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特開2024-87782複数ページ文書の縁部における3次元効果
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087782
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】複数ページ文書の縁部における3次元効果
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20240624BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240624BHJP
【FI】
H04N1/387
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023204533
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】18/084,361
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595097771
【氏名又は名称】アドビ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大地
(72)【発明者】
【氏名】ギャヴィン スチュワート ピーター・ミラー
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA13
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA07
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA19
5B050EA27
5B050FA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】書籍等の複数ページ文書の縁部における、特定の紙、インク、視認用レンズ等を必要とすることなく提供される3次元効果を促進することを対象とする複数ページ文書の縁部に3次元効果を印刷する技法を提供する。
【解決手段】複数ページ文書の縁部における3次元効果のための方法は、左眼用画像に関連付けられた第1の一連の画像スライスを、複数ページ文書の長いページの第1の側に印刷する。第1の一連の画像スライスは、長いページの縁部に隣接して印刷される。右眼用画像に関連付けられた第2の一連の画像スライスを、複数ページ文書の長いページの第2の側に印刷する。第2の一連の画像スライスは、長いページの縁部に隣接して印刷される。その後、長いページの縁部に隣接して印刷された第1の一連の画像スライス及び第2の一連の画像スライスを視認できるようにするために、長いページに短いページを挟むことによって、複数ページ文書を作成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼用画像に関連付けられた第1の一連の画像スライスを、複数ページ文書の長いページの第1の側に印刷するステップであって、前記第1の一連の画像スライスは、前記長いページの縁部に隣接して印刷される、ステップ;
右眼用画像に関連付けられた第2の一連の画像スライスを、前記複数ページ文書の前記長いページの第2の側に印刷するステップであって、前記第2の一連の画像スライスは、前記長いページの前記縁部に隣接して印刷される、ステップ;並びに
前記長いページの前記縁部に隣接して印刷された前記第1の一連の画像スライス及び前記第2の一連の画像スライスを視認できるようにするために、前記長いページに短いページを挟むことによって、前記複数ページ文書を作成するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の一連の画像スライスは、左眼で視認するために構築された、ステレオペアのうちの第1の画像から生成され、
前記第2の一連の画像スライスは、右眼で視認するために構築された、前記ステレオペアのうちの第2の画像から生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記長いページの前記第1の側は、前記長いページの前側を含み、前記長いページの前記第2の側は、前記長いページの後側を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記長いページは、前記短いページより大きな幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1つ以上の前記短いページが、前記長いページの各ペアの間に挿入される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記長いページの前記縁部と、印刷された前記第1の一連の画像スライス及び前記第2の一連の画像スライスとの間に、ギャップが位置決めされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の一連の画像スライス及び前記第2の一連の画像スライスは、1つ以上の色で印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記長いページの前記第1の側に印刷された前記第1の一連の画像スライスは、視点の変化に伴って色が変化するように、第1の色及び第2の色を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数ページ文書の縁部上に3次元効果を伴って表示したい画像を取得するステップ;
取得された前記画像から、異なる複数の眼の位置に対応するように、一連の画像を生成するステップであって、前記一連の画像は、左眼用画像及び右眼用画像を含む、ステップ;
前記一連の画像のうちの各画像を、前記左眼用画像に関連付けられた第1の一連の画像スライスと、前記右眼用画像に関連付けられた第2の一連の画像スライスとを含む、一連の画像スライスへと分割するステップ;並びに
前記第1の一連の画像スライスを、前記複数ページ文書の長いページの第1の側に、そして前記第2の一連の画像スライスを、前記複数ページ文書の前記長いページの第2の側に、印刷するステップ
を含む、方法であって、
前記複数ページ文書は、前記長いページの縁部に隣接して印刷された前記第1の一連の画像スライス及び前記第2の一連の画像スライスを視認できるようにするために、前記長いページに挟まれた、短いページを含む、方法。
【請求項10】
前記左眼用画像及び前記右眼用画像は、左眼で視認するため及び右眼で視認するために構築された画像のステレオペアを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記長いページの前記第1の側は、前記長いページの前側を含み、前記長いページの前記第2の側は、前記長いページの後側を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1つ以上の前記短いページが、前記長いページの各ペアの間に挿入される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記長いページの前記縁部と、印刷された前記第1の一連の画像スライス及び前記第2の一連の画像スライスとの間に、ギャップが位置決めされる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の一連の画像スライス内の前記画像スライスは、対応する対向画像スライスの反射をオフセットするための反射オフセットを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記短いページの縁部に第3の一連の画像スライスを印刷するステップを更に含み、前記第3の一連の画像スライスはセンター画像に関連付けられている、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
複数の実行可能な命令が具体化された、1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに:
ステレオ左眼用画像を第1の一連の画像スライスに分割し、ステレオ右眼用画像を第2の一連の画像スライスに分割するステップ;
前記第1の一連の画像スライスのうちの第1の画像スライスを、複数ページ文書の第1の長いページの後側の縁部上に位置合わせし、前記第2の一連の画像スライスのうちの第2の画像スライスを、前記複数ページ文書の第2の長いページの前側の縁部上に位置合わせするステップであって、前記第1の画像スライスは前記第2の画像スライスに対面する、ステップ;
前記第1の画像スライスを調整して、前記第1の画像スライスに対面する前記第2の画像スライスからの反射をオフセットするステップ;
前記第2の画像スライスを調整して、前記第2の画像スライスに対面する前記第1の画像スライスからの反射をオフセットするステップ;及び
前記第1の長いページの前記後側の縁部に印刷するために、調整された前記第1の画像スライスを提供し、前記第2の長いページの前記前側の縁部に印刷するために、調整された前記第2の画像スライスを提供して、前記複数ページ文書を作成するステップ
を含む方法を実施させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記複数ページ文書は、前記第1の長いページと前記第2の長いページとの間に少なくとも1つの短いページを含み、前記少なくとも1つの短いページは、前記調整された第1の画像スライス及び前記調整された第2の画像スライスを視認できるようにするものである、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記第1の画像スライスを調整して、前記第2の画像スライスからの反射をオフセットする前記ステップは:
前記第2の画像スライスに対応する反転画像を生成するステップ;及び
前記第1の画像スライスと、前記第2の画像スライスに対応する前記反転画像とを合成するステップ
を含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記反転画像は、前記第2の画像スライスに対応する、ぼかされた反転画像である、請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記第1の画像スライスと、前記第2の画像スライスに対応する前記反転画像とを合成する前記ステップは、前記第1の画像スライスのピクセルを前記反転画像のピクセルとブレンドするステップを含む、請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
書籍、マニュアル、及びその他の複数ページ文書は、上記複数ページ文書の表面及び/又は裏面に画像を含む場合がある。例えば書籍の表紙は、情報を閲覧者に提供するために、及び/又は閲覧者の注意を引くために、テキスト又はグラフィックを含む場合がある。書籍等の一部の複数ページ文書の場合、書籍の背表紙も画像を含む場合がある。例えば書籍のタイトルが書籍の背表紙に印刷される場合がある。しかしながら、複数ページ文書の背表紙以外の縁部は、典型的には画像を含まない。背表紙以外の縁部に画像が提供される場合、このような画像は一般に2次元形式で表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本明細書で開示される実施形態は、書籍等の複数ページ文書の縁部における3次元効果を促進することを対象とする。本明細書に記載の技術は、複数ページ文書の縁部に3次元効果を印刷する技法を提供する。有利には、3次元効果は、特定の紙、インク、視認用レンズ等を必要とすることなく提供される。
【課題を解決するための手段】
【0003】
一般に、本明細書に記載の実施形態によると、複数ページ文書が、3次元効果を伴って表示される画像を有する少なくとも1つの縁部(綴じられていない縁部)と共に、生成又は製造される。3次元効果を生成するためには、ある画像を、右眼で視認することを目的とした1つの画像と、左眼で視認することを目的としたもう1つの画像とを含む、画像のステレオペアとしてレンダリングする。右眼用画像と左眼用画像との両方を、複数ページ書籍の異なる複数のページを対象とした複数の部分へとスライス処理又は分割できる。3次元効果を提供するためには、右眼用画像スライスを、ページの片側の縁部(例えばページの前縁部)に印刷し、左眼用画像スライスを、該ページのもう片側の縁部(例えばページの後縁部)に印刷する。閲覧者が、印刷された縁部を、これらが隣接するページによって隠されないように視認できるようにするために、本明細書に記載の実施形態は、印刷された右眼用画像スライス及び左眼用画像スライスを有する長いページの間に挟まれた、短いページを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A図1Aは、3次元効果を有する縁部の画像を有する、例示的な複数ページ文書を示す。
図1B図1Bは、3次元効果を達成するための技法を説明する、複数のページを有する例示的な複数ページ文書を示す。
図1C図1Cは、複数ページ文書の1つのページの図を示す。
図2図2は、複数ページ文書の縁部における3次元効果を促進するための例示的な方法のフローを提供する。
図3A図3Aは、正投影の例を提供する。
図3B図3Bは、3点透視投影の例を提供する。
図3C図3Cは、1点透視投影の例を提供する。
図4図4は、画像スライス処理の例を提供する。
図5図5は、ページ間の相互反射効果の例を提供する。
図6図6A~6Bは、相互反射及びこのような相互反射のオフセット処理の例を提供する。
図7図7は、反射のオフセット処理の選択的使用の例を提供する。
図8図8は、3次元効果に関連する色の使用の例を提供する。
図9図9は、画像スライスの寸法の決定の例を提供する。
図10図10は、複数ページ文書の短いページに関連する印刷の例を提供する。
図11図11は、複数ページ文書の長いページのペアの間に挿入された、様々な枚数の短いページの例を提供する。
図12図12は、複数ページ文書の長いページのペアの間に挿入された複数の短いページに基づいた、画像スライスの寸法の決定の例を提供する。
図13図13は、複数ページ文書の縁部における3次元効果を促進するための例示的なシステムを提供する。
図14図14は、本開示の実施形態を採用できる例示的な計算デバイスのブロック図を示す。
図15図15は、本発明の実施の形態で使用できる計算デバイスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
書籍、マニュアル、及びその他の複数ページ文書は、上記複数ページ文書の表面及び/又は裏面に画像を含む場合がある。例えば書籍の表紙は、情報を閲覧者に提供するために、及び/又は閲覧者の注意を引くために、テキスト又はグラフィックを含む場合がある。書籍等の一部の複数ページ文書の場合、書籍の背表紙も画像を含む場合がある。例えば書籍のタイトルが書籍の背表紙に印刷される場合がある。しかしながら、複数ページ文書の背表紙以外の縁部は、典型的には画像を含まない。背表紙以外の縁部に画像が提供される場合、このような画像は一般に2次元形式で表示される。
【0006】
書籍等の複数ページ文書の電子バージョンが増加しているため、このような文書の印刷出版物は減少している。従って、例えば書店又は図書館にディスプレイされた物理的な文書に興味を引くために、閲覧者の注意を引くことができる複数ページ文書の物理的属性が求められる場合がある。
【0007】
従って、本明細書で開示される実施形態は、書籍等の複数ページ文書の縁部における3次元効果を促進することを対象とする。本明細書に記載されるように、上記複数ページ文書は、個人が手動でめくることができる複数のページを有する、(電子文書又はデジタル文書ではない)物理的な文書を指す。本明細書に記載の技術は、複数ページ文書の縁部に3次元効果を印刷する技法を提供する。例えば、閲覧者が書籍の縁部を(例えば5~20インチの距離から)視認する際に、上記縁部に印刷された2次元画像が、あたかも3次元の画像又はオブジェクトであるかのように見える。有利には、3次元効果は、特定の紙、インク、視認用レンズ等を必要とすることなく提供される。
【0008】
一般に、本明細書に記載の実施形態によると、複数ページ文書が、3次元効果を伴って表示される画像を有する少なくとも1つの縁部(綴じられていない縁部)と共に、生成又は製造される。いくつかの実施形態では、綴じられた縁部の反対側の縁部が、3次元効果を有する画像を表示する縁部となり得る。3次元効果を生成するためには、ある画像を、右眼で視認することを目的とした1つの画像と、左眼で視認することを目的としたもう1つの画像とを含む、画像のステレオペアとしてレンダリングする。右眼用画像と左眼用画像との両方を、複数ページ書籍の異なる複数のページを対象とした複数の部分へとスライス処理又は分割できる。3次元効果を提供するためには、右眼用画像スライスを、ページの片側の縁部(例えばページの前縁部)に印刷し、左眼用画像スライスを、該ページのもう片側の縁部(例えばページの後縁部)に印刷する。これにより、3次元効果を生成する意図通りに、右眼が右眼用画像スライスを視認し、左眼が左眼用画像スライスを視認する。例えば、図1Bを簡単に参照すると、閲覧者の右眼132は、ページの片側(ページの前縁部)に印刷された画像スライス130を視認でき、一方で閲覧者の左眼136は、ページのもう片側(例えばページの後縁部)に印刷された画像スライス134を視認できる。閲覧者が、印刷された縁部を、これらが隣接するページによって隠されないように視認できるようにするために、本明細書に記載の実施形態は、印刷された右眼用画像スライス及び左眼用画像スライスを有する長いページの間に挟まれた、短いページを含む。例えば、隣接するページの間に発生し得る反射の影響を低減するための反射オフセット処理といった、効果的な3次元効果を促進するための様々な態様が、本明細書で説明される。
【0009】
本明細書では全体として、3次元効果を促進するものとして説明されるが、複数の実施形態では、多次元オブジェクトの縁部によって3フレームアニメーションを提供できる。これに関して、複数ページ文書に対するユーザの視点が変化すると共に、オブジェクトは移動するように見える場合がある。例えば、ユーザの視野角が変化すると共に、閲覧者は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を、アニメーションシーケンスとして見ることができる。
【0010】
図1Aを参照すると、複数ページ文書102(例えば書籍)は、3次元効果を有する画像104を含む。このような3次元効果は、複数ページ文書が、図1Aに示されているような閉じられた状態にあるときに、並びに/又はページが曲げられた及び/若しくは操作されたときに、現れ得る。上述のように、縁部の画像の3次元効果は、複数ページ文書102への興味及び関与を促進できる。書籍の縁部に表示される画像は、いかなる画像であってもよく、任意のテキスト、グラフィック、写真等を含んでよい。
【0011】
図1Bに示されているように、複数ページ文書102は一般に複数のページ110を含み、これらは、背表紙において、少なくとも1つのステープル、リングバインダ、のり、又は文書の複数のページを一体に取り付けるための他の方法を含むことができる綴じ部分112によって、互いに対して取り付けられる。図1Bに示されているように、複数ページ文書110は、ページの縁部114において、又はページの縁部114の近傍で、綴じられる。図1Bは、一般に各ページの縁部(即ち綴じられる縁部)全体に沿って綴じられた複数ページ文書を示すが、各ページの縁部全体を綴じる必要はない。例えば場合によっては、各縁部の一部分のみを綴じてもよい。一般に、複数ページ文書102は、厚さt、高さh、及び幅wを含むものとして説明できる。ある例では、高さはおよそ11インチであってよく、幅はおよそ8.5インチであってよく、厚さは、複数ページ文書のページの枚数に基づく(例えば各ページの厚さは0.1mmであってよい)。複数ページ文書102の各ページは4つの縁部を有する。しかしながら、別の実施形態では、ページは他の構成を取ることもでき、ページがより多数の又はより少数の縁部を有することもできる。
【0012】
図1Cは、一連のページ110のうちの1つの例示的なページ110Aを示す。テキスト又は他の画像は、典型的にはページ110Aの中央領域122に印刷される。ページ110Aは、複数ページ文書102の一連のページ110のうちの1つのページの一例である。ページ110Aは、高さ126及び幅128と共に示されている。マージン124がページ110Aの中央領域122を取り囲んでいる。マージン124は、下側マージン、上側マージン、左側マージン、及び右側マージンを含むことができる。本明細書に記載されるように、左眼用画像及び/又は右眼用画像を、3次元効果を有する画像が求められる縁部に沿って、マージン内に印刷できる。例えば、ページ110Aが左側で綴じられ、画像が反対側の縁部に3次元効果を伴って示されることが求められると想定する。このような場合、本明細書中で更に詳細に説明されるように、適切な画像を右側マージンに印刷してよい。
【0013】
複数ページ文書の縁部において、図1Aの複数ページ文書102上の画像104のような画像の3次元効果を提供するためには、2次元画像を、上記複数ページ文書のページ上に、あたかも3次元画像又はオブジェクトであるかのように見えるように印刷する。特に、3次元効果を発揮させるために、右眼用画像及び左眼用画像を含むステレオペア画像を生成し、これを用いて、複数ページ文書の紙の前縁部及び後縁部(マージン内)に所望の画像を印刷する。これに関して、ステレオペア画像のうちの右眼用画像を、ページの片側(例えば前縁部)に印刷することによって、右眼位置からの3次元画像をレンダリングし、ステレオペア画像のうちの左眼用画像を、ページのもう片側(例えば後縁部)に印刷することによって、左眼位置からの3次元画像をレンダリングする。例えば、図1Bに示されているように、右眼用画像の一部分130は、閲覧者の右眼132から視認されるように、ページ縁部の片側に印刷され、左眼用画像の一部分134は、閲覧者の左眼136から視認されるように、ページ縁部のもう片側に印刷される。本明細書では一般に、画像は綴じ部112の反対側の縁部に沿って印刷されるものとして説明されているが、画像の印刷には、複数ページ文書102の、他方の綴じられていない縁部を使用してもよい。例えば場合によっては、4つの縁部を有し、1つの縁部が綴じられている複数ページ文書について、3次元効果を提供するために、画像を他の3つの縁部のうちのいずれに印刷してもよい。
【0014】
ページを曲げることなく、印刷された画像を視認するために、印刷が施されたページの間の1つ以上のページの幅(例えば図1Cの幅128)は小さくなっている。このようにすると、短いページによってユーザに3次元効果を視認させることができる。例えば、図1Bに示されているように、長いページ138は、露出した前縁部及び/又は後縁部上に、画像の一部分の印刷を有することができる。短いページ140は、長いページの前縁部及び/又は後縁部に印刷された画像を視認できるように、長いページ138の間に挟むことができ、これによって3次元効果が提供される。一般に、上記長いページは、画像及び3次元効果が示されている縁部に対する距離について、上記短いページより長い。例えば、3次元効果を有する画像が、ページの綴じられた縁部の反対側の縁部に示されるよう設計されることを想定する。この場合、長いページは短いページに比べて幅が長い。更に、意図していない眼が画像スライスを視認すること(例えば右眼が左眼用画像スライスを視認すること)を防止するために、印刷された画像スライスを、ページの縁部からわずかに離して位置決めしてよい。例えば、ページの縁部と印刷された画像スライス144との間に、小さなギャップ142を維持してよい。
【0015】
図2は、複数ページ文書の縁部に3次元効果を実装するための方法200を提供する。まずブロック202では、複数ページ文書の縁部において3次元効果を有するものとして表示させたい画像を取得する。上述のように、上記画像はいかなるタイプのテキスト、グラフィック、写真等を含んでよい。上記画像は、キーボード、スキャナ、媒体に保存されている選択されたファイル、画像アップロード等によるものを含む多数の方法のうちのいずれで入力できる。
【0016】
本明細書に記載の実施形態によると、場合によっては、画像を3次元に見えるように修正してよい。画像を3次元に見えるように修正するために使用できる1つの例示的な技術は、正投影である。正投影、又は垂直投影は、3次元オブジェクトを2次元で表すために使用される。正投影は、投影線が投影平面に対して垂直である、平行投影の一形態を含むことができ、これにより、オブジェクトの平面が視認面のアフィン変換で出現する。図3Aは正投影の一例を提供する。画像を3次元に見えるように修正するために使用できる別の例示的な技術は、3点透視投影である。3点透視投影は、3点透視、即ち複数の平行線が1つの消失点で集束する視覚効果を提供する。3点透視を用いると、上記効果により、人間の眼又はカメラによる現実のオブジェクトの知覚が提供される。これに関して、遠方にあるオブジェクトほど小さく表示される。図3Bは3点透視投影の一例を提供する。この例では、カメラが文字「T」に近づくと、「3」がカメラから遠くなるため、小さく見える。画像を3次元に見えるように修正するために使用できる別の例示的な技術は、1点透視投影である。1点透視投影を用いると、主軸のうちのいずれかが投影平面と交差するか、投影平面が上記主軸に対して垂直になる。これに関して、1つの軸が投影平面と交差し、他の2つの軸は投影平面に対して平行となる。図3Cは1点透視投影の一例を提供する。以上のような投影(例えば正投影、3点透視、及び1点透視)はそれぞれ、効果的な3次元効果を提供する。場合によっては、画像の修正のために1点透視投影が選択される。正投影画像を用いると、眼から離れたオブジェクトが小さくならないようにすることができる。しかしながら1点透視は、画像の「遠近法(perspective)」の概念を維持する(例えばこの場合、文字の基部が文字の上部より小さくなる)。3点透視を用いると、上述のように、閲覧者の眼が「T」に近づくと「T」が「3」より大きく見えることになる。しかしながら、「T」をより大きなオブジェクトとして印刷することは望ましくない場合がある。「3」と「T」とが同一のサイズとして印刷されている場合に、閲覧者の眼が「T」に近づいていると、閲覧者には既に、またそれに応じて現実の空間内において、「T」が「3」より大きく見えている。従って場合によっては、印刷面上に同一サイズの複数のオブジェクトを印刷することが望ましくなり得る。従って、所望の効果を得るためには1点透視が望ましい場合がある。
【0017】
ブロック204では、異なる複数の眼の位置に対応するように、一連の画像を生成する。この目的のために、複数ページ文書の縁部上に表示するために取得された画像(例えば修正された画像)を、右眼位置及び左眼位置に対応するようにレンダリングする。これに関して、画像のステレオペアを作成できる。ステレオペア画像は、1つの画像の2つのビューを横並びで含む。これらのビュー又は画像のうちの一方は左眼用であり、他方のビュー又は画像は右眼用である。本明細書に記載されるように、一方の画像(例えば左眼用画像)が、複数ページ文書の長いページの片側(例えば前側の縁部)に印刷するために使用され、他方の画像(例えば右眼用画像)が、複数ページ文書の長いページのもう片側(例えば後側の縁部)に印刷するために使用される。これにより、右眼は画像のうちの一方をページの片側に視認し、左眼は他方の画像をページのもう片側に視認する。上述のように、画像を視認できるようにするために、長いページの間に短いページが位置決めされる。
【0018】
上述のように、いくつかの実施形態では、センター画像を使用してよい。例えばセンター画像を、複数ページ文書の複数の短いページにまたがるように印刷してよい。このような場合には、センター画像も(例えば画像のステレオペアの生成に使用される様式と同一又は同様の様式で)生成又は取得できる。
【0019】
場合によっては、ぼかしフィルタ(例えば小さな垂直ぼかしフィルタ)を様々な画像(例えば左眼用画像、右眼用画像、及び/又はセンター画像)に適用してよい。ぼかしフィルタは例えば、定義された線及び陰影領域のハードエッジに隣接するピクセルのカラー値を平均化することにより、トランジションをなめらかにすることができる。理解できるように、ぼかしフィルタはエイリアシングの防止を促進できる。例えば画像は、ある角度から見ると鮮明に見えるものの、別の角度から見るとエイリアシング(例えばギザギザの縁部)を伴うように見える場合がある。エイリアシング効果を回避するために、ぼかしフィルタを適用して画像をぼかすことができる。ぼかしフィルタは、例えばボックスぼかし、ガウシアンぼかし等のいずれのタイプのものであってよい。理解できるように、表面をなめらかにするために、ぼかしフィルタに加えて又はぼかしフィルタの代わりに、他のアンチエイリアシングアプローチを適用してもよい。
【0020】
ブロック206では、一連の画像(例えば左眼用画像、右眼用画像、及び/又はセンター画像)を複数の部分にスライス処理又は分割する。これに関して、各画像の1つのスライス又は部分を、複数ページ文書の異なるページに印刷できるように、画像を複数のスライス又は部分に分割する。単なる例として、図4を参照し、画像のステレオペア、即ち左眼用画像402及び右眼用画像404を生成することを想定する。左眼用画像402及び右眼用画像404それぞれを、本明細書では画像スライス又は画像部分と総称される様々なスライス又は部分に分割できる。この例では、スライスは、左眼用画像402及び右眼用画像404を通過する垂直線を用いて描写される。本明細書に記載されるように、左眼が左眼用画像を視認するよう、左眼用画像402の画像スライスを、複数ページ文書の長いページの前縁部406に印刷できる。同様に、右眼が右眼用画像を視認するように、右眼用画像404の画像スライスを、複数ページ文書の長いページの後縁部408に印刷できる。ページの一方の縁部の左眼用画像と、ページの他方の縁部の右眼用画像とを見ることによって、画像の3次元効果が提供される。
【0021】
画像スライスの枚数、及び/又は画像スライスのサイズは、多数の方法のいずれによって決定してよい。一例として、ページの厚さが0.1mmであると想定する。場合によっては、画像を0.1mmより大きな部分に分割し、これを長いページ上に、長いページそれぞれが上記画像由来の複数のスライスのある程度の重なりを有するように印刷してよい。例えば、画像スライスの重なりは、眼が固定位置に位置決めされていない(例えば眼が複数ページ文書のわずかに左側又はわずかに右側にある可能性がある)ため、有利となり得る。別の例として、印刷を施したいページ(例えば長いページ)の枚数、各ページの厚さ、及び/又は、幅が短いページと幅が長いページとの間の距離の差を用いて、ページ(例えば印刷を得るための長いページそれぞれ)上に印刷する画像スライスのサイズを決定してよい。
【0022】
ブロック208では、3次元効果を最適化するために、スライス処理された画像を調整する。これに関して、いくつかの実装形態では、より効果的な3次元効果を提供するために、画像スライスを調整又は編集する。一例として、(例えば様々なページの前縁部に印刷されることになる)画像スライスを、(例えば様々なページの後縁部に印刷されることになる)対向(counter)画像スライスの反射を考慮して、調整してよい。換言すれば、ある特定の画像スライスから生成された反射又は陰影をオフセットさせてよく、従ってこれは反射オフセット処理又は画像オフセット処理と呼ばれる。複数ページ文書のページは互いに近接しているため、画像の片側が、対向ページに陰影又は反射を生じさせる場合がある。従って閲覧者の右眼は、上記陰影又は反射を通して左眼用の画像を見る場合があり、またその逆も同様である。例えば図5を参照して、画像スライス502が左眼504によって視認されるよう設計されていることを想定する。ページ506とページ508との近接に基づいて、画像スライス502は、ページ508上にぼかされた陰影又は反射510を生じさせる。従って閲覧者の右眼512は、左眼用に生成された画像スライス502に関連するページ508上の少なくともいくつかの側面を見る可能性がある。画像スライスを調整して陰影又は反射をオフセットさせることによって、この相互反射を低減し、より効果的な3次元効果を提供する。
【0023】
一実施形態では、ある縁部(例えばページの前縁部)のための画像スライスを、隣接するページの縁部(例えば隣接するページの後縁部)に印刷されることになる対向画像スライスの反転画像を含むように修正することによって、相互反射を最小化でき、本明細書ではこれを反射又は画像オフセット処理と呼ぶ場合もある。本明細書において「対向画像スライス(counter image slice)」は、別のページ上の特定の画像スライスに対面する、隣接するページ上の画像スライスを説明するために使用されている。実装にあたって、ある特定のページ縁部(例えばページの前縁部)のための画像スライスを、対向ページ(例えば隣接するページの後縁部)上の画像スライスの反転を含むように調整してよい。理解できるように、いくつかの実装形態では、光の影響を計算して光の均一性を最適化するために、アルゴリズムを用いてよい。
【0024】
場合によっては、上記影響をシミュレートするために、反転された画像をぼかす。これに関して、あるページ縁部上に印刷される画像スライスは、上記ページ縁部のための初期画像スライスと、対向ページ縁部上の画像スライスの反転をぼかしたものとを合わせたものである。これに関して、左眼用画像を反転させてぼかすことにより、隣接するページ上の右眼用画像を調整でき、右眼用画像を反転させてぼかすことにより、隣接するページ上の左眼用画像を調整できる。
【0025】
例えば図6Aを参照して、円602をページ604の一方の長辺の縁部に印刷することを想定する。左眼がページ604の円602を見るように設計されているが、ページ604とページ608とが互いに近接して位置決めされている場合、(例えば長いページの間に挟まれた1つ以上の短いページを伴う)ページ604とページ608との近接によって、円602の反射606が、隣接するページ608、即ち対向ページ608上に生成される。特に、光がページ604から対向ページ608へと跳ね返る又は反射することにより、(例えばラジオシティ又は光輸送によって)ページ604に由来する色が対向ページ608上に反射する。従って本明細書中の実施形態では、図6Bに示されているように、ページ614の一方の長辺の縁部に印刷されることになる円612について、ぼかされた反転画像616を生成して、ページ618の隣接する縁部、又は対向縁部上に印刷できる。図6Bに示されているように、ページ614とページ618とが近接して位置決めされている場合、ページ618上の反転画像616と、円612から上記ページに向かって生成された反射とが、620に示されるようにオフセットされる。
【0026】
理解できるように、画像スライスを複数ページ文書のページの両側に(例えばページの前縁部及び後縁部に)印刷したい場合、印刷されることになる画像スライスを、対向ページの反転画像スライスと合成又は集約できる。これにより、互いに対面する2つの隣接するページは、対応するページに印刷されることになる画像スライスと、対向ページからの(例えばぼかされた)反転画像とを含む。換言すれば、あるページの前縁部のための左眼用画像スライスは、左眼用画像スライス(又はその変形)と、対向ページの後縁部から生成された反転右眼用画像スライスとを含み、またその逆も同様である。
【0027】
場合によっては、あるページについて画像スライスと反転画像スライスとを合成する際、反転画像(例えばぼかされた反転画像)を、あるページのための元の画像の上に配置してよい。他の場合には、上記2つの画像をブレンドして、印刷のための合成画像を生成してよい。ブレンド機能は、2つの画像(例えばあるページのための初期画像スライスと、対向ページの反転画像と)のピクセルを混合できる。ブレンドモードの一例は乗算ブレンドモードであり、これは比較的暗い効果を生成し得る。ブレンドモードの別の例はソフトライトブレンドモードであり、これはコントラストを高めることができる。例えばグラデーションツールを備えたレイヤーマスクの使用、不透明度の使用等といった他の機能を用いて、画像を集約したり、合成画像を生成したりしてもよい。
【0028】
別の実施形態では、左眼用画像及び右眼用画像を、互いに対面する2つのページの縁部に印刷するのではなく、左眼用画像及び右眼用画像を、対向ページの異なる複数のペアに印刷できる。例えば、互いに対面するページの第1のペアについて、左眼用画像が第1のページの前縁部で標的とされてよく、第2のページの後縁部では、標的とされる画像が初めは存在しなくてよい。これにより、第1のページの前縁部のための左眼用画像は、対向ページに画像が存在しないため変更されず、第2のページの後縁部は、左眼用画像のぼかされた反転画像を含む。この例を続けると、互いに対面する連続したページの第2のペアについて、右眼用画像が第2のページの後縁部で標的とされてよく、第1のページの前縁部では、標的とされる画像が初めは存在しなくてよい。このページのペアでは、第2のページの後縁部のための右眼用画像は、対向ページに画像が存在しないため変更されず、第1のページの前縁部は、右眼用画像のぼかされた反転画像を含む。
【0029】
理解できるように、相互反射を考慮するための、又は相互反射を補償するための、このような画像オフセット処理又は調整は、コントラストを低下させる可能性がある。特に、ページ上での陰影又は反射をオフセットさせることによって、画像全体のコントラストが低下する可能性がある。場合によっては、コントラストの低下は望ましくない場合がある。従って、コントラストの低下を回避する、又は最小限に抑えるために、いくつかの実装形態では、オフセット又は反転画像の暗さを低減してよい。一例として、これを実施するために、反転又はオフセット画像を、複数ページ文書の特定のエリア若しくはページから除去するか、又は複数ページ文書の特定のエリア若しくはページに適用しないものとすることができる。これにより、一連の画像スライスのうちの1つの画像スライスの一部分及び/又は様々な画像スライスの一部分について、反射又は陰影オフセット処理を省略できる。反射オフセット処理の適用の回避は特に、オフセット処理がそれほど必要でない画像の部分において効果的となり得る。
【0030】
単なる例として、図7を参照すると、オフセット処理が適用された画像702が示されている。図示されているように、文字「L」に関連するコントラストが、反射オフセット処理の適用によって低下している。ここで、画像の一部分について、(例えば強調表示又は選択によって)反射オフセット処理を省略するように指定することを想定する。例えばこの例では、拡張された文字の上部704について、コントラストの強化のために反射オフセット処理を省略するよう指定できる。従って、拡張された文字の上部704の反射オフセット処理を省略する指定に基づいて、オフセット画像(例えばぼかされた反転画像)は、これらの部分に関して適用されず、これにより画像706が比較的高いコントラストで現れることになる。画像オフセット処理を省略又は削除することが望ましい画像の部分は、多数の方法で選択できる。例えば場合によっては、比較的価値の高いコントラストを有するエリアを自動的に検出してよい。他の場合では、ユーザが複数のエリアについて、比較的高いコントラストを有するように指定してよく、これによりこれらのエリアには画像オフセット処理が適用されない。
【0031】
いくつかの実施形態では、画像スライスを調整するブロック208は、色の付加を含んでよい。例えば、画像の視点が変化するにつれて、画像に関連する色が変化するように、画像スライスに色を付加してよい。単なる例として、1つの画像スライスについて、閲覧者が位置する場所に応じて色が変化するよう、複数の色を使用してよい。一例として、図8を参照すると、図8は第1の画像スライス802及び第2の画像スライス804を含む。第1の画像スライス802が青色806及び黄色808を含み、第2の画像スライス804が赤色810及び緑色812を含むと想定する。ユーザが視認する色は、複数ページ文書に対する視点に左右されることになる。例えば位置814にいる閲覧者は、第2の画像スライス804を赤色810として視認する。閲覧者が位置816へと移動するにつれて、第2の画像スライス804は緑色812及び赤色810で示される。一方、閲覧者は、位置818において第1の画像スライス802を黄色808及び青色806として視認し、位置820において第1の画像スライス802を青色806として視認する。色は多数の方法で付加してよい。一例として、カラー画像を得るために、画像スライスを所望の色空間内で乗算してよい。閲覧者に対して見せたい色に応じて、一連の画像スライス全体に色を適用することも、様々な複数の画像スライスに対して異なる様式で色を適用することもできる。更に、本明細書では画像スライスに色を適用するものとして説明されているものの、理解できるように、画像スライス処理前のステレオ画像に色を適用することもできる。
【0032】
図2に戻ると、ブロック210では、複数ページ文書のページに印刷するためにスライスされた画像又は調整された画像スライスを、対応するページへの印刷のために位置合わせする。これに関して、画像は、該画像が印刷されることになる特定のページ、及び/又はページ上の該画像の配置に対して、位置合わせできる。実施形態では、ページに印刷するためにスライスされた画像は、上記ページの縁部と上記画像が印刷される位置との間に細い帯が残るように、上記ページの縁部からわずかに離して位置決めされる。これにより、上記ページの最縁部はブランクのままとなり、従ってこの領域には何も印刷されない。例えば図1Bを参照すると、図示されているように、ページの縁部と画像スライス144の印刷との間には小さなギャップ142が設けられている。有利には、紙の縁部と印刷された画像スライスとの間のギャップによって、反対側の、即ち意図されていない眼が、この印刷された画像を見てしまう可能性が低減される。例えば、右眼132が画像スライス130を見るように設計されていると想定する。スライス画像を紙の縁部からわずかに離して配置することにより、左眼136がスライス画像130を視認してしまうのを防止できる。
【0033】
いくつかの実施形態では、ページ縁部に印刷される画像の幅は、長いページの縁部と短いページの縁部との間の距離に基づくものであってよい。上述のように、短いページは長いページの間に挟まれており、長いページに印刷された画像の視認が可能となるように設計されている。短いページの幅は、複数ページ文書からの眼の想定距離又は望ましい距離に基づいて決定できる。例えば、複数ページ文書からの眼の平均長又は距離を決定又は推定してよい。上記距離に基づいて、長いページと比較した短いページのサイズに関する決定を行うことができる。例えば図9を参照して、ページの深さが0.1mmである、標準レターサイズの紙を使用することを想定する。更に、複数ページ文書からの眼の距離が250mmであり、眼と中央視線との間の距離が31mmであると想定する。このような場合、短いページ902と長いページ904との間の望ましい距離は、906で示されるように0.8mmである。この例では、ページ縁部に印刷される画像の幅は、この0.8mmのエリア(例えばページの縁部に最も近い小さなギャップを除く)を満たすことができる。場合によっては、画像スライスの幅を、上述の特定された距離より大きくすることにより、画像が、短いページと長いページとの間のギャップの距離より広い幅をカバーするようにすることもできる。
【0034】
上述のように、いくつかの実施形態では、センター画像を短いページに印刷してよい。これに関して、長いページにステレオ画像を印刷するのに加えて、画像が長いページの間にも示されるように、センター画像を短いページの縁部に印刷できる。短いページの場合、印刷はページの深さ又は厚さ部分に位置決めされる。例えば図10Aを参照すると、右眼又は左眼1002が複数ページ文書の角度又は方向に対して位置合わせされている場合、上記眼は、1つ以上の短いページ1004の縁部を見る。従って、短いページの縁部にセンター画像1006を印刷することで、3次元効果を強化できる。紙の最縁部、又は厚さに印刷するためには、図10Bに示されているように、ページの片側1008又は両側1010に、その縁部まで印刷できる。
【0035】
本明細書では全体として、長いページのペアの間に挟まれた単一のページについて説明しているが、長いページの各ペアの間に挿入される短いページの枚数はいずれの枚数であってもよい。例えば図11を参照すると、いくつかの実装形態では、小さなギャップ1102がページの縁部と印刷された画像1104との間に存在する。このような細い線(例えば白い線)は、コントラストを低下させる可能性がある。従って、より多くの短いページを追加することによって、長いページの枚数を削減してよい。例えば、複数ページ文書1106では、長いページの各ペアの間に2枚の短いページ1108が示されている。複数ページ文書1110では、長いページの各ペアの間に3枚の短いページ1112が示されている。図12を参照すると、3枚の短いページ1202(それぞれ厚さ0.1mm)を使用する場合、長いページと短いページとの間の距離1204は約2.43mmに調整される。
【0036】
より多くの短いページを長いページのペアの間に追加すると、相互反射又は陰影の影響をより見えにくくすることができる。しかしながら、長いページの枚数を削減すると、解像度が低下する恐れがある。従って、長いページのペアの間に挟まれる短いページの枚数は、所望の効果に左右され得る。いくつかの実施形態では、ページの機械的強度を保証するために、ページの深さを選択又は調整してよい。例えば、長いページにはわずかに厚いページを、短いページには薄いページを使用してよい。
【0037】
ブロック212では、画像(例えば調整されたスライス画像)を、複数ページ文書のページに印刷する。これに関して、修正又は調整された様々な左眼用画像及び右眼用画像を、決定された位置合わせに従って、複数ページ文書の長いページの前縁部及び/又は後縁部に印刷する。ある例では、調整された各左眼用画像を、複数ページ文書の各ページの片側に印刷し、調整された各右眼用画像を、複数ページ文書の各ページの別の片側に印刷する。実施形態では、センター画像を複数ページ文書の短いページの縁部に印刷する。長いページと短いページとは、印刷後に必要に応じて適切に挟むことができる。
【0038】
ここで図13に移ると、図13は、本開示のいくつかの実装形態を採用できる動作環境の例示的な構成を示す。特に図13は、本発明の技術の実施形態による、複数ページ文書の縁部における3次元効果を促進するために使用される例示的なシステム又は1つ以上のデバイスを含む。本明細書に記載のこの構成及び他の構成は、単なる例として記載されるものであることを理解されたい。他の構成及び要素(例えば機械、インタフェース、機能、順序、及び機能のグループ化等)を、図示されているものに加えて又は図示されているものの代わりに使用でき、またいくつかの要素は、分かりやすくするために完全に省略される場合がある。更に、本明細書に記載の要素のうちの多くは、個別の若しくは分散された部品として、又は他の部品と組み合わせて、いずれの好適な組み合わせ及び位置で実装できる、機能的エンティティである。1つ以上のエンティティによって実施されるものとして本明細書で説明される様々な機能は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって実行され得る。例えばいくつかの機能は、図9を参照して更に説明されるように、メモリに記憶された命令を実行するプロセッサによって実行され得る。
【0039】
図13に示されている動作環境1300は、好適な動作環境の単なる一例であることを理解されたい。図13に示されている各部品は、例えば図14に関連して説明される計算デバイス1400のうちの1つ以上のような、いずれのタイプの計算デバイスによって実装され得る。本開示の範囲内において、いずれの個数のユーザデバイス、クライアントデバイス、サーバ、及び他の部品を動作環境1300内で使用してよいことを理解されたい。これらはそれぞれ、単一のデバイス、又は分散された環境において協働する複数のデバイスを備えてよい。
【0040】
システム1300は、上述の機能を実施するために動作できるハードウェア及び/又はソフトウェアを含むことができる。図13に示されているように、上記システムは、画像取得装置1302、画像セット生成装置1304、画像セットスライス処理装置1306、画像調整装置1308、画像位置合わせ装置1310、及び画像印刷装置1312を含む。
【0041】
画像取得装置1302は一般に、表示したい画像を、複数ページ文書の縁部における3次元効果を有するものとして取得するよう構成される。上述のように、上記画像は、テキスト、グラフィック、写真等のいずれのタイプのものを含み得る。場合によっては、上記画像はテキストであってよく、その場合、テキストと共に(例えばユーザの選択に基づいて)フォント、サイズ、色、文字間隔等を提供できる。場合によっては、上記画像を、本明細書に記載の実施形態に従って、3次元に見えるように修正してよい。このような場合、画像取得装置1302又は他の部品が、例えば正投影、3点透視投影、又は1点透視投影を用いて、画像を3次元に見えるように修正してよい。
【0042】
画像セット生成装置1304は一般に、取得された画像から、異なる複数の眼の位置に対応するように、一連の画像を生成するよう構成される。例えば、複数ページ文書の縁部に表示するために取得された画像(例えば修正された画像)を、右眼位置及び左眼位置に対応するようにレンダリングできる。これに関して、一方のビューが左眼用であり、他方のビューが右眼用である、画像のステレオペアを作成できる。いくつかの実施形態では、画像セット生成装置1304は、例えば複数ページ文書の短いページで使用するための、センター画像も生成する。
【0043】
場合によっては、画像セット生成装置1304又は他の部品は、ぼかしフィルタ(例えば小さな垂直ぼかしフィルタ)を様々な画像(例えば左眼用画像、右眼用画像、及び/又はセンター画像)に適用してよい。ぼかしフィルタは例えば、定義された線及び陰影領域のハードエッジに隣接するピクセルのカラー値を平均化することにより、トランジションをなめらかにすることができ、これによってエイリアシングを防止又は低減する。ぼかしフィルタは、例えばボックスぼかし、ガウシアンぼかし等のいずれのタイプのものであってよい。
【0044】
画像セットスライス処理装置1306は一般に、上記一連の画像を複数の画像スライスへとスライス処理又は分割するよう構成される。これに関して、各画像の1つのスライス又は部分を、複数ページ文書の異なるページに印刷できるように、画像(例えば左眼用画像、右眼用画像、及び/又はセンター画像)を複数のスライス又は部分に分割する。本明細書に記載されるように、左眼が左眼用画像を視認するよう、左眼用画像の画像スライスを、複数ページ文書の長いページの一方の縁部(例えば前縁部)に印刷でき、右眼が右眼用画像を視認するように、右眼用画像の画像スライスを、複数ページ文書の長いページの別の縁部(例えば後縁部)に印刷できる。ページの一方の縁部の左眼用画像と、ページの他方の縁部の右眼用画像とを見ることによって、画像の3次元効果が提供される。
【0045】
画像スライスの枚数、及び/又は画像スライスのサイズは、多数の方法のいずれによって決定してよい。例えば、印刷を施したいページ(例えば長いページ)の枚数、各ページの厚さ、及び/又は、幅が短いページと幅が長いページとの間の距離の差を用いて、ページ(例えば印刷を得るための長いページそれぞれ)上に印刷する画像スライスのサイズを決定してよい。
【0046】
画像調整装置1308は一般に、3次元効果を最適化するために、スライス処理された画像を調整するよう構成される。これに関して、いくつかの実装形態では、より効果的な3次元効果を提供するために、画像スライスを調整又は編集する。一例として、(例えば様々なページの前縁部に印刷されることになる)画像スライスを、(例えば様々なページの後縁部に印刷されることになる)対向画像スライスの反射を考慮して、調整してよい。画像スライスを調整して陰影又は反射をオフセットさせることによって、この相互反射を低減し、より効果的な3次元効果を提供する。
【0047】
一実施形態では、ある縁部(例えばページの前縁部)のための画像スライスを、隣接するページの縁部(例えば隣接するページの後縁部)に印刷されることになる対向画像スライスの反転画像を含むように修正することによって、相互反射を最小化できる。実装にあたって、ある特定のページ縁部(例えばページの前縁部)のための画像スライスを、画像調整装置1308によって、対向ページ(例えば隣接するページの後縁部)上の画像スライスの反転を含むように調整してよい。場合によっては、上記影響をシミュレートするために、反転された画像をぼかす。これに関して、あるページ縁部上に印刷される画像スライスは、上記ページ縁部のための初期画像スライスと、対向ページ縁部上の画像スライスの反転をぼかしたものとを合わせたものである。
【0048】
理解できるように、画像スライスを複数ページ文書のページの両側に(例えばページの前縁部及び後縁部に)印刷したい場合、印刷されることになる画像スライスを、対向ページの反転画像スライスと合成又は集約できる。これにより、互いに対面する2つの隣接するページは、対応するページに印刷されることになる画像スライスと、対向ページからの(例えばぼかされた)反転画像とを含む。場合によっては、あるページについて画像スライスと反転画像スライスとを合成する際、反転画像(例えばぼかされた反転画像)を、あるページのための元の画像の上に配置してよい。他の場合には、上記2つの画像をブレンドして、印刷のための合成画像を生成してよい。
【0049】
理解できるように、場合によっては、画像のオフセット処理に起因するコントラストの低下を回避する、又は最小限に抑えるために、いくつかの実装形態では、オフセット又は反転画像の暗さを低減してよい。一例として、これを実施するために、反転又はオフセット画像を、複数ページ文書の特定のエリア若しくはページから除去するか、又は複数ページ文書の特定のエリア若しくはページに適用しないものとすることができる。これにより、一連の画像スライスのうちの1つの画像スライスの一部分及び/又は様々な画像スライスの一部分について、反射又は陰影オフセット処理を省略できる。反射オフセット処理の適用の回避は特に、オフセット処理がそれほど必要でない画像の部分において効果的となり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、画像調整装置1308は、画像スライスを調整して色を変化させるよう構成されていてよい。例えば、画像の視点が変化するにつれて、画像に関連する色が変化するように、画像スライスに色を付加してよい。単なる例として、1つの画像スライスについて、閲覧者が位置する場所に応じて色が変化するよう、複数の色を使用してよい。閲覧者に対して見せたい色に応じて、一連の画像スライス全体に色を適用することも、様々な複数の画像スライスに対して異なる様式で色を適用することもできる。
【0051】
画像位置合わせ装置1310は一般に、画像スライス又は調整された画像スライスを、複数ページ文書の対応するページへの印刷のために位置合わせするよう、構成される。これに関して、画像は、該画像が印刷されることになる特定のページ、及び/又はページ上の該画像の配置に対して、位置合わせできる。例えば、一連の画像スライスのうちの第1の画像スライスを、複数ページ文書の第1のページと位置合わせしてよく、それ以降の複数の画像スライスを、それ以降の複数のページに対して連続して分散させることができる。実施形態では、ページに印刷するためにスライスされた画像は、上記ページの縁部と上記画像が印刷される位置との間に細い帯が残るように、上記ページの縁部からわずかに離して位置決めされる。これにより、上記ページの最縁部はブランクのままとなり、従ってこの領域には何も印刷されない。
【0052】
画像位置合わせ装置1310は、ページ縁部に印刷される画像のサイズを決定することもできる。例えば画像位置合わせ装置1310は、各ページに印刷された1つ以上の画像スライスが該ページの中央に向かって延在する距離を(例えば自動的に、又はユーザの入力に基づいて)決定してよい。いくつかの実施形態では、ページ縁部に印刷される画像の幅は、長いページの縁部と短いページの縁部との間の距離に基づくものであってよい。上述のように、短いページは長いページの間に挟まれており、長いページに印刷された画像の視認が可能となるように設計されている。短いページの幅は、複数ページ文書からの眼の想定距離又は望ましい距離に基づいて決定できる。例えば、複数ページ文書からの眼の平均長又は距離を決定又は推定してよい。上記距離に基づいて、長いページと比較した短いページのサイズに関する決定を行うことができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、画像位置合わせ装置1310は、センター画像を、短いページに印刷するために位置合わせすることもできる。これに関して、長いページにステレオ画像を印刷するのに加えて、画像が長いページの間にも示されるように、センター画像を短いページの縁部に印刷できる。画像位置合わせ装置1310は、長いページの各ペアの間に挿入するための短いページの枚数を決定することもできる。より多くの短いページを長いページのペアの間に追加すると、相互反射又は陰影の影響をより見えにくくすることができる。しかしながら、長いページの枚数を削減すると、解像度が低下する恐れがある。従って、長いページのペアの間に挟まれる短いページの枚数は、所望の効果に左右され得る。
【0054】
画像印刷装置1312は一般に、画像(例えば調整された画像スライス)を、複数ページ文書のページに印刷するよう構成される。これに関して、修正又は調整された様々な左眼用画像及び右眼用画像を、決定された位置合わせに従って、複数ページ文書の長いページの前縁部及び/又は後縁部に印刷する。ある例では、調整された各左眼用画像を、複数ページ文書の各ページの片側に印刷し、調整された各右眼用画像を、複数ページ文書の各ページの別の片側に印刷する。実施形態では、センター画像を複数ページ文書の短いページの縁部に印刷する。長いページと短いページとは、印刷後に必要に応じて適切に挟むことができる。場合によっては、複数の画像スライスを連続した複数のページに印刷できるが、必ずしもそうでなくてよい。
【0055】
画像印刷装置1312は、ページを印刷できる、又は印刷出力機能を実施できる、いずれの装置又は機械を含んでよい。上述のように、画像印刷装置1312は、ページの縁部に隣接するか非常に近いマージン内に、画像スライス等の画像を印刷できる。理解できるように、画像は、ページ、例えばページの中央領域に存在する他のテキスト又はグラフィックと協調するように印刷され得る。これに関して、ページの中央領域と、ページの縁部に隣接して印刷される画像スライスとは、1回の印刷操作で印刷できる。
【0056】
図14に移ると、図14は、複数ページ文書の縁部における3次元効果を促進するための例示的なフローを提供する。まず、ブロック1402に示されているように、左眼用画像に関連付けられた第1の一連の画像スライスを、複数ページ文書の長いページの第1の側に印刷する。上記第1の一連の画像スライスは、上記長いページの縁部に隣接して印刷される。ブロック1404では、右眼用画像に関連付けられた第2の一連の画像スライスを、上記複数ページ文書の上記長いページの第2の側に印刷する。上記第2の一連の画像スライスは、上記長いページの上記縁部に隣接して印刷される。ブロック1406では、上記長いページの上記縁部に隣接して印刷された上記第1の一連の画像スライス及び上記第2の一連の画像スライスを視認できるようにするために、上記長いページに短いページを挟むことによって、上記複数ページ文書を作成する。本明細書に記載されているように、3次元効果を有する複数ページ文書を生成するために、他の様々な側面が含まれる可能性がある。
【0057】
本発明の技術の実施形態を説明してきたが、図15は、本発明の実施形態で使用できる計算デバイスの例を提供する。計算デバイス1500はバス1510を含み、これは以下のデバイスを直接的又は間接的に結合する:メモリ1512、1つ以上のプロセッサ1514、1つ以上の表示用部品1516、入出力(I/O)ポート1518、入出力用部品1520、及び例示的な電源1522。バス1510は、1つ以上のバス(アドレスバス、データバス、又はこれらの組み合わせ等)であり得るものを表す。分かりやすくするために、図15の様々なブロックを線で示しているが、実際には様々な部品の境界はそれほど明確ではなく、比喩的に言えば、上記線はより正確には灰色でぼやけたものとなる。例えば、ディスプレイデバイス等の表示用部品をI/O用部品とみなすこともできる。また、プロセッサがメモリを有する。本発明者らは、以上のことが当該技術分野の特性であることを認識しており、図15の図が、本発明の1つ以上の実施形態に関連して使用できる例示的な計算デバイスの単なる例示であることを、繰り返し述べる。「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「ハンドヘルドデバイス」等のカテゴリ間の区別はない。というのは、これら全てが図15の範囲内及び「計算デバイス」への言及の範囲内であると考えられるためである。
【0058】
計算デバイス1500は典型的には、多様なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、計算デバイス1500がアクセスできるいずれの利用可能な媒体であってよく、揮発性媒体及び不揮発性両方の、消去可能な媒体及び消去不可能な媒体を含む。限定するものではないが例えば、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータといった情報の記憶のためのいずれの方法又は技術において実装される、揮発性及び不揮発性両方の、消去可能な媒体及び消去不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体としては、限定するものではないが:RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術;CD‐ROM、デジタルバーサタイルディスク(digital versatile disk:DVD)若しくは他の光ディスクストレージ;磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気記憶デバイス;又は所望の情報の記憶に使用でき、かつ計算デバイス1500がアクセス可能である、他のいずれの媒体が挙げられる。コンピュータ記憶媒体は、それ自体は信号を含まない。通信媒体は典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波若しくは他の伝送機構といった変調データ信号内の他のデータを具体化するものであり、いずれの情報送達媒体を含む。用語「変調データ信号(modulated data signal)」は、該信号内の情報をエンコードするように設定又は変更された1つ以上の特性を有する信号を意味する。例えば限定するものではないが、通信媒体としては、有線ネットワーク又は直接有線接続といった有線媒体、並びに音響、RF、赤外線、及び他の無線媒体といった無線媒体が挙げられる。上述のもののうちのいずれかの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0059】
メモリ1512は、揮発性及び/又は不揮発性メモリの形態のコンピュータ記憶媒体を含む。図示されているように、メモリ1512は命令1524を含む。命令1524は、1つ以上のプロセッサ1514によって実行された場合に、計算デバイスに、上で説明した図を参照して本明細書に記載されている操作のうちのいずれかを実施させるよう、又は本明細書に記載のいずれのプログラムモジュールを実装させるよう、構成される。メモリは消去可能なもの、消去不可能なもの、又はこれらの組み合わせであってよい。例示的なハードウェアデバイスとしては、ソリッドステートメモリ、ハードドライブ、光学ディスクドライブ等が挙げられる。計算デバイス1500は、メモリ1512又はI/O用部品1520といった様々なエンティティからデータを読み出す1つ以上のプロセッサを含む。1つ以上の表示用部品1516は、データ表示をユーザ又は他のデバイスに提示する。例示的な表示用部品としては、ディスプレイデバイス、スピーカ、印刷用部品、振動部品等が挙げられる。
【0060】
I/Oポート1518は、計算デバイス1500を、I/O用部品1520を含む他のデバイスに論理的に結合でき、その一部は内蔵式であってよい。例示的な部品としては、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星受信アンテナ、スキャナ、プリンタ、無線デバイス、いずれのタイプの印刷デバイス(例えばレーザプリンタ、デジタル印刷機、インクジェットプリンタ、LED/LCDプリンタ等)等が挙げられる。I/O用部品1520は、エアジェスチャ、音声、又はユーザによって生成される他の生理学的入力を処理する、ナチュラルユーザインターフェース(natural user interface:NUI)を提供できる。場合によっては、入力は、更なる処理のために適切なネットワーク要素に送信される場合がある。NUIは、発話認識、タッチ及びスタイラス認識、顔認識、生体認識、スクリーン上及びスクリーン付近の両方のジェスチャ認識、エアジェスチャ、頭部及び眼の追跡、並びに計算デバイス1500上のディスプレイと関連付けられたタッチ認識の、いずれの組み合わせを実装できる。計算デバイス1500は、ジェスチャの検出及び認識のために、立体視カメラシステム、赤外線カメラシステム、RGBカメラカメラシステム、及びこれらの組み合わせといった深度カメラを備えてよい。更に計算デバイス1500は、動きの検出を可能にする加速度計又はジャイロスコープを備えてよい。加速度計又はジャイロスコープの出力は、没入型の拡張現実又は仮想現実をレンダリングするために、計算デバイス1500のディスプレイへと提供できる。
【0061】
本明細書中で提示された実施形態は、あらゆる点で限定的ではなく例示的なものであることを意図した特定の実施形態に関連して、説明されている。本開示が関係する技術分野の当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、代替的な実施形態が明らかになるだろう。
【0062】
以上の例示的な実施形態の様々な態様は、当業者がその研究の内容を他の当業者に伝達するために一般的に使用する用語を用いて、説明されている。しかしながら、説明された態様の一部のみを用いて代替的な実施形態を実施できることは、当業者には明らかであろう。説明を目的として、以上の例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、具体的な数、材料、及び構成が記載されている。しかしながら、これらの具体的詳細を用いずに代替的な実施形態を実施できることは、当業者には明らかであろう。他の例として、以上の例示的な実施形態を分かりにくくしないよう、公知の特徴が省略又は簡略化されている。
【0063】
以上の例示的な実施形態の理解に最も役立つように、様々な操作が複数の個別の操作として説明されている。しかしながら、説明の順序は、これらの操作が順序に必然的に依存することを暗示するものとは解釈されないものとする。特にこれらの操作は、示されている順序で実施する必要はない。更に、複数の操作が別個の操作として説明されていることは、これらの操作が必然的に独立して及び/又は別個のエンティティによって実施されることを要求するものとは解釈されないものとする。同様に、複数のエンティティ及び/又はモジュールが別個のモジュールとして説明されていることは、これらのモジュールが別個のものであること、及び/又は別個の操作を実施することを要求するものとは解釈されないものとする。様々な実施形態において、図示及び/又は説明されている操作、エンティティ、データ、及び/又はモジュールを、複合する、更なる小部分に分割する、及び/又は省略することもできる。
【0064】
句「一実施形態では(in one embodiment)」又は「ある実施形態では(in an embodiment)」が繰り返し使用される。この句は一般に、1つの同じ実施形態を指すわけではないが、そうである場合もある。用語「…を備える、含む(comprising)」、「…を有する(having)」、及び「…を含む(including)」は、文脈によって別段の指示がなされない限り、同義である。句「A/B」は「A又はB」を意味する。句「A及び/又はB(A and/or B)」は、「(A)、(B)、又は(A及びB)」を意味する。句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ(at least one of A, B and C)」は、「(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)」を意味する。
【符号の説明】
【0065】
102 複数ページ文書
104 画像
110 複数のページ
110A ページ
112 綴じ部分
114 ページの縁部
122 中央領域
124 マージン
126 高さ
128 幅
130 右眼用画像の一部分、画像スライス
132 右眼
134 左眼用画像の一部分、画像スライス
136 左眼
138 長いページ
140 短いページ
142 ギャップ
144 画像スライス
402 左眼用画像
404 右眼用画像
406 長いページの前縁部
408 長いページの後縁部
502 画像スライス
504 左眼
506 ページ
508 ページ
510 ぼかされた陰影又は反射
512 右眼
602 円
604 ページ
608 ページ、対向ページ
606 円602の反射
612 円
614 ページ
616 ぼかされた反転画像
618 ページ
702 オフセット処理が適用された画像
704 拡張された文字の上部
706 画像
802 第1の画像スライス
804 第2の画像スライス
806 青色
808 黄色
810 赤色
812 緑色
814 閲覧者の位置
816 閲覧者の位置
818 閲覧者の位置
820 閲覧者の位置
902 短いページ
904 長いページ
1002 右眼又は左眼
1004 短いページ
1006 センター画像
1008 ページの片側
1010 ページの両側
1102 ギャップ
1104 画像
1106 複数ページ文書
1108 短いページ
1110 複数ページ文書
1112 短いページ
1202 短いページ
1204 長いページと短いページとの間の距離
1300 動作環境、システム
1302 画像取得装置
1304 画像セット生成装置
1306 画像セットスライス処理装置
1308 画像調整装置
1310 画像位置合わせ装置
1312 画像印刷装置
1500 計算デバイス
1510 バス
1512 メモリ
1514 プロセッサ
1516 表示用部品
1518 入出力(I/O)ポート
1520 入出力用部品
1522 電源
1524 命令
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】