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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087885
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】管継手の接合確認用治具
(51)【国際特許分類】
   G01B 3/04 20060101AFI20240625BHJP
   G01B 3/56 20060101ALI20240625BHJP
   G01B 3/08 20060101ALI20240625BHJP
   F16L 21/04 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G01B3/04
G01B3/56
G01B3/08
F16L21/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202776
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100187827
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 雅則
(72)【発明者】
【氏名】森本 皓一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 義徳
(72)【発明者】
【氏名】橋本 健吾
(72)【発明者】
【氏名】魚津 颯二郎
(72)【発明者】
【氏名】小仲 正純
【テーマコード(参考)】
2F061
3H015
【Fターム(参考)】
2F061AA01
2F061AA02
2F061AA26
2F061AA46
2F061BB02
2F061FF73
2F061GG01
2F061JJ71
2F061LL27
2F061LL51
2F061UU03
3H015CA01
3H015CA14
(57)【要約】
【課題】管継手の接合状態の確認作業をスムーズに行うことを可能とする管継手の接合確認用治具を提供する。
【解決手段】第一の測定部2と、第一の測定部2に対して軸周りに回動自在に設けられた第二の測定部3と、第二の測定部3の長さ方向にスライドして第二の測定部3に収納可能な第三の測定部4と、を有し、第一の測定部2、第二の測定部3、および、第三の測定部4の厚みがいずれも異なっており、第一の測定部2と第二の測定部3によって、接続された管体同士の間の角度を測定する角度計が構成されるとともに、第一の測定部2、第二の測定部3、および、第三の測定部4が、対象物の設置位置を確認するチェックゲージまたは隙間の大きさを確認する隙間ゲージとして機能する構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の測定部(2)と、
前記第一の測定部(2)に対して軸周りに回動自在に設けられた第二の測定部(3)と、
前記第二の測定部(3)の長さ方向にスライドして当該第二の測定部(3)に収納可能な第三の測定部(4)と、
を有し、前記第一の測定部(2)、前記第二の測定部(3)、および、前記第三の測定部(4)の厚みがいずれも異なっており、前記第一の測定部(2)と前記第二の測定部(3)によって、接続された管体同士の間の角度を測定する角度計が構成されるとともに、前記第一の測定部(2)、前記第二の測定部(3)、および、前記第三の測定部(4)が、対象物の設置位置を確認するチェックゲージまたは隙間の大きさを確認する隙間ゲージとして機能する管継手の接合確認用治具。
【請求項2】
前記第二の測定部(3)に収納された前記第三の測定部(4)のスライドを容易にするつまみ出し部(9)を有する請求項1に記載の管継手の接合確認用治具。
【請求項3】
前記第一の測定部(2)または前記第二の測定部(3)を管体に対して位置決めするための基準治具(17)をさらに有する請求項1または2に記載の管継手の接合確認用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管継手の接合状態を確認するための接合確認用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
水道管路を曲線状に配管する場合、曲管を用いる代わりに直管の継手を屈曲させることによって曲線を構成する場合がある。このように、継手を屈曲させる際には、図9に示すように、継手の屈曲外側と屈曲内側とで、挿し側管体30の端部に形成された環状の白線31と受け側管体32の受口端面との間の寸法a1、a2をそれぞれ測定し、次の(1)式に基づいて継手の屈曲角θを算出することで、屈曲角θが設計通りであるか確認している。
θ=tan-1((a1-a2)/D) (1)
【0003】
この屈曲角θの算出においては、管継手が水平面内と鉛直面内の両方で屈曲している場合には、掘削溝内で継手の管頂、管横、および、管底で上記の寸法を測定する必要があるが、特に管底での測定が困難であることが多い。そこで、例えば下記特許文献1では、主尺の両端に枝尺を回動可能に設け、主尺と各枝尺をそれぞれ管体に沿わせることによって屈曲角を直接測定している(特許文献1の図1図18などを参照)。また、下記特許文献2には、固定定規部と回転定規部との間の角度をデジタル表示する分度器が開示されている(特許文献2の第1図などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3128819号公報
【特許文献2】実開昭62-180595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
GX形の直管継手接合時には、継手の屈曲角の測定の他に、所定の厚み(例えば2mmや4mm)のチェックゲージを用いて受口と挿し口の間に設けられたゴム輪が所定の軸方向位置にあるかどうかの確認が行われる。また、異形管継手接合時には、所定の厚み(例えば0.5mm)の隙間ゲージを用いて押輪と受口の間の隙間の確認が行われる。このため、管接続作業に際しては、図10から図12に示す角度計33、チェックゲージ34、隙間ゲージ35といった複数の種類の計測器具が必要となる。掘削溝内は視界が悪く、複数の計測器具を適切に管理することが難しいため、継手接合時間の増加につながるおそれがある。また、チェックゲージ34と隙間ゲージ35は比較的軽量であるため、作業中に紛失するおそれがある。特に、掘削溝内に泥水が溜まっている状況下では、溝内に計測器具を一旦落としてしまうと発見が困難になるおそれがある。
【0006】
そこで、この発明は、管継手の接合状態の確認作業をスムーズに行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、この発明では、
第一の測定部と、
前記第一の測定部に対して軸周りに回動自在に設けられた第二の測定部と、
前記第二の測定部の長さ方向にスライドして当該第二の測定部に収納可能な第三の測定部と、
を有し、前記第一の測定部、前記第二の測定部、および、前記第三の測定部の厚みがいずれも異なっており、前記第一の測定部と前記第二の測定部によって、接続された管体同士の間の角度を測定する角度計が構成されるとともに、前記第一の測定部、前記第二の測定部、および、前記第三の測定部が、対象物の設置位置を確認するチェックゲージまたは隙間の大きさを確認する隙間ゲージとして機能する管継手の接合確認用治具を構成した。
【0008】
このようにすると、一つの治具の中に、角度計、チェックゲージ、および、隙間ゲージの機能が収まっているため、各計測器具の個々の管理が不要となる。また、すべての計測器具をひとまとめにしたことにより掘削溝内における紛失を極力防止することができる。このため、管継手の接合状態の確認作業をスムーズに行うことができる。
【0009】
前記構成においては、前記第二の測定部に収納された前記第三の測定部のスライドを容易にするつまみ出し部を有する構成とするのが好ましい。このようにすると、第二の測定部からの第三の測定部の引き出しが容易となり、作業効率を向上することができる。
【0010】
前記各構成においては、前記第一の測定部または前記第二の測定部を管体に対して位置決めするための基準治具をさらに有する構成とすることもできる。このようにすると、この管継手の接合確認用治具を管体の所定の位置(管頂および管横)に正確に取り付けることができ、屈曲角の測定精度を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明では、第一の測定部と第二の測定部によって角度計を構成するとともに、いずれも厚みが異なる第一の測定部、第二の測定部、および、第二の測定部に収納可能な第三の測定部がチェックゲージまたは隙間ゲージとして機能するように構成したので、一つの治具の中に、角度計、チェックゲージ、および、隙間ゲージの機能が収まり、各計測器具の個々の管理が不要となる。また、すべての計測器具をひとまとめにしたことにより掘削溝内における紛失を極力防止することができる。これにより、管継手の接合状態の確認作業をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明に係る管継手の接合確認用治具の第一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は背面図、(e)は底面図
図2図1に示す接合確認用治具において、第二の測定部から第三の測定部を突出させた状態を示す要部の平面図
図3図1に示す接合確認用治具の角度計で管継手の角度を測定している状態を示し、(a)は管横部での測定、(b)は管頂部での測定
図4図1に示す接合確認用治具のチェックゲージで対象物(ゴム輪)の設置位置を確認している状態を示す断面図
図5図1に示す接合確認用治具の隙間ゲージで押輪と受口との隙間を確認している状態を示す断面図
図6図1に示す接合確認用治具の変形例を示す平面図であって、(a)は切り欠き部を円弧状としたもの、(b)は切り欠き部を形成することなく第三の測定部の先端を突出させてつまみ出し部としたもの
図7図1に示す接合確認用治具の変形例を示す平面図であって、(a)は各測定部の厚みを表記したもの、(b)は各測定部を色分けしたもの
図8】この発明に係る管継手の接合確認用治具の第二実施形態の使用状態を示し、(a)は平面図、(b)は管軸方向からみた断面図
図9】従来の屈曲角算出方法を示す側面図
図10】一般的な角度計を示す平面図
図11】一般的なチェックゲージを示し、(a)は平面図、(b)は正面図
図12】一般的な隙間ゲージを示し、(a)は平面図、(b)は正面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明に係る管継手の接合確認用治具1(以下、確認用治具1と略称する。)の第一実施形態を図1および図2に示す。この確認用治具1は、ダクタイル鉄管の管継手の接合状態を確認する際に用いられる治具であって、第一の測定部2と、第二の測定部3と、第三の測定部4を主要な構成要素としている。
【0014】
第一の測定部2は、表面に目盛が形成された厚みが0.5mm、長さが約10cmの物差し状の部材である。第一の測定部2の一端側には回動軸体5が設けられている。
【0015】
第二の測定部3は、表面に目盛が形成された厚みが4mm、長さが約10cmの物差し状の部材である。第二の測定部3は、回動軸体5によって、第一の測定部2に対して軸周りに回動自在に設けられている。第二の測定部3の内部には、第二の測定部3の回動先端側の端部に開口した内挿凹部6が形成されている。内挿凹部6の開口端部には、V字形の切り欠き部7が形成されている。
【0016】
第一の測定部2と第二の測定部3によって、接続された管体同士の間の角度を測定する角度計が構成される。第二の測定部3には、第一の測定部2と第二の測定部3との間の角度を表示する角度表示部8が設けられている。角度表示部8には、第一の測定部2と第二の測定部3がちょうど重なり合った状態で0度、第一の測定部2と第二の測定部3が直交した状態で90度と表示される。
【0017】
第三の測定部4は、表面に目盛が形成された厚みが2mm、長さが第二の測定部3よりも短い物差し状の部材である。第三の測定部4は、第二の測定部3に形成された内挿凹部6の中にその長さ方向にスライド収納可能となっている。第三の測定部4の先端は、その収納状態において第二の測定部3に形成された切り欠き部7から若干露出したつまみ出し部9となっており、第二の測定部3に収納された第三の測定部4を容易にスライドして引き出し得るよう構成されている。
【0018】
各測定部2、3、4の素材は特に限定されず、金属、樹脂などから適宜選択することができる。
【0019】
この実施形態に係る確認用治具1においては、表1に示すように、第二の測定部3(厚み4mm)および第三の測定部4(厚み2mm)が、直管継手の接合時に使用するゴム輪などの対象物の設置位置を確認するチェックゲージとして、第一の測定部2(厚み0.5mm)が、押輪と受口との隙間などの大きさを確認する隙間ゲージとして、それぞれ用いられる。表1に示すP-Linkとは、GX形切管の挿し口に固定されて直管受口に接続される接続部材、N-Linkとは、NS形(E種)切管の挿し口に固定されて、異形管の受口に接続する際の押輪と同様の機能を有する接続部材である。
【0020】
【表1】
【0021】
この実施形態に係る確認用治具1の使用態様について図面を用いて説明する。管継手の水平方向の屈曲角を測定する際には、図3(b)に示すように、挿し側管体10の管横位置において第一の測定部2を管軸方向に沿わせるとともに、第二の測定部3を受け側管体11の受口の端面に沿わせる。そして、その状態で角度表示部8に表示された角度θMHを読み取る。また、管継手の鉛直方向の屈曲角を測定する際には、図3(a)に示すように、挿し側管体10の管頂位置において第一の測定部2を管軸方向に沿わせるとともに、第二の測定部3を受け側管体11の受口の端面に沿わせる。そして、その状態で、角度表示部8に表示された角度θMVを読み取る。
【0022】
管横位置および管頂位置の特定に際しては、水準器を備えた基準治具を併用するのが測定精度や作業性の向上の点で好ましい。なお、屈曲方向が水平方向または鉛直方向の一方向のみであることが明らかな場合は、他方向の屈曲角の測定を省略できる場合もある。
【0023】
水平方向および鉛直方向の各屈曲角θMH、θMVから合成屈曲角θの算出においては、まず、次の(2)式および(3)式に基づいて、水平面内での屈曲角θおよび鉛直面内での屈曲角θをそれぞれ算出する。
θ=|θMH-90| (2)
θ=|θMV-90| (3)
【0024】
さらに、水平面内での屈曲角θおよび鉛直面内での屈曲角θから、次の(4)式に基づいて、合成屈曲角θを算出する。
θ=cos-1(cosθ・cosθ) (4)
【0025】
直管継手接合時、P-Link接合時など(表1を参照)において、受け側管体11の受口と挿し側管体10の挿し口との間に介在するゴム輪12の設置位置を確認する際には、図4に示すように、受け側管体11と挿し側管体10との間の隙間に、チェックゲージとして機能する厚みが2mmの第三の測定部4を管軸方向から挿し込む。その全周に亘って第三の測定部4の挿し込み量cが所定の範囲内であれば合格と判定される。その一方で、第三の測定部4による確認で不合格と判定された場合は、厚みが4mmの第二の測定部3で再確認を行う。そして、この再確認で第二の測定部3の挿し込み量cが所定の範囲内であれば合格と判定される。その一方で、第二の測定部3による再確認で再び不合格と判定された場合は、継手部を一旦解体して点検が行われる。
【0026】
異形管継手または直管継手の接合時、N-Link接合時など(表1を参照)において、押輪13と受け側管体11の受口14との間の隙間を確認する際には、図5に示すように、押輪13に形成された施工管理用突部15と受口14の端面との間に隙間ゲージとして機能する厚みが0.5mmの第一の測定部2を突き当てて、施工管理用突部15と受口14の間の隙間の大きさが適切かどうか全周に亘って判定する。適切でないと判定された場合は、押輪13に設けられたナット16の締め付け量の調節などが行われる。
【0027】
上記の確認用治具1は、一つの治具の中に、角度計、チェックゲージ、および、隙間ゲージの機能が収まっているため、各計測器具の個々の管理が不要となる。また、すべての計測器具をひとまとめにしたことにより重量があるため、掘削溝内における紛失を極力防止することができる。このため、管継手の接合状態の確認作業をスムーズに行うことができる。
【0028】
上記の確認用治具1は、第二の測定部3に切り欠き部7を形成することによって、この第二の測定部3に収納された第三の測定部4のスライドを容易にするつまみ出し部9を構成したので、第二の測定部3からの第三の測定部4の引き出しが容易となり、作業効率を向上することができる。
【0029】
上記の確認用治具1においては、第二の測定部3にV字形の切り欠き部7を形成することによってつまみ出し部9を構成したが、図6(a)に示すように、第二の測定部3に円弧状の切り欠き部7を形成することによってつまみ出し部9を形成したり、図6(b)に示すように、第二の測定部3に切り欠き部7を形成することなく第二の測定部3への第三の測定部4の挿し込み深さを制限することによってつまみ出し部9を形成したりすることもできる。
【0030】
上記の確認用治具1においては、図7(a)に示すように、各測定部2、3、4の表面にその厚みを目立つように表示したり、図7(b)に示すように、各測定部2、3、4をその厚みに応じて色分け(各測定部2、3、4の表面の模様の違いは色の違いに対応)したりすることもできる。このようにすれば、厚みの異なる各測定部2、3、4を取り違えて測定作業を行うミスを防止することができるとともに、測定作業に要する時間の短縮を図ることができる。
【0031】
この発明に係る確認用治具の第二実施形態を図8(a)(b)に示す。この確認用治具1は、第一の測定部2、第二の測定部3、および、第三の測定部4を有し、第一の測定部2と第二の測定部3によって角度計が構成されるとともに、各測定部2、3、4によってチェックゲージまたは隙間ゲージが構成される点で第一実施形態に係る確認用治具1と共通する。その一方で、第二の測定部3に管体に対して位置決めするための基準治具17が併設されている点で相違する。
【0032】
この基準治具17は、挿し側管体10の外周に設けられ、第二の測定部3が貫通する略矩形状の基部18を有している。基部18の径方向外側の面および周方向一方側の面には、管軸方向に対し垂直な方向の水平状態を検出する水準器19が設けられている。この水準器19は、気泡管水準器である。各水準器19は、基部18の上面となるように挿し側管体10にセットされたときに、水平状態を示す内部の気泡が挿し側管体10の周方向に沿って移動可能な向きに配置されている。基部18の内面(挿し側管体10に臨む面)は側面視逆V字形に形成されており、挿し側管体10の周方向の2か所で挿し側管体10と基部18が当接(線接触)している。
【0033】
確認用治具1に基準治具17を併設することにより、挿し側管体10の管頂および管横の位置を正確に確認することができ、水平方向および鉛直方向の屈曲角θMH、θMVの測定精度を向上することができる。また、基部18の内面が逆V字形に形成されているので、挿し側管体10の呼び径に関係なく共通の基準治具17を使用することができ、呼び径に対応する基準治具17を数多く用意する必要がなくコストを削減することができる。また、基部18の逆V字形部分に磁石を設け、この磁石を挿し側管体10の外周面に吸着させるようにすれば、確認用治具1を安定的にセットすることができる。
【0034】
上記の各実施形態に係る確認用治具1においては、第一の測定部2の厚みを0.5mm、第二の測定部3の厚みを4mm、第三の測定部4の厚みを2mmとし、第二の測定部3に第三の測定部4を収納する構成としたが、例えば、第一の測定部2の厚みを2mm、第二の測定部3の厚みを4mm、第三の測定部4の厚みを0.5mmとし、第一の測定部2または第二の測定部3に第三の測定部4を収納する構成とすることもできる。このようにすれば、薄肉の第三の測定部4の破損を極力防止することができる。また、第一の測定部2と第二の測定部3のそれぞれに、厚みが異なる薄肉の測定部を収納する構成とすることもできる。このようにすれば、測定の際の利便性を向上することができる。なお、各測定部2、3、4の厚みは、管継手の接合評価基準に基づいて適宜変更することができる。
【0035】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味およびすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0036】
1 管継手の接合確認用治具(確認用治具)
2 第一の測定部
3 第二の測定部
4 第三の測定部
5 回動軸体
6 内挿凹部
7 切り欠き部
8 角度表示部
9 つまみ出し部
10 挿し側管体
11 受け側管体
12 ゴム輪
13 押輪
14 受口
15 施工管理用突部
16 ナット
17 基準治具
18 基部
19 水準器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12