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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088009
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】冷却塔の充填材ユニット及び冷却塔
(51)【国際特許分類】
   F28F 25/08 20060101AFI20240625BHJP
   F28C 1/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
F28F25/08 A
F28C1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202950
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日原 由太郎
(72)【発明者】
【氏名】古田 勇介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇文
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅人
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 渉
(72)【発明者】
【氏名】長澤 裕二
(57)【要約】
【課題】地震動等による衝撃荷重に対して充填材の損傷を防止して、冷却塔の冷却性能を良好に確保できること。
【解決手段】冷却塔10内に複数個搭載される冷却塔の充填材ユニット16であって、六面体形状の内部空間20を形成する枠体21と、枠体の内部空間に複数配置され、高温側である温水を低温側である空気により熱交換して冷却するブロック状の充填材18と、枠体の内部空間に設置され、内部空間に複数の充填材が配置されて構成される充填材群30の側面30Cを支持する側板22と、を有して構成されたものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却塔内に複数個搭載される冷却塔の充填材ユニットであって、
六面体形状の内部空間を形成する枠体と、
前記枠体の前記内部空間に複数配置され、高温側である温水を低温側である空気により熱交換して冷却するブロック状の充填材と、
前記枠体の前記内部空間に設置され、前記内部空間に複数の前記充填材が配置されて構成される充填材群の側面を支持する支持部材と、を有して構成されたことを特徴とする冷却塔の充填材ユニット。
【請求項2】
前記枠体内には、充填材に作用する衝撃荷重を緩衝する緩衝手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の充填材ユニット。
【請求項3】
前記緩衝手段は支持部材と枠体との間に設けられ、地面に対する水平方向の地震動により充填材に作用する衝撃荷重を緩衝する水平緩衝手段であることを特徴とする請求項2に記載の冷却塔の充填材ユニット。
【請求項4】
前記充填材群は、複数の充填材が枠体に対する一方向に配列されたものが、前記一方向に直交する方向に複数段積層されて構成されると共に、複数段の前記充填材の向きが1段毎に直交して設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却塔の充填材ユニット。
【請求項5】
前記充填材群の上面、下面のそれぞれは、枠材の上部梁、下部梁のそれぞれにより支持されて構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却塔の充填材ユニット。
【請求項6】
前記枠材の内部空間には、前記充填材群の上面または下面を支持する支持板が設置され、この支持板が多孔質材にて構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却塔の充填材ユニット。
【請求項7】
前記緩衝手段は、充填材群の上面または下面を支持する支持板と枠材との間に設けられ、地面に対する垂直方向の地震動により充填材に作用する衝撃荷重を緩衝する垂直緩衝手段であることを特徴とする請求項2に記載の冷却塔の充填材ユニット。
【請求項8】
前記支持部材と前記枠体との間には、前記支持部材の幅方向全長に亘って延びて、前記支持部材と前記枠体との間の空間への空気の流入を阻止する閉塞手段が配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却塔の充填材ユニット。
【請求項9】
ケーシングの上部に、空気の上昇流を形成する送風ファンと、温水を散水して流下させる散水装置とが設置され、
前記ケーシングの下部に、温水が冷却された冷水を貯溜する冷水槽が設置され、
前記ケーシングの上下方向中央部に、請求項1または2に記載の冷却塔の充填材ユニットが複数個搭載されて構成されたことを特徴とする冷却塔。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷却塔の充填材ユニット、及びこの充填材ユニットが複数個搭載された冷却塔に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調設備や産業設備等において、循環水である温水を冷却する設備として冷却塔が利用されている。この冷却塔の代表的な方式の一つとしてカウンタフロー方式が挙げられる。図12に示す冷却塔100はカウンタフロー方式の冷却塔であり、ケーシング101の上部に送風ファン102及び散水装置103が設置され、ケーシング101の下部に冷水槽104が設置され、ケーシング101の上下方向中央部に、水及び空気を流通可能な複数の充填材105が積層されて設置されている。各充填材105は、ブロック状に形成され、ケーシング101内に複数が固定されない状態で積層されている。
【0003】
冷却塔100の駆動時には、散水装置103から下方の充填材105に温水が散水される。と同時に、送風ファン102が駆動されて、ケーシング101のルーバー106を経て空気(外気)がケーシング101内に導入され、この空気が充填材105内を上昇する。従って、充填材105内で温水が空気により熱交換されて冷却され、冷水となって冷水槽104に貯溜される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-158330号公報
【特許文献2】実開昭58-112865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冷却塔の内部に搭載される複数の充填材に関する施工組み立ての例として、内部の充填材の位置ずれを防止するため、六面体形状の内部空間を形成する枠体に支持部材が設けられ、この支持部材により、充填材を水平方向に支持するものが特許文献1に開示されている。
【0006】
ところで、一般的な産業用冷却塔において、ブロック状の複数の充填材は、前述のごとく固定されることなく積層されている。このため、地震発生時に、積層された充填材の積層構造体における水平方向端部の充填材に過度な荷重が作用し、特にこの充填材が損傷する懸念がある。充填材が損傷した場合には、充填材における流路の閉塞及び伝熱性能の低下が生じて、冷却塔としての冷却機能が損失する恐れがある。
【0007】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、地震動等による衝撃荷重に対して充填材の損傷を防止して、冷却塔の冷却性能を良好に確保できる冷却塔の充填材ユニット及び冷却塔を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態における冷却塔の充填材ユニットは、冷却塔内に複数個搭載される冷却塔の充填材ユニットであって、六面体形状の内部空間を形成する枠体と、前記枠体の前記内部空間に複数配置され、高温側である温水を低温側である空気により熱交換して冷却するブロック状の充填材と、前記枠体の前記内部空間に設置され、前記内部空間に複数の前記充填材が配置されて構成される充填材群の側面を支持する側板とを有して構成されたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の実施形態における冷却塔は、ケーシングの上部に、空気の上昇流を形成する送風ファンと、温水を散水して流下させる散水装置とが設置され、前記ケーシングの下部に、温水が冷却された冷水を貯溜する冷水槽が設置され、前記ケーシングの上下方向中央部に、前記実施形態に記載の冷却塔の充填材ユニットが複数個搭載されて構成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、地震動等による衝撃荷重に対して充填材の損傷を防止して、冷却塔の冷却性能を良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る充填材ユニットが搭載された冷却塔を示す断面図。
図2図1の充填材ユニットを示す斜視図。
図3図2のIII-III線に沿う断面図。
図4図2及び図3における単体の充填材を示す斜視図。
図5図4の単体の充填材を示す平面図。
図6】第2実施形態に係る冷却塔の充填材ユニットを示す斜視図。
図7図6のVII-VII線に沿う断面図。
図8図6及び図7の支持板を示す平面図。
図9】第3実施形態に係る冷却塔の充填材ユニットを示す斜視図。
図10図9のX-X線に沿う断面図。
図11図9のXI矢視図。
図12】従来の冷却塔を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1図5
図1は、第1実施形態に係る充填材ユニットが搭載された冷却塔を示す断面図である。また、図2は、図1の充填材ユニットを示す斜視図である。この図1に示す冷却塔10は、空調設備や産業設備等において循環水である温水を空気(外気)と熱交換して冷却するカウンタフロー方式の冷却塔である。この冷却塔10は、ケーシング11の上部に送風ファン12、散水装置13及びドリフトエリミネータ14が設置され、ケーシング11の下部に冷水槽15が設置され、ケーシング11の上下方向中央部に複数個の充填材ユニット16が搭載されて構成される。ケーシング11は地面Gに接地される。
【0013】
送風ファン12は、ケーシング11のルーバー17から空気(外気)を吸い込み、ケーシング11内に空気の上昇流を形成する。散水装置13は、循環水である温水を散水して、各充填材ユニット16の充填材18内に流下させる。この充填材18は、空気の上昇流を通気させ、流下された温水を上記空気により熱交換して冷却し冷水とする。冷水槽15は、生成された冷水を貯溜する。ドリフトエリミネータ14は、充填材18を通過した空気中の水分を捕捉して除去し、除去した水を冷水槽15に落下させる。水分が除去された空気は、ケーシング11の排気口19から排出される。
【0014】
複数の充填材ユニット16は、ケーシング11の上下方向中央部において、地面Gに対する水平方向に複数列配列されると共に、地面Gに対する垂直方向に複数段積み上げられて配置される。それぞれの充填材ユニット16は、図2及び図3に示すように、六面体形状の内部空間20を形成する枠体21と、この枠体21の内部空間20に、それぞれ複数配置された充填材18と支持部材としての側板22と水平緩衝手段23とを有して構成される。
【0015】
枠体21は、地面Gに対して水平方向に互いに直交して延びる複数本の上部梁25と、同様に水平方向に互いに直交して延びる複数本の下部梁26と、地面Gに対して垂直方向に延びる複数本の柱27とが連結されて構成され、六面体形状の内部空間20が形成される。これらの上部梁25、下部梁26及び柱27は、例えば形鋼で構成されている。
【0016】
充填材18は、図4及び図5に示すように、金属製または樹脂製の複数枚の波板28を立てた状態で、山部どうしを接合し並設されて直方体形状のブロックとして形成され、従って、上下方向に延びる流通路29を備える。この流通路29の内部に、高温側である温水(循環水)と低温側である空気とが流れ、温水が空気により熱交換されて冷却され冷水となる。
【0017】
上記充填材18は、図2及び図3に示すに、枠体21の内部空間20に複数配置されて充填材群30を構成する。つまり、充填材群30は、複数の充填材18が一方向、例えば地面Gに対する水平方向に複数列配列されたものが、上記一方向に直交する方向、例えば地面Gに対する垂直方向に複数段積層されて構成される。複数の充填材18は、同一段においては同一向きに配列されると共に、異なる段においては一段毎に直交した向きに設定される。
【0018】
充填材群30の上面(最上段の充填材18の上面)30Aは、枠体21の上部梁25に支持され、充填材群30の下面(最下段の充填材18の下面)30Bは、枠体21の下部梁26に支持される。充填材群30の上面30Aが枠体21の上部梁25に支持されることで、上下方向の地震動による充填材18の浮き上がりが防止される。
【0019】
側板22は例えば鋼製であり、水平緩衝手段23と共に枠体21の内部空間20に配置される。この側板22は、充填材群30の互いに対向する4つの側面30Cの全領域にそれぞれ面接触し、水平緩衝手段23を介して枠体21の柱27により充填材群30の側面30Cを支持する。この側板22は、充填材群30に作用する水平方向の荷重(地面Gに対する水平方向の地震動による衝撃荷重を含む)を、水平緩衝手段23及び枠体21の柱27と共に支持する。
【0020】
水平緩衝手段23は、枠体21の柱27と側板22との間に設けられ、地面Gに対する水平方向の地震動により充填材18に作用する衝撃荷重を緩衝して低減する。この水平緩衝手段23は、具体的には、ゴムやばねなどの弾性体、またはダンパなどの減衰装置である。水平方向の地震動による衝撃荷重は、充填材群30における各充填材18の側面間、及び充填材群30の側面30Cと側板22間に作用する。特に、充填材群30の側面30Cを構成する充填材18には、充填材群30の一段分の水平方向荷重が作用する。水平緩衝手段23は、水平方向の地震動による衝撃荷重を緩衝し、特に、充填材群30の側面30Cを構成する充填材18と側板22との間に作用する衝撃荷重を緩衝して低減する。
【0021】
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)充填材ユニット16では、複数の充填材18が配置されて構成される充填材群30の側面30Cの全領域が側板22により面接触して支持されるので、充填材ユニット16が複数個搭載される冷却塔10では、地面Gに対する水平方向の地震動による衝撃荷重が充填材ユニット16のユニット単位で支持される。従って、冷却塔10における特に水平方向の端部に位置する充填材18(ケーシング11に最も近い充填材18)への上記衝撃荷重の集中が回避されて、充填材ユニット16を構成する充填材18の損傷を防止することができる。この結果、充填材18の流路及び伝熱性能が保持されて、冷却塔10の冷却性能を良好に確保することができる。
【0022】
(2)充填材ユニット16では、充填材群30の側面30Cと面接触する側板22と枠体21の柱27との間に、水平緩衝手段23が設置されている。この水平緩衝手段23が、地面Gに対する水平方向の地震動により充填材18に作用する衝撃荷重を緩衝することで、充填材ユニット16の耐震性、ひいては冷却塔10の耐震性を向上させることができる。これにより、充填材ユニット16の充填材群30を構成する充填材18の損傷を確実に防止でき、冷却塔10の冷却性能を更に良好に確保することができる。
【0023】
[B]第2実施形態(図6図8
図6は、第2実施形態に係る冷却塔の充填材ユニットを示す斜視図である。また、図7は、図6のVII-VII線に沿う断面図である。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0024】
本第2実施形態の冷却塔40(図1)の充填材ユニット41が第1実施形態と異なる点は、枠体21の内部空間20に、充填材群30の上面30Aまたは下面30B(例えば上面30A)を支持する多孔質材製の支持板42が設けられ、この支持板42と枠体21の上部梁25との間に垂直緩衝手段43が設けられた点である。
【0025】
支持板42が充填材群30の上面30Aを支持することで、充填材群30の浮き上がりが防止される。更に、この支持板42が多孔質材にて構成されたことで、充填材群30を構成する充填材18への水及び空気の流れが確保される。
【0026】
垂直緩衝手段43は、具体的には、ゴムやばねなどの弾性体、またはダンパなどの減衰装置である。地面Gに対する垂直方向の地震動による衝撃荷重は、充填材群30における各充填材18の上面と下面間、及び充填材群30の特に下面30Bを構成する充填材18と枠体21の下部梁26間に作用する。支持板42と枠体21の上部梁25との間に設置された垂直緩衝手段43は、上述の垂直方向の地震動による衝撃荷重を緩衝し、特に充填材群30の下面30Bを構成する充填材18と枠体21の下部梁26との間に作用する衝撃荷重を緩衝して低減する。
【0027】
以上のように構成されたことから、本第2実施形態においても、第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(3)及び(4)を奏する。
【0028】
(3)充填材ユニット41では、充填材群30の上面30Aを支持する支持板42と枠体21の上部梁25との間に垂直緩衝手段43が設置されている。この垂直緩衝手段43が、地面Gに対する垂直方向の地震動により充填材18に作用する衝撃荷重を緩衝することで、充填材ユニット41の耐震性、ひいては冷却塔40の耐震性を向上させることができる。これにより、充填材ユニット41の充填材群30を構成する充填材18の損傷を確実に防止でき、冷却塔40の冷却性能をより一層良好に確保するができる。
【0029】
(4)充填材ユニット41の内部空間20に配置された充填材群30の上面30Aが、多孔質材から構成された支持板42により支持されたので、充填材群30の浮き上がりを防止できると共に、充填材群30の充填材18への水及び空気の流れが確保されて、冷却塔40における冷却性能の低下を回避することができる。
【0030】
[C]第3実施形態(図9図11
図9は、第3実施形態に係る冷却塔の充填材ユニットを示す斜視図である。また、図10は、図9のX-X線に沿う断面図である。この第3実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0031】
本第3実施形態の冷却塔50(図1)の充填材ユニット51が第1実施形態と異なる点は、側板22の例えば上部と枠体21の柱27との間に、側板22の幅方向全長に亘って延びる閉塞手段52が配置され、この閉塞手段52により、側板22と枠体21の柱27との間の空間Sへの空気の流入が阻止される点である。
【0032】
閉塞手段52は、ゴム等の弾性体が好ましい。また、閉塞手段52は、側板22の例えば下部と枠体21の柱27との間に、側板22の幅方向全長に亘って延在されてもよく、この場合にも、側板22と枠体21の柱27との間の空間Sへの空気の流入が阻止される。
【0033】
以上のように構成されたことから、本第3実施形態においても、第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
【0034】
(5)側板22と枠体21の柱27との間に、側板22の幅方向全長に亘って延びる閉塞手段52が配置され、この閉塞手段52により、側板22と枠体21の柱27との間の空間Sへの空気の流入が阻止されるので、充填材ユニット51の充填材群30における各充填材18への空気の流入量を増加させることができる。これにより、充填材18での温水と空気との熱交換効率が向上して充填材18の伝熱性能が高まり、ひいては冷却塔50の冷却性能をより一層良好に確保することができる。
【0035】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができ、また、それらの置き換えや変更、組み合わせは、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
10…冷却塔、11…ケーシング、12…送風ファン、13…散水装置、15…冷水槽、16…充填材ユニット、18…充填材、20…内部空間、21…枠体、22…側板(支持部材)、23…水平緩衝手段、25…上部梁、26…下部梁、27…柱、30…充填材群、30A…上面、30B…下面、30C…側面、40…冷却塔、41…充填材ユニット、42…支持板、43…垂直緩衝手段、50…冷却塔、51…充填材ユニット、52…閉塞手段、G…地面、S…空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12