(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088036
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】リフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置及び、鋼材の吸着状態判定方法
(51)【国際特許分類】
B66C 1/08 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B66C1/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202988
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】593005644
【氏名又は名称】JFE物流株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184859
【弁理士】
【氏名又は名称】磯村 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】北條 成人
(72)【発明者】
【氏名】八尋 和広
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004EA03
3F004EA06
3F004HB05
(57)【要約】
【課題】 リフティングマグネットと鋼材との吸着状態のモニタリングの精度を高めることが可能な鋼材の吸着状態判定装置を提供する。
【解決手段】
芯、コイル及び、ヨークを有する電磁石を含む磁気吸着部と、前記磁気吸着部を上下方向に移動させる可動部と、を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置である。鋼材の吸着状態判定装置は、前記電磁石の前記コイルの軸方向に沿った第1方向の磁束及び、前記第1方向に対して垂直な方向に沿った第2方向の磁束を検出する磁束検出部と、前記磁束検出部が検出した前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を取得する磁束情報取得部と、前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束の変化態様に基づいて、前記磁気吸着部の前記鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する吸着状態情報生成部と、前記吸着状態情報の種類に応じて報知する報知部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材料で棒状に形成された芯、前記芯の外周を覆うように巻回されたコイル及び、前記コイルの外周を覆うヨークを有する電磁石を含む磁気吸着部と、前記磁気吸着部を上下方向に移動させる可動部と、を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置であって、
前記電磁石の前記コイルの軸方向に沿った第1方向の磁束及び、前記第1方向に対して垂直な方向に沿った第2方向の磁束を検出する磁束検出部と、
前記磁束検出部が検出した前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を取得する磁束情報取得部と、
前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束の変化態様に基づいて、前記磁気吸着部の前記鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する吸着状態情報生成部と、
前記吸着状態情報の種類に応じて報知する報知部と、
を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置。
【請求項2】
前記吸着状態情報の態様に応じた前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束の基準情報を生成する基準情報生成部を有し、
前記吸着状態情報生成部は、前記基準情報を用いて前記吸着状態情報を生成する、請求項1に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置。
【請求項3】
前記基準情報生成部は、前記第1方向の磁束が前記第2方向の磁束に対して比例関係を有する前記基準情報を生成する、請求項2に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置。
【請求項4】
磁性材料で棒状に形成された芯、前記芯の外周を覆うように巻回されたコイル及び、前記コイルの外周を覆うヨークを有する電磁石を含む磁気吸着部と、前記磁気吸着部を上下方向に移動させる可動部と、を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置であって、
前記電磁石の前記コイルの軸方向に沿った第1方向の磁束検出部と、
前記磁束検出部が検出した前記第1方向の磁束を取得する磁束情報取得部と、
前記電磁石に供給される電流、電圧のうち少なくとも一方を含む供給情報を取得する供給情報取得部と、
前記第1方向の磁束及び、前記供給情報の変化態様に基づいて、前記磁気吸着部の前記鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する吸着状態情報生成部と、
前記吸着状態情報の種類に応じて報知する報知部と、
を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置。
【請求項5】
磁性材料で棒状に形成された芯、前記芯の外周を覆うように巻回されたコイル及び、前記コイルの外周を覆うヨークを有する電磁石を含む磁気吸着部と、前記磁気吸着部を上下方向に移動させる可動部と、を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法であって、
前記電磁石の前記コイルの軸方向に沿った第1方向の磁束及び、前記第1方向に対して垂直な方向に沿った第2方向の磁束を検出する磁束検出工程と、
前記磁束検出工程で検出された前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を取得する磁束情報取得工程と、
前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束の変化態様に基づいて、前記磁気吸着部の前記鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する吸着状態情報生成工程と、
前記吸着状態情報の種類に応じて報知する報知工程と、
を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法。
【請求項6】
吸着状態情報生成工程において、
前記磁気吸着部に前記鋼材が吸着されていない非吸着状態の前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を含む第1状態情報及び、前記磁気吸着部に前記鋼材が吸着されている吸着状態の前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を含む第2状態情報を取得する状態情報取得工程と、
前記第1状態情報の遷移が表される第1グラフの少なくとも1点と接しかつ、前記第2方向の磁束が当該第1グラフ以上である基準線を設定する基準線設定工程と、を含み、
前記基準線を用いて前記鋼材の吸着状態を示す前記吸着状態情報を生成する、請求項5に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法。
【請求項7】
前記基準線に対して測定誤差に相当する前記第2方向の磁束を付加して測定誤差基準線を設定する、測定誤差基準線設定工程を有し、
前記測定誤差基準線を用いて前記鋼材の吸着状態を示す前記吸着状態情報を生成する、請求項6に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法。
【請求項8】
前記測定誤差基準線と前記第2グラフとの交点における前記第1方向の磁束を第1閾値として設定し、前記第2方向の磁束を第2閾値として設定する閾値設定工程を有し、
前記第1閾値、前記第2閾値、前記測定誤差基準線と前記第2グラフとの前記交点及び、前記原点によって画定される領域を除いて前記鋼材の吸着状態を示す前記吸着状態情報を生成する、請求項7に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置及び、鋼材の吸着状態判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所等において鋼材を移動する装置として、磁力により鋼材を吊上げるリフティングマグネットが用いられている。リフティングマグネットには、磁力を発生させるために1または複数の電磁石が設けられている。
【0003】
リフティングマグネットで鋼材を吊上げる際には、使用するリフティングマグネットの全てが鋼材と吸着している必要がある。このため、従来では、リフティングマグネットの各々の電磁石と鋼材との吸着状態を目視またはセンサによってモニタリングすることが行われている。
【0004】
このような吸着状態のモニタリングを行うものとしては、例えば、鋼材に磁着する内部磁極及び、外部磁極と、前記外部磁極からの漏洩磁束を測定する磁束センサとを有する電磁石を備える、リフティングマグネットが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているリフティングマグネットについては、より電磁石と鋼材との吸着状態のモニタリングの精度を高めることが望まれている。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、リフティングマグネットの電磁石と鋼材との吸着状態のモニタリングの精度を高めることが可能な鋼材の吸着状態判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
【0009】
[1]
磁性材料で棒状に形成された芯、前記芯の外周を覆うように巻回されたコイル及び、前記コイルの外周を覆うヨークを有する電磁石を含む磁気吸着部と、前記磁気吸着部を上下方向に移動させる可動部と、を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置であって、
前記電磁石の前記コイルの軸方向に沿った第1方向の磁束及び、前記第1方向に対して垂直な方向に沿った第2方向の磁束を検出する磁束検出部と、
前記磁束検出部が検出した前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を取得する磁束情報取得部と、
前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束の変化態様に基づいて、前記磁気吸着部の前記鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する吸着状態情報生成部と、
前記吸着状態情報の種類に応じて報知する報知部と、
を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置。
[2]
前記吸着状態情報の態様に応じた前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束の基準情報を生成する基準情報生成部を有し、
前記吸着状態情報生成部は、前記基準情報を用いて前記吸着状態情報を生成する、[1]に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置。
[3]
前記基準情報生成部は、前記第1方向の磁束が前記第2方向の磁束に対して比例関係を有する前記基準情報を生成する、[2]に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置。
[4]
磁性材料で棒状に形成された芯、前記芯の外周を覆うように巻回されたコイル及び、前記コイルの外周を覆うヨークを有する電磁石を含む磁気吸着部と、前記磁気吸着部を上下方向に移動させる可動部と、を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置であって、
前記電磁石の前記コイルの軸方向に沿った第1方向の磁束検出部と、
前記磁束検出部が検出した前記第1方向の磁束を取得する磁束情報取得部と、
前記電磁石に供給される電流、電圧のうち少なくとも一方を含む供給情報を取得する供給情報取得部と、
前記第1方向の磁束及び、前記供給情報の変化態様に基づいて、前記磁気吸着部の前記鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する吸着状態情報生成部と、
前記吸着状態情報の種類に応じて報知する報知部と、
を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置。
[5]
磁性材料で棒状に形成された芯、前記芯の外周を覆うように巻回されたコイル及び、前記コイルの外周を覆うヨークを有する電磁石を含む磁気吸着部と、前記磁気吸着部を上下方向に移動させる可動部と、を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法であって、
前記電磁石の前記コイルの軸方向に沿った第1方向の磁束及び、前記第1方向に対して垂直な方向に沿った第2方向の磁束を検出する磁束検出工程と、
前記磁束検出工程で検出された前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を取得する磁束情報取得工程と、
前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束の変化態様に基づいて、前記磁気吸着部の前記鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する吸着状態情報生成工程と、
前記吸着状態情報の種類に応じて報知する報知工程と、
を有するリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法。
[6]
吸着状態情報生成工程において、
前記磁気吸着部に前記鋼材が吸着されていない非吸着状態の前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を含む第1状態情報及び、前記磁気吸着部に前記鋼材が吸着されている吸着状態の前記第1方向の磁束及び、前記第2方向の磁束を含む第2状態情報を取得する状態情報取得工程と、
前記第1状態情報の遷移が表される第1グラフの少なくとも1点と接しかつ、前記第2方向の磁束が当該第1グラフ以上である基準線を設定する基準線設定工程と、を含み、
前記基準線を用いて前記鋼材の吸着状態を示す前記吸着状態情報を生成する、[5]に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法。
[7]
前記基準線に対して測定誤差に相当する前記第2方向の磁束を付加して測定誤差基準線を設定する、測定誤差基準線設定工程を有し、
前記測定誤差基準線を用いて前記鋼材の吸着状態を示す前記吸着状態情報を生成する、[6]に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法。
[8]
前記測定誤差基準線と前記第2グラフとの交点における前記第1方向の磁束を第1閾値として設定し、前記第2方向の磁束を第2閾値として設定する閾値設定工程を有し、
前記第1閾値、前記第2閾値、前記測定誤差基準線と前記第2グラフとの前記交点及び、前記原点によって画定される領域を除いて前記鋼材の吸着状態を示す前記吸着状態情報を生成する、[7]に記載のリフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電磁石のコイルの軸方向に沿った第1方向の磁束及び、第1方向に対して垂直な方向に沿った第2方向の磁束の変化態様に基づいて、磁気吸着部の鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する。これにより、複数の磁束の変化態様を用いて吸着状態情報が生成されるため、磁気吸着部の鋼材との吸着状態のモニタリングの精度を高めることが可能となる。
【0011】
また本発明によれば、電磁石のコイルの軸方向に沿った第1方向の磁束及び、電磁石に供給される電流、電圧のうち少なくとも一方を含む供給情報の変化態様に基づいて、磁気吸着部の鋼材の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する。これにより、複数の情報の変化態様を用いて吸着状態情報が生成されるため、磁気吸着部の鋼材との吸着状態のモニタリングの精度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】リフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置の構成を示す説明図である。
【
図3】吸着状態判定装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図4】吸着状態判定方法の処理を示すフロー図である。
【
図5】
図4の吸着状態情報生成工程のサブルーチンを示すフロー図である
【
図6】
図4の吸着状態情報生成工程における処理の態様を示す説明図である。
【
図7】
図2の報知部の報知態様を示す説明図である。
【
図8】
図2の磁束検出部の配置例を示す説明図である。
【
図9】他の実施形態にかかる吸着状態判定装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、リフティングマグネットの鋼材の吸着状態判定装置100(以下、単に吸着状態判定装置とも称する)の構成を示す。吸着状態判定装置100は、リフティングマグネット30の鋼材40の吸着状態を判定する装置である。
【0014】
図1に示すように、リフティングマグネット30は、複数の磁気吸着部10と、複数の磁気吸着部10の各々を上下方向に移動させる可動部20と、を有する。各々の磁気吸着部10は、電気エネルギーが供給されることにより磁力が発生される電磁石を含む。尚、
図1においては、リフティングマグネット30は、6つの磁気吸着部10が設けられているが、リフティングマグネット30に設けられる磁気吸着部10は1以上であればよく、その個数は特には限定されない。
【0015】
可動部20は、特には限定されないが、例えば、クレーントロリを用いることができる。可動部20は、本実施形態においては、棒状に形成された吊上げ天秤21と、吊上げ天秤21において、その軸方向に沿って複数設けられた磁気吸着部10との接続手段22を有する。接続手段22としては、例えば、チェーン等が挙げられる。吊り上げ天秤21の上方には、ガーダ23及び、ガーダ23を移動するトロリ24が設けられている。吊り上げ天秤21は、トロリ24に設けられたモータ(図示せず)に接続され、当該モータの稼働によって上下方向に移動する。
【0016】
鋼材40は、磁性を有するものであれば特には限定されないが、例えば、厚板等の鋼板が挙げられる。鋼材40は、鋼板に限られず、例えば、スラブ、ビレット、形鋼、棒鋼等であってもよい。
【0017】
図2は、磁気吸着部10の断面を示している。
図2に示すように、磁気吸着部10の各々は、電磁石11を有する。電磁石11は、鉄心12a、鉄心12aの外周を覆うように巻回されたコイル12b及び、コイル12bの外周を覆うヨーク13を有する。尚、磁気吸着部10に設けられる電磁石11は1以上であればよく、その個数は特には限定されない。
【0018】
鉄心12aは、棒状に形成された磁性材料である。鉄心12aとしては、例えば、円柱状、角柱状等に形成されたものを用いることができる。磁性材料としては、例えば、珪素鋼、軟鉄等が挙げられる。
【0019】
コイル12bは、導電体が鉄心12aの軸方向に沿って螺旋状に巻回されたものである。コイル12bは、電流が供給されると磁力を発生させる。コイル12bは、その軸方向D1に沿った断面が矩形状に形成されている。
【0020】
ヨーク13は、コイル12bの側面及び上面を覆うように形成されている。ヨーク13は、コイル12bから発生された磁力を増幅する。ヨーク13は、本実施形態においては、コイル12bの軸方向に沿った断面が矩形状に形成されている。ヨーク13は、例えば、円筒状に形成することができる。尚、鉄心12aとヨーク13の内壁とによって囲まれる空間を閉塞するように底板14が設けられている。底板14が設けられていることにより、コイル12b及び、ヨーク13の内壁を保護することができる。
【0021】
磁束検出部50は、コイル12bの軸の方向に沿った第1方向D1の磁束及び、第1方向D1に対して垂直な方向に沿った第2方向D2の磁束を検出する。ここで、磁束は、磁束密度を用いてもよいし、総磁束を用いてもよい。本実施形態においては、磁束として磁束密度を用いた場合を説明する。磁束検出部50は、例えば、磁気吸着部10の側面に設けられる。
【0022】
磁束検出部50としては、例えば、ホール素子を用いた磁束密度センサを用いることができる。ホール素子を用いた磁束センサとしては、ホール素子を2個搭載した2つの軸方向の磁束密度を測定できる2軸式の磁束センサのみならず、3つのホール素子を搭載し、3つの軸方向の磁束密度を測定できる3軸式の磁束センサなども用いることができる。尚、磁束として総磁束を用いる場合には、サーチコイルを用いたセンサを用いることができる。
【0023】
電磁石11には、ヨーク13の外周を覆うように形成された取付治具15が取り付けられている。具体的には、取付治具15は、一対の脚部15aと、一対の脚部15aを接続する接続部15bと、を有する。取付治具15は、コイル12bの軸の方向に沿った第1方向D1の断面がU字状に形成されている。取付治具15は、一方の脚部15aの接続部15bの近傍にヨーク13との取付状態を調整するクランプ16が設けられている。他方の脚部の先端側には、磁束検出部50が設けられている。
【0024】
制御部60は、吸着状態判定装置100の全体を制御する。制御部60は、通信部70を介して磁束検出部50と通信可能に接続されている。
【0025】
通信部70は、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部70は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んで構成されるとよい。通信部70は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んで構成されるとよい。尚、通信部70は、
図2においては取付治具15の接続部15bに設けられている。
【0026】
報知部80は、制御部60によって生成された吸着状態情報の種類に応じて報知する。報知部80としては、例えば、音声を出力するスピーカ、吸着状態情報を表示するディスプレイ等が挙げられる。報知部80は、図示しない通信手段によって制御部60と通信可能に接続されている。報知部80は、例えば、オペレータがリフティングマグネット30を操作する操作制御室(図示せず)に設けられるとよい。報知部80は、通信手段との通信環境に応じて配置するとよく、報知部80がディスプレイである場合には、操作制御室の外部にオペレータが視認可能な態様で設けられるようにしてもよい。
【0027】
図3は、吸着状態判定装置100の機能ブロックを示すブロック図である。
図3に示すように、磁束検出部50と、報知部80と、設定情報DB62と、制御部60とは、通信部70を介してデータ通信可能に接続されている。
【0028】
磁束検出部50は、第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束の検出を開始すると、通信部70を介して設定情報DB62にデータを送信する。
【0029】
設定情報データベース(以下、データベースをDBとして記載する)62は、特には限定されないが、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)等の記憶装置を用いることができる。設定情報DB62には、磁束検出部50によって検出された第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束が時系列データとして記憶されている。
【0030】
また、設定情報DB62には、磁気吸着部10に鋼材40が吸着されていない非吸着状態の第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束を含む第1状態情報が記憶されている。さらに、設定情報DB62には、磁気吸着部10に鋼材40が吸着されている吸着状態の第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束を含む第2状態情報が記憶されている。尚、設定情報DBは、吸着状態判定装置100以外の例えば、サーバ装置(図示せず)等に格納されているものであってもよい。
【0031】
制御部60は、CPU,ROM,RAMからなるコンピュータである。制御部60は、磁束情報取得部61a、基準情報生成部61b及び、吸着状態情報生成部61cを有する。尚、磁束情報取得部61a、基準情報生成部61b及び、吸着状態情報生成部61cは、ROMに格納されているデータおよびプログラム(コンピュータソフトウェア)を読み取り、当該データに基づき、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することにより実現する。
【0032】
磁束情報取得部61aは、磁束検出部50が検出した第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束を設定情報DB62から読み出して取得する。また、磁束情報取得部61aは、第1状態情報及び、第2状態情報を設定情報DB62から読み出して取得する。
【0033】
基準情報生成部61bは、磁束情報取得部61aによって取得された、第1状態情報及び、第2状態情報に基づいて、第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束の態様に応じた基準情報を生成する。基準情報生成部61bによって生成された基準情報は、設定情報DB62に格納される。
【0034】
吸着状態情報生成部61cは、第1方向D1の磁束及び、第2方向の磁束D2の変化態様に基づいて、磁気吸着部10の鋼材40の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する。吸着状態情報生成部61cによって生成された吸着状態情報は、設定情報DB62に格納される。
【0035】
制御部60は、吸着状態情報生成部61cによって生成された吸着状態情報の種類に応じて、報知部80から報知させる。具体的には、報知部80がディスプレイである場合には、磁気吸着部10の鋼材40との吸着状態が表示される。また、報知部80がスピーカである場合には、磁気吸着部10の鋼材40との吸着状態に応じた音声が出力される。
【0036】
図4は、吸着状態判定方法の処理フローを示している。吸着状態判定方法の処理フローは、例えば、吸着状態判定装置100の電源がONにされると実行される。吸着状態判定装置100の電源は、例えば、リフティングマグネット30の動作が開始されるとONにされる。
【0037】
図4に示すように、吸着状態判定方法の処理が開始されると、磁束検出部50は、第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束を検出する(ステップS101)。ステップS101の磁束検出工程において、磁束検出部50は、検出した第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束を設定情報DB62に送信する。設定情報DB62は、これらの情報を時系列データとして格納する。尚、これらの情報は、非吸着状態の第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束を含む第1状態情報と、吸着状態の第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束を含む第2状態情報と、にユーザによって区分けされて設定情報DB62に格納される。
【0038】
磁束情報取得部61aは、磁束検出部50が検出した第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束を設定情報DB62から読み出して取得する(ステップS102)。
【0039】
吸着状態情報生成部61cは、第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束の変化態様に基づいて、リフティングマグネット30の鋼材40の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する(ステップS103)。
【0040】
制御部60は、ステップS103の吸着状態情報生成工程で生成された吸着状態情報の種類に応じた態様で報知部80に報知させる(ステップS104)。
【0041】
図5は、ステップS103の吸着状態情報生成工程のサブルーチンを示している。
図5に示すように、磁束情報取得部61aは、第1状態情報及び、第2状態情報を設定情報DB62から読み出して取得する(ステップS201)。
【0042】
基準情報生成部61bは、第1状態情報の遷移が表される第1グラフの少なくとも1点と接しかつ、第2方向D2の磁束が当該第1グラフ以上である基準線を設定する(ステップS202)。
【0043】
基準情報生成部61bは、ステップS202の基準線設定工程で設定した基準線に対して測定誤差に相当する第2方向の磁束を付加して測定誤差基準線を設定する(ステップS203)。
【0044】
基準情報生成部61bは、ステップS203の測定誤差基準線設定工程で設定した測定誤差基準線と第2グラフとの交点における第1方向D1の磁束を第1閾値として設定し、第2方向D2の磁束を第2閾値として設定する(ステップS204)。
【0045】
このように、ステップS202~204において、基準情報生成部61bは、ステップS201の状態情報取得工程で取得された吸着状態情報の態様に応じた第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束の基準情報を生成する。
【0046】
吸着状態情報生成部61cは、ステップS202~204において得られた測定誤差基準線を用いて鋼材40の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する(ステップS205)。
【0047】
図6は、ステップS201~ステップS204において、基準情報及び、測定誤差基準線が生成される態様を示している。
図6においては、横軸に第1方向D1の磁束、縦軸に第2方向D2の磁束を取ったグラフが示している。また、
図6のグラフの横軸と縦軸との交点を原点ORとして示す。
【0048】
図6のグラフにおいて、第1状態情報の遷移が表される第1グラフG1及び、第2状態情報の遷移が表される第2グラフG2が示されている。第1グラフG1及び、第2グラフG2は、第1方向D1の磁束の上昇に伴って、第2方向D2の磁束も上昇している。第2グラフG2では、第1グラフG1と同等の第1方向D1の磁束の場合、第1グラフG1の第2方向D2の磁束よりも第2グラフG2の第2方向D2の磁束の方が高くなっている。これは、磁気吸着部10が鋼材40を吸着することによって、磁束の方向が変化することに基づいている。
【0049】
図6に示されるように、ステップS202の基準線設定工程~ステップS205の吸着状態生成工程においては、基準情報生成部61bは、例えば、次のような処理を行う。
(工程1)第1グラフG1の第1方向D1の磁束密度の最大値における、第2方向D2の磁束密度と、原点ORを結ぶベースラインBLを設定する。
(工程2)ベースラインBLについて、第1グラフG1の少なくとも1点と接しかつ、第2方向D2の磁束が当該第1グラフG1以上である基準線RLを設定する。
(工程3)基準線RLについて、測定誤差に相当する第2方向D2の磁束を切片として付加して設定した測定誤差基準線ELを設定する。
(工程4)測定誤差基準線ELと第2グラフG2との交点Pにおける第1方向D1の磁束を第1閾値TH1として設定し、第2方向D2の磁束を第2閾値TH2として設定する。
(工程5)第1閾値TH1、第2閾値TH2、測定誤差基準線ELと第2グラフG2との交点P及び、原点ORによって画定される領域Rを除いて吸着状態情報を生成する。
【0050】
図6の例では、基準線RL及び、測定誤差基準線ELは、比例関係を有する直線で示されている。言い換えれば、基準情報生成部61bは、例えば、第1方向D1の磁束が第2方向D2の磁束に対して比例関係を有する基準線RL及び、測定誤差基準線ELを基準情報として生成する。尚、基準線RL及び、測定誤差基準線ELは、本図においては所定の傾きを有する直線で表されているが、このような態様に限られず、曲線、折れ線であってもよい。
【0051】
ここで、リフティングマグネット30の電磁石11の温度は使用状態に応じて変動する。また、電磁石11の磁束密度等は、温度に応じて変動する。測定誤差基準線ELの切片は、温度に応じて変動する電磁石11の磁束密度等に応じて設定するとよい。例えば、測定誤差基準線ELの切片は、リフティングマグネット30の使用環境における温度範囲の中で第2方向D2の磁束密度が最も高く計測された値を考慮して設定するとよい。このように測定誤差基準線ELの切片を設定することで、例えば、リフティングマグネット30が鋼材40を吸着していない状態であるにもかかわらず、リフティングマグネット30が鋼材40を吸着している吸着状態情報が生成されることを抑止することができる。
【0052】
吸着状態情報生成部61cは、取得した第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束が、測定誤差基準線ELよりも第2方向D2の磁束の値が高い場合、磁気吸着部10が鋼材40を吸着している状態であるとする吸着状態情報を生成する。
【0053】
吸着状態情報生成部61cは、取得した第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束が、測定誤差基準線ELよりも第2方向D2の磁束の値が低い場合、磁気吸着部10が鋼材40を吸着していない状態であるとする吸着状態情報を生成する。このように、測定誤差基準線ELを用いて吸着状態情報を生成することにより、磁気吸着部10の鋼材40との吸着状態を容易に判断することができる。
【0054】
具体的には、吸着状態情報生成部61cは、第1方向D1の磁束の大きさをBxとし、第2方向D2の磁束の大きさをBzとした場合に、当該基準情報を用いてBx≧閾値TH1でありかつ、Bz≧閾値TH2となる値を抽出する。次いで吸着状態情報生成部61cは、Bz>Bx×測定誤差基準線ELの傾き+測定誤差基準線ELの切片の値を満たす場合、磁気吸着部10が鋼材40を吸着している状態とする吸着状態情報を生成する。
【0055】
これに対して、吸着状態情報生成部61cは、Bz≦Bx×測定誤差基準線ELの傾き+測定誤差基準線ELの切片の値を満たす場合、磁気吸着部10が鋼材40を吸着していない状態とする吸着状態情報を生成する。
【0056】
尚、領域Rの範囲内では、磁気吸着部10の鋼材40との吸着状態のモニタリングの精度が低くなる傾向が発明者らによって見出された。したがって、領域Rを除いて吸着状態情報が生成されることにより、磁気吸着部10の鋼材40との吸着状態のモニタリングの精度を高めることができる。
【0057】
図7は、ステップS104の報知工程における報知態様を示している。
図7に示すように、報知部80は、ディスプレイの表示面81を有する。表示面81には、磁気吸着部10毎の吸着状態情報が示されている。
図7に示す例では、鋼材40と吸着している状態(吸着あり)及び、鋼材40と吸着していない状態(吸着なし)吸着状態情報が示されている。また、
図4のステップS102の磁束情報取得工程で取得された第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束が、領域Rの範囲内であるため判定されない状態(判定なし)の吸着状態情報が示されている。これらの吸着状態情報は、互いに識別可能な態様で表示面81に表示されている。例えば、鋼材40と吸着している状態(吸着あり)では、予め定められた領域が緑色に、鋼材40と吸着していない状態(吸着なし)では、予め定められた領域が赤色に、判定されない状態(判定なし)では、予め定められた領域が白色に表示されるとよい。このように表示することでオペレータは、磁気吸着部10の鋼材40との吸着状態を容易に視認することができる。
【0058】
以上のように、本発明によれば、第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束の変化態様に基づいて、磁気吸着部10の鋼材40の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する。これにより、複数の磁束の変化態様を用いて吸着状態情報が生成されるため、磁気吸着部10と鋼材40との吸着状態のモニタリングの精度を高めることが可能となる。
【0059】
特に、測定誤差基準線ELの切片が温度に応じて変化する電磁石11の磁束密度等に応じて設定されることにより、実際のリフティングマグネット30と鋼材40との吸着状態と異なる吸着状態情報が生成されることを抑止することができる。
【0060】
尚、本実施形態においては、測定誤差基準線ELを用いて吸着状態情報を生成したが、例えば、測定誤差がほとんどない場合には、測定誤差基準線ELを用いずに基準線RLを用いて吸着状態情報を生成してもよい。この場合、ステップS202の基準線設定工程~ステップS205の吸着状態生成工程の(工程1)~(工程5)のうち、(工程3)を省略することができる。また、(工程4)及び、(工程5)については、測定誤差基準線ELを基準線RLに読み替えて実施することができる。
【0061】
また、本実施形態においては、磁束検出部50は、磁気吸着部10の側面に設けられることを説明した。磁束検出部50は、磁気吸着部10の電磁石11の周囲に設けられるとよい。例えば、
図8に示すように、磁気吸着部10は上面視で矩形状に形成されている。磁束検出部50は、上面視において磁気吸着部10の長手方向において列状に配列されかつ、短手方向において互いに対向するように設けられるとよい。このように、磁束検出部50を配置することで、磁束の検出精度を高めることができる。
【0062】
さらに、本実施形態においては、基準線RL及び、測定誤差基準線ELを用いて吸着状態情報が生成される態様を説明した。しかし、吸着状態情報は、このような態様に限られず、例えば、第1方向D1及び、第2方向D2の磁束の予め定めた基準値を設け、当該基準値を基準情報として用いて吸着状態情報が生成されるようにしてもよい。
【0063】
さらにまた、本実施形態においては、基準情報を用いて吸着状態情報が生成される態様を説明した。しかし、吸着状態情報は、このような態様に限られず、例えば、第1方向D1及び、第2方向D2の磁束の変動の度合いに応じて吸着状態情報が生成されるようにしてもよい。
【0064】
(第2実施形態)
上述の実施形態においては、吸着状態情報は、第1方向D1の磁束及び、第2方向D2の磁束の変化態様に基づいて生成された。しかし、吸着状態情報は、第1方向D1の磁束又は、第2方向D2の磁束及び、電磁石に供給される電流、電圧のうち少なくとも一方を含む供給情報の変化態様に基づいて生成されるようにしてもよい。
【0065】
図9は、第2実施形態にかかる吸着状態判定装置200の機能ブロックを示している。
図9に示すように、第2実施形態にかかる吸着状態判定装置200は、制御部60が供給情報取得部61dを有する点で、第1実施形態にかかる吸着状態判定装置100とは異なる。その余の点は第1実施形態にかかる吸着状態判定装置100と同一であるので、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
制御部60の供給情報取得部61dは、電磁石11に供給される電流を制御する制御手段(図示せず)に接続されている。当該制御手段は、電磁石11に供給される電流と、電圧とを逐次記録している。供給情報取得部61dは、電磁石11に供給される電流、電圧のうち少なくとも一方を含む供給情報を取得する。供給情報取得部61dが取得した供給情報は、設定情報DB62に格納される。尚、磁束検出部50は、第1方向D1の磁束を検出できればよいので、例えば、単軸式の磁束センサを用いることもできる。尚、設定情報DB62には、供給情報及び、第1方向D1の磁束又は、第2方向D2の磁束を含む第1状態情報並びに、第2状態情報が格納されている。基準情報生成部62は、第1状態情報及び、第2状態情報を用いて、第1実施形態と同様の態様で基準情報を生成する。
【0067】
吸着状態情報生成部61cは、第1方向D1の磁束及び、供給情報の変化態様に基づいて、リフティングマグネット30の鋼材40の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する。
【0068】
例えば、
図6に示されているように、磁気吸着部10の鋼材40の吸着状態に応じて、第1方向D1の磁束は変化する。また、リフティングマグネット30に鋼材40を吸着させる動作が開始される際にも、電磁石11に供給される電流、電圧のうち少なくとも一方を含む供給情報がその停止状態から変化する。吸着状態情報生成部61cは、このような関係から、リフティングマグネット30に鋼材40を吸着させる動作が開始される際に、第1方向D1の磁束の変化をモニタリングすることで、吸着状態情報を生成する。尚、吸着状態情報生成部61cによって生成された吸着状態情報は、第1実施形態と同様な態様で報知部80から報知させるとよい。
【0069】
以上のように、吸着状態判定装置200は、第1方向D1の磁束及び、供給情報の変化態様に基づいて、磁気吸着部10の鋼材40の吸着状態を示す吸着状態情報を生成する。これにより、複数の情報の変化態様を用いて吸着状態情報が生成されるため、磁気吸着部10の鋼材40との吸着状態のモニタリングの精度を高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0070】
100 吸着状態判定装置
200 吸着状態判定装置
10 磁気吸着部
11 電磁石
12a 芯
12b コイル
13 ヨーク
20 可動部
30 リフティングマグネット
40 鋼材
50 磁束検出部
60 制御部
61a 磁束情報取得部
61b 基準情報生成部
61c 吸着状態情報生成部
61d 供給情報取得部
80 報知部