(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087822
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】異常検知装置及び異常検知方法
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20240625BHJP
G01L 1/26 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B25J19/06
G01L1/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202692
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂木 貴弘
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707KS21
3C707KS35
3C707KX10
3C707LU07
3C707LW05
3C707MS14
3C707MS24
(57)【要約】
【課題】トルク補償処理におけるトルク外乱成分の低減性能の劣化を検知可能とする。
【解決手段】関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、トルク計測値、並びに、当該トルク計測値に対して減速機の回転機構に由来するトルク外乱による誤差を補償した補償後トルク値を取得する入力部301と、入力部301による取得結果に基づいて、トルク計測値からトルク外乱成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱成分を抽出するトルク外乱成分抽出部302と、トルク外乱成分抽出部302による抽出結果に基づいて、補償後トルク値の異常有無を判別する異常判別部303とを備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、トルク計測値、並びに、当該トルク計測値に対して減速機の回転機構に由来するトルク外乱による誤差を補償した補償後トルク値を取得する入力部と、
前記入力部による取得結果に基づいて、トルク計測値からトルク外乱成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱成分を抽出するトルク外乱成分抽出部と、
前記トルク外乱成分抽出部による抽出結果に基づいて、補償後トルク値の異常有無を判別する異常判別部と
を備えた異常検知装置。
【請求項2】
前記トルク外乱成分抽出部は、デジタルフィルタを用い、トルク計測値からトルク外乱の周波数帯域の成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱の周波数帯域の成分を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の異常検知装置。
【請求項3】
前記トルク外乱成分抽出部は、関節角速度計測値又は関節角度計測値から計算された関節角速度に比例して、抽出対象とするトルク外乱の周波数帯域を動的に変化させる
ことを特徴とする請求項2記載の異常検知装置。
【請求項4】
前記トルク外乱成分抽出部は、
トルクの計測値から、負荷トルクと相関のある負荷トルクの指標値を推定する負荷トルク指標値推定部と、
前記負荷トルク指標値推定部により推定された負荷トルクの指標値を説明変数として、回帰推論により、負荷トルクによるトルク外乱の周期の変動量を推定するトルク外乱周期変動量推定部と、
前記トルク外乱周期変動量推定部により推定されたトルク外乱の周期の変動量に応じて、抽出対象とするトルク外乱の周波数帯域の中心周波数をシフトさせる周波数帯域設定部とを有する
ことを特徴とする請求項2記載の異常検知装置。
【請求項5】
前記トルク外乱成分抽出部は、
トルクの計測値から、負荷トルクと相関のある負荷トルクの指標値を推定する負荷トルク指標値推定部と、
前記負荷トルク指標値推定部により推定された負荷トルクの指標値を説明変数として、回帰推論により、負荷トルクによるトルク外乱の周期の変動量を推定するトルク外乱周期変動量推定部と、
前記トルク外乱周期変動量推定部により推定されたトルク外乱の周期の変動量に応じて、抽出対象とするトルク外乱の周波数帯域の中心周波数をシフトさせる周波数帯域設定部とを有する
ことを特徴とする請求項3記載の異常検知装置。
【請求項6】
前記異常判別部は、
前記トルク外乱成分抽出部により抽出されたトルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値と、当該トルク外乱成分抽出部により抽出された補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値とを比較し、当該トルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値に対し、当該補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値の方が大きいと判定した場合に、当該補償後トルク値に異常が有ると判定する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか1項記載の異常検知装置。
【請求項7】
入力部が、関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、トルク計測値、並びに、当該トルク計測値に対して減速機の回転機構に由来するトルク外乱による誤差を補償した補償後トルク値を取得するステップと、
トルク外乱成分抽出部が、前記入力部による取得結果に基づいて、トルク計測値からトルク外乱成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱成分を抽出するステップと、
異常判別部が、前記トルク外乱成分抽出部による抽出結果に基づいて、補償後トルク値の異常有無を判別するステップと
を有する異常検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットアームに取付けられたトルクセンサにより計測されたトルクに対し、当該ロボットアームが有する減速機の回転機構に由来するトルク外乱による誤差の補償を行うトルク補償処理に対して異常検知を行う異常検知装置及び異常検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各関節にトルクセンサが取付けられ、このトルクセンサにより計測されたトルク、又は、当該トルクから推定したアーム先端における力を制御するロボットアームが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここで、ロボットアームが減速機を用いている場合、トルクセンサにより計測されたトルクには、減速機の機械的変化がトルク外乱となって含まれることがある。このトルク外乱は、減速機が歯車のような回転機構を持つことに起因しており、例えばロボットアームで使われることが多い波動歯車を持つ減速機でも起こり得る誤差である。
ここでは、以下、単にトルク外乱と記述した場合は、減速機の回転機構に由来するトルク外乱を指すものとする。
【0004】
このトルク外乱は、ロボットアームの関節角度に対して周期的な外乱であり、ロボットアームの関節角が僅かに変わっても大きく変わることがあり、トルク制御及び力制御の性能を劣化させる。
【0005】
これに対し、トルク外乱を抑制する機械的な機構を設計することは可能である。しかしながら、この場合、機構が複雑になり、また、コストも上昇する。
【0006】
そのため、トルク外乱による誤差をソフトウェアで補償するトルク補償処理が行われる。トルク補償処理は、トルクセンサにより計測されたトルクからトルク外乱の推定値を減算することで、補償後トルク値を求める処理である。
なお、トルク外乱の推定値の推定方法としては、例えば、トルク外乱の推定値を回帰モデルで推論する方式がある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-000955号公報
【特許文献2】特開2021-10983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、回帰モデルの特性上、回帰パラメータの学習に用いた条件に対し、異なる条件でトルク外乱を推定すると誤差は大きくなる。上記回帰パラメータの学習に用いた条件としては、例えば、各説明変数の値域の組み合わせ、又は、所定条件で精度が良くなるよう設定した重みが挙げられる。
【0009】
また、ユーザ又はエンジニアのヒューマンエラーにより、運用条件と異なる条件で学習した回帰パラメータをトルク補償装置に設定してしまい、トルク外乱の推定誤差が大きくなる場合もある。
【0010】
トルク外乱の推定誤差が大きいと、トルク補償処理の性能の劣化を招くだけでなく、トルク補償処理によりトルク外乱成分を低減するどころか却ってトルク外乱成分を強調しかねない。
【0011】
例えば、トルク外乱の振幅と周期を正確に推定できたとしても、トルク外乱の推定値の位相がトルク外乱の真値に対して半周期ずれてしまえば、補償後トルク値におけるトルク外乱成分は2倍に強調されてしまう。
また、例えば、トルク外乱の周期と位相を正確に推定できたとしても、トルク外乱の推定値の振幅がトルク外乱の真値に対して2倍以上大きければ、トルク外乱成分はトルク外乱の推定値とトルク外乱の真値の振幅の差分だけ強調されてしまう。
【0012】
このように、トルク補償処理の性能が大きく劣化し、トルク補償処理でトルク外乱成分が強調されるようになってしまった場合は(補償後トルク値によるロボットアームの制御への外乱が増加した場合は)、速やかにトルク補償処理及び補償後トルク値に基づくロボットアームの制御処理を中断する必要がある。
【0013】
よって、トルク補償処理におけるトルク外乱成分の低減性能の劣化を検知することが求められている。
【0014】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、トルク補償処理におけるトルク外乱成分の低減性能の劣化を検知可能となる異常検知装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示に係る異常検知装置は、関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、トルク計測値、並びに、当該トルク計測値に対して減速機の回転機構に由来するトルク外乱による誤差を補償した補償後トルク値を取得する入力部と、入力部による取得結果に基づいて、トルク計測値からトルク外乱成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱成分を抽出するトルク外乱成分抽出部と、トルク外乱成分抽出部による抽出結果に基づいて、補償後トルク値の異常有無を判別する異常判別部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、上記のように構成したので、トルク補償処理におけるトルク外乱成分の低減性能の劣化を検知可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態1に係る異常検知装置を含むトルク補償システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る異常検知装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態2に係る異常検知装置の構成例を示す図である。
【
図4】実施の形態2におけるトルク外乱成分抽出部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る異常検知装置3を含むトルク補償システムの構成例を示す図である。
トルク補償システムは、
図1に示すように、計測装置1、トルク補償装置2、及び、異常検知装置3を備えている。
【0019】
計測装置1は、ロボットアーム(不図示)に対して各種計測を行う。
この計測装置1は、
図1に示すように、関節角度計測部101、及び、トルク計測部102を備えている。
【0020】
関節角度計測部101は、ロボットアームが有する関節の関節角度を計測する。この関節角度計測部101による関節角度計測値を示すデータは、トルク補償装置2及び異常検知装置3に送信される。
【0021】
トルク計測部102は、ロボットアームが有する関節におけるトルクを計測する。このトルク計測部102によるトルク計測値を示すデータは、トルク補償装置2及び異常検知装置3に送信される。
【0022】
なお、
図1では、計測装置1に関節角度計測部101が設けられた場合を示した。これに対し、計測装置1は、関節角度計測部101に加え、関節角速度計測部が設けられていてもよい。
関節角速度計測部は、ロボットアームが有する関節の関節角速度を計測する。この関節角速度計測部による関節角速度計測値を示すデータは、異常検知装置3に送信される。
なお、計測装置1に、関節角度計測部101及び関節角速度計測部の両方が設けられている場合、関節角度計測部101による関節角度計測値を示すデータ、及び、関節角速度計測部による関節角速度計測値を示すデータのうちの少なくとも一方が、異常検知装置3に送信される。
【0023】
トルク補償装置2は、計測装置1による関節角度計測値及びトルク計測値に基づいて、当該トルク計測値に対し、トルク補償処理を行う。トルク補償処理は、ロボットアームが有する減速機の回転機構に由来するトルク外乱による誤差の補償を行う処理である。
このトルク補償装置2は、
図1に示すように、トルク外乱推定部201、及び、減算部202を備えている。
【0024】
トルク外乱推定部201は、関節角度計測部101による関節角度計測値、及び、トルク計測部102によるトルク計測値に基づいて、トルク外乱を推定する。
【0025】
減算部202は、トルク計測部102によるトルク計測値から、トルク外乱推定値により推定されたトルク外乱を減算することで、補償後トルク値を得る。この減算部202により得られた補償後トルク値を示すデータは、異常検知装置3に送信される。
【0026】
なお、
図1に示すトルク補償装置2の構成は、一例であり、異なる構成であってもよい。すなわち、トルク補償装置2は、計測装置1によるトルク計測値に対してトルク補償処理を行うことで、補償後トルク値を得ることができる構成であればよい。
【0027】
異常検知装置3は、計測装置1による関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、計測装置1によるトルク計測値、並びに、トルク補償装置2により得られた補償後トルク値に基づいて、当該補償後トルク値に対する異常検知を行う。
この異常検知装置3は、
図1に示すように、入力部301、トルク外乱成分抽出部302、及び、異常判別部303を備えている。
【0028】
なお、異常検知装置3は、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0029】
入力部301は、入力データを取得する。この入力データは、計測装置1による関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、計測装置1によるトルク計測値、並びに、トルク補償装置2により得られた補償後トルク値である。この際、入力部301は、関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、トルク計測値、並びに、補償後トルク値の系列データを取得する。系列データとしては、例えば、時系列データが挙げられる。
【0030】
また、入力部301は、取得する入力データに関節角速度計測値が含まれていない場合、関節角速度を関節角度計測値の数値微分として計算することで取得する。
【0031】
トルク外乱成分抽出部302は、入力部301による取得結果に基づいて、トルク計測値からトルク外乱成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱成分を抽出する。
この際、トルク外乱成分抽出部302は、例えば、デジタルフィルタを用い、トルク計測値からトルク外乱の周波数帯域の成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱の周波数帯域の成分を抽出する。
また、トルク外乱成分抽出部302は、関節角速度計測値又は関節角度計測値から計算された関節角速度に比例して、抽出対象とするトルク外乱の周波数帯域を動的に変化させることが望ましい。
【0032】
次いで、異常判別部303は、トルク外乱成分抽出部302による抽出結果に基づいて、補償後トルク値の異常有無を判別する。
この際、例えば、異常判別部303は、トルク外乱成分抽出部302により抽出されたトルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値と、当該トルク外乱成分抽出部302により抽出された補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値とを比較する。そして、異常判別部303は、上記補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値に対し、上記トルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値の方が大きいと判定した場合には、補償後トルク値に異常は無いと判定する。一方、異常判別部303は、上記トルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値に対し、上記補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値の方が大きいと判定した場合には、補償後トルク値に異常が有ると判定する。
【0033】
次に、
図1に示す実施の形態1に係る異常検知装置3の動作例について、
図2を参照しながら説明する。
ここで、トルク補償処理によるトルク外乱成分の低減性能が劣化した場合、トルク補償処理後の補償後トルク値(トルク補償処理後の信号)で観測される外乱成分は、トルク計測値(トルク補償処理前の信号)に含まれていてトルク補償処理でうまく補償されなかったために残存したトルク外乱成分、又は、トルク補償処理で推定されたトルク外乱推定値に由来する成分の何れかである。これらは双方とも、トルク外乱と概ね同じ周期を持つ信号となる。なぜならば、トルク外乱は関節角度に対して周期的であるという特徴があり、トルク補償処理で推定するトルク外乱推定値も同様に周期的だからである。
よって、トルク外乱の周期性を利用する等の方法により、トルク補償処理の前後の信号(トルク補償処理前のトルク計測値とトルク補償処理後の補償後トルク値)からトルク外乱と概ね同じ周期を持つトルク成分を抽出して比較すれば、トルク補償処理によるトルク外乱成分の低減性能を評価し、異常を検知することが可能になる。
また、異常検知では異常と正常を識別する判断基準を決める必要があるが、トルク補償処理はトルク計測値に含まれるトルク外乱成分を低減することが目的であることを考えると、トルク計測値に含まれるトルク外乱成分抽出し、その成分を基準とすれば、適切に判断できる。
【0034】
図1に示す実施の形態1に係る異常検知装置3の動作例では、例えば
図2に示すように、まず、入力部301は、入力データを取得する(ステップST201)。
この入力データは、計測装置1による関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、計測装置1によるトルク計測値、並びに、トルク補償装置2により得られた補償後トルク値である。この際、入力部301は、関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、トルク計測値、並びに、補償後トルク値の系列データを取得する。
【0035】
また、入力部301は、取得する入力データに、関節角速度計測値が含まれていない場合、関節角速度を関節角度の数値微分として計算することで取得する。
以下では、入力部301が取得する入力データに、関節角速度計測値が含まれている場合を例に説明を行う。
【0036】
ここで、関節角度計測値をθとし、トルク計測値をτ
mesとし、補償後トルク値をτ
compensatedとし、関節角速度計測値をθ(ドット)とする。
この場合、トルク計測値は下式(1)で表される。また、補償後トルク値は下式(2)で表される。なお、式(1)において、τ
loadは計測対象である負荷トルク値を示し、τ
disturbanceはトルク補償処理の対象であるトルク外乱の真値を示し、τ
noiseはトルク補償処理の対象外であるノイズを示している。また、式(2)において、τ
disturbance(ハット)はトルク補償処理で用いるトルク外乱の推定値を示している。
【0037】
トルク外乱成分抽出部302は、入力部301による取得結果に基づいて、トルク計測値からトルク外乱成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱成分を抽出する(ステップST202)。
この際、トルク外乱成分抽出部302は、例えば、デジタルフィルタを用い、トルク計測値からトルク外乱の周波数帯域の成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱の周波数帯域の成分を抽出する。
【0038】
すなわち、トルク外乱は関節角度に対して周期的な外乱であり、通常、関節角度領域においてトルク外乱は負荷トルクよりも高周波帯である。そのため、この性質を利用して、例えばデジタルフィルタとしてハイパスフィルタを利用することで、トルク外乱成分抽出部302は、トルク計測値及び補償後トルク値から負荷トルク成分を除去できる。
【0039】
ここで、トルク計測値の主成分及び補償後トルク値の主成分は、負荷トルク値である。
そのため、仮に、トルク外乱以外のノイズ(τnoise)がトルク外乱に比べて十分小さい場合、トルク外乱成分抽出部302は、当該ノイズ(τnoise)を無視して、ハイパスフィルタの透過値をトルク外乱成分の抽出値としてみなしてよい。
【0040】
また、ノイズ(τnoise)もできるだけ除去して、トルク外乱成分の周波数帯域だけ抽出したい場合は、トルク外乱成分抽出部302は、例えばデジタルフィルタとしてバンドパスフィルタを用いてもよい。
【0041】
なお、トルク外乱成分抽出部302は、デジタルフィルタを用いる場合、トルク外乱成分の周波数を見積もり、フィルタ周波数(ハイパスフィルタのカットオフ周波数、又は、バンドパスフィルタの中心周波数)を設計する必要がある。
【0042】
ここで、トルク外乱成分抽出部302は、関節角度領域におけるトルク外乱成分の周波数(frad)及び周期(Trad)を、トルク計測値の実測データに基づいて推定してもよい。
又は、トルク外乱成分抽出部302は、関節角度領域におけるトルク外乱成分の周波数(frad)及び周期(Trad)を、減速機の仕様(減速比(rgear))に基づいて演繹的に計算してもよい。
【0043】
なお、関節角度領域におけるトルク外乱成分の基本波の周波数は、下式(3)で表される。
【0044】
また、時間領域における周波数は、下式(4)で表される。
【0045】
よって、トルク外乱成分抽出部302が用いるデジタルフィルタは、トルク計測値及び補償後トルク値が時系列データである場合には、関節角速度計測値(θ(ドット))に応じてフィルタ周波数(ftime)を動的に変化可能な適応フィルタとすることが好ましい。
仮に、θ(ドット)が一定と見なせるような動作であるならば、トルク外乱成分抽出部302が用いるデジタルフィルタのフィルタ周波数を、固定値として設計してもよい。また、予めいくつかの関節角速度域毎に固定値のフィルタ周波数を定め、トルク外乱成分抽出部302が用いるデジタルフィルタは、関節角速度の計測値に対する閾値判定によってフィルタ周波数が切り替えられるような設計としてもよい。
【0046】
なお、トルク外乱成分抽出部302によるトルク外乱成分の抽出は、時系列データに対するフィルタ処理に限定されるものではない。
例えば、トルク外乱成分抽出部302は、トルク計測値及び補償後トルク値の時系列データを、トルク計測値及び補償後トルク値が関節角度計測値に対して等離散間隔且つ単調変化となるように、リサンプリング及びソート処理を行って、関節角度系列データを求めてもよい。そして、トルク外乱成分抽出部302は、この関節角度系列データを用いて、関節角度領域においてフィルタ周波数(frad)でフィルタ処理を行ってもよい。また、入力部301が、入力データとして、関節角度系列データを取得してもよい。
【0047】
但し、上記のフィルタ処理による方法では、関節角速度計測値の絶対値が小さく時系列データにおける負荷トルク成分及びトルク外乱成分の周波数帯域が重複する場合には、トルク外乱の抽出が困難である。
また、上記のフィルタ処理による方法では、関節角度系列データにおける関節角度の変化範囲がトルク外乱の1周期分に満たない場合にも、トルク外乱の抽出が困難である。
【0048】
そこで、上記のフィルタ処理による方法でトルク外乱成分の抽出が困難である場合には、トルク外乱成分抽出部302は、例えば以下のような方法を用いて、トルク外乱成分を抽出してもよい。
例えば、トルク外乱以外のノイズ(τnoise)がトルク外乱に比べて十分小さく、負荷トルク(τload)を所定精度で推定可能である場合、トルク外乱成分抽出部302は、関節角度計測値に基づいて、トルク計測値及び補償後トルク値から負荷トルクの推定値(τload(ハット))を減算することで、トルク外乱成分を抽出できる。
この際、トルク外乱成分抽出部302は、例えば、説明変数に関節角度計測値又はトルク計測値を含み負荷トルクの推定値を推定する回帰モデルを用意し、この回帰モデルを用いて負荷トルクの推定値を計算してもよい。又は、トルク外乱成分抽出部302は、例えば、動力学方程式に基づいて負荷トルクの推定値を計算してもよい。又は、トルク外乱成分抽出部302は、例えば、カルマンフィルタを用いて負荷トルクの推定値を計算してもよい。又は、例えば、トルク外乱成分抽出部302は、トルク外乱自体を推定するような外乱オブザーバとして状態空間モデルを設計し、この状態空間モデルを用いて負荷トルクの推定値を計算してもよい。
【0049】
次いで、異常判別部303は、トルク外乱成分抽出部302による抽出結果に基づいて、補償後トルク値の異常有無を判別する(ステップST203)。
この際、例えば、異常判別部303は、トルク外乱成分抽出部302により抽出されたトルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値と、当該トルク外乱成分抽出部302により抽出された補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値とを比較する。そして、異常判別部303は、上記補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値に対し、上記トルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値の方が大きいと判定した場合には、補償後トルク値に異常は無いと判定する。一方、異常判別部303は、上記トルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値に対し、上記補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値の方が大きいと判定した場合には、補償後トルク値に異常が有ると判定する。
【0050】
例えば、異常判別部303は、トルク外乱成分の振幅に着目し、トルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅を反映したトルク外乱の指標値(agear)と、補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅を反映した補償後トルク外乱の指標値(aerr)とを比較する方式としてよい。
この際、異常判別部303は、単純にagearとaerrとの大小を比較する構成では誤検知しやすい。そのため、異常判別部303に、異常検知の有効又は無効を切り替える仕組み、又は、検出の感度を調整できる仕組みが取入れられていることが望ましい。
【0051】
よって、例えば、異常判別部303は、下式(5)を満たす場合に異常として検知することが好ましい。
なお、式(5)において、a
thdは、異常検知の有効又は無効を切り替えるための閾値である。この閾値は、制御性能仕様に基づきトルク外乱の許容誤差値が設定されればよい。トルク外乱の指標値が小さい場合には、トルク外乱の指標値と補償後トルク外乱の指標値との相対比較だけでは誤検知しやすいため、この閾値を適切に設計することで誤検知を抑制できる。
また、式(5)において、r
detectは、検知感度である。なお、検知感度の実態は率である。ここで、r
detect<1の場合には補償性能の劣化を検知できる。例えば、トルク補償装置2の性能が安定していて常にトルク外乱成分を60%抑制することが期待できる場合は、r
detect=1-0.6=0.4というように設定してもよい。また、例えば、トルク補償装置2の性能が低い場合は、r
detectを小さくしすぎると誤検知しやすいので、1<r
detectと設定し、トルク補償処理によるトルク外乱成分の強調を異常として検知するよう設計してもよい。
【0052】
また、トルク外乱成分抽出部302がデジタルフィルタを用いている場合、前述の通りトルク外乱成分の抽出が困難となる場合が生じうる。そのため、上記のような場合には、異常判別部303は、誤検知を防ぐために異常判別を無効とすることが好ましい。
具体的には、時系列データでフィルタ処理を行う場合には、関節角速度の絶対値が所定閾値よりも小さい場合に、異常判別部303は、異常判別を無効とする。
また、関節角度系列データでフィルタ処理を行う場合には、関節角度系列データにおける関節角度変化範囲がトルク外乱の1周期分に満たない場合に、異常判別部303は、異常判別を無効とする。
【0053】
なお、トルク外乱の指標値(agear)及び補償後トルク外乱の指標値(aerr)は、トルク外乱成分の時系列データの振幅の瞬時値を代表値としてもよいが、トルク計測値のトルク外乱成分と補償後トルク値のトルク外乱成分に位相差又は周波数差があると誤検知しやすい。そのため、トルク外乱の指標値(agear)及び補償後トルク外乱の指標値(aerr)は、所定時間幅(例えば、トルク外乱1周期分又はその整数倍分)についての代表値とする方が好ましい。
代表値は、例えば、(絶対値の)最大値、peak-to-peak値、絶対値の総和値、又は、2乗和(平方根)値等、統計的指標として相当可能なものの中から最も異常検知性能がよいものを選択すればよい。
【0054】
また、トルク外乱は周期ノイズであり高調波成分(周波数がトルク外乱成分の基本波の整数倍の成分)を含む。
そのため、異常検知装置3は、多段のバンドパスフィルタ等を用いることでトルク外乱の基本波及び高調波を抽出し、それらの基本波及び高調波を加算した上で、異常検知を行う構成としてもよい。
又は、異常検知装置3は、多段のバンドパスフィルタ等を用いることでトルク外乱の基本波及び高調波を抽出し、それらの基本波及び高調波の周波数帯毎に異常判別部303を設けて異常検知を行う構成としてもよい。
【0055】
また、上記では、異常判別部303は、トルク外乱成分抽出部302により抽出されたトルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値と、当該トルク外乱成分抽出部302により抽出された補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値とを比較する場合を示した。
しかしながら、これに限らず、異常判別部303は、振幅以外のパラメータ(周波数又は位相)に着目し、異常判別を行ってもよい。
【0056】
例えば、トルク補償装置2により得られたトルク外乱推定値の周波数が、トルク計測値におけるトルク外乱成分の周波数と異なる場合、トルク計測値(におけるトルク外乱成分)と補償後トルク値(におけるトルク外乱成分)の振幅スペクトルを比較すると、トルク計測値と異なる周波数にピークが生じる。
そのため、異常判別部303は、トルク計測値におけるトルク外乱成分の周波数のピークと、補償後トルク値におけるトルク外乱成分の周波数のピークとに差異がある場合に、当該補償後トルク値に異常が有ると判定してもよい。
【0057】
また、例えば、トルク計測値におけるトルク外乱成分と、トルク外乱の推定値(=補償後トルク値(におけるトルク外乱成分)-トルク計測値(におけるトルク外乱成分))に位相差がある場合、トルク補償装置2の性能は劣化し、特に半周期ずれるとトルク外乱成分の強調が発生する。
そのため、異常判別部303は、トルク計測値におけるトルク外乱成分とトルク外乱の推定値との位相差を検出し、その位相差を閾値判定することで、補償後トルク値の異常有無の判別を行ってもよい。この際、異常判別部303は、位相差の検出方法としては、例えば、フーリエ変換、同期検波、又は、相互相関処理等を用いればよい。
【0058】
以上のように、この実施の形態1によれば、異常検知装置3は、関節角度計測値又は関節角速度計測値のうちの少なくとも一方、トルク計測値、並びに、当該トルク計測値に対して減速機の回転機構に由来するトルク外乱による誤差を補償した補償後トルク値を取得する入力部301と、入力部301による取得結果に基づいて、トルク計測値からトルク外乱成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱成分を抽出するトルク外乱成分抽出部302と、トルク外乱成分抽出部302による抽出結果に基づいて、補償後トルク値の異常有無を判別する異常判別部303とを備えた。
また、この際、例えば、トルク外乱成分抽出部302は、デジタルフィルタを用い、トルク計測値からトルク外乱の周波数帯域の成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱の周波数帯域の成分を抽出する。
また、例えば、トルク外乱成分抽出部302は、関節角速度計測値又は関節角度計測値から計算された関節角速度に比例して、抽出対象とするトルク外乱の周波数帯域を動的に変化させる。
また、例えば、異常判別部303は、トルク外乱成分抽出部302により抽出されたトルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値と、当該トルク外乱成分抽出部302により抽出された補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値とを比較し、当該トルク計測値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値に対し、当該補償後トルク値におけるトルク外乱成分の振幅の代表値の方が大きいと判定した場合に、当該補償後トルク値に異常が有ると判定する。
これにより、実施の形態1に係る異常検知装置3は、トルク補償処理におけるトルク外乱成分の低減性能の劣化を検知可能となる。
【0059】
実施の形態2.
図3は実施の形態2に係る異常検知装置3の構成例を示す図である。この
図3に示す実施の形態2に係る異常検知装置3では、
図2に示す実施の形態1に係る異常検知装置3に対し、トルク外乱成分抽出部302がトルク外乱成分抽出部302bに変更されている。この
図3に示す実施の形態2に係る異常検知装置3におけるその他の構成例は、
図2に示す実施の形態1に係る異常検知装置3の構成例と同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
【0060】
トルク外乱成分抽出部302bは、入力部301による取得結果に基づいて、トルク計測値からトルク外乱成分を抽出するとともに、補償後トルク値からトルク外乱成分を抽出する。このトルク外乱成分抽出部302bは、トルク外乱成分抽出部302に対し、負荷トルクによる影響を考慮したトルク外乱成分の抽出を可能としたものである。トルク外乱成分抽出部302bは、上記負荷トルクによる影響を考慮したトルク外乱成分抽出以外の基本的な動作例は、実施の形態1で示したトルク外乱成分抽出部302の動作例と同様であり、その詳細については省略する。
【0061】
トルク外乱成分抽出部302bは、
図4に示すように、負荷トルク指標値推定部3021、トルク外乱周期変動量推定部3022、及び、周波数帯域設定部3023を有している。
【0062】
負荷トルク指標値推定部3021は、トルクの計測値から、負荷トルクと相関のある負荷トルクの指標値を推定する。
【0063】
トルク外乱周期変動量推定部3022は、負荷トルク指標値推定部3021により推定された負荷トルクの指標値を説明変数として、回帰推論により、負荷トルクによるトルク外乱の周期の変動量を推定する。
【0064】
周波数帯域設定部3023は、トルク外乱周期変動量推定部3022により推定されたトルク外乱の周期の変動量に応じて、抽出対象とするトルク外乱の周波数帯域の中心周波数をシフトさせる。
【0065】
ここで、関節角度領域におけるトルク外乱の位相は、負荷トルクによって変化する。この位相の変化により、ロボットアームのように関節の回転によって負荷トルクが連続的に変わる場合には、トルク外乱の周波数及び周期が変化するのと同等な効果が発生する。よって、下式(6)のように、見かけ上の、関節角度領域でのトルク外乱の周期(T
rad(アキュート))は、負荷トルク(τ
load)を説明変数とする関数(F)を含むので、より精度よくトルク外乱の周波数を推定することが必要な場合は、負荷トルクの影響を考慮する必要がある。
【0066】
ここで、負荷トルク(τload)の真値を事前に精度よく得ることは難しく、また、関数(F)には個体差がある。
そのため、これらの対策として、例えば、負荷トルクの真値と相関のある負荷トルクの指標値(τload(ハット))を説明変数として各個体について回帰モデル(F(ハット))を求めることが考えられる。回帰推論であるが故に、負荷トルクの真値でなくとも、負荷トルクの真値と相関のある指標値さえ再現性よく得られれば、精度よくFに近い値のF(ハット)を得ることができる点は、重要な着眼点である。負荷トルクの指標値は、例えば、ローパスフィルタを使ってトルク計測値の低周波成分を抽出した値としてもよいし、動力学方程式や状態空間モデルに基づいて推定又は計算した値を用いてもよい。
【0067】
F(ハット)は、例えば、下式(7)のように2次多項式とすればよい。
この式(7)において、a,b,cは推論パラメータである。これらの推論パラメータは、事前に用意しておけばよい。例えば、予め学習データセット(角度、角速度、トルク計測値、及び、補償後トルク値の時系列データと、異常の有無のラベル)を用意しておき、学習データセットを入力器から入力した場合の、異常検知精度が高くなるように、教師あり学習で推論パラメータを求めればよい。
【0068】
なお、回帰モデルは上式に限るものではなく、負荷トルクの指標値を説明変数とする相関式であればよい。
【0069】
また、回帰モデルは1つである必要はなく、例えば、関節角度又は負荷トルクの指標値の任意区間毎に回帰モデルを用意して、適宜回帰モデルを切り替えるような構成としてもよい。
【0070】
この場合、関節角度領域におけるトルク外乱の周期を(T
rad(ダッシュ))として、実施の形態1と同様にフィルタ処理を用いることでトルク外乱成分を抽出できる。
又は、F(ハット)を誤差の一種と考えるならば、トルク外乱の周期が含まれる区間を下式(8)のように設計して、実施の形態1と同様にフィルタ処理することでトルク外乱成分を抽出してもよい。
【0071】
以上のように、この実施の形態2によれば、トルク外乱成分抽出部302は、トルクの計測値から、負荷トルクと相関のある負荷トルクの指標値を推定する負荷トルク指標値推定部3021と、負荷トルク指標値推定部3021により推定された負荷トルクの指標値を説明変数として、回帰推論により、負荷トルクによるトルク外乱の周期の変動量を推定するトルク外乱周期変動量推定部3022と、トルク外乱周期変動量推定部3022により推定されたトルク外乱の周期の変動量に応じて、抽出対象とするトルク外乱の周波数帯域の中心周波数をシフトさせる周波数帯域設定部3023とを有する。これにより、実施の形態2に係る異常検知装置3は、実施の形態1に係る異常検知装置3に対し、負荷トルクによる影響を考慮したトルク外乱成分の抽出が可能となり、より異常検知の精度が向上する。
【0072】
なお、各実施の形態の自由な組合わせ、或いは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 計測装置
2 トルク補償装置
3 異常検知装置
101 関節角度計測部
102 トルク計測部
201 トルク外乱推定部
202 減算部
301 入力部
302 トルク外乱成分抽出部
302b トルク外乱成分抽出部
303 異常判別部
3021 負荷トルク指標値推定部
3022 トルク外乱周期変動量推定部
3023 周波数帯域設定部