前記移動積送数量に前記移動出庫数量を追加することで、前記引当可能在庫データを更新することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る店舗客注管理方法は、記憶部と制御部とを備えた店舗客注管理装置に実行させるための店舗客注管理方法であって、前記記憶部は、商品、保管場所、現在庫数量、引当済数量、引当可能数量、および、移動積送数量を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部において実行される、顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、前記依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された前記在庫データを引当可能在庫データとして特定し、前記依頼商品、前記引当可能保管場所、依頼店舗、および、前記依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得する店舗客注取得ステップと、前記店舗客注データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する在庫引当ステップと、前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動データを取得し、前記移動データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動取得ステップと、前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品が移動入庫された場合、前記依頼商品の移動入庫数量に基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動入庫ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る店舗客注管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた店舗客注管理装置に実行させるための店舗客注管理プログラムであって、前記記憶部は、商品、保管場所、現在庫数量、引当済数量、引当可能数量、および、移動積送数量を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部において、顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、前記依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された前記在庫データを引当可能在庫データとして特定し、前記依頼商品、前記引当可能保管場所、依頼店舗、および、前記依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得する店舗客注取得ステップと、前記店舗客注データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する在庫引当ステップと、前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品の移動データを取得し、前記移動データに基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動取得ステップと、前記引当可能保管場所から前記依頼店舗へ前記依頼商品が移動入庫された場合、前記依頼商品の移動入庫数量に基づいて、前記引当可能在庫データを更新する移動入庫ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、客注品を細かくステータス管理することができるため、店舗内に現物が無い資産を「積送品」勘定等を用いて計上することができ、各拠点における商品在庫を会計上もズレなく管理することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、店舗での客注で自店在庫が無い場合、他店や倉庫の在庫状況を確認し、在庫があった場合にそのロケーションの在庫を押さえるための取り寄せの依頼を登録し、依頼に紐づけて出荷を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、取り寄せ登録をした時点で、在庫の引当が行われ、引当可能数(出荷可能数)を減らす管理をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態における店舗客注管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における店舗客注管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態における店舗客注管理処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における店舗客注管理処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における店舗客注管理処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における店舗客注管理処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における店舗客注管理処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における店舗客注管理処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における店舗客注管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0021】
従来、客注時に自店在庫が無く、他店や倉庫に在庫がある場合、電話でやり取りを行い、出す側の準備が出来次第、出庫の登録をしていたため、その登録をするまでの間の在庫がシステム上あるように見えてしまっており、出す側のシステム登録も一から登録するため、ミスにつながる可能性もあった。
【0022】
そこで、本実施形態においては、リアルタイムに在庫を押さえることで、スピード感や確実性という意味合いで顧客満足度の向上につなげる仕組みを提供している。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る店舗客注管理装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態における店舗客注管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、店舗客注管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、店舗客注管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0025】
店舗客注管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。店舗客注管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、店舗客注管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、店舗客注管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、在庫データベース106aを備えている。
【0029】
在庫データベース106aは、保管場所毎の商品の在庫データを記憶する。ここで、在庫データベース106aは、商品、保管場所、現在庫数量、引当済数量、引当可能数量、および、移動積送数量を紐付けて設定した在庫データを記憶していてもよい。また、在庫データベース106aは、引当可能在庫データ、店舗客注データ、商品の移動データ、依頼店舗在庫データ、受注データ、出荷指示データ、および/または、出荷データ等を記憶していていてもよい。ここで、店舗客注データは、依頼商品、伝票番号、引当可能保管場所、依頼店舗、客注日、および/または、依頼数量が設定されていてもよい。また、移動データは、伝票番号、出荷元、出荷先、移動日、移動商品、および/または、移動数量が設定されていてもよい。また、受注データは、伝票番号、出荷元、出荷先、受注日、受注商品、および/または、受注数量が設定されていてもよい。また、出荷指示データは、伝票番号、出荷元、出荷先、出荷指示日、出荷商品、および/または、出荷数量が設定されていてもよい。また、出荷データは、伝票番号、出荷元、出荷先、出荷日、出荷商品、および/または、出荷数量が設定されていてもよい。
【0030】
制御部102は、店舗客注管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、店舗客注取得部102aと在庫引当部102bと出荷指示部102cと移動取得部102dと移動入庫部102eとを備えている。
【0031】
店舗客注取得部102aは、依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された在庫データを引当可能在庫データとして特定し、依頼商品、引当可能保管場所、依頼店舗、および、依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得する。ここで、店舗客注取得部102aは、顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された在庫データを引当可能在庫データとして特定し、依頼商品、引当可能保管場所、依頼店舗、および、依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得してもよい。ここで、引当可能保管場所は、引当可能店舗であってもよい。また、引当可能保管場所は、引当可能倉庫であってもよい。
【0032】
在庫引当部102bは、店舗客注データに基づいて、引当可能在庫データを更新する。ここで、在庫引当部102bは、店舗客注データに基づいて、引当可能在庫データに設定された引当済数量に依頼数量を追加し、且つ、引当可能数量から依頼数量を差し引くことで、引当可能在庫データを更新してもよい。また、在庫引当部102bは、店舗客注データに基づいて、依頼店舗、引当可能倉庫、依頼商品、および、依頼数量を紐付けて設定した受注データを取得してもよい。
【0033】
出荷指示部102cは、依頼店舗への依頼数量の依頼商品の出荷指示データを取得する。ここで、出荷指示部102cは、受注データに基づいて、引当可能倉庫から依頼店舗への依頼数量の依頼商品の出荷指示データを引当可能倉庫に通知してもよい。
【0034】
移動取得部102dは、引当可能保管場所から依頼店舗へ依頼商品の移動データに基づいて、引当可能在庫データを更新する。ここで、移動取得部102dは、引当可能保管場所から依頼店舗へ依頼商品の移動データを取得し、移動データに基づいて、引当可能在庫データを更新してもよい。また、移動取得部102dは、引当可能保管場所から依頼店舗へ依頼商品の移動出庫数量を設定した移動データを取得し、移動データに基づいて、引当可能在庫データに設定された引当済数量から移動出庫数量を差し引き、且つ、移動積送数量に移動出庫数量を追加することで、引当可能在庫データを更新してもよい。また、移動取得部102dは、出荷指示データに基づいて、引当可能倉庫から依頼店舗へ依頼商品の移動出庫数量を設定した出荷データを取得し、出荷データに基づいて、引当可能在庫データに設定された引当済数量から移動出庫数量を差し引き、且つ、移動積送数量に移動出庫数量を追加することで、引当可能在庫データを更新してもよい。
【0035】
移動入庫部102eは、依頼商品の移動入庫数量に基づいて、引当可能在庫データを更新する。ここで、移動入庫部102eは、引当可能保管場所から依頼店舗へ依頼商品が移動入庫された場合、依頼商品の移動入庫数量に基づいて、引当可能在庫データを更新してもよい。また、移動入庫部102eは、引当可能保管場所から依頼店舗へ依頼商品が移動入庫された場合、依頼商品の移動入庫数量に基づいて、引当可能在庫データに設定された移動積送数量から移動入庫数量を差し引くことで、引当可能在庫データを更新してもよい。また、移動入庫部102eは、依頼商品、依頼店舗である保管場所、ならびに、移動入庫数量である現在庫数量を紐付けて設定した依頼店舗在庫データを在庫データベース106aに追加登録してもよい。
【0036】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図9を参照して説明する。
【0037】
[店舗客注管理処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における店舗客注管理処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における店舗客注管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図2に示すように、店舗客注取得部102aは、依頼店舗における顧客からの依頼商品、および、依頼数量を設定した購入依頼に基づいて、依頼商品を引当可能な引当可能保管場所が設定された、在庫データベース106aに登録された在庫データを引当可能在庫データとして特定し、依頼商品、引当可能保管場所、依頼店舗、および、依頼数量を紐付けて設定した店舗客注データを取得する(ステップSA-1)。
【0039】
そして、在庫引当部102bは、店舗客注データに設定された引当可能保管場所が引当可能店舗または引当可能倉庫であるか否かを判定する(ステップSA-2)。
【0040】
そして、在庫引当部102bは、引当可能保管場所が引当可能店舗であると判定した場合(ステップSA-2:店舗)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0041】
そして、在庫引当部102bは、店舗客注データに基づいて、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データに設定された引当済数量に依頼数量を追加し、且つ、引当可能数量から依頼数量を差し引くことで、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データを更新する(ステップSA-3)。
【0042】
そして、移動取得部102dは、引当可能店舗から依頼店舗へ依頼商品の移動出庫数量を設定した店舗移動データを取得し、店舗移動データに基づいて、引当可能在庫データに設定された引当済数量から移動出庫数量を差し引き、且つ、移動積送数量に移動出庫数量を追加することで、引当可能在庫データを更新する(ステップSA-4)。
【0043】
そして、移動入庫部102eは、引当可能店舗から依頼店舗へ依頼商品が移動入庫された場合、依頼商品の移動入庫数量に基づいて、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データに設定された移動積送数量から移動入庫数量を差し引くことで、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データを更新し、依頼商品、依頼店舗である保管場所、ならびに、移動入庫数量である現在庫数量を紐付けて設定した依頼店舗在庫データを在庫データベース106aに追加登録し(ステップSA-5)、処理を終了する。
【0044】
一方、在庫引当部102bは、引当可能保管場所が引当可能倉庫であると判定した場合(ステップSA-2:倉庫)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0045】
そして、在庫引当部102bは、店舗客注データに基づいて、依頼店舗、引当可能倉庫、依頼商品、および、依頼数量を紐付けて設定した受注データを取得し、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データに設定された引当済数量に依頼数量を追加し、且つ、引当可能数量から依頼数量を差し引くことで、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データを更新する(ステップSA-6)。
【0046】
そして、出荷指示部102cは、受注データに基づいて、引当可能倉庫から依頼店舗への依頼数量の依頼商品の出荷指示データを引当可能倉庫に通知する(ステップSA-7)。
【0047】
そして、移動取得部102dは、出荷指示データに基づいて、引当可能倉庫から依頼店舗へ依頼商品の移動出庫数量を設定した出荷データを取得し、出荷データに基づいて、引当可能在庫データに設定された引当済数量から移動出庫数量を差し引き、且つ、移動積送数量に移動出庫数量を追加することで、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データを更新する(ステップSA-8)。
【0048】
そして、移動入庫部102eは、引当可能倉庫から依頼店舗へ依頼商品が移動入庫された場合、依頼商品の移動入庫数量に基づいて、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データに設定された移動積送数量から移動入庫数量を差し引くことで、在庫データベース106aに登録された引当可能在庫データを更新し、依頼商品、依頼店舗である保管場所、ならびに、移動入庫数量である現在庫数量を紐付けて設定した依頼店舗在庫データを在庫データベース106aに追加登録し(ステップSA-9)、処理を終了する。
【0049】
ここで、
図3から
図9を参照して、本実施形態における店舗客注管理処理の一例について説明する。
図3から
図9は、本実施形態における店舗客注管理処理の一例を示す図である。
【0050】
[他店取寄処理]
図3に示すように、本実施形態においては、銀座店にてTシャツ1点の客注依頼が顧客からあったが、自店に在庫がなかったため、他店・倉庫の在庫が確認され、渋谷店に在庫があったため、渋谷店に連絡され、問題ないことが確認できたため、渋谷店に対する依頼登録がされる。ここで、
図3に示すように、本実施形態においては、銀座店での客注登録時点で在庫引当が行われ、確実に在庫が押さえられる形となる。
【0051】
そして、
図4に示すように、本実施形態においては、銀座店での客注伝票に紐付けられて銀座店への移動出庫伝票が登録される。ここで、
図4に示すように、本実施形態においては、渋谷店にて客注伝票に紐付けられて移動入力されることで、現在庫数、および、引当済数が減らされ、移動積送数となる。
【0052】
そして、
図5に示すように、本実施形態においては、最終的に、銀座店にて移動入力(移動入庫)が行われ、完了となる。
【0053】
[倉庫取寄処理]
図6に示すように、本実施形態においては、銀座店にてTシャツ1点の客注依頼が顧客からあったが、自店に在庫がなかったため、他店・倉庫の在庫が確認され、センター倉庫に在庫があったため、センター倉庫に対する依頼登録がされる。ここで、
図6に示すように、本実施形態においては、倉庫に対する客注の場合、客注登録時に倉庫への出荷指示につながる受注データが生成される。また、
図6に示すように、本実施形態においては、銀座店での客注登録時点で在庫引当が行われ、確実に在庫が押さえられる形となる。
【0054】
そして、本実施形態においては、
図7に示すように、本社または倉庫で出荷指示入力され、
図8に示すように、倉庫出荷時に、倉庫で出荷入力される。
【0055】
そして、
図9に示すように、本実施形態においては、最終的に、銀座店にて入荷入力が行われ、完了となる。
【0056】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0059】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、店舗客注管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、店舗客注管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて店舗客注管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0064】
また、このコンピュータプログラムは、店舗客注管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、店舗客注管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、店舗客注管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、家電、または、アパレル等の店舗展開企業を含む流通小売業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0071】
100 店舗客注管理装置
102 制御部
102a 店舗客注取得部
102b 在庫引当部
102c 出荷指示部
102d 移動取得部
102e 移動入庫部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 在庫データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク