(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087912
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20240625BHJP
G01R 31/01 20200101ALI20240625BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R31/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202818
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 賢俊
(72)【発明者】
【氏名】倉田 茂
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA19
2G036BA32
2G036CA01
(57)【要約】
【課題】検査対象物におけるフレキシブルプリント基板の仕様変更への対応が容易な検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置1は、基板101に接続されるフレキシブルプリント基板の先端に被給電部115を設けた表示パネルを点灯検査する。検査装置1は、検査用給電部61およびカメラ62を備える検査ユニット6を装置本体10の検査ユニット取付部11に着脱可能に固定して、表示パネルのタイプ毎に検査ユニット6を交換して検査を行う。装置本体10は、検査ユニット取付部11をθ軸回りに傾ける第1角度調整機構7と、第1角度調整機構7をX軸回りに90°傾けることにより第1角度調整機構7のθ軸の向きを変更する第2角度調整機構8と、検査ユニット取付部11、第1角度調整機構7、および第2角度調整機構8をX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に移動させる位置調整機構9を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、一端が前記基板に接続され他端に被給電部が設けられたフレキシブルプリント基板と、を有する検査対象物を検査する検査装置であって、
検査用給電部およびカメラを備える検査ユニットと、
前記検査ユニットが着脱可能に固定される検査ユニット取付部を備える装置本体と、を有し、
前記装置本体は、
前記検査対象物を検査位置に搬送する搬送機構と、
前記検査ユニット取付部を傾ける第1角度調整機構と、
Z軸に沿う方向をZ軸方向とし、前記Z軸と交差するY軸に沿うY軸方向を前記搬送機構の搬送方向とし、前記Z軸と交差し且つ前記Y軸と交差するX軸に沿う方向をX軸方向とする場合に、前記第1角度調整機構を、前記Y軸回りの第1回転方向の角度調整が可能な第1位置、および、前記第1位置から前記X軸回りに90°傾いており前記Z軸回りの第2回転方向の角度調整が可能な第2位置に移動させる第2角度調整機構と、
前記検査ユニット取付部、前記第1角度調整機構、および前記第2角度調整機構を前記X軸方向、前記Y軸方向、および前記Z軸方向に移動させる位置調整機構と、を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記検査ユニットを制御して前記カメラにより前記検査位置に搬送された前記検査対象物を撮影し、前記カメラの撮影画像に基づいて前記位置調整機構および前記第1角度調整機構を制御して、前記検査位置に搬送された前記検査対象物の前記被給電部と前記検査用給電部とが接続される位置に前記検査ユニットを移動させる制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記Z軸方向は、鉛直方向であることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記第1角度調整機構は、前記検査ユニット取付部が固定される第1の可動部と、前記第1の可動部を回転可能に支持する第1の支持部を備え、
前記第2角度調整機構は、前記第1の支持部が固定される第2の可動部と、前記第2の可動部を前記第1の可動部の回転方向と交差する方向に回転可能に支持する第2の支持部と、前記第2の可動部を駆動するアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、前記第2の支持部に配置されるシリンダであり、
前記シリンダのロッドが前記第2の可動部に連結されることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記検査ユニット取付部は、前記検査ユニットとして、第1検査ユニット、第2検査ユニット、および第3検査ユニットのいずれかを選択的に取り付け可能であり、
前記第1検査ユニットは、前記第1位置に移動した前記第1角度調整機構に前記検査ユニット取付部を介して取り付けたときに、前記カメラおよび前記検査用給電部が前記Y軸方向を向くように配置されており、
前記第2検査ユニットは、前記第2位置に移動した前記第1角度調整機構に前記検査ユニット取付部を介して取り付けたときに、前記カメラおよび前記検査用給電部が前記Z軸方向の一方側を向くように配置されており、
前記第3検査ユニットは、前記第2位置に移動した前記第1角度調整機構に前記検査ユニット取付部を介して取り付けたときに、前記カメラおよび前記検査用給電部が前記Z軸方向の他方側を向くように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
前記検査ユニット取付部は、前記検査ユニットとして、前記第1検査ユニット、前記第2検査ユニット、前記第3検査ユニット、および第4検査ユニットのいずれかを選択的に
取り付け可能であり、
前記第3検査ユニットと前記第4検査ユニットは、前記検査用給電部の前記Z軸方向と交差する方向の配置が異なることを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物を検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2には、検査対象物に通電して点灯状態を検査する検査装置が記載される。特許文献1では、検査対象物は液晶表示パネルである。特許文献1の検査装置は、検査台と、検査台に固定された信号供給ユニットを備える。検査台に載置された検査対象物に信号供給ユニットの端子コネクタを装着して液晶駆動信号を入力し、点灯状態を検査する。
【0003】
特許文献2の検査装置は、検査対象物がフレキシブルプリント基板を備えており、フレキシブルプリント基板の被給電部に検査用給電部を接触させ、検査対象物に給電して点灯状態を検査する。フレキシブルプリント基板は、検査装置に設けられた吸着ヘッドに吸着されて鉛直方向に延ばされ、被給電部を検査用給電部に向けた位置に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-272305号公報
【特許文献2】特開2021-144157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フレキシブルプリント基板に被給電部が設けられた検査対象物は、製品仕様の変更により、フレキシブルプリント基板の形状や引き出し方向、被給電部の位置などが変わることがある。また、同一表示パネルでも生産工程位置の違いでフレキシブルプリント基板の引き出し方向が変わる。その場合、検査装置の側で、検査用給電部の位置や向きが変更後の検査対象物の仕様に対応していなければ、検査を行うことができない。従来は、検査対象物の仕様毎に、専用の検査装置を設計していた。そのため、検査対象物の仕様変更に柔軟に対応できないという問題がある。
【0006】
特許文献2の検査装置は、フレキシブルプリント基板の仕様が異なる2種類の検査対象物を検査するため、異なる位置に配置される2つの吸着ヘッドを備える。従って、同一の装置で2種類の仕様に対応できるものの、吸着ヘッドの数を増やして対応できる仕様の数を増やしているため、新たな仕様に対応するためには、吸着ヘッドを更に増やした新たな装置を設計しなければばらない。また、検査用給電部の位置は変更できず、1方向からの給電にしか対応できないため、被給電部への接続方向が変わる場合には、装置を設計し直さなければならない。
【0007】
本発明の課題は、上記の課題を解決するため、検査対象物におけるフレキシブルプリント基板の仕様変更への対応が容易な検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、基板と、一端が前記基板に接続され他端に被給電部が設けられたフレキシブルプリント基板と、を有する検査対象物を検査する検査装置であって、検査用給電部およびカメラを備える検査ユニットと、前記検査ユニットが着脱可能に固定される検査ユニット取付部を備える装置本体と、を有し、前記装置本体は、前記検査対象物を検査位置に搬送する搬送機構と、前記検査ユニット取付部を傾ける第1
角度調整機構と、Z軸に沿う方向をZ軸方向とし、前記Z軸と交差するY軸に沿うY軸方向を前記搬送機構の搬送方向とし、前記Z軸と交差し且つ前記Y軸と交差するX軸に沿う方向をX軸方向とする場合に、前記第1角度調整機構を、前記Y軸回りの第1回転方向の角度調整が可能な第1位置、および、前記第1位置から前記X軸回りに90°傾いており前記Z軸回りの第2回転方向の角度調整が可能な第2位置に移動させる第2角度調整機構と、前記検査ユニット取付部、前記第1角度調整機構、および前記第2角度調整機構を前記X軸方向、前記Y軸方向、および前記Z軸方向に移動させる位置調整機構と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、装置本体に取り付けた検査ユニットは、互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置調整と、Z軸あるいはY軸と一致するθ軸回りの角度調整の4軸での位置調整および角度調整が可能である。また、検査ユニット自体の向きを90°傾けることができるため、直交する2方向のどちらの方向からでも検査が可能であり、角度調整のθ軸の向きを変更可能である。さらに、検査用給電部およびカメラがユニット化されており装置本体に着脱可能であるため、検査用給電部およびカメラの配置や向きをユニット交換により変更できる。従って、検査対象物におけるフレキシブルプリント基板の仕様変更への対応が容易であり、フレキシブルプリント基板の形状や引き出し方向、あるいは、被給電部の向きや配置、種類やサイズが変わったとしても、装置本体はそのまま使用でき、最小限のユニット交換のみで対応できる。
【0010】
本発明において、前記検査ユニットを制御して前記カメラにより前記検査位置に搬送された前記検査対象物を撮影し、前記カメラの撮影画像に基づいて前記位置調整機構および前記第1角度調整機構を制御して、前記検査位置に搬送された前記検査対象物の前記被給電部と前記検査用給電部とが接続される位置に前記検査ユニットを移動させる制御部を備えることが好ましい。このようにすると、自動で検査を行うことができる。また、本発明では、カメラが検査用給電部と共に検査ユニットに搭載されており、検査用給電部とカメラの位置関係が固定されている。従って、自動で検査を行う際、カメラで撮影した撮影画像に基づいて検査用給電部を被給電部まで移動させる際の位置制御を精度良く行うことができる。また、検査ユニットの交換時に、検査用給電部とカメラの位置関係を精度良く合わせる作業が不要である。従って、検査ユニットの交換作業が容易であり、検査対象物の仕様変更に対応する際の負荷が少ない。
【0011】
本発明において、前記Z軸方向は、鉛直方向である。このようにすると、検査ユニットをZ軸回りに回転させることにより、水平に回転させることができる。従って、搬送面に載せられて水平に搬送される検査対象物の端部から引き出した短いフレキシブルプリント基板に被給電部が設けられている場合に、鉛直方向を向く被給電部に対して、検査ユニットを水平に回転させて位置合わせして、検査を行うことができる。
【0012】
本発明において、前記第1角度調整機構は、前記検査ユニット取付部が固定される第1の可動部と、前記第1の可動部を回転可能に支持する第1の支持部を備え、前記第2角度調整機構は、前記第1の支持部が固定される第2の可動部と、前記第2の可動部を前記第1の可動部の回転方向と交差する方向に回転可能に支持する第2の支持部と、前記第2の可動部を駆動するアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータは、前記第2の支持部に配置されるシリンダであり、前記シリンダのロッドが前記第2の可動部に連結されることが好ましい。このようにすると、シリンダの伸縮動作によって、検査ユニット取付部および第1角度調整機構を第1角度調整機構による回転方向と交差する回転方向に傾けることができる。
【0013】
本発明において、前記検査ユニット取付部は、前記検査ユニットとして、第1検査ユニット、第2検査ユニット、および第3検査ユニットのいずれかを選択的に取り付け可能で
あり、前記第1検査ユニットは、前記第1位置に移動した前記第1角度調整機構に前記検査ユニット取付部を介して取り付けたときに、前記カメラおよび前記検査用給電部が前記Y軸方向を向くように配置されており、前記第2検査ユニットは、前記第2位置に移動した前記第1角度調整機構に前記検査ユニット取付部を介して取り付けたときに、前記カメラおよび前記検査用給電部が前記Z軸方向の一方側を向くように配置されており、前記第3検査ユニットは、前記第2位置に移動した前記第1角度調整機構に前記検査ユニット取付部を介して取り付けたときに、前記カメラおよび前記検査用給電部が前記Z軸方向の他方側を向くように配置されていることが好ましい。このようにすると、第1検査ユニットを使用するときは、例えば、搬送機構によって水平に搬送される検査対象物の前端あるいは後端から垂れ下がるフレキシブルプリント基板を備えるタイプの検査対象物を検査できる。また、第2検査ユニット、および第3検査ユニットを使用するときは、例えば、搬送機構によって水平に搬送される検査対象物の端部から水平にフレキシブルプリント基板が突出するタイプの検査対象物を検査できる。第2検査ユニットと第3検査ユニットは、一方がフレキシブルプリント基板の一方面に被給電部が設けられているタイプの検査対象物を検査でき、他方がフレキシブルプリント基板の他方面に被給電部が設けられているタイプの検査対象物を検査できる。
【0014】
本発明において、前記検査ユニット取付部は、前記検査ユニットとして、前記第1検査ユニット、前記第2検査ユニット、前記第3検査ユニット、および第4検査ユニットのいずれかを選択的に取り付け可能であり、前記第3検査ユニットと前記第4検査ユニットは、前記検査用給電部の前記Z軸方向と交差する方向の配置が異なることが好ましい。このようにすると、検査対象物におけるフレキシブルプリント基板の引き出し方向の違いに対応できる。例えば、第3検査ユニットは、フレキシブルプリント基板が基板から搬送方向に引き出されるタイプの検査対象物に使用でき、第4検査ユニットは、フレキシブルプリント基板が基板から搬送方向と交差する方向に引き出されるタイプの検査対象物に使用できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、検査ユニットは、互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置調整と、θ軸回りの角度調整の4軸での位置調整および角度調整が可能である。また、検査ユニット自体の向きを90°傾けることができるため、直交する2方向のどちらの方向からでも検査が可能であり、角度調整のθ軸の向きを変更可能である。さらに、検査用給電部およびカメラがユニット化されており装置本体に着脱可能であるため、検査ユニット自体を異なるタイプのものに交換できる。従って、検査対象物におけるフレキシブルプリント基板の仕様変更への対応が容易であり、フレキシブルプリント基板の形状や引き出し方向、あるいは、被給電部の向きや配置、種類やサイズが変わったとしても、装置本体はそのまま使用でき、最小限のユニット交換のみで対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る検査装置の側面図である。
【
図2】検査対象物である表示パネルの説明図である。
【
図3】第1表示パネルを検査する場合の検査部の構成例である。
【
図5】第2表示パネルを検査する場合の検査部の構成例である。
【
図7】第3表示パネルを検査する場合の検査部の構成例である。
【
図9】第4表示パネルを検査する場合の検査部の構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した検査装置の実施形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る検査装置1の側面図である。
図2は、検査対象物である表示パネルの説明図である。検査装置1は、検査対象物として、液晶パネルや有機ELパネル等の表示パネルを点灯検査するための装置である。検査対象物の表示パネルは、例えば、携帯端末等に使用される比較的小型の表示パネルである。
【0019】
(表示パネル)
図2には、タイプが異なる複数の表示パネルの例を示す。
図2(a)は、第1表示パネル100Aの斜視図である。
図2(b)は、第2表示パネル100Bの斜視図である。
図2(c)は、第3表示パネル100Cの斜視図である。
図2(d)は、第4表示パネル100Dの斜視図である。
【0020】
図2(a)に示すように、第1表示パネル100Aは、基板101と、基板101の長手方向の一端に接続されたフレキシブルプリント基板111Aを備える。基板101は、長方形の平板形状である。基板101は、画像を表示する表示部102を備える。フレキシブルプリント基板111Aは、先端部に被給電部115が設けられている。被給電部115は、フレキシブルプリント基板111Aの一方面116に配置される。フレキシブルプリント基板111Aは、基板101の長手方向の一端から下向きに延びる。
【0021】
図2(b)に示すように、第2表示パネル100Bは、基板101の長手方向の一端に接続されるフレキシブルプリント基板111Bを備える。フレキシブルプリント基板111Bは、フレキシブルプリント基板111Aよりも引き出し長さが短く、基板101の端部から水平に延びる。フレキシブルプリント基板111Bは、一方面116が下向きとなり、他方面117が上向きとなる。被給電部115は、上側を向く他方面117に配置される。
【0022】
図2(c)に示すように、第3表示パネル100Cは、基板101の長手方向の一端に接続されるフレキシブルプリント基板111Cを備える。第3表示パネル100Cは、フレキシブルプリント基板111Cの他方面117ではなく、下側を向く一方面116に被給電部115が配置されることを除き、第2表示パネル100Bと同一に構成される。
【0023】
図2(d)に示すように、第4表示パネル100Dは、基板101の短手方向の一端に接続されるフレキシブルプリント基板111Dを備える。フレキシブルプリント基板111Dは、基板101の端部から水平に延びる。フレキシブルプリント基板111Dは、一方面116が下向きとなり、他方面117が上向きとなる。被給電部115は、下側を向く一方面116に配置される。
【0024】
(検査装置)
本明細書において、X軸、Y軸、Z軸は互いに直交する方向である。X軸に沿う方向をX軸方向とし、Y軸に沿う方向をY軸方向とし、Z軸に沿う方向をZ軸方向とする。X軸方向の一方側をX1、X軸方向の他方側をX2とする。Y軸方向の一方側をY1、Y軸方向の他方側をY2とする。Z軸方向の一方側をZ1、Z軸方向の他方側をZ2とする。Z軸方向は鉛直方向(上下方向)である。Z1方向は、上方であり、Z2方向は、下方である。X軸方向およびY軸方向は、水平方向である。
【0025】
検査装置1は、
図2に例示する第1表示パネル100A、第2表示パネル100B、第3表示パネル100C、および第4表示パネル100Dのような小型の表示パネルの製造ラインに組み込まれて使用される。検査装置1は、表示パネルに対して点灯検査を行う検査部2と、検査部2による検査位置Pに表示パネルを供給する供給部3を備える。供給部
3は、表示パネルを搬送する搬送機構4と、検査工程の前後の工程の装置と搬送機構4との間で表示パネルを受け渡すローダー5を備える。ローダー5は、前工程の装置から表示パネルを受け取って搬送機構4に受け渡す動作、および、搬送機構4から表示パネルを受け取って後工程の装置に受け渡す動作を行う。
【0026】
搬送機構4は、基板吸着シャトル41を備えており、基板吸着シャトル41の吸着面に表示パネルの基板101を吸着してY軸方向に搬送する。搬送機構4は、ローダー5から検査部2へ向かうY1方向、および、検査部2からローダー5へ戻るY2方向に表示パネルを搬送する。検査位置Pは、例えば、基板吸着シャトル41のY1方向の端部の位置である。基板吸着シャトル41は、姿勢矯正ユニット42を備える。姿勢矯正ユニット42は、例えば、基板吸着シャトル41に載せられた表示パネルが
図2(a)に示す第1表示パネル100Aであったときは、第1表示パネル100Aをケースに装着するために、フレキシブルプリント基板111Aが第1表示パネル100Aの裏面に接する位置に曲げられているので、フレキシブルプリント基板111Aを吸着ヘッドにより吸着してから、吸着ヘッドをZ2方向に回転させることにより、フレキシブルプリント基板111Aの姿勢をZ2方向に直線状に垂れ下がる姿勢に矯正する。
【0027】
検査装置1は、設置面Sに設置される装置本体10と、装置本体10に設けられた検査ユニット取付部11に着脱可能に固定される検査ユニット6を備える。上記の供給部3は、装置本体10を構成する。以下に説明する検査部2において、検査ユニット6を除く部分は、全て、装置本体10を構成する。
【0028】
検査ユニット6は、検査対象物である表示パネルの仕様に対応する構成になっている。例えば、表示パネルの仕様として、
図2に示す4種類の仕様を想定する場合、検査ユニット6として、第1表示パネル100Aの検査に用いる第1検査ユニット6A、第2表示パネル100Bの検査に用いる第2検査ユニット6B、第3表示パネル100Cの検査に用いる第3検査ユニット6C、および、第4表示パネル100Dの検査に用いる第4検査ユニット6Dを用意する。検査ユニット取付部11は、4種類の検査ユニット6のいずれかを選択的に取り付けることが可能である。また、上記の4種類の仕様とは異なる新たな仕様の検査対象物を検査する場合は、対応する新たな検査ユニットを追加で用意することもできる。
【0029】
(第1構成例)
図3は、第1表示パネル100Aを検査する場合の検査部2の構成例である。
図3(a)は、検査部2の平面図であり、
図3(b)は、検査部2の側面図である。第1表示パネル100Aを検査する場合、第1検査ユニット6Aを検査ユニット取付部11に取り付ける。従って、検査部2は、第1検査ユニット6Aと、検査ユニット取付部11と、第1角度調整機構7と、第2角度調整機構8と、位置調整機構9とを備える。検査ユニット取付部11、第1角度調整機構7、第2角度調整機構8、および位置調整機構9は、装置本体10を構成する。第1角度調整機構7は、検査ユニット取付部11をθ軸回りに傾ける機構である。第1角度調整機構7により、検査ユニット取付部11に取り付けた第1検査ユニット6Aのθ軸回りの傾きを調整する。
【0030】
第2角度調整機構8は、第1角度調整機構7を傾ける機構である。第2角度調整機構8により第1角度調整機構7を傾けると、第1角度調整機構7のθ軸の向きが変わる。第2角度調整機構8は、第1角度調整機構7を90°傾けることにより、第1角度調整機構7のθ軸の向きをY軸方向からZ軸方向に変化させる。また、第1角度調整機構7を90°傾けることにより、検査ユニット取付部11の向きが90°傾く。これにより、検査ユニット取付部11に取り付けた検査ユニット6の向きが90°傾く。
図3に示す構成例(検査ユニット6として第1検査ユニット6Aを装着した構成例)では、θ軸の向きがY軸方
向と一致する姿勢で第1角度調整機構7が配置され、第1検査ユニット6Aは検査位置P(
図1参照)に対してY軸方向に対向する。後述する他の構成例では、θ軸の向きがZ軸方向と一致する姿勢で第1角度調整機構7が配置され、検査ユニット6は検査位置Pに対してZ軸方向に対向する。
【0031】
位置調整機構9は、検査装置1が設置される設置面Sに配置される。位置調整機構9は、第1移動機構91、第2移動機構92、および第3移動機構93を備える。第1移動機構91は、設置面Sに対して第1移動部材94をY軸方向に移動させる。第2移動機構92は、第1移動部材94に対して第2移動部材95をX軸方向に移動させる。第3移動機構93は、第2移動部材95に対して第3移動部材96をZ軸方向に移動させる。検査ユニット取付部11は、第1角度調整機構7および第2角度調整機構8を介して第3移動部材96に支持される。従って、位置調整機構9は、第1検査ユニット6A、検査ユニット取付部11、第1角度調整機構7、および第2角度調整機構8を一体にしてX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に移動させる。
【0032】
第2角度調整機構8は、可動部81と、支持部82と、駆動部83を備える。支持部82は、位置調整機構9の第3移動部材96に固定される。可動部81は、支持部82に設けられた回転支持部84により、X軸方向に延びる回転軸線R周りに回転可能に支持される。駆動部83は、アクチュエータとしてシリンダ85を備える。シリンダ85は、先端に可動部81が連結されたロッド86を備える。第2角度調整機構8は、ロッド86を突出位置86A(
図3参照)と引き込み位置86B(
図5、
図7、
図9参照)に移動させることにより、回転支持部84を中心として可動部81を90°回転させる。
【0033】
図4は、第1検査ユニット6Aの説明図である。
図4には、検査ユニット取付部11を介して第1角度調整機構7に第1検査ユニット6Aを取り付けた状態を表示しており、
図4(a)は平面図であり、
図4(b)は側面図であり、
図4(c)は正面図である。第1角度調整機構7は、可動部71と、支持部72と、駆動部73を備える。支持部72は、第2角度調整機構8の可動部81に固定される。可動部71には、検査ユニット取付部11を介して第1検査ユニット6Aが固定される。駆動部73は、支持部72に対して可動部71をθ軸回りに相対回転させるアクチュエータを備える。第1検査ユニット6Aは、検査用給電部61およびカメラ62と、検査用給電部61およびカメラ62を保持するホルダ63Aを備える。
【0034】
図3に示すように、第1構成例では、第2角度調整機構8のロッド86が突出位置86Aに移動しており、第2角度調整機構8の可動部81はXY面に平行な姿勢になっている。このとき、可動部81に固定される第1角度調整機構7は、第1位置7Aに移動している。第1位置7Aでは、第1角度調整機構7のθ軸の向きはY軸方向と一致している。検査ユニット取付部11は、第1角度調整機構7の可動部71に固定され、XY面に平行な姿勢になっている。ホルダ63Aは、XY面に平行な検査ユニット取付部11に取り付けたとき、検査用給電部61およびカメラ62がY2方向を向くように配置される。第1検査ユニット6Aは、検査位置PのY1方向(前方)に配置され、前方から検査を行う。
【0035】
(検査工程)
検査装置1の制御部(図示せず)は、供給部3を制御して、検査位置Pに検査対象物である第1表示パネル100Aを搬送する。搬送機構4は、第1表示パネル100Aを検査位置Pに搬送する際、姿勢矯正ユニット42によってフレキシブルプリント基板111AをZ2方向に垂れ下がる状態に矯正して搬送する。これにより、
図4(b)に示すように、被給電部115がY1方向を向く状態で、検査位置Pに第1表示パネル100Aが搬送される。
【0036】
次に、検査部2を制御して、検査位置Pに搬送された第1表示パネル100Aのフレキシブルプリント基板111Aをカメラ62により撮影する。制御部は、カメラ62の撮影画像から被給電部115の位置を検出する。続いて、検出した被給電部115の位置と、検査用給電部61の現在位置に基づき、第1角度調整機構7および位置調整機構9を制御して、被給電部115と検査用給電部61とが適正に接続されるように、第1検査ユニット6AのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置調整、および、θ軸回り(すなわち、Y軸回り)の角度調整を行う。
【0037】
被給電部115と検査用給電部61とが適正に接続されると、検査用給電部61から電力が供給され、第1表示パネル100Aの表示部102に検査画像が表示される。検査装置1は、検査位置Pにおいて表示部102を撮影するカメラ(図示せず)を備えており、表示部102の点灯状態を撮影することで、欠陥がないか検査する。
【0038】
(検査部の第2構成例)
図5は、第2表示パネル100Bを検査する場合の検査部2の構成例である。
図5(a)は、検査部2の平面図であり、
図5(b)は、検査部2の側面図である。第2表示パネル100Bを検査する場合、第2検査ユニット6Bを検査ユニット取付部11に取り付けるとともに、第2角度調整機構8のシリンダ85の引き込み動作を行ってロッド86を引き込み位置86Bに移動させる。これにより、第2角度調整機構8の可動部81はXZ面に平行な姿勢となり、可動部81に固定される第1角度調整機構7は、第1位置7Aに対してX軸回りに90°回転した第2位置7Bに移動する。第2位置7Bでは、第1角度調整機構7は、θ軸の向きがZ軸方向と一致する。また、検査ユニット取付部11は、XZ面に平行となり、垂直姿勢となる。
【0039】
図6は、第2検査ユニット6Bの説明図である。
図6には、検査ユニット取付部11を介して第1角度調整機構7に第2検査ユニット6Bを取り付けた状態を表示しており、
図6(a)は平面図であり、
図6(b)は側面図であり、
図6(c)は正面図である。第2検査ユニット6Bは、検査用給電部61およびカメラ62と、検査用給電部61およびカメラ62を保持するホルダ63Bを備える。ホルダ63Bは、XZ面に平行な検査ユニット取付部11に取り付けたとき、検査用給電部61およびカメラ62がZ2方向(下方)を向くように構成される。第2検査ユニット6Bは、検査位置PのZ1方向(上方)に配置され、上方から検査を行う。
【0040】
検査工程を行う際、搬送機構4は、第2表示パネル100Bのフレキシブルプリント基板111BがX軸方向に水平に延びた状態で検査位置Pに搬送する。従って、
図2(b)、
図6(b)に示すように、被給電部115がZ1方向(上方)を向く状態で、検査位置Pに第2表示パネル100Bが搬送される。検査装置1の制御部は、第1構成例の場合と同様に、検査位置Pに搬送された第2表示パネル100Bのフレキシブルプリント基板111Bをカメラ62により撮影する。そして、カメラ62の撮影画像から被給電部115の位置を検出し、第2検査ユニット6BのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置調整、および、θ軸回り(すなわち、Z軸回り)の角度調整を行う。そして、被給電部115と検査用給電部61とを適正に接続して通電し、検査を行う。
【0041】
(検査部の第3構成例)
図7は、第3表示パネル100Cを検査する場合の検査部2の構成例である。
図7(a)は、検査部2の平面図であり、
図7(b)は、検査部2の側面図である。第3表示パネル100Cを検査する場合、第3検査ユニット6Cを検査ユニット取付部11に取り付けるとともに、第2角度調整機構8のシリンダ85の引き込み動作を行ってロッド86を引き込み位置86Bに移動させる。これにより、第2構成例と同様に、第1角度調整機構7が第2位置7Bに移動し、θ軸の向きがZ軸方向と一致する。また、検査ユニット取付部
11は、XZ面に平行となり、垂直姿勢となる。
【0042】
図8は、第3検査ユニット6Cの説明図である。
図8には、検査ユニット取付部11を介して第1角度調整機構7に第3検査ユニット6Cを取り付けた状態を表示しており、
図8(a)は平面図であり、
図8(b)は側面図であり、
図8(c)は正面図である。第3検査ユニット6Cは、検査用給電部61およびカメラ62と、検査用給電部61およびカメラ62を保持するホルダ63Cを備える。ホルダ63Cは、XZ面に平行な検査ユニット取付部11に取り付けたとき、検査用給電部61およびカメラ62がZ1方向(上方)を向くように構成される。第3検査ユニット6Cは、検査位置PのZ2方向(下方)に配置され、下方から検査を行う。
【0043】
検査工程を行う際、搬送機構4は、第3表示パネル100Cのフレキシブルプリント基板111CがY軸方向に水平に延びた状態で検査位置Pに搬送する。従って、
図2(c)、
図8(b)に示すように、被給電部115がZ2(下方)方向を向く状態で、検査位置Pに第3表示パネル100Cが搬送される。検査装置1の制御部は、第1、第2構成例の場合と同様に、検査位置Pに搬送された第3表示パネル100Cのフレキシブルプリント基板111Cをカメラ62により撮影する。そして、カメラ62の撮影画像から被給電部115の位置を検出し、第3検査ユニット6CのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置調整、および、θ軸回り(すなわち、Z軸回り)の角度調整を行う。そして、被給電部115と検査用給電部61とを適正に接続して通電し、検査を行う。
【0044】
(検査部の第4構成例)
図9は、第4表示パネル100Dを検査する場合の検査部2の構成例である。
図9(a)は、検査部2の平面図であり、
図9(b)は、検査部2の側面図である。第4表示パネル100Dを検査する場合、第4検査ユニット6Dを検査ユニット取付部11に取り付けるとともに、第2角度調整機構8のシリンダ85の引き込み動作を行ってロッド86を引き込み位置86Bに移動させる。これにより、第2構成例、第3構成例と同様に、第1角度調整機構7が第2位置7Bに移動し、θ軸の向きがZ軸方向と一致する。また、検査ユニット取付部11は、XZ面に平行となり、垂直姿勢となる。
【0045】
図10は、第4検査ユニット6Dの説明図である。
図10には、検査ユニット取付部11を介して第1角度調整機構7に第4検査ユニット6Dを取り付けた状態を表示しており、
図10(a)は平面図であり、
図10(b)は側面図であり、
図10(c)は正面図である。第4検査ユニット6Dは、検査用給電部61およびカメラ62と、検査用給電部61およびカメラ62を保持するホルダ63Dを備える。ホルダ63Dは、XZ面に平行な検査ユニット取付部11に取り付けたとき、検査用給電部61およびカメラ62がZ1方向(上方)を向くように構成される。第4検査ユニット6Dは、検査位置PのZ2方向(下方)に配置され、下方から検査を行う。
【0046】
検査工程を行う際、搬送機構4は、第4表示パネル100Dのフレキシブルプリント基板111DがX軸方向に水平に延びた状態で検査位置Pに搬送する。従って、
図2(d)、
図10(b)に示すように、被給電部115がZ2(下方)方向を向く状態で、検査位置Pに第4表示パネル100Dが搬送される。従って、他の構成例の場合と同様に、検査位置Pに搬送された第4表示パネル100Dのフレキシブルプリント基板111Dをカメラ62により撮影する。そして、カメラ62の撮影画像から被給電部115の位置を検出し、第4検査ユニット6DのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置調整、および、θ軸回り(すなわち、Z軸回り)の角度調整を行う。そして、被給電部115と検査用給電部61とを適正に接続して通電し、検査を行う。
【0047】
ここで、第3構成例と第4構成例は、いずれもZ2方向から検査位置Pにアクセスして
被給電部115に検査用給電部61を接続するものであるが、第4検査ユニット6Dは、XY面に沿う方向における検査用給電部61の配置が第3検査ユニット6Cとは異なる。
図8(a)、
図10(a)に示すように、第4検査ユニット6Dの検査用給電部61は、Y軸方向を長手方向とする向きで配置されるのに対して、第3検査ユニット6Cの検査用給電部61は、X軸方向を長手方向とする向きで配置される。この違いは、フレキシブルプリント基板111C、111Dの基板101からの引き出し方向の違いに対応するためである。フレキシブルプリント基板111Cは、基板101からY軸方向に延びており、その結果、検査位置Pにおいて、被給電部115はX軸方向を長手方向とする向きになるのに対して、第4構成例では、フレキシブルプリント基板111Dは基板101からX軸方向へ延びており、その結果、検査位置Pにおいて、被給電部115はY軸方向を長手方向とする向きになっている。検査用給電部61は、このような被給電部115の向きの違いに対応するために、Z軸方向と交差する方向の配置が異なっている。
【0048】
(本形態の主な作用効果)
以上説明したように、本形態は、基板101と、一端が基板101に接続され他端に被給電部115が設けられたフレキシブルプリント基板と、を有する表示パネル(第1表示パネル100A、第2表示パネル100B、第3表示パネル100C、第4表示パネル100D)を検査する検査装置1である。検査装置1は、検査用給電部61およびカメラ62を備える検査ユニット6と、検査ユニット6が着脱可能に固定される検査ユニット取付部11を備える装置本体10と、を有する。装置本体10は、検査対象物である表示パネルを検査位置Pに搬送する搬送機構4と、検査ユニット取付部11を傾ける第1角度調整機構7と、第1角度調整機構7を、Y軸回りの角度調整が可能な第1位置7A、および、第1位置7AからX軸回りに90°傾いておりZ軸回りの第2回転方向の角度調整が可能な第2位置7Bに移動させる第2角度調整機構8と、検査ユニット取付部11、第1角度調整機構7、および第2角度調整機構8をX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に移動させる位置調整機構9と、を備える。
【0049】
本形態によれば、装置本体10に取り付けた検査ユニット6は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置調整と、Z軸あるいはY軸と一致するθ軸回りの角度調整の4軸での位置調整および角度調整が可能である。また、検査ユニット自体の向きを90°傾けることができるため、直交する2方向のいずれの方向からでも検査を行うことができ、角度調整のθ軸の向きを変更することも可能である。さらに、検査用給電部61およびカメラ62がユニット化されており装置本体10に着脱可能であるため、検査用給電部61およびカメラ62の配置や向きをユニット交換により変更できる。従って、検査対象物である表示パネルにおけるフレキシブルプリン基板の仕様変更への対応が容易であり、フレキシブルプリント基板の形状や引き出し方向、あるいは、被給電部115の向きや配置、種類やサイズが変わったとしても、装置本体10はそのまま使用でき、最小限のユニット交換のみで対応できる。
【0050】
本形態の検査装置1は、制御部(図示せず)を備える。制御部は、検査ユニット6を制御してカメラ62により検査位置Pに搬送された表示パネルを撮影し、カメラ62の撮影画像に基づいて位置調整機構9および第1角度調整機構7を制御して、検査位置Pに搬送された表示パネルの被給電部115と検査用給電部61とが適正に接続される位置に検査ユニット6を移動させる。従って、自動で検査を行うことができる。また、本形態では、カメラ62が検査用給電部61と共に検査ユニット6に搭載されており、検査用給電部61とカメラ62の位置関係が固定されている。従って、自動で検査を行う際、カメラ62で撮影した撮影画像に基づいて検査用給電部61を被給電部115まで移動させる際の位置制御を精度良く行うことができる。また、検査ユニット6の交換時に検査用給電部61とカメラ62の位置関係を精度良く合わせる作業が不要である。従って、検査ユニット6の交換作業が容易であり、検査対象物の仕様変更に対応する際の負荷が少ない。
【0051】
本形態では、第1角度調整機構7のθ軸を鉛直軸とすることができ、この場合には、検査ユニット6を水平に回転させることができる。従って、第2構成例、第3構成例、第4構成例に示すように、搬送面に載せられて水平に搬送される表示パネルの端部から引き出した短いフレキシブルプリント基板に被給電部115が設けられている場合に、Z1方向もしくはZ2方向を向く被給電部115に対して、第2検査ユニット6B、第3検査ユニット6C、第4検査ユニット6Dをそれぞれ、水平に回転させて位置合わせして、検査を行うことができる。
【0052】
本形態では、第1角度調整機構7は、検査ユニット取付部11が固定される可動部71(第1の可動部)と、可動部71を回転可能に支持する支持部72(第1の支持部)と、可動部71を駆動する第1のアクチュエータを備える駆動部73を有する。第2角度調整機構8は、支持部72が固定される可動部81(第2の可動部)と、可動部81を可動部71の回転方向(Y軸回りの第1回転方向、もしくはZ軸回りの第2回転方向)と交差する回転方向(X軸回りの第3回転方向)に回転可能に支持する支持部82(第2の支持部)と、可動部81を駆動するアクチュエータを備える駆動部83を有する。駆動部83のアクチュエータは、支持部82に配置されるシリンダ85であり、シリンダ85のロッド86が可動部81に連結されている。このように、シリンダ85を用いることにより、シリンダ85の伸縮動作によって、検査ユニット取付部11および第1角度調整機構7を第1角度調整機構7による回転方向と交差する回転方向に傾けることができる。
【0053】
本形態では、検査ユニット取付部11は、検査ユニット6として、第1検査ユニット6A、第2検査ユニット6B、および第3検査ユニット6Cのいずれかを選択的に取り付けることが可能である。第1検査ユニット6Aは、第1位置7Aに移動した第1角度調整機構7に検査ユニット取付部11を介して取り付けたときに、カメラ62および検査用給電部61がY2方向を向くように配置される。従って、被給電部115がY1方向を向くタイプの表示パネルを検査できる。例えば、水平に搬送される基板101の前端あるいは後端から垂れ下がるフレキシブルプリント基板111Aを備えるタイプの第1表示パネル100Aを検査できる。第2検査ユニット6Bは、第2位置7Bに移動した第1角度調整機構7に検査ユニット取付部11を介して取り付けたときに、カメラ62および検査用給電部61がZ2方向を向くように配置される。従って、水平に搬送される基板101の端部から水平にフレキシブルプリント基板111Bが突出するタイプで、被給電部115がZ1方向を向く面(他方面117)に設けられているタイプの第2表示パネル100Bを検査できる。第3検査ユニット6Cは、第2位置7Bに移動した第1角度調整機構7に検査ユニット取付部11を介して取り付けたときに、カメラ62および検査用給電部61がZ1方向を向くように配置される。従って、水平に搬送される基板101の端部から水平にフレキシブルプリント基板111Cが突出するタイプで、被給電部115がZ2方向を向く面(一方面116)に設けられているタイプの第3表示パネル100Cを検査できる。
【0054】
本形態では、検査ユニット取付部11は、検査ユニット6として、さらに、第4検査ユニット6Dを取り付け可能であり、第3検査ユニット6Cと第4検査ユニット6Dは、検査用給電部61のZ軸方向と交差する方向で検査用給電部61の配置が異なる。これにより、基板101からフレキシブルプリント基板を引き出す方向の違いに対応できる。第3検査ユニット6Cは、フレキシブルプリント基板111Cが基板101の長手方向の端部からY軸方向に引き出されるタイプの第3表示パネル100Cを検査できる。第4検査ユニット6Dは、フレキシブルプリント基板111Dが基板101からX軸方向に引き出されるタイプの第4表示パネル100Dを検査できる。
【符号の説明】
【0055】
1…検査装置、2…検査部、3…供給部、4…搬送機構、5…ローダー、6…検査ユニッ
ト、6A…第1検査ユニット、6B…第2検査ユニット、6C…第3検査ユニット、6D…第4検査ユニット、7A…第1位置、7B…第2位置、7…第1角度調整機構、8…第2角度調整機構、9…位置調整機構、10…装置本体、11…検査ユニット取付部、41…基板吸着シャトル、42…姿勢矯正ユニット、61…検査用給電部、62…カメラ、63A、63B、63C、63D…ホルダ、71…可動部、72…支持部、73…駆動部、81…可動部、82…支持部、83…駆動部、84…回転支持部、85…シリンダ、86…ロッド、86B…引き込み位置、86A…突出位置、91…第1移動機構、92…第2移動機構、93…第3移動機構、94…第1移動部材、95…第2移動部材、96…第3移動部材、100A…第1表示パネル、100B…第2表示パネル、100C…第3表示パネル、100D…第4表示パネル、101…基板、102…表示部、111A、111B、111C 、111D…フレキシブルプリント基板、115…被給電部、116…一方面、117…他方面、P…検査位置、R…回転軸線、S…設置面