(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088066
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】登録装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20240625BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/12 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203046
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曹永 紗世
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真紀
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA20
3E142DA07
3E142FA42
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、画面切り替えに関するユーザの操作性を向上することが可能な登録装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の登録装置は、表示部と当該表示部の表面に設けられた入力部とを有し、顧客が購入する商品の商品情報を登録する登録装置であって、登録された商品情報を表示する明細画面と、当該商品情報を登録するための商品選択ボタンを複数表示するプリセット画面と、を選択可能に前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記入力部に対するユーザの操作方向を検出する検出手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記表示部が前記明細画面を表示している状態で、前記検出手段によってユーザの操作方向が予め設定された第1方向であることが検出された場合、前記プリセット画面を前記表示部に表示させる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と当該表示部の表面に設けられた入力部とを有し、顧客が購入する商品の商品情報を登録する登録装置であって、
登録された商品情報を表示する明細画面と、当該商品情報を登録するための商品選択ボタンを複数表示するプリセット画面と、を選択可能に前記表示部に表示させる表示制御手段と、
前記入力部に対するユーザの操作方向を検出する検出手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記表示部が前記明細画面を表示している状態で、前記検出手段によってユーザの操作方向が予め設定された第1方向であることが検出された場合、前記プリセット画面を前記表示部に表示させる、
登録装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示部が前記プリセット画面を表示している状態で、前記検出手段によってユーザの操作方向が前記第1方向とは反対方向である第2方向であることが検出された場合、前記明細画面を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の登録装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記表示部が前記明細画面または前記プリセット画面を表示している状態で、前記検出手段によってユーザの操作方向が前記第1方向および前記第2方向とは異なる方向であって予め設定された第3方向であることが検出された場合、その他の操作画面を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載の登録装置。
【請求項4】
前記その他の操作画面は、ユーザの業務を選択可能な業務メニュー画面であり、
前記表示制御手段は、前記表示部が前記明細画面を表示している状態で、前記検出手段によってユーザの操作方向が前記第3方向であることが検出された場合、前記明細画面および前記業務メニュー画面を前記表示部に表示させる、
請求項3に記載の登録装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記プリセット画面を表示させるための切り替えボタンを、前記明細画面において、前記第1方向を始点と終点とで示す場合の始点側に位置して表示させる、
請求項1に記載の登録装置。
【請求項6】
表示部と当該表示部の表面に設けられた入力部とを有し、顧客が購入する商品の商品情報を登録する登録装置を制御するためのプログラムであって、
前記登録装置を、
登録された商品情報を表示する明細画面と、当該商品情報を登録するための商品選択ボタンを複数表示するプリセット画面と、を選択可能に前記表示部に表示させる表示制御手段と、
前記入力部に対するユーザの操作方向を検出する検出手段と、して機能させ、
前記表示制御手段は、前記表示部が前記明細画面を表示している状態で、前記検出手段によってユーザの操作方向が予め設定された第1方向であることが検出された場合、前記プリセット画面を前記表示部に表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、登録装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、量販店等の店舗においては、POS(Point Of Sales)端末など、商品情報を登録(以下、「商品登録」ともいう)する登録装置が用いられている。登録装置のユーザ、例えば店員は、商品登録を行う際に、登録装置の表示部に表示される画面を切り替える必要が生じる場合がある。
【0003】
例えば、店員は、商品に付されたバーコード(以下、「商品バーコード」ともいう)をスキャナで読み取った際に商品情報が表示される明細画面と、商品バーコードが付されていない商品を登録するためのプリセット画面とを切り替える場合がある。一般的に、登録装置は、各画面に他の画面に切り替えるための画面切り替えボタンを表示する(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかしながら、登録装置が表示する各画面には各種の操作ボタンが設けられていることから、店員は画面切り替えボタンを直ちに認識することが困難であった。このため、従来の登録装置は、画面切り替えに関する操作性について改善の余地が残されているものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、画面切り替えに関する操作性を向上することが可能な登録装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の登録装置は、表示部と当該表示部の表面に設けられた入力部とを有し、顧客が購入する商品の商品情報を登録する登録装置であって、登録された商品情報を表示する明細画面と、当該商品情報を登録するための商品選択ボタンを複数表示するプリセット画面と、を選択可能に前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記入力部に対するユーザの操作方向を検出する検出手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記表示部が前記明細画面を表示している状態で、前記検出手段によってユーザの操作方向が予め設定された第1方向であることが検出された場合、前記プリセット画面を前記表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の会計システムの構成例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の登録装置の外観を示した斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態の登録装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の登録装置の記憶部に記憶される画面設定ファイルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の登録装置の仮想画面配置イメージの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の登録装置の記憶部に記憶される画面設定ファイルのデータ構成の他の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の登録装置の仮想画面配置イメージの他の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の登録装置の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の登録装置における明細画面からプリセット画面への切り替えを説明するための図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の登録装置における明細画面から業務メニュー画面への切り替えを説明するための図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態の登録装置における一部業務メニュー画面を示す図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態の登録装置におけるプリセット画面を示す図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態の登録装置の制御部による表示切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第2の実施形態の登録装置の記憶部に記憶される画面設定ファイルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態の登録装置の制御部による表示切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第3の実施形態の登録装置における明細画面からプリセット画面への切り替えを説明するための図である。
【
図17】
図17は、第3の実施形態の登録装置における明細画面の分類別アイコンを説明するための図である。
【
図18】
図18は、第4の実施形態の登録装置における会計画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態の登録装置およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、登録装置を、店員が商品登録に係る操作を行い顧客が支払いに係る操作を行うセミセルフPOSシステムの登録装置とした例について説明するが、これに限らない。登録装置は、店員が商品登録および支払いに係る操作を行うPOS端末であってもよい。
【0009】
また、以下に説明する実施形態では、登録装置は自装置が備える記憶部に商品情報を登録することによって商品登録を実行するが、これに限らない。登録装置は、例えば、店舗によって別途管理されるストアサーバに商品情報を登録させるものであってもよい。より詳細には、登録装置は、入力された商品識別情報を一時的に記憶してストアサーバに送信し、当該商品識別情報に対応する商品情報を当該ストアサーバに登録させるものであってもよい。言い換えれば、登録装置は、商品情報の一部である商品識別情報を一時的に記憶(登録)するものであってもよい。本明細書において、登録装置が商品情報を登録するとは、登録装置が入力された商品識別情報に基づいて商品情報を自装置の記憶部に登録すること、および外部記憶装置に登録させることを含む概念であるものとする。
【0010】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る会計システム1の構成例を示す模式図である。
図1に示すように、会計システム1は、複数の登録装置2と、複数の会計装置3とを備えている。各登録装置2はそれぞれカウンタ5の上に設置されている。各会計装置3の隣には、商品カゴを置くための載置台4がそれぞれ設置されている。各登録装置2には、それぞれ2台の会計装置3が接続インタフェース6を介して通信可能に接続されている。
【0011】
登録装置2は、店員Oによって操作される。登録装置2は、顧客Cが購入する商品について登録処理を実行する。登録処理は、商品登録、および合計金額(取引額)の算出を含む。会計装置3は、顧客Cによって操作される。会計装置3は、登録装置2から取引データを取得して会計処理を実行する。取引データは、顧客が会計装置3で支払いを行うために必要なデータであって、商品登録された商品の商品情報(商品名、単価、個数など)、および取引額を含む。会計処理は、顧客が支払いを行うために会計装置3が実行する処理である。なお、登録装置2が後述するストアサーバ8に商品情報を登録させる場合、会計装置3はストアサーバ8から取引情報を取得する。
【0012】
会計システム1による顧客Cの取引の流れの概略は、次のとおりである。例えば、登録装置2は、顧客Cの購入商品の商品情報と取引金額とを含む取引データを生成する。登録装置2は、自装置に接続された会計装置3のいずれか一方をデータ転送先として選択して取引データを転送する。顧客Cは、登録装置2から取引データが転送された会計装置3に移動して、当該会計装置3を操作して支払いを行う。
【0013】
登録装置2は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク7により、店舗のバックヤードに設置されたストアサーバ8と接続されている。ストアサーバ8は、店舗の各種情報を管理する。
【0014】
次に、登録装置2の構成概略について説明する。
図2は、登録装置2の外観を示した斜視図である。
【0015】
図2に示すように、カウンタ5の上面に設置された登録装置2は、読取窓112を有する縦型のスキャナ111をベースに構成されている。スキャナ111は、例えば、商品バーコードの撮像画像から商品コード(商品識別情報)を読み取る。なお、スキャナ111は、商品バーコードを走査して受光したレーザ光を解析することで、商品コードを読み取るものであってもよい。また、スキャナ111は、一般物体認識(オブジェクト認識)を用いて商品の外観から商品コードを読み取るものであってもよい。
【0016】
また、登録装置2は、スキャナ111の上部にオペレータ用表示器114およびキーボード115を備えている。オペレータ用表示器114は、登録された商品情報を表示する明細画面、商品バーコードが付されていない商品の商品情報を登録するためのプリセット画面、店員Oが返品処理など商品登録とは異なる業務を行うための業務メニュー画面、その他各種画面を表示する。オペレータ用表示器114は、表示部の一例である。
【0017】
オペレータ用表示器114の表面には、タッチパネル113が設けられている。タッチパネル113は、ユーザが触れた位置に応じた情報を登録装置2の制御部20(
図3参照)に入力するもので、表示部の表面に設けられた入力部の一例である。なお、タッチパネル113は、ユーザと非接触で当該ユーザの操作を認識して情報を制御部20に入力する非接触タッチパネルであってもよい。タッチパネル113およびキーボード115は、商品コードなど各種情報の入力を補助するユーザインタフェースとして機能する。本実施形態においては、登録装置2のユーザは店員Oであるため、以下の説明ではユーザを店員Oとして説明する。
【0018】
図2において、登録装置2の左側(店員Oが立つ位置から見て登録装置の左側)には、プリンタ116が設けられている。プリンタ116は、レシートを印字して発行する。例えば、顧客Cが金券などによる支払いを登録装置2で行う場合、プリンタ116は、レシートを発行する。
【0019】
図2において、登録装置2の右側には、カードリーダ118が設けられている。カードリーダ118は、挿入口119から挿入された磁気カードに対して磁気的に情報を読み書きする。カードリーダ118は、ICカードから情報を読み取るICカードリーダでもよい。例えば、カードリーダ118は、顧客Cが所有する会員カードから会員情報を読み取る。
【0020】
また、プリンタ116の背面側(顧客Cが位置する側)には、その表示面をオペレータ用表示器114の表示面とは反対側に向けられた状態で客用表示器117が設けられている。客用表示器117は、顧客Cに対して、登録された商品情報等を表示する。
【0021】
顧客Cが購入商品を入れたカゴをカウンタ5の
図2における右側に載置すると、店員Oはカゴから商品を取り出して、商品バーコードを読取窓112の正面に翳し、スキャナ111で商品コードを読み取る。登録装置2は、読み取った商品コードに基づいて商品登録を実行する。
【0022】
次に、登録装置2のハードウェア構成について説明する。
図3は、登録装置2の主たるハードウェア構成を示したブロック図である。
【0023】
登録装置2は、制御部20と、記憶部21と、スキャナ111と、タッチパネル113と、オペレータ用表示器114と、キーボード115と、プリンタ116と、客用表示器117と、カードリーダ118と、通信部22と、を備えている。制御部20、記憶部21、スキャナ111、タッチパネル113、オペレータ用表示器114、キーボード115、プリンタ116、客用表示器117、カードリーダ118、および通信部22は、バス23等を介して互いに接続されている。
【0024】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス23を介して互いに接続されている。
【0025】
CPU201は登録装置2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202や記憶部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶されRAM203に展開された制御プログラムにしたがって動作することによって、登録装置2の各種制御処理を実行する。
【0026】
また、RAM203は、商品情報部2031を有する。商品情報部2031は、顧客が購入する商品の商品情報を記憶する。具体的には、商品情報部2031は、スキャナ111から取得した商品コードに基づいて記憶部21から読み出された商品情報を記憶する。商品情報部2031は、商品コード、商品名、価格、個数などの商品情報を対応付けて記憶する。商品情報部2031に商品情報が登録されることを商品登録ともいう。
【0027】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部21は、制御プログラム211、商品マスタ212、および画面設定ファイル213を記憶する。
【0028】
制御プログラム211は、商品登録を実行する機能、登録した商品情報を含む取引データを会計装置3に転送する機能、オペレータ用表示器114や客用表示器117に各種情報を表示させる機能、タッチパネル113に対する店員Oの操作方向、具体的には店員Oのスワイプ操作の方向を検出する機能等を実現するためのプログラムなどである。
【0029】
商品マスタ212は、店舗で取り扱っている商品について、商品情報を記憶するマスタファイルである。商品マスタ212は、商品コードと他の商品情報(商品名、価格等)を対応付けて記憶する。店舗で取り扱う商品は日々変化するため、登録装置2は、適宜更新された商品マスタ212をストアサーバ8から取得する。
【0030】
画面設定ファイル213は、オペレータ用表示器114に表示する画面の切り替え方法を設定するファイルである。本実施形態においては、画面設定ファイル213で切り替え方法が設定される画面は、明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面であるが、その他の画面についても画面設定ファイル213で切り替え方法を設定してもよい。画面設定ファイル213は、登録装置2を使用する店舗が任意に設定することができる。
図4は、画面設定ファイル213のデータ構成を示す図である。画面設定ファイル213は、表示画面、操作方法、および切り替え画面を対応付けて記憶する。
【0031】
表示画面は、オペレータ用表示器114に表示される画面である。本実施形態では、明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面が登録される。これら明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面は、店員Oによる商品登録操作時に表示され得る画面であって、かつ、店員Oの操作に基づいて切り替えられる画面である。特に、明細画面とプリセット画面は、商品登録時に頻繁に切り替えられる画面であるため、両者間の切り替え操作を容易とすることは店員Oによる商品登録操作の操作性向上に大きく貢献する。そこで、本実施形態においては、これら明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面の切り替え方法を容易にすべく、画面設定ファイル213で切り替え方法を設定している。
【0032】
操作方向は、タッチパネル113に対する店員Oの操作方向である。具体的には、操作方向は、店員Oによるタッチパネル113に対するスワイプ操作の方向である。スワイプ操作とは、タッチパネル113に指が触れた状態のまま、一方向にスライドさせる動作である。例えば、店員Oがタッチパネル113に指を触れた状態のまま、当該指を右方向にスライドさせた場合、タッチパネル113に対する店員Oの操作方向は「右」となる。
【0033】
以下の説明において、スワイプ操作で店員Oが最初にタッチパネル113に触れた位置を始点、スライド後に指をタッチパネル113から離した位置を終点という場合がある。スワイプの操作方向が「右」である場合、左側が始点側であり、右側が終点側となる。画面設定ファイル213において、操作方向は、各表示画面に対して複数対応付けられている。
【0034】
切り替え画面は、表示画面におけるスワイプ操作によって切り替えられる画面である。言い換えれば、切り替え画面は、表示画面において店員Oによって所定のスワイプ操作がなされた場合に表示される画面である。切り替え画面は、操作方向に対して1対1で対応付けられている。
【0035】
ここで、明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面の切り替えについて、
図5を参照しながら説明する。
図5は、仮想画面配置イメージの一例を示す図である。仮想画面配置イメージは、左側にプリセット画面、右側に明細画面、下側に業務メニュー画面が配置されている。
【0036】
オペレータ用表示器114に明細画面が表示されている状態からプリセット画面に切り替える場合について説明する。仮想画面配置イメージにおいて、プリセット画面は明細画面の左側に位置している。店員Oは、プリセット画面を現在表示されている明細画面側、すなわち右側に引き出すイメージをもって明細画面でスワイプ操作すればよい。具体的には、店員Oは、明細画面において右方向にスワイプ操作すればよい。この場合、画面設定ファイル213において、表示画面が「明細画面」、操作方向が「右」に対応付けられる切り替え画面は「プリセット画面」である。したがって、オペレータ用表示器114よる表示画面は、明細画面からプリセット画面に切り替わる。
【0037】
また、明細画面から業務メニュー画面に切り替える場合、店員Oは、業務メニュー画面を現在表示されている明細画面側、すなわち上側に引き出すイメージをもって明細画面で上方向にスワイプ操作すればよい。この場合、画面設定ファイル213において、表示画面が「明細画面」、操作方向が「上」に対応付けられる切り替え画面は「業務メニュー画面」である。したがって、オペレータ用表示器114による表示画面は、明細画面から業務メニュー画面に切り替わる。業務メニュー画面は、その他の操作画面の一例である。
【0038】
他の画面の切り替えも同様にして行うことができる。店舗は、登録装置2を操作する店員Oが視認可能な位置に仮想画面配置イメージを示す図を配置することにより、店員Oの操作による画面切り替えが確実に行われるようにすることができる。
【0039】
続いて、画面設定ファイル213の変形例について説明する。
図6は、変形例の画面設定ファイル213のデータ構成を示す図である。また、
図7は、変形例の画面設定ファイル213に対応する仮想画面配置イメージを示す図である。
図7に示す仮想画面配置イメージにおいて、明細画面の左側にプリセット画面、右側に業務メニュー画面がそれぞれ位置している。
【0040】
明細画面からプリセット画面に切り替える場合、店員Oは、プリセット画面を右に引き出すイメージをもって明細画面で右方向にスワイプ操作すればよい。この場合、
図6の画面設定ファイル213において、表示画面が「明細画面」、操作方向が「右」に対応付けられる切り替え画面は「プリセット画面」である。したがって、オペレータ用表示器114による表示画面は、明細画面からプリセット画面に切り替わる。
【0041】
また、明細画面から業務メニュー画面に切り替える場合、店員Oは、業務メニュー画面を左側に引き出すイメージをもって明細画面において左方向にスワイプ操作すればよい。この場合、
図6の画面設定ファイル213において、表示画面が「明細画面」、操作方向が「左」に対応付けられる切り替え画面は「業務メニュー画面」である。したがって、オペレータ用表示器114による表示画面は、明細画面から業務メニュー画面に切り替わる。
【0042】
図3に戻って登録装置2のハードウェアについて説明する。スキャナ111、タッチパネル113、オペレータ用表示器114、キーボード115、プリンタ116、客用表示器117、およびカードリーダ118については上述しているので、重複する説明は省略する。
【0043】
通信部22は、会計装置3、ストアサーバ8などの外部装置と通信するためのインタフェースである。制御部20は、通信部22を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0044】
続いて、登録装置2の制御部20の機能構成について説明する。
図8は、登録装置2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力手段2001、登録手段2002、データ転送手段2003、検出手段2004、および表示制御手段2005として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0045】
入力手段2001には、各種情報が入力される。例えば、入力手段2001には、スキャナ111から商品コードが入力される。スキャナ111から入力される商品コードは、当該スキャナ111が商品バーコードから読取ったものである。また、入力手段2001には、検出手段2004が店員Oによって選択されたことを検出した商品選択ボタンに対応する商品コードが入力される。商品選択ボタンに対応する商品コードは、プリセット画面において店員Oが選択した商品の商品コードである。
【0046】
また、入力手段2001には、タッチパネル113やキーボード115から取引データ転送指示が入力される。取引データ転送指示は、顧客Cの購入商品全てについて商品登録が完了した際に店員Oの操作によって入力される。
【0047】
登録手段2002は、商品登録を実行する。具体的には、登録手段2002は、入力手段2001に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出す。そして、登録手段2002は、読み出した商品情報を商品情報部2031に取引対象として登録する。
【0048】
データ転送手段2003は、入力手段2001に取引データ転送指示が入力されると、取引データを会計装置3に転送する。データ転送手段2003は、店員Oが指定した会計装置3に取引データを転送してもよいし、制御部20によって選定された会計装置3に取引データを転送してもよい。
【0049】
検出手段2004は、タッチパネル113から入力される情報に基づいて、オペレータ用表示器114に表示され店員Oによって選択された各種操作子を検出する。例えば、検出手段2004は、オペレータ用表示器114に表示されたプリセット画面に表示され、店員Oによって選択された商品選択ボタンを検出する。
【0050】
また、検出手段2004は、タッチパネル113に対する店員Oの操作方向を検出する。具体的には、検出手段2004は、店員Oのスワイプ操作の方向を検出する。検出手段2004は、明細画面において店員Oのスワイプ操作の方向が右方向であることを検出した場合、第1の方向を検出したと判断する。
【0051】
検出手段2004は、プリセット画面において店員Oのスワイプ操作の方向が左方向であることを検出した場合、第2の方向を検出したと判断する。検出手段2004は、明細画面またはプリセット画面において店員Oのスワイプ操作の方向が上方向であることを検出した場合、第3の方向を検出したと判断する。
【0052】
表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114および客用表示器117に各種情報を表示させる。例えば、表示制御手段2005は、客用表示器117に登録された商品情報や取引額を表示させる。
【0053】
また、表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114に明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面を表示させる。表示制御手段2005は、検出手段2004が検出した店員Oのスワイプ操作の方向や切り替えボタン等に基づいて、プリセット画面、業務メニュー画面、およびその他各種画面を切り替える。
【0054】
ここで、明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面の詳細と、これら画面の切り替えについて図を参照して説明する。まず、明細画面からプリセット画面への切り替えについて説明する。
図9は、明細画面からプリセット画面への切り替えを説明するための図である。
【0055】
オペレータ用表示器114に表示される明細画面は、ヘッダー部51、明細情報部52、合計情報部53、会計ボタン54、プリセット表示ボタン55、および業務メニュー表示ボタン56を表示する。プリセット表示ボタン55、および業務メニュー表示ボタン56は、表示画面を切り替えるための切り替えボタンの一例である。
【0056】
ヘッダー部51は、現在時刻、端末コード、担当者名等を表示する。端末コードは、明細画面を表示している登録装置2を特定するコードである。担当者名は、明細画面を表示している登録装置2を操作する店員Oの氏名である。担当者名を変更する場合、業務メニュー画面を表示させて必要な情報を入力する。
【0057】
明細情報部52は、商品登録された商品の情報を表示する。表示される商品の情報は、商品名、数量、価格、税区分などである。また、明細情報部52は、数量変更ボタン521および取消ボタン522を表示する。数量変更ボタン521および取消ボタン522は、表示される商品情報ごとに表示される。
【0058】
数量変更ボタン521は、商品の数量を変更するための操作子である。店員Oは、数量変更ボタン521を操作した後、数量を入力する。数量の入力はキーボード115からなされてもよいし、数量が表示された領域にプルダウン表示される数を選択することによってなされてもよい。取消ボタン522は、商品登録を取り消すための操作子である。
【0059】
合計情報部53は、商品登録済の商品の合計点数および合計金額を表示する。合計情報部53は、商品登録済の商品に値引き商品が含まれている場合、値引きの合計金額についても表示する。
【0060】
会計ボタン54は、商品登録を終了することを宣言するための操作子である。会計ボタン54が操作されると、オペレータ用表示器114は、図示しない転送画面を表示する。取引データの転送先の会計装置3を店員Oが手動で選択するタイプの登録装置2である場合、オペレータ用表示器114は転送画面として転送先の会計装置3を選択する画面を表示する。取引データの転送先の会計装置3が制御部20によって自動的に選択されるタイプの登録装置2である場合、オペレータ用表示器114は転送画面として選択された会計装置3を特定する情報(会計装置Noなど)を示す画面を表示する。
【0061】
プリセット表示ボタン55は、プリセット画面を表示させるための操作子である。店員Oは、プリセット表示ボタン55を操作することにより、あるいは、明細画面上で右方向にスワイプ操作を行うことにより、プリセット画面を表示させることができる。
【0062】
プリセット表示ボタン55には、野菜や魚などのプリセット商品を示す商品イラスト551が付随して表示される。これにより、店員Oは、プリセット表示ボタン55を操作するとプリセット画面が表示されることを認識することができる。なお、プリセット商品とは、商品バーコードが付されていない商品で、プリセット画面で商品が選択されることによって商品コードが入力される商品である。また、プリセット表示ボタン55には、右方向を指す矢印552が表示される。店員Oは、矢印552によって、右方向にスワイプ操作すればプリセット画面が表示されることを認識することができる。
【0063】
プリセット表示ボタン55は、明細画面において、プリセット画面を表示させるためのスワイプ操作の方向を始点と終点で定義する場合の始点側に位置して表示される。具体的には、プリセット表示ボタン55は、明細画面において、右方向にスワイプ操作する際の始点側である左側の端部に表示される。店員Oは、明細画面において右方向にスワイプ操作しようとする場合、通常は明細画面の左側端部から右方向にスワイプ操作することが多い。このため、プリセット画面を表示させようとする店員Oがまず着目すると考えられる明細画面に左側端部にプリセット表示ボタン55を設けることにより、店員Oはプリセット表示ボタン55を認識しやすくなる。
【0064】
このように、本実施形態においては、明細画面でプリセット表示ボタン55を認識しやすくすること、および、仮にプリセット表示ボタン55を直ちに認識できなかったとしてもスワイプ操作によってプリセット画面の表示が可能となること、から店員Oの操作性を向上させることができる。
【0065】
業務メニュー表示ボタン56は、業務メニュー画面を表示させるための操作子である。店員Oは、業務メニュー表示ボタン56を操作することにより、あるいは、明細画面上で上方向にスワイプ操作を行うことにより、業務メニュー画面を表示させることができる。
【0066】
なお、業務メニュー表示ボタン56は、明細画面において、業務メニュー画面を表示させるためのスワイプ操作の方向を始点と終点で定義する場合の始点側に位置して表示される。具体的には、業務メニュー表示ボタン56は、明細画面において、上方向にスワイプ操作する際の始点側である下側の端部に表示される。これにより、店員Oは、プリセット表示ボタン55の場合と同様に、業務メニュー表示ボタン56を認識しやすくなる。
【0067】
図9に示す明細画面において、例えば符号Aで示すように、店員Oが右方向にスワイプ操作すると、オペレー用タ表示器114はプリセット画面を表示する。本実施形態では、検出手段2004は、明細画面のいずれの位置でスワイプ操作が行われた場合であっても当該スワイプ操作の方向を検出できるものとしたが、これに限らない。検出手段2004は、明細画面の一部分、例えばプリセット表示ボタン55周辺の左端部や、業務メニュー表示ボタン56周辺の下端部のみでスワイプ操作の方向を検出するものであってもよい。
【0068】
続いて、プリセット画面について説明する。なお、明細画面と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。プリセット画面は、ヘッダー部51、合計情報部53、会計ボタン54、業務メニュー表示ボタン56、商品選択部61、および明細表示ボタン62を表示する。
【0069】
商品選択部61は、多数の商品選択ボタン611を表示する。商品選択ボタン611は、商品バーコードが付されていない商品の商品コードを入力するための操作子である。商品選択ボタン611は、タブ612に対応付けられて表示される。タブ612は、対応する商品選択ボタン611の分類を示すものであって、店員Oによって選択可能である。タブ612による分類は、「やさい」「くだもの」「おそうざい」「パン」「焼き鳥」「さかな」などが設定されている。商品選択部61は、選択されたタブ612の分類に属する商品について、商品選択ボタン611を表示する。なお、他の画面からプリセット画面に切り替わった際、「やさい」タブ612の分類に属する商品について商品選択ボタン611を表示するプリセット画面が表示されるようデフォルトとして設定されている。
【0070】
明細表示ボタン62は、明細画面を表示させるための操作子である。店員Oは、明細表示ボタン62を操作することにより、あるいは、プリセット画面上で左方向にスワイプ操作を行うことにより、明細画面を表示させることができる。
【0071】
明細表示ボタン62には、商品リストをイメージさせるイラスト621が表示される。これにより、店員Oは、明細表示ボタン62を操作すると明細画面が表示されることを認識することができる。
【0072】
明細表示ボタン62は、プリセット画面において、明細画面を表示させるためのスワイプ操作の方向を始点と終点で定義する場合の始点側に位置して表示される。具体的には、明細表示ボタン62は、プリセット画面において、左方向にスワイプ操作する際の始点側である右側の端部に表示される。これにより、明細画面のプリセット表示ボタン55や業務メニュー表示ボタン56と同様に、店員Oは明細表示ボタン62を認識しやすくなる。
【0073】
次に、明細画面から業務メニュー画面への切り替えについて説明する。
図10は、明細画面から業務メニュー画面への切り替えを説明するための図である。明細画面の構成は、
図9の明細画面と同様であるので、同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0074】
図10に示す明細画面において、例えば符号Bで示すように、店員Oが上方向にスワイプ操作すると、オペレータ用表示器114は業務メニュー画面を表示する。業務メニュー画面は、明細画面に重なる形で表示される。
【0075】
業務メニュー画面は、ヘッダー部51および業務メニュー選択部71を表示する。ヘッダー部51は、明細画面のヘッダー部51と同様の構成であるので、説明は省略する。業務メニュー選択部71は、複数の業務選択ボタン711を表示する。各業務選択ボタン711には、業務の内容を示す文言が表示される。店員Oは、自身が行う業務内容に係る業務選択ボタン711を操作する。いずれかの業務選択ボタン711が操作されると、オペレータ用表示器114は、操作された業務選択ボタン711に係る業務を実行するための画面(図示せず)を表示する。
【0076】
本実施形態においては、業務メニュー画面に、明細画面を表示させるための操作子、プリセット画面を表示させるための操作子を表示していないが、これら操作子を表示してもよい。例えば、業務メニュー画面の左端部にプリセット表示ボタン55、右端部に明細表示ボタン62を表示させてもよい。
【0077】
なお、オペレータ用表示器114は、明細画面で店員Oが上方向にスワイプ操作した場合、あるいは業務メニュー表示ボタン56を操作した場合に、
図11に示す一部業務メニュー画面を表示してもよい。
【0078】
一部業務メニュー画面について説明する。上述した明細画面および業務メニュー画面と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。一部業務メニュー画面は、明細画面の一部と務メニュー画面の一部とを表示するものであって、明細画面部81および業務メニュー画面部82を区画形成する。明細画面部81は、ヘッダー部51、明細情報部52、数量変更ボタン521、取消ボタン522、プリセット表示ボタン55、商品イラスト551、および矢印552を表示する。
【0079】
業務メニュー画面部82は、業務メニューのうち、実行頻度の高い業務メニューの業務選択ボタン711を表示する。また、業務メニュー画面部82は、全業務メニュー表示ボタン821を表示する。全業務メニュー表示ボタン821は、業務メニュー画面を表示するための操作子である。
【0080】
店員Oは、全業務メニュー表示ボタン821を操作することにより、あるいは、一部業務メニュー画面上で上方向にスワイプ操作を行うことにより、業務メニュー画面を表示させることができる。
【0081】
次に、プリセット画面からの画面切り替えについて説明する。プリセット画面からの画面切り替えについては、明細画面からの画面切り替えと同じ仕組みである。
図12は、プリセット画面を示す図である。
【0082】
プリセット画面において、明細表示ボタン62が操作された場合、あるいは符号Cで示すように左方向にスワイプ操作された場合、オペレータ用表示器114は明細画面を表示する。また、プリセット画面において、業務メニュー表示ボタン56が操作された場合、あるいは符号Bで示すように上方向にスワイプ操作された場合、オペレータ用表示器114は業務メニュー画面を表示する。なお、オペレータ用表示器114は、業務メニュー表示ボタン56が操作された場合、あるいは符号Bで示すように上方向にスワイプ操作された場合、
図11に示す一部業務メニュー画面を表示させてもよい。
【0083】
業務メニュー画面からの画面切り替えも、スワイプ操作の方向に基づいて行う点において、明細画面からの画面切り替え、プリセット画面からの画面切り替えと同様である。具体的には、
図10に示す業務メニュー画面において、店員Oが左方向にスワイプ操作すると、オペレータ用表示器114は明細画面を表示する。また、
図10に示す業務メニュー画面において、店員Oが右方向にスワイプ操作すると、オペレータ用表示器114はプリセット画面を表示する。なお、業務メニュー画面にプリセット表示ボタン55や明細表示ボタン62など、画面切り替え用操作子を表示してもよい。
【0084】
また、
図11に示す一部業務メニュー画面からの明細画面への切り替え、およびプリセット画面への切り替えも同様である。すなわち、
図11に示す一部業務メニュー画面において、店員Oが左方向にスワイプ操作すると、オペレータ用表示器114は明細画面を表示し、店員Oが右方向にスワイプ操作すると、オペレータ用表示器114はプリセット画面を表示する。
【0085】
次に、上述した画面切り替えを行う表示切り替え処理について説明する。表示切り替え処理は、明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面の3画面間の切り替えを行う処理である。
図13は、登録装置2の制御部20による表示切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
制御部20は、表示制御手段2005がオペレータ用表示器114に明細画面を表示させているか否か判断する(ステップS1)。明細画面が表示されている場合(ステップS1のY)、制御部20は、検出手段2004が明細画面において右方向のスワイプ操作またはプリセット表示ボタン55の操作を検出したか否か判断する(ステップS2)。
【0087】
検出手段2004が右方向のスワイプ操作またはプリセット表示ボタン55の操作を検出した場合(ステップS2のY)、表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114にプリセット画面を表示させる(ステップS3)。そして、制御部20はステップS1の処理に戻る。
【0088】
検出手段2004が右方向のスワイプ操作およびプリセット表示ボタン55の操作を検出しない場合(ステップS2のN)、制御部20は、検出手段2004が上方向のスワイプ操作または業務メニュー表示ボタン56の操作を検出したか否か判断する(ステップS4)。
【0089】
検出手段2004が上方向のスワイプ操作または業務メニュー表示ボタン56の操作を検出した場合(ステップS4のY)、表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114に業務メニュー画面を表示させる(ステップS5)。そして、制御部20はステップS1の処理に戻る。ステップS4の処理において、検出手段2004が上方向のスワイプ操作および業務メニュー表示ボタン56の操作を検出しない場合(ステップS4のN)、制御部20はステップS2の処理に移行する。
【0090】
ステップS1の処理において、明細画面が表示されていない場合(ステップS1のN)、制御部20は、表示制御手段2005がオペレータ用表示器114にプリセット画面を表示させているか否か判断する(ステップS6)。プリセット画面が表示されている場合(ステップS6のY)、制御部20は、検出手段2004がプリセット画面において左方向のスワイプ操作または明細表示ボタン62の操作を検出したか否か判断する(ステップS7)。
【0091】
検出手段2004が左方向のスワイプ操作または明細表示ボタン62の操作を検出した場合(ステップS7のY)、表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114に明細画面を表示させる(ステップS8)。そして、制御部20はステップS1の処理に戻る。
【0092】
検出手段2004が左方向のスワイプ操作および明細表示ボタン62の操作を検出しない場合(ステップS7のN)、制御部20は、検出手段2004が上方向のスワイプ操作または業務メニュー表示ボタン56の操作を検出したか否か判断する(ステップS9)。
【0093】
検出手段2004が上方向のスワイプ操作または業務メニュー表示ボタン56の操作を検出した場合(ステップS9のY)、制御部20はステップS5の処理に移行する。検出手段2004が上方向のスワイプ操作および業務メニュー表示ボタン56の操作を検出しない場合(ステップS9のN)、制御部20はステップS7の処理に移行する。
【0094】
ステップS6の処理において、プリセット画面が表示されていない場合(ステップS6のN)、制御部20は、表示制御手段2005がオペレータ用表示器114に業務メニュー画面を表示させているか否か判断する(ステップS10)。
【0095】
業務メニュー画面が表示されていない場合(ステップS10のN)、制御部20はステップS1の処理に戻る。業務メニュー画面が表示されている場合(ステップS10のY)、制御部20は、検出手段2004が業務メニュー画面において右方向のスワイプ操作を検出したか否か判断する(ステップS11)。
【0096】
検出手段2004が右方向のスワイプ操作を検出した場合(ステップS11のY)、制御部20はステップS3の処理に移行する。検出手段2004が右方向のスワイプ操作を検出しない場合(ステップS11のN)、制御部20は、検出手段2004が左方向のスワイプ操作を検出したか否か判断する(ステップS12)。
【0097】
検出手段2004が左方向のスワイプ操作を検出した場合(ステップS12のY)、制御部20はステップS8の処理に移行する。検出手段2004が左方向のスワイプ操作を検出しない場合(ステップS12のN)、制御部20はステップS11の処理に移行する。
【0098】
上記表示切り替え処理により、店員Oは、スワイプ操作をすることによってオペレータ用表示器114の表示画面を切り替えることができる。このため、店員Oは、画面切り替え用操作子を直ちに認識できない場合であっても、スムースに画面の切り替えを行うことができる。
【0099】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態は表示画面とスワイプ操作の方向との組み合わせに応じて切り替え画面が定められるものであったのに対し、第2の実施形態はスワイプ操作の方向性のみによって切り替え画面が定められるものである。なお、以降の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成、機能等については重複する説明を省略する。
【0100】
図14は、画面設定ファイル213のデータ構成を示す図である。画面設定ファイル213は、操作方向と切り替え画面とを対応付けて記憶する。操作方向と切り替え画面のみが対応付けられた画面設定ファイル213の設定に基づいて画面が切り替えられるため、画面切り替え操作を行う店員Oは、スワイプ操作の方向と切り替え画面との関係だけを認識していればよい。
【0101】
なお、本実施形態においては、明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面に画面切り替え用操作子が表示されないものとするが、上記各画面に画面切り替え用操作子を表示させてもよい。
【0102】
図15は、登録装置2の制御部20による表示切り替え処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態の表示切り替え処理も、明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面の3画面間の切り替えを行う処理である。
【0103】
制御部20は、明細画面、プリセット画面、および業務メニュー画面のいずれかの画面において、検出手段2004が右方向のスワイプ操作を検出したか否か判断する(ステップS21)。検出手段2004が右方向のスワイプ操作を検出した場合(ステップS21のY)、表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114にプリセット画面を表示させる(ステップS22)。そして、制御部20はステップS21の処理に戻る。
【0104】
検出手段2004が右方向のスワイプ操作を検出しない場合(ステップS21のN)、制御部20は、検出手段2004が左方向のスワイプ操作を検出したか否か判断する(ステップS23)。検出手段2004が左方向のスワイプ操作を検出した場合(ステップS23のY)、表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114に明細画面を表示させる(ステップS24)。そして、制御部20はステップS21の処理に戻る。
【0105】
検出手段2004が左方向のスワイプ操作を検出しない場合(ステップS23のN)、制御部20は、検出手段2004が上方向のスワイプ操作を検出したか否か判断する(ステップS25)。検出手段2004が上方向のスワイプ操作を検出した場合(ステップS25のY)、表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114に業務メニュー画面を表示させる(ステップS26)。そして、制御部20はステップS21の処理に戻る。
【0106】
検出手段2004が上方向のスワイプ操作を検出しない場合(ステップS25のN)、表示制御手段2005は画面切り替えを行わず、表示されている現状画面を維持する(ステップS27)。そして、制御部20はステップS21の処理に戻る。
【0107】
第2の実施形態によれば、画面切り替え操作を行う店員Oは、スワイプ操作の方向と切り替え画面との関係だけを認識していればよい。第2の実施形態の登録装置2は、この点において店員Oの画面切り替え操作を容易にすることができる。
【0108】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は明細画面に表示されるプリセット表示ボタン55の構成が第1の実施形態と相違する。
図16は、明細画面からプリセット画面への切り替えを説明するための図である。
【0109】
明細画面のプリセット表示ボタン55には、複数の分類別アイコン553が付随して表示される。
図17は、分類別アイコン553を説明するための図である。
図17に示すように、明細画面における各分類別アイコン553は、プリセット画面における各タブ612に対応付けられている。
【0110】
分類別アイコン553は、「やさい」のタブ612に対応するアイコン、「くだもの」のタブ612に対応するアイコン、「おそうざい」のタブ612に対応するアイコン、「パン」のタブ612に対応するアイコン、「焼き鳥」のタブ612に対応するアイコン、「さかな」のタブ612に対応するアイコンなどである。これら各分類別アイコン553は、店員Oによって操作可能となっている。
【0111】
店員Oが明細画面において、いずれかの分類別アイコン553を操作すると、操作された分類別アイコン553に対応するタブ612の分類の商品選択ボタン611が表示されたプリセット画面に切り替わる。
図16は、「くだもの」のタブ612に対応する分類別アイコン553が操作されると、「くだもの」の商品選択ボタン611が複数表示されたプリセット画面に切り替わることを示している。
【0112】
第3の実施形態によれば、店員Oは、明細画面からプリセット画面に切り替える際、デフォルトのプリセット画面を表示させることなく、所望の分類の商品選択ボタン611が表示されたプリセット画面に切り替えることができる。第3の実施形態の登録装置2は、この点において店員Oの明細画面からプリセット画面への切り替え操作を容易にすることができる。
【0113】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、明細画面、プリセット画面、業務メニュー画面(以下、これらを総称して「3画面」ともいう)以外の画面に3画面切り替え用の操作子を表示するものである。本実施形態においては、店員Oが商品登録および支払いに係る操作を行うPOS端末の会計画面に3画面切り替え用操作子を表示する例について説明する。言い換えると、本実施形態は、上記POS端末を登録装置の一例とし、会計画面を3画面以外の画面の一例としたものである。なお、3画面切り替え用操作子を表示する画面は、顧客Cの支払いが完了する前に登録装置が表示する画面であればよく、例えばセミセルフPOSシステムの登録装置2が表示する転送画面であってもよい。
【0114】
図18は、POS端末の会計画面を示す図である。会計画面は、商品登録が完了した後、例えば明細画面等で会計ボタンが操作された場合に表示される。会計画面は、ヘッダー部91、取引情報部92、操作ボタン部93、プリセット表示ボタン94、明細表示ボタン95、および業務メニュー表示ボタン96を表示する。
【0115】
ヘッダー部91は、第1の実施形態におけるヘッダー部51と同様の構成、機能である。取引情報部92は、取引の内容を表示する。例えば、取引情報部92は、商品登録された商品の合計点数、合計金額、税別の金額、小計額、割引額等を表示する。操作ボタン部93は、各種操作ボタンを表示する。例えば、操作ボタン部93は、顧客Cが持参した割引券に基づいて割引処理をする際に操作するボタン、顧客Cが選択した決済方法を選択するボタンなどを表示する。
【0116】
プリセット表示ボタン94、明細表示ボタン95、および業務メニュー表示ボタン96は、第1の実施形態のプリセット表示ボタン55、明細表示ボタン62、および業務メニュー表示ボタン56とそれぞれ同様の構成、機能である。
【0117】
第4の実施形態によれば、店員Oは、会計画面など顧客Cが支払いを完了する前に表示される画面から3画面のいずれかを表示させることができる。第4の実施形態のPOS端末は、この点において店員Oの操作性を向上させることができる。
【0118】
以上説明したとおり、実施形態の登録装置2は、オペレータ用表示器114と当該オペレータ用表示器114の表面に設けられたタッチパネル113とを有し、顧客Cが購入する商品の商品情報を登録する登録装置2であって、登録された商品情報を表示する明細画面と、商品情報を登録するための商品選択ボタンを複数表示するプリセット画面と、を選択可能にオペレータ用表示器114に表示させる表示制御手段2005と、タッチパネル113に対する店員Oのスワイプ操作の方向を検出する検出手段2004と、を備え、表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114が前記明細画面を表示している状態で、検出手段2004によって店員Oのスワイプ操作の方向が予め設定された第1方向であることが検出された場合、前記プリセット画面を前記表示部に表示させる。
【0119】
これにより、登録装置2は、オペレータ用表示器114の表示を店員Oのスワイプ操作に基づいて明細画面からプリセット画面に切り替えることができる。このため、店員Oは、明細画面においてプリセット画面を表示させるための操作子を直ちに認識できなくても容易にプリセット画面に切り替えることが可能となる。したがって、登録装置2は、画面切り替えに関するユーザの操作性を向上することができる。
【0120】
また、実施形態の登録装置2の表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114が前記プリセット画面を表示している状態で、検出手段2004によって店員Oのスワイプ操作の方向が前記第1方向とは反対方向である第2方向であることが検出された場合、前記第明細画面をオペレータ用表示器114に表示させる。
【0121】
これにより、店員Oは、プリセット画面において明細画面を表示させるための操作子を直ちに認識できなくても容易に明細画面に切り替えることが可能となる。しかも、プリセット画面から明細画面に切り替えるスワイプ操作の方向は、明細画面からプリセット画面に切り替えるスワイプ操作の方向と反対方向であるため、プリセット画面から明細画面に切り替えるスワイプ操作が店員Oにとってわかりやすいものとなる。この点においても、登録装置2は、画面切り替えに関するユーザの操作性を向上することができる。
【0122】
さらに、実施形態の登録装置2の表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114が前記明細画面または前記プリセット画面を表示している状態で、検出手段2004によって店員Oの操作方向が前記第1方向および前記第2方向とは異なる方向であって予め設定された第3方向であることが検出された場合、業務メニュー画面をオペレータ用表示器114に表示させる。
【0123】
これにより、店員Oは、上記と同様に、スワイプ操作により容易に業務メニュー画面を表示させることができる。
【0124】
加えて、実施形態の登録装置2の表示制御手段2005は、オペレータ用表示器114が前記明細画面を表示している状態で、検出手段2004によって店員Oの操作方向が前記第3方向であることが検出された場合、前記明細画面および前記業務メニュー画面を前記表示部に表示させる。
【0125】
これにより、店員Oは、商品登録中の返品処理など、明細画面および業務メニュー画面を操作する必要がある業務を効率的に行うことができる。
【0126】
また、実施形態の登録装置2の表示制御手段2005は、プリセット画面を表示させるための切り替えボタンを、明細画面において、第1方向を始点と終点と示す場合の始点側に位置して表示させる。
【0127】
これにより、登録装置2は、プリセット画面を表示させようとする店員Oがまず着目すると考えられる位置にプリセット表示ボタン55を表示させることができる。このため、店員Oは、プリセット表示ボタン55を認識しやすくなる。
【0128】
なお、上記各実施形態において、登録装置2で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各実施形態の登録装置2で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0129】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0130】
2 登録装置
113 タッチパネル(入力部)
114 オペレータ用表示器(表示部)
2004 検出手段
2005 表示制御手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0131】