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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087913
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】回転動作検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01P 13/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
G01P13/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202819
(22)【出願日】2022-12-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)掲載年月日 令和4年1月21日 掲載アドレス https://twitter.com/Kousaku_Kiroku/status/1484181543576760321 (2)掲載年月日 令和4年2月28日 掲載アドレス https://www.instructables.com/Projection-mapping-on-Spinning-Top/ (3)掲載年月日 令和4年3月1日 掲載アドレス https://www.youtube.com/watch?v=06biUT2UiBo (4)開催年月日 令和4年7月18日 展示会名 体験会 開催場所 稲城長沼駅隣接くらすクラスの広場 (5)開催年月日 令和4年9月3日~令和4年9月4日 展示会名 Maker Faire Tokyo 2022 開催場所 東京ビッグサイト 西展示場4ホール
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、総務省、独創的な人向け特別枠「異能(Inno)vation」プログラム委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】522493920
【氏名又は名称】鴨居 達明
(74)【代理人】
【識別番号】100197848
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 良一
(72)【発明者】
【氏名】鴨居 達明
【テーマコード(参考)】
2F034
【Fターム(参考)】
2F034AA09
2F034BA08
(57)【要約】
【課題】種々の回転物において、回転位置や回転動作の有無を検出することが可能な、回転動作検出システムを提供すること。
【解決手段】画像を撮影することが可能な撮影手段13と、回転物14に設けられるとともに、前記撮影手段13によって撮影することが可能なマーカー142と、前記撮影手段13と接続されるとともに、前記回転物14の回転の有無を検出することが可能な回転検出手段11と、を少なくとも有し、前記回転検出手段11は、前記撮影手段13によって撮影された前記マーカー142の残像に基づいて、前記回転物14の回転の有無の判定を行うことが可能であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影することが可能な撮影手段と、
回転物に設けられるとともに、前記撮影手段によって撮影することが可能なマーカーと、
前記撮影手段と接続されるとともに、前記回転物の回転の有無を検出することが可能な回転検出手段と、を少なくとも有し、
前記回転検出手段は、
前記撮影手段によって撮影された前記マーカーの残像に基づいて、前記回転物の回転の有無の判定を行うことが可能である
ことを特徴とした回転動作検出システム。
【請求項2】
赤外線画像を撮影することが可能な撮影手段と、
赤外線を照射することが可能な赤外線照射手段と、
回転物に設けられるとともに、前記赤外線を反射することが可能な反射部材と、
前記撮影手段と接続されるとともに、前記回転物の回転の有無及び/又は回転位置を検出することが可能な回転検出手段と、を少なくとも有し、
前記回転検出手段は、
前記撮影手段によって撮影された前記反射部材の反射残像に基づいて、前記回転物の回転の有無の判定及び/又は回転位置の特定が可能である
ことを特徴とした回転動作検出システム。
【請求項3】
前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、
前記投影手段は、
前記投影像として前記回転物が回転中であることを示す映像を投影することが可能である
請求項1又は2に記載の回転動作検出システム。
【請求項4】
前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、
前記投影手段は、
前記投影像として前記回転物の回転位置を示す映像を投影することが可能である
請求項1又は2に記載の回転動作検出システム。
【請求項5】
前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、
前記投影手段は、
前記投影像として前記回転物の回転位置を示す映像を投影することが可能である
請求項3に記載の回転動作検出システム。
【請求項6】
前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、
前記回転検出手段は、
前記回転物の回転中心位置を特定することが可能であり、
前記投影手段は、
前記回転物の回転中心位置の移動態様に応じて前記投影像を移動させることが可能である
請求項1又は2に記載の回転動作検出システム。
【請求項7】
前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、
前記回転検出手段は、
前記回転物の回転中心位置を特定することが可能であり、
前記投影手段は、
前記回転物の回転中心位置の移動態様に応じて前記投影像を移動させることが可能である
請求項3に記載の回転動作検出システム。
【請求項8】
前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、
前記回転検出手段は、
前記回転物の回転中心位置を特定することが可能であり、
前記投影手段は、
前記回転物の回転中心位置の移動態様に応じて前記投影像を移動させることが可能である
請求項4に記載の回転動作検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の回転物において、回転動作を検出することが可能な、回転動作検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転物の回転数を検出する方法として、例えば特許文献1には、回転円板に複数のマークを施し、当該マークにおける光の反射をフォトセンサによって検出して、モータの回転数を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63-182665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の検出方法にあっては、高速で回転するマークを高精度に検出する必要があり、回転していること自体を検出したり、その回転位置を検出できるものではなかった。また、周辺環境により、外光にさらされるような箇所・場所においては、光の反射を誤検出してしまう可能性もあった。
【0005】
そこで、本発明は、種々の回転物において、回転位置や回転動作の有無を検出することが可能な、回転動作検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)に係る発明は、画像を撮影することが可能な撮影手段と、回転物に設けられるとともに、前記撮影手段によって撮影することが可能なマーカーと、前記撮影手段と接続されるとともに、前記回転物の回転の有無を検出することが可能な回転検出手段と、を少なくとも有し、前記回転検出手段は、前記撮影手段によって撮影された前記マーカーの残像に基づいて、前記回転物の回転の有無の判定を行うことが可能であることを特徴とした回転動作検出システムである。
【0007】
(2)に係る発明は、赤外線画像を撮影することが可能な撮影手段と、赤外線を照射することが可能な赤外線照射手段と、回転物に設けられるとともに、前記赤外線を反射することが可能な反射部材と、前記撮影手段と接続されるとともに、前記回転物の回転の有無及び/又は回転位置を検出することが可能な回転検出手段と、を少なくとも有し、前記回転検出手段は、前記撮影手段によって撮影された前記反射部材の反射残像に基づいて、前記回転物の回転の有無の判定及び/又は回転位置の特定が可能であることを特徴とした回転動作検出システムである。
【0008】
(3)に係る発明は、前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、前記投影手段は、前記投影像として前記回転物が回転中であることを示す映像を投影することが可能である上記(1)又は(2)に記載の回転動作検出システムである。
【0009】
(4)に係る発明は、前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、前記投影手段は、前記投影像として前記回転物の回転位置を示す映像を投影することが可能である上記(1)乃至(3)に記載の回転動作検出システムである。
【0010】
(5)に係る発明は、前記回転物及び/又は該回転物の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段を有し、前記回転検出手段は、前記回転物の回転中心位置を特定することが可能であり、前記投影手段は、前記回転物の回転中心位置の移動態様に応じて前記投影像を移動させることが可能である上記(1)乃至(4)に記載の回転動作検出システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、種々の回転物において、周辺環境の影響を受けることなく、回転位置や回転動作の有無を検出することが可能となる。さらに、投影手段を備えることで、回転動作に伴う必要な投影像を投影することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態における、システム構成を説明する図である。
図2】本発明の第1実施形態における、回転物の回転停止状態(a)と、回転動作状態(b)を説明する図である。
図3】本発明の第2実施形態における、システム構成を説明する図である。
図4】本発明の第2実施形態における、回転物の回転停止状態(a)と、回転動作状態(b)を説明する図である。
図5】本発明の第3実施形態における、システム構成を説明する図である。
図6】本発明の第4実施形態における、システム構成を説明する図である。
図7】本発明の第4実施形態における、回転物の回転停止状態(a)と、回転動作状態(b)を説明する図である。
図8】本発明の第4実施形態における、投影像の一例を説明する図である。
図9】本発明の第4実施形態における、投影像の一例を説明する図である。
図10】本発明の別実施形態における、マーカー及び反射部材の設置態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の回転動作検出システムついて、図面を参照しながら各実施形態を説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態におけるシステム構成が図示されている。すなわち、画像を撮影することが可能な撮影手段13と、前記撮影手段13によって撮影することが可能なマーカー142と、前記撮影手段13と接続されるとともに、前記回転物14の回転の有無を検出することが可能な回転検出手段11と、を少なくとも有している。
【0015】
本実施形態の回転検出手段11はコンピュータであり、少なくともCPUや入出力インタフェース、メモリを備えている。好ましくはシングルボードコンピュータを使用することが可能であり、これによりシステム構成を小規模なものとすることができる。
【0016】
撮影手段13は汎用のカメラを使用することができ、可視光画像を撮影することができる。なお撮影手段13は、後述するマーカー142の残像を撮影することができる程度のシャッタースピードとすることが必要である。
【0017】
回転物14には、当該回転物14とは異なる色を有するマーカー142が設けられており、本実施形態では、任意の色を有するシールを、図2(a)に示されるように、回転物14の円周方向2箇所に貼付している。なお、マーカー142は必ずしもシールに限定されるものではなく、任意の色を有する塗料を塗布してもよく、少なくとも回転物14とは区別して、映像として形状が認識できる程度のマークであればよい。
【0018】
続いて回転検出手段11による検出構成について説明する。図1及び図2に示されるように、撮影手段13は回転物14の回転動作を検出すべく、所定の撮影認識範囲(図示破線部の範囲)を撮影するように構成されている。したがって、回転物14の形状(円形)を撮影認識させることなく、マーカー142を撮影することが可能となっている。
【0019】
このような構成により、図2(a)に示されるように、回転物14が回転停止状態にある場合には、2つの点(マーカー142)が撮影され、回転検出手段11は回転物14が回転停止状態であることを認識する。なお、マーカー142を撮影する方法として、当該マーカー142及びその回転軌跡のみをズーム撮影してもよいし、撮影される全体映像の中から、マーカー142及びその回転軌跡の範囲内のみ、形状認識するようにプログラムしてもよい。
【0020】
一方、図2(b)に示されるように、回転物14が回転動作状態にある場合には、2つのマーカー142が回転することにより、円環状の残像が撮影手段13によって撮影され、回転検出手段11は回転物14が回転動作状態であることを認識することができる。
【0021】
そして、本実施形態の回転検出手段11では、撮影手段14によって撮影された上記残像に基づいて、回転物14の回転有無の判定が可能となっている。
【0022】
すなわち、通常、可視光画像の撮影画像を使用した場合、回転物14自体も円形形状であることから、撮影画像から回転の有無を精度よく判定することが困難であるところ、撮影認識範囲を、マーカー142の回転軌跡の範囲内に納めることにより、マーカー142の画像のみを容易に抽出して、精度よく回転物14の回転の有無を判定することができる。
【0023】
したがって、本実施形態の回転動作検出システム100を、例えば、製造工場等に適用した場合には、固定配置されて回転する工作機械や、給排気ファンなどの回転の有無を特定することが可能となり、安全管理や品質管理等において無人による状態監視を効率的に実施することが可能となる。
【0024】
(第2実施形態)
図3には、本発明の第2実施形態におけるシステム構成が図示されている。すなわち、赤外線画像を撮影することが可能な撮影手段13と、赤外線を照射することが可能な赤外線照射手段12と、回転物14に設けられるとともに、前記赤外線を反射することが可能な反射部材141と、前記撮影手段13と接続されるとともに、前記回転物14の回転の有無及び/又は回転位置を検出することが可能な回転検出手段11と、を少なくとも有している。
【0025】
本実施形態の回転検出手段11はコンピュータであり、少なくともCPUや入出力インタフェース、メモリを備えている。好ましくはシングルボードコンピュータを使用することが可能であり、これによりシステム構成を小規模なものとすることができる。
【0026】
撮影手段13は汎用の赤外線カメラを使用することができ、本実施形態では、所定の波長の赤外線画像を撮影するための赤外線フィルタ131を設けている。また、赤外線照射手段12は所定の波長の赤外線を照射することが可能であり、本実施形態では、複数の赤外線発光ダイオードを備えている。なお撮影手段13は、後述する反射部材141の反射残像を撮影することができる程度のシャッタースピードとすることが必要である。
【0027】
前述の第1実施形態では、任意の色を有して、回転物14とは区別して撮影されるマーカー142を回転物14に設けたが、本実施形態の回転物14には、赤外線照射手段12から照射された赤外線を反射することが可能な反射部材141をマーカーとして設けており、本実施形態では、高輝度の反射シートを、図4(a)に示されるように、回転物14の円周方向4箇所に反射シートを貼付している。
【0028】
続いて回転検出手段11による検出構成について説明する。図3に示されるように、赤外線照射手段12から照射された赤外線(図示P)は、反射部材141によって反射され、反射された赤外線(図示R)は撮影手段13によって撮影されることとなる。したがって、図4(a)に示されるように、回転物14が回転停止状態にある場合には、4つの点が撮影され、回転検出手段11は回転物14が回転停止状態であることを認識する。
【0029】
一方、図4(b)に示されるように、回転物14が回転動作状態にある場合には、4つの反射部材141が回転することにより、円環状の反射残像が撮影手段13によって撮影され、回転検出手段11は回転物14が回転動作状態であることを認識することができる。
【0030】
そして、本実施形態の回転検出手段11では、撮影手段14によって撮影された上記反射残像に基づいて、回転物14の回転の有無の判定及び/又は回転位置の特定が可能となっている。
【0031】
上記したような本実施形態の構成によれば、通常、可視光画像の撮影画像を使用した場合、回転物14自体も円形形状であることから、撮影画像から回転の有無を精度よく判定することが困難であるところ、室内光や外光の影響を受けることなく、反射部材141が反射した赤外線画像のみを容易に抽出して、精度よく回転物14の回転の有無の判定及び/又は回転位置の特定が可能となる。
【0032】
したがって、本実施形態の回転動作検出システム100を、例えば、製造工場等に適用した場合には、回転する工作機械や、給排気ファンなどの回転の有無や回転位置を特定することが可能となり、安全管理や品質管理等において無人による状態監視を効率的に実施することが可能となる。
【0033】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、前述した第2実施形態と共通する構成については説明を省略する。
【0034】
図5には、本発明の第3実施形態におけるシステム構成が図示されており、前述した第2実施形態のシステム構成に加えて、回転物14及び/又は当該回転物14の周辺に投影像を投影することが可能な投影手段10を備えている。
【0035】
本実施形態の投影手段10は、LEDを光源とするプロジェクションマッピング用のプロジェクタを利用することが可能であり、回転検出手段11に接続されている。そして回転検出手段11では、投影手段10が投影像として、回転物14が回転中であることを示す映像を投影することがプログラムされている。
【0036】
投影態様としては、例えば、図5に示されるように、感嘆符からなる回転物周辺投影像101を投影するなどして、回転物14が回転中であることを示すことが可能である。もちろん、回転物14自体に投影像を投影すること可能である。加えて、回転物周辺投影像101を動きのある動画像とすることもできる。
【0037】
さらに、投影像として回転物14の回転位置を示す映像を投影することも可能であり、例えば図5に示されるように、回転物14の回転中心位置を同じくする星型の回転位置投影像102を投影することも可能である。このような構成とすることで、回転物14の位置を強調表示することが可能となり、明確に回転物14の位置を視認することができる。
【0038】
図5に示される例では、星型の回転位置投影像102が回転表示されるように構成されており、回転動作中であることを強調できるほか、回転方向を回転物14の回転方向と同じにすることで、回転物14の回転方向も把握することができる。なお、星型の回転位置投影像102は、回転物14自体に投影されるようにしてもよいし、その周辺に投影するようにしてもよい。
【0039】
したがって、本実施形態の回転動作検出システム100を、例えば、製造工場等に適用した場合には、前述した第1実施形態による効果に加えて、回転する工作機械や、給排気ファンなどの回転の有無や回転位置を、作業員等が容易に視認することが可能となり、安全性や品質の向上を図ることが可能となる。
【0040】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、前述した第2実施形態及び第3実施形態と共通する構成については説明を省略する。
【0041】
図6には、本発明の第4実施形態におけるシステム構成が図示されており、回転物14が玩具の「こま」となっている。
【0042】
回転物14であるこまには、赤外線照射手段12から照射された赤外線を反射することが可能な反射部材141が設けられており、本実施形態では、高輝度の反射シートを、図7(a)に示されるように、回転物14の円周方向4箇所に貼付している。
【0043】
赤外線照射手段12から照射された赤外線は、反射部材141によって反射され、反射された赤外線は撮影手段13によって撮影されることとなる。したがって、図7(a)に示されるように、回転物14であるこまが回転停止状態にある場合には、4つの点が撮影され、回転検出手段11は回転物14が回転停止状態であることを認識する。
【0044】
一方、図7(b)に示されるように、回転物14であるこまが回転動作状態にある場合には、4つの反射部材141が回転することにより、円環状の反射残像が撮影手段13によって撮影され、回転検出手段11は回転物14が回転動作状態であることを認識することができる。
【0045】
したがって、本実施形態の回転検出手段11では、撮影手段14によって撮影された上記反射残像に基づいて、回転物14であるこまの回転の有無の判定及が可能になるとともに、回転しながら前後左右に不規則に移動するこまの回転位置を特定することが可能となっている。
【0046】
そして、回転検出手段11では、投影手段10が投影像として、回転物14であるこまが回転中であることを示す映像や、こまの移動態様にリンクした動きのある映像を投影することがプログラムされている。
【0047】
投影態様としては、例えば、図8に示されるように、投影像として回転物14の回転位置を示す映像を投影することが可能であり、回転物14の回転中心位置を同じくする円環状の回転位置投影像103、104を、回転物14の移動方向に合わせて投影することができる。このような構成とすることで、回転物14の位置を強調表示することが可能となり、明確に回転物14の位置を視認することができる。
【0048】
また、図9に示されるように、回転位置投影像104の中心位置を偏心させて回転させながら、回転物14の移動方向に合わせて投影することも可能であり、回転物14の回転動作をより強調することができる。なお、回転物14であるこま自体に、種々の形状・模様を有する投影像を投影するようにしてもよいし、その周辺に投影するようにしてもよい。
【0049】
(別実施形態)
以上、本発明の回転動作検出システムについて各実施形態を説明したが、必ずしも前述した構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0050】
例えば、前述の実施形態では、回転物14に2つ又は4つのマーカー142や反射部材141を設けたが、必ずしもこのような数や形状に限定されるものではなく、回転物14が回転することにより、円環状又は円形の残像が撮影手段13によって撮影可能であれば、1つ又は複数のマーカー142や反射部材141を設けるようにしてもよい。また、マーカー142や反射部材141は必ずしも四角形状に限定されるものではなく、円環状又は円形の反射残像が撮影できるのであれば、その形状は何ら限定されない。
【0051】
より詳しく説明すると、図10(a)には、回転物14に円形のマーカー142や反射部材141を1つ設けた例が、図10(b)には、四角形状のマーカー142や反射部材141を4つ設けた例が、図10(c)には、円環の1/4程度の長さを有するマーカー142や反射部材141を2つ設けた例がそれぞれ示されている。これらは、回転することによって、図示されるような円環状の残像となって撮影手段13により撮影される。また、図10(d)に示されるように、扇形状のマーカー142や反射部材141を1つ設けた場合には、図示されるような円形の残像となって撮影手段13により撮影される。
【0052】
また、撮影手段13又は回転検出手段11にシャッタースピード調整手段を設けてもよく、これにより、回転物14の回転速度に応じたシャッタースピードを設定することが可能となり、種々の回転物14の回転状態を認識することができる。
【0053】
また、前述した第1実施形態において、投影手段10を設けることも可能であり、第3実施形態で示したような投影像を投影することが可能である。
【0054】
また、前述した各実施形態では、回転検出手段11としてシングルボードコンピュータを例示したが、必ずしもこのようなコンピュータに限定されるものではなく、撮影手段13や投影手段10を、公衆通信回線や組織内の通信回線を介してコンピュータに接続するように構成してもよい。
【0055】
また、投影像については、現実の回転物14や、その接地面に投影するほか、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)技術により、スマートフォンやタブレット、ゴーグル等に表示させることも可能である。
【0056】
また、前述した第4実施形態では、回転物14として玩具のこまを例に説明したが、必ずしも回転物14はこまに限定されるものではなく、ヨーヨーやフリスビー、車輪など、他の玩具や回転移動するようなものにも、多種多様なエフェクト画像を投影することが可能である。
【0057】
以上、本発明の各実施形態について図面等に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施形態に記載された具体的な材質、寸法形状等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
100 回転動作検出システム
10 投影手段
11 回転検出手段
12 赤外線照射手段
13 撮影手段
131 赤外線フィルタ
14 回転物
141 反射部材
142 マーカー
101 回転物周辺投影像
102、103、104 回転位置投影像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10