(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008789
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】回転装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B60N 2/14 20060101AFI20240112BHJP
B60N 2/06 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B60N2/14
B60N2/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183270
(22)【出願日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】63/358,575
(32)【優先日】2022-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】香取 孝宜
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA02
3B087BA07
3B087BB02
(57)【要約】
【課題】シートクッション側にスペースを確保することができる回転装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】回転装置2は、フロア5とシートクッション11との間に設けられ、フロアに対してシートクッションを回転可能に支持する。回転装置2は、フロア側に設けられたベースプレート56と、シートクッション側に設けられ、ベースプレートに回転可能に支持された回転板71と、ベースプレートに対して回転板を回転させる回転アクチュエータ53と、ベースプレートに対する回転板の回転を選択的に禁止する回転ロック装置54とを有する。回転アクチュエータ及び回転ロック装置は、ベースプレートの下面に取り付けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアとシートクッションとの間に設けられ、前記フロアに対して前記シートクッションを回転可能に支持する回転装置であって、
前記フロア側に設けられたベースプレートと、
前記シートクッション側に設けられ、前記ベースプレートに回転可能に支持された回転板と、
前記ベースプレートに対して前記回転板を回転させる回転アクチュエータと、
前記ベースプレートに対する前記回転板の回転を選択的に禁止する回転ロック装置とを有し、
前記回転アクチュエータ及び前記回転ロック装置が前記ベースプレートの下面に取り付けられている回転装置。
【請求項2】
前記回転ロック装置は、前記ベースプレートの下面から下方に突出したホルダと、前記ホルダに回動可能に支持され、前記ベースプレートを貫通して前記回転板に係合するロック爪とを有し、
前記ホルダは、前記回転板の回転軸線である第1軸線を中心とした周方向に延びる周壁部と、前記周壁部の両端から前記第1軸線を中心とした径方向内側に延びる一対の端壁部とを有し、
前記ロック爪は、前記端壁部のそれぞれに回動可能に支持されると共に、前記端壁部のそれぞれに摺接する一対のアーム部とを有する請求項1に記載の回転装置。
【請求項3】
前記端壁部のそれぞれは、前記ベースプレートに形成された開口を通過して前記ベースプレートの上方に延び、
前記アーム部のそれぞれの回動軸線である第2軸線は、前記ベースプレートより上方に配置されている請求項2に記載の回転装置。
【請求項4】
前記回転板の下面に前記回転軸線を中心としたギヤが設けられ、
前記回転アクチュエータは、前記ギヤに噛み合うピニオンを有し、
前記第2軸線は、前記ギヤより上方に配置されている前記請求項3に記載の回転装置。
【請求項5】
前記回転アクチュエータは、電動モータと、前記電動モータの回転を減速して前記ピニオンに伝達する減速機構とを有し、
前記電動モータ及び前記減速機構は、前記ベースプレートより下方に配置されている請求項4に記載の回転装置。
【請求項6】
前記回転アクチュエータと前記回転ロック装置とは、前記第1軸線を中心とした点対称位置に配置されている請求項2に記載の回転装置。
【請求項7】
前記ベースプレートは、円形状に形成され、
前記ベースプレートの外周縁には円環状の固定部材が結合され、
前記ベースプレートの前部及び後部には左右方向に延びる前後一対のクロスメンバが結合され、
前記クロスメンバが前記フロア側の部材に結合される請求項2に記載の回転装置。
【請求項8】
前記固定部材は、前記第1軸線を中心とした円筒形の筒壁と、前記筒壁の上縁から前記回転板の上方に延出した内側フランジと、前記筒壁の下縁から前記ベースプレートの下方に延出した複数の結合片とを有し、
前記内側フランジには摺動部材が設けられ、
前記摺動部材は、前記内側フランジの内周縁に当接して上下方向に延びる縦壁部と、前記縦壁部の下端から前記内側フランジの下面に沿って前記第1軸線を中心とした径方向外方に延びる下壁部と、前記縦壁部の上端から前記内側フランジの上面に沿って前記第1軸線を中心とした径方向外方に延びる上壁部とを有し、
前記第1軸線を中心とした径方向において、前記下壁部が前記上壁部よりも長く形成されている請求項7に記載の回転装置。
【請求項9】
前記回転板には、前記ロック爪が選択的に係合可能な複数のロック孔が形成され、
前記回転板の前記ロック孔の1つと対応する位置に補強板が設けられ、
前記補強板に前記ロック孔と対向する貫通孔が形成されている請求項2に記載の回転装置。
【請求項10】
前記ロック爪は、前記ロック孔に下方から突入する爪部を有し、
前記爪部は、先端に向けて幅が狭くなるテーパ形状を有する請求項9に記載の回転装置。
【請求項11】
前記補強板の厚みは、前記回転板の厚みよりも厚く形成され、
前記第1軸線を中心とした周方向において、前記貫通孔は前記ロック孔よりも短く形成されている請求項10に記載の回転装置。
【請求項12】
前記回転板は、固定ブラケットを介して前記シートクッションに結合され、
前記クロスメンバと前記固定ブラケットとの間には複数のローラが介装されている請求項7に記載の回転装置。
【請求項13】
複数の前記ローラは、前記第1軸線を中心とした仮想円上に配置され、
前記第1軸線に沿った方向から見て前記仮想円の全てが前記固定ブラケットと重なる位置に配置されている請求項12に記載の回転装置。
【請求項14】
フロアとシートクッションとの間に設けられ、前記フロアに対して前記シートクッションを回転可能に支持する回転装置の製造方法であって、
前記回転装置は、ベースプレートと、前記ベースプレートに対向する回転板と、前記ベースプレートと前記回転板との間に介装された環状の軸受と、前記ベースプレートの外周縁に結合される固定部材とを有し、
前記固定部材は、前記ベースプレート及び前記回転板を受容する筒形の筒壁と、前記筒壁の上縁から前記回転板の上方に延出した内側フランジと、前記筒壁の下縁に設けられた複数の結合片とを有し、
前記ベースプレート、前記軸受、及び前記回転板が重ねて配置され、かつ前記ベースプレート及び前記回転板の外周に前記固定部材を配置されるステップと、
複数の前記結合片が前記筒壁の径方向内方に折り曲げられ、前記内側フランジと前記結合片との間に前記ベースプレート及び前記回転板が挟持されるステップと、
複数の前記結合片が前記ベースプレートに溶接されるステップとを有する回転装置の製造方法。
【請求項15】
前記ベースプレートと直交する方向から複数の前記結合片が前記ベースプレート側に折り曲げられる請求項14に記載の回転装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、フロアに対して鉛直軸回りに回転可能な車両用シート装置を開示している。車両用シート装置は、フロアにスライド装置を介して設けられたベース部と、シートクッションに設けられ、ベース部に回転可能に支持された回転部と、ベース部に対して回転部を回転させる回転アクチュエータとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転アクチュエータが回転部の上方に設けられた場合、シートクッションと回転部との間のスペースが小さくなる。その結果、シートクッションの下方に電子制御装置やブロア等の他の装置を配置することが困難になるという問題がある。また、回転装置には、ベース部に対する回転部の回転を規制するための回転ロック装置が設けられることがある。回転ロック装置が回転部の上方に設けられた場合、シートクッションと回転部との間のスペースが更に小さくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑み、シートクッション側にスペースを確保することができる回転装置を提供することを課題とする。また、回転装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、フロア(5)とシートクッション(11)との間に設けられ、前記フロアに対して前記シートクッションを回転可能に支持する回転装置(2)であって、前記フロア側に設けられたベースプレート(56)と、前記シートクッション側に設けられ、前記ベースプレートに回転可能に支持された回転板(71)と、前記ベースプレートに対して前記回転板を回転させる回転アクチュエータ(53)と、前記ベースプレートに対する前記回転板の回転を選択的に禁止する回転ロック装置(54)とを有し、前記回転アクチュエータ及び前記回転ロック装置が前記ベースプレートの下面に取り付けられている。
【0007】
この態様によれば、回転アクチュエータ及び回転ロック装置がベースプレートの下方に配置されるため、回転板のシートクッション側にスペースを確保することができる。
【0008】
上記の態様において、前記回転ロック装置は、前記ベースプレートの下面から下方に突出したホルダ(122)と、前記ホルダに回動可能に支持され、前記ベースプレートを貫通して前記回転板に係合するロック爪(121)とを有し、前記ホルダは、前記回転板の回転軸線である第1軸線(A)を中心とした周方向に延びる周壁部(123)と、前記周壁部の両端から前記第1軸線を中心とした径方向内側に延びる一対の端壁部(124)とを有し、前記ロック爪は、前記端壁部のそれぞれに回動可能に支持されると共に、前記端壁部のそれぞれに摺接する一対のアーム部(121A)とを有してもよい。
【0009】
この態様によれば、回転方向において、ホルダに対するロック爪のがた付きを抑制することができる。これにより、ベースプレートに対する回転板の回転方向におけるがた付きを抑制することができる。
【0010】
上記の態様において、前記端壁部のそれぞれは、前記ベースプレートに形成された開口(126)を通過して前記ベースプレートの上方に延び、前記アーム部のそれぞれの回動軸線である第2軸線(B)は、前記ベースプレートより上方に配置されてもよい。
【0011】
この態様によれば、ロック爪の回動軸線とロック爪の先端との距離を小さくすることができる。これにより、ロック爪の回動に必要なスペースを小さくすることができる。
【0012】
上記の態様において、前記回転板の下面に前記回転軸線を中心としたギヤ(116)が設けられ、前記回転アクチュエータは、前記ギヤに噛み合うピニオン(115)を有し、前記第2軸線は、前記ギヤより上方に配置されてもよい。
【0013】
この態様によれば、ロック爪の回動軸線とロック爪の先端との距離を更に小さくすることができる。
【0014】
上記の態様において、前記回転アクチュエータは、電動モータ(111)と、前記電動モータの回転を減速して前記ピニオンに伝達する減速機構(112)とを有し、前記電動モータ及び前記減速機構は、前記ベースプレートより下方に配置されてもよい。
【0015】
この態様によれば、回転板のシートクッション側にスペースを確保することができる。
【0016】
上記の態様において、前記回転アクチュエータと前記回転ロック装置とは、前記第1軸線を中心とした点対称位置に配置されてもよい。
【0017】
この態様によれば、回転アクチュエータと回転ロック装置との干渉を避けることができる。
【0018】
上記の態様において、前記ベースプレートは、円形状に形成され、前記ベースプレートの外周縁には円環状の固定部材(66)が結合され、前記ベースプレートの前部及び後部には左右方向に延びる前後一対のクロスメンバ(57)が結合され、前記クロスメンバが前記フロア側の部材に結合されてもよい。
【0019】
この態様によれば、シートクッション側の部材から回転板に加わる前後荷重に対して、ベースプレートをフロア側の部材に安定性良く支持させることができる。
【0020】
上記の態様において、前記固定部材は、前記第1軸線を中心とした円筒形の筒壁(67)と、前記筒壁の上縁から前記回転板の上方に延出した内側フランジ(68)と、前記筒壁の下縁から前記ベースプレートの下方に延出した複数の結合片(69)とを有し、前記内側フランジには摺動部材(85)が設けられ、前記摺動部材は、前記内側フランジの内周縁に当接して上下方向に延びる縦壁部(85A)と、前記縦壁部の下端から前記内側フランジの下面に沿って前記第1軸線を中心とした径方向外方に延びる下壁部(85B)と、前記縦壁部の上端から前記内側フランジの上面に沿って前記第1軸線を中心とした径方向外方に延びる上壁部(85C)とを有し、前記第1軸線を中心とした径方向において、前記下壁部が前記上壁部よりも長く形成されてもよい。
【0021】
この態様によれば、回転板と摺動部材の下壁部との摺接面積を大きくすることができる。これにより、摺動部材によって、回転板の縁部を安定性良く支持することができる。
【0022】
上記の態様において、前記回転板には、前記ロック爪が選択的に係合可能な複数のロック孔(132)が形成され、前記回転板の前記ロック孔の1つ(132A)と対応する位置に補強板(155)が設けられ、前記補強板に前記ロック孔と対向する貫通孔(155A)が形成されてもよい。
【0023】
この態様によれば、ロック孔を補強することができる。これにより、ベースプレートに対する回転板の回転を確実に規制することができる。
【0024】
上記の態様において、前記ロック爪は、前記ロック孔に下方から突入する爪部(121C)を有し、前記爪部は、先端に向けて幅が狭くなるテーパ形状を有してもよい。
【0025】
この態様によれば、ロック爪の爪部がロック孔にがた付きなく嵌合することができるため、ベースプレートに対する回転板の回転を確実に規制することができる。
【0026】
上記の態様において、前記補強板の厚みは、前記回転板の厚みよりも厚く形成され、前記第1軸線を中心とした周方向において、前記貫通孔は前記ロック孔よりも短く形成されてもよい。
【0027】
この態様によれば、ロック爪の爪部は剛性が高い補強部材に当接する。これにより、回転板の損傷が防止される。
【0028】
上記の態様において、前記回転板は、固定ブラケット(72)を介して前記シートクッションに結合され、前記クロスメンバと前記固定ブラケットとの間には複数のローラ(166)が介装されてもよい。
【0029】
この態様によれば、固定ブラケットの外周部が複数のローラによって下方から支持されるため、固定ブラケットの傾きや変形が抑制される。これにより、シートクッションの位置が安定する。
【0030】
上記の態様において、複数の前記ローラは、前記第1軸線を中心とした仮想円(C)上に配置され、前記第1軸線に沿った方向から見て前記仮想円の全てが前記固定ブラケットと重なる位置に配置されてもよい。
【0031】
この態様によれば、回転板がベースプレートに対して回転しても、複数のローラは常に固定ブラケットを下方から支持することができる。
【0032】
本発明の他の態様は、フロア(5)とシートクッション(11)との間に設けられ、前記フロアに対して前記シートクッションを回転可能に支持する回転装置(2)の製造方法であって、前記回転装置は、ベースプレート(56)と、前記ベースプレートに対向する回転板(71)と、前記ベースプレートと前記回転板との間に介装された環状の軸受(78)と、前記ベースプレートの外周縁に結合される固定部材(66)とを有し、前記固定部材は、前記ベースプレート及び前記回転板を受容する筒形の筒壁(67)と、前記筒壁の上縁から前記回転板の上方に延出した内側フランジ(68)と、前記筒壁の下縁に設けられた複数の結合片(69)とを有し、前記ベースプレート、前記軸受、及び前記回転板を重ねて配置し、かつ前記ベースプレート及び前記回転板の外周に前記固定部材を配置するステップと、複数の前記結合片を前記筒壁の径方向内方に折り曲げ、前記内側フランジと前記結合片との間に前記ベースプレート及び前記回転板を挟持するステップと、複数の前記結合片を前記ベースプレートに溶接するステップとを有する。
【0033】
この態様によれば、複数の結合片が折り曲げられることによって、ベースプレート、軸受、回転板、及び固定部材が一体に組み付けられる。これにより、複数の結合片とベースプレートとの溶接が容易になる。
【0034】
上記の態様において、前記ベースプレートと直交する方向から複数の前記結合片を前記ベースプレート側に折り曲げてもよい。
【0035】
この態様によれば、複数の結合片を容易に折り曲げることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明のある態様は、フロア(5)とシートクッション(11)との間に設けられ、前記フロアに対して前記シートクッションを回転可能に支持する回転装置(2)であって、前記フロア側に設けられたベースプレート(56)と、前記シートクッション側に設けられ、前記ベースプレートに回転可能に支持された回転板(71)と、前記ベースプレートに対して前記回転板を回転させる回転アクチュエータ(53)と、前記ベースプレートに対する前記回転板の回転を選択的に禁止する回転ロック装置(54)とを有し、前記回転アクチュエータ及び前記回転ロック装置が前記ベースプレートの下面に取り付けられている。
【0037】
この態様によれば、回転アクチュエータ及び回転ロック装置がベースプレートの下方に配置されるため、回転板のシートクッション側にスペースを確保することができる。
【0038】
上記の態様において、前記回転ロック装置は、前記ベースプレートの下面から下方に突出したホルダ(122)と、前記ホルダに回動可能に支持され、前記ベースプレートを貫通して前記回転板に係合するロック爪(121)とを有し、前記ホルダは、前記回転板の回転軸線である第1軸線(A)を中心とした周方向に延びる周壁部(123)と、前記周壁部の両端から前記第1軸線を中心とした径方向内側に延びる一対の端壁部(124)とを有し、前記ロック爪は、前記端壁部のそれぞれに回動可能に支持されると共に、前記端壁部のそれぞれに摺接する一対のアーム部(121A)とを有してもよい。
【0039】
この態様によれば、回転方向において、ホルダに対するロック爪のがた付きを抑制することができる。これにより、ベースプレートに対する回転板の回転方向におけるがた付きを抑制することができる。
【0040】
上記の態様において、前記端壁部のそれぞれは、前記ベースプレートに形成された開口(126)を通過して前記ベースプレートの上方に延び、前記アーム部のそれぞれの回動軸線である第2軸線(B)は、前記ベースプレートより上方に配置されてもよい。
【0041】
この態様によれば、ロック爪の回動軸線とロック爪の先端との距離を小さくすることができる。これにより、ロック爪の回動に必要なスペースを小さくすることができる。
【0042】
上記の態様において、前記回転板の下面に前記回転軸線を中心としたギヤ(116)が設けられ、前記回転アクチュエータは、前記ギヤに噛み合うピニオン(115)を有し、前記第2軸線は、前記ギヤより上方に配置されてもよい。
【0043】
この態様によれば、ロック爪の回動軸線とロック爪の先端との距離を更に小さくすることができる。
【0044】
上記の態様において、前記回転アクチュエータは、電動モータ(111)と、前記電動モータの回転を減速して前記ピニオンに伝達する減速機構(112)とを有し、前記電動モータ及び前記減速機構は、前記ベースプレートより下方に配置されてもよい。
【0045】
この態様によれば、回転板のシートクッション側にスペースを確保することができる。
【0046】
上記の態様において、前記回転アクチュエータと前記回転ロック装置とは、前記第1軸線を中心とした点対称位置に配置されてもよい。
【0047】
この態様によれば、回転アクチュエータと回転ロック装置との干渉を避けることができる。
【0048】
上記の態様において、前記ベースプレートは、円形状に形成され、前記ベースプレートの外周縁には円環状の固定部材(66)が結合され、前記ベースプレートの前部及び後部には左右方向に延びる前後一対のクロスメンバ(57)が結合され、前記クロスメンバが前記フロア側の部材に結合されてもよい。
【0049】
この態様によれば、シートクッション側の部材から回転板に加わる前後荷重に対して、ベースプレートをフロア側の部材に安定性良く支持させることができる。
【0050】
上記の態様において、前記固定部材は、前記第1軸線を中心とした円筒形の筒壁(67)と、前記筒壁の上縁から前記回転板の上方に延出した内側フランジ(68)と、前記筒壁の下縁から前記ベースプレートの下方に延出した複数の結合片(69)とを有し、前記内側フランジには摺動部材(85)が設けられ、前記摺動部材は、前記内側フランジの内周縁に当接して上下方向に延びる縦壁部(85A)と、前記縦壁部の下端から前記内側フランジの下面に沿って前記第1軸線を中心とした径方向外方に延びる下壁部(85B)と、前記縦壁部の上端から前記内側フランジの上面に沿って前記第1軸線を中心とした径方向外方に延びる上壁部(85C)とを有し、前記第1軸線を中心とした径方向において、前記下壁部が前記上壁部よりも長く形成されてもよい。
【0051】
この態様によれば、回転板と摺動部材の下壁部との摺接面積を大きくすることができる。これにより、摺動部材によって、回転板の縁部を安定性良く支持することができる。
【0052】
上記の態様において、前記回転板には、前記ロック爪が選択的に係合可能な複数のロック孔(132)が形成され、前記回転板の前記ロック孔の1つ(132A)と対応する位置に補強板(155)が設けられ、前記補強板に前記ロック孔と対向する貫通孔(155A)が形成されてもよい。
【0053】
この態様によれば、ロック孔を補強することができる。これにより、ベースプレートに対する回転板の回転を確実に規制することができる。
【0054】
上記の態様において、前記ロック爪は、前記ロック孔に下方から突入する爪部(121C)を有し、前記爪部は、先端に向けて幅が狭くなるテーパ形状を有してもよい。
【0055】
この態様によれば、ロック爪の爪部がロック孔にがた付きなく嵌合することができるため、ベースプレートに対する回転板の回転を確実に規制することができる。
【0056】
上記の態様において、前記補強板の厚みは、前記回転板の厚みよりも厚く形成され、前記第1軸線を中心とした周方向において、前記貫通孔は前記ロック孔よりも短く形成されてもよい。
【0057】
この態様によれば、ロック爪の爪部は剛性が高い補強部材に当接する。これにより、回転板の損傷が防止される。
【0058】
上記の態様において、前記回転板は、固定ブラケット(72)を介して前記シートクッションに結合され、前記クロスメンバと前記固定ブラケットとの間には複数のローラ(166)が介装されてもよい。
【0059】
この態様によれば、固定ブラケットの外周部が複数のローラによって下方から支持されるため、固定ブラケットの傾きや変形が抑制される。これにより、シートクッションの位置が安定する。
【0060】
上記の態様において、複数の前記ローラは、前記第1軸線を中心とした仮想円(C)上に配置され、前記第1軸線に沿った方向から見て前記仮想円の全てが前記固定ブラケットと重なる位置に配置されてもよい。
【0061】
この態様によれば、回転板がベースプレートに対して回転しても、複数のローラは常に固定ブラケットを下方から支持することができる。
【0062】
本発明の他の態様は、フロア(5)とシートクッション(11)との間に設けられ、前記フロアに対して前記シートクッションを回転可能に支持する回転装置(2)の製造方法であって、前記回転装置は、ベースプレート(56)と、前記ベースプレートに対向する回転板(71)と、前記ベースプレートと前記回転板との間に介装された環状の軸受(78)と、前記ベースプレートの外周縁に結合される固定部材(66)とを有し、前記固定部材は、前記ベースプレート及び前記回転板を受容する筒形の筒壁(67)と、前記筒壁の上縁から前記回転板の上方に延出した内側フランジ(68)と、前記筒壁の下縁に設けられた複数の結合片(69)とを有し、前記ベースプレート、前記軸受、及び前記回転板を重ねて配置し、かつ前記ベースプレート及び前記回転板の外周に前記固定部材を配置するステップと、複数の前記結合片を前記筒壁の径方向内方に折り曲げ、前記内側フランジと前記結合片との間に前記ベースプレート及び前記回転板を挟持するステップと、複数の前記結合片を前記ベースプレートに溶接するステップとを有する。
【0063】
この態様によれば、複数の結合片が折り曲げられることによって、ベースプレート、軸受、回転板、及び固定部材が一体に組み付けられる。これにより、複数の結合片のベースプレートへの溶接が容易になる。
【0064】
上記の態様において、前記ベースプレートと直交する方向から複数の前記結合片を前記ベースプレート側に折り曲げてもよい。
【0065】
この態様によれば、複数の結合片を容易に折り曲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図11】ロック爪の第1~第4ロック孔への係合状態を示す説明図
【
図12】ベース側剥離抑制ユニット及び回転側剥離抑制ユニットの斜視図
【
図13】ベース側剥離抑制ユニット及び回転側剥離抑制ユニットの側面図
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、図面を参照して、本発明に係る回転装置を自動車のシートに適用した実施形態について説明する。他の実施形態では、回転装置は、鉄道や飛行機、船舶等の他の乗物のシートに適用されてもよい。
【0068】
図1に示すように、車両用シート装置1は、回転装置2を有する。また、車両用シート装置1は、シート本体3と、スライド装置4とを有する。回転装置2は、スライド装置4を介してフロア5に設けられている。シート本体3は、シートクッション11と、シートバック12とを有する。シートクッション11は、使用者の臀部を下方から支持する。シートバック12は、シートクッション11の後部から上方に延びている。シートバック12は、使用者の背部を後方から支持する。
【0069】
シートクッション11は、骨格をなすシートクッションフレーム14と、シートクッションフレーム14に支持されるパッドと、パッドの表面を覆う表皮材とを有する。シートクッションフレーム14は、前後に延びる左右のシートクッションサイドメンバ18と、左右に延び、左右のシートクッションサイドメンバ18の前端に結合された前メンバ19と、左右に延び、左右のシートクッションサイドメンバ18の後端に結合された後メンバ21とを有する。前メンバ19と後メンバ21との間には、使用者の臀部を支持する可撓性の支持部材22が架け渡されている。支持部材22は、複数の金属製のワイヤと、各ワイヤに結合された可撓性の樹脂板とを有するとよい。
図1及び
図16に示すように、シートクッション11の左右の側部には、サイドカバー23が設けられている。サイドカバー23は、シートクッションサイドメンバ18に支持され、パッド及び表皮材の端末を隠蔽する。サイドカバー23は樹脂材料によって形成されているとよい。
【0070】
図1に示すように、シートバック12は、骨格をなすシートバックフレーム25と、シートバックフレーム25に支持されるパッドと、パッドの表面を覆う表皮材とを有する。シートバックフレーム25は、上下に延びる左右のシートバックサイドメンバ29と、左右に延び、左右のシートバックサイドメンバ29の上端に結合された上メンバ31と、左右に延び、左右のシートバックサイドメンバ29の下端に結合された下メンバ32と、上メンバ31と下メンバ32の間を左右に延び、左右のシートバックサイドメンバ29に結合された中間メンバ33とを有する。左右のシートバックサイドメンバ29、上メンバ31、下メンバ32、及び中間メンバ33は、金属板を折り曲げ成形することによって形成されている。左右のシートバックサイドメンバ29、中間メンバ33、及び下メンバ32には、使用者の背部を支持する可撓性の支持部材34が架け渡されている。支持部材34は、複数の金属製のワイヤによって形成されているとよい。左右のシートバックサイドメンバ29の下端は、リクライニング装置35を介して対応するシートクッションサイドメンバ18の後端に結合されている。
【0071】
図1及び
図5に示すように、スライド装置4は、前後に延びる左右のロアレール37と、各ロアレール37に前後にスライド移動可能に支持された左右のアッパレール38とを有する。各ロアレール37は、前後のフット39を介してフロア5に結合されている。各ロアレール37と対応するアッパレール38との間にはスライドロック装置(不図示)が設けられている。左右のスライドロック装置は、左右に延びるスライド操作レバー41によって互いに接続されている。使用者は、スライド操作レバー41を操作することによって、ロアレール37に対してアッパレール38をスライド移動可能にすることができる。
【0072】
図1~
図5に示すように、回転装置2は、フロア5とシートクッション11との間に設けられ、フロア5に対してシートクッション11を回転可能に支持する。回転装置2は、ベース部51と、回転部52と、回転アクチュエータ53と、回転ロック装置54とを有する。
【0073】
ベース部51は、フロア5側に設けられている。本実施形態では、ベース部51は、スライド装置4を介してフロア5に設けられている。ベース部51は、面が上下を向く、円形状のベースプレート56を有する。ベースプレート56は、前後一対のクロスメンバ57を介して、左右のアッパレール38に支持されている。各クロスメンバ57は、左右に延び、両端において左右のアッパレール38に結合されている。前側のクロスメンバ57の左右の両端は、左右において対応するアッパレール38の前端に結合されている。後前側のクロスメンバ57の左右の両端は、左右において対応するアッパレール38の後端に結合されている。
【0074】
図2及び
図3に示すように、前後のクロスメンバ57は、前後に互いに距離をおいて配置されている。ベースプレート56及び前後のクロスメンバ57は、金属板によって形成されているとよい。各クロスメンバ57の横断面は、下方に向けて開口した溝形に形成されているとよい。各クロスメンバ57の左右の端部57Aの前後幅は、中央部57Bの前後幅に比べて大きく形成されている。左右の端部57Aは、上下方向を向く上面を有する。中央部57Bには、複数の補強構造59が形成されている。複数の補強構造59は、ビードであるとよい。補強構造59は左右方向に延びているとよい。また、補強構造59は、中央部57Bの中央から左右外方かつ後方に傾斜して延びていてもよい。
【0075】
図3及び
図5に示すように、前後のクロスメンバ57とベースプレート56とはボルト及びナットによって締結されているとよい。前後のクロスメンバ57は、ベースプレート56によって互いに結合されている。ベースプレート56の前部は第1結合点58A、第2結合点58B、第3結合点58Cにおいて前側のクロスメンバ57に結合されている。第1結合点58Aは、ベースプレート56の前端かつ左右方向における中央に設けられている。第2結合点58Bは、第1結合点58Aよりも後方かつ左方に配置されている。第3結合点58Cは、第1結合点58Aよりも後方かつ右方に配置されている。
【0076】
ベースプレート56の後部は第4結合点58D、第5結合点58E、第6結合点58Fにおいて前側のクロスメンバ57に結合されている。第4結合点58Dは、ベースプレート56の後端かつ左右方向における中央に設けられている。第5結合点58Eは、第4結合点58Dよりも前方かつ左方に配置されている。第6結合点58Fは、第4結合点58Dよりも前方かつ右方に配置されている。
【0077】
図5~
図8に示すように、ベースプレート56の中央部には、下方に向けて膨出した第1膨出部61が形成されている。第1膨出部61は、有底の円筒形に形成されている。第1膨出部61の中央には、厚み方向に貫通する円形の第1軸受孔62が形成されている。第1軸受孔62は、上下に延びる軸線A(第1軸線)を中心としている。第1軸受孔62の縁部には、上方又は下方に突出した環状の縁壁63が形成されているとよい。
【0078】
図2~
図8に示すように、ベースプレート56の外周縁には、円環状の固定部材66が結合されている。固定部材66は、ベースプレート56の外周縁に沿って延び、かつ上方に延びた円筒形の筒壁67と、筒壁67の上端から径方向内方に延出した内側フランジ68と、筒壁67の下端に設けられた複数の結合片69とを有する。内側フランジ68は、環状に形成され、面が上下を向いている。複数の結合片69は、組付け時に折り曲げられてベースプレート56の下面側に延出する。ベースプレート56の外周縁は、上下方向において内側フランジ68と結合片69との間に配置される。ベースプレート56の前部及び後部に設けられた複数の結合片69は、上下方向においてベースプレート56と対応するクロスメンバ57との間に挟持されているとよい。複数の結合片69は、ベースプレート56に溶接されている。また、固定部材66は、複数の部材を組み合わせて形成されてもよい。筒壁67と内側フランジ68との境界部には、複数の補強構造が設けられてもよい。補強構造は、例えば凹部やリブ等であるとよい。
【0079】
図2、
図5~
図8に示すように、回転部52は、シートクッション11に設けられ、かつベース部51に回転可能に支持されている。回転部52は、ベースプレート56の上面に回転可能に支持された回転板71を有する。また、回転部52は、回転板71とシートクッションフレーム14とを結合する固定ブラケット72を有する。回転板71及び固定ブラケット72は金属板によって形成されている。
【0080】
回転板71は、面が上下を向く円板状に形成されている。回転板71の中央には、厚み方向に貫通する円形の第2軸受孔75が形成されている。第2軸受孔75は、軸線Aを中心としている。第2軸受孔75の縁部には、上方又は下方に突出した環状の縁壁76が形成されているとよい。
【0081】
図5及び
図6に示すように、回転板71は、ベースプレート56の上面に軸受78を介して支持されている。軸受78は、軸線Aを中心とした環状に形成されている。軸受78は、ベースプレート56の外周部の上面と、回転板71の外周部の下面との間に配置されている。軸受78は、スラスト軸受であるとよい。本実施形態では、軸受78はボールベアリングである。ボールベアリングは、複数のボールと、複数のボールを回転可能に支持する環状のリテーナとを有する。ベースプレート56の外周部の上面には、軸受78の下部を受容する第1軸受溝81が形成されている。回転板71の外周部の下面には、軸受78の上部を受容する第2軸受溝82が形成されている。回転板71の中央部とベースプレート56の第1膨出部61との間には、空間84が形成されている。
【0082】
図8に示すように、固定部材66は、回転板71の外周部の上方に延出している。具体的には、固定部材66の内側フランジ68が回転板71の外周部を上方に延出している。内側フランジ68には摺動部材85が設けられている。摺動部材85は、内側フランジ68の内周縁に当接して上下方向に延びる縦壁部85Aと、縦壁部85Aの下端から内側フランジ68の下面に沿って軸線Aを中心とした径方向外方に延びる下壁部85Bと、縦壁部85Aの上端から内側フランジ68の上面に沿って軸線Aを中心とした径方向外方に延びる上壁部85Cとを有する。回転板71の外周部は、摺動部材85の下壁部85Bを介して内側フランジ68に摺接している。軸線Aを中心とした径方向において、下壁部85Bが上壁部85Cよりも長く形成されている。これにより、回転板71と摺動部材85の下壁部85Bとの摺接面積を大きくすることができる。これにより、摺動部材85によって、回転板71の縁部を安定性良く支持することができる。
【0083】
固定部材66は、摺動部材85を介して回転板71をベースプレート56側に押圧するとよい。摺動部材85は、回転板71の第2軸受溝82より外周側の部分に摺接している。摺動部材85は、回転板71の外周縁に摺接しているとよい。摺動部材85は、金属よりも摩擦係数が小さい樹脂材料によって形成されている。摺動部材85は、複数の部材に分割されてもよい。
【0084】
図5及び
図6に示すように、第1軸受孔62及び第2軸受孔75には、上下に延びる支持筒87が挿入されている。支持筒87は、上下両端が開口した円筒である。支持筒87は、金属によって形成されている。支持筒87の外周には外方に膨出した環状リブ88が形成されている。回転板71の第2軸受孔75の縁部には、筒状のブッシュ91が装着されている。ブッシュ91は、支持筒87の環状リブ88より上側の部分に支持されている。ブッシュ91の上方には脱落防止リング92が設けられている。支持筒87の上端は、加締められることによって拡径部93を形成している。ブッシュ91及び脱落防止リング92は環状リブ88と拡径部93とによって挟持されている。これにより、支持筒87に対する回転板71の上下方向における位置が定まっている。支持筒87は、ブッシュ91を介して回転板71の第2軸受孔75に回転可能に支持されている。
【0085】
ベースプレート56の第1軸受孔62は、環状リブ88より下方に配置されている。支持筒87の環状リブ88より下方の部分は、第1軸受孔62に回転可能に支持されていてもよく、第1軸受孔62に溶接されていてもよい。支持筒87によって、ベースプレート56及び回転板71は軸線A上に配置される。
【0086】
図8に示すように、回転板71の第2軸受溝82の内側の部分には、上方に膨出した環状の凸部95が形成されている。凸部95は軸線Aを中心として環状に形成されている。凸部95には、上方に延びる複数のボルト96が設けられている。ボルト96は、スタッドボルトであってよい。
【0087】
図5及び
図8に示すように、固定ブラケット72は、面が上下を向く板状に形成されている。固定ブラケット72は、上方から見て四角形に形成されているとよい。固定ブラケット72の中央には下方に凹む凹部101が形成されている。凹部101の中央には、上下に貫通する開口部102が形成されている。凹部101の底部には、複数のボルト96が通過する複数の締結孔103が形成されている。各ボルト96にナット104が装着されることによって、回転板71と固定ブラケット72とは互いに締結されている。上方から見て、固定ブラケット72は回転板71よりも大きく形成されている。固定ブラケット72は、前後のクロスメンバ57と上下方向において対向している。
【0088】
固定ブラケット72は、ボルト及びナット等の締結具によって左右のシートクッションサイドメンバ18に結合される。固定ブラケット72とシートクッションサイドメンバ18との間にはロードセルが介装されてもよい。
【0089】
回転アクチュエータ53は、ベースプレート56に対して回転板71を回転させる。
図3及び
図6に示すように、回転アクチュエータ53は、ベースプレート56の下面に取り付けられている。回転アクチュエータ53は、軸線Aの前方に配置されている。回転アクチュエータ53は、電動モータ111と、減速機構112とを有する。回転アクチュエータ53は、ウォーム減速機を有しない。本実施形態では、減速機構112は電動モータ111の出力軸113に結合されたピニオン115と、回転板71に結合されたギヤ116とを有する。ピニオン115及びギヤ116は平歯車である。ギヤ116は、軸線Aを中心としたギヤである。ギヤ116は回転板71の下面にスペーサ117を介して結合され、空間84内に配置されている。ギヤ116の歯数はピニオン115の歯数よりも多い。
【0090】
回転アクチュエータ53は、ベースプレート56の下面に結合されている。回転アクチュエータ53は、ブラケットを介してベースプレート56の下面に結合されてもよい。回転アクチュエータ53の出力軸113は、減速機構112から上方に延びている。出力軸113は、ベースプレート56に形成された貫通孔119を通過して空間84内に延びている。出力軸113に結合されたピニオン115は空間84内に配置され、ギヤ116と噛み合っている。電動モータ111及び減速機構112は、ベースプレート56より下方に配置されている。
【0091】
回転ロック装置54は、ベースプレート56に対する回転板71の回転を選択的に禁止する。
図3及び
図7~
図10に示すように、回転ロック装置54は、ベースプレート56の下面に取り付けられている。回転ロック装置54は、ベースプレート56の下面から下方に突出したホルダ122と、ホルダ122に回動可能に支持され、ベースプレート56を貫通して回転板71に係合するロック爪121とを有する。ロック爪121は、回転板71に係合したロック位置と、回転板71から離れた解除位置との間で変位する。ロック爪121及びホルダ122は、金属板によって形成されている。
【0092】
ホルダ122は、ホルダ122は、回転板71の回転軸線である軸線Aを中心とした周方向に延びる周壁部123と、周壁部123の両端から軸線Aを中心とした径方向内側に延びる一対の端壁部124とを有する。ホルダ122は、ベースプレート56の下面に沿って延在し、かつベースプレート56の下面に結合された底板125を有する。底板125は、第1膨出部61の下面に沿って延びている。周壁部123と一対の端壁部124とは、底板125から下方に突出している。一対の端壁部124は、底板125に結合されている。周壁部123は、底板125に結合されていてもよい。周壁部123と、一対の端壁部124とは、金属板を折曲することによって形成されている。周壁部123と、一対の端壁部124とは、複数の金属板を組み合わせて形成されてもよい。
【0093】
底板125及び第1膨出部61には上下方向に貫通する一対の開口126が形成されている。一対の開口126は、端壁部124のそれぞれと対応する位置に形成されている。各端壁部124は、対応する開口126を通過してベースプレート56の上方に延びる延長部124Aを有する。各延長部124Aの上端は、空間84内に配置されている。各延長部124Aの上端は、ギヤ116よりも上方に延びている。
【0094】
ロック爪121は、端壁部124のそれぞれに回動可能に支持された一対のアーム部121Aと、一対のアーム部121Aの先端部を繋ぐ梁部121Bと、梁部121Bから突出した爪部121Cとを有する。各アーム部121Aは、対応する延長部124Aに軸線B(第2軸線)を中心として回動可能に支持されている。軸線Bは、ロック爪121の回動軸線をなす。軸線Bは、ベースプレート56より上方に配置されており、ギヤ116より上方に配置されてもよい。一対のアーム部121Aは、対応する開口126を通過して空間84内からベースプレート56の下方に延びている。一対のアーム部121Aは、対応する端壁部124に沿って延び、対応する端壁部124に摺接している。梁部121Bは、ベースプレート56の下方に配置され、水平方向に延びている。また、梁部121Bは、軸線Aを中心とした周方向に延びている。爪部121Cは、梁部121Bの長手方向における中央に設けられている。各アーム部121Aは、延長部124Aに支持されたアーム基端部121Eと、アーム基端部121Eから屈曲して延びたアーム先端部121Fとを有する。一対のアーム先端部121Fに梁部121Bが結合されている。
【0095】
ベースプレート56及び底板125には、上下方向に貫通する挿通孔131が形成されている。挿通孔131は、軸線Aを中心とした周方向に延びている。回転板71には、ロック爪121が選択的に係合可能な複数のロック孔132が形成されている。各ロック孔132は、軸線Aを中心とした周方向に延びている。複数のロック孔132は、軸線Aを中心とした回転対称位置に複数設けられている。ベースプレート56に対して回転板71が所定の回転位置にあるときに、挿通孔131は複数のロック孔132の1つと対向する。
【0096】
図3に示すように、回転ロック装置54は、軸線Aの左方に配置されている。回転アクチュエータ53は、軸線Aの右方に配置されている。回転アクチュエータ53と回転ロック装置54とは、軸線Aを中心とした点対称位置に配置されている。上下方向から見て、回転ロック装置54及び回転アクチュエータ53は、前後のクロスメンバ57の間に配置されている。
【0097】
回転板71が初期位置にあるときに、シート本体3が前方を向く。
図2に示すように、複数のロック孔132は、第1~第4ロック孔132A~132Dを含む。回転板71が初期位置にあるときに、第1ロック孔132Aは軸線Aの左方に配置され、第2ロック孔132Bは、軸線Aの前方に配置され、第3ロック孔132Cは軸線Aの右方に配置され、第4ロック孔132Dは軸線Aの後方に配置されている。各ロック孔132は、軸線Aを中心として互いに90度間隔で配置されている。回転板71が初期位置にあるときに、第1ロック孔132Aは、挿通孔131と上下方向において対向する。
【0098】
図7に示すように、ロック爪121の爪部121Cが挿通孔131を通過して複数のロック孔132のいずれかに嵌合することによって、ベースプレート56に対する回転板71の回転が規制される。
【0099】
爪部121Cが挿通孔131及び複数のロック孔132のいずれかに突入したロック位置と、爪部121Cが挿通孔131及びロック孔132から下方に離れた解除位置との間で、ロック爪121は回動する。すなわち、ロック爪121は、回転板71に係合したロック位置と、回転板71から離れた解除位置との間で変位する。ロック爪121とホルダ122との間には、ロック爪121をロック位置に向けて付勢する付勢部材134が設けられている。本実施形態では付勢部材134は引張コイルばねである。付勢部材134は、アーム部121Aと、周壁部123とに接続されているとよい。
【0100】
ロック爪121がロック位置にあるときに、梁部121Bと、各アーム先端部121Fとがベースプレート56の下面に沿って延びている。このとき、各アーム基端部121Eは、開口126を通過して上下に延びている。ロック爪121が解除位置にあるときに、梁部121Bと、各アーム先端部121Fとは、ベースプレート56の下面から下方に離れている。また、爪部121Cの先端がベースプレート56より下方に位置する。
【0101】
図10に示すように、ロック爪121は、コントロールケーブル141によって手動操作レバーに接続されている。コントロールケーブル141は、管状のアウタケーシング143と、アウタケーシング143に変位可能に受容されたインナケーブル144とを有する。アウタケーシング143の一端は、ホルダ122のケーシング係止部145に係止されている。ケーシング係止部145は、底板125から下方に突出している。アウタケーシング143の他端はシートクッションフレーム14又はサイドカバー23に係止されている。インナケーブル144の一端は、ロック爪121の梁部121Bに設けられたケーブル係止部146に係止されている。インナケーブル144の他端は、手動操作レバー(不図示)に係止されている。手動操作レバーはシートクッションフレーム14又はサイドカバー23に回動可能に支持されているとよい。
【0102】
使用者が手動操作レバーを引くと、コントロールケーブル141によって、ロック爪121がロック位置から解除位置に引かれる。これにより、回転部52がベース部51に対して回転可能になる。使用者が手動操作レバーの操作を止めると、付勢部材134の付勢力によってロック爪121が解除位置からロック位置に移動する。すなわち、回転ロック装置54は、使用者の手動操作によってロック状態と解除状態との間で変化する。
【0103】
回転ロック装置54は、ロック爪121をロック位置から解除位置に移動させるロック解除アクチュエータ151を有する。ロック解除アクチュエータ151は、電動モータ152と、電動モータ152の駆動力を減速して伝達する減速機構153と、減速機構153の出力軸に設けられたアーム154とを有する。アーム154は、ロック爪121に係合している。ロック爪121の一方のアーム先端部121Fには、下方に突出した当接部121Gが設けられている。アーム154は当接部121Gを押圧することによって、ロック爪121をロック位置から解除位置に移動させる。
【0104】
電動モータ152及び減速機構153は、ホルダ122及びベースプレート56の少なくとも一方に支持されているとよい。電動モータ152に電力が供給されることによって電動モータ152が駆動すると、付勢部材134の付勢力に抗してアーム154が回動し、アーム154がロック爪121をロック位置から解除位置に移動させる。電動モータ152への電力供給が停止することによって電動モータ152が停止すると、付勢部材134の付勢力によってロック爪121が解除位置からロック位置に移動する。このとき、当接部121Gに押されてアーム154及び電動モータ152が回転する。
【0105】
コントロールケーブル141によってロック爪121がロック位置から解除位置に移動するときには、ロック爪121がアーム154から離れるため、ロック解除アクチュエータ151が抵抗にならない。
【0106】
図2及び
図7に示すように、回転板71の上面であって、第1ロック孔132Aに対応する部分には補強板155が結合されている。補強板155は、回転板71に溶接されているとよい。補強板155は、上下を向く面を有し、軸線Aを中心とした周方向に延びている。補強板155の厚みは、回転板71の厚みよりも厚く形成されている。これにより、補強板155によって回転板71の第1ロック孔132Aの周囲の断面係数及び断面二次モーメントが増加する。
【0107】
補強板155には、第1ロック孔132Aと対向する貫通孔155Aが形成されている。貫通孔155Aの軸線Aを中心とした周方向における両端部は、第1ロック孔132Aの軸線Aを中心とした周方向における両端部の間に配置されている。すなわち、軸線Aを中心とした周方向において、貫通孔155Aは第1ロック孔132Aよりも短く形成されている。貫通孔155Aの軸線Aを中心とした径方向における幅は、第1ロック孔132Aの軸線Aを中心とした径方向における幅と等しく形成されているとよい。
【0108】
図11に示すように、爪部121Cは、先端に向けて幅が狭くなるテーパ形状を有する。これにより、爪部121Cはロック孔132に突入し易くなっている。また、爪部121Cが第1ロック孔132Aに突入したときに、爪部121Cは貫通孔155Aの軸線Aを中心とした周方向における両端部に当接する。このとき、爪部121Cは第1ロック孔132Aの軸線Aを中心とした周方向における両端部に当接しない。回転板71が基準回転位置にあるとき、すなわちシート本体3が前方を向くときに、ロック爪121が補強板155の貫通孔155Aに係合するため、シート本体3は前方を向くときにより強固に回転が規制される。
図11の右図に示すように、第2~第4ロック孔132B~132Dには、補強板155が設けられていないため、第2~第4ロック孔132B~132Dに対する爪部121Cの挿入量が大きくなる。他の実施形態では、第2~第4ロック孔132B~132Dにも補強板155が設けられてもよい。
【0109】
図2、
図12、及び
図13に示すように、前後のクロスメンバ57の上面には複数のベース側剥離抑制ユニット161が設けられている。複数のベース側剥離抑制ユニット161は軸線Aを中心とした周方向に等間隔で配置されているとよい。本実施形態では、前側のクロスメンバ57の左右の端部57Aのそれぞれと、後側のクロスメンバ57の左右の端部57Aのそれぞれとに複数のベース側剥離抑制ユニット161が設けられている。4つのベース側剥離抑制ユニット161は、軸線Aを中心として90度間隔で配置されている。
【0110】
各ベース側剥離抑制ユニット161は、クロスメンバ57に結合された底板162と、底板162に設けられた第1ベース側フック163及び第2ベース側フック164と、底板162に設けられたローラ支持壁165と、ローラ支持壁165に回転可能に支持されたローラ166とを有する。
【0111】
底板162は、端部57Aの上面に沿って配置され、端部57Aに溶接又はボルト締結等によって結合されている。底板162は、軸線Aを中心とした周方向に延びている。第1ベース側フック163は、底板162の外周縁に沿って設けられ、軸線Aを中心とした周方向に延びている。第1ベース側フック163は、底板162から上方に突出し、下方に向けて開口している。
【0112】
ローラ支持壁165は、底板162の内周縁に沿って設けられ、軸線Aを中心とした周方向に延びている。ローラ支持壁165の周方向における端部には、ローラ支持壁165及び底板162と直交し、かつローラ支持壁165及び底板162に結合された一対の補強壁167が設けられているとよい。底板162、第1ベース側フック163、ローラ支持壁165、及び一対の補強壁167は、連続した金属板を折曲することによって形成されているとよい。
【0113】
ローラ支持壁165には、軸線Aを中心とした径方向外方に延びるローラ軸171が結合されている。ローラ軸171にはローラ166が回転可能に支持されている。ローラ軸171のローラ支持壁165側と相反する端部には、ローラ軸171よりも径が大きい拡頭部173が設けられている。拡頭部173とローラ166との間には、ローラ166を、軸線Aを中心とした径方向内方に付勢する付勢部材175が設けられている。付勢部材175は、ウェーブワッシャや皿ばねであるとよい。
【0114】
図14に示すように、ローラ166はテーパローラであり、径方向外方に向けて外径が大きくなっている。各ローラ166は固定ブラケット72の下面に接触している。複数のローラ166は、上下方向において、固定ブラケット72と、前側のクロスメンバ57及び後側のクロスメンバ57との間に介装されている。
図2に示すように、複数のローラ166は、軸線Aを中心とした仮想円C上に配置されている。軸線Aに沿った方向から見て仮想円Cの全てが固定ブラケット72と重なる位置に配置されている。これにより、回転板71がベースプレート56に対して回転しても、複数のローラ166は常に固定ブラケット72に当接することができる。
【0115】
図14に示すように、固定ブラケット72の下面には、軸線Aを中心とした環状の当接面181が形成されている。各ローラ166は当接面181に当接する。当接面181は、軸線Aを中心とした径方向内方に向けて下方に傾斜している。
【0116】
図12及び
図13に示すように、第2ベース側フック164は、底板162の上面に結合されている。軸線Aを中心とした径方向において、第2ベース側フック164は、第1ベース側フック163とローラ166との間に配置されている。第2ベース側フック164は、底板162から上方に延びる軸部164Aと、軸部164Aの上端に設けられ、軸部164Aよりも軸線Aを中心とした径方向において幅が広い頭部164Bとを有する。
【0117】
図12及び
図13に示すように、固定ブラケット72の下面には複数の回転側剥離抑制ユニット183が設けられている。複数の回転側剥離抑制ユニット183は軸線Aを中心とした周方向に等間隔で配置されているとよい。本実施形態では、固定ブラケット72の前左部、前右部、後左部、及び後右部の4か所に複数の回転側剥離抑制ユニット183が設けられている。4つの回転側剥離抑制ユニット183は、軸線Aを中心とした仮想円上に配置され、互いに90度間隔で配置されている。各回転側剥離抑制ユニット183は固定ブラケット72の下面に結合された上板184と、上板184から下方に突出した回転側フック185と、係止片186とを有する。
【0118】
上板184は、固定ブラケット72の下面に沿って配置され、固定ブラケット72の下面に溶接又はボルト締結等によって結合されている。上板184は、軸線Aを中心とした周方向に延びている。回転側フック185は、上板184の外周縁に沿って設けられ、軸線Aを中心とした周方向に延びている。回転側フック185は、上板184から下方に突出し、上方に向けて開口している。
【0119】
係止片186は、上板184の内周縁に沿って設けられ、軸線Aを中心とした周方向に延びている。係止片186は、上板184の内周縁から下方に延びた後、屈曲して軸線Aを中心とした径方向内方に延びている。
【0120】
シートクッション11が車両の前方を向くときの回転部52の回転位置を基準回転位置とする。回転部52が基準回転位置にあるときに、各ベース側剥離抑制ユニット161の第1ベース側フック163と各回転側剥離抑制ユニット183の回転側フック185とが上下に間隔をおいて対向する。また、各ベース側剥離抑制ユニット161の第2ベース側フック164と各回転側剥離抑制ユニット183の係止片186とが上下に間隔をおいて対向する。第1ベース側フック163と回転側フック185と間隔は、第2ベース側フック164と係止片186との間隔よりも小さく形成されている。これにより、シート本体3に荷重が加わったときには、各ベース側剥離抑制ユニット161の第1ベース側フック163と各回転側剥離抑制ユニット183の回転側フック185とが互いに係合し、ベース部51に対する回転部52の剥離が抑制される。また、シート本体3に更に荷重が加わったときには、各第2ベース側フック164と係止片186とが互いに係合し、ベース部51に対する回転部52の剥離が抑制される。
【0121】
回転部52が基準回転位置から右方向に90度(+90度)、左方向に90度(-90度)、左方向に180度(-180度)に回転した位置においても各ベース側剥離抑制ユニット161の第1ベース側フック163と各回転側剥離抑制ユニット183の回転側フック185とが互いに対向し、かつ第2ベース側フック164と係止片186とが対向する。
【0122】
サイドカバー23には、シートクッション11を回転させるための回転操作スイッチ(不図示)が設けられているとよい。回転操作スイッチは使用者の操作に応じて信号を制御装置に出力する。回転操作スイッチは、使用者の操作に応じて、例えば、右方向に90度の回転に対応した第1信号、左方向に90度の回転に対応した第2信号、左方向に180度の回転に対応した第3信号を出力する。制御装置は、電子制御装置であり、マイクロプロセッサ(MPU)、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、及びインターフェースを有する演算装置である。制御装置は、不揮発性メモリに記憶されたプログラムをマイクロプロセッサが実行することによって、各種のアプリケーションを実現する。制御装置は、回転操作スイッチからの信号に応じて回転アクチュエータ53の電動モータ111、ロック解除アクチュエータ151の電動モータ152を制御するとよい。
【0123】
次に、車両用シート装置1の製造方法について説明する。最初に、支持筒87のバルジ加工が行われ、環状リブ88が形成される。次に、回転板71の第2軸受孔75にブッシュ91が装着され、ギヤ116が結合される。その後に第2軸受孔75に支持筒87が挿入される。次に、脱落防止リング92が支持筒87に装着される。その後に、支持筒87の上端が加締められ、拡径部93が形成される。このようにして、支持筒87に回転板71が回転可能に支持される。
【0124】
次に、ベースプレート56、軸受78、及び回転板71が重ねて配置され、かつベースプレート56及び回転板71の外周に固定部材66が配置される。詳細には、最初に、支持筒87の下部がベースプレート56の第1軸受孔62に挿入される。このとき、回転板71とベースプレート56との間に軸受78が介装される。次に、摺動部材85が装着された固定部材66が、回転板71及びベースプレート56の外周部にセットされる。このとき、内側フランジ68は、摺動部材85の下壁部85Bを介して回転板71の上面に当接する。
【0125】
次に、複数の結合片69が筒壁67の径方向内方に折り曲げられ、内側フランジ68と結合片69との間にベースプレート56及び回転板71が挟持される。このとき、ベースプレート56と直交する方向から複数の結合片69がベースプレート56側に折り曲げられるとよい。このようして、ベースプレート56、軸受78、回転板71、固定部材66が一体に組み合わされる。
【0126】
次に、複数の結合片69がベースプレート56に溶接される。複数の結合片69によって、ベースプレート56、軸受78、回転板71、及び固定部材66が一体に組み合わされているため、複数の結合片69とベースプレートとの溶接が容易である。
【0127】
次に、回転アクチュエータ53がベースプレート56に取り付けられ、ピニオン115とギヤ116とが噛み合う。また、ベースプレート56にロック解除アクチュエータ151を含む回転ロック装置54が取り付けられる。
【0128】
次に、複数のベース側剥離抑制ユニット161が結合された前後のクロスメンバ57がベースプレート56に結合される。また、複数の回転側剥離抑制ユニット183が結合された固定ブラケット72が回転板71に結合される。このようにして、回転装置2が組み立てられる。
【0129】
その後、フロア5に設けられたスライド装置4の左右のアッパレール38に前後のクロスメンバ57が結合される。そして、固定ブラケット72に、シート本体3が取り付けられる。以上のようにして、車両用シート装置1が組み立てられる。
【0130】
以上の実施形態に係る回転装置2の効果について説明する。回転装置2では、回転アクチュエータ53及び回転ロック装置54がベースプレート56の下方に配置されるため、回転板71のシートクッション11側(上側)にスペースを確保することができる。
【0131】
ロック爪121の各アーム部121Aが、軸線Aを中心とした周方向においてホルダ122の対応する端壁部124と摺接している。そのため、回転板71の回転方向において、ホルダ122に対するロック爪121のがた付きを抑制することができる。これにより、ベースプレート56に対する回転板71の回転方向におけるがた付きを抑制することができる。
【0132】
各アーム部121Aの回動軸線である軸線Bが、ベースプレート56、又はギヤ116より上方に配置されているため、ロック爪121の回動軸線とロック爪121の爪部121Cの先端との距離を小さくすることができる。これにより、ロック爪121の回動に必要なスペースを小さくすることができる。
【符号の説明】
【0133】
1 :車両用シート装置
2 :回転装置
3 :シート本体
4 :スライド装置
5 :フロア
11 :シートクッション
37 :ロアレール
38 :アッパレール
51 :ベース部
52 :回転部
53 :電動アクチュエータ
54 :回転ロック装置
56 :ベースプレート
57 :クロスメンバ
66 :固定部材
67 :筒壁
68 :内側フランジ
69 :結合片
71 :回転板
72 :固定ブラケット
85 :摺動部材
85A :縦壁部
85B :下壁部
85C :上壁部
111 :電動モータ
112 :減速機構
113 :出力軸
115 :ピニオン
116 :ギヤ
121 :ロック爪
121A :アーム部
121B :梁部
121C :爪部
122 :ホルダ
123 :周壁部
124 :端壁部
126 :開口
131 :挿通孔
132 :ロック孔
151 :ロック解除アクチュエータ
152 :電動モータ
153 :減速機構
154 :アーム
155 :補強板
155A :貫通孔
161 :ベース側剥離抑制ユニット
163 :第1ベース側フック
164 :第2ベース側フック
165 :ローラ支持壁
166 :ローラ
181 :当接面
183 :回転側剥離抑制ユニット
185 :回転側フック
186 :係止片