(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087757
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ブレスレット固定デバイス
(51)【国際特許分類】
G04B 37/16 20060101AFI20240624BHJP
A44C 5/14 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
G04B37/16 P
A44C5/14 K
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023133275
(22)【出願日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】22214599.7
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】509107758
【氏名又は名称】モントレ・ジャケ・ドロー・エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・メール
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・チュミ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴ・ジャーべ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・シェレール
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ストラウトマン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ブレスレットを携行型時計ケースに固定するための固定デバイスを提供する。
【解決手段】固定デバイス1は、携行型時計ケース3に固定されるメス型接続要素5と、ブレスレット2の一端20に固定されるオス型接続要素6を利用し、ブレスレット2を交換可能にすることができる取り外し可能な組み付け手段を形成し、オス型接続要素6はそれぞれ、ブレスレット2の対応する端20に接続されるロッド7と、ボール爪8と、各ボール爪8のまわりに同心に配置された円筒を含む形状の第1の肩付き部分70と円筒を含む形状の第2の肩付き部分80とを備え、オス型接続要素6はそれぞれ、ロッド7の両側に延在し、ボール爪8及び肩付き部分70はそれぞれ、非貫通ハウジング50、及び非貫通ハウジング50の近傍にある溝51とそれぞれ連係するように構成しており、2対のホーン4の対の内側領域にメス型接続要素5を形成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレスレット(2)を携行型時計ケース(3)に2対のホーン(4)において固定するための固定デバイス(1)であって、
前記固定デバイス(1)は、前記携行型時計ケース(3)に固定される少なくとも1つのメス型接続要素(5)と、前記ブレスレットの一端(20、21)に固定される少なくとも1つのオス型接続要素(6)を利用し、
前記メス型接続要素(5)と前記オス型接続要素(6)は、相補的であり、一方が他方内にて嵌まることによって連係し、かつ、前記ブレスレットを交換可能にすることができる取り外し可能な組み付け手段を形成し、
前記オス型接続要素はそれぞれ、前記ブレスレット(2)の対応する端(20、21)に接続されるロッド(7)と、ボール爪(8)と、各ボール爪(8)のまわりに同心に配置された円筒を含む形状の第1の肩付き部分(70)と円筒を含む形状の第2の肩付き部分(80)とを備え、
前記オス型接続要素はそれぞれ、前記ロッド(7)の両側に延在し、
前記ボール爪及び前記肩付き部分はそれぞれ、非貫通ハウジング(50)、及び前記非貫通ハウジング(50)の近傍にある溝(51)とそれぞれ連係するように構成しており、前記2対のホーン(4)の対の内側領域に前記メス型接続要素を形成する
ことを特徴とする固定デバイス(1)。
【請求項2】
各メス型接続要素には、前記非貫通ハウジング(50)の上流に位置する傾斜面(52)があり、
前記傾斜面(52)は、前記ボール爪(8)と連係するように構成しており、
前記非貫通ハウジング(50)は、前記傾斜面(52)の端にある
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【請求項3】
前記溝(51)には、順に、まっすぐな部分(51’)と弧状部分(53)がある
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【請求項4】
前記溝(51)には、前記ロッド(7)の回転を制限する第1の止め要素(54)がある
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【請求項5】
前記第1の肩付き部分は、前記ロッド(7)の半径(r)よりも大きい高さ(H)を有し、
前記第2の肩付き部分は、前記ロッド(7)の半径(r)よりも小さい高さ(h)を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【請求項6】
前記第1の肩付き部分(70)の周部には、局所的に空欠部(71)があり、
前記空欠部(71)は、前記ロッド(7)の角トラベルの長さに対応し、第2の止め要素(55)と連係するように構成している
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【請求項7】
前記第2の止め要素(55)は、前記第1の止め要素(54)と重なり合っており前記第1の止め要素(54)に対してオフセットされる
ことを特徴とする請求項6に記載の固定デバイス(1)。
【請求項8】
各メス型接続要素(5)は、前記2対のホーン(4)の対の前記内側領域(40、40’)に取り付けられる要素である
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【請求項9】
各メス型接続要素(5)は、金属材料又は金属合金によって作られる
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【請求項10】
前記ブレスレット(2)の前記端(20、21)には、前記ロッド(7)を受けるように構成している通路がある
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【請求項11】
前記ブレスレット(2)は、前記ロッド(7)に固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携行型時計(例、腕時計、懐中時計)又は宝飾品の分野に関する。具体的には、本発明は、物体、特に、携行型時計ケース、にブレスレットを固定するための固定デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、皮革製又は金属製のブレスレットは、管によって形成される棒体を利用して携行型時計ケースのホーンに固定され、この管内において、2つのピストンが並進運動可能なように取り付けられ、前記ピストンの間に、前記ピストンを管の外側に押し出す傾向がある弾性メンバーが配置される。前記棒体は、この目的のためにブレスレットの一端に設けられたハウジング内に取り付けられ、前記ピストンは、ケースのホーン内にある対向する非貫通ボア内に取り付けられる。
【0003】
このようにしてケースに固定されたブレスレットを取り外すためには、弾性メンバーが与える応力に対抗するようにピストンを管内に押すように設計されている工具が必要とされ、これによって、ピストンを穴から出す。携行型時計の着用者は、恒久的にはこのような工具を利用することはできず、また、このような工具を使用することが不便であることがある。このために、このような固定デバイスを備えるブレスレットは一般的にはケースに恒久的に取り付けられる。
【0004】
また、工具を使用せずにケースからブレスレットを取り外すことを可能にする固定デバイスもある。このような固定デバイスには、通常、上で説明したタイプの棒体があり、この棒体上に管を通り抜けるようにピストンアクチュエート用メンバーが取り付けられる。例えば、前記アクチュエート用メンバーは、スイス特許文献CH327838に記載されているように、一方のピストンに固定される半径方向のフィンガーである。このフィンガーは、管内に形成された軸方向の溝を通り抜けるように摺動可能に取り付けられ、溝に沿ったこのフィンガーの運動によって、一方のピストンを管内に押し込むことが可能になる。
【0005】
スイス特許文献CH614589は、ブレスレットをケースに固定するための固定デバイスを備える携行型時計ケースについて記載している。中央ホーンには、ホーンの全長にわたって縦方向に円筒状の通路スリットがあり、ブレスレットを固定するための棒体の挿入を可能にしている。この棒体は、全長にわたってまっすぐな面がある円筒の形態であり、これによって、通路に挿入されたときに棒体が通り、所定の角位置を占めるときに棒体が所定の位置に保持される。
【0006】
説明したこれらの固定デバイスは、一般的に、交換可能なブレスレットのために用いられ、このようなブレスレットを着用者が望んだときに交換することが可能になる。しかし、課題もある。特に、これらの固定デバイスは、管に開口を形成すること、ピストンを大きく変えることのような、棒体に対して大きな構造的変更を行うことを必要とする。これらの変更によって、製造コストが大きく増えてしまう。また、これらの固定デバイスには、突出要素、すなわち、アクチュエート用メンバー、があり、これは、携行型時計の着用者を引っ掻いたり傷つけたりしてしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、特に、従来技術のブレスレット固定デバイスの様々な課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、ブレスレットを携行型時計ケースに2対のホーンにおいて固定するための固定デバイスに関し、前記固定デバイスは、前記携行型時計ケースに固定される少なくとも1つのメス型接続要素と、前記ブレスレットの一端に固定される少なくとも1つのオス型接続要素を利用し、前記メス型接続要素と前記オス型接続要素は、相補的であり、一方が他方内にて嵌まることによって連係し、かつ、前記ブレスレットを交換可能にすることができる取り外し可能な組み付け手段を形成する。
【0009】
本発明によると、前記オス型接続要素はそれぞれ、前記ブレスレットの対応する端に接続されるロッドと、ボール爪と、各ボール爪のまわりに同心に配置された円筒を含む形状の第1の肩付き部分と円筒を含む形状の第2の肩付き部分とを備え、前記オス型接続要素はそれぞれ、前記ロッドの軸の両側に延在し、前記ボール爪及び前記肩付き部分はそれぞれ、非貫通ハウジング、及び前記非貫通ハウジングの近傍にある溝とそれぞれ連係するように構成しており、前記2対のホーンの対の内側領域に前記メス型接続要素を形成する。
【0010】
本発明の他の好ましい変異形態は、以下の特徴を有する。
- 各メス型接続要素には、前記非貫通ハウジングの上流に位置する傾斜面があり、前記傾斜面は、前記ボール爪と連係するように構成しており、前記非貫通ハウジングは、前記傾斜面の端にある。
- 前記溝には、順に、まっすぐな部分と弧状部分がある。
- 前記溝には、前記ロッドの回転を制限する第1の止め要素がある。
- 前記第1の肩付き部分は、前記ロッドの半径よりも大きい高さを有し、前記第2の肩付き部分は、前記ロッドの半径よりも小さい高さを有する。
- 前記第1の肩付き部分の周部には、局所的に空欠部があり、前記空欠部は、前記ロッドの角トラベルの長さに対応し、第2の止め要素と連係するように構成している。
- 前記第2の止め要素は、前記第1の止め要素と重なり合っており前記第1の止め要素に対してオフセットされる。
- 各メス型接続要素は、前記2対のホーンの対の前記内側領域に取り付けられる要素である。
- 各メス型接続要素は、金属材料又は金属合金によって作られる。
- 前記ブレスレットの前記端には、前記ロッドを受けるように構成している通路がある。
- 前記ブレスレットは、前記ロッドに固定される。
【0011】
本発明は、さらに、本発明に係る固定デバイスを備える携行型時計に関する。
【0012】
添付の図面を参照しながら例として与えられる以下の詳細な説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る固定デバイスを利用して携行型時計ケースに取り付けられたブレスレットの分解斜視図である。
【
図4】
図4a~cはそれぞれ、本発明に係る固定デバイスのオス部分の斜視図、断面図及び正面図である。
【
図5】本発明に係る固定デバイスのメス部分の斜視図である。
【
図6】
図6a及び6bはそれぞれ、挿入位置及びロック位置における本発明に係る固定デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る携行型時計にブレスレットを固定するための固定デバイスを備える携行型時計ケースを示している。
【0015】
固定デバイス1は、ブレスレット2の端20、21を携行型時計ケース3にそのホーン4において固定するように意図されている。
【0016】
ブレスレット2は、携行型時計のホーン4に固定されるメス型接続要素5と、ブレスレット2の端20、21に固定されるオス型接続要素6とを備える固定デバイス1を利用してケースに固定され、このメス型接続要素5とオス型接続要素6は、相補的であり、一方を他方に嵌めることによって連係してブレスレット2を着脱可能にすることができる取り外し可能な組み付け手段を形成する。
【0017】
本発明によると、オス型接続要素6はそれぞれ、円筒状のロッド7からなり、このロッド7には、ブレスレット2の対応する端20、21に位置する縦軸A-Aがある。このロッド7の両側には、軸A-Aを中心とする円筒状の空洞84内に収容されるボール爪8が延在する。
【0018】
典型的には、ボール爪8には、ばね83とボール82が収容される本体81があり、この本体81は、円筒状の空洞84内にて休む。
【0019】
オス型接続要素6にはそれぞれ、さらに、各ボール爪8のまわりに同心に配置される円筒を含む形状の第1の肩付き部分70及び円筒を含む形状の第2の肩付き部分80があり、円筒を含む形状の第1の肩付き部分70は、ボール爪8のボール82を部分的に囲む。
【0020】
ブレスレットには、その各端20、21において、ロッド7を受け所定の位置に保持するように構成している通路がある。ロッド7は、ブレスレットに固定され、ロッド7をブレスレットに固定するピンを利用して、ブレスレットに対して回転しないようにされる。
【0021】
各肩付き部分は、2つの互いに直交する平面の交わりによって形成され、その一方の平面は、ロッド7の縦軸A-Aに対して垂直であり、他方の平面は、この同じ縦軸A-Aに対して平行である。
【0022】
本発明によると、各メス部分5には、ボール爪8と連係するように構成している非貫通ハウジング50と、円筒を含む形状の第2の肩付き部分80と連係するように構成している溝51があり、これらの非貫通ハウジング50及び溝51は、2対のホーン4の対の内側領域にメス型接続要素5を形成する。
【0023】
図5に示しているように、各メス型接続要素5には、非貫通ハウジング50の上流に位置する傾斜面52があり、この傾斜面52は、ボール爪8と連係して、傾斜面52の端にある非貫通穴50にボール爪8をガイドする。この構成において、非貫通穴50の底部は、溝51の底部よりも高い位置にある。
【0024】
好ましいことに、溝51には、順に、第1のまっすぐな部分51’と第2の弧状部分53があり、これによって、ボール爪が非貫通穴50内にて嵌まるまで、並進して、円筒を含む形状の第2の肩付き部分80を第1のまっすぐな部分51’内へと挿入して、ロッド7を装着位置に配置するまでロッド7を回転させることを可能にする。
【0025】
したがって、溝51の第1のまっすぐな部分51’は、傾斜面52に沿って延在しており、第2の円弧部分53は、非貫通穴を迂回して、このようにして、ロッド7を並進運動させてから回転させる連続的な溝51を形成する。
【0026】
図4a及び4bに示しているように、円筒を含む形状の第1の肩付き部分70及び円筒を含む形状の第2の肩付き部分80は、一方の後に他方が次々に形成され、異なる高さのベアリングを形成するように異なる寸法構成を有する。円筒を含む形状の第1の肩付き部分70は、ロッド7の半径rよりも大きい高さHを有し、第2の肩部分80は、ロッド7の半径rよりも小さい高さhを有する。
【0027】
円筒を含む形状の第1の肩付き部分70は、ボール爪8のボール82のためのクリアランスを形成することを可能にし、ボール爪8の本体81は、円筒を含む形状の第1の肩付き部分70と面一であり、本体81の面と円筒を含む形状の第1の肩付き部分70によって形成される平面からボール82が突き出る。
【0028】
円筒を含む形状の第2の肩付き部分80は、溝51と連係するように構成しており、この円筒を含む形状の第2の肩付き部分80は、溝51と傾斜面52にアクセスすることを可能にする外側に開いている開口60を介して溝51内に挿入され、円筒を含む形状の第2の肩付き部分80の高さhは、円筒を含む形状の第2の肩付き部分80が溝51のまっすぐな部分51’にて摺動するように、溝51のまっすぐな部分51’の高さと同様の寸法を有する。
【0029】
図5において観察することができるように、溝51には、第2の肩付き部分80にある平坦面90と連係してロッド7の回転トラベルを制限するように構成している第1の止め要素54がある。
【0030】
メス型接続要素5には、ロッド7の回転を制限するための第2の止め要素55がある。この第2の止め要素55は、第1の止め要素54に対して後退した高さを有するように形成される。第2の止め要素55は、周部に局所的に空欠部71がある第1の肩付き部分70と連係するように構成しており、この空欠部71の長さは、ロッド7の角トラベルの長さを定める。この空欠部71には、その端に、第2の止め要素55と連係するように構成している接触面72がある。
【0031】
このような2つの止め要素54、55がある構成によって、接触する部品や面の大きさが小さいので、強度を大きくし安全性を高めることが可能になる。
【0032】
本発明の一実施形態において、各メス型接続要素5は、2対のホーンの対の内側領域40、40’に取り付けられる要素である。
図3に示しているように、各メス型接続要素5は、ホーンの内側領域40、40’にねじ込まれる。
【0033】
図示していない別の実施形態において、各メス型接続要素5は、2対のホーンの対の内側領域40、40’を直接機械加工して形成される。
【0034】
各メス型接続要素5は、金属材料、金属合金、プラスチック材料、又はセラミックス材料によって作られる。また、メス型接続要素5をホーン4に取り付ける場合、これらの材料を組み合わせて、例えば、金属又は金属合金によって作られたホーンと、セラミックス又はプラスチック材料によって作られたメス型接続要素5を組み合わせることも考えられる。
【0035】
ブレスレット2をケース1に固定するために、第1及び第2の肩付き部分70、80は、ブレスレットに固定されたロッド7の端に対応するように、
図4aに示しているように挿入される。これは、それらの端をメス型接続要素5の開口60に対向するように配置することによって行う。
【0036】
第1及び第2の肩付き部分70、80が開口に挿入されると、着用者はピン7(又はブレスレット)を溝51のまっすぐな部分51’の底部まで滑らせて、溝51が第2の肩付き部分80をガイドする。「クリック」によって、非貫通ハウジング50内におけるボール爪8の係合のおかげで、ピン7をその回転軸に対してポジショニングすることを可能にする。また、このことは、着用者のための基準点としても機能し、非貫通ハウジング50内におけるボール爪8の係合は、着用者が、ブレスレット2、したがってピン7、を回転させて装着位置にすることができるようになり、ロッド7がメス型接続要素5から外れないようにすることが可能になったことを意味する。
【0037】
図6bにて観察できるように、ボール爪8が非貫通ハウジング50内において係合すると、棒体が軸A-Aを中心に挿入位置から少なくとも90°回転するまで、あるいは第1及び第2の肩付き部分70、80が第1及び第2の止め要素54、55と接触するまで、ユーザーはロッド7をブレスレットを通る軸A-Aを中心に回転させて、ブレスレットを外すことができなくなる。
【0038】
ブレスレットを取り外すには、単に逆の操作を行えばよく、ブレスレットにわずかな力を与えて、ボール爪8を非貫通ハウジング50から外す。
【0039】
前記実施形態において、この固定デバイスは、皮革、合成繊維、又はエラストマー材料によって作られた、いわゆるフレキシブルブレスレットについて説明した。この固定デバイスは、例えば、金属によって作られたブレスレットやセラミックス製のリンクにも適合する。
【0040】
本発明の前記の様々な態様のおかげで、工具を必要とせずに容易かつ迅速にブレスレットを交換することができるような、確実なブレスレット固定デバイスが利用可能になった。
【0041】
当然、本発明は図示した例に限定されず、当業者であれば明らかであることがある様々な改変や変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1 固定デバイス
2 ブレスレット
3 携行型時計ケース
4 ホーン
5 メス型接続要素
6 オス型接続要素
7 ロッド
8 ボール爪
20、21 ブレスレットの端
40、40’ 内側領域
50 非貫通ハウジング
51 溝
51’ まっすぐな部分
52 傾斜面
53 弧状部分
54 第1の止め要素
55 第2の止め要素
70 第1の肩付き部分
71 空欠部
80 第2の肩付き部分
【外国語明細書】