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  • 特開-物体検出装置、および、方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087753
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】物体検出装置、および、方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 10/26 20220101AFI20240624BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240624BHJP
【FI】
G06V10/26
G06T7/00 C
G06T7/00 650Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119226
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】111148672
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】林 哲渝
(72)【発明者】
【氏名】簡 至毅
(72)【発明者】
【氏名】楊 震偉
(72)【発明者】
【氏名】郭 尊賢
(72)【発明者】
【氏名】丁 奎評
(72)【発明者】
【氏名】陳 克剛
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA09
5L096AA13
5L096FA02
5L096HA05
5L096JA24
5L096JA28
(57)【要約】
【課題】物体検出装置を提供する。
【解決手段】本発明は、物体検出装置を提供する。物体検出装置は、画像抽出装置、および、プロセッサを有する。画像抽出装置は、特定空間の複数のイメージ、および、複数のデプス画像を抽出し、各イメージは、デプス画像の一つに対応する。プロセッサは、物体検出モデルを用いて、各イメージ中の物体を検出して、物体情報を得る。プロセッサは、各デプス画像中の各物体の深度値を計算する。プロセッサは、各物体の深度値を、物体状態モデルに入力して、各物体の物体状態を判断する。プロセッサは、物体情報と各物体の物体状態とに基づいて、特定空間に進入するか否かを判断する。よって、本発明中で提供される物体検出装置は、特定空間に進入するのに適当な時間を決定することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体検出装置であって、
特定空間の複数のイメージ、および、複数のデプス画像を抽出する画像抽出装置であって、各イメージが、前記複数のデプス画像の一つに対応する画像抽出装置と、
前記画像抽出装置に結合されて、前記画像抽出装置から、前記複数のイメージ、および、前記複数のデプス画像を得るプロセッサと、
を有し、
前記プロセッサは、物体検出モデルを用いて、各イメージ中の物体を検出して、物体情報を得て、
前記プロセッサは、各デプス画像中の各物体の深度値を計算し、
前記プロセッサは、各物体の前記深度値を、物体状態モデルに入力して、各物体の物体状態を判断し、
前記プロセッサは、前記物体情報と各物体の前記物体状態とに基づいて、前記特定空間に進入するか否かを判断する、
ことを特徴とする物体検出装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、各イメージ中の同一物体を追跡し、前記プロセッサは、各デプス画像中の各物体の深さマトリクスを計算し、前記深さマトリクスの深度値を順番に並べ、前記順番から、前記深度値の特定範囲を選択するとともに、選択された深度値の平均値を計算して、各デプス画像中の各物体の深度値を得ることを特徴とする請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記物体情報に基づいて、前記物体が少なくとも一つの特定の物体を有するか否かを判断し、前記物体が、前記少なくとも一つの特定の物体を有することに応答して、前記プロセッサは、前記物体検出装置に後退することを指示し、前記プロセッサは、前記少なくとも一つの特定の物体の前記物体状態に応じて、前記特定空間に進入するか否かを判断し、前記物体が前記少なくとも一つの特定の物体を有さないことに応答して、前記プロセッサは、前記物体の数量が閾値を超えていると判断し、前記物体の前記数量が前記閾値を超えていることに応答して、前記プロセッサは、前記物体検出装置に、前記特定空間に進入しないことを指示し、前記物体の前記数量が前記閾値を超えていないことに応答して、前記プロセッサは、前記物体検出装置に、前記特定空間に進入することを指示することを特徴とする請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項4】
物体検出装置に適用される物体検出方法であって、
画像抽出装置により、特定空間の複数のイメージ、および、複数のデプス画像を抽出する工程であって、各イメージが、前記複数のデプス画像の一つに対応する工程と、
プロセッサにより、物体検出モデルを用いて、各イメージ中の物体を検出して、物体情報を得る工程と、
前記プロセッサにより、各デプス画像中の各物体の深度値を計算する工程と、
前記プロセッサにより、各物体の前記深度値を、物体状態モデルに入力して、各物体の物体状態を判断する工程と、
前記プロセッサにより、前記物体情報と各物体の前記物体状態とに基づいて、前記特定空間に進入するか否かを判断する工程と、
を有することを特徴とする物体検出方法。
【請求項5】
さらに、
前記プロセッサにより、前記物体情報に基づいて、前記物体が少なくとも一つの特定の物体を有するか否かを判断する工程と、
前記物体が前記少なくとも一つの特定の物体を有することに応答して、前記プロセッサにより、前記物体検出装置に後退することを指示する工程と、
を有し、
さらに、
前記プロセッサにより、前記少なくとも一つの特定の物体の前記物体状態に応じて、前記特定空間に進入するか否かを判断する工程と、
前記物体の数量が閾値を超えていることに応答して、前記プロセッサにより、前記物体検出装置に、前記特定空間に進入しないことを指示する工程と、
前記物体の数量が前記閾値を超えていないことに応答して、前記プロセッサにより、前記物体検出装置に、前記特定空間に進入することを指示する工程と、
を有することを特徴とする請求項4に記載の物体検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体検出技術(object-detection technology)に関するものであって、特に、物体検出装置が、特定空間に進入するか否かを判断する物体検出技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、自律走行搬送ロボット(Autonomous Mobile Robot、AMR)は、さらに幅広く適用されている。
【0003】
AMRが、ビルディング中で、物品デリバリーサービス(たとえば、自動フードデリバリー)に応用される必要があるとき、エレベーターによって、物品を各フロアに運ぶ必要がある。しかし、AMRがエレベーターに進入する前、車椅子、ベビーカー、あるいは、ショッピングカートが、すでに、エレベーターに入っている可能性がある。AMRのサイズが大きいので、AMRが、直接、エレベーターのドアの前で待つ、あるいは、直接、エレベーターに進入する場合、大きい物体(たとえば、車椅子やベビーカー)は、エレベーターから円滑に出ることができない。
【0004】
よって、AMRがエレベーターに進入するのに適当な時間を決定するのをどのように支援するかが、議論すべき主題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を解決する物体検出装置、および、方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、物体検出装置を提供する。物体検出装置は、画像抽出装置、および、プロセッサを有する。画像抽出装置は、特定空間の複数のイメージ、および、複数のデプス画像(depth image)を抽出し、各イメージは、デプス画像の一つに対応する。プロセッサは、画像抽出装置に結合されて、画像抽出装置から、複数のイメージとデプス画像を得る。プロセッサは、物体検出モデルを用いて、各イメージ中の物体を検出して、物体情報を得る。プロセッサは、各デプス画像中の各物体の深度値を計算する。プロセッサは、各物体の深度値を、物体状態モデルに入力して、各物体の物体状態を判断する。プロセッサは、物体情報と各物体の物体状態とに基づいて、特定空間に進入するか否かを判断する。
【0007】
本発明の一実施形態は、物体検出方法を提供する。物体検出方法は、物体検出装置に適用される。物体検出方法は以下の工程を有する。物体検出装置の画像抽出装置は、特定空間の複数のイメージ、および、複数のデプス画像を抽出し、各イメージは、デプス画像の一つに対応する。続いて、物体検出装置のプロセッサは、物体検出モデルを用いて、各イメージ中の物体を検出して、物体情報を得る。その後、プロセッサは、各デプス画像中の各物体の深度値を計算する。その後、プロセッサは、各物体の深度値を、物体状態モデルに入力して、各物体の物体状態を判断する。その後、プロセッサは、物体情報と各物体の物体状態とに基づいて、特定空間に進入するか否かを判断する。
【0008】
本発明のその他の態様と特徴に関し、当業者なら、本発明の実施形態による物体検出装置、および、方法に基づいて、本発明の思想を脱しない範囲内で各種の変形を加えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、AMRが、エレベーターに進入するのに適当な時間を決定するのを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、添付図面を参照しながら後続の詳細な説明および実施例を参照することによってさらに十分に理解され得る。
図1】本発明の一実施形態による物体検出装置100のブロック図である。
図2A】本発明の一実施形態によるイメージを示す図である。
図2B】本発明の一実施形態によるデプス画像を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による物体検出方法を説明するフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態による工程S350を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記述は本発明を実施する最良の態様を説明するものである。この説明は、本発明の一般原則を説明することを目的としてなされているものであって、限定的な意味で参酌されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって最も規定されるものである。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による物体検出装置100のブロック図である。物体検出装置100は、自律走行搬送ロボット(AMR)である。図1に示されるように、物体検出装置100は、画像抽出装置110、赤外線検出装置120、ストレージデバイス130、通信装置140、および、プロセッサ150を有する。注意すべきことは、図1は、本発明に関連する素子だけが示される簡潔なブロック図であり、本発明は、図1の内容に制限されないことである。物体検出装置100はさらに、その他の素子、たとえば、AMRの動きを駆動する駆動装置、伝達機構、モーター、あるいは、車輪を有する。駆動装置は、プロセッサ150の指示に基づいて、AMRを前進、あるいは、後退させる。
【0013】
本発明の実施形態によると、画像抽出装置110は、カメラ、あるいは、撮影機能を有するその他の電子機器である。画像抽出装置110は、一定期間(たとえば、1秒)に特定空間(たとえば、エレベーター中)のイメージを抽出して、特定数量のイメージ、および、デプス画像を生成する。たとえば、エレベーターのドアが開いたとき、画像抽出装置110は、エレベーターの内部を撮影して、1秒ごと(すなわち、一定時間)に、30枚の連続イメージ、および、30枚の連続デプス画像を生成する。注意すべきことは、本発明は、上述の例によって制限されるべきではないことである。本発明の複数の実施形態において、各イメージは、それぞれ、一つのデプス画像に対応する。図2A、および、図2Bを例とすると、図2Aのイメージは、図2Bのデプス画像に対応する。
【0014】
本発明の実施形態によると、赤外線検出装置120は、赤外線を用いて、物体検出装置100周辺に、何か障害物があるか否か検出する。たとえば、赤外線検出装置120が物体検出装置100周辺の障害物を検出したことに応答して、あるいは、赤外線検出装置120が物体検出装置100に接近する物体を検出したことに応答して、プロセッサ150は、物体検出装置100に、移動を停止して、警告音、あるいは、警告信号を生成するよう指示する。
【0015】
本発明の実施形態によると、ストレージデバイス130は、物体検出装置100のソフトウェア、および、ファームウェアプログラムコード、システムデータ、ユーザーデータ等を保存する。ストレージデバイス130は、揮発性メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、あるいは、不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(ROM))、ハードデイスク、あるいは、上記のメモリデバイスの組み合わせである。
【0016】
本発明の実施形態によると、通信装置140は、特定空間(たとえば、エレベーター)の制御装置と通信する。通信装置140は、特定空間の制御装置から、無線信号(たとえば、ブルートゥース(登録商標)信号、あるいは、Wi-Fi信号であるが、本発明は、それらに制限されるべきではない)を受信して、エレベーターのドアの開閉を判断する。エレベーターのドアが開いたことを示す信号に応答して、物体検出装置100は、物体検出操作を実行して、エレベーターに進入するか否かを判断する。エレベーターのドアが閉じたことを示す信号に応答して、物体検出装置100は、物体検出操作の実行を停止するとともに、エレベーターのドアが開いたことを示すエレベーターからの次の信号の受信を待つ。
【0017】
本発明の実施形態によると、プロセッサ150は、画像抽出装置110、赤外線検出装置120、ストレージデバイス130、および、通信装置140の操作を制御する。本発明の一実施形態によると、プロセッサ150がさらに、ソフトウェアモジュールのプログラムコードを実行して、物体検出操作を実行するように設置される。プログラムコード実行時、データ構造の特定データを伴うプログラムコードは、また、プロセッサロジックユニット(processor logic unit)、あるいは、スタックインスタンス(stack instance)と称される。よって、プロセッサ150は、複数のプロセッサロジックユニットを有するとみなされ、それぞれ、対応するソフトウェアモジュールの一つ以上の特定の機能、あるいは、タスクを実行する。本発明の一実施形態によると、プロセッサは、中央処理ユニット(CPU)、コントローラー、あるいは、コントロールチップであるが、本発明は、それらに制限されるべきではない。
【0018】
本発明の一実施形態によると、物体検出装置100は、一定期間(たとえば、1秒)に特定空間(たとえば、エレベーター中)の特定数量(たとえば、30枚)のイメージ、および、デプス画像を得た後、物体検出装置100は、物体検出モデルを用いて、各イメージ中の物体を検出して、物体情報を得る。デプス画像はさらに、物体情報に対応する深さ情報を有する。物体情報は、各イメージに含まれる物体のタイプ(たとえば、人間、車椅子、ベビーカー、カート等)を有する。物体情報は、イメージ中の各物体の位置(すなわち、特定空間中の位置)を有する。本発明の一実施形態によると、物体検出モデルは、YOLO(You Only Look Once)モデル、あるいは、領域畳み込みニューラルネットワーク(Region Convolutional Neural Network、RーCNN)モデルであるが、本発明は、それらに制限されるべきではない。このほか、物体検出装置100は、物体追跡アルゴリズムに基づいて、各イメージ中の同一物体を追跡して、一定期間(たとえば、1秒)に生成される各イメージ中で検出される物体が、同一物体であることを確認する。本発明の一実施形態によると、物体追跡アルゴリズムに基づいて、物体検出装置100は、第一イメージ中の物体と第二イメージ中の物体との間の距離を計算し、その後、物体検出装置100は、最短距離を有する第一イメージ中の物体と第二イメージ中の物体を、同一物体とみなす。
【0019】
本発明の一実施形態によると、物体検出装置100は、デプス画像中の各物体に対応する深度値を計算する。特に、物体検出装置100は、デプス画像中の各物体の深さマトリクスを計算する。図2A、および、図2Bを例とすると、物体検出装置100が物体01を検出したとき、物体検出装置100は、フレームM1を用いて、物体01を囲む(frame)。フレームM1に対応する深度値は、物体01に対応する深さマトリクスである。その後、物体検出装置100は、深さマトリクスの深度値を順番に並べるとともに、深さマトリクスの配列済みの深度値から、深度値の特定範囲を選択して(たとえば、配列済みの深度値の中間部分から、深度値の特定の割合を選択して)、選択された深度値の平均値を、物体に対応する深度値として計算する。このように、物体検出装置100は、デプス画像中の各物体の深度値を得る。たとえば、デプス画像中の物体に対応する深さマトリクスが、5×5マトリクスである場合:
【0020】
【0021】
物体検出装置100が、深さマトリクスの深度値を順番に並べた後、深さマトリクスの深度値は、{1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13・・・25}に変化する。その後、物体検出装置100は、配列済みの深度値の30%~60%の深度値(すなわち、特定の範囲)を選択する(すなわち、{8、9、10、11、12、13、14、15}を選択する)とともに、選択された深度値の平均(すなわち、(8+9+10+11+12+13+14+15)/8=11.5)をとって、物体に対応する深度値(すなわち、11.5)を得る。注意すべきことは、上記の例は、本発明の実施形態を説明するためだけに用いられ、本発明は、それらに制限されるべきではないことである。物体に対応するフレームは、ある背景雑音を囲むので、フレーム中の背景雑音は、物体の深度値を得る上記スキームによりフィルタリングされる。
【0022】
本発明の一実施形態によると、物体検出装置100が、一定期間における各物体の深度値を得た後、物体検出装置100は、各物体の深度値を、物体状態モデルに入力して、各物体の物体状態を判断する。本発明の一実施形態によると、物体状態は、特定空間(たとえば、エレベーター)を離れる物体、あるいは、特定空間(たとえば、エレベーター)中で留まる物体を有する。このほか、本発明の一実施形態によると、物体状態モデルは、たとえば、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)モデル、あるいは、長、短期記憶(LSTM)モデルであるが、本発明は、それらに制限されるべきではない。たとえば、一定期間における物体の深度値が、{20、20、19、18、17、17、15、13、13、12}である場合、物体検出装置100が物体の深度値をLSTMモデルに入力したとき、物体検出装置100は、特定空間(たとえば、エレベーター)を離れる物体を知る。注意すべきことは、上記の例は、本発明の実施形態を説明するためだけに用いられ、本発明は、それらに制限されるべきではないことである。
【0023】
本発明の一実施形態によると、物体検出装置100は、物体情報と各物体の物体状態とに基づいて、特定空間(たとえば、エレベーター)中に進入するか否かを判断する。特に、物体検出装置100は、まず、物体情報に基づいて、物体が少なくとも一つの特定の物体(たとえば、車椅子、ベビーカー、あるいは、カート)を有するか否かを判断する。
【0024】
物体が少なくとも一つの特定の物体を有することに応答して、物体検出装置100は、特定の物体(たとえば、車椅子、ベビーカー、あるいは、カート)が特定空間(たとえば、エレベーター)から離れるのに十分な空間を有するように、ある距離だけ後退する。その後、物体検出装置100は、特定の物体が特定空間をすでに離れたか否かを継続的に監視する(すなわち、物体検出装置100は、一定期間ごとに、特定の物体の物体状態を継続的に監視する)。特定の物体がまだ特定空間を離れていないことに応答して、物体検出装置100は、特定空間に進入しないと判断する。特定の物体がすでに特定空間を離れたことに応答して、物体検出装置100はさらに、特定空間中の物体の数量(たとえば、人数)が閾値(たとえば、5人であるが、本発明は、それらに制限されるべきではない)を超えているか否かを判断する。特定空間中の物体の数量が閾値を超えていることに応答して、物体検出装置100はさらに、特定空間に進入しないと判断する。特定空間中の物体の数量が閾値を超えていないことに応答して、物体検出装置100は、特定空間に進入すると判断する。
【0025】
物体が任意の特定の物体を有さないことに応答して、物体検出装置100はさらに、特定空間中の物体の数量(たとえば、人数)が閾値(たとえば、5人であるが、本発明は、それらに制限されるべきではない)を超えているか否かを判断する。特定空間中の物体の数量が閾値を超えていることに応答して、物体検出装置100はさらに、特定空間に進入しないと判断する。特定空間中の物体の数量が、閾値を超えていないことに応答して、物体検出装置100は、特定空間に進入すると判断する。
【0026】
物体検出装置100が物体情報に基づいて特定空間中に物体がないと判断したことに応答して、物体検出装置100は、特定空間に進入すると判断し、あるいは、物体検出装置100は、まず、一定期間待って、その後、特定空間に進入する。特定空間が閉じた(たとえば、エレベーターのドアが閉じた)ことに応答して、物体検出装置100は、物体検出操作の実行を停止するとともに、特定空間が再度開く(たとえば、エレベーターのドアが再度開く)まで、その元の位置で留まって待つ。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態による物体検出方法を説明するフローチャートである。図3の手順は、物体検出装置100に適用される。図3に示されるように、工程S310において、物体検出装置100は、特定空間の複数のイメージ、および、複数のデプス画像を抽出し、各イメージはそれぞれ、デプス画像の一つに対応する。
【0028】
工程S320において、物体検出装置100は、物体検出モデルを用いて、各イメージ中の物体を検出して、物体情報を得る。本発明の一実施形態によると、物体検出モデルは、YOLO(You Only Look Once)モデル、あるいは、領域畳み込みニューラルネットワーク(RーCNN)モデルであるが、本発明は、それらに制限されるべきではない。
【0029】
工程S330において、物体検出装置100は、各デプス画像中の各物体の深度値を計算する。
【0030】
工程S340において、物体検出装置100は、各物体の深度値を、物体状態モデルに入力して、各物体の物体状態を判断する。本発明の一実施形態によると、物体状態モデルは、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)モデル、あるいは、長、短期記憶(LSTM)モデルであるが、本発明は、それらに制限されるべきではない。
【0031】
工程S350において、物体検出装置100は、物体情報と各物体の物体状態とに基づいて、特定空間に進入するか否かを判断する。一実施形態において、物体検出装置100は、一定期間ごとに、工程S310~S330を繰り返し、各物体を追跡する。その後、物体検出装置100は、工程S340を実行して、各物体の物体状態を判断するとともに、物体検出装置100は、工程S350を実行して、物体情報と各物体の物体状態とに基づいて、特定空間に進入するか否かを判断する。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態による工程S350を説明するフローチャートである。図4の手順は、物体検出装置100に適用することができる。図4に示されるように、工程S410において、物体検出装置100は、物体情報に基づいて、物体が少なくとも一つの特定の物体を有するか否かを判断する。
【0033】
物体が任意の特定の物体を有さないことに応答して、工程S420が実行される。工程S420において、物体検出装置100は、物体の数量が閾値を超えているか否かを判断する。
【0034】
物体の数量が閾値を超えていないことに応答して、工程S430が実行される。工程S430において、物体検出装置100は、特定空間に進入すると判断する。
【0035】
物体の数量が閾値を超えていることに応答して、工程S440が実行される。工程S440において、物体検出装置100は、特定空間に進入しないと判断する。工程S440の後、物体検出装置100は、次の一定期間に、図4の操作を再度実行する。このほか、工程S440の後、物体検出装置100はさらに、特定空間(たとえば、エレベーターのドア)が開いたことを示す次の信号の受信後、図3図4の操作を再度実行する。
【0036】
物体が特定の物体を有することに応答して、工程S450が実行される。工程S450において、物体検出装置100は、特定の物体(たとえば、車椅子、ベビーカー、あるいは、カート)が特定空間(たとえば、エレベーター)から離れるのに十分な空間を有するように、ある距離(たとえば、1メートル)だけ後退する。
【0037】
工程S460において、物体検出装置100は、特定の物体の物体状態に基づいて、特定の物体が特定空間を離れたいか否かを判断する。物体検出装置100が特定の物体が特定空間を離れたいと判断したことに応答して、物体検出装置100は、工程S410を実行して、図4の操作を再開し、特定の物体がすでに特定空間を離れたか否かを継続的に判断する。物体検出装置100が特定の物体が特定空間を離れたくないと判断したことに応答して、物体検出装置100は、特定空間に進入しないと判断する(すなわち、工程S440を実行する)。
【0038】
本発明で提供される物体検出方法によると、物体検出装置は、特定空間(たとえば、エレベーター)に進入するのに適当な時間を決定することができる。
【0039】
本開示、および、請求項中の「第一」、「第二」、「第三」等の序数は、説明を便利にするためのものであり、互いの間に、順序上の前後関係はない。
【0040】
本発明の明細書で開示される方法と演算法のステップは、直接、プロセッサを実施することにより、ハードウェア、ソフトウェアモジュール、あるいは、二個の組み合わせ上に応用される。ソフトウェアモジュール(たとえば、実行可能命令、および、関連データを有する)、および、その他のデータは、データメモリ、たとえば、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードデイスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、あるいは、従来の技術中の任意のその他の形式のコンピュータ可読ストレージ媒体中に存在する。ストレージ媒体は、たとえば、コンピュータ/プロセッサ(簡潔にするため、ここで、「プロセッサ」と称する)に結合されて、プロセッサが、ストレージ媒体から、情報(たとえば、コード)を読み取ったり、ストレージ媒体に情報を書き込むことができる。ストレージ媒体は、プロセッサに整合することができる。ASICは、プロセッサ、および、ストレージ媒体を有する。ユーザー装置は、ASICを有する。つまり、プロセッサ、および、ストレージ媒体は、直接、ユーザー装置を接続しない方式で、ユーザー装置中に含まれる。さらに、いくつかの態様において、任意の適当なコンピュータ-プログラム製品は、本開示の一つ以上の態様に関連するコードを含むコンピュータ-可読媒体を有する。いくつかの態様において、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料を有する。
【0041】
以上の段落は、多種の態様を記述する。明らかに、本発明の教示は、多種の方法で実現でき、開示される任意の特定の構造や機能は、単に、代表的な状況を示している。本文の教示によると、当業者は、単独で、あるいは、二種以上を組み込んで、応用することができる。
【0042】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を脱しない範囲内で各種の変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0043】
110 画像抽出装置
120 赤外線検出装置
130 ストレージデバイス
140 通信装置
150 プロセッサ
M1 フレーム
01 物体
S310~S350、S410~S460 工程
図1
図2A
図2B
図3
図4