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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088004
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20240625BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20240625BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240625BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240625BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G06F1/18 E
G06F1/20 B
G06F1/16 312D
G06F1/18 D
H05K7/20 H
H05K5/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202939
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞田 強
【テーマコード(参考)】
4E360
5E322
【Fターム(参考)】
4E360AB04
4E360AB08
4E360BA01
4E360BA08
4E360BB22
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA12
4E360EA18
4E360EA24
4E360EC12
4E360FA02
4E360FA14
4E360FA20
4E360GA24
4E360GA52
4E360GB99
5E322AA01
5E322BA01
5E322BB03
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、背面に必要なI/O端子を配置可能な情報処理装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、前面部および背面部を有する筐体と、前記背面部に設けられた、外部機器と接続するための一または複数の入出力端子と、前記筐体内に設けられた、商用電源に接続可能な一次側ケーブルと電力を供給する二次側ケーブルとを有する電源アダプタを取り出し可能に収納可能な収納部と、前記収納部に設けられた、前記収納部に収納された前記電源アダプタの前記二次側ケーブルと接続可能なコネクタと、前記二次側ケーブルが前記コネクタに接続された前記電源アダプタからの電力の供給を受けて種々の処理を行う回路部と、前記筐体に設けられた、前記電源アダプタの前記一次側ケーブルを前記筐体の外部に導出するための孔部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面部および背面部を有する筐体と、
前記背面部に設けられた、外部機器と接続するための一または複数の入出力端子と、
前記筐体内に設けられた、商用電源に接続可能な一次側ケーブルと電力を供給する二次側ケーブルとを有する電源アダプタを取り出し可能に収納可能な収納部と、
前記収納部に設けられた、前記収納部に収納された前記電源アダプタの前記二次側ケーブルと接続可能なコネクタと、
前記二次側ケーブルが前記コネクタに接続された前記電源アダプタからの電力の供給を受けて種々の処理を行う回路部と、
前記筐体に設けられた、前記電源アダプタの前記一次側ケーブルを前記筐体の外部に導出するための孔部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記孔部は前記背面部以外の位置に設けられている、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記収納部を前記筐体内の前記前面部側に設けた、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記収納部と、前記回路部から発生した熱を放熱する放熱板と、の間に、風の流れを起こすファンを設け、
前記ファンが起こす風によって前記収納部に収納された前記電源アダプタと前記回路部を冷却する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記収納部を開閉する蓋体を有し、前記筐体の内部に空気を導入する空気孔を前記蓋体に設け、前記空気孔から導入された空気によって前記ファンは前記空気の流れを起こす、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記筐体は、前記筐体の内部に空気を導入する空気孔を前記前面部に有し、前記空気孔から導入された空気によって前記ファンは前記空気の流れを起こす、
請求項4に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばPOS端末やデスクトップタイプのパーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、最近は記憶装置の発達や小型化により、従来は装備していたHDDやDVDプレーヤー等が装備されなくなり、その分情報処理装置の筐体が薄型、小型化(以降代表して「小型化」という)している。
【0003】
HDDやDVDプレーヤー等を装備した従来の情報処理装置では、筐体の背面に充分なスペースがあったため、電源アダプタ(ACアダプタともいう)の端子を含む種々の入出力端子(以降「I/O端子(I/Oポートともいう)」という)を背面に配置することができたが、このような小型化した情報処理装置では背面のスペースが狭くなったことから従来同様のI/O端子を配置することが難しくなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、背面に必要なI/O端子を配置可能な情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、前面部および背面部を有する筐体と、前記背面部に設けられた、外部機器と接続するための一または複数の入出力端子と、前記筐体内に設けられた、商用電源に接続可能な一次側ケーブルと電力を供給する二次側ケーブルとを有する電源アダプタを取り出し可能に収納可能な収納部と、前記収納部に設けられた、前記収納部に収納された前記電源アダプタの前記二次側ケーブルと接続可能なコネクタと、前記二次側ケーブルが前記コネクタに接続された前記電源アダプタからの電力の供給を受けて種々の処理を行う回路部と、前記筐体に設けられた、前記電源アダプタの前記一次側ケーブルを前記筐体の外部に導出するための孔部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態のPOS端末の外観を示す斜視図である。
図2図2は、POS端末の蓋体を取り外した斜視図である。
図3図3は、電源アダプタを示す斜視図である。
図4図4は、電源アダプタを取り外した状態のPOS端末の外観を示す斜視図である。
図5図5は、カバーを取り外した状態のPOS端末の外観を示す斜視図である。
図6図6は、蓋体とカバーを取り外した状態のPOS端末の外観を示す斜視図である。
図7図7は、カバーを取り外した状態のPOS端末を後方から見た外観を示す斜視図である。
図8図8は、POS端末の内部構造と空気の流れを示す説明図である。
図9図9は、POS端末における電源アダプタからの電力供給の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、情報処理装置の実施形態を説明する。実施形態では、POS端末を情報処理装置の一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態は、情報処理装置の一実施形態であって、発明を限定するものではない。
【0008】
図1は、実施形態のPOS端末1の外観を示す斜視図である。図1に示すように、POS端末1は、略直方体の中空の筐体10を有する。筐体10は、本体2とカバー3を備えている。本体2は、POS端末1の種々の装置や部品や回路等を筐体10に固定するための筐体10の一部である。本体2は、筐体10の内部にファン8、マザーボード31等を固定する。
【0009】
ファン8は、内蔵する羽根が回転することで空気の流れを起こす。ファン8を回転させて空気の流れを起こすことで、後述する回路や電源アダプタ21(図3を参照)等を冷却する。また本体2は、筐体10の内部に収納部5を固定する。マザーボード31は、POS端末1を駆動させるための回路(プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ33、SSD(Solid State Drive)32等(いずれも図8を参照)を備える。CPU91、メモリ33、SSD32等を総称して回路部という。回路部は、電力が供給されるとそれぞれの回路に応じた種々の処理を行う。例えばCPU91は、電力の供給を受けて記憶されているソフトウェアに基づいて各種の処理を実行する。メモリ33やSSD32は、電力の供給を受けて情報を記憶する。
【0010】
なお、SSDとは、記憶容量が大きなメモリチップを搭載しており、HDDと同様にデータの読み書きを行うことができ、POS端末を動作させるためのプログラムを記憶する。SSDの発達により、HDDに置き換わって使用される。
【0011】
また本体2は、前面部4と背面部11を有する(すなわち、筐体10は前面部4と背面部11を有する)。前面部4は、POS端末1の前側の面であり、操作者が操作するPOS端末1の電源をオン・オフする電源スイッチ41、USB(Universal Serial Bus)端子42が設けられる。USB端子42は、外部装置を接続する際に使用する端子であり、特に抜き差しを多くする際に使用する。
【0012】
背面部11は、POS端末1の後ろ側の面であり、前面部4と反対側に位置する。背面部11は、POS端末1に外部装置を接続するためのI/O端子12やUSB端子13等が設けられる。背面部11の構成については図7で後述する。
【0013】
また、本体2には、電源アダプタ21を収納する収納部5(図2を参照)が固定的に設けられる。収納部5は、上方が開放された凹状の壁面511で囲まれた略四角箱型形状である。収納部5は、電源アダプタ21を収納した際に当該電源アダプタ21の上面まで収納される充分な深さを有する。
【0014】
カバー3は略コの字状形状をしており、本体2に対して上方から着脱可能に取り付けられる。カバー3は、上面部35に略四角状の開放部36を有している。開放部36は、カバー3を本体2に取り付けた際に収納部5と対向した位置に形成される。そして開放部36には、蓋体6がはめ込まれる。蓋体6は、カバー3に対して着脱可能である。電源アダプタ21は、カバー3から蓋体6を取り外して収納部5に収納する。その後、蓋体6を閉止する。また、電源アダプタ21は、カバー3から蓋体6を取り外して収納部5から取り外す。
【0015】
蓋体6には、スリット状の空気孔61(図5を参照)が複数個並行してPOS端末1の幅方向に形成される。空気孔61は蓋体6を貫通する孔である。空気孔61は、蓋体6をカバー3に装着した状態で、POS端末1の上面(カバー3の上面部35側)の前面部4側に寄った位置に形成される。空気孔61は、POS端末1の上面から外部の空気を筐体10の内部に導入する。
【0016】
また、前面部4には、多数の空気孔7が上下左右に複数個並べて形成される。空気孔7は前面部4を貫通する孔である。空気孔7は、外部の空気を筐体10の内部に導入する。
【0017】
図2は、POS端末1のカバー3から蓋体6を取り外し、電源アダプタ21を収納部5に収納した状態の斜視図である。この状態で、電源アダプタ21の上面は、上面部35より多少低い位置に位置しており、蓋体6をカバー3に取り付けた場合に蓋体6と上面部35は略面一となる。
【0018】
また、図2において、孔部53は、図3および図9で後述する、収納部5に収納された電源アダプタ21の一次側ケーブル241を、筐体10の内部から外部に導出するための孔である。なお、孔部53は、図7で後述するI/O端子12やUSB端子13等が装着される筐体10の背面部11以外の面に形成されることが望ましい。実施形態では、孔部53は、前面部4と背面部11以外の面に設けられる。例えば実施形態では、孔部53は、POS端末1を横置きにしても縦置きにしても邪魔にならないよう、前面部4と背面部11以外の側面に設けられる。
【0019】
また、図2において、収納部5は、筐体10内の前面部4に寄せた位置(前面部4側)に位置する。従来のPOS端末(図示せず)は、筐体内にDVDプレーヤーやHDD(ハードディスクドライブ)を内蔵しており、特にDVDプレーヤーは前面から操作できるように筐体内の前面部4側に配置されていた。しかしながら最近はメモリ容量の増加やSSDの開発でDVDプレーヤーは必須ではなくなり、搭載されないPOS端末も多い。実施形態のPOS端末1は、このようにDVDプレーヤーはHDDを非搭載としたスペースを利用して、収納部5を筐体10の前面部4に寄せた位置に配置した。このようなPOS端末1では、電源アダプタ21を筐体10の前面部4に寄せた位置に収納する。
【0020】
次に電源アダプタ21について説明する。図3は、電源アダプタ21を示す斜視図である。図3に示すように、電源アダプタ21は、本体22と一次側ケーブル241(図9を参照)と二次側ケーブル23とを備える。一次側ケーブル241は、本体22のコネクタ24に差し込むことで本体22に電気的に接続される。一次側ケーブル241はプラグ(図示せず)を有し、プラグを商用電源Dに差し込むことで商用電源D(図9を参照)から電力(例えば100V)の供給を受ける。本体22は、商用電源Dから供給された電圧(交流)を直流に変換する。本体22は、例えば、商用電源Dから供給された電力から複数種類(レベル)の電圧(例えば5Vと24V)の直流電圧を生成する回路を内蔵する。本体22は、生成した複数種類の電圧の電力を、それぞれ二次側ケーブル23に供給する。二次側ケーブル23は、複数本(例えば6本)の電線を内部に有し、例えば5Vの電圧と24Vの電圧の電力が別々の電線を通して供給する。すなわち電源アダプタ21は、商用電源Dから供給された交流電圧を複数レベルの直流電圧に変換する。
【0021】
このような電源アダプタ21は市販されているものである。本体22は、通常樹脂やプラスチックのケースで形成されており、内部に回路を有するものである。そして本体22は、商用電源Dから直流電圧を生成する際に熱を発生する。このような本体22は、通常状態で使用される場合(例えば本体22を情報処理装置の外部に置いて使用する場合には、ケースから自然に熱が外部に放熱され、問題なく使用できるよう設計されている。
【0022】
図4は、図2の状態からさらに電源アダプタ21を取り外した状態のPOS端末1の外観を示す斜視図である。図4に示すように、壁面511は、収納部5とPOS端末1のその他の要素(例えば回路部)とを区分けする。すなわち収納部5は、電源アダプタ21(本体22と二次側ケーブル23と一次側ケーブル241)を収納する凹部状の領域である。また、壁面511には、多数の孔51が形成される。図4では図示されていないが、孔51は手前側(前面部4側)の壁面511にも多数設けられている(図8を参照)。孔51は、収納部5と筐体10のその他の内部を貫通する。すなわち、収納部5内の空気と筐体10のその他の空気とは孔51を通って流動可能である。
【0023】
図5は、図1に示す筐体10からカバー3を取り外した状態(POS端末1の筐体10の内部が見える状態)の図である。図5に示すように、筐体10の内部には、放熱板(ヒートシンク)9が設けられている。放熱板9は、本体2またはマザーボード31に固定されている。放熱板9は、例えばアルミニウム等の熱伝導率が高い金属で構成された表面積が大きな部材であり、CPU91等の回路部と接触して設けられている。放熱板9は、回路部から発熱した熱を表面から外部に放熱して回路部の高熱化を防止する(回路部を冷却する)。実施形態では、放熱板9はCPU91が発熱した熱を放熱する。放熱板9は、収納部5より背面部11側に位置している。
【0024】
またPOS端末1は、筐体10の内部にファン8(実施形態では一例として2個のファン8)が設けられている。ファン8は、本体2またはマザーボード31に固定されている。ファン8は、収納部5と放熱板9の間に設けられる。
【0025】
ファン8は、複数枚の羽根を有し、羽根が回転することで空気(風)の流れを発生させる。ファン8は、羽根が回転することで、収納部5側から放熱板9に向けて空気の流れを発生させる。実施形態では、2個のファン8を本体2に対して垂直方向を軸として角度を変えて配置することで、収納部5の広範囲の位置から放熱板9に向けて空気の流れを集中させている。
【0026】
図6に、図5のPOS端末1から蓋体6を取り外した状態のPOS端末1を示す。図6に示すように、壁面511には、壁面511の幅方向(図6の左右方向)に多数の孔51が形成されている。そして、2台のファン8は、壁面511に近接(または隣接)させて、壁面511に沿って配置されている。すなわち、2台のファン8は、孔51に近接(または隣接)させて、孔51に沿って配置されている。そのため、2台のファン8が回転する(羽根が回転する)と空気の流れが発生し、収納部5内の空気を孔51から吸い出して収納部5の外に導出させる。すなわち、2台のファン8は、収納部5より空気の流れ方向下流側に位置している。
【0027】
また、2台のファン8は、放熱板9に近接(または隣接)させて配置されている。そのため、2台のファン8が回転する(羽根が回転する)と、空気を放熱板9方向に吹き出す。放熱板9は、ファン8から吹き出された空気によって冷却される。すなわち、放熱板9から放出された熱がファン8から吹き出された風によって外部に導出されることで、放熱板9は冷却される。放熱板9が冷却されると、冷却版9に接続されているCPU91が冷却される。すなわち、放熱板9は、2台のファン8より空気の流れ方向下流側に位置している。
【0028】
ここで、収納部5は、ファン8と近接している側の壁面511に、コネクタ52を備える。すなわち、POS端末1は、筐体10の内部に設けられた収納部5にコネクタ52を備える。コネクタ52は、電源アダプタ21の二次側ケーブル23が接続される。コネクタ52は複数のピン(例えば6ピン)で構成される。コネクタ52は、筐体10内に設けられている各種部品と電気的に接続されている。コネクタ52は、例えばマザーボード31に固定されているCPU91、SSD32、メモリ33等の回路部と電気的に接続されている。コネクタ52は、接続された回路に例えば電圧5Vの電力を供給する。またコネクタ52は、ファン8と電気的に接続されている。コネクタ52は、接続されたファン8に例えば電圧24Vの電力を供給する。またコネクタ52は、後述するI/O端子12(図7を参照)を介して、I/O端子12に接続される装置に対して電圧24Vの電力を供給する。
【0029】
図7は、図5の状態のPOS端末1を斜め後方から見た斜視図である。図7に示すように、筐体10の背面部11には、複数(実施形態では6個)のI/O端子12が一例に配列されたI/Oポート121が設けられている。それぞれのI/O端子12には、POS端末1に接続される各種機器が接続される。I/O端子12には、例えばレシートプリンタ、表示器、カードリーダライタ、決済端末、等(いずれも図示せず)の、一度接続したら通常は取り外しをしない(常時接続される)機器が接続されている。
【0030】
また、筐体10の背面部11には、1個または複数個(実施形態では4個)のUSB端子13が設けられる。これらのUSB端子13は、例えば表示器に表示されたポインタを操作するマウスやUSBメモリが接続される。
【0031】
ここで、実施形態では筐体10の背面部11には電源アダプタ21を接続するための電源端子が設けられていない。実施形態では、当該電源端子に相当するコネクタ52が収納部5(すなわち筐体10の内部)に設けられている。最近のPOS端末1は、HDDやDVDプレーヤーが装着されていないため、POS端末1の筐体10は小型化、薄型化される傾向にある。そのため、前面部4や背面部11の占める面積は小さくなっている。このようなことから、HDDやDVDプレーヤーが装着されないために生じた空間を利用して、電源アダプタ21を収納する収納部5を筐体10の内部に設けた。そして、従来は背面部11に配置されていた電源端子に相当するコネクタ52を実施形態では筐体10の内部の収納部5の位置に配置した。このような実施形態では、背面部11から電源端子がなくなったため、背面部11において必要数のI/O端子12を配置することができる。
【0032】
なお、実施形態では筐体10を薄型化したことにより、従来2列あったI/O端子12を1列とした。そのため、従来のPOS端末より背面部11のI/O端子12の数が減少する場合がある。しかしながら、実施形態のPOS端末1は、筐体10が小型化、薄型化しているため、当該POS端末1の設置自由度が従来のPOS端末より向上している。例えば、小型化した実施形態のPOS端末1を、表示器の後ろ等のちょっとした隙間に縦向きに設置することが可能となる。また、POS端末1を微小なスペースに平置きすることも可能となる。すなわち、POS端末1を目立たない場所に設置することが可能となる。このようなことから、不足したI/O端子12やUSB端子13を前面部4に配置しても、POS端末1の外観を気にすることがなく、拡張性を持たせることが可能となる。
【0033】
ここからは、POS端末1において、ファン8が回転することによる筐体10の内部の空気(風)の流れについて説明する。図8は、ファン8が回転した場合にPOS端末1の内部構造と空気の流れを示す、POS端末1の内部を横側から見た説明図である。図8に示すように、収納部5は筐体10の内部で前面部4に寄せて配置されており、POS端末1は、前から背面部11に向けて(図8の左側から右側に向けて)、USB端子42、収納部5、ファン8、放熱板9(CPU91を含む)、I/O端子12およびUSB端子13の順に配置されている。また、収納部5の下方には、SSD32とメモリ33が配置されている。
【0034】
実施形態のPOS端末1は、ファン8が回転すると、主に風路Ya、風路Yb、風路Ycの3方向の空気の流れが発生する。風路Yaは、空気孔7から筐体10内に流入した空気が、収納部5とSSD32およびメモリ33との間を通過して、ファン8および放熱板9を通過して孔14やUSB端子13の隙間から外部に流出する空気の流れである。この風路Yaを流れる空気は、SSD32、メモリ33、放熱板9で発生した熱を取り除いて、SSD32、メモリ33、放熱板9を冷却する。
【0035】
風路Ybは、空気孔7から筐体10内に流入した空気が、孔51から収納部5内に流入して反対側の孔51から流出し(すなわち、収納部5内を通過して)、ファン8および放熱板9を通過して孔14やUSB端子13やI/O端子12の隙間から外部に流出する空気の流れである。この風路Ybを流れる空気は、収納部5に収納されている電源アダプタ21と放熱板9で発生した熱を取り除いて、電源アダプタ21と放熱板9を冷却する。上述のように、電源アダプタ21(本体22)が収納部5に収納されるため、本体22のケースから放熱された熱が収納部5内に残る可能性がある。風路Ybを流れる空気が収納部5内を通過することで、本体22で発生した熱を収納部5から筐体10の外部に放熱させることができる。
【0036】
風路Ycは、空気孔61から筐体10内に流入した空気が収納部5内に流入して孔51から流出し(すなわち、収納部5内を通過して)、ファン8および放熱板9を通過して孔14やUSB端子13やI/O端子12の隙間から外部に流出する空気の流れである。この風路Ycを流れる空気は、収納部5に収納されている電源アダプタ21と放熱板9で発生した熱を取り除いて、電源アダプタ21と放熱板9を冷却する。
【0037】
このように、ファン8を収納部5と放熱板9との間に配置して、風路Ya、風路Yb、風路Ycのような空気の流れを発生させることで、回路や放熱板9を冷却するとともに、本来外部に置かれる電源アダプタ21(本体22)を収納部5に収納しても、当該電源アダプタ21を冷却することができる。特に、収納部5を前面部4に寄せて配置したことにより、収納部5に収納された電源アダプタ21を筐体10の外部から導入した空気によって効率よく冷却することができる。
【0038】
ここからは、実施形態のPOS端末1において、電源アダプタ21による各部への電力供給について説明する。図9は、電源アダプタ21の一次側ケーブル241を商用電源Dに接続し、二次側ケーブル23をコネクタ52に接続した状態の、電源アダプタ21からPOS端末1への電力供給の状態を示す説明図である。
【0039】
図9に示すように、電源アダプタ21には、一次側ケーブル241を介して商用電源Dから例えば100Vの交流電圧が印加され、電源アダプタ21に電力が供給される。電源アダプタ21(本体22)は、内部に設けられた回路機器が働いて、商用電源Dから供給された電力に基づいて複数種類の直流の電圧を生成する。例えば電源アダプタ21は、5Vと24Vの直流電圧を生成する。コネクタ52には、二次側ケーブル23を介して電源アダプタ21で生成された2種類の電圧が印加される。二次側ケーブル23は端子521と端子522を有し、端子521は、生成された電圧5Vの電力を、例えばCPU91、メモリ33、SSD32等に供給し、端子522は、生成された電圧24Vの電力を、例えばファン8や、I/O端子12に接続されたプリンタやスキャナや表示器等に供給する。なお、プリンタやスキャナは、別途別電源から電力の供給を受けることもある。
【0040】
このような実施形態のPOS端末1は、前面部4および背面部11を有する筐体10と、背面部11に設けられた、外部機器と接続するための一または複数のI/O端子12と、筐体10内に設けられた、商用電源Dから電力が供給される一次側ケーブル241と変圧した電力を供給する二次側ケーブル23とを有する電源アダプタ21を取り出し可能に収納可能な収納部5と、収納部5に設けられた、収納部5に収納された電源アダプタ21の二次側ケーブル23と接続可能なコネクタ52と、二次側ケーブル23がコネクタ52に接続された電源アダプタ21からの電力の供給を受けて種々の処理を行う回路部と、筐体10に設けられた、電源アダプタ21の一次側ケーブル241を筐体10の外部に導出するための孔部53と、を備える。
【0041】
このような実施形態のPOS端末1は、電源アダプタ21を筐体10の内部に設けられた収納部5に収納するとともに、収納部5に設けられたコネクタ52を介して電源アダプタ21から電力を供給される。そのため、背面部11に電源端子を設ける必要がない。その分、背面部11の設計自由度が増すため、種々の必要なI/O端子12を背面部11に配置することができる。
【0042】
また、実施形態では、収納部5を前面部4に近接して設けた。そのため、従来のPOS端末に装着されていたHDDやDVDプレーヤーを取り外したスペースに収納部5を設けることができ、かつファン8に回転により前面部4や蓋体6から流入した空気によって電源アダプタ21を冷却することが可能となる。
【0043】
また、実施形態では、収納部5と回路部の熱を放熱する放熱板9との間にファン8を配置した。そのため、ファン8の回転によって生じた空気の流れによって、収納部5に収納された電源アダプタ21から発生した熱を収納部5から筐体10の外部に放出することができる。
【0044】
なお、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0045】
例えば実施形態では、収納部5を筐体10の前面部4の近傍に設けた。しかしながらこれに限らず、ファン8の回転で発生した空気の流れの通り道であれば、前面部4の近傍でなくてもよい。
【0046】
また実施形態では、電源アダプタ21は、商用電源Dから供給された交流電圧を複数種類の直流電圧に変換するようにした。しかしながらこれに限らず、電源アダプタ21は、商用電源Dから供給された交流電圧を1種類(例えば5Vのみ)の直流電圧に変換するものであってもよい。
【0047】
また実施形態では、POS端末1を情報処理装置の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、例えば電源アダプタを収納可能なパーソナルコンピュータ等が情報処理装置であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 POS端末
2 本体
3 カバー
4 前面部
5 収納部
6 蓋体
7 孔
8 ファン
9 放熱板
10 筐体
11 背面部
14 孔
21 電源アダプタ
22 本体
23 二次側ケーブル
24 コネクタ
31 マザーボード
32 SSD
33 メモリ
35 上面部
36 開放部
41 電源スイッチ
42 USB端子
51 孔
52 コネクタ
53 孔部
61 空気孔
91 CPU
241 一次側ケーブル
511 壁面
D 商用電源
Ya 風路
Yb 風路
Yc 風路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特開2019-160046号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9