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特開2024-87981電子機器、学習コンテンツ提示方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087981
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電子機器、学習コンテンツ提示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 5/06 20060101AFI20240625BHJP
   G09B 19/06 20060101ALI20240625BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240625BHJP
【FI】
G09B5/06
G09B19/06
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202910
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 正規
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028AA03
2C028AA11
2C028BA05
2C028BB04
2C028BB06
2C028BC05
2C028BD01
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】学習コンテンツをユーザに効率的に学習させる。
【解決手段】スマートウォッチ10のCPU11は、英単語の記憶度合を判定し、当該英単語の記憶度合に応じて、当該英単語に係る複数の学習コンテンツのうち、少なくとも一の学習コンテンツを選択し、選択された当該学習コンテンツを表示部15又は音声出力部19に提示(表示又は音声出力)させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶対象に対するユーザの記憶度合を判定する判定手段と、
前記判定手段によって判定された前記記憶度合に基づいて、前記記憶対象に係る複数の学習コンテンツのうち、少なくとも一の学習コンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記少なくとも一の学習コンテンツを提示手段に提示させる提示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記記憶対象は所定言語の単語であり、
前記判定手段は、前記単語の記憶度合を複数段階で判定し、
前記選択手段は、
前記判定手段により前記単語の記憶度合が第1段階であると判定された場合、前記単語の意味に係る情報を前記少なくとも一の学習コンテンツとして選択し、
前記判定手段により前記記憶対象の記憶度合が前記第1段階よりも高い第2段階であると判定された場合、前記単語を含む熟語に係る情報を前記少なくとも一の学習コンテンツとして選択し、
前記判定手段により前記記憶対象の記憶度合が前記第2段階よりも高い第3段階であると判定された場合、前記単語を含む例文に係る情報を前記少なくとも一の学習コンテンツとして選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
ユーザが運動しているときの運動データを取得するセンサと、
前記センサによって取得された運動データに基づいて、前記ユーザの行動パターンを推定する推定手段と、
を更に備え、
前記選択手段は、前記推定手段により推定された行動パターンに応じて、前記記憶対象に係る前記少なくとも一の学習コンテンツの提示態様を更に選択し、
前記提示制御手段は、前記選択手段によって選択された提示態様で前記提示手段に前記少なくとも一の学習コンテンツを提示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記提示態様には、前記記憶対象に係る前記少なくとも一の学習コンテンツを表示部に表示出力させることで提示する第1の提示態様と、前記記憶対象に係る前記少なくとも一の学習コンテンツを音声出力部に音声出力させることで提示する第2の提示態様と、が含まれる、
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記行動パターンは、第1の行動パターン群と、第2の行動パターン群と、のいずれかに属する複数の行動パターンで構成され、
前記第2の行動パターン群は、前記ユーザにとって前記第1の行動パターン群よりも自機器の前記表示部の視認がしづらい行動パターン群であり、
前記選択手段は、
前記推定手段により推定された行動パターンが前記第1の行動パターン群に属する行動パターンである場合、前記第1の提示態様を選択し、
前記推定手段により推定された行動パターンが前記第2の行動パターン群に属する行動パターンである場合、前記第2の提示態様を選択する、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示部に表示される前記記憶対象に係る前記少なくとも一の学習コンテンツは、当該表示部の表示領域に収まる情報量である、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記提示制御手段は、所定のユーザ操作が行われるごとに、前記記憶対象に係る前記少なくとも一の学習コンテンツを順次切り替えることで、前記複数の学習コンテンツを前記提示手段に提示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項8】
前記提示制御手段は、
前記判定手段により前記単語の記憶度合が第1段階であると判定された場合、前記所定のユーザ操作が行われるごとに、前記単語の意味に係る情報が含まれる前記学習コンテンツ、前記単語を含む熟語に係る情報が含まれる前記学習コンテンツ、前記単語を含む例文に係る情報が含まれる前記学習コンテンツの順番で切り替えて、当該学習コンテンツを前記提示手段に提示させ、
前記判定手段により前記単語の記憶度合が第2段階であると判定された場合、前記所定のユーザ操作が行われるごとに、前記単語を含む熟語に係る情報が含まれる前記学習コンテンツ、前記単語を含む例文に係る情報が含まれる前記学習コンテンツ、前記単語の意味に係る情報が含まれる前記学習コンテンツの順番で切り替えて、当該学習コンテンツを前記提示手段に提示させ、
前記判定手段により前記単語の記憶度合が第3段階であると判定された場合、前記所定のユーザ操作が行われるごとに、前記単語を含む例文に係る情報が含まれる前記学習コンテンツ、前記単語を含む熟語に係る情報が含まれる前記学習コンテンツ、前記単語の意味に係る情報が含まれる前記学習コンテンツの順番で切り替えて、当該学習コンテンツを前記提示手段に提示させる、
ことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記提示制御手段は、所定の時間間隔で前記提示手段に前記記憶対象に係る前記少なくとも一の学習コンテンツを提示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記提示制御手段によって前記記憶対象に係る前記少なくとも一の学習コンテンツが提示された際に、所定のユーザ操作に基づいて、前記記憶対象を記憶したか否かに係る情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記記憶対象を記憶したか否かに係る情報に基づいて、当該記憶対象の記憶度合を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
提示手段を備える電子機器による学習コンテンツ提示方法であって、
記憶対象に対するユーザの記憶度合を判定する判定工程と、
前記判定工程によって判定された前記記憶度合に基づいて、前記記憶対象に係る複数の学習コンテンツのうち、少なくとも一の学習コンテンツを選択する選択工程と、
前記選択工程によって選択された前記少なくとも一の学習コンテンツを前記提示手段に提示させる提示制御工程と、
を含むことを特徴とする学習コンテンツ提示方法。
【請求項12】
提示手段を備える電子機器のコンピュータを、
記憶対象に対するユーザの記憶度合を判定する判定手段、
前記判定手段によって判定された前記記憶度合に基づいて、前記記憶対象に係る複数の学習コンテンツのうち、少なくとも一の学習コンテンツを選択する選択手段、
前記選択手段によって選択された前記少なくとも一の学習コンテンツを提示手段に提示させる提示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、学習コンテンツ提示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学習者個別の忘却曲線を測定し、この忘却曲線に基づいて復習及び学習させることによって、学習者に学習課題を確実に記憶させる教育装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-278745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている教育装置では、復習の際に同じ問題が何度も提示されるだけであり、一つ一つの学習コンテンツを効率的に学習させるような工夫がなされていないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、学習コンテンツをユーザに効率的に学習させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子機器は、
記憶対象に対するユーザの記憶度合を判定する判定手段と、
前記判定手段によって判定された前記記憶度合に基づいて、前記記憶対象に係る複数の学習コンテンツのうち、少なくとも一の学習コンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記少なくとも一の学習コンテンツを提示手段に提示させる提示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、学習コンテンツをユーザに効率的に学習させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】学習コンテンツ提示システムを示すブロック図である。
図2】スマートウォッチの外観を示す図である。
図3】スマートウォッチの機能構成を示すブロック図である。
図4】記憶度合判定テーブルの例を示す図である。
図5】スマートフォンの機能構成を示すブロック図である。
図6】学習コンテンツ提示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図7】(a)は記憶度合「低」の表示用の学習コンテンツが表示部に表示された際の画面の例を示す図であり、(b)は記憶度合「低」の音声用の学習コンテンツが音声出力された際のイメージ図である。
図8】(a)は記憶度合「中」の表示用の学習コンテンツが表示部に表示された際の画面の例を示す図であり、(b)は記憶度合「中」の音声用の学習コンテンツが音声出力された際のイメージ図である。
図9】(a)は記憶度合「高」の表示用の学習コンテンツが表示部に表示された際の画面の例を示す図であり、(b)は記憶度合「高」の音声用の学習コンテンツが音声出力された際のイメージ図である。
図10】OKボタン及びNOボタンが表示部に表示された際の画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
<学習コンテンツ提示システム>
まず、図1を参照して、本実施の形態の学習コンテンツ提示システム1を説明する。図1は、本実施の形態の学習コンテンツ提示システム1を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、学習コンテンツ提示システム1は、スマートウォッチ10と、スマートフォン20と、を備えて構成される。
【0012】
スマートウォッチ10は、ユーザが腕に装着して使用するウェアラブル端末装置(電子機器)である。スマートウォッチ10には、英単語学習アプリ131(後述)がインストールされている。これにより、日常生活において何かをしながらであっても英単語の学習が可能となっている。なお、この英単語学習アプリ131は、後述のスマートフォン20にインストールされている英単語学習アプリ231と連携した使用が可能となっている。
【0013】
図2は、スマートウォッチ10の外観を示す図である。
図2に示すように、スマートウォッチ10は、腕時計型をしており、本体部10Aと、バンド10Bと、を備える。本体部10Aは、上面に表示部15を備える。また、本体部10Aは、右側側面に操作ボタン141を備える。バンド10Bは、本体部10Aをユーザの手首に固定するためのものである。
【0014】
スマートフォン20は、上記ユーザが携帯して使用する携帯端末装置である。スマートフォン20には、英単語学習アプリ231(後述)がインストールされている。これにより、英単語学習アプリ231を利用することによっても英単語の学習が可能となっている。なお、この英単語学習アプリ231は、上述したようにスマートウォッチ10にインストールされている英単語学習アプリ131と連携した使用が可能となっている。
【0015】
<スマートウォッチの構成>
次に、スマートウォッチ10の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、スマートウォッチ10の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図3に示すように、スマートウォッチ10の本体部10Aは、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16と、計時部17と、センサ部18と、音声出力部19と、を備えている。本体部10Aは、各部がバスB1を介して接続されている。
【0017】
CPU(判定手段、選択手段、提示制御手段、推定手段、受付手段、更新手段)11は、本体部10Aの各部を制御するプロセッサである。CPU11は、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出してRAM12に展開し、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
【0018】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0019】
記憶部13は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等により構成される。記憶部13には、CPU11で実行されるシステムプログラムやアプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
【0020】
本実施形態では、上記アプリケーションプログラムの一つとして英単語学習アプリ131が記憶部13に記憶されている。また、英単語学習アプリ131の実行に必要なデータとしてコンテンツデータ132及び記憶度合判定テーブル133が記憶部13に記憶されている。
【0021】
コンテンツデータ132には、各英単語(記憶対象)に係る学習コンテンツが格納されている。学習コンテンツは、英単語ごとに3種類の学習コンテンツが用意されており、ユーザの記憶度合「高」、「中」、「低」に適した一の学習コンテンツが選択されて提示されるようになっている。更に、各学習コンテンツは、表示部15に表示して使用する表示用の学習コンテンツと、音声出力部19より音声出力して使用する音声用の学習コンテンツと、が用意されている。つまり、一つの英単語につき、表示用の学習コンテンツが記憶度合「高」、「中」、「低」に対応した3種類、音声用の学習コンテンツが記憶度合「高」、「中」、「低」に対応した3種類の計6つの学習コンテンツが用意されている。
ここで、記憶度合とは、記憶保持の程度(記憶保持率)を示す指標であり、「高」、「中」、「低」の3段階で表している。なお、記憶度合は、「高」、「中」、「低」の3段階に限定されない。
【0022】
図4は、記憶度合判定テーブル133の例を示す図である。
図4に示すように、記憶度合判定テーブル133は、記憶度合「高」、「中」、「低」を判定する際の基準を定めたテーブルである。例えば、英単語“line”の記憶レベルが“1”又は“2”である場合、当該英単語の記憶度合は「低」と判定される。また、英単語“line”の記憶レベルが“3”又は“4”である場合、当該英単語の記憶度合は「中」と判定される。また、英単語“line”の記憶レベルが“5”又は“6”である場合、当該英単語の記憶度合は「高」と判定される。
【0023】
ここで、記憶レベルは、英単語ごとに設定されるレベルであり、後述の学習コンテンツ提示処理(図6参照)により、英単語の学習コンテンツが提示された際に、所定のユーザ操作(例えば、表示部15に表示されるOKボタンBT1(後述)の押下操作や、スマートウォッチ10を装着している腕を手前に傾けるジェスチャー操作)に基づいて、当該英単語を記憶したことを知らせる情報が入力されると、当該記憶レベルが1段階上がるようになっている。ただし、記憶レベルが既に“6”に到達している場合には、そのまま記憶レベル“6”が維持される。一方、所定のユーザ操作(例えば、表示部15に表示されるNOボタンBT2(後述)の押下操作や、スマートウォッチ10を装着している腕を奥に傾けるジェスチャー操作)に基づいて、当該英単語を記憶していないことを知らせる情報が入力されると、当該記憶レベルが1段階下がるようになっている。ただし、記憶レベルが“1”である場合には、そのまま記憶レベル“1”が維持される。なお、いずれの英単語も記憶レベル“1”から始まるように設定されている。
【0024】
スマートウォッチ10の機能構成の説明に戻り、操作部14は、上述の操作ボタン141(図2参照)や、表示部15上に設けられる図示しないタッチセンサ等を有して構成され、ユーザの入力操作を受け付けて、操作内容を電気信号に変換してCPU11に出力する。
【0025】
表示部(提示手段)15は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、CPU11からの表示制御信号に従って画面表示を行う。また、表示部15の表示画面上には上記タッチセンサが設けられており、タッチパネル方式の操作表示手段として機能する。
【0026】
通信部16は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)による近距離無線通信に係る通信規格に従って、スマートフォン20との間で無線データ通信を行う。
【0027】
計時部17は、例えば、タイマーや計時回路等を備えて構成され、現在の時刻等を計時し、計時された情報をCPU11に出力する。
【0028】
センサ部18は、3軸加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等のユーザの動き情報を検出可能なモーションセンサや、ユーザの位置情報を取得可能なGPS受信機などを備え、測定結果をCPU11に出力する。なお、センサ部18が測定した動き情報、及び位置情報を運動データと称す。本実施形態では、この運動データに基づいて、後述の行動パターンの推定や、ユーザのジェスチャー操作の判別を行うことが可能となっている。
【0029】
音声出力部(提示手段)19は、DAコンバーター、アンプ、スピーカー等により構成される。音声出力部19は、音声出力時に音声データをアナログ音声データに変換してスピーカーから出力する。
【0030】
<スマートフォンの構成>
次に、スマートフォン20の機能構成について、図5を参照して説明する。図5は、スマートフォン20の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
図5に示すように、スマートフォン20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26と、計時部27と、音声出力部28と、を備えている。スマートフォン20は、各部がバスB2を介して接続されている。
【0032】
CPU21は、スマートフォン20の各部を制御するプロセッサである。CPU21は、記憶部23に記憶されたプログラムを読み出してRAM22に展開し、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
【0033】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM22は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0034】
記憶部23は、フラッシュメモリ、EEPROM等により構成される。記憶部23には、CPU21で実行されるシステムプログラムやアプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
【0035】
本実施形態では、上記アプリケーションプログラムの一つとして英単語学習アプリ231が記憶部23に記憶されている。また、英単語学習アプリ231の実行に必要なデータとしてコンテンツデータ232及び記憶度合判定テーブル233が記憶部23に記憶されている。英単語学習アプリ231は、基本的にはスマートウォッチ10にインストールされている英単語学習アプリ131と同一の内容である。コンテンツデータ232には、コンテンツデータ132と互いに共通する英単語が記憶されている。また、コンテンツデータ232は、例えば、各英単語の表示用の学習コンテンツの情報量がスマートウォッチ10のものと比べて多くなっている。つまり、コンテンツデータ232には、スマートフォン20用の学習コンテンツが格納されており、コンテンツデータ132には、スマートウォッチ10用の学習コンテンツが格納されている。スマートフォン20の表示部25は、スマートウォッチ10の表示部15に比べて表示領域が広く、一度に多くの情報を表示できるためである。記憶度合判定テーブル233は、記憶度合判定テーブル133と同じ内容であるため説明は省略する。
【0036】
操作部24は、スマートフォン20の本体部に設けられる各種の操作ボタン(図示省略)や、表示部25上に設けられる図示しないタッチセンサ等を有して構成され、ユーザの入力操作を受け付けて、操作内容を電気信号に変換してCPU21に出力する。
【0037】
表示部25は、LCD等で構成され、CPU21からの表示制御信号に従って画面表示を行う。また、表示部25の表示画面上には上記タッチセンサが設けられており、タッチパネル方式の操作表示手段として機能する。
【0038】
通信部26は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)による近距離無線通信に係る通信規格に従って、スマートウォッチ10との間で無線データ通信を行う。
【0039】
計時部27は、例えば、タイマーや計時回路等を備えて構成され、現在の時刻を計時し時刻情報を取得してCPU21に出力する。
【0040】
音声出力部28は、DAコンバーター、アンプ、スピーカー等により構成される。音声出力部28は、音声出力時に音声データをアナログ音声データに変換してスピーカーから出力する。
【0041】
<スマートウォッチの動作>
次に、スマートウォッチ100の動作について、図6を参照して説明する。
図6は、学習コンテンツ提示処理の制御手順を示すフローチャートである。この学習コンテンツ提示処理は、操作部14を介したユーザ操作に基づいて、記憶部13に記憶されている英単語学習アプリ131が起動されたことを契機として開始されるようになっている。なお、以下では、英単語“line”を例に挙げ、この英単語“line”を対象とした学習コンテンツの提示手順について説明する。
【0042】
[学習コンテンツ提示処理]
図6に示すように、学習コンテンツ提示処理が開始されると、CPU11は、英単語“line”に係る学習コンテンツの提示タイミングであるか否かを判定する(ステップS1)。
【0043】
ここで、英単語“line”に係る学習コンテンツが未だ提示されたことがない場合には、予め指定されたタイミング、又は、当該学習コンテンツの提示を指示する操作がユーザによりなされたタイミングが上記提示タイミングとなる。一方、英単語“line”に係る学習コンテンツが既に提示されている場合には、エビングハウスの忘却曲線に基づいて、当該学習コンテンツが初めて提示された日から“1日後”、“2日後”、“1週間後”、“1か月後”、“2か月後”の各タイミングが上記提示タイミングとなる。なお、2か月後以降は、“3か月後”、“4か月後”といったように1か月ごとに提示タイミングが訪れるようになっている。
【0044】
ステップS1において、英単語“line”に係る学習コンテンツの提示タイミングであると判定された場合(ステップS1;YES)、CPU11は、記憶度合判定テーブル133を参照して、英単語“line”の記憶度合を判定する(ステップS2)。ここで、各英単語の記憶レベルは、ユーザと紐付けて記憶部13に記憶されているものとする。
【0045】
次いで、ステップS2における記憶度合の判定結果が「低」であった場合(ステップS3;「低」)、CPU11は、記憶度合「低」の学習コンテンツ(図7(a)及び図7(b)参照)を選択する(ステップS4)。そして、CPU11は、処理をステップS7に進める。
【0046】
また、ステップS2における記憶度合の判定結果が「中」であった場合(ステップS3;「中」)、CPU11は、記憶度合「中」の学習コンテンツ(図8(a)及び図8(b)参照)を選択する(ステップS5)。そして、CPU11は、処理をステップS7に進める。
【0047】
また、ステップS2における記憶度合の判定結果が「高」であった場合(ステップS3;「高」)、CPU11は、記憶度合「高」の学習コンテンツ(図9(a)及び図9(b)参照)を選択する(ステップS6)。そして、CPU11は、処理をステップS7に進める。
【0048】
次いで、CPU11は、センサ部18より出力された運動データに基づいて、ユーザの行動パターンを推定する(ステップS7)。なお、行動パターンの推定に関しては公知の技術を用いて行っているため、その説明は省略する。
【0049】
次いで、CPU11は、ステップS7で推定されたユーザの行動パターンに基づいて、当該ユーザが表示部15を視認可能な状態にあるか否かを判定する(ステップS8)。
【0050】
ここで、ステップS7で推定され得る各行動パターンは、表示部15を視認しても問題ない第1の行動パターン群に属するか、表示部15の視認が推奨されない第2の行動パターン群に属するかが予め設定されているものとする。例えば、勉強中や電車移動中等の行動パターンは、上記の第1の行動パターン群に属するとの設定がなされている。一方、歩行中や自動車の運転中等の行動パターンは、上記の第2の行動パターン群に属するとの設定がなされている。つまり、第2の行動パターン群は、ユーザにとって第1の行動パターン群よりも表示部15の視認がしづらい行動パターン群である。これにより、ステップS7で推定されたユーザの行動パターンが勉強中や電車移動中であった場合、当該ユーザが表示部15を視認可能な状態にあると判定されることとなる。一方、ステップS7で推定されたユーザの行動パターンが歩行中や自動車の運転中であった場合、当該ユーザが表示部15を視認可能な状態にないと判定されることとなる。
【0051】
ステップS8において、ユーザが表示部15を視認可能な状態にあると判定された場合(ステップS8;YES)、CPU11は、ステップS4~ステップS6のいずれかで選択された学習コンテンツのうち表示用の学習コンテンツを選択して表示部15に表示する(ステップS9)。そして、CPU11は、処理をステップS11に進める。なお、ステップS9で表示用の学習コンテンツを表示する際は、当該表示の直前に、表示が行われることを知らせる音声を音声出力部19から出力させたり、スマートウォッチ10が備えるバイブレーション機能によって本体部10Aを振動させたりすることが好ましい。
【0052】
具体的には、ステップS4で記憶度合「低」の学習コンテンツが選択されている場合、英単語“line”の発音記号と使用頻度の高い意味(例えば、“線、ひも、列”)とを表示する学習コンテンツ(基礎知識に関する学習コンテンツ)が選択され、図7(a)に示すように、当該学習コンテンツが表示部15に表示されるようになっている。また、ステップS5で記憶度合「中」の学習コンテンツが選択されている場合、英単語“line”を用いた熟語(例えば、“line with …”)と当該熟語の意味(例えば、“・・・で満たす”)を表示する学習コンテンツ(関連知識に関する学習コンテンツ)が選択され、図8(a)に示すように、当該学習コンテンツが表示部15に表示されるようになっている。また、ステップS6で記憶度合「高」の学習コンテンツが選択されている場合、英単語“line”を用いた例文(例えば、“The lines of his face are good.”)と当該例文の訳(例えば、“彼の輪郭は整っている。”)を表示する学習コンテンツ(応用知識に関する学習コンテンツ)が選択され、図9(a)に示すように、当該学習コンテンツが表示部15に表示されるようになっている。ここで、図7(a)、図8(a)、図9(a)で示したように、基礎知識に関する学習コンテンツ、関連知識に関する学習コンテンツ、応用知識に関する学習コンテンツは、いずれも表示部15の表示領域に収まる情報量となっている。つまり、これらの学習コンテンツは、いずれも、操作部14を介してスクロール操作等を行うことなく、一度に内容を把握できるようになっている。
【0053】
また、ステップS8において、ユーザが表示部15を視認可能な状態にないと判定された場合(ステップS8;NO)、CPU11は、ステップS4~ステップS6のいずれかで選択された学習コンテンツのうち音声用の学習コンテンツを選択して音声出力部19から出力する(ステップS10)。そして、CPU11は、処理をステップS11に進める。なお、ステップS10で音声用の学習コンテンツを音声出力する際は、当該音声出力の直前に、音声出力が行われることを知らせる音声を音声出力部19から出力させたり、スマートウォッチ10が備えるバイブレーション機能によって本体部10Aを振動させたりすることが好ましい。
【0054】
具体的には、ステップS4で記憶度合「低」の学習コンテンツが選択されている場合、英単語“line”の発音と使用頻度の高い意味(例えば、“線、ひも、列”)を音声出力する学習コンテンツ(基礎知識に関する学習コンテンツ)が選択され、図7(b)に示すように、当該学習コンテンツが音声出力部19から出力されるようになっている。また、ステップS5で記憶度合「中」の学習コンテンツが選択されている場合、英単語“line”を用いた熟語(例えば、“line with …”や“line up”)と当該熟語の意味(例えば、“・・・で満たす”や“準備する、確保する”)を音声出力する学習コンテンツ(関連知識に関する学習コンテンツ)が選択され、図8(b)に示すように、当該学習コンテンツが音声出力部19から出力されるようになっている。上記のように、英単語“line”を用いた熟語と当該熟語の意味を音声出力する場合、これらを表示するときのような表示の制限がないため、英単語“line”を用いた複数(例えば、2つ)の熟語と当該複数の熟語の意味を音声出力可能となっている。また、ステップS6で記憶度合「高」の学習コンテンツが選択されている場合、英単語“line”を用いた例文(例えば、“The lines of his face are good.”や“Draw a line from A to B.”)と当該例文の訳(例えば、“彼の輪郭は整っている。”や“AからBまで線をひきなさい。”)を音声出力する学習コンテンツ(応用知識に関する学習コンテンツ)が選択され、図9(b)に示すように、当該学習コンテンツが音声出力部19から出力されるようになっている。上記のように、英単語“line”を用いた例文と当該例文の訳を音声出力する場合、これらを表示するときのような表示の制限がないため、英単語“line”を用いた複数(例えば、2つ)の例文と当該複数の例文の意味を音声出力可能となっている。なお、記憶度合「高」の音声出力する学習コンテンツにあっては、表示部15へ表示出力する学習コンテンツで使用された例文“The lines of his face are good.”に加えて、例文“Draw a line from A to B.”を音声出力するようにしているが、例文“The lines of his face are good.”の代わりに当該例文よりも長い例文(表示部15の表示領域に収まりきらない情報量の例文)を音声出力するようにしてもよい。
【0055】
次いで、CPU11は、英単語“line”を記憶したか否かを知らせる情報を取得する(ステップS11)。
【0056】
ここで、英単語“line”を記憶したか否かを知らせる情報の取得方法について説明する。本実施形態では、ステップS9で表示用の学習コンテンツが表示部15に表示された後、例えば、図10に示すように、英単語“line”を記憶したことを知らせるためのOKボタンBT1と、英単語“line”を記憶していないことを知らせるためのNOボタンBT2とが表示されるようになっている。このときに、OKボタンBT1の操作がなされると、英単語“line”を記憶したことを知らせる情報がCPU11に出力され、CPU11によって当該情報が取得されるようになっている。一方、NOボタンBT2の操作がなされると、英単語“line”を記憶していないことを知らせる情報がCPU11に出力され、CPU11によって当該情報が取得されるようになっている。また、ステップS10で音声用の学習コンテンツが音声出力部19より出力された場合には、ユーザによるジェスチャー操作を受け付け、例えば、スマートウォッチ10を装着している腕を手前に傾けるジェスチャー操作がなされたと判断されると、CPU11によって、英単語“line”を記憶したことを知らせる情報が取得される。一方、例えば、スマートウォッチ10を装着している腕を奥に傾けるジェスチャー操作がなされたと判断されると、CPU11によって、英単語“line”を記憶していないことを知らせる情報が取得される。なお、ステップS9で表示用の学習コンテンツが表示部15に表示された後に、上記のユーザによるジェスチャー操作を受け付けてもよい。
【0057】
次いで、CPU11は、ステップS11で取得された英単語“line”を記憶したか否かを知らせる情報に基づいて、当該英単語の記憶度合を更新する(ステップS12)。例えば、現在のユーザの記憶レベルが“1”(図4参照)である場合において、英単語“line”を記憶したことを知らせる情報が取得されると、記憶レベルが“2”に上がることとなる。かかる場合、記憶度合は「低」のままとなる。また、現在のユーザの記憶レベルが“2”である場合において、英単語“line”を記憶したことを知らせる情報が取得されると、記憶レベルが“3”に上がることとなる。かかる場合、記憶度合は「低」から「中」に更新される。また、例えば、現在のユーザの記憶レベルが“5”である場合において、英単語“line”を記憶していないことを知らせる情報が取得されると、記憶レベルが“4”に下がることとなる。かかる場合、記憶度合は「高」から「中」に更新される。
【0058】
次いで、CPU11は、操作部14を介して、英単語学習アプリ131を終了する操作がなされたか否かを判定する(ステップS13)。
【0059】
ステップS13において、英単語学習アプリ131を終了する操作がなされたと判定された場合(ステップS13;YES)、CPU11は、学習コンテンツ提示処理を終了する。
【0060】
また、ステップS13において、英単語学習アプリ131を終了する操作がなされていないと判定された場合(ステップS13;NO)、CPU11は、処理をステップS1に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0061】
また、ステップS1において、英単語“line”に係る学習コンテンツの提示タイミングではないと判定された場合(ステップS1;NO)、CPU11は、処理をステップS13に進め、それ以降の処理を行う。
【0062】
以上のように、本実施形態のスマートウォッチ10は、英単語(記憶対象)に係る学習コンテンツを提示する提示手段としての表示部15と音声出力部19を備える。また、スマートウォッチ10のCPU11は、英単語の記憶度合を判定し、当該英単語の記憶度合に応じて、当該英単語に係る複数の学習コンテンツのうち、少なくとも一の学習コンテンツを選択し、選択された当該学習コンテンツを表示部15又は音声出力部19に提示(表示又は音声出力)させる。
このため、スマートウォッチ10によれば、英単語の記憶度合に応じて、当該英単語に係る学習コンテンツの内容を選択して表示部15又は音声出力部19に当該英単語に係る学習コンテンツを提示させるので、学習コンテンツをユーザに効率的に学習させるようにすることができる。
【0063】
また、本実施形態のスマートウォッチ10のCPU11は、英単語の記憶度合を、「高」、「中」、「低」の3段階(複数段階)で判定し、英単語の記憶度合が「低」(第1段階)であると判定された場合、内容が基礎知識(上記英単語の意味に係る情報)である当該英単語に係る学習コンテンツを選択する。また、CPU11は、英単語の記憶度合が「中」(第2段階)であると判定された場合、内容が基礎知識に関連した関連知識(上記英単語を含む熟語に係る情報)である当該英単語に係る学習コンテンツを選択する。また、CPU11は、英単語の記憶度合が「高」(第3段階)であると判定された場合、内容が応用知識(上記英単語を含む例文に係る情報)である当該英単語に係る学習コンテンツを選択する。
このため、スマートウォッチ10によれば、英単語の記憶度合に見合った学習コンテンツが選択されるので、ユーザの実力に合わせて英単語を効率的に学習させることができる。
【0064】
また、本実施形態のスマートウォッチ10のCPU11は、センサ部18によって取得された運動データに基づいて、ユーザの行動パターンを推定し、推定された行動パターンに応じて、英単語に係る学習コンテンツの提示態様を選択し、選択された提示態様で表示部15又は音声出力部19に当該英単語に係る学習コンテンツを提示させる。
このため、スマートウォッチ10によれば、ユーザの行動パターンに応じた提示態様で英単語に係る学習コンテンツが提示されるので、ユーザの行動を妨げることなく英単語を円滑に学習させることができる。
【0065】
また、本実施形態のスマートウォッチ10のCPU11は、推定された行動パターンが自機器の表示部15を視認しても問題ない第1の行動パターン群に属する行動パターンである場合、英単語に係る学習コンテンツを表示出力することで提示する第1の提示態様を選択して表示部15に当該英単語に係る学習コンテンツを表示させる。また、CPU11は、推定された行動パターンが自機器の表示部15の視認が推奨されない第2の行動パターン群に属する行動パターンである場合、英単語に係る学習コンテンツを音声出力することで提示する第2の提示態様を選択して音声出力部19に当該英単語に係る学習コンテンツを出力させる。つまり、第2の行動パターン群は、ユーザにとって第1の行動パターン群よりも表示部15の視認がしづらい行動パターン群である。
このため、スマートウォッチ10によれば、ユーザが表示部15を視認しても問題ない場合には、表示部15に英単語に係る学習コンテンツを表示させ、当該英単語を学習させることができる。また、ユーザによる表示部15の視認が推奨されない場合には、音声出力部19に英単語に係る学習コンテンツを出力させ、当該英単語を学習させることができる。
この結果、ユーザの行動を妨げることなく英単語を円滑に学習させることができる。また、視覚を通じて英単語を学習できるとともに、聴覚を通じても当該英単語を学習することができるので、当該英単語の学習効果を高めることができる。
【0066】
また、本実施形態のスマートウォッチ10は、表示部15に表示される英単語に係る学習コンテンツが当該表示部15の表示領域に収まる情報量となっているので、操作部14を介してスクロール操作等を行うことなく、一度に内容を把握することができる。
このため、スマートウォッチ10によれば、ユーザの手を煩わせることなく英単語を簡便に学習させることができる。
【0067】
また、本実施形態のスマートウォッチ10のCPU11は、エビングハウスの忘却曲線に基づいて、所定の時間間隔で提示手段としての表示部15又は音声出力部19に英単語に係る学習コンテンツを提示させる。
このため、スマートウォッチ10によれば、所定の時間間隔で表示部15又は音声出力部19に英単語に係る学習コンテンツを提示させるので、ユーザに当該英単語を繰り返し学習させることができる。これにより、ユーザの英単語の記憶定着率を向上させることができる。
【0068】
また、本実施形態のスマートウォッチ10のCPU11は、英単語に係る学習コンテンツが提示された際に、所定のユーザ操作に基づいて、当該英単語を記憶したか否かに係る情報の入力を受け付け、当該英単語を記憶したか否かに係る情報に基づいて、当該英単語の記憶度合を更新する。
このため、スマートウォッチ10によれば、ユーザの申告のもとに英単語の記憶度合を更新するので、当該英単語の記憶度合の更新を適切に行うことができる。
【0069】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る走行指標表示装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、学習コンテンツ提示処理(図6参照)において、英単語の記憶度合に応じて、記憶度合が「低」である場合には、基礎知識に関する学習コンテンツが選択され、記憶度合が「中」である場合には、関連知識に関する学習コンテンツが選択され、記憶度合が「高」である場合には、応用知識に関する学習コンテンツが選択され、当該学習コンテンツが提示されるようになっているが、英単語の記憶度合に応じて、これらの学習コンテンツを提示する順番を選択し、ユーザによるタップ操作やジェスチャー操作を契機として、これらの学習コンテンツを上記の順番に従って順次提示するようにしてもよい。具体的には、記憶度合が「低」である英単語の場合、ユーザによるタップ操作やジェスチャー操作ごとに、基礎知識に関する学習コンテンツ⇒関連知識に関する学習コンテンツ⇒応用知識に関する学習コンテンツ⇒基礎知識に関する学習コンテンツとなるように切り替えて当該学習コンテンツを提示する。また、記憶度合が「中」である英単語の場合、ユーザによるタップ操作やジェスチャー操作ごとに、関連知識に関する学習コンテンツ⇒応用知識に関する学習コンテンツ⇒基礎知識に関する学習コンテンツ⇒関連知識に関する学習コンテンツとなるように切り替えて当該学習コンテンツを提示する。また、記憶度合が「高」である英単語の場合、ユーザによるタップ操作やジェスチャー操作ごとに、応用知識に関する学習コンテンツ⇒関連知識に関する学習コンテンツ⇒基礎知識に関する学習コンテンツ⇒応用知識に関する学習コンテンツとなるように切り替えて当該学習コンテンツを提示する。なお、記憶度合がある程度高い英単語の場合(例えば、記憶度合が「中」である英単語の場合)、関連知識に関する学習コンテンツ⇒応用知識に関する学習コンテンツ⇒関連知識に関する学習コンテンツのように各学習コンテンツを提示し、基礎知識に関する学習コンテンツについては提示しないようにしてもよい。これにより、限られた表示部しか持たない機器であっても、記憶度合いに応じて効率的に学習コンテンツをユーザに学習させることができる。
【0070】
また、上記実施形態では、スマートウォッチ10にインストールされている英単語学習アプリ131は、スマートフォン20にインストールされている英単語学習アプリ231と連携した使用が可能であると述べたが、例えば、スマートウォッチ10側とスマートフォン20側とで互いに英単語の記憶度合を自動連携させるようにしてもよい。また、例えば、スマートフォン20の表示部25に或る英単語に係る学習コンテンツが表示された場合、スマートウォッチ10の表示部15にも当該英単語に係る学習コンテンツを表示させるようにしてもよい。また、スマートフォン20側において、例えば、応用知識に関する学習コンテンツだけを提示するといった手動設定や、学習コンテンツの内容をカスタマイズする手動設定がなされた場合、スマートウォッチ10側にこれらの設定を反映させるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、英単語に係る学習コンテンツを例に挙げて説明したが、当該学習コンテンツは、英単語に限られない。例えば、仏単語や独単語、漢字、慣用句、ことわざ、四字熟語、歴史など他の学習コンテンツであってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、エビングハウスの忘却曲線に基づいて、学習コンテンツが初めて提示された日から“1日後”、“2日後”、“1週間後”、“1か月後”、“2か月後”等の各タイミングで当該学習コンテンツが提示されるようになっているが、学習コンテンツの提示タイミングは、上記のタイミングに限られない。また、例えば、或る英単語において記憶レベル“6”の状態が所定期間継続された場合、当該英単語については学習コンテンツの提示を打ち切るようにしてもよい。また、学習コンテンツの提示タイミングに到達したときに、ユーザがスマートウォッチ10を装着していないと判定された場合、学習コンテンツを提示せず、例えば、その後、ユーザがスマートウォッチ10を装着した段階で学習コンテンツを提示するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、記憶レベルは、英単語の学習コンテンツが提示された際に、所定のユーザ操作に基づいて、当該英単語を記憶したことを知らせる情報が入力されると、当該記憶レベルが1段階上がるようになっているが、例えば、過去の学習履歴から記憶力が優れていると判定されたユーザについては、上記の情報が入力されると、記憶レベルが2段階上がるようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、記憶レベルは、英単語の学習コンテンツが提示された際に、所定のユーザ操作に基づいて、当該英単語を記憶したことを知らせる情報が入力されると、当該記憶レベルが1段階上がるようになっているが、例えば、必ずしも所定のユーザ操作に基づいた英単語を記憶したことを知らせる情報の入力は必要とはせず、英単語の学習コンテンツの提示回数に応じて記憶レベルが1段階ずつ上がるような仕様であってもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、学習コンテンツ提示処理(図6参照)のステップS8において、ユーザが表示部15を視認可能な状態にないと判定された場合、ステップS4~ステップS6のいずれかで選択された学習コンテンツのうち音声用の学習コンテンツを選択して音声出力部19から出力する(ステップS10)ようになっているが、例えば、このときのユーザの行動パターンが“歩行中”の場合には音声レベルを大きくしたり、ユーザの行動パターンが“自動車の運転中”の場合には音声レベルを中くらいにしたりというように音声レベルを行動パターンに応じて自動調整できるようにしてもよい。また、ユーザの行動パターンが“歩行中”の場合であっても、当該ユーザの位置情報(運動データ)に基づいて、歩いている場所が歓楽街であると判定されたときは、音声レベルを大きくし、歩いている場所が住宅街であると判定されたときは、音声レベルを中くらいに自動調整できるようにしてもよい。また、上記の行動パターン等とは関係なく、ユーザのジェスチャー操作に基づいて、例えば、手首を外側に捻じった場合は、音声レベルを大きく、手首を内側に捻じった場合は、音声レベルを小さくというようにして音声レベルを調整できるようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、学習コンテンツ提示処理(図6参照)のステップS8において、ユーザが表示部15を視認可能な状態ではないと判定された場合、ステップS4~ステップS6のいずれかで選択された学習コンテンツのうち音声出力用の学習コンテンツを選択して音声出力部19から出力する(ステップS10)ようになっているが、かかる場合であっても、スマートウォッチ10を装着している腕を手前に傾ける等のユーザが表示部15を視認する動作がなされた場合には、表示用の学習コンテンツを表示部15に表示するようにしてもよい。これにより、状況に応じて適切な提示態様で学習コンテンツを提示できるようになる。
【0077】
また、上記実施形態では、学習コンテンツ提示処理(図6参照)のステップS8において、ユーザが表示部15を視認可能な状態にあると判定された場合、ステップS4~ステップS6のいずれかで選択された学習コンテンツのうち表示用の学習コンテンツを選択して表示部15に表示する(ステップS9)ようになっているが、かかる場合であっても表示部15を視認できない状況(例えば、重い荷物を両手で持って静止している状況など)にあるときは、ユーザによる所定のジェスチャー操作に基づいて、音声用の学習コンテンツを音声出力部19から出力するように切り替えられるようにしてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲をその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0079】
1 学習コンテンツ提示システム
10 スマートウォッチ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
131 英単語学習アプリ
132 コンテンツデータ
133 記憶度合判定テーブル
14 操作部
15 表示部
16 通信部
17 計時部
18 センサ部
19 音声出力部
20 スマートフォン
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
231 英単語学習アプリ
232 コンテンツデータ
233 記憶度合判定テーブル
24 操作部
25 表示部
26 通信部
27 計時部
28 音声出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10