(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087943
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】乗物照明構造
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/64 20170101AFI20240625BHJP
B60Q 3/217 20170101ALI20240625BHJP
B60Q 3/54 20170101ALI20240625BHJP
B60Q 3/78 20170101ALI20240625BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240625BHJP
【FI】
B60Q3/64
B60Q3/217
B60Q3/54
B60Q3/78
F21S2/00 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202859
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 愛子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 篤彦
(72)【発明者】
【氏名】浅田 淳
【テーマコード(参考)】
3K040
3K244
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040DB01
3K040EB03
3K040GA04
3K040GB08
3K040GC01
3K040GC02
3K040GC04
3K040GC14
3K040HB04
3K244AA04
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA08
3K244LA10
(57)【要約】
【課題】種々の乗物や配置箇所に対して容易にライン状の照明を設けることが可能な乗物照明構造を提供する。
【解決手段】それぞれが、導光体32と保持具36とを含んで構成され、互いに同一の形状とされた複数の照明ユニット30を備え、導光体32は、乗物室内側に向かって光を出射するライン状の光出射部32aと、光出射部32aの一端から光出射部32aの延びる方向と交差する方向に延び出してその先端から光源34の光が入射される導光部32bと、を有し、複数の照明ユニット30の各々は、保持具36において所定の位置に固定された状態とされることで、光出射部32bの他端が、隣り合う照明ユニット30の光出射部32bの一端に隣接するように、複数の照明ユニット30の光出射部32aがライン状に連なる構造とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物室内の照明に用いられる乗物照明構造であって、
それぞれが、光源の光を導光する長手状の導光体と、前記導光体を保持する保持具と、を含んで構成され、互いに同一の形状とされた複数の照明ユニットを備え、
前記導光体は、乗物室内側に向かって光を出射するライン状の光出射部と、前記光出射部の一端から前記光出射部の延びる方向と交差する方向に延び出してその先端から前記光源の光が入射される導光部と、を有し、
複数の前記照明ユニットの各々は、前記保持具において所定の位置に固定された状態とされることで、前記光出射部の他端が、隣り合う前記照明ユニットの前記光出射部の前記一端に隣接するように、複数の前記照明ユニットの前記光出射部がライン状に連なる構造とされた乗物照明構造。
【請求項2】
複数の前記照明ユニットの各々は、前記導光体に光を入射する光源を含んで構成され、
前記保持具は、前記光源も保持するものとされた請求項1に記載の乗物照明構造。
【請求項3】
前記導光体は、前記光出射部の他端から延び出す延設部を有し、
前記延設部は、隣り合う前記導光体の前記光出射部に対して前記導光部側の端部の乗物室外側に延び出している請求項1または請求項2に記載の乗物照明構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物室内の照明に用いられる乗物照明構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、自動車用照明装置が記載されている。下記特許文献1に記載の照明装置は、光を出すための長尺状の出射部と、光を供給する光源と、自動車からの開始信号を受けて出射部から該出射部の長手方向に向かって線状ないし帯状に流れるように光を出す制御を行う発光制御手段と、を備えている。その光出射部は、遮光部を介して長手方向の端面どうしを近接させて配列した複数の長尺な導光体で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の乗物用照明装置のように、長尺状の光出射部を有するライン状の照明は、例えば、ライン状の照明を乗物内の複数個所に設ける場合には、各箇所に合わせて設計を行う必要がある。また、ライン状の照明は、乗物や車種に合わせて設計を行う必要があり、それに合わせた製造設備等を準備するなど製造コストが増加する虞がある。
【0005】
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、製造設備等を増やすことなく、種々の乗物や配置箇所に対して比較的容易にライン状の照明を設けることが可能な乗物照明構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願に開示の乗物照明構造は、
乗物室内の照明に用いられる乗物照明構造であって、
それぞれが、光源の光を導光する長手状の導光体と、前記導光体を保持する保持具と、を含んで構成され、互いに同一の形状とされた複数の照明ユニットを備え、
前記導光体は、乗物室内側に向かって光を出射するライン状の光出射部と、前記光出射部の一端から前記光出射部の延びる方向と交差する方向に延び出してその先端から前記光源の光が入射される導光部と、を有し、
複数の前記照明ユニットの各々は、前記保持具において所定の位置に固定された状態とされることで、前記光出射部の他端が、隣り合う前記照明ユニットの前記光出射部の前記一端に隣接するように、複数の前記照明ユニットの前記光出射部がライン状に連なる構造とされたことを特徴とする。
【0007】
本願に開示の乗物照明構造は、同一の形状の複数の照明ユニットが並べられて固定されることで、ライン状の照明を実現できる。つまり、本願に開示の乗物照明構造は、複数の照明ユニットの並べる数や並べる向き等を変化させることで、種々の乗物や配置箇所に対して容易にライン状の照明を設けることができる。より詳しく言えば、その複数の照明ユニットを固定するための構造および光源を配置する構造のみを、種々の乗物や配置箇所に対して設計すれば良いため、ライン状の照明の乗物への搭載を、比較的容易に実現することができる。また、本願に開示の乗物照明構造は、複数の導光体を利用し、それら複数の導光体が順次点灯されるような制御が行われることによって、光が流れるような照明を実現することができる。
【0008】
本願に開示の乗物照明構造において「光源」を設ける構成は、各照明ユニットの構成要素として、保持具に取り付けられる構成であってもよく、複数の光源が実装された基板を1枚あるいは照明ユニットの数より少ない数だけ用意し、2以上の照明ユニットの導光体に対して配されるような構成であってもよい。
【0009】
また、本願に開示の乗物照明構造において複数の照明ユニットの保持具を固定する「所定の位置」とは、例えば、乗物の意匠面を形成する乗物用内装材に設けられた取付部や、保持具同士を連結するために保持具に設けられた取付部とすることができる。
【0010】
上記構成において、複数の前記照明ユニットの各々は、前記導光体に光を入射する光源を含んで構成され、前記保持具は、前記光源も保持するものとされた構成とすることができる。
【0011】
この構成の乗物照明構造は、光源も照明ユニットに含まれるため、光源を配置する構造の設計も不要になる。つまり、この構成の乗物照明構造によれば、複数の照明ユニットを固定するための構造のみを、種々の乗物や配置箇所に対して設計すれば良いため、ライン状の照明の乗物への搭載を、より容易に実現することができる。
【0012】
上記構成において、前記導光体は、前記光出射部の他端から延び出す延設部を有し、前記延設部は、隣り合う前記導光体の前記光出射部に対して前記導光部側の端部の乗物室外側に延び出している構成とすることができる。
【0013】
各照明ユニットにおいて、導光体の光源の入射側の端(一端)とは反対側の端(他端)から出射する光が、光出射部から出射する光より強く(明るく)なりやすい。しかしながら、この構成の乗物用照明装置によれば、その導光体の他端側の部分が、隣接する導光体の背面側に潜り込んでいるため、乗物室側に出射する光を抑え、乗物室内側に出射する光が局所的に明るくなるような事態を抑制すること、換言すれば、乗物室に出射する長手状の光の明るさの均一化を図ることが可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、製造設備等を増やすことなく、種々の乗物や配置箇所に対して容易にライン状の照明を設けることが可能な乗物照明構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態である車両用照明装置が設けられた車両用のドアトリムの正面図
【
図2】実施形態の車両用照明装置を車室外側からの視点において示す図
【
図4】実施形態の車両用照明装置を車室内側からの視点において示す図
【
図5】複数の照明ユニットの導光体の延設状態を下方からの視点において示す図
【
図6】導光体の光出射部と透光部との位置関係を示す断面図(
図2におけるA-A断面)
【
図7】導光体の光出射部と隣接する導光体の延設部との位置関係を示す断面図(
図2におけるB-B断面)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の乗物照明構造が採用された実施形態の車両用照明装置10(以下、単に「照明装置10」と呼ぶ場合がある。)について、
図1~
図7を参照しつつ説明する。本照明装置10は、
図1に示すように、車両のサイドドアのドアトリム12に設けられるものであり、車両前後方向に延びるライン状に光を出射するライン照明である。なお、図面の一部には、符号Fr,Rr,IN,OUT,U,Dを用いて方向を示しており、それぞれ、車両の前方側,後方側,車幅方向における車室(乗物室)内側,車室外側,上側,下側を表している。
【0017】
ドアトリム12は、金属製のドアパネルの車室内側に、クリップ等によって取り付けられており、アームレスト13,ドアポケット14,スピーカー15,インサイドハンドル16等が設けられている。ドアトリム12は、概して板状をなすトリムボード18を主体として構成される。そのトリムボード18は、複数のボード部材が互いに組み付けられることで構成されている。具体的には、トリムボード18は、アッパボード20,アームレストボード21,ロアボード22、およびポケットボード23等を含んで構成されている。
【0018】
アッパボード20は、トリムボード18の上部を構成しており、その下端は、前方部分においてロアボード22に接続され、後方部分においてアームレストボード21に接続される。アームレストボード21は、車室内側に膨出しており、その上面は略水平方向に延びるアームレスト13とされている。なお、アームレストボード21には、アームレスト13の車室外側が、そのアームレスト13の上面より下方に凹状に窪んで形成され、ドアグリップ等が設けられている。
【0019】
そして、アッパボード20の下端部には、換言すれば、アッパボード20のアームレストボード21との境界部分に、本実施形態の照明装置10が配されている。より詳しく言えば、アッパボード20の下端には、オーナメント部材26が取り付けられており、本実施形態の照明装置10は、そのオーナメント部材26の車室外側に配されて、オーナメント部材26に形成された透光部26aから車室内に光を出射するものとされている。なお、透光部26aは、概ね前後方向に延びる直線状とされている。後述するが、本実施形態の照明装置10は、透光部26aの全体を点灯させて、ドアトリム12をライン状の光によって演出することや、透光部26aに沿って光が流れるような演出を行うことができるようになっている。
【0020】
本実施形態の照明装置10は、
図2に示すように、複数の照明ユニット30を備えている。各照明ユニット30は、同様の構成のものであり、本実施形態の照明装置10は、それら複数の照明ユニット30の光を組み合わせてライン状の光を実現できるものとなっている。なお、この
図2には、一部のもののみ示されており、実際には、本実施形態の照明装置10は、図示されているより多くの照明ユニット30を備えるものとなっている。
【0021】
各照明ユニット30は、
図3に示すように、導光体32と、導光体32に光を入射する光源34と、それら導光体32と光源34とを保持する保持具36と、を含んで構成される。導光体32は、複数本の光ファイバを束ねて形成された光ファイバ束である。つまり、導光体32は、可撓性を有し、比較的自由に延設方向を変更可能なものとなっている。光源34は、LED素子40と、そのLED素子40が実装された基板42と、そのLED素子40が実装された基板42を収容するハウジング部材44と、からなる。ハウジング部材44は、概して箱形で基板42を収容するLED収容部46と、導光体32の一端を嵌入させた状態で保持する円筒状の導光体嵌入部48と、を有している。そして、ハウジング部材44は、導光体32を、それの一端側の端面がLED素子40に対向する状態で保持するものとされ、導光体32の一端から光を入射させるようになっている。
【0022】
保持具36は、導光体32を保持する導光体保持部50と、光源34を保持する光源保持部52と、を有する。これら導光体保持部50と光源保持部52とは、いずれも一方向に開口する形状とされており、その方向から、導光体32および光源34を嵌め入れることができるようになっている。なお、導光体保持部50は、2箇所において湾曲した形状とされており、導光体32を嵌め入れることで、導光体32を自身の形状に沿って湾曲した状態で保持することができる。また、導光体保持部50は、大まかには、光源保持部52側の端部から湾曲した箇所までの部分である基端部50aと、2箇所の湾曲した箇所の間である中間部50bと、導光体32の先端部側を保持する先端部50cと、からなり、それらの部分ごとに形状が異なるものとされている。なお、基端部50aと先端部50cの一部は、断面コの字形状とされ、導光体32をしっかりと嵌め入れることができ、導光体32をしっかりと保持することができるようになっている。
【0023】
また、保持具36は、導光体保持部50から、詳しく言えば、基端部50aおよび中間部50bから張り出すように形成された板状のブラケット54を備えている。このブラケット54は、照明ユニット30をオーナメント部材26に対して取り付けるための取付部である。具体的には、オーナメント部材26には、複数の照明ユニット30の数と同数の被取付部56が設けられている。被取付部56は、
図2に示すように、一対の嵌合爪56a,56bと、位置決め突起56cと、からなる。一方、ブラケット54には、一対の嵌合爪56a,56bを掛かり止めて嵌合させる一対の被嵌合孔54a,54b、および、位置決め突起56cを挿通させる挿通孔54cが形成されている。
【0024】
つまり、各照明ユニット30は、そのオーナメント部材26の被取付部56に対して取り付けられることで、オーナメント部材26に対する位置と角度が定まることになる。さらに言えば、隣接する照明ユニット30に対する位置関係や角度も定まることになるのである。なお、本実施形態の照明装置10は、
図2および
図4に示すように、車両後方側の照明ユニット30から順に取り付け可能とされ、照明ユニット30同士が一部重畳する状態で組み付けられた構造となっている。
【0025】
次に、複数の照明ユニット30の配置について、以下に詳しく説明する。複数の照明ユニット30は、車室内側からの視点で示す
図4、および、下方からの視点で示す
図6から分かるように、各照明ユニット30の導光体32のうち、保持具36の導光体保持部50の中間部50bに位置する部分32aが、概して直線のライン状に並んだ状態となる。さらに、各照明ユニット30は、被取付部56に取り付けられた状態において、導光体32の中間部分32aが、オーナメント部材26の透光部26aの車室外側に位置する状態となる。そして、導光体保持部50の中間部50bが、概してL字形状で透光部26aに向かって広がる角度とされており、導光体32の中間部32aから出射した光は透光部26aに向かうようになっている。つまり、この導光体32の中間部32aが、乗物室内側に向かって光を出射するライン状の光出射部(以下、「光出射部32a」と呼ぶこととする。)となる。以上のような構成から、複数の照明ユニット30の各々は、この導光体32の光出射部32aが透光部26aに対して平行になるように、オーナメント部材26に対して取り付けられているのである。
【0026】
また、導光体32のうち、導光体保持部50の基端部50aに位置する部分である光出射部32aより一端側(前端側)の部分32bは、導光体32の一端から入射された光源34の光を導光する導光部(以下、「導光部32b」と呼ぶこととする。)として機能する。この導光部32bは、
図4および
図6に示すように、光出射部32aに対して交差する方向(車室外側かつ上方側)に延び出して、隣接する照明ユニット30の取り付けの邪魔にならないようになっている。
【0027】
一方、導光体32のうち、導光体保持部50の先端部50cに位置する部分である光出射部32aより他端側(後端側)の部分、つまり、光出射部32aの他端(後端)から延び出した延設部32cは、
図7に示すように、後方側に隣り合う照明ユニット30の導光体32に対して、詳しく言えば、導光体32の光出射部32aに対して、車室外側に延び出して車幅方向に重畳している。つまり、延設部32cは、隣接する照明ユニット30の保持具36の車室外側に位置している。また、
図5に示すように、延設部32cは、透光部26aから徐々に離間する方向に延びており、その延設部32cの先端(導光体32の先端)が、車室外側を向いている構成となっている。
【0028】
以上のような構成によって、本実施形態の照明装置10は、複数の照明ユニット30を用いてライン状の照明を実現するものとなっている。従来の照明装置においては、例えば、導光体の先端を、遮光部を介して、隣接する光出射部の端部に近接させるような構成とされる場合があったが、このような構成であると、その遮光部による影が視認されたり、遮光部において反射した光によって輝点が生じたりして、ライン状の照明の見栄えを低下させる虞があった。また、導光体32の光源34とは反対側の端面から出射する光は、光出射部32aの側面から出射する光より強く(明るく)なりやすい。それに対して、本実施形態の照明装置10は、導光体32の先端が隣接する導光体32の背面側(車室外側)に潜り込んでいるため、車室に出射する光が局所的に明るくなる、あるいは、暗くなるような事態を抑制すること、換言すれば、車室に出射する長手状の光の明るさの均一化を図ることが可能である。
【0029】
また、本実施形態の照明装置10は、車両に搭載される制御部70(
図2参照)によって制御される。制御部70は、複数の照明ユニット30が有する光源34を独立して制御することが可能とされている。それにより、制御部70は、複数の照明ユニット30すべての光源34を点灯状態とする常時点灯制御部72を有し、直線状のライン照明を実現することができる。また、制御部70は、複数の照明ユニット30の光源34を、順次点灯させる順次点灯制御部74を有し、例えば、車両前方側から後方側に向かって光が流れるような照明を実現することもできる。この順次点灯制御部74による制御は、例えば、走行中において実行されたり、車両の右左折時にウィンカーに連動して実行されたりする態様で利用できる。また、制御部70は、運転者が眠気を感じているような状況下において、複数の照明ユニット30の少なくとも一部のものを点滅させるような制御を実行するように構成することも可能である。
【0030】
また、本実施形態の照明装置10は、導光体32,光源34,保持具36からなる照明ユニット30を複数用い、各照明ユニット30を車両用内装材であるオーナメント部材26に対して取り付けるだけで、ライン状の照明を実現することができる。つまり、本実施形態の照明装置10は、被取付部56の配置位置を変更するだけで、照明の延びる方向を変更することが可能である。詳しく言えば、例えば、ドアトリム12の他の個所にもライン照明を設ける場合や、他の車両用内装材にライン照明を設ける場合であっても、上記の照明ユニット30をそのまま採用し、被取付部56の配置位置を設計するだけで、ライン照明を設けることが可能であり、ライン照明の搭載を比較的容易に行うことができる。
【0031】
<他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0032】
(1)上記実施形態の照明装置10は、光出射部32aが概して直線上に並んで構成され、直線のライン照明とされていたが、それに限定されない。湾曲したライン状や、湾曲部と直線部との両者によって構成されるライン状の照明とすることもできる。
【0033】
(2)上記実施形態の照明装置10において、照明ユニット30の各々は、乗物用内装材であるオーナメント部材26に取り付けられる構成とされていたが、例えば、照明ユニット30同士を連結する構造、具体的には、照明ユニットを構成する保持具が、連結部と被連結部とを有して、互いに接続できる構造を有するものとすることもできる。
ってもよい。
【0034】
(3)上記実施形態において、導光体は、光ファイバを束ねて形成された光ファイバ束とされていたが、それに限定されない。例えば、透光性を有する樹脂材料から成形されたものであってもよい。
【0035】
(4)上記実施形態の照明装置10は、車両のドアトリム12に採用されていたが、それに限定されない。他の車両用内装材、例えば、天井材、センターコンソール、インストゥルメントパネル。車室内側面を形成する各種トリム等に用いることもできる。さらに言えば、上記実施形態の照明装置10は、車両(自動車)に提供されるものとされてたが、それに限定されず、本発明の照明装置は、種々の乗物において提供されるものに適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
10…車両用照明装置〔乗物用照明装置〕、30…照明ユニット、32…導光体、32a…光出射部、32b…導光部、32c…延設部、34…光源、36…保持具、70…制御部