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特開2024-87800体外診断分析装置の流体システムを洗浄する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087800
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】体外診断分析装置の流体システムを洗浄する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
G01N35/10 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023212728
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】22214420
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・トーマス
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058FB09
2G058FB12
2G058FB20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】体外診断分析装置の洗浄において洗浄液の使用量と洗浄時間を削減する
【解決手段】IVD分析装置200の流体システム210を前の流体から洗浄する自動化方法であって、流体システム210が、少なくとも1つの流体経路211、213、215を備える、方法が開示される。本方法は、コントローラ250によって、少なくとも1つの流体経路を通って洗浄流体221および/または空気232を圧送するためにポンプ240および少なくとも1つの流体選択弁230を制御することを含み、複数の洗浄モード(時間優先モード、試料洗浄モード、他の流体洗浄モード)に対応して洗浄流体221および/または空気232の圧送速度および圧送タイミングを制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外診断(IVD)分析装置(200)の流体システム(210)を前の流体から洗浄する自動化方法(100)であって、前記流体システム(210)が、少なくとも1つの流体経路(211、213、215)を備え、前記IVD分析装置(200)が、洗浄流体(221)および空気(232)を含む流体(221、222、223、232)の間で選択するための少なくとも1つの流体選択弁(230)と、ポンプ(240)と、時間優先モード(10)または洗浄流体優先モード(20)のいずれかに従って動作するように構成されたコントローラ(250)と、をさらに備え、前記方法(100)が、前記コントローラ(250)によって、前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)を通って前記洗浄流体(221)および/または空気(232)を圧送するために前記ポンプ(240)および前記少なくとも1つの流体選択弁(230)を制御することを含み、前記時間優先モード(10)では、前記方法(100)が、第1のステップ(11)において、前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)から前記前の流体を除去するために、空気をより高速で圧送することと、第2のステップ(12)において、前記前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグを圧送することと、を含み、前記洗浄流体優先モード(20)では、前記コントローラ(250)が、前記前の流体が試料(2)である場合には試料洗浄モード(30)に従って、または前記前の流体が試料(2)以外の任意の流体である場合には他の流体洗浄モード(40)に従ってのいずれかで動作するように構成され、前記試料洗浄モード(30)では、前記方法(100)が、第1のステップ(31)において、前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)から前記前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送することと、第2のステップ(32)において、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送することと、第3のステップ(33)において、前記前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送することと、を含み、前記他の流体洗浄モード(40)では、前記方法が、第1のステップ(41)において、前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)から前記前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送することと、第2のステップ(42)において、前記前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送することと、を含む、方法(100)。
【請求項2】
前記試料洗浄モード(30)では、前記少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送する前記ステップ(32)が、前記洗浄流体(221)を選択するために前記少なくとも1つの流体選択弁(230)を切り替えることと、洗浄流体プラグに対応する所定体積の洗浄流体(221)を前記流体システム(210)内に引き込むように前記ポンプ(240)を動作させることと、前記洗浄流体プラグを移動させる前に前記流体システム(210)中に負圧を生成するために前記流体選択弁(230)を閉じて前記ポンプ(240)を動作させることと、前記負圧によって促進されるより高速で前記洗浄流体プラグを移動させるために前記流体選択弁(230)を空気(232)に切り替えることと、を含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
同じ流体経路(211、213、215)中で異なる方法ステップ(12、32、33、42)を開始する前に、交互に1つの流体経路(211、213、215)ずつ洗浄される各流体経路(211、213、215)について同じ方法ステップ(11、31、41)を実行することを含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記試料洗浄モード(30)では、前記方法(100)が、単一の洗浄流体プラグをより高速で圧送する前記ステップ(32)を可変数x回繰り返すことを含み、xが、より高い粒子含有量を有する試料についてより大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記洗浄流体優先モード(20)では、前記方法(100)が、交互に1つの流体経路(211、213、215)ずつ洗浄される各流体経路(211、213、215)について空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送する前記ステップ(33、42)を、異なる流体経路(211、213、215)について可変数y回繰り返すことを含み、yが、より高い洗浄要件を有する流体経路(211)についてより大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記時間優先モード(10)では、前記方法(100)が、前記洗浄流体優先モード(20)よりも空気プラグと交互により多数zの洗浄流体プラグを圧送することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項7】
洗浄結果を測定および/または監視することと、それに応じて前記数x、y、zおよび/またはポンプ速度のうちのいずれか1つまたは複数を適合させることと、を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項8】
少なくとも1つの流体経路(211、213、215)を備える流体システム(210)を備える体外診断(IVD)分析装置(200)であって、洗浄流体(221)および空気(232)を含む流体(221、222、223、232)の間で選択するための少なくとも1つの流体選択弁(230)と、ポンプ(240)と、前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)を通って前記洗浄流体(221)および/または空気(232)を圧送するために前記ポンプ(240)および前記少なくとも1つの流体選択弁(230)を制御することによって前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)を前の流体から洗浄するように構成されたコントローラ(250)と、をさらに備え、前記コントローラ(250)が、時間優先モード(10)または洗浄流体優先モード(20)のいずれかに従って動作するように構成され、前記時間優先モード(10)では、前記コントローラ(250)が、第1のステップ(11)において、前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)から前記前の流体を除去するために、空気をより高速で圧送することと、第2のステップ(12)において、前記前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグを圧送するように構成され、前記洗浄流体優先モード(20)では、前記コントローラ(250)が、前記前の流体が試料(2)である場合には試料洗浄モード(30)に従って、または前記前の流体が試料(2)以外の任意の流体である場合には他の流体洗浄モード(40)に従って動作するように構成され、前記試料洗浄モード(30)では、前記コントローラ(250)が、第1のステップ(31)において、前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)から前記前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送し、第2のステップ(32)において、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送し、第3のステップ(33)において、前記前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送するように構成され、前記他の流体洗浄モード(40)では、前記コントローラ(250)が、第1のステップ(41)において、前記少なくとも1つの流体経路(211、213、215)から前記前の流体を除去するために、空気(232)をより低速で圧送し、第2のステップ(42)において、前記前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送するように構成される、IVD分析装置(200)。
【請求項9】
前記試料洗浄モード(10)では、前記少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送するために前記コントローラ(250)が、前記洗浄流体(221)を選択するために前記少なくとも1つの流体選択弁(230)を切り替え、洗浄流体プラグに対応する所定体積の洗浄流体を前記流体システム(210)内に引き込むように前記ポンプ(240)を動作させ、前記洗浄流体プラグを移動させる前に前記流体システム(210)中に負圧を生成するために前記流体選択弁(230)を閉じて前記ポンプ(240)を動作させ、前記負圧によって促進されるより高速で前記洗浄流体プラグを移動させるために前記流体選択弁(230)を空気(232)に切り替えるように構成される、請求項8に記載のIVD分析装置(200)。
【請求項10】
前記コントローラ(250)が、同じ流体経路(211、213、215)中で異なる方法ステップ(12、32、33、42)を開始する前に、交互に1つの流体経路(211、213、215)ずつ洗浄される各流体経路(211、213、215)について同じ方法ステップ(11、31、41)を実行するように構成される、請求項8または9に記載のIVD分析装置(200)。
【請求項11】
前記試料洗浄モード(30)では、前記コントローラ(250)が、単一の洗浄流体プラグをより高速で圧送する前記ステップ(32)を可変数x回繰り返すように構成され、xが、より高い粒子含有量を有する試料についてより大きい、請求項8から10のいずれか一項に記載のIVD分析装置(200)。
【請求項12】
前記洗浄流体優先モード(20)では、前記コントローラ(250)が、交互に1つの流体経路(211、213、215)ずつ洗浄される各流体経路(211、213、215)について空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送する前記ステップ(33、42)を、異なる流体経路(211、213、215)について可変数y回繰り返すように構成され、yが、より高い洗浄要件を有する流体経路(211)についてより大きい、請求項8から11のいずれか一項に記載のIVD分析装置(200)。
【請求項13】
前記時間優先モード(10)では、前記コントローラ(250)が、前記洗浄流体優先モード(20)よりも空気プラグと交互により多数zの洗浄流体プラグを圧送するように構成される、請求項8から11のいずれか一項に記載のIVD分析装置(200)。
【請求項14】
前記コントローラ(250)が、測定および/または監視された洗浄結果に基づいて、それに応じて前記数x、y、zおよび/またはポンプ速度のうちのいずれか1つまたは複数を適合させるように構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載のIVD分析装置(200)。
【請求項15】
前記時間優先モード(10)および前記洗浄流体優先モード(20)が、一組の規則または基準のいずれかに基づいて、前記コントローラ(250)によってユーザ選択可能または自動的に選択可能である、請求項11から14のいずれか一項に記載のIVD分析装置(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、体外診断分析装置の流体システムを前の流体から洗浄する自動化方法、ならびにそれぞれの体外診断分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
医療では、医師の診断と患者の処置は、多くの場合、体外診断分析装置によって実行される患者試料のパラメータの測定に依存している。分析装置が正確で信頼性の高い測定値を提供することによって正しく機能することが重要である。したがって、分析性能を保証するワークフローを実装することは、体外診断分析装置の一般的な要件である。
【0003】
いくつかの体外診断分析装置は、再利用可能なフロースルー検出ユニットを備える流体システムを備え、それによって異なる試料が繰り返し導入されて分析される。分析ワークフローは、典型的には、流体システムに順次導入される追加の流体の使用も含む。キャリーオーバを防止し、有効な測定結果を得るために、各分析後、新たな試料または新たな流体が導入される前に流体システムを洗浄することによって清浄な流体システムを維持することが重要である。しかしながら、洗浄流体の消費も考慮すべき重要な態様である。多くの場合、例えば検出ユニットの感度に起因して、および/または環境または処分の問題および/またはコストに起因して、より効率的であり、より少量を必要とする強力な洗浄流体は使用され得ない。したがって、洗浄は、典型的には、流体システム中の前の流体をより大きな体積において使用され且つより長い時間を必要とするより穏やかな洗浄流体と交換することによるその後の希釈に基づく。しかしながら、多くの場合、余分な量の洗浄流体および使用済みの洗浄流体の廃棄物のためのスペースの利用可能性が制限され、したがって、消耗品の頻繁な交換を必要とし、大量の廃棄量およびコストを発生させる。また、洗浄に要する時間が長いほど、ターンアラウンド時間、すなわち2つの連続する試料分析間の時間または分析装置が分析のために新たな試料を導入する準備ができるまでの時間が増加する。
【発明の概要】
【0004】
一般的な説明
本開示の態様が従来技術に対する特定の自明でない利点および進歩を提供するのは、上記の背景に対してである。特に、異なる条件に従って動的に適合され、したがって、利用可能な時間内に洗浄効率を最大化しながらより少量の洗浄流体の使用を可能にする、体外診断分析装置の流体システムを前の流体から洗浄する新たな自動化方法が本明細書に開示されている。
【0005】
特に、体外診断(IVD)分析装置の流体システムを前の流体から洗浄する自動化方法であって、流体システムが、少なくとも1つの流体経路を備え、IVD分析装置が、洗浄流体および空気を含む流体の間で選択するための少なくとも1つの流体選択弁と、時間優先モードまたは洗浄流体優先モードのいずれかに従って動作するように構成されたポンプおよびコントローラと、をさらに備える、方法が本明細書に開示される。本方法は、少なくとも1つの流体経路を通って洗浄流体および/または空気を圧送するために、ポンプおよび少なくとも1つの流体選択弁をコントローラによって制御することを含む。時間優先モードでは、本方法は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、より高速の空気を圧送することと、第2のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグを圧送することとを含む。洗浄流体優先モードでは、コントローラは、前の流体が試料である場合には試料洗浄モードに従って、または前の流体が試料以外の任意の流体である場合には他の流体洗浄モードに従ってのいずれかで動作するように構成される。試料洗浄モードでは、本方法は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送することと、第2のステップにおいて、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送することと、第3のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送することとを含む。他の流体洗浄モードでは、本方法は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送することと、第2のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送することとを含む。
【0006】
前記自動化方法を実行し、同じ利点を提示するように構成された体外診断分析装置も本明細書に開示される。
【0007】
本明細書で使用される「体外診断分析装置」または「IVD分析装置」という用語は、スクリーニング、診断および処置監視目的のための情報を提供するために、体外で試料を分析するように構成された自動または半自動分析装置を指す。IVD分析装置は、適用の医療分野、決定されるべきパラメータ、および対応する実験室ワークフローに従って設計および構成され得る。例えば、ポイントオブケア試験環境において、IVD分析装置は、スループットが低く、ターンアラウンド時間が短く、測定可能なパラメータの数が限定されているハンドヘルド装置から、スループットがより高く、測定可能なパラメータの数がより多いコンパクトなベンチトップ機器まで多岐にわたることができる。そのようなIVD分析装置は、特定のタイプのパラメータ、例えば、ガス、電解質、代謝産物、臨床化学分析物、免疫化学分析物、凝固パラメータ、血液学パラメータなどを検出するように設計される。関心のあるパラメータに応じて、様々な異なる分析方法および異なる検出技術が適用され得る。例えば、血液ガスおよび電解質の試験の分野において、電気化学的な測定原理および/または伝導率の測定原理および/または光学的検出方法が使用される。IVD分析装置は、典型的には、複数の機能ユニットを備え、これらは、それぞれ、特定のタスク専用であり、自動化された試料の処理および分析を可能とするために、互いに協調する。そのような機能ユニットは、例えば、試料を受け取るための試料入力インターフェース、流体システム、分析測定ユニットまたは検出ユニット、流体供給ユニットなどを含み得る。1つまたは複数の機能ユニットは、IVD分析装置の作動を単純化するために、より大きいユニットまたはモジュールに統合され得る。
【0008】
特に、本開示のIVD分析装置は、少なくとも1つの流体経路と、洗浄流体および空気を含む流体の間で選択するための少なくとも1つの流体選択弁と、場合によっては他の弁とを備える。IVD分析装置は、少なくとも1つの洗浄流体、典型的には他の流体も含む流体供給ユニットと、ポンプと、少なくとも1つの流体経路を通って流体を輸送し、本明細書に開示される方法ステップを実行するためにポンプおよび流体選択弁を制御するように構成されたコントローラとをさらに備える。
【0009】
「流体経路」は、少なくとも液密に流体を通過させるのに適した1つまたは複数の部品を備える、配管、チャネル、チャンバまたはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の中空導管を含むことができ、任意の形状およびサイズを有することができるが、典型的には、内部体積およびデッドボリュームを最小にするように最適化されている、より大きな流体システムの一部である。部品は、可撓性、剛性、弾性、またはそれらの組み合わせであってもよい。1つまたは複数の流体ラインは、例えば流体接続および/または弁を介して、少なくとも部分的に互いに接続されるかまたは接続可能とすることができる。流体システムおよび/または流体システム内の少なくとも1つの流体経路は、少なくとも1つのフロースルー検出ユニットを含むことができる。
【0010】
本開示にかかる「フロースルー検出ユニット」は、少なくとも1つのフロースルーセンサ経路および/または少なくとも1つのフロースルー光路を備えるIVD分析装置の分析測定ユニットとすることができる。
【0011】
「フロースルーセンサ経路」は、センサ経路を通って流れる試料が接触する、例えば経路に沿って順次配置された1つまたは複数のセンサ、例えば検出されるべき異なるパラメータ/分析物ごとのセンサを備え得る流体導管であり、場合によっては複数のセンサ経路にわたって分散された複数のセンサを備える交換可能なカートリッジ状構造で具現化され得る。代替案として、IVD分析装置は、1つのパラメータ/分析物専用のセンサであって、交換可能であってもなくてもよいセンサを備えるセンサ経路をそれぞれが有する複数の検出ユニットを備えてもよい。したがって、試料は、1つまたは複数のセンサ経路内に流れ、異なるパラメータ/分析物が、それぞれのセンサによって決定されてもよい。フロースルーセンサ経路は、少なくとも1つの流体ラインおよび少なくとも1つのセンサ経路が流体接続されるように、IVD分析装置の流体システムの一体化された部分、または例えばIVD分析装置の流体システムに流体接続されたセンサカートリッジなどの別個の構成要素の一部であってもよい。用語「センサ」は、本明細書では、定量化およびデジタル化され得る、相関する信号出力を生成することにより、試料パラメータを検出するように構成されている検出器を示すように一般的に使用される。センサは、例えばバイオセンサ、化学センサまたは物理センサとすることができ、典型的には、IVD分析装置の機能ユニット、例えば分析測定ユニットまたは検出ユニットの一部である。センサは、関心のある1つの試料パラメータに関して選択的または特異的とすることができるか、または関心のある複数の異なる試料パラメータを検出および定量化するように構成され得る。センサのタイプに応じて、センサは、複数のセンサ要素を備えることができる。用語「センサ要素」は、したがって、1つまたは複数の他のセンサ要素と組み合わせて、完全に機能するセンサを形成する、センサの一部(例えば、作用電極、基準電極、対向電極)を指す。実施形態によれば、検出ユニットは、pOセンサ、pCOセンサ、pHセンサ、Na、K、Ca およびClなどの電解質値を決定するための1つまたは複数のイオン選択電極(ISE)センサ、乳酸およびグルコースなどのパラメータを決定するための1つまたは複数の代謝物センサのうちのいずれか1つまたは複数を含む。センサは、例えば、それぞれアンペロメトリー、ポテンショメトリーまたはコンダクトメトリーの原理に基づくものであってもよい。
【0012】
「フロースルー光路」は、例えば、互いに所定の距離にある平行な壁を有するキュベットとして少なくとも部分的に具現化された流体導管、チャンバなどであり、光源によって少なくとも部分的に照明され、光検出器、光学カメラなどの光学測定ユニットに光を伝送するように配置され、例えば、光路に配置された試料を通る光の吸収または透過を測定するように構成される。
【0013】
「流体選択弁」という用語は、流れを制御、方向転換、制限、または停止するための流れ調節装置、特に流体接続を選択することを可能にするマルチポート弁である切り替え弁またはロータリー弁を指す。これは、典型的には、異なる要素間の連通を切り換えるために1つまたは複数の弁導管を移動させることによって達成される。要素は、パイプ、チューブ、毛細管、マイクロ流体チャネルなどのようなさらなる導管を介して流体的に接続されてもよい。例えば、弁は、各流体リザーバのためのチャネルおよびそれぞれの入力ポートを含むマニホールドに一体化されてもよく、弁の切り替え時に、例えば回転によって、一度に1つの流体リザーバと、例えばフロースルーセンサ経路に通じる流体ラインに接続または接続可能な共通の出口ポートとの間に流体接続が確立される。あるいは、マニホールドは、全てが流体選択弁の共通チャネルおよび共通流体入力ポートに通じる各流体リザーバ用の入力ポートを備えてもよく、その場合、個々のオン/オフ弁は、選択された流体リザーバからの選択された流体が共通チャネルおよび流体選択弁に流れることを可能にするために、各流体リザーバまたは流体入力ポートに対応して配置されてもよい。弁は、周囲空気用および/または試料用などの他の流体用の他の入力ポートを備えてもよい。
【0014】
IVD分析装置はまた、例えば試料容器からの試料、流体供給ユニットからの洗浄流体および場合によっては他の流体、または少なくとも1つの流体経路を通って検出ユニットを通る周囲空気を輸送するための少なくとも1つのポンプ、例えば蠕動ポンプ、シリンジポンプ、膜ポンプまたは任意の他の適切なポンプを備える。ポンプは、典型的には検出ユニットの下流に配置されるが、任意の他の位置に配置されてもよく、弁およびスイッチなどのさらなる要素を介して流体システムに接続されてもよい。また、圧送方向は、反転可能とすることができる。
【0015】
本明細書で使用される「流体供給ユニット」は、1つまたは複数の流体リザーバ、および場合によっては流体システムを循環する流体がプロセスの最後に廃棄され得る1つまたは複数の廃棄物容器を備えるIVD分析装置のモジュールまたは構成要素である。「流体」という用語は、気体もしくは液体またはそれらの混合物のいずれかを指し得る。流体は、例えば、試料、試薬、品質管理流体または較正流体などの基準流体、洗浄流体、湿潤流体、空気または他のガスであってもよい。いくつかの実施形態によれば、流体は異なる機能を有することができ、例えば、洗浄流体はまた、洗浄機能以外の1つまたは複数の他の機能を有することができる。また、主機能として洗浄機能とは異なる機能を有する可能性がある流体供給ユニットの流体は、いくつかの実施形態によれば、洗浄流体としても使用され得る。したがって、「洗浄流体」という用語は、洗浄流体としてのその機能を発揮するための流体自体の内容物または特性に限定されず、本明細書に開示される方法に従って少なくとも1つの流体経路を洗浄するための洗浄流体としてのその使用に限定される。
【0016】
「試料」という用語は、対象となる1つまたは複数の分析物を含む可能性があり、その検出または分析(定性的および/または定量的)が臨床状態に関連し得る生物学的物質を意味する。試料は、血液、唾液、眼球水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、羊水、組織、細胞などを含む生理学的液体などの、任意の生物由来のものであってよい。血液から血漿や血清を調製する、粘性液を希釈する、溶解するなど、使用前に検査試料が前処理され得る。処理の方法は、ろ過、遠心分離、蒸留、濃縮、干渉成分の不活性化、試薬の添加を含むことができる。試料は、場合によっては、採取元から得られたものをそのまま使用され得るが、試料の特性を変更するための前処理および/または試料調製ワークフローの後に、例えば、1つまたは複数の体外診断検査の実施を可能にするために、すなわち、目的の分析物を濃縮(抽出/分離/濃縮)するために、および/または目的の分析物の検出を妨げる可能性があるマトリクス成分を除去するために、例えば、内部標準物質を添加した後に、他の溶液で希釈した後に、または試薬と混合した後に、使用されてもよい。
【0017】
一態様によれば、試料は、血液、または血漿や血清などの血液派生物である。
【0018】
試料は、特に血液の場合、それだけでなく、皮膚細胞、血餅、タンパク質凝集塊、ゲルなどの試料処理材料を含む細胞などの粒子含有量の上昇を特徴とすることができ、少なくとも1つの流体経路に粘着性の残留物を残すことがある。
【0019】
特定の態様によれば、目的の分析物は、OおよびCOなどのガス、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、塩化物(Cl)、カルシウム(Ca++)、pHに関連するプロトン(H)などの血液電解質、グルコースおよび乳酸などの代謝産物、乱用薬物、治療薬、ホルモン、マーカー、タンパク質などである。対象となる他の分析物は、ヘモグロビン、ヘモグロビン誘導体(脱酸素化ヘモグロビン、オキシヘモグロビン、カルボキシヘモグロビン、メトヘモグロビン)、ビリルビン、尿素、クレアチニンである。しかしながら、この列挙は徹底的なものではない。
【0020】
試料は、典型的には、流体供給ユニットとは異なる試料入力インターフェース、すなわち、典型的には操作者が便利にアクセス可能な位置に配置され、操作者によって持ち上げられた試料容器から体外診断分析装置内に試料を移送するように構成された体外診断分析装置の別のモジュールまたは構成要素を介して流体システム内に入る。試料入力インターフェースは、例えば、例えば、毛細管型または注射器型の試料容器を結合、取り付け、接続、着座、導入またはプラグインするように構成された外側入力ポート側と、試料入力導管の一端に結合または結合するための内側入力ポート側とを備える試料入力ポートを備え得て、試料入力導管は、例えば、直接または流体選択弁を介して検出ユニット/センサ経路に他端において流体接続または接続可能である。一実施形態によれば、試料入力導管は、流体選択弁からセンサ経路に通じる同じ流体ラインであり、同じ端部によって内側入力ポート側および流体選択弁に、例えば、直接流体選択弁の出口ポートに、またはさらなる導管を介して流体選択弁の出口ポートに接続されたさらなるポートに交互に接続して、試料入力ポートからの試料および試料以外の流体を流体選択弁を通って交互に引き込むように構成され、他方の端部は検出ユニット/センサ経路に接続される。実施形態によれば、流体ラインは、試料入力導管としても作用する場合、試料入力ポートの内側入力ポート側および流体選択弁の出口ポートまたはその延長部に結合されるように構成された剛性吸引針として少なくとも部分的に具現化され得る。実施形態によれば、周囲空気は、試料入力ポートを介して直接流体ライン内に、または流体選択弁の専用空気ポートを介して吸引されることもできる。
【0021】
「試料以外の流体」は、原則として、分析される試料とは異なるIVD分析装置によって使用される任意の流体、例えば、試薬、品質管理流体または較正流体などの基準流体、典型的には液体形態の湿潤流体とすることができる。
【0022】
本明細書で使用される「コントローラ」という用語は、任意の物理的または仮想的な処理装置、特に、動作計画に従って、特に本明細書に開示されるIVD分析装置の流体システムを洗浄する方法に従って動作を実行する命令を有するコンピュータ可読プログラムを実行するプログラマブルロジックコントローラを含み得る。これは、プロセッサ、コントローラ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、または本明細書に記載された機能/方法の1つまたは複数を実行するように構成された他の回路またはプロセッサを含み得る。特に、コントローラは、他の可能な構成および機能の中でも、少なくとも1つの流体経路を通って洗浄流体および/または空気を圧送するためにポンプおよび少なくとも1つの流体選択弁を制御するように構成される。
【0023】
特に、コントローラは、時間優先モードまたは洗浄流体優先モードのいずれかに従って動作するように構成される。
【0024】
「時間優先モード」は、使用される洗浄流体の量に対する洗浄に費やされる時間を優先するモードである。換言すれば、使用される洗浄流体の量をあまり重要視せずに、洗浄手順の時間を最小限に抑えることを目的とするモードである。
【0025】
一方、「洗浄流体優先モード」は、洗浄に使用される洗浄流体の量を洗浄に費やされる時間に対して優先するモードである。換言すれば、洗浄手順の時間をより重要視しない一方で、洗浄流体の使用を最小限に抑えることを目的とするモードである。したがって、それは一種の「経済的」モードである。
【0026】
しかしながら、時間優先モードおよび洗浄流体優先モードの両方において、コントローラは、同じまたは同等の洗浄結果または効果を達成することを目的とする。
【0027】
時間優先モードおよび洗浄流体優先モードは、例えば一組の規則または基準に基づいて、コントローラによってユーザ選択可能または自動的に選択可能とすることができる。例えば、時間優先モードは、消耗品、例えば検出ユニットおよび/または洗浄流体の使用年数または残存寿命に基づいて、または高スループット要求において自動的に選択され得、一方、洗浄流体優先モードは、試料分析の要求があまり頻繁でない場合に、または例えば分析装置の近くに人員がいないことを示す、例えば分析装置に分析されるべき試料を接近させるIVD分析装置の移動センサによる存在検出に基づいて自動的に選択され得る。さらに、洗浄流体優先モードから時間優先モードに、またはその逆に、手動または自動のいずれかでいつでも切り替えることが可能であり得る。
【0028】
時間優先モードでは、本方法は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、より高速の空気を圧送することと、第2のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグを圧送することと、を含む。時間優先モードは、試料または試料以外の任意の流体のいずれかとすることができる、流体経路から洗い流されるべき前の流体の性質とは無関係である。
【0029】
圧送速度に関する「高速」および「低速」という用語は、それぞれ、一方は他方よりも高く、一方は他方よりも低い異なる方法ステップ中に圧送される同じ流体について、例えばmL/分またはμL/分またはμL/秒で定量化された、同じポンプを使用することによって得られた異なる流量を比較するために使用される相対的な用語に過ぎない。これは、例えば同じ流体経路を通って他の流体を圧送するために使用される標準的なポンプ速度と比較して、特定の方法ステップに従って(ポンプ速度が調整可能である場合)コントローラによってポンプの速度をそれぞれ高くまたは低く調整することを含むことができる。実施形態によれば、ポンプが可能な最高ポンプ速度でより高速またはより高い流量が得られる。実施形態によれば、以下にさらに説明するように、さらに高速またはさらに高流量が達成され得る。
【0030】
圧送速度/流量は、洗浄手順の時間に影響を及ぼすことに加えて、洗浄手順の効率にさらなる影響を及ぼすことができる。特に、より高速では、より高いせん断力も及ぼされ、これは、2つの媒体間の密度差に起因して、液体/空気界面において流体経路内の粘着性の残留物または粒子をより効率的に除去する有利な効果を有することができる。したがって、せん断力を使用することによって流体経路から粒子残留物を除去することが主目的である場合、より高い速度/流量が好ましい場合がある。しかしながら、圧送速度/流量は、流体経路の壁に沿って尾を引く液膜の厚さにも影響を及ぼし、液膜はより高速で厚くなり、より低速で薄くなる。したがって、洗浄流体プラグ間のキャリーオーバを低減し、それによって連続希釈効果によって同じ洗浄結果を達成するのに必要な洗浄流体プラグの数を低減し、洗浄効率を高めるために、より低い速度/流量が好ましい場合がある。換言すれば、より高い速度/流量では、同じ洗浄結果を達成するために、より多くの洗浄流体プラグ、従ってより多くの洗浄流体消費量が必要とされ、したがって洗浄効率を低下させる。また、より低い速度/流量では、液体の表面張力は慣性力に対してより強く、これは流体経路に残る液滴がより少ないことを意味する。したがって、流体が粒子を含まないおよび/または試料以外の流体である場合、流体経路から前の流体を除去するために、より低い速度/流量が好ましい場合がある。
【0031】
特に、洗浄流体優先モードでは、コントローラは、前の流体が試料である場合には試料洗浄モードに従って、または前の流体が試料以外の任意の流体である場合には他の流体洗浄モードに従ってのいずれかで動作するように構成される。試料洗浄モードでは、本方法は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送することと、第2のステップにおいて、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送することと、第3のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送することとを含む。他の流体洗浄モードでは、本方法は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送することと、第2のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送することとを含む。
【0032】
洗浄流体プラグに関して、洗浄流体消費量を低減するために、可能な限り小さい体積の洗浄流体を使用することが有益である。また、せん断力を及ぼすために洗浄流体プラグがより高速で圧送される場合、洗浄効果が主に空気/液体界面において得られることを考えると、より大きな体積の(より長い)プラグは追加の利点をもたらさない。しかしながら、体積は、流体経路内の輸送中に任意の位置において流体経路の断面全体を充填し続けるのに十分な大きさでなければならない。また、連続する洗浄流体プラグが空気プラグと交互に低速で圧送される場合、洗浄効果は主に前の流体の残留物のその後の希釈に基づくものであるため、より大きな体積を有するより少ない洗浄流体プラグよりも、より小さな体積を有するより多くの洗浄流体プラグを有することがより有益である。
【0033】
空気プラグの体積に関して、空気の圧縮性による振動効果を最小限に抑えるために十分に小さく、連続する洗浄流体プラグを分離し続けるために十分に大きい空気の体積を使用することが有益である。
【0034】
いずれの場合でも、洗浄流体プラグの最小体積は、洗浄流体プラグが少なくとも1つの流体経路の断面を完全に満たすように、および任意の速度でそれを通って移動するときに最大断面を完全に満たすように断面が流体経路に沿って可変である場合に、ポンプの投与精度およびポンプの切り替え速度、ならびに少なくとも1つの流体経路の内部寸法によって制限される。洗浄流体プラグが流体経路の断面全体を充填していない場合、洗浄流体プラグは、次の洗浄流体プラグが追いつき、最終的には互いに合流することを可能にする後続の空気プラグによって追い越されるときに減速または停止することさえできる。これは、空気/液体界面の数を減少させ、それによって洗浄効率を低下させる。
【0035】
実施形態によれば、試料洗浄モードでは、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送するステップは、洗浄流体を選択するために少なくとも1つの流体選択弁を切り替えることと、洗浄流体プラグに対応する所定体積の洗浄流体を流体システム内に引き込むようにポンプを動作させることと、洗浄流体プラグを移動させる前に流体システム中に負圧を生成するために流体選択弁を閉じてポンプを動作させることと、負圧によって促進されるより高速で洗浄流体プラグを移動させるために流体選択弁を空気に切り替えることと、を含む。これにより、ポンプが可能な最高ポンプ速度で得られる流量よりもさらに高速またはより高い流量が得られ得る。
【0036】
実施形態によれば、本方法は、同じ流体経路中で異なる方法ステップを開始する前に、交互に1つの流体経路ずつ洗浄される各流体経路について同じ方法ステップを実行することを含む。換言すれば、流体システムが洗浄されるべき複数の流体経路を備える場合、第1の方法ステップは、洗浄されるべき全ての流体経路について順次実行され、1つの流体経路が次々に実行され、その後、第2の方法ステップは、洗浄されるべき全ての流体経路について順次開始されて実行され、1つの流体経路が次々に実行され、以下同様である。
【0037】
実施形態によれば、試料洗浄モードでは、本方法は、単一の洗浄流体プラグをより高速で可変数x回圧送するステップを繰り返すことを含み、xは、例えば、ヘマトクリット値判定、血餅検出、高脂質含有量判定などに基づいて、例えば光学的および/またはインピーダンス判定に基づいて、例えばフロースルー検出ユニットによって判定されるように、より高い粒子含有量を有する試料についてより大きい。
【0038】
実施形態によれば、洗浄流体優先モードでは、本方法は、交互に1つの流体経路ずつ洗浄される各流体経路について空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送するステップを、異なる流体経路について可変数y回繰り返すことを含み、yは、より高い洗浄要件を有する流体経路についてより大きく、例えば、(前の流体の残留物をより容易に保持し得る感覚素子を有するその複雑な構造に起因して)フロースルーセンサ経路を備える流体経路についてはフロースルーセンサ経路を備える流体経路と比較してより大きく、フロースルーセンサ経路およびフロースルーセンサ経路のいずれかをバイパスするバイパス流体経路と比較してフロースルーセンサ経路を備える流体経路についてより大きい。
【0039】
実施形態によれば、時間優先モードでは、本方法は、時間優先モードでは、洗浄流体優先モードよりも空気プラグと交互により多数のz個の洗浄流体プラグを圧送することを含む。
【0040】
実施形態によれば、本方法は、洗浄結果を測定および/または監視することと、それに応じて数x、y、zおよび/またはポンプ速度のうちのいずれか1つまたは複数を適合させることと、を含む。洗浄結果は、例えば、洗浄手順中に少なくとも1つのフロースルー検出ユニットによって洗浄流体中の前の流体の残留物の含有量を分析することによって測定および/または監視され得る。数x、y、zのうちの任意の1つまたは複数を適合させることは、予想される洗浄結果が得られなかった場合、これらの数のいずれかを増加させること、またはこれらの数のいずれかを減少させること、例えば、予想される洗浄結果が得られるとすぐにそれぞれの方法ステップを中断することを含み得る。同様に、状況に応じてポンプ速度が増減されてもよい。
【0041】
実施形態によれば、本方法は、試料の種類に基づいて事前に既知である場合、試料の種類に応じて、例えば異なる試料の種類間で比較した場合の粒子含有量のレベルに応じて、試料洗浄モードで数x、y、zおよび/またはポンプ速度のうちのいずれか1つまたは複数を適合させることを含む。
【0042】
本開示はまた、少なくとも1つの流体経路を備える流体システムを備える体外診断(IVD)分析装置であって、洗浄流体および空気を含む流体の間で選択するための少なくとも1つの流体選択弁と、ポンプと、少なくとも1つの流体経路を通って洗浄流体および/または空気を圧送するためにポンプおよび少なくとも1つの流体選択弁を制御することによって少なくとも1つの流体経路を前の流体から洗浄するように構成されたコントローラとをさらに備える、体外診断分析装置に関する。特に、コントローラは、時間優先モードまたは洗浄流体優先モードのいずれかに従って動作するように構成され、時間優先モードでは、コントローラは、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気をより高速で圧送し、第2のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより高速で圧送するように構成され、洗浄流体優先モードでは、コントローラは、前の流体が試料である場合には試料洗浄モードに従って、または前の流体が試料以外の任意の流体である場合には他の流体洗浄モードに従って動作するように構成される。特に、試料洗浄モードでは、コントローラは、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送し、第2のステップにおいて、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送し、第3のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送するように構成され、他の流体洗浄モードでは、コントローラは、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送し、第2のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送するように構成される。
【0043】
実施形態によれば、試料洗浄モードでは、コントローラは、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送するために、洗浄流体を選択するために少なくとも1つの流体選択弁を切り替え、洗浄流体プラグに対応する所定体積の洗浄流体を流体システム内に引き込むようにポンプを動作させ、洗浄流体プラグを移動させる前に流体システム中に負圧を生成するために流体選択弁を閉じてポンプを動作させ、負圧によって促進されるより高速で洗浄流体プラグを移動させるために流体選択弁を空気に切り替えるように構成される。
【0044】
実施形態によれば、コントローラは、同じ流体経路中で異なる方法ステップを開始する前に、交互に1つの流体経路ずつ洗浄される各流体経路について同じ方法ステップを実行するように構成される。
【0045】
実施形態によれば、試料洗浄モードでは、コントローラは、単一の洗浄流体プラグをより高速で圧送するステップを可変数x回繰り返すように構成され、xは、より高い粒子含有量を有する試料についてより大きい。
【0046】
実施形態によれば、洗浄流体優先モードでは、コントローラは、交互に1つの流体経路ずつ洗浄される各流体経路について空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送するステップを、異なる流体経路について可変数y回繰り返すように構成され、yは、より高い洗浄要件を有する流体経路についてより大きい。
【0047】
実施形態によれば、時間優先モードでは、コントローラは、時間優先モードでは、洗浄流体優先モードよりも空気プラグと交互により多数のz個の洗浄流体プラグを圧送するように構成される。
【0048】
実施形態によれば、コントローラは、測定および/または監視された洗浄結果に基づいて、数x、y、zおよび/またはポンプ速度のうちの任意の1つまたは複数をそれに応じて適合させるように構成される。
【0049】
実施形態によれば、コントローラは、試料の種類に基づいて事前に既知である場合、試料の種類に応じて、例えば異なる試料の種類間で比較した場合の粒子含有量のレベルに応じて、試料洗浄モードで数x、y、zおよび/またはポンプ速度のうちのいずれか1つまたは複数を適合させるように構成される。
【0050】
その他およびさらなる目的、特徴および利点は、原理をより詳細に説明する例示の態様の以下の説明および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】洗浄方法を実行するように構成されたコントローラを備えるIVD分析装置を概略的に示している。
図2】IVD分析装置の流体システムを前の流体から洗浄する自動化された方法を概略的に示すフロー図である。
図3】より高速を得るために、図2の方法のステップのうちの1つのさらなる態様を概略的に示している。
図4】前の流体のさらなる特性を考慮に入れた図2の方法のステップのうちの1つのさらなる態様を概略的に示している。
図5】複数の流体経路の存在下での図2の方法のさらなる態様を概略的に示している。
図6】異なる流体経路を区別する図2の方法のさらなる態様を概略的に示している。
図7】異なる方法ステップを区別する図2の方法のさらなる態様を概略的に示している。
図8】方法の可能な適合を含むことができる図2図4図6図7の方法のさらなる態様を概略的に示している。
図9】優先モードを選択する異なる方法を含む、図2の方法のさらなる態様を概略的に示している。
【0052】
当業者は、図中の要素が単純化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを理解している。例えば、図中の一部の要素の寸法は、他の要素に対して誇張されている場合がある一方で、他の要素は、明瞭性を高め、本開示の態様の理解を向上させるために、省かれているか、または数が減らされて表されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0053】
詳細な説明
図1は、流体システム210を備えるIVD分析装置200を概略的に示している。流体システム210は、この場合、複数の流体経路211、213、215を備える。流体経路211は、複数のセンサ212を備えるフロースルーセンサ経路である。流体経路213は、フロースルー光学検出ユニット214を備えるフロースルー光学経路である。流体経路215は、フロースルーセンサ経路211およびフロースルー光路213のいずれかをバイパスするバイパス流体経路である。IVD分析装置200は、洗浄流体221および空気232を含む流体221、222、223、232の間で選択するための流体選択弁230と、ポンプ240と、少なくとも1つの流体経路211、213、215を通って洗浄流体221および/または空気232を圧送するためにポンプ240および少なくとも1つの流体選択弁230を制御することによって、少なくとも1つの流体経路211、213、215を前の流体から洗浄することを含む、流体システム210を洗浄する方法100を実行するように構成されたコントローラ250とをさらに備える。流体経路211、213、215のいずれかを選択することは、コントローラ250によって、それぞれの流体経路弁216、217、218のいずれか1つまたは複数も制御することによって達成され得る。例えば、フロースルーセンサ経路弁216をオンに切り替えるとともに、フロースルー光路弁217およびバイパス弁218をオフに切り替えることにより、フロースルーセンサ経路211を通って流体が圧送され得る。フロースルー光路弁217をオンに切り替えるとともに、フロースルーセンサ経路弁216およびバイパス弁218をオフに切り替えることにより、フロースルー光路213を通って流体が圧送され得る。バイパス弁218をオンに切り替えるとともに、フロースルーセンサ経路弁216およびフロースルー光路弁217をオフに切り替えることにより、バイパス流体経路215を通って流体が圧送され得る。IVD分析装置200は、試料容器1の開放端部を差し込むように構成された外側入力ポート側11および内側入力ポート側12を備える試料入力ポート10を備える試料入力インターフェース201をさらに備える。試料容器1は、この例では毛細管状の試料容器である。試料入力インターフェース201は、上流端31および下流端32を含む吸引針30をさらに備える。吸引針30の下流端32は、流体ライン219を介して流体システム210に流体接続され、一方、上流端31は、外側入力ポート側11に差し込まれた試料容器1から試料2を吸引するために内側入力ポート側12に、およびさらなる導管219’を介して流体選択弁230の共通出口ポート231に流体接続された流体供給ユニットポート40に交互に結合するように構成される。しかしながら、流体ライン219は、流体選択弁230の出口ポート231に直接接続されてもよく、試料は、例えば、流体選択弁230に別々に接続された異なる流体ラインを介して導入されてもよい。IVD分析装置200は、洗浄流体221を含む複数の流体221、222、223を含む流体供給ユニット220と、流体システム210の下流に配置された蠕動ポンプなどのポンプ240のポンプ作用によって流体システム210を通って循環する流体が廃棄され得る廃棄容器224とをさらに備える。
【0054】
より具体的には、コントローラ250は、時間優先モード10または洗浄流体優先モード20のいずれかに従って動作するように構成され、時間優先モード10では、コントローラ250は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路211、213、215から前の流体を除去するために、空気232をより高速で圧送し、第2のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグを圧送するように構成され、洗浄流体優先モード20では、コントローラ250は、前の流体が試料2である場合には試料洗浄モード30に従って、または前の流体が試料2以外の任意の流体222、223である場合には他の流体洗浄モード40に従って動作するように構成され、試料洗浄モード30では、コントローラ250は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路211、213、215から前の流体を除去するために、空気232をより低速で圧送し、第2のステップにおいて、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送し、第3のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送するように構成され、他の流体洗浄モード40では、コントローラ250は、第1のステップにおいて、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気232をより低速で圧送し、第2のステップにおいて、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送するように構成される。
【0055】
図1に関連して見られる図2は、図1に示すもののようなIVD分析装置200の流体システム210を前の流体から洗浄する自動化方法100を概略的に示すフロー図であり、(図1に示すような)流体システム210は、少なくとも1つの流体経路211、213、215を備え、IVD分析装置200は、洗浄流体221および空気232を含む流体221、222、223、232の間で選択するための少なくとも1つの流体選択弁230と、ポンプ240と、時間優先モード10または洗浄流体優先モード20のいずれかに従って動作するように構成されたコントローラ250と、をさらに備え、方法100は、コントローラ250によって、少なくとも1つの流体経路211、213、215を通って洗浄流体221および/または空気232を圧送するためにポンプ240および少なくとも1つの流体選択弁230を制御することを含み、時間優先モード10では、本方法は、第1のステップ11において、少なくとも1つの流体経路211、213、215から前の流体を除去するために、空気をより高速で圧送することと、第2のステップ12において、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグを圧送することを含み、洗浄流体優先モード20では、コントローラ250は、前の流体が試料2である場合には試料洗浄モード30に従って、または前の流体が試料2以外の任意の流体である場合には他の流体洗浄モード40に従ってのいずれかで動作するように構成され、試料洗浄モード30では、本方法は、第1のステップ31において、少なくとも1つの流体経路から前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送することと、第2のステップ32において、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送することと、第3のステップ33において、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速でポンプ圧送することと、を含み、他の流体洗浄モード40では、本方法は、第1のステップ41において、少なくとも1つの流体経路211、213、215から前の流体を除去するために、空気をより低速で圧送することと、第2のステップ42において、前の流体の残留物を洗い流すために、空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送することと、を含む。
【0056】
図3は、図1に関連して同様に見るべきであり、図2の方法100の試料洗浄モード30の第2のステップ32のさらなる態様を概略的に示している。特に、試料洗浄モード30において、少なくとも1つの洗浄流体プラグをより高速で圧送する第2のステップ32は、洗浄流体221を選択するために少なくとも1つの流体選択弁230を切り替えることと、洗浄流体プラグに対応する所定体積の洗浄流体を流体システム210内に、特に流体ライン219’内に引き込むようにポンプ240を動作させることと、洗浄流体プラグを移動させる前に流体システム210中に負圧を生成するために流体選択弁230を閉じてポンプ240を動作させることと、負圧によって促進されるより高速で洗浄流体プラグを移動させるために流体選択弁230を空気232に切り替えることと、を含む。
【0057】
図4は、前の流体のさらなる特性を考慮した図2の方法の試料洗浄モード30のさらなる態様を概略的に示している。特に、試料洗浄モード30では、方法100は、単一の洗浄流体プラグをより高速で圧送するステップ32を可変数x回繰り返すことを含み得て、xは、より高い粒子含有量を有する試料についてより大きい。
【0058】
図5は、(例えば図1に示すように)複数の流体経路211、213、215の存在下での図2の方法のさらなる態様を概略的に示している。特に、方法100は、試料洗浄モード30および他の流体洗浄モード40を含む時間優先モード10および洗浄流体優先モード20のいずれかでは、同じ流体経路211、213、215中で異なる方法ステップ12、32、33、42を開始する前に、交互に1つの流体経路211、213、215ずつ洗浄する各流体経路211、213、215について同じ方法ステップ11、31、41を実行することを含む。
【0059】
図6は、異なる流体経路211、213、215を区別する図2の方法100のさらなる態様を概略的に示している。特に、洗浄流体優先モード20では、方法100は、交互に1つの流体経路211、213、215ずつ洗浄される各流体経路211、213、215について空気プラグと交互に洗浄流体プラグをより低速で圧送する試料洗浄モード30におけるステップ33または他の流体洗浄モード40におけるステップ42を、異なる流体経路211、213、215について可変数y回繰り返すことを含み、yは、より高い洗浄要件を有する流体経路211についてより大きく、より低い洗浄要件を有する流体経路213、215についてより小さい。特に、数yは、(前の流体の残留物をより容易に保持し得る感覚素子を有する複雑な構造に起因して)フロースルーセンサ経路を備える流体経路211についてはフロースルー光路214を備える流体経路213およびバイパス流体経路215と比較してより大きい。また、数yは、バイパス流体経路215(図示せず)と比較してフロースルー光路214を備える流体経路213についてより大きくすることができる。
【0060】
図7は、空気プラグと交互に洗浄流体プラグを圧送することを含む、異なる方法ステップ12、33、42をそれぞれ区別する図2の方法100のさらなる態様を概略的に示している。特に、時間優先モード10では、方法100は、洗浄流体優先モード20よりも空気プラグと交互により多数のz個の洗浄流体プラグを圧送することを含む。
【0061】
図8は、方法100の可能な自動適合を含むことができる図2図4図6図7の方法100のさらなる態様を概略的に示している。特に、本方法は、洗浄結果を測定および/または監視することと、それに応じて数x、y、zおよび/またはポンプ速度のうちのいずれか1つまたは複数を適合させること、最終的に増加させることと、を含む。洗浄結果は、例えば、洗浄手順中に少なくとも1つのフロースルー検出ユニット211、214によって洗浄流体221中の前の流体の残留物の含有量を分析することによって測定および/または監視され得る。予想される洗浄結果が得られるとすぐに、本方法は停止され得、したがって洗浄時間を不必要に延長することおよび/または流体消費を増加させることを防止することができる。
【0062】
図9は、時間優先モード10または洗浄流体優先モード20を選択する異なる方法を含む、図2の方法100のさらなる態様を概略的に示している。特に、時間優先モード10および洗浄流体優先モード20は、時間または洗浄流体のいずれかを優先する一組の規則または基準のいずれかに基づいて、コントローラ250によってユーザ選択可能または自動的に選択可能とすることができる。
【0063】
開示された態様の変更および変形もまた、上記の説明に照らしてもちろん可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、上記の例に具体的に記載されている以外の方法で本発明が実施され得ることを理解されたい。
【0064】
特に、図面または部品の少なくともいくつかは、概略的なものであり、例示としてのみ提供されることを理解されたい。また、各要素の関係は、図示したもの以外でもよく、本開示の趣旨に関係のない部品は、省略されている。
【0065】
また、前述の明細書全体を通して、「一態様」、「態様」、「一例」または「例」、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、態様または例または実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの態様、例または実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一態様では」、「一態様では」、「一例」または「例」、「一実施形態」または「実施形態」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ態様または例または実施形態を指しているわけではない。
【0066】
さらにまた、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の態様または例または実施形態において、任意の適切な組み合わせおよび/またはサブ組み合わせで組み合わせられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】