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特開2024-87983印刷システム、課金システム、および印刷モードを設定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087983
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】印刷システム、課金システム、および印刷モードを設定する方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240625BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240625BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J29/00 Z
B41J2/175 119
B41J2/175 167
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202913
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】有賀 一志
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 誠
(72)【発明者】
【氏名】中野 修一
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA22
2C056EB20
2C056EB45
2C056EC64
2C056KC01
2C061AP01
2C061AQ05
2C061CL10
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN26
2C061HQ17
2C061HV14
2C061HV32
(57)【要約】
【課題】複数の種類のインクに対応した印刷装置の技術の提供。
【解決手段】内部にインクが収容され、外部にインクの種類の情報を含む識別情報が記載されたインク収容容器と、インク収容容器によってインクを供給される印刷装置であって、複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷モードを備える印刷装置と、識別情報を読み取る読取装置と、印刷装置および読取装置とネットワークによって接続されている管理サーバーであって、読取装置が読み取った識別情報を受け取り、識別情報に含まれるインクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を印刷装置に送信する管理サーバーと、を備え、印刷装置は、管理サーバーから受信した印刷モード情報に基づいて、印刷モードを設定する、印刷システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムであって、
内部にインクが収容され、外部に前記インクの種類の情報を含む識別情報が記載されたインク収容容器と、
前記インク収容容器によってインクを供給される印刷装置であって、複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷モードを備える印刷装置と、
前記識別情報を読み取る読取装置と、
前記印刷装置および前記読取装置とネットワークによって接続されている管理サーバーであって、前記読取装置が読み取った識別情報を受け取り、前記識別情報に含まれる前記インクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を前記印刷装置に送信する管理サーバーと、
を備え、
前記印刷装置は、前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づいて、印刷モードを設定する、印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記印刷装置は、前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づく印刷モードが、前記印刷装置において既に設定されている印刷モードと異なる場合に、
予め設定されている印刷モードから、異なる印刷モードに変更することができる、印刷システム。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷システムであって、
さらにユーザーからの指示を受け取る指示受部を備え、
前記指示受部は、
前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づく印刷モードが、既に設定されている印刷モードと異なる場合に、前記読取装置または前記印刷装置を介して前記ユーザーにその旨を通知し、
前記印刷装置は、
前記指示受部が前記ユーザーから設定の許可を受けた場合は、予め設定されている印刷モードから、異なる印刷モードに変更し、
前記指示受部が前記ユーザーから設定の不許可を受けた場合は、異なる印刷モードへ変更しない、印刷システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷システムであって、
前記識別情報は、前記インク収容容器を識別するためのシリアル番号と対応づけられている情報であって、前記インクが販売された場所の情報と、販売された前記インクの量の情報と、のうち一つ以上を含み、
前記管理サーバーは、前記識別情報を記憶する識別情報記憶部を備え、
ユーザーの要求に応じて前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報を前記ユーザーに提供することが可能な、印刷システム。
【請求項5】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記識別情報は、印刷装置の1以上の種類であって、容器に収容されているインクで印刷を行うことができる印刷装置の種類の情報を含んでおり、
前記管理サーバーは、前記印刷装置が、前記印刷装置の種類に含まれていないときに、前記印刷装置または前記読取装置に不可信号を送信し、
前記印刷装置または前記読取装置は、前記不可信号を受信したときに、ユーザーに前記印刷装置が前記印刷装置の種類に含まれていないことを通知する、印刷システム。
【請求項6】
請求項4に記載の印刷システムであって、
さらに、前記インクを販売する場所であるインク販売部を備え、
前記インク販売部は、前記インクの、前記ユーザーによって指定された量を、前記識別情報が記載されている前記インク収容容器に注入し、
前記インクの注入後に、前記注入された前記インクの量の情報を有する識別情報を、前記インク収容容器に新たに記載する、印刷システム。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記インク販売部は、
前記インク収容容器に前記インクを注入する前に、前記インク収容容器に記載された前記識別情報を読み取る販売読取部と、
前記販売読取部によって読み取られた前記識別情報を、ネットワークによる通信によって前記管理サーバーに送信する販売ネット部と、を備え、
前記販売ネット部は、前記ユーザーに前記インクを販売する前に、前記管理サーバーに前記インクの種類を表す信号を送信し、
前記管理サーバーは、前記販売されるインクが、前記インク収容容器に記載された前記識別情報に基づいて設定された印刷モードに対応していないときに、前記販売ネット部に不一致信号を送信し、
前記インク販売部は、前記販売ネット部が前記不一致信号を受信したときに、前記ユーザーに販売されるインクが前記設定された印刷モードに対応していないことを通知する、印刷システム。
【請求項8】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記インク販売部は、前記インク収容容器に、前記インクが満タンの状態となるように前記インクを注入し、
前記ユーザーによって支払われた代金分の前記インクの量の情報を含んだ前記識別情報を前記インク収容容器に記載し、
前記管理サーバーは、前記ユーザーによって支払われた代金分の前記インクの量を表すインク量信号を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記ユーザーによって支払われた代金分の前記インクの量の分だけ、印刷することが可能であり、
前記ユーザーによって支払われた代金分の前記インクの量が消費されたときに、印刷することが不可となり、前記ユーザーにインクの代金を支払うよう通知する、印刷システム。
【請求項9】
請求項6に記載の印刷システムを備える課金システムであって、
前記ユーザーが購入した前記インクの代金を前記ユーザーに請求する代金請求部を備え、
前記インク販売部は、ネットワークによる通信によって、前記注入したインクの量に対する代金の情報を表す信号である代金信号を前記管理サーバーに送信し、
前記管理サーバーは、前記代金を記憶して、予め定められた期間内における前記代金の累積の金額を出力し、
前記代金請求部は、前記管理サーバーが出力した金額を、前記ユーザーに請求する、課金システム。
【請求項10】
複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷モードを備える印刷装置の印刷モードを設定する方法であって、
内部にインクが収容され、外部に識別情報が記載されたインク収容容器の識別情報を読取装置によって読み取る工程と、
前記読取装置によって読み取られた前記識別情報に基づいて、管理サーバーが前記識別情報に含まれる前記インクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を、ネットワークを介して前記印刷装置に送信する工程と、
前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づいて、前記印刷装置が前記印刷モードを設定する工程と、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷システム、課金システム、および印刷モードを設定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、インクカートリッジに印刷されているQRコード(登録商標)に記憶された記憶情報によって、インクカートリッジが印刷装置において使用可能か否かを判定する印刷装置が開示されている。特許文献1の技術においては、ユーザーが携帯端末を用いて、QRコードを読み込むと、QRコードが表すインクカートリッジの情報がネットワークを通じてサーバーに送信される。サーバーは、インクカートリッジの情報に基づいて、記憶部に記憶された使用状況情報を参照して、インクカートリッジが印刷装置に装着された装着回数と、機械情報とを含む使用状況コードを生成し、携帯端末に送信する。携帯端末に送信された使用状況コードを、ユーザーが印刷装置に入力すると、印刷装置の判定手段が、回数情報と機械情報とに基づいて、インクカートリッジが使用可能か否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-179586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、水性インクや、顔料インクや、昇華転写用インク等の、それぞれのインクに対応したプリンターが存在する。ユーザーは、種々のインクの種類のうち、特定のインクを使用して印刷を行いたい場合、そのインクに対応したプリンターを購入する必要があり、コスト面や設置場所等において負担となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、印刷システムが提供される。この印刷システムは、内部にインクが収容され、外部に前記インクの種類の情報を含む識別情報が記載されたインク収容容器と、前記インク収容容器によってインクを供給される印刷装置であって、複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷モードを備える印刷装置と、前記識別情報を読み取る読取装置と、前記印刷装置および前記読取装置とネットワークによって接続されている管理サーバーであって、前記読取装置が読み取った識別情報を受け取り、前記識別情報に含まれる前記インクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を前記印刷装置に送信する管理サーバーと、を備え、前記印刷装置は、前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づいて、印刷モードを設定する。
【0006】
本開示の第2の形態によれば、上記第1の形態の印刷システムを備える課金システムが提供される。この課金システムは、前記ユーザーが購入した前記インクの代金を前記ユーザーに請求する代金請求部を備え、前記インク販売部は、ネットワークによる通信によって、前記注入したインクの量に対する代金の情報を表す信号である代金信号を前記管理サーバーに送信し、前記管理サーバーは、前記代金を記憶して、予め定められた期間内における前記代金の累積の金額を出力し、前記代金請求部は、前記管理サーバーが出力した金額を、前記ユーザーに請求する。
【0007】
本開示の第3の形態によれば、複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷モードを備える印刷装置の印刷モードを設定する方法が提供される。この方法は、内部にインクが収容され、外部に識別情報が記載されたインク収容容器の識別情報を読取装置によって読み取る工程と、前記読取装置によって読み取られた前記識別情報に基づいて、管理サーバーが前記識別情報に含まれる前記インクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を、ネットワークを介して前記印刷装置に送信する工程と、前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づいて、前記印刷装置が前記印刷モードを設定する工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の印刷システムの全体構成を示す説明図。
図2】印刷制御部と読取制御部と販売制御部と管理サーバーの構成を説明するブロック図。
図3】新品のインク収容容器の購入を説明する工程図。
図4】販売タッチパネルに印刷装置の機種が対応していないことが表示されている図。
図5】印刷装置の初期設定を説明する工程図。
図6】端末ディスプレイに印刷装置の機種が対応していないことが表示されている図。
図7】インクの追加の購入を説明する工程図。
図8】購入の確認が、販売タッチパネルに表示された図。
図9】代金分のインクの消費後の、代金の支払いを説明する工程図。
図10】印刷装置のディスプレイに追加の代金の支払いを求める表示がされている図。
図11】異なる印刷モードの設定の工程図。
図12】端末ディスプレイに、指示受部による通知が表示された図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A1.第1実施形態の構成:
図1は、第1実施形態の印刷システム1の全体構成を示す説明図である。印刷システム1は、後述する印刷装置10の印刷モードを設定する。印刷システム1は、印刷装置10と、インク収容容器20と、読取装置30と、インク販売部40と、管理サーバー50を備える。印刷装置10と、読取装置30と、管理サーバー50は、それぞれ互いにネットワークによって接続されている。インク販売部40と、管理サーバー50は、ネットワークによって接続されている。
【0010】
印刷装置10は、インク収容容器20によってインクを供給されて印刷を行う。印刷装置10は、複数のインクの種類に対応した、複数の印刷モードを備える。本実施形態においては、印刷装置10は、3つのインクの種類に対応した、3つの印刷モードを備える。3つのインクは、水性インクと、顔料インクと、昇華転写インクである。3つの印刷モードは、水性インクによって印刷装置10が印刷を行う水性インクモードMD1と、顔料インクを用いて印刷装置10が印刷を行う顔料インクモードMD2と、昇華転写インクを用いて印刷装置10が印刷を行う昇華転写インクモードMD3である。本実施形態において、印刷装置10の初期の設定時に、ユーザーによって1つの印刷モードが選択される。印刷装置10は、印刷モードに対応したファームウェアを管理サーバー50から自動でダウンロードする。印刷装置10は、ディスプレイ11とインクタンクと、印刷制御部12を備える。図1において、インクタンクと印刷制御部12の図示を省略している。
【0011】
ディスプレイ11は、印刷装置10に関する情報を表示する。本実施形態における印刷に関する情報とは、インクタンク内のインクの残量や、設定されている印刷モードの名称等である。本実施形態におけるディスプレイ11は、静電容量方式のタッチパネルである。インクタンクは、インクを収容する。インク収容容器20に収容されているインクが、ユーザーによってインクタンクの内部に注入されることにより、インクがインクタンクに補充される。インクタンクは、印刷装置10の、図示しない印刷ヘッドと連通している。
【0012】
図2は、印刷システム1の、印刷制御部12と、読取制御部33と、販売制御部45と、管理サーバー50の構成を説明するブロック図である。読取制御部33と、販売制御部45と、管理サーバー50については後述する。印刷制御部12は、プロセッサーであるCPUと、RAMと、ROMと、を備えている。CPUは、ROMに記憶されたコンピュータープログラムを、RAM上に展開することによって、種々の機能を実現する。本実施形態において、印刷制御部12のCPUは、印刷モード受信部121と、印刷モード設定部122と、支払済印刷部123と、印刷表示部124として機能する。
【0013】
印刷モード受信部121は、管理サーバー50から識別情報に含まれるインクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を受信する。印刷モード受信部121は、印刷モード設定部122に印刷モード情報を通知する。
【0014】
印刷モード設定部122は、印刷モード受信部121から通知された印刷モード情報に基づいて、印刷モードを設定する。図2において、本実施形態の印刷モードである水性インクモードMD1と、顔料インクモードMD2と、昇華転写インクモードMD3を表している。本実施形態において、印刷モード設定部122は、一度印刷モードを設定した後、印刷モード受信部121から異なる印刷モード情報を通知されても、異なる印刷モードを設定しない。
【0015】
支払済印刷部123は、ユーザーによって、後述するインク販売部40に対して支払われた代金分のインクの量を表すインク量信号を、管理サーバー50から受信する。支払済印刷部123は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の分だけ、印刷装置10に印刷させる。具体的には、支払済印刷部123は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の分だけ、印刷ヘッドに供給する。支払済印刷部123は、ユーザーによって支払われた代金分の量のインクが消費されたときに、印刷を不可とする。具体的には、支払済印刷部123は、印刷ヘッドに、インクを供給させないことで、印刷を不可とする。
【0016】
また、支払済印刷部123は、ユーザーから代金が支払われたことを示す信号を、後述する管理サーバー50の代金確認部510から受信した場合は、印刷装置10に、印刷を再開させる。支払済印刷部123は、予め定められた期間内に、代金が支払われたことを示す信号を受信しなかった場合は、印刷表示部124に信号を受信していないことを通知する。代金の支払いに関する支払済印刷部123の機能の詳細については後述する。
【0017】
印刷表示部124は、ディスプレイ11の表示を制御する。例えば、印刷表示部124は、インクタンク内のインクの残量や、設定されている印刷モードの名称等を、ディスプレイ11に表示させる。印刷表示部124は、印刷モード設定部122が印刷モードを設定した後、ディスプレイ11に、印刷モードの変更が不可であることを表示させる。
【0018】
また、印刷表示部124は、支払済印刷部123による通知に応答して、支払われた代金分のインクの量が消費されたことをディスプレイ11に表示させることで、ユーザーに、インクの代金を支払うように通知する。代金の支払いに関する印刷表示部124の機能の詳細については後述する。
【0019】
図1に示すインク収容容器20は、印刷装置10にインクを供給する。図1において、インク収容容器20が印刷装置10にインクを供給することを、実線の矢印にて表している。インク収容容器20は、内部に図示しないインクが収容される。インク収容容器20は、外部にインクの種類の情報を含む識別情報が記載されている。本実施形態において、識別情報として、QRコード(商標登録、以下同じ)が使用されている。識別情報は、インク収容容器20を識別するためのシリアル番号が記載されている。識別情報は、シリアル番号と対応づけられている情報を有している。シリアル番号と対応づけられている情報は、インクの種類の情報と、インクの量の情報と、インクが販売された場所であるインク販売部40の情報と、印刷装置の種類の情報である。印刷装置の種類の情報とは、印刷装置の1以上の種類であって、容器に収容されているインクで印刷を行うことできる装置の情報をいう。本実施形態においては、容器に収容されているインクとは、水性インクと、顔料インクと、昇華転写インクである。以降、印刷装置の種類のことを、「対応機種」、印刷装置の種類の情報のことを「対応機種情報」と表記する。
【0020】
読取装置30は、識別情報を読み取る。読取装置30は、読み取った識別情報を、管理サーバー50に送信する。本実施形態において、読取装置30として携帯端末が使用される。読取装置30は、撮像装置31と、端末ディスプレイ32と、読取制御部33と、を備えている。図1において、読取制御部33の図示を省略している。撮像装置31は、識別情報を撮像する。撮像装置31として、カメラが使用される。撮像装置31は、読取装置30に内蔵されている。撮像装置31は、撮像した識別情報を読取制御部33に送信する。端末ディスプレイ32は、静電容量方式のタッチパネルである。
【0021】
図2に示す読取制御部33は、プロセッサーであるCPUと、RAMと、ROMと、を備えている。CPUは、ROMに記憶されたコンピュータープログラムを、RAM上に展開することによって、種々の機能を実現する。本実施形態において、読取制御部33のCPUは、識別情報送信部331と、信号受信部332と、読取表示部333として機能する。
【0022】
識別情報送信部331は、読取装置30から受信した識別情報を、管理サーバー50に送信する。
【0023】
信号受信部332は、管理サーバー50から不可信号を受信し、読取表示部333に不可信号を受信したことを通知する。不可信号については後述する。
【0024】
読取表示部333は、端末ディスプレイ32の表示を制御する。本実施形態において、読取表示部333は、不可信号を受信したことを信号受信部332から通知されたときに、印刷装置10が対応機種に含まれていないことを、端末ディスプレイ32に表示させる。
【0025】
図1に示すインク販売部40は、インクを販売する。インク販売部40は、内部に、複数の種類のインクと、複数の種類のインクが収容された新品のインク収容容器20を収容する、自動販売機である。本実施形態において、インク販売部40は、ユーザーによって指定された量のインクを販売することができる。また、インク販売部40は、インクが収容された新品のインク収容容器20を販売する。ユーザーによって指定された量のインクを販売する場合、インク販売部40は、ユーザーが以前に購入したインク収容容器20に、インクを注入する。そして、インクの注入後に、注入したインクの量の情報を有する識別情報を、インク収容容器20に新たに記載する。
【0026】
インク販売部40は、インク収容容器20に注入したインクの代金以下の代金をユーザーから受け取ることが可能である。具体的には、インク販売部40は、インク収容容器20にユーザーの希望に応じた量のインクを注入した際に、ユーザーが支払いたい代金だけを受け取ることが可能である。代金の受け取りは、現金や、カード決済や、電子決済のいずれかにより行われる。インク販売部40は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の情報を含んだ識別情報を、インク収容容器20に記載する。
【0027】
インク販売部40は、販売タッチパネル41と、販売読取部42と、インク注入部43と、販売記載部44と、販売制御部45を備える。図1に示すように、販売読取部42と、インク注入部43と、販売記載部44は、インク販売部40の同一の部分において備えられている。また、図1において、販売制御部45の図示を省略している。販売タッチパネル41と、販売読取部42と、インク注入部43と、販売記載部44と、販売制御部45は、それぞれ互いに電気的に接続しており、互いに信号を送受信することが可能である。
【0028】
販売タッチパネル41は、ユーザーによって操作されることが可能な静電容量方式のタッチパネルである。販売タッチパネル41には、販売されるインクの種類や、印刷装置10の機種や、販売可能なインクの量等が表示される。
【0029】
販売読取部42は、ユーザーがインクを購入する前に、インク収容容器20の識別情報を読み取る。具体的には、販売読取部42は、ユーザーが以前に購入したインク収容容器20に、インク注入部43によってインクが注入される前に、インク収容容器20に記載された識別情報を読み取る。販売読取部42は、識別情報を、後述する販売ネット部451に送信する。本実施形態において、販売読取部42として、QRコードリーダーが使用される。
【0030】
インク注入部43は、ユーザーによって指定された量のインクを、インク収容容器20に注入する。インク注入部43は、図示しないタンクと、注入管を備える。タンクは、インクが収容される。注入管は、タンクと連通し、インク収容容器20にインクを注入する。
【0031】
販売記載部44は、ユーザーによって代金が支払われた後に、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の情報を含んだ識別情報を、インク収容容器20に記載する。
【0032】
図2に示すように、販売制御部45は、プロセッサーであるCPUと、RAMと、ROMと、を備えている。CPUは、ROMに記憶されたコンピュータープログラムを、RAM上に展開することによって、種々の機能を実現する。本実施形態において、販売制御部45のCPUは、販売ネット部451と、販売表示部452と、購入確認部453として機能する。
【0033】
販売ネット部451は、販売読取部42によって読み取られた識別情報を、ネットワークによる通信によって、管理サーバー50に送信する。販売ネット部451は、ユーザーにインクを販売する前に、管理サーバー50にインクの種類を表す信号であるインク種信号を送信する。販売ネット部451は、ユーザーによって販売タッチパネル41に入力された情報を、管理サーバー50に送信する。
【0034】
販売ネット部451は、管理サーバー50から、一致信号、または、不一致信号を受信する。一致信号は、販売されるインクが、インク収容容器20に記載された識別情報に基づいて設定された印刷モードに対応しているときに、管理サーバー50から販売ネット部451に送信される信号である。不一致信号は、販売されるインクが、インク収容容器20に記載された識別情報に基づいて設定された印刷モードに対応していないときに、管理サーバー50から販売ネット部451に送信される信号である。販売ネット部451は、一致信号を受信した場合、インク注入部43に、一致信号を受信したことを示す信号を送信する。販売ネット部451は、不一致信号を受信した場合、販売表示部452に、不一致信号を受信したことを通知する。
【0035】
また、販売ネット部451は、管理サーバー50から、許可信号または不可信号を受信する。許可信号は、印刷装置10が対応機種に含まれているときに、販売ネット部451が管理サーバー50から受信する信号である。不可信号は、印刷装置10が対応機種に含まれていないときに、販売ネット部451が管理サーバー50から受信する信号である。販売ネット部451は、許可信号または不可信号を受信したときに、許可信号または不可信号を受信したことを販売表示部452に通知する。
【0036】
販売表示部452は、販売タッチパネル41の表示を制御する。販売表示部452は、販売ネット部451から不一致信号を受信したという通知を受ける。販売表示部452は、不一致信号を受信したことを示す信号を受信したときに、ユーザーに販売されるインクが、既に設定された印刷モードに対応していないことを通知する。具体的には、販売表示部452は、ユーザーが選択したインクの種類が、インク収容容器20に記載された識別情報に含まれるインクの種類の情報と異なることを、販売タッチパネル41に表示させる。
【0037】
販売表示部452は、販売ネット部451から、許可信号を受信したという通知を受ける。販売表示部452は、許可信号を受信したという通知を受けたときに、販売タッチパネル41に、ユーザーがインク収容容器20の購入をするために押すボタンを表示させる。
【0038】
販売表示部452は、販売ネット部451から、不可信号を受信したという通知を受ける。販売表示部452は、不可信号を受信したという通知を受けたときに、ユーザーに対し、印刷装置10が対応機種に含まれていないことを通知する。具体的には、販売表示部452は、販売タッチパネル41に、ユーザーが選択したインクの種類に対し、印刷装置10の機種が対応していないことを表示させる。
【0039】
購入確認部453は、販売表示部452が販売ネット部451から不一致信号を受信したという通知を受けたときに、ユーザーに対しインク収容容器20を購入するか否かの確認を行う。具体的には、購入確認部453は、販売表示部452に、販売タッチパネル41に、新たなインク収容容器20を購入するか否かの選択肢を表示するように通知する。ユーザーによって新たなインク収容容器20を購入するという選択がされたときは、購入確認部453は、管理サーバー50の種類判別部505に、購入するという選択がされたことを示す信号を送信する。その後、種類判別部505から、印刷装置10が対応機種に含まれていることを示す信号を受信したときは、購入確認部453は、ユーザーにインク収容容器20を販売する。ユーザーによって新たなインク収容容器20を購入しないという選択がされたときは、購入確認部453は、ユーザーにインク収容容器20を販売しない。
【0040】
図2に示すように、管理サーバー50は、プロセッサーであるCPUと、RAMと、ROMと、を備えている。CPUは、ROMに記憶されたコンピュータープログラムを、RAM上に展開することによって、種々の機能を実現する。本実施形態において、CPUは、データ記憶部501と、識別情報受取部502と、印刷モード情報送信部503と、販売情報受取部504と、種類判別部505と、信号送信部506と、インク種判別部507と、インク量信号送信部508と、識別情報記憶部509と、代金確認部510として機能する。
【0041】
データ記憶部501は、インクの種類や、対応機種情報等、印刷装置10に関する種々のデータを記憶する。データ記憶部501は、メーカーによって最新のデータが更新される。
【0042】
識別情報受取部502は、ネットワークを通じて、読取装置30が読み取った識別情報を受け取る。また、識別情報受取部502は、インク販売部40の販売ネット部451から、識別情報を受け取る。識別情報受取部502は、受け取った識別情報を、種類判別部505に通知する。
【0043】
印刷モード情報送信部503は、ネットワークを介して、識別情報に含まれるインクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を、印刷装置10の印刷モード受信部121に送信する。
【0044】
販売情報受取部504は、インク販売部40の販売ネット部451から送信されたインク種信号と、ユーザーによってタッチパネルに入力された情報を受け取る。ここでいうタッチパネルに入力された情報とは、印刷装置10の機種の情報である。販売情報受取部504は、印刷装置10の機種の情報を、種類判別部505に通知する。販売情報受取部504は、インク種信号を、インク種判別部507に通知する。
【0045】
種類判別部505は、印刷装置10が、対応機種に含まれているか否かを判別する。種類判別部505は、印刷装置10が、対応機種に含まれている場合に、信号送信部506に、印刷装置10が、対応機種に含まれていることを通知する。種類判別部505は、印刷装置10が対応機種に含まれていないときに、信号送信部506に、印刷装置10が対応機種に含まれていないことを通知する。
【0046】
また、種類判別部505は、インク販売部40の購入確認部453から、購入するという選択がされたことを示す信号を受信した場合であって、印刷装置10が、対応機種に含まれている場合、印刷装置10が対応機種に含まれていることを示す信号を、購入確認部453に送信する。
【0047】
信号送信部506は、種類判別部505の通知に応じて、読取装置30またはインク販売部40の販売ネット部451に、信号を送信する。具体的には、信号送信部506は、印刷装置10が対応機種に含まれているという通知を受けた場合は、印刷モード情報送信部503にその旨を通知、またはインク販売部40に、許可信号を送信する。印刷装置10が対応機種に含まれていないという通知を受けた場合は、信号送信部506は、読取装置30またはインク販売部40の販売ネット部451に不可信号を送信する。読取装置30またはインク販売部40のいずれに送信するかについては、後述する。
【0048】
インク種判別部507は、販売情報受取部504から、インク種信号を受け取る。インク種判別部507は、ユーザーによるインクの追加の購入の際に、販売されるインクの種類が、インク収容容器20に記載された識別情報に基づいて設定された印刷モードに対応しているかを判別する。インク種判別部507は、インクの種類が印刷モードに対応しているときに、インク注入部43に一致信号を送信する。インク種判別部507は、インクの種類が印刷モードに対応していないときに、販売ネット部451に不一致信号を送信する。
【0049】
インク量信号送信部508は、識別情報受取部502が受け取った識別情報から、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量を表すインク量信号を生成する。インク量信号送信部508は、インク量信号を、印刷装置10の支払済印刷部123に送信する。
【0050】
識別情報記憶部509は、識別情報を記憶する。識別情報記憶部509は、ユーザーの要求に応じて、識別情報記憶部509が記憶する識別情報をユーザーに提供することが可能である。具体的には、メーカーがネットワーク上に準備したアプリケーションに、識別情報が送信される。そして、ユーザーが読取装置30を介してアクセスすることによって、識別情報がユーザーに提供される。管理サーバー50がインクに関する情報を管理しているため、ユーザーは自身でインクに関する情報を管理する必要がなく、ユーザーの利便性が向上する。
【0051】
代金確認部510は、ユーザーによって、不足分のインクの代金が支払われた場合に、代金が支払われたことを示す信号を、印刷装置10の支払済印刷部123に送信する。
【0052】
A2.第1実施形態の印刷システム1の動作:
A21.印刷モードの設定:
図3は、新品のインク収容容器20の購入を説明する工程図である。図3のステップS10において、ユーザーによってインク販売部40の販売タッチパネル41がタッチされることで、ユーザーが購入したいインクの種類が選択される。また、ユーザーにより、販売タッチパネル41がタッチされることで、ユーザーが使用する印刷装置10の機種が選択される。ステップS10においては、ユーザーに選択されたインクの種類を表す信号であるインク種信号と、印刷装置10の機種の情報が、インク販売部40の販売ネット部451から、管理サーバー50の販売情報受取部504に送信される。
【0053】
ステップS11において、管理サーバー50の種類判別部505によって、ユーザーが選択した印刷装置10の機種が、ユーザーが選択したインクの種類に対応しているか否かが判別される。つまり、印刷装置10が、対応機種に含まれているか否かが判別される。印刷装置10が、対応機種に含まれていない場合、処理はステップS12に移行する。印刷装置10が、対応機種に含まれている場合、処理はステップS14に移行する。
【0054】
ステップS12において、管理サーバー50の種類判別部505から、信号送信部506に、印刷装置10が対応機種に含まれていないことが通知される。上述したように、印刷装置10が対応機種に含まれていないということは、ユーザーが選択したインクの種類に対し、印刷装置10の機種が対応していないということである。言い換えると、ユーザーによって選択されたインクの種類に、印刷装置10の3つの印刷モードのいずれもが対応していないということである。ステップS12においては、管理サーバー50の信号送信部506からインク販売部40の販売ネット部451に、不可信号が送信される。次に、処理はステップS13に移行する。
【0055】
図4は、販売タッチパネル41に印刷装置10の機種が対応していないことが表示されている図である。図3のステップS13において、販売ネット部451が不可信号を受信する。不可信号を受信した販売ネット部451は、インク販売部40の販売表示部452に、不可信号を受信したことを通知する。図4に示すように、販売表示部452は、不可信号を受信したという通知を受けたときに、インク販売部40の販売タッチパネル41に、ユーザーが選択したインクの種類に対し、印刷装置10の機種が対応していないことを表示させる。その後、販売表示部452によって、販売タッチパネル41の表示が、初期状態に戻される。その後、処理は終了する。
【0056】
ステップS14において、種類判別部505から、信号送信部506に、印刷装置10が対応機種に含まれていることが通知される。そして、許可信号が、信号送信部506から、インク販売部40の販売ネット部451に送信される。販売ネット部451は、販売表示部452に、許可信号を受信したことを通知する。そして、販売表示部452が、販売タッチパネル41に、ユーザーがインク収容容器20の購入をするために押すボタンを表示させる。このようにして、インク販売部40が、ユーザーにインク収容容器20を販売する。インク収容容器20は、インク販売部40の内部の、図示しないインク収容容器20を保管する場所に保管されている。ユーザーによってボタンが押されることにより、ユーザーによって指定された種類のインクを収容する新品のインク収容容器20が、インク収容容器20が保管されている場所から、インク販売部40の取り出し口まで移動される。その後、インク収容容器20が、インク販売部40の取り出し口からユーザーによって取り出される。これにより、ユーザーは、目的のインク収容容器20を購入することができる。
【0057】
本実施形態において、ユーザーは、インクの購入前に、印刷装置10が対応機種に含まれていないことを知ることができる。つまり、ユーザーは、販売タッチパネル41において選択したインクの種類と、印刷装置10の機種のいずれかの入力が誤っていることに気づくことができる。このため、印刷装置10が対応していない種類のインクを、ユーザーが誤って購入することを防止することができる。
【0058】
なお、ユーザーは、インク販売部40以外の、インク収容容器20を販売する場所において、インク収容容器20を購入することが可能である。例えば、ユーザーは、家電量販店や、コンビニ等において、インク収容容器20を購入することが可能である。インク販売部40以外のインク収容容器20を販売する場所は、図3の処理を行わずに、ユーザーにインク収容容器20を販売する場所も含む。以降、そのような場所を「不対応販売所」と表記する。
【0059】
図5は、印刷装置10の初期設定を説明する工程図である。ステップS20において、予めメーカーによってネットワーク上に準備されたアプリケーションを介して、ユーザーが印刷装置10の情報を登録する。ここでいう印刷装置10の情報とは、印刷装置10のシリアルナンバーのことをいう。印刷装置10の情報は、印刷装置10のパッケージや説明書等に表示されているQRコードに記載されている。ユーザーは、読取装置30によって印刷装置10の情報を読み取り、アプリケーション上で印刷装置10の情報の登録を行う。登録された情報は、管理サーバー50に送信される。
【0060】
ステップS21において、ユーザーが、インク収容容器20に記載された識別情報を、読取装置30によって読み取る。読み取られた識別情報は、読取装置30の識別情報送信部331によって、管理サーバー50の識別情報受取部502に送信される。識別情報受取部502は、受け取った識別情報を、種類判別部505に通知する。
【0061】
ステップS22において、管理サーバー50の種類判別部505において、識別情報に含まれるインクの種類の情報と、印刷装置10の情報とが照らし合わされる。それにより、種類判別部505によって、印刷装置10が、対応機種に含まれているか否かが判断される。印刷装置10が、対応機種に含まれていない場合、処理はステップS23に移行する。印刷装置10が、対応機種に含まれている場合、処理はステップS24に移行する。
【0062】
図6は、端末ディスプレイ32に印刷装置10の機種が対応していないことが表示されている図である。図5のステップS23において、管理サーバー50の種類判別部505から、信号送信部506に、印刷装置10が、対応機種に含まれていないことが通知される。信号送信部506は、読取装置30の信号受信部332に、不可信号を送信する。信号受信部332は、不可信号を受信したときに、読取表示部333に不可信号を受信したことを通知する。読取表示部333は、印刷装置10が対応機種に含まれていないことを、端末ディスプレイ32に表示させる。その後、処理が終了する。これにより、印刷装置10が対応していない種類のインクを、ユーザーが誤って使用することを防止することができる。
【0063】
ステップS22と、図2のステップS11との違いについて説明する。図2のステップS11においては、インク販売部40にてユーザーによって選択された印刷装置10の機種と、ユーザーによって選択されたインクの種類とが、対応しているか否かの判別が行われる。仮に、図2のステップS11において、ユーザーが、誤ったインクの種類と、誤った印刷装置の機種と、を選択していた場合であって、選択された誤ったインク収容容器に、選択された誤った印刷装置の機種が対応している場合、処理がステップS12に移行してしまう。つまり、インクの種類と、印刷装置の機種との両方が誤っているが、偶然、印刷装置の機種がインクの種類に対応している場合、インク販売部40によってユーザーに通知されることなく、ユーザーが誤った種類のインクを購入することになる。また、ユーザーが、図3の処理を行わない不対応販売所でインク収容容器20を購入した場合、誤った種類のインクを購入する可能性がある。
【0064】
このような場合に、図5のステップS22において、印刷装置10が対応機種に含まれているか否かを判別することによって、誤った種類のインクがインクタンクに注入されることを防ぐことができる。
【0065】
ステップS24において、管理サーバー50の印刷モード情報送信部503が、信号送信部506から通知を受ける。そして、印刷モード情報送信部503によって、識別情報に含まれるインクの種類に対応する印刷モード情報が、印刷装置10の印刷モード受信部121に送信される。印刷モード受信部121から通知された印刷モード情報に基づいて、印刷装置10の印刷モード設定部122が、印刷モードを設定する。設定された印刷モードの名称が、印刷表示部124によって、印刷装置10のディスプレイ11に表示される。その後、処理は終了する。
【0066】
本実施形態において、ユーザーは、複数の印刷モードを備える1つの印刷装置10において、希望の印刷モードを設定することができる。このため、複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷装置10を購入する負担がなくなる。
【0067】
A22.インク販売部40におけるインクの追加購入の説明:
図7は、インクの追加の購入を説明する工程図である。ステップS30において、ユーザーによって、インク収容容器20がインク販売部40に持ち込まれる。そして、インク販売部40の販売読取部42によって、インク収容容器20の識別情報が読み込まれる。また、ステップS30において、ユーザーによって、購入したいインクの種類と、インクの量が販売タッチパネル41において選択される。
【0068】
ステップS31において、インク販売部40の販売ネット部451から管理サーバー50に対し、識別情報と、インクの種類を表す信号であるインク種信号が送信される。具体的には、管理サーバー50の識別情報受取部502が、識別情報を受信し、販売情報受取部504が、インク種信号を受信する。そして、販売情報受取部504から、インク種判別部507にインク種信号が通知される。
【0069】
ステップS32において、インク種判別部507によって、販売されるインクの種類が、インク収容容器20に記載された識別情報に基づいて設定された印刷モードに対応しているか否かが判別される。つまり、インク種判別部507によって、ユーザーが選択したインクの種類と、識別情報に含まれるインクの種類が一致しているか否かが判別される。インクの種類が一致していない場合は、処理はステップS33に移行する。インクの種類が一致している場合は、処理はステップS37に移行する。
【0070】
ステップS33において、管理サーバー50のインク種判別部507から、インク販売部40の販売ネット部451に、不一致信号が送信される。そして、インク販売部40の販売表示部452が、販売ネット部451から不一致信号を受信したという通知を受ける。販売表示部452は、インク販売部40の販売タッチパネル41上に、ユーザーが選択したインクの種類が、インク収容容器20に記載された識別情報に含まれるインクの種類の情報と異なることを表示させる。
【0071】
図8は、購入の確認が、販売タッチパネル41に表示された図である。ステップS34において、図8に示すように、インク販売部40の購入確認部453によって、ユーザーに対し新たなインク収容容器20を購入するか否かの確認が行われる。ユーザーによって新たなインク収容容器20を購入するという選択がされたときは、処理はステップS35に移行する。ユーザーによって新たなインク収容容器20を購入しないという選択がされたときは、処理は終了する。この場合、ユーザーが、印刷装置10が対応していないインクを購入することを、購入前に防止することができる。
【0072】
ステップS35においては、購入確認部453から種類判別部505に、購入するという選択がされたことを示す信号が送信される。異なる種類のインクに、印刷装置10の機種が対応しているか否かの判別が、種類判別部505によって行われる。ステップS35の処理は、図3のステップS11と同様の処理である。異なる種類のインクに、印刷装置10の機種が対応していない場合、処理は図3のステップS12に移行する。異なる種類のインクに、印刷装置10の機種が対応している場合、管理サーバー50の種類判別部505から、インク販売部40の購入確認部453に信号が送信され、処理はステップS36に移行する。
【0073】
ステップS36において、インク販売部40の購入確認部453によって、新品のインク収容容器20が販売される。ステップS33からステップS36の処理は、ユーザーが、設定した印刷モードに対応する種類のインクとは異なる種類のインクを購入したいと考えた場合に、異なる種類のインクを販売する選択肢を残したものである。また、後述する第3実施形態において、異なる印刷モードを設定する際に、ステップS33からステップS35の処理が実行されることで、ユーザーが異なる種類のインクを購入することができる。第3実施形態の処理については後述する。
【0074】
ステップS37において、一致信号が、管理サーバー50の販売ネット部451からインク販売部40のインク注入部43に送信される。そして、インク注入部43によって、インクの、ユーザーによって指定された量が、識別情報が記載されているインク収容容器20に注入される。なお、ユーザーによって、インク収容容器20の満タン以上のインクの量が選択された場合は、インクが満タンとなるように、インク収容容器20に注入される。
【0075】
ステップS38において、ユーザーによってインク販売部40に代金が支払われる。この際に、ユーザーは、注入されたインクの量に対応する料金以下の代金を支払うことができる。例えば、ユーザーが、インク収容容器20に、満タンとなるようにインクを注入した場合に、満タンの量に対応する代金よりも少ない代金を支払うことができる。なお、インク販売部40は、満タンの量に対応する料金よりも多い代金を受け取らない。
【0076】
ステップS39において、インク販売部40の販売記載部44によって、ステップS37においてインク収容容器20に注入されたインクの量の情報と、ステップS38においてユーザーによって支払われた代金分のインクの量の情報等を含んだ識別情報が、インク収容容器20に記載される。識別情報は、インク収容容器20に記載される前に、管理サーバー50の識別情報記憶部509に記憶される。この際に、インク収容容器20に記載されている、前の識別情報の上に、新たな識別情報が記載された紙が貼り付けられる。その後、処理は終了する。
【0077】
本実施形態において、ユーザーが既に購入しているインク収容容器20に、新たにインクを注入することができる。ユーザーはインク収容容器20の再利用が可能となる。以前購入した種類のインクと同じ種類のインクを購入する際に、新たなインク収容容器20を購入する態様と比較して、安価にインクを購入することができる。また、インクの量が管理サーバー50によって記憶されるため、ユーザーは自身でインクの量を管理する負担が低減する。
【0078】
A23.代金分のインクの消費後の、代金の支払いについての説明:
図9は、代金分のインクの消費後の、代金の支払いを説明する工程図である。まず、インクの消費前の工程について説明する。ステップS40において、図7のステップS39において記載された識別情報が、ユーザーによって読取装置30を用いて読み取られる。そして、読み取られた識別情報が、管理サーバー50の識別情報受取部502に送信される。次に、管理サーバー50のインク量信号送信部508から、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量を表すインク量信号が、印刷装置10の支払済印刷部123に送信される。支払済印刷部123は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の分だけ、印刷装置10に印刷させる。
【0079】
図10は、印刷装置10のディスプレイ11に追加の代金の支払いを求める表示がされている図である。図10において、ディスプレイ11のみ表している。ステップS41において、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量が消費される。そして、印刷装置10の支払済印刷部123によって、印刷装置10の印刷が不可とされる。このときに、図10に示すように、印刷表示部124によって、印刷装置10のディスプレイ11に、インクの代金が不足しているため、追加の代金を支払う旨が表示される。
【0080】
ステップS42において、印刷装置10の支払済印刷部123が、管理サーバー50の代金確認部510から、予め定められた期間内に、代金が支払われたことを示す信号を受信したかを確認する。ユーザーは、代金の支払いを、電子決済や、コンビニでの支払い等によって行うことができる。予め定められた期間内に、信号を受信していない場合は、処理は、ステップS43に移行する。本実施形態において、予め定められた期間は、30分である。予め定められた期間内に、代金が支払われた場合は、処理はステップS46に移行する。
【0081】
ステップS43において、支払済印刷部123によって、ステップS42の処理が実行された回数が、予め定められた回数以下であるかが判別される。本実施形態において、予め定められた回数は、3回である。予め定められた回数以下である場合は、処理はステップS44に移行する。予め定められた回数よりも多い場合は、処理はステップS45に移行する。
【0082】
ステップS44において、支払済印刷部123は、ステップS42の処理が実行された回数が、予め定められた回数以下であるということを、印刷表示部124に通知する。そして、印刷表示部124は、再度、ディスプレイ11に追加の代金を支払う旨の表示をさせる。その後、処理が再度ステップS42に移行する。ステップS45において、支払済印刷部123は、ステップS42の処理が実行された回数が、予め定められた回数よりも多いことを、印刷表示部124に通知する。印刷表示部124は、ディスプレイ11の表示を終了させ、印刷装置10を、ユーザーの代金支払いを待つ待機の状態とする。その後処理は終了する。
【0083】
ステップS46において、支払済印刷部123が、代金が支払われたことを示す信号を受信して、印刷装置10に、印刷を再開させる。その後、処理は終了する。
【0084】
本実施形態において、ユーザーは、満タンに注入されたインク、またはユーザーが指定したインクの量に対応する代金のうち、支払いたい代金を払うことができる。支払った代金の分のインクが消費されたときには、代金を支払うことで、印刷装置10を使用することが可能となる。
【0085】
B.第2実施形態:
第2実施形態においては、管理サーバー50が図2に示す累積金額出力部511Bを備え、さらに、図1に示す代金請求部60Bを備える課金システムである点で、第1実施形態と異なる。図1に、代金請求部60Bを破線の枠で囲って示し、図2において累積金額出力部511Bを、破線の枠で囲って表している。代金請求部60Bと、管理サーバー50は、ネットワークによって接続している。また、第2実施形態においては、第1実施形態と異なり、図7の処理においてユーザーが追加のインクを購入した際に、ユーザーに対し、代金の支払いが発生しない。その他の構成については第1実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0086】
まず、第2実施形態においては、図7のステップS30の処理において、ユーザーがアプリケーションに代金の支払い方法を登録していることが前提となる。本実施形態において、代金の支払い方法は、口座からの引き落としである。図7の処理の終了後、インク販売部40から、ネットワークによる通信によって、インク収容容器20に注入されたインクの量に対する代金の情報を表す信号である代金信号が、管理サーバー50のデータ記憶部501に送信される。データ記憶部501は、受信した代金信号に示される代金を記憶する。
【0087】
管理サーバー50の累積金額出力部511Bは、データ記憶部501から代金の情報を受け取ることによって、予め定められた期間内における代金の累積の金額を出力する。累積金額出力部511Bは、予め定められた期間の経過後、代金請求部60Bに、出力した金額を示す信号を送信する。本実施形態において、予め定められた期間は、一か月である。
【0088】
代金請求部60Bは、ユーザーが購入したインクの代金を、ユーザーに請求する。代金請求部60Bは、累積金額が出力した金額を、ユーザーに請求する。本実施形態においては、代金請求部60Bは、アプリケーションを通じて、ユーザーに代金を請求する。代金請求部60Bは、予め登録されているユーザーの口座から、代金を引き落とす。代金請求部60Bは、メーカーによって管理されているネットワーク上のサーバーである。
【0089】
第2実施形態において、ユーザーは、インクを購入する都度、代金を支払う手間を省くことができ、ユーザーの利便性が向上する。また、予め定められた期間内におけるユーザーの購入の金額を、管理サーバー50が管理することができる。
【0090】
C.第3実施形態:
C1.第3実施形態の構成:
第3実施形態は、印刷装置10が印刷モードを変更することが可能な点と、読取制御部33が図2に示す指示受部334Cを備える点と、管理サーバー50が設定信号受信部512Cを備える点で、上記実施形態と異なる。図2において、指示受部334Cと、設定信号受信部512Cを、一点鎖線の枠で囲っている。その他の構成は上記実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0091】
第3実施形態の管理サーバー50の印刷モード情報送信部503は、指示受部334Cに印刷モード情報を送信する。
【0092】
指示受部334Cは、ユーザーからの指示を受け取る。指示受部334Cは、ユーザーによって、メーカーのHPや、アプリケーションを介して事前にダウンロードされることで、読取制御部33内で機能する。ユーザーによって読取装置30に指示が入力されることで、指示受部334Cは指示を受け取ることができる。
【0093】
指示受部334Cは、識別情報記憶部509から、既に設定されている印刷モード情報を受け取る。指示受部334Cは、管理サーバー50の印刷モード情報送信部503から受信した印刷モード情報に基づく印刷モードが、既に設定されている印刷モードと異なる場合に、読取装置30を介してユーザーに通知を行う。指示受部334Cは、ユーザーから異なる印刷モードの設定の許可を受けた場合は、許可を受けたことを示す信号を管理サーバー50の設定信号受信部512Cに送信する。指示受部334Cは、ユーザーから異なる印刷モードの設定の不許可を受けた場合は、印刷モード設定部122に不許可を受けたことを示す信号を送信する。
【0094】
管理サーバー50の設定信号受信部512Cは、指示受部334Cから、許可を受けたことを示す信号を受信した場合に、印刷装置10の印刷モード受信部121に、既に設定されている印刷モードとは異なる印刷モード情報を送信する。
【0095】
第3実施形態の印刷装置10について説明する。上述したように、第1実施形態においては、印刷装置10の印刷モード設定部122は、一度印刷モードを設定した場合、その後、印刷モード受信部121から異なる印刷モード情報を通知されても、異なる印刷モードを設定しない。第3実施形態の印刷装置10は、管理サーバー50から受信した印刷モード情報に基づく印刷モードが、印刷装置10において既に設定されている印刷モードと異なる場合に、予め設定されている印刷モードから、異なる印刷モードに変更することができる。第3実施形態の印刷装置10の印刷モード設定部122は、印刷モード受信部121から通知された異なる印刷モード情報に基づいて、異なる印刷モードを設定する。
【0096】
なお、第3実施形態のインク収容容器20の識別情報は、印刷装置10が異なる印刷モードに変更することが可能であることの情報を含む。
【0097】
C2.異なる種類のインクの購入の説明:
ユーザーは、上述した図7のステップS34ないしステップS36の処理によって、異なる種類のインクを購入することが可能である。また、ユーザーは、不対応販売所において異なる種類のインクを購入することが可能である。
【0098】
図7のステップS30からステップS34の処理を経由してステップS36の処理が実行されることで、ユーザーは、使用していたインクの種類と異なる種類のインクを購入する前に、購入しようとしているインクの種類に、印刷装置10の機種が対応しているか否かを確認することができる。
【0099】
C3:異なる印刷モードの設定の説明:
図11は、異なる印刷モードの設定の工程図である。前提として、既に設定されている印刷モードは水性インクモードMD1である。図11のステップS50において、ユーザーが、インク収容容器20に記載された識別情報を、読取装置30を用いて読み取る。ここでいうインク収容容器20とは、以前に設定された印刷モードである水性インクモードMD1に対応するインクとは異なる種類のインクが収容されたインク収容容器20のことを指す。本実施形態においては、顔料インクが収容されている。読み取られた識別情報は、管理サーバー50の識別情報受取部502に送信される。
【0100】
図12は、端末ディスプレイ32に、指示受部334Cによる通知が表示された図である。ステップS51において、管理サーバー50の印刷モード情報送信部503によって、識別情報に含まれるインクの種類に対応する印刷モードである顔料インクモードMD2の情報である印刷モード情報が、読取装置30の指示受部334Cに送信される。
【0101】
ステップS52において、図12に示すように、指示受部334Cによって、印刷モードが、既に設定されている印刷モードと異なることの通知が、ユーザーに対して行われる。具体的には、読取表示部333によって、端末ディスプレイ32に、印刷モード情報に基づく印刷モードが、管理サーバー50に記憶されている印刷モードと異なることが表示される。また、図12に示すように、読取装置30の読取タッチパネル上に、設定の許可または設定の不許可の選択肢が表示される。
【0102】
ステップS53において、ユーザーによって、設定の許可または設定の不許可が選択される。ユーザーが設定の不許可を選択した場合は、処理はステップS54に移行する。ユーザーが設定の許可を選択した場合は、処理はステップS55に移行する。
【0103】
ステップS54において、印刷装置10によって、印刷モードへの変更が行われず、その後処理が終了する。また、印刷装置10によってインクボトルへの供給が不可とされる。例えばユーザーが印刷モードの変更を望んでいないにも関わらず、異なる種類のインクが収容された新しいインク収容容器20を誤って購入した場合、ステップS53において設定の許可または不許可の確認が行われることで、ユーザーの意に反した印刷モードの変更を防止することができる。
【0104】
ステップS55においては、指示受部334Cから、管理サーバー50の設定信号受信部512Cに、設定の許可が選択されたことを示す信号が送信される。設定信号受信部512Cは、異なるインクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を、印刷装置10の印刷モード受信部121に送信する。
【0105】
ステップS56において、印刷装置10の印刷モード設定部122が、既に設定されている印刷モードとは異なる印刷モードを設定する。
【0106】
本実施形態において、印刷装置10を、既に設定されている印刷モードから、異なる印刷モードに切り替えて使用することができる。ユーザーは、印刷装置10を、複数の印刷モードに切り替えて使用することができる。一方、ユーザーが予め設定されている印刷モードから異なる印刷モードに変更したい場合は、ユーザーが設定の許可を行うことで、異なる印刷モードに変更することができる。
【0107】
D.他の実施形態:
D1:他の実施形態1:
(1)上記実施形態において、印刷装置10は、3つのインクの種類に対応した、3つの印刷モードを備える。なお、印刷装置は、例えばUV硬化インクに対応した、4つめの印刷モードを備えていてもよい。また、印刷装置は、水性インクと、顔料インクに対応した、2つの印刷モードを備えていてもよい。
【0108】
(2)上記実施形態において、読取装置30は、携帯端末である。読取装置は、例えばQRコードリーダーであってもよい。また、印刷装置に、読取装置が内蔵されていてもよい。
【0109】
(3)上記実施形態において、ディスプレイ11は、静電容量方式のタッチパネルである。なおディスプレイは、例えば赤外線方式や、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0110】
(4)上記実施形態において、識別情報として、QRコード(商標登録)が使用されている。なお、識別情報として、例えば一元のバーコードが使用されてもよい。
【0111】
(5)上記実施形態において、端末ディスプレイ32は、静電容量方式のタッチパネルである。なお端末ディスプレイは、例えば赤外線方式や、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0112】
(6)上記実施形態において、図3のステップS10において、ユーザーによって、インク販売部40の販売タッチパネル41がタッチされることで、ユーザーが購入したいインクの種類と、ユーザーが使用する印刷装置10の機種が選択される。なお、例えば、ステップS10の前に、ユーザーがアプリケーションに印刷装置の情報を登録し、アプリケーションによって発行されたQRコードに、ユーザーが使用する印刷装置の機種と、印刷装置が対応する複数のインクの種類が記載されていてもよい。端末ディスプレイに表示されたQRコードをインク販売部が読み込んで、複数のインクの種類のうち、いずれのインクを購入するかの選択肢を、販売タッチパネルに表示させてもよい。ユーザーは、販売タッチパネルに表示された複数のインクの種類のうち、1つを選ぶことができる。この場合は、印刷システムによってステップS11の処理は実行されない。
【0113】
(7)上記実施形態において、ユーザーが印刷装置10の初期設定を行う際に、印刷装置10のパッケージや説明書等に表示されているQRコードをユーザーが読取装置30によって読み取ることで、印刷装置10の情報の登録を行う。なお、例えば印刷装置のパッケージや説明書等に表示されているシリアルナンバーを、ユーザーがアプリケーションに対して入力することで、印刷装置の情報の登録が行われてもよい。また、例えば読取装置が印刷装置に内蔵されている態様において、印刷装置の情報の登録がされなくてもよい。
【0114】
(8)上記実施形態において、図7のステップS30において、ユーザーによってインクの追加の購入が行われる際に、インク販売部40の販売読取部42によって、インク収容容器20の識別情報が読み込まれる。この際に、識別情報が読み取られた時点で、インクの種類が確定してもよい。この場合、ユーザーはインク収容容器の識別情報に記載された種類のインクを購入することができる。
【0115】
D2:他の実施形態2:
上記第3実施形態において、印刷装置10が、印刷モードを、水性インクモードMD1から顔料インクモードMD2に変更している。なお、印刷装置は、例えば水性インクモードから顔料インクモードへの変更は可能とし、水性インクモードから昇華転写インクモードへの変更は不可とすることができる。
【0116】
D3:他の実施形態3:
(1)上記第3実施形態において、読取制御部33が、指示受部334Cを備える。なお、例えば印刷装置に読取装置が内蔵されている態様において、印刷装置が指示受部を備えていてもよい。また、例えば読取装置と印刷装置とは別の装置において、指示受部が備えられていてもよい。また、印刷システムが、指示受部を備えていなくてもよい。
【0117】
例えば印刷システムが指示受部を備えていない態様において、図11のステップS51からステップS53の処理が実行されなくてもよい。この場合、設定の許可または不許可の選択がユーザーによって行われることなく、印刷装置によって既に設定された印刷モードとは異なる印刷モードが設定される。
【0118】
D4:他の実施形態4:
(1)上記実施形態において、識別情報は、インクの種類の情報と、インクの量の情報と、インクが販売された場所であるインク販売部40の情報と、印刷装置10の種類の情報を含む。インク販売部の情報を含んでいることで、メーカーは、インク収容容器が販売された場所の情報を得ることができる。なお、識別情報は、例えばインクの種類の情報のみを含んでいてもよい。また、例えばインク販売部によって販売されたインク収容容器を、別の場所で購入したユーザーにとっては、識別情報にインク販売部の情報が含まれていることについて、不利益はない。
【0119】
(2)上記実施形態において、管理サーバー50は、識別情報記憶部509を備えていた。なお、例えばユーザーに対し、管理サーバーが識別情報を提供しない態様において、管理サーバーは、識別情報記憶部を備えていなくてもよい。
【0120】
D5:他の実施形態5:
(1)上記実施形態において、管理サーバー50は、印刷装置10が印刷装置10の種類に含まれていないときに、読取装置30に不可信号を送信していた。なお、読取装置が印刷装置に内蔵されている態様において、管理サーバーは、印刷装置が印刷装置の種類に含まれていないときに、印刷装置に不可信号を送信してもよい。この態様において、印刷装置は、不可信号を受信したときに、ユーザーに印刷装置が印刷装置の種類に含まれていないことを通知する。また、管理サーバーは、印刷装置が印刷装置の種類に含まれていないときに、印刷装置または読取装置に不可信号を送信しなくてもよい。
【0121】
(2)上記実施形態において、図3のステップS11の処理と図5のステップS22の処理において、管理サーバー50の種類判別部505によって、印刷装置10が対応機種に含まれているかの判別が行われていた。なお、ステップS11の処理とステップS22の処理は行われなくてもよい。また、ステップS11とステップS22のどちらか一方の処理において、印刷装置が対応機種に含まれているかの判別が行われてもよい。
【0122】
D6:他の実施形態6:
(1)上記実施形態において、印刷システム1は、インク販売部40を備えていた。なお、印刷システムは、インク販売部を備えていなくてもよい。また、インク販売部40は、インクの、ユーザーによって指定された量を、インク収容容器20に注入していた。インク販売部は、インク収容容器に、満タンとなるようにインクを注入してもよい。
【0123】
(2)上記実施形態において、インク販売部40は、インク収容容器20へのインクの注入後に、注入されたインクの量の情報を有する識別情報を、インク収容容器20に新たに記載していた。なお、インクの注入後に記載される識別情報は、インクの量の情報を有していなくてもよい。
【0124】
(3)上記実施形態において、インク販売部40は、内部に、複数の種類のインクと、複数の種類のインクが収容された新品のインク収容容器20を収容する、自動販売機である。なお、例えばインク販売部は、内部に、複数の種類のインクを収容する自動販売機であってもよい。また、インク販売部は、内部に、新品のインク収容容器を収容する自動販売機であってもよい。インク販売部は、例えば店員によってインクが販売される場所であってもよい。
【0125】
(4)上記実施形態において、図7のステップS30において、ユーザーによって、購入したいインクの種類と、インクの量が販売タッチパネル41において選択される。なお、例えば販売読取部によってインク収容容器の識別情報が読み込まれた時点で、既に設定された印刷モードに対応するインクが、インク販売部によって販売されてもよい。この場合、ユーザーによってインクの量が選択された後、ステップS31とステップS32の処理が実行されず、ステップS37の処理に移行する。
【0126】
D7:他の実施形態7:
(1)上記実施形態において、インク販売部40は、販売読取部42を備えていた。なお、例えばインク販売部がインクをインク収容容器に注入しない態様において、インク販売部は、販売読取部を備えていなくてもよい。
【0127】
(2)上記実施形態において、インク販売部40は、販売ネット部451を備えていた。なお、例えばインク販売部がインクをインク収容容器に注入しない態様において、インク販売部は、販売ネット部を備えていなくてもよい。インク販売部は、インクの種類を表す信号を、管理サーバーに送信しなくてもよい。
【0128】
(3)上記実施形態において、管理サーバー50は、販売されるインクが、インク収容容器20に記載された識別情報に基づいて設定された印刷モードに対応していないときに、販売ネット部451に不一致信号を送信していた。なお、例えばインク販売部がインクをインク収容容器に注入しない態様において、管理サーバーは、販売ネット部に不一致信号を送信しなくてもよい。
【0129】
(4)上記実施形態において、図7のステップS30において、販売読取部42によってインク収容容器20の識別情報が読み取られる。なお、例えばステップS30において、販売読取部によってインク収容容器の識別情報が読み取られず、ユーザーによってインクの種類と量の選択がされる態様において、ステップS31とステップS32の処理が実行されず、処理がステップS37に移行してもよい。
【0130】
D8:他の実施形態8:
(1)上記実施形態において、インク販売部40は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の情報を含んだ識別情報をインク収容容器20に記載している。なお、例えば識別情報は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の情報を含んでいなくてもよい。
【0131】
(2)例えばインク販売部から、管理サーバーに、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の情報が送信されてもよい。そして、管理サーバーからインク量信号を受信した印刷装置が、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の分だけ印刷することが可能であってもよい。
【0132】
(3)上記実施形態において、印刷装置10は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量の分だけ、印刷することが可能であった。なお、例えばインク販売部がインクをインク収容容器に注入しない態様において、印刷装置は、インクタンク内のインクがなくなるまで、印刷してもよい。
【0133】
(4)上記実施形態において、印刷装置10は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量が消費されたときに、ユーザーにインクの代金を支払うよう通知する。なお、印刷装置は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量が消費されたときに、ユーザーにインクの代金を支払うように通知しなくてもよい。また、印刷装置は、ユーザーによって支払われた代金分のインクの量が消費される前に、ユーザーにインクの代金を支払うよう通知してもよい。
【0134】
(5)上記実施形態において、印刷装置10は、ディスプレイ11に表示することで、ユーザーにインクの代金を支払うように通知していた。なお、印刷装置は、例えばディスプレイによる表示に加え、音声によって、ユーザーにインクの代金を支払うように通知してもよい。
【0135】
(6)上記実施形態において、図9のステップS42において、印刷装置10の支払済印刷部123が、管理サーバー50の代金確認部510から、予め定められた期間内に、代金が支払われたことを示す信号を受信したかを確認する。なお、例えばステップS42以降の処理が実行されずに、処理が終了してもよい。
【0136】
(7)上記実施形態において、図9のステップS42において、予め定められた期間である30分以内に、信号を受信していない場合は、処理は、ステップS43に移行する。なお、予め定められた期間は、15分や1時間等、30分以外の期間であってもよい。
【0137】
(8)上記実施形態において、図9のステップS43において、支払済印刷部123によって、ステップS42の処理が実行された回数が、予め定められた回数である3回以下であるかが判別される。なお、予め定められた回数は、1回や5回等、3回以外の回数であってもよい。
【0138】
D9:他の実施形態9:
(1)上記第2実施形態において、予め定められた期間は、一か月である。なお、予め定められた期間は、半年や一年等、一か月以外の期間であってもよい。
【0139】
(2)上記第2実施形態において、代金の支払い方法は、口座からの引き落としであり、代金請求部60Bは、予め登録されているユーザーの口座から、代金を引き落とす。なお、例えばユーザーが電子決済を利用して代金を支払ってもよい。
【0140】
E.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0141】
(1)本開示の一形態によれば、印刷システムが提供される。この印刷システムは、内部にインクが収容され、外部に前記インクの種類の情報を含む識別情報が記載されたインク収容容器と、前記インク収容容器によってインクを供給される印刷装置であって、複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷モードを備える印刷装置と、前記識別情報を読み取る読取装置と、前記印刷装置および前記読取装置とネットワークによって接続されている管理サーバーであって、前記読取装置が読み取った識別情報を受け取り、前記識別情報に含まれる前記インクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を前記印刷装置に送信する管理サーバーと、を備え、前記印刷装置は、前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づいて、印刷モードを設定する。
この形態の印刷システムによれば、ユーザーは、複数の印刷モードを備える1つの印刷装置において、希望の印刷モードを設定することができる。このため、複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷装置を購入する負担がなくなる。
【0142】
(2)上記形態の印刷システムにおいて、前記印刷装置は、前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づく印刷モードが、前記印刷装置において既に設定されている印刷モードと異なる場合に、予め設定されている印刷モードから、異なる印刷モードに変更することができてもよい。
この形態の印刷システムによれば、ユーザーは、印刷装置を、複数の印刷モードに切り替えて使用することができる。
【0143】
(3)上記形態の印刷システムにおいて、さらにユーザーからの指示を受け取る指示受部を備え、前記指示受部は、前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づく印刷モードが、既に設定されている印刷モードと異なる場合に、前記読取装置または前記印刷装置を介して前記ユーザーにその旨を通知し、前記印刷装置は、前記指示受部が前記ユーザーから設定の許可を受けた場合は、予め設定されている印刷モードから、異なる印刷モードに変更し、前記指示受部が前記ユーザーから設定の不許可を受けた場合は、異なる印刷モードへ変更しなくてもよい。
この形態の印刷システムによれば、ユーザーが予め設定されている印刷モードから異なる印刷モードに変更したい場合は、ユーザーが設定の許可を行うことで、異なる印刷モードに変更することができる。一方、ユーザーが予め設定されている印刷モードに対応するインクと異なるインクを誤って購入した場合に、設定の不許可を行うことで、異なる印刷モードに変更されるのを防止することができる。
【0144】
(4)上記形態の印刷システムにおいて、前記識別情報は、前記インク収容容器を識別するためのシリアル番号と対応づけられている情報であって、前記インクが販売された場所の情報と、販売された前記インクの量の情報と、のうち一つ以上を含み、前記管理サーバーは、前記識別情報を記憶する識別情報記憶部を備え、ユーザーの要求に応じて前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報を前記ユーザーに提供することが可能であってもよい。
この形態の印刷システムによれば、管理サーバーがインクに関する情報を管理しているため、ユーザーは自身でインクに関する情報を管理する必要がない。
【0145】
(5)上記形態の印刷システムにおいて、前記識別情報は、印刷装置の1以上の種類であって、容器に収容されているインクで印刷を行うことができる印刷装置の種類の情報を含んでおり、前記管理サーバーは、前記印刷装置が、前記印刷装置の種類に含まれていないときに、前記印刷装置または前記読取装置に不可信号を送信し、前記印刷装置または前記読取装置は、前記不可信号を受信したときに、ユーザーに前記印刷装置が前記印刷装置の種類に含まれていないことを通知してもよい。
この形態の印刷システムによれば、印刷装置が対応していない種類のインクを、ユーザーが誤って使用することを防止することができる。
【0146】
(6)上記形態の印刷システムにおいて、さらに、前記インクを販売する場所であるインク販売部を備え、前記インク販売部は、前記インクの、前記ユーザーによって指定された量を、前記識別情報が記載されている前記インク収容容器に注入し、前記インクの注入後に、前記注入された前記インクの量の情報を有する識別情報を、前記インク収容容器に新たに記載してもよい。
この形態の印刷システムによれば、ユーザーはインク収容容器の再利用が可能となり、新たなインク収容容器を購入することと比較して、安価にインクを購入することができる。また、インクの量が管理サーバーによって記憶されるため、ユーザーは自身でインクの量を管理する負担が低減する。
【0147】
(7)上記形態の印刷システムにおいて、前記インク販売部は、前記インク収容容器に前記インクを注入する前に、前記インク収容容器に記載された前記識別情報を読み取る販売読取部と、前記販売読取部によって読み取られた前記識別情報を、ネットワークによる通信によって前記管理サーバーに送信する販売ネット部と、を備え、前記販売ネット部は、前記ユーザーに前記インクを販売する前に、前記管理サーバーに前記インクの種類を表す信号を送信し、前記管理サーバーは、前記販売されるインクが、前記インク収容容器に記載された前記識別情報に基づいて設定された印刷モードに対応していないときに、前記販売ネット部に不一致信号を送信し、前記インク販売部は、前記販売ネット部が前記不一致信号を受信したときに、前記ユーザーに販売されるインクが前記設定された印刷モードに対応していないことを通知してもよい。
この形態の印刷システムによれば、ユーザーが、インクを購入する前に、印刷装置が対応していないインクを購入することを防止することができる。
【0148】
(8)上記形態の印刷システムにおいて、前記インク販売部は、前記インク収容容器に、前記インクが満タンの状態となるように前記インクを注入し、前記ユーザーによって支払われた代金分の前記インクの量の情報を含んだ前記識別情報を前記インク収容容器に記載し、前記管理サーバーは、前記ユーザーによって支払われた代金分の前記インクの量を表すインク量信号を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記ユーザーによって支払われた代金分の前記インクの量の分だけ、印刷することが可能であり、前記ユーザーによって支払われた代金分の前記インクの量が消費されたときに、印刷することが不可となり、前記ユーザーにインクの代金を支払うよう通知してもよい。
この形態の印刷システムによれば、ユーザーは、満タンに注入されたインクの代金のうち、支払いたい代金を払うことができる。支払った代金の分のインクが消費されたときは、代金を支払うことで、ユーザーは印刷装置を使用することが可能となる。
【0149】
(9)本開示の他の形態によれば、請求項6に記載の印刷システムを備える課金システムが提供される。この課金システムは、前記ユーザーが購入した前記インクの代金を前記ユーザーに請求する代金請求部を備え、前記インク販売部は、ネットワークによる通信によって、前記注入したインクの量に対する代金の情報を表す信号である代金信号を前記管理サーバーに送信し、前記管理サーバーは、前記代金を記憶して、予め定められた期間内における前記代金の累積の金額を出力し、前記代金請求部は、前記管理サーバーが出力した金額を、前記ユーザーに請求する。
この形態の課金システムによれば、ユーザーは、インクを購入する都度、代金を支払う手間を省くことができる。そのため、ユーザーの利便性が向上する。また、予め定められた期間内におけるユーザーの購入の金額を、管理サーバーが管理することができる。
【0150】
(10)本開示の他の形態によれば、複数のインクの種類のそれぞれに対応した、複数の印刷モードを備える印刷装置の印刷モードを設定する方法が提供される。この方法は、内部にインクが収容され、外部に識別情報が記載されたインク収容容器の識別情報を読取装置によって読み取る工程と、前記読取装置によって読み取られた前記識別情報に基づいて、管理サーバーが前記識別情報に含まれる前記インクの種類に対応する印刷モードを表す印刷モード情報を、ネットワークを介して前記印刷装置に送信する工程と、前記管理サーバーから受信した前記印刷モード情報に基づいて、前記印刷装置が前記印刷モードを設定する工程と、を備える。
この形態の方法によれば、この形態の印刷システムによれば、ユーザーは、複数の印刷モードを備える1つの印刷装置において、希望の印刷モードを設定することができる。
【符号の説明】
【0151】
1…印刷システム、10…印刷装置、11…ディスプレイ、12…印刷制御部、20…インク収容容器、30…読取装置、31…撮像装置、32…端末ディスプレイ、33…読取制御部、40…インク販売部、41…販売タッチパネル、42…販売読取部、43…インク注入部、44…販売記載部、45…販売制御部、50…管理サーバー、60B…代金請求部、121…印刷モード受信部、122…印刷モード設定部、123…支払済印刷部、124…印刷表示部、331…識別情報送信部、332…信号受信部、333…読取表示部、334C…指示受部、451…販売ネット部、452…販売表示部、453…購入確認部、501…データ記憶部、502…識別情報受取部、503…印刷モード情報送信部、504…販売情報受取部、505…種類判別部、506…信号送信部、507…インク種判別部、508…インク量信号送信部、509…識別情報記憶部、510…代金確認部、511B…累積金額出力部、512C…設定信号受信部、MD1…水性インクモード、MD2…顔料インクモード、MD3…昇華転写インクモード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12