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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088074
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】飲料サーバー
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B67D3/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203056
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】517169285
【氏名又は名称】プレミアムウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100188156
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 義時
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】内藤 浩史
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082EE01
3E082EE02
3E082FF05
(57)【要約】
【課題】飲料サーバーの第2タンクの飲料水の熱が第1タンクへ伝達されることを抑制する。
【解決手段】飲料サーバー1は、ボトル20から供給される飲料水を収容し、外部に飲料水を注出させる第1タンク30と、第1タンク30内の飲料水を冷却する冷却部37と、第1タンク30の下方に設けられ、第1タンク30から供給された飲料水を収容し、外部に飲料水を注出させる第2タンク40と、第2タンク40内の飲料水を加熱する加熱部47と、第1タンク30の第1底部38と第2タンク40の第2底部48とを接続し、第1タンク30から第2タンク40へ供給される飲料水が流れる接続管50とを備える。接続管50は、管路の途中に形成された複数の曲げ部52a~52dを有し、第2タンク40を迂回するように配置されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルから供給される飲料水を収容し、外部に前記飲料水を注出させる第1タンクと、
前記第1タンク内の飲料水を冷却する冷却部と、
前記第1タンクの下方に設けられ、前記第1タンクから供給された飲料水を収容し、外部に前記飲料水を注出させる第2タンクと、
前記第2タンク内の飲料水を加熱する加熱部と、
前記第1タンクの第1底部と前記第2タンクの第2底部とを接続し、前記第1タンクから前記第2タンクへ供給される飲料水が流れる接続管と、
を備え、
前記接続管は、管路の途中に形成された複数の曲げ部を有し、前記第2タンクを迂回するように配置されている、
飲料サーバー。
【請求項2】
前記接続管は、
前記第1底部の鉛直下方に位置する第1曲げ部と、前記第1曲げ部に対して水平方向に離れて位置する第2曲げ部との間に形成された第1水平部と、
前記第2曲げ部の鉛直下方に位置する第3曲げ部と、前記第2底部の鉛直下方に位置する第4曲げ部との間に形成された第2水平部と、のいずれか一方を有する、
請求項1に記載の飲料サーバー。
【請求項3】
前記接続管は、
前記第1底部の鉛直下方に位置する第1曲げ部と、前記第1曲げ部に対して水平方向に離れて位置する第2曲げ部との間に形成された第1水平部と、
前記第2曲げ部の鉛直下方に位置する第3曲げ部と、前記第2底部の鉛直下方に位置する第4曲げ部との間に形成された第2水平部と、の両方を有する、
請求項1に記載の飲料サーバー。
【請求項4】
前記接続管は、
鉛直方向に沿って前記第4曲げ部と前記第2底部の間を連結し、鉛直方向に沿って設けられた縦部を有する、
請求項2又は3に記載の飲料サーバー。
【請求項5】
前記第1水平部及び前記第2水平部の直径は、前記接続管の他の部分の直径よりも大きい、
請求項2又は3に記載の飲料サーバー。
【請求項6】
前記接続管は、
前記第1底部の鉛直下方に位置する第1曲げ部と、前記第1曲げ部の斜め上方に位置する第2曲げ部との間に形成された第1傾斜部と、
前記第2曲げ部の鉛直下方に位置する第3曲げ部と、前記第3曲げ部の斜め上方に位置する前記第2底部との間に形成された第2傾斜部と、のいずれか一方を有する、
請求項1に記載の飲料サーバー。
【請求項7】
前記接続管は、
前記第1底部の鉛直下方に位置する第1曲げ部と、前記第1曲げ部の斜め上方に位置する第2曲げ部との間に形成された第1傾斜部と、
前記第2曲げ部の鉛直下方に位置する第3曲げ部と、前記第3曲げ部の斜め上方に位置する前記第2底部との間に形成された第2傾斜部と、の両方を有する、
請求項1に記載の飲料サーバー。
【請求項8】
前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部の直径は、前記接続管の他の部分の直径よりも大きい、
請求項6又は7に記載の飲料サーバー。
【請求項9】
前記接続管の外周面に設けられ、前記接続管内の熱を外部へ放出するための放熱部を更に備える、
請求項1に記載の飲料サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1の飲料サーバーは、外部に注出するための低温の飲料水を収容する第1タンク(冷水タンク)と、第1タンクに飲料水を供給するボトルと、外部に注出するための高温の飲料水を収容する第2タンク(温水タンク)と、第1タンクの飲料水を自重で第2タンクへ導入するための接続管(導入管)を有する。接続管は、第1タンクの真下に位置する第2タンクと第1タンクとを接続するように、直線状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-172624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のように直線状に形成された接続管を用いる場合には、第2タンク内の高温の飲料水の熱が、接続管を経由して第1タンクに収容された飲料水に伝わりやすくなる。この場合には、第1タンクに収容された飲料水の温度が上昇してしまうため、追加で飲料水を冷却する必要が生じてしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、飲料サーバーの第2タンクの飲料水の熱が第1タンクへ伝達されることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様においては、ボトルから供給される飲料水を収容し、外部に前記飲料水を注出させる第1タンクと、前記第1タンク内の飲料水を冷却する冷却部と、前記第1タンクの下方に設けられ、前記第1タンクから供給された飲料水を収容し、外部に前記飲料水を注出させる第2タンクと、前記第2タンク内の飲料水を加熱する加熱部と、前記第1タンクの第1底部と前記第2タンクの第2底部とを接続し、前記第1タンクから前記第2タンクへ供給される飲料水が流れる接続管と、を備え、前記接続管は、管路の途中に形成された複数の曲げ部を有し、前記第2タンクを迂回するように配置されている、飲料サーバーを提供する。
【0007】
また、前記接続管は、前記第1底部の鉛直下方に位置する第1曲げ部と、前記第1曲げ部に対して水平方向に離れて位置する第2曲げ部との間に形成された第1水平部と、前記第2曲げ部の鉛直下方に位置する第3曲げ部と、前記第2底部の鉛直下方に位置する第4曲げ部との間に形成された第2水平部と、のいずれか一方を有することとしてもよい。
また、前記接続管は、前記第1底部の鉛直下方に位置する第1曲げ部と、前記第1曲げ部に対して水平方向に離れて位置する第2曲げ部との間に形成された第1水平部と、前記第2曲げ部の鉛直下方に位置する第3曲げ部と、前記第2底部の鉛直下方に位置する第4曲げ部との間に形成された第2水平部と、の両方を有することとしてもよい。
【0008】
また、前記接続管は、鉛直方向に沿って前記第4曲げ部と前記第2底部の間を連結し、鉛直方向に沿って設けられた縦部を有することとしてもよい。
【0009】
また、前記第1水平部及び前記第2水平部の直径は、前記接続管の他の部分の直径よりも大きいこととしてもよい。
【0010】
また、前記接続管は、前記第1底部の鉛直下方に位置する第1曲げ部と、前記第1曲げ部の斜め上方に位置する第2曲げ部との間に形成された第1傾斜部と、前記第2曲げ部の鉛直下方に位置する第3曲げ部と、前記第3曲げ部の斜め上方に位置する前記第2底部との間に形成された第2傾斜部と、のいずれか一方を有することとしてもよい。
また、前記接続管は、前記第1底部の鉛直下方に位置する第1曲げ部と、前記第1曲げ部の斜め上方に位置する第2曲げ部との間に形成された第1傾斜部と、前記第2曲げ部の鉛直下方に位置する第3曲げ部と、前記第3曲げ部の斜め上方に位置する前記第2底部との間に形成された第2傾斜部と、の両方を有することとしてもよい。
【0011】
また、前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部の直径は、前記接続管の他の部分の直径よりも大きいこととしてもよい。
【0012】
また、前記接続管の外周面に設けられ、前記接続管内の熱を外部へ放出するための放熱部を更に備えることとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、飲料サーバーの第2タンクの飲料水の熱が第1タンクへ伝達されることを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る飲料サーバー1の構成を示す模式図である。
図2】比較例に係る飲料サーバー100の構成を示す模式図である。
図3】接続管50の第1変形例を示す模式図である。
図4】接続管50の第2変形例を示す模式図である。
図5】第2の実施形態に係る飲料サーバー1の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
(飲料サーバーの構成)
一の実施形態に係る飲料サーバーの構成について、図1を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、第1の実施形態に係る飲料サーバー1の構成を示す模式図である。飲料サーバー1は、冷水の飲料水と、温水の飲料水とを供給可能なサーバーである。飲料サーバー1は、筐体10と、ボトル20と、第1タンク30と、冷却部37と、第2タンク40と、加熱部47と、接続管50を有する。
【0017】
筐体10は、飲料サーバー1の箱を成している。筐体10の内部には、飲料水を貯留する第1タンク30、第2タンク40等が設けられている。
【0018】
ボトル20は、ここでは飲料水の供給源として飲料水を収容する。ボトル20は、筐体10の上部のボトル取付部12に、ボトルネック22を下向けにした状態で着脱可能に装着されている。
【0019】
第1タンク30は、ボトル20から供給される飲料水を収容する。第1タンク30は、ボトル20から供給された飲料水を冷却して、外部に注出される低温の飲料水も収容する冷水槽としても機能する。
【0020】
第1タンク30内には、上側層31と下側層32に仕切るための仕切り板33が設けられている。上側層31は、ボトル20から飲料水の供給を受ける部分である。下側層32は、上側層31に供給された飲料水を貯めて冷却する部分である。仕切り板33と第1タンク30の内周面との間には隙間34が設けられており、上側層31の飲料水が隙間34を通って下側層32に流れる。
【0021】
冷却部37は、第1タンク30内の飲料水を冷却する。冷却部37は、第1タンク30の外周面において下側層32に対応する部分に設けられており、第1タンク30の下側層32の飲料水を冷却する。冷却部37は、ここでは下側層32の外周を巻回している冷水管である。冷水管内を流れる冷却水によって、下側層32の飲料水が冷却される。
【0022】
第1タンク30の第1底部38には、下側層32と連通する冷水供給管61が接続されている。第1タンク30の下側層32の低温の飲料水(冷水)は、冷水供給管61を流れる。また、冷水供給管61の先端には、コック62が設けられており、冷水供給管61を流れる低温の飲料水がコック62から注出される。
【0023】
第2タンク40は、第1タンク30の下方に設けられており、第1タンク30から供給された飲料水を収容する。第2タンク40は、第1タンク30の真下に設けられており、第1タンク30の上側層31から接続管50を介して飲料水の供給を受ける。第2タンク40は、第1タンク30から供給を受けた飲料水を加熱して、外部に注出される高温の飲料水を収容する温水槽として機能する。
【0024】
加熱部47は、第2タンク40内の飲料水を加熱する。加熱部47は、一例としてヒータであり、第2タンク40の外周面に取り付けられている。加熱部47は、第2タンク40の下方側に設けられ、接続管50から流れてくる飲料水を加熱する。
【0025】
第2タンク40の上部には、温水供給管63が接続されている。第2タンク40内の高温の飲料水(温水)は、温水供給管63を流れる。また、温水供給管63の先端には、コック(不図示)が設けられており、温水供給管63を流れる高温の飲料水がコックから注出される。
【0026】
接続管50は、第1タンク30と第2タンク40を接続しており、第1タンク30から第2タンク40へ供給される飲料水が流れる管路となっている。図1では、接続管50内での飲料水の流れが矢印で示されている。本実施形態では、接続管50は、第1タンク30の第1底部38と第2タンク40の第2底部48とを接続している。
【0027】
接続管50は、管路の途中に形成された複数の曲げ部52a~52dを有し、第2タンク40を一旦迂回するように配置されている。このような接続管50を設けることで、図2に示す比較例とは異なり、第2タンク40内の高温の飲料水の熱が第1タンク30内の飲料水へ伝達されることを抑制できる。
【0028】
図2は、比較例に係る飲料サーバー100の構成を示す模式図である。飲料サーバー100の接続管150は、図1に示す接続管50とは異なり、第1タンク30の第1底部38と第2タンク40の上部とを接続しており、直線状の管路となっている。この場合には、第2タンク40内の高温の飲料水(温水)は、上方へ移動しやすい性質を有するため、接続管150を経由して第1タンク30へ上昇しやすくなる(図2の破線が、温水の移動方向を示している)。この際、温水の熱も、第1タンク30に伝わりやすくなる。この場合には、第1タンク30に収容された飲料水の温度が熱によって上昇してしまうため、追加で飲料水を冷却する必要が生じてしまう。また、第2タンク40の温水の熱が第1タンク30の飲料水に奪われることで第2タンク40の温水の温度が低下するため、当該温水を追加加熱する必要が生じてしまう。
【0029】
飲料サーバー1は、冷水や温水の供給を制御する制御部(不図示)を有する。制御部は、例えば、第1タンク30内の飲料水の量が少なくなるとボトル20から飲料水を第1タンク30に供給し、第2タンク40内の飲料水の量が少なくなると第1タンク30から飲料水を第2タンク40に供給する。なお、第1タンク30及び第2タンク40内には、飲料水の水位を検出可能な水位センサや、飲料水の温度を検出可能な温度センサが設けられている。
【0030】
(接続管50の詳細構成)
図1を参照しながら、接続管50の詳細構成について説明する。
【0031】
接続管50の第1曲げ部52aは、第1タンク30の第1底部38の鉛直下方に位置している。第2曲げ部52bは、第1曲げ部52aに対して水平方向に離れた位置に位置している。第3曲げ部52cは、第2曲げ部52bの鉛直下方に位置している。第4曲げ部52dは、第3曲げ部52cに対して水平方向に離れた位置に位置している。第1曲げ部52a及び第2曲げ部52bは、鉛直方向において第1タンク30と第2タンク40の間に位置している。一方で、第3曲げ部52c及び第4曲げ部52dは、鉛直方向において第2タンク40の第2底部48よりも下方に位置している。このように曲げ部52a~52dを形成することで、接続管50は第2タンク40の周囲に沿って配置されることになる。
【0032】
接続管50は、管路において複数の曲げ部52a~52dの間に設けられた、第1水平部53、第2水平部54及び縦部55を有する。第1水平部53及び第2水平部54は、接続管50において水平方向に平行に設けられた部分である。縦部55は、接続管50において鉛直方向に沿って形成された部分である。
【0033】
第1水平部53は、第1曲げ部52aと第2曲げ部52bとの間に形成されている。第2水平部54は、第3曲げ部52cと第4曲げ部52dとの間に形成されている。第1水平部53は、鉛直方向において第1タンク30と第2タンク40の間に位置し、第2水平部54は、鉛直方向において第2タンク40よりも下方に位置している。
【0034】
第1水平部53や第2水平部54を設けることによって、第2タンク40内の温水が、第1タンク30に上昇し難くなる。すなわち、温水は水平方向へ移動し難い性質を有するため、接続管50の途中に第1水平部53や第2水平部54を設けることで、第2タンク40内の温水が第1水平部53や第2水平部54に移動しても、第1タンク30の上側層31に達し難くなる。
【0035】
なお、第1水平部53及び第2水平部54においては温水の熱は伝わるが(熱伝導)、温水の熱が伝わるのに時間を要することになる。このため、温水の熱が第1タンク30の上側層31に達する前に、第1タンク30の上側層31の飲料水が接続管50を介して第2タンク40へ供給される。このため、第1タンク30の上側層31の飲料水の温度が上昇することを抑制できる。
【0036】
縦部55は、第4曲げ部52dと第2タンク40の第2底部48との間を連結している。縦部55は、ここでは、上下方向に垂直に形成されている。前述したように温水は上方へ移動する性質を有するが、下方へは移動し難い。このため、上述した縦部55を設ける場合には、第2タンク40内の温水が縦部55を通過し難いため、第1タンク30に達することを有効に防止できる。
【0037】
(変形例)
以下では、図3及び図4を参照しながら、接続管50の第1変形例及び第2変形例について説明する。
【0038】
図3は、接続管50の第1変形例を示す模式図である。第1変形例においては、第1水平部53及び第2水平部54の直径が、接続管50の他の部分の直径よりも大きい。具体的には、第1水平部53の直径d1と、第2水平部54の直径d2が、接続管50の他の部分の直径d3よりも大きい。なお、第1水平部53の直径d1と第2水平部54の直径d2は、ここでは同じ大きさでもよい。
【0039】
第1水平部53及び第2水平部54の直径を大きくすることで、単位時間当たりの温度上昇を抑制できるため、第1水平部53及び第2水平部54での温水の熱伝導を抑制でき、この結果、温水の熱が接続管50を介して第1タンク30に伝わることを効果的に抑制できる。
【0040】
図4は、接続管50の第2変形例を示す模式図である。第2変形例においては、接続管50の外周面に、接続管50内の熱を外部へ放出する放熱部65が設けられている。放熱部65は、ここでは第2水平部54の外周面に形成されているが、これに限定されない。例えば、放熱部65は、第2水平部54に加えて第1水平部53の外周面にも形成されていてもよい。放熱部65は、例えばフィン形状となっており、外部に熱を伝達しやすくなっている。
【0041】
接続管50の外周面に放熱部65を設けることで、接続管50内を伝達される温水の熱が外部へ放出されるので、第2タンク40の温水の熱が第1タンク30に伝わることを効果的に抑制できる。
なお、上記では、接続管50に第1水平部53及び第2水平部54の両方が設けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、接続管50には、第1水平部53と第2水平部54のいずれか一方が設けられていてもよい。接続管50に一つの水平部を設けた場合でも、第2タンク40内の温水の第1タンク30への上昇を抑制できる。
【0042】
(第1の実施形態における効果)
上述した第1の実施形態の飲料サーバー1は、第1タンク30の第1底部38と第2タンク40の第2底部48とを接続し、第1タンク30から第2タンク40へ供給される飲料水が流れる接続管50を有する。接続管50は、管路の途中に形成された複数の曲げ部52a~52dを有し、第2タンク40を迂回するように配置されている。
上記のように接続管50を配置させることで、第2タンク40内の温水が、第1タンク30へ向かって上昇し難くなると共に、温水の熱が、第1タンク30の上側層31に達し難くなる。これにより、第2タンク40の温水の熱が接続管50を介して第1タンク30の上側層31の飲料水に伝わることも抑制できる。
【0043】
上側層31の飲料水に温水の熱が伝わることを抑制することで、上側層31の飲料水の温度が上昇することを抑制できるので、第1タンク30での冷却部37による追加冷却が不要となる。また、温水の熱が上側層31の飲料水に奪われることを抑制されることで、第2タンク40の温水の温度が低下することを抑制できるので、第2タンク40での加熱部47による追加加熱が不要となる。追加冷却及び追加加熱が不要となることで、省エネ型の飲料サーバー1を実現できる。
【0044】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る飲料サーバー1の構成について、図5を参照しながら説明する。
【0045】
図5は、第2の実施形態に係る飲料サーバー1の構成を示す模式図である。第2実施形態の飲料サーバー1において、接続管70以外の構成は、第1の実施形態と同様である。そこで、以下では、接続管70の構成について説明する。
【0046】
接続管70は、第1の実施形態の接続管50と同様に、第1タンク30の第1底部38と第2タンク40の第2底部48とを接続している。また、接続管50は、複数の曲げ部を有し、第2タンク40を迂回するように配置されている。複数の曲げ部は、第1曲げ部72aと、第2曲げ部72bと、第3曲げ部72cと、第4曲げ部72dである。
【0047】
接続管70は、接続管50の第1水平部53及び第2水平部54の代わりに、第1傾斜部73及び第2傾斜部74を有する。
第1傾斜部73は、第1タンク30の第1底部38の鉛直下方に位置する第1曲げ部72aと、第1曲げ部72aの斜め上方に位置する第2曲げ部72bとの間に形成されている。第2傾斜部74は、第2曲げ部72bの鉛直下方に位置する第3曲げ部72cと、第3曲げ部72cの斜め上方に位置する第2タンク40の第2底部48との間に形成されている。
【0048】
第1傾斜部73や第2傾斜部74を設けることによって、第2タンク40内の温水が、第1タンク30に上昇し難くなる。すなわち、温水は水平方向へ移動し難い性質を有するため、接続管70の途中に第1傾斜部73や第2傾斜部74を設けることで、第2タンク40内の温水が第1傾斜部73や第2傾斜部74に上昇しても、第1タンク30の上側層31に達し難くなる。また、第1傾斜部73及び第2傾斜部74を設けることで、温水の熱が伝わるのに時間を要することになる。このため、温水の熱が第1タンク30の上側層31に達する前に、第1タンク30の上側層31の飲料水が接続管70を介して第2タンク40へ供給される。このため、第1タンク30の上側層31の飲料水の温度が上昇することを抑制できる。
【0049】
なお、第1傾斜部73及び第2傾斜部74の直径は、接続管70の他の部分の直径よりも大きくてもよい。この場合には、第1傾斜部73及び第2傾斜部74での温水の熱伝導を抑制できるので、温水の熱が接続管70を介して第1タンク30に伝わることを効果的に抑制できる。
【0050】
第2の実施形態においても、上述した構成の接続管70が配置されていることで、第2タンク40内の温水が、第1タンク30へ向かって上昇し難くなると共に、温水の熱が、第1タンク30の上側層31に達し難くなる。これにより、第2タンク40の温水の熱が接続管70を介して第1タンク30の上側層31の飲料水に伝わることも抑制できる。
上記では、接続管70に第1傾斜部73及び第2傾斜部74の両方が設けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、接続管70には、第1傾斜部73と第2傾斜部74のいずれか一方が設けられていてもよい。接続管70に一つの傾斜部を設けた場合でも、第2タンク40内の温水の第1タンク30への上昇を抑制できる。
【0051】
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態では、ボトル20が飲料サーバー1の上部に下向きで装着されていることとしたが、これに限定されない。例えば、飲料サーバー1の底部にボトル20が装着されており、ポンプによってボトル20から第1タンク30に飲料水を供給してもよい。
【0052】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0053】
1 飲料サーバー
20 ボトル
30 第1タンク
37 冷却部
38 第1底部
40 第2タンク
47 加熱部
48 第2底部
50 接続管
52a 第1曲げ部
52b 第2曲げ部
52c 第3曲げ部
52d 第4曲げ部
53 第1水平部
54 第2水平部
55 縦部
65 放熱部
70 接続管
72a 第1曲げ部
72b 第2曲げ部
72c 第3曲げ部
72d 第4曲げ部
73 第1傾斜部
74 第2傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5