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特開2024-88080モニタリングシステム、ガス漏洩通知方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088080
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】モニタリングシステム、ガス漏洩通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
G01M3/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203064
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】橋本 龍
(72)【発明者】
【氏名】中野 要治
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 岳
(72)【発明者】
【氏名】米田 次郎
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA01
2G067BB02
2G067BB15
2G067CC04
2G067DD08
2G067DD10
2G067DD11
2G067DD17
2G067EE08
2G067EE09
2G067EE11
2G067EE12
2G067EE13
(57)【要約】
【課題】ガスの漏洩を検知するとともに、ガスの拡散範囲と濃度を提示するモニタリングシステムを提供する。
【解決手段】モニタリングシステムは、施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサと、前記センサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定する手段と、前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成する手段と、前記危険領域表示画像を出力する手段とを備えるサーバと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサと、
前記センサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定する手段と、前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成する手段と、前記危険領域表示画像を出力する手段と、を備えるサーバと、
を備えるモニタリングシステム。
【請求項2】
端末装置、をさらに備え、
前記端末装置は、前記危険領域表示画像を前記サーバから取得して表示する、
請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記ガスの漏洩を検知した前記センサの設置位置に基づいて、前記ガスの漏洩場所を推定する手段と、
前記漏洩場所に基づいて、前記ガスの漏洩を停止するための応急処置を行う場所と前記応急処置の内容を決定する手段と、
前記ガスの漏洩を停止させるための応急処置を行う場所と応急処置の内容を示す画像を出力する手段と、
をさらに備える請求項1又は請求項2に記載のモニタリングシステム。
【請求項4】
前記危険領域表示画像を生成する手段は、
前記ガスの濃度と前記ガスの漏洩流量と前記施設における風速と前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度の関係を定めたデータベース又は前記関係を学習した学習済みモデルと、前記センサに基づいて検知された前記ガスの濃度と、漏洩流量と、前記施設の風速データと、に基づいて、拡散マップ情報を算出する、
請求項1又は請求項2に記載のモニタリングシステム。
【請求項5】
前記危険領域表示画像を生成する手段は、
前記ガスの漏洩が有ると判定されてから所定時間過去に遡った時点以降の風向データに基づいて、前記ガスが拡散する可能性がある全ての方向に前記拡散マップ情報を配置し、配置した全ての前記拡散マップ情報を前記施設の図に重畳して危険領域表示画像を生成する、請求項4に記載のモニタリングシステム。
【請求項6】
前記危険領域表示画像を生成する手段は、
前記危険領域表示画像に表示された前記拡散マップ情報が示す前記ガスの拡散範囲内に設置された前記センサによって、前記ガスが検知されない場合、前記拡散マップ情報における前記ガスの漏洩点から当該センサの設置位置よりも遠い範囲を前記拡散マップ情報から除外する、
請求項4に記載のモニタリングシステム。
【請求項7】
前記危険領域表示画像を生成する手段は、
前記危険領域表示画像に表示された前記拡散マップ情報が示す前記ガスの拡散範囲内に設置された前記センサによって、前記拡散マップ情報が示す前記濃度よりも低い濃度が検知された場合、前記拡散マップ情報における前記ガスの漏洩点から当該センサの設置位置よりも遠い範囲の濃度を低下させる、
請求項4に記載のモニタリングシステム。
【請求項8】
施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定するステップと、
前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成するステップと、
前記危険領域表示画像を出力するステップと、
を有するガス漏洩通知方法。
【請求項9】
コンピュータに、
施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定するステップと、
前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成するステップと、
前記危険領域表示画像を出力するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モニタリングシステム、ガス漏洩通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高濃度アンモニアを燃料として大量に使用するプラントが計画されている。現在のところ、アンモニア等の毒性ガスを取扱う設備については、安全確保の観点からガス検知器を設置するように電気事業法や高圧ガス保安法で規定されている。配管には、ガス検知器の設置は義務付けられていない。このような検知システムについて、設備から漏洩したアンモニアガスの拡散シミュレーションを行ったところ、ガス検知器で検知されないまま、高濃度のガスが拡散する可能性があることが分かった。毒性ガスが漏洩すると、現場作業員や周辺住民に健康被害が及ぶ可能性がある。このような状況に対して、例えば、ガスの拡散範囲を表示して警報が出力されることが望ましい。また、ガスの漏洩に対処するため、現場の作業員は、バルブを閉める、修理する等の対応が必要となるが、ガスの拡散する範囲外での作業が望ましく、拡散範囲に入る場合でも極力短時間での作業に抑える必要がある。そのためには、ガスの漏洩箇所や漏洩箇所までの経路におけるガス濃度が表示されることが望ましい。関連する技術として、特許文献1には、パイプラインからガスが漏れた場合のガスの拡散範囲を算出する技術が開示されている。しかし、特許文献1には、ガスの拡散範囲や濃度を提示する方法については開示が無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-287665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスの漏洩を検知するだけではなく、漏洩したガスの拡散範囲やガスの濃度を提示する技術が必要とされている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決することができるモニタリングシステム、ガス漏洩通知方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のモニタリングシステムは、施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサと、前記センサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定する手段と、前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成する手段と、前記危険領域表示画像を出力する手段と、を備えるサーバと、を備える。
【0007】
本開示のガス漏洩通知方法は、施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定するステップと、前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成するステップと、前記危険領域表示画像を出力するステップと、を有する。
【0008】
本開示のプログラムは、コンピュータに、施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定するステップと、前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成するステップと、前記危険領域表示画像を出力するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
上述のモニタリングシステム、ガス漏洩通知方法及びプログラムによれば、ガスの漏洩を検知するとともに、漏洩したガスの拡散範囲と濃度を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一実施形態に係るモニタリングシステムの一例を示すブロック図である。
図2】第一実施形態に係る検知対象プラントの一例を示す図である。
図3】第一実施形態に係るガスリーク判定処理の一例を示す第1の図である。
図4】第一実施形態に係るガスリーク判定処理の一例を示す第2の図である。
図5】第一実施形態に係るガスリーク判定処理の一例を示す第3の図である。
図6】第一実施形態に係る拡散予測データベースの一例を示す図である。
図7】第一実施形態に係る拡散マップの表示例を示す第1の図である。
図8】第一実施形態に係る過去の所定期間の風速風向に基づいて作成される拡散マップの一例を示す図である。
図9】第一実施形態に係る拡散マップの表示例を示す第2の図である。
図10】第一実施形態に係る応急処置データベースの一例を示す図である。
図11】第一実施形態に係る監視画面の一例を示す図である。
図12】第一実施形態に係る画面の一例を示す図である。
図13】第一実施形態に係るガスリーク検知および対処の処理の流れの一例を示す図である。
図14】第二実施形態に係る拡散マップの修正について説明する第1の図である。
図15】第二実施形態に係る拡散マップの修正について説明する第2の図である。
図16】第二実施形態に係る拡散マップの修正について説明する第3の図である。
図17】第三実施形態に係るガスリーク検知および対処の処理の流れの一例を示す図である。
図18】各実施形態に係るモニタリングシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係るモニタリングシステムについて、図1図18を参照して説明する。
<第一実施形態>
(システム構成)
図1は、実施形態に係るモニタリングシステムの一例を示すブロック図である。モニタリングシステム100は、ガス漏洩(リーク)の有無と場所を検知するためのセンサ30と、センサ30が検知した情報をモニタリングし、ガスリークの検知や拡散予測を行うサーバ10と、サーバ10が予測したガスの漏洩場所や危険領域の情報を受信する携帯端末50などで構成され、複数のセンサ30を用いて、アンモニア等のガス漏洩をもれなく検知し、拡散範囲や濃度をマップ化するとともに、ガスリークに対する応急処置を行う場所と処置内容を迅速に現場の現場作業員に通知し、避難の案内を周辺住民に通知することで人的被害などのリスクを低減するためのシステムである。
【0012】
モニタリングシステム100は、サーバ10と、モニター20と、センサ30と、携帯端末50と、警報装置60と、を含む。モニタリングシステム100は、更に携帯型のセンサであるハンディ計測器40を含んでもよい。サーバ10と、センサ30、ハンディ計測器40、携帯端末50、警報装置60とはネットワークNWを介して通信可能に接続されている。サーバ10は、中央制御室などに設置され、センサ30、ハンディ計測器40等によって検知した情報に基づいてガスリークを検知し、ガスの拡散範囲とガス濃度を表示した拡散マップや応急処置のガイダンス情報を生成する。モニター20は、サーバ10が生成した拡散マップや応急処置のガイダンス情報を表示する。中央制御室などの監視員は、モニター20を参照してガスリークが検知されたことや、リークしたガスの拡散範囲、濃度などを確認する。センサ30は、ガスを検知するセンサである。センサ30が検知するガスは、例えば、毒性のあるガスである。毒性のあるガスは法令などで定められており、例えば、アクリロニトリル、アクロレイン、亜硫酸ガス、アルシン、アンモニア、一酸化炭素、塩素、クロルメチル、クロロプレン、五フッ化ヒ素、五フッ化リン、酸化エチレン、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、三フッ化リン、シアン化水素、ジエチルアミン、ジシラン、四フッ化硫黄、四フッ化ケイ素、ジボラン、セレン化水素、トリメチルアミン、二硫化炭素、フッ素、ブロムメチル、ベンゼン、ホスゲン、ホスフィン、モノゲルマン、モノシラン、モノメチルアミン、硫化水素などである。以下では、一例として、検知対象ガスがアンモニアの場合を例として説明を行うが、ガスの種類に限定は無い。
【0013】
(ガス検知センサ)
センサ30は、ガスの状態(気体、液体、温度)と法令などで定められた規則(例えば、ガス検知器の設置要否)に基づいて適切に選択される。センサ30は、ガスの濃度などを検知する。図2にガスリークを検知する対象プラントの一例を示す。プラント200では、アンモニアが燃料として用いられる。液化されたアンモニアを積んだ船206から配管201へ液化アンモニアが供給され、タンク202に貯蔵される。アンモニアを燃料として使用する場合、タンク202のアンモニアは、気化器203で気化され、配管204を通じて、ボイラ205へ供給され、燃料として使用される。例えば、ガスの検知対象を、屋外の低温配管201(液体、ガス検知器設置無し)、屋外のタンク202の周り(液体・気体、ガス検知器設置有り)、ボイラ205の屋内のバーナ周り(気体、ガス検知器設置有り)とした場合、屋外の低温配管201には光ファイバ温度センサ30aを設け、屋外のタンク202周り、屋内のバーナ周り(ボイラ205の屋内)にはガス検知カメラ30bや、カバーを取付けたガス検知器30cを設ける。敷地内に設置されるセンサ30は、センサ30a~30cのうちの複数種類で構成されても良いし、1つの種類で構成されてもよい。以下、光ファイバ温度センサ30a、ガス検知カメラ30b、ガス検知器30cを、それぞれ、センサ30a、センサ30b、センサ30cと記載する場合がある。また、各センサの区別が必要ない場合にはセンサ30と記載する場合がある。また、プラント200の敷地には風向・風速計207が設けられていてもよい。風向・風速計207が計測した時系列の風向および風速の情報は、サーバ10へ送信され、サーバ10にて取得および記憶される。また、配管201には、配管201を流れる液化アンモニアの圧力を計測する圧力センサが設けられていて、圧力センサが計測した圧力は、サーバ10へ送信され、サーバ10にて取得および記憶される。
【0014】
光ファイバ温度センサ30aは、配管201の外側表面(メタルジャケット外表面)に設置され、外気温と比べて温度が低い液化アンモニアガスの漏洩に伴うメタルジャケットの温度低下を検知する。規定値以上の温度低下がある場合、サーバ10は、ガスリーク有りと判定し、漏洩場所(温度低下場所)を特定する。
【0015】
ガス検知カメラ30bは、タンク202やボイラ205などガスが供給、保管される設備の周りに設置され、ガス検知カメラ30bにてリークしたガス雲を可視化する。ガス雲が可視化された場合、サーバ10は、ガスリーク有りと判定し、漏洩場所(ガス雲の起点)を特定するとともに、カメラ映像の赤外線強度からガス濃度を推定する。ガス濃度は、カメラ映像の赤外線強度の試験データに基づく関係式(グラフ)に基づいて算出される。
【0016】
ガス検知器30cは、一般的にガス漏洩の可能性が高いと考えられるフランジ、弁などを対象に、フランジ等の機器を覆うようにカバーを設置して、設置したカバー内に設けられる。カバーで覆うことにより、より早期にフランジ等からのガスリークを検知することができる。ガス検知器30cは、リークしたガスの濃度を計測する。なお、ガス検知器30cは、必ずしもカバー内に設置されていなくてもよい。
【0017】
図2に例示するセンサ30の設置位置や設置数は一例であってこれに限定されない。ガスリークを漏れなく早く検知するためには、ガス検知器30cの配置を密にする、ガス検知カメラ30bをもれなく見えるように配置する、液化アンモニアのように温度で検知できるものには全長にわたり光ファイバ温度センサ30aを適用する、などを適宜行うことができる。また、光ファイバ温度センサ30aについては、ガスリークに伴う温度低下状況を取得しやすくするために、配管201を覆う保温材の分割部に設置してもよい。
【0018】
ハンディ計測器40は、プラント200でガスリークが検知されたときの対処等を行う現場作業員が携帯する。ハンディ計測器40はガス検出器を有している。ガス検出器は、ガス濃度計でもガス検知カメラでもよく、検知結果などを送信する機能を有している。また、ハンディ計測器40は、ハンディ計測器40の位置を測位する機能、ガス検出器がガス検知カメラの場合にその撮影方向を検出する機能を有しており、ハンディ計測器40は、ガス検出器によるガス検知結果(例えば、濃度、カメラ映像)とともにハンディ計測器40の位置やカメラの撮影方向をサーバ10へ送信する。また、ハンディ計測器40が、ガス検知カメラを有する場合、ハンディ計測器40は、ガス検知カメラが撮影した映像から濃度を推定する機能を備えていてもよい。
【0019】
(現場作業員への通知)
携帯端末50は、プラント200の現場作業員が携帯するスマートフォンなどである。携帯端末50は、現場作業員が避難する際や応急処置を行う際に利用される。携帯端末50は、サーバ10から拡散マップや応急処置のガイダンス情報を取得し、それらの情報を表示する。現場作業員は、表示された情報を参照して、ガス濃度の低い安全な経路を選択して、ガスリークに対する応急処置の作業場所へ移動し、ガイダンス情報に従って、応急処置を実施する。なお、応急処置にはバルブ等の自動制御も含まれる。自動制御の場合には、バルブなどの制御装置に応急処置の指示情報が通知され、制御装置は、通知された指示情報に基づいて対処すべきバルブ等を特定し、特定した機器の制御(バルブの閉止等)を行う。
【0020】
(周辺住民への通知)
警報装置60は、例えば、スピーカ、警報ランプ、大型のモニターなどの何れか1つ又は複数を含む。ガスリーク時に周辺住民にも被害が及ぶ可能性がある場合、サーバ10は、警報装置60へ警報や避難を促す情報を送信する。警報装置60は、サーバ10から情報を受信すると、ガスリークが検知されたこと及び危険な場所からの避難や屋内への退避等を案内する音声情報などを出力する。
【0021】
(サーバ10の機能)
サーバ10は、拡散予測部11と、情報提示部12と、通信部13と、を含む。
拡散予測部11は、通信部13を介して、センサ30から検知情報を取得し、ガスリークの有無を判定し、拡散マップや応急処置のガイダンス情報を生成する。センサ30から送信される検知情報には、センサ30の識別情報(光ファイバ温度センサの場合には、光ファイバの位置情報)と、センサ30が計測した情報(センサ30の種類に応じて濃度、映像、温度など)が含まれる。また、拡散予測部11は、プラント200の風向・風速の情報を、通信部13を介して取得し、記憶する。風向・風速の情報は、プラント200の風向・風速計207が計測したものでもよいし、気象庁などが提供している情報でもよい。
【0022】
拡散予測部11は、位置情報データベース111と、濃度推定部112と、拡散予測データベース113と、応急処置データベース114と、を含む。
位置情報データベース111は、プラント200の地図情報が含まれている。地図情報には、各位置の緯度経度の情報と、センサ30の設置位置に当該センサ30の識別情報が対応付けて登録されている。拡散予測部11は、センサ30から検知情報を取得すると、位置情報データベース111に基づいて、プラント200のどの位置でどのような情報が検知されたかを算出することができる。拡散予測部11は、各位置で検知された情報に基づいて推定されたガス濃度やガスのリーク量が所定の閾値以上となると、そのセンサ30が設置された位置の周辺でガスリークが発生したと判定する。
【0023】
濃度推定部112は、センサ30が計測した値に基づいて、ガス濃度やガスのリーク量を推定する。次に図3~5を参照して、ガス濃度やガスのリーク量を推定し、ガス漏洩の有無を判定する処理について説明する。まず、図3を参照して、光ファイバ温度センサ30aが計測する温度に基づいて、ガスリークの判定を行う処理について説明する。
【0024】
図3は、第一実施形態に係るガスリーク判定処理の一例を示す第1の図である。
拡散予測部11は、通信部13を通じて、センサ30aが計測した値(温度)を取得しモニタリングを行う(ステップS1)。拡散予測部11は、規定値以上の温度低下があるかどうかを判定する(ステップS2)。規定値以上の温度低下が無い場合(ステップS2;No)、ステップS1の処理を継続する。規定値以上の温度低下がある場合(ステップS2;Yes)、拡散予測部11は、ガスリークありと判定する。拡散予測部11は、検知情報からリーク場所、規定値以上の温度低下が検出された光ファイバの位置情報(リーク場所)を取得する(ステップS3)。拡散予測部11は、位置情報データベース111とステップS3で取得したリーク場所とに基づいて、リーク場所の緯度経度を決定する(ステップS4)。ステップS3~S4と並行して、濃度推定部112は、配管201に設置された圧力計が計測した圧力が所定値以上減圧しているかどうかを判定する(ステップS5)。所定値以上減圧している場合(ステップS5;Yes)、濃度推定部112は、例えば、アンモニアのリーク量と圧力低下量の関係を示すデータテーブルに基づいて、リーク量を推定する(ステップS6)。所定値以上の減圧がない場合(ステップS5;No)、濃度推定部112は、例えば、アンモニアのリーク量と圧力低下量の関係を示すテーブルに基づいて、圧力低下が生じない最大リーク量をリーク量と仮定する(ステップS7)。拡散予測部11は、風向風速の情報を取得し(ステップS8)、拡散予測を行う(ステップS9)。拡散予測については後述する。
【0025】
次に、図4を参照して、ガス検知カメラ30bが撮影する映像に基づいて、ガスリークの判定を行う処理について説明する。
図4は、第一実施形態に係るガスリーク判定処理の一例を示す第2の図である。
拡散予測部11は、通信部13を通じて、ガス検知カメラ30bが撮影した映像を取得しモニタリングを行う(ステップS10)。拡散予測部11は、撮影された映像にガス雲が含まれるかどうかを画像処理により判定する。ガス雲が検知されなかった場合(ステップS11;No)、ステップS10の処理を継続する。ガス雲が検知された場合(ステップS11;Yes)、拡散予測部11は、ガスリークありと判定する。拡散予測部11は、検知情報からガス検知カメラ30bの設置位置を取得して、ガス検知カメラ30bの撮影対象の位置を解析してリーク場所を取得する(ステップS12)。拡散予測部11は、位置情報データベース111とステップS12で取得したリーク場所とに基づいて、リーク場所の緯度経度を決定する(ステップS13)。ステップS12~S13と並行して、濃度推定部112は、ガス検知カメラ30bが撮影した映像に写るガス雲の色が示す赤外線強度に基づいてガス濃度を推定する(ステップS14)。拡散予測部11は、風向風速の情報を取得し(ステップS15)、拡散予測を行う(ステップS16)。
【0026】
次に、図5を参照して、ガス検知器30cの計測値に基づいて、ガスリークの判定を行う処理について説明する。
図5は、第一実施形態に係るガスリーク判定処理の一例を示す第3の図である。
拡散予測部11は、通信部13を通じて、覆いを付けたガス検知器30cが計測したガス濃度を取得しモニタリングを行う(ステップS20)。拡散予測部11は、規定値以上の濃度が取得されたかどうかを判定する(ステップS21)。規定値以上の濃度が取得されなかった場合(ステップS21;No)、ステップS20の処理を継続する。規定値以上の濃度が取得された場合(ステップS21;Yes)、拡散予測部11は、ガスリークありと判定する。拡散予測部11は、検知情報からガス検知器30cの設置位置(リーク場所)と濃度を取得する(ステップS22)。拡散予測部11は、位置情報データベース111とステップS21で取得したリーク場所とに基づいて、リーク場所の緯度経度を決定する(ステップS23)。拡散予測部11は、風向風速の情報を取得し(ステップS24)、拡散予測を行う(ステップS25)。
【0027】
なお、リーク場所の特定に関しては、センサ30の設置位置での濃度と、ガスが供給・保管される配管やタンクの位置データにより、範囲を推定してもよい。例えば、2ヶ所のセンサ30でリーク有りと判定された場合、拡散予測部11は、センサ30が設置された2か所を含む範囲の全体をリーク場所として特定してもよい。また、センサ30がコンピュータを有する場合、図3図4の濃度推定に関する処理(ステップS1~S2、S5~S7、S10、S11、S14)は、センサ30側で行ってもよい。
【0028】
拡散予測データベース113は、風速と、リークしたガスの濃度および漏洩流量と、これらの組合せた条件下で計算された(リークしたガスの)拡散シミュレーション結果を図示した拡散マップと、を対応付けて記憶している。図6に拡散予測データベース113の一例を示す。拡散予測データベース113は、表113a、グラフ113b、拡散マップ113c、113d等を含む。表113aには、拡散マップと風速、濃度、漏洩流量などが対応付けられている。グラフ113bは、表113aに登録された内容のうち、拡散マップ(の識別子)、風速、濃度、流量の関係を可視化したものである。グラフ113bの縦軸は濃度、横軸は流量で、風速別の線L1~L3が描かれている。例えば、L1上の点1は、識別子が「1」の拡散マップを表している。拡散マップ113c、113dは、リークしたガスの拡散範囲とその拡散範囲内でのガス濃度を示しており、ガス濃度は、色の濃淡で表されている。例えば、拡散マップ113cは、表113aの1つ目のデータの拡散範囲の項目(2ppm、25ppm・・・)のデータを図示したものである。拡散マップ113c、113dの形状は、ガスの拡散範囲の大きさや形状を表し、ガス濃度は濃淡で表されている。例えば、拡散マップ113c、113dの内部は濃度が高く、外側へ行くほど濃度が低下することが濃淡で表現されている。例えば、ガスリークが検知されたときの風速がA(m/s)で、図3図5の処理で推定されたガス濃度がa(ppm)、漏洩流量がb(m/s)であるとするとグラフ113bから、この場合のガスの拡散範囲を示すのは識別子が「1」の拡散マップ113cである。拡散予測部11は、表113aやグラフ113bを参照して、風速と濃度から拡散マップ1を特定し、リーク場所や風向きに合わせて拡散マップ1の方向を調節する。例えば、リーク場所が図2のタンク202の位置αで、風向きが北東向きであれば、拡散予測部11は、拡散マップ113cの始点113c1をタンク202の位置αに合わせ、拡散マップ113cの終点113c2を北東に向ける。これにより、ガスの拡散範囲や濃度を算出することができる。リーク場所や風向きに合わせて位置や向きを調整した拡散マップをプラント200の地図情報や衛星写真に重畳した例を図7に示す。このように風向・風速計で得た風速と、図3~5の処理で得られた濃度と、漏洩流量(漏洩流量は、例えば、所定の方法によって解析・計算してもよいし、所定の値を用いてもよい。)と、拡散予測データベース113とに基づいて得られた拡散マップ113aを、プラント200の衛星写真などに重畳して表示することで、リークしたガスの拡散範囲や、拡散範囲内の各位置におけるガス濃度を視覚的に把握することができる。
【0029】
拡散予測データベース113には、流量、風速、濃度の複数の組み合わせごとの拡散シミュレーション結果が登録されているが、これだけではなく、これらのデータを機械学習などにより学習して構築された、風速、濃度、漏洩流量、拡散シミュレーション結果(拡散マップ)の関係を学習した学習済みモデル(関係式)も登録されている。この学習済みモデルは、風速、濃度、漏洩流量を入力すると、その条件に応じた拡散マップを出力するように構築されている。この学習済みモデルによれば、拡散シミュレーションを実行しなかった範囲の流量、風速、濃度について、拡散マップを算出することができる。
【0030】
なお、上記の説明では、ガスリークが検知されたときの風向情報に基づいて拡散マップの方向を調整することとしたが、拡散予測部11は、より安全に配慮してガスが拡散する可能性のある範囲を算出するようにしてもよい。例えば、拡散予測部11は、風速、風向について、センサ30にてリーク信号が得られた時間から所定時間遡った期間を設定して、この間に観測された各風向における最大風速をもとにした複数方向の拡散マップを危険領域として設定してもよい。図8にガスリークが検知された時刻より過去の所定期間(例えば、過去の30分間)の風速と風向に基づいて作成される拡散マップの一例を示す。例えば、ガスリークの検知から遡って30分間の間には、16方位における、北西、西北西、西、西南西、南西の5つの方向の風が計測されたとする。拡散予測部11は、各方位の最大風速と、ガスリーク検知時の濃度及び漏洩流量と、拡散予測データベース113とに基づいて、5方位それぞれの拡散マップ81~85を特定し、風向きに合わせて拡散マップの方向を調節する。拡散予測部11は、拡散マップ81~85の始点をガスリーク場所80に合わせて複数方向の拡散マップを算出する。また、拡散予測部11は、図9に例示する扇形の領域を、拡散マップ86として算出してもよい。図9の拡散マップ86は、図8の複数方向の拡散マップ81~85の隙間を埋めたものである。これにより、毒性のあるガスが到達する可能性がある範囲を広めに設定することができ、この範囲を回避することにより、安全性を高めることができる。
【0031】
応急処置データベース114には、各設備又はその周辺のバルブ、フランジなどの設置位置と、各設備、各部位からリークが生じた場合にガスリークを防止するための応急処置方法(例えば、バルブの開閉、フランジの増し締めなど)が登録されている。図10に応急処置データベース114の一例を示す。図10に例示するように、応急処置データベース114には、ガスリークが推定される場所の設備、当該設備内の機器、当該機器の緯度経度の情報と、応急処置を行うべき箇所の名称と当該箇所の緯度経度と、応急処置内容が対応付けて登録されている。拡散予測部11は、図3図5の処理で推定したリーク場所の緯度経度情報と、応急処置データベース114と、に基づいて、応急処置を行うべき位置と、応急処置の内容を特定する。例えば、リーク場所としてタンク202の出口配管の緯度経度が特定された場合、拡散予測部11は、応急処置データベース114を参照して、応急処置箇所として「遮断弁A」と「仕切弁1」を特定し、応急処置内容としてそれぞれ「遮断弁Aを閉止」と「仕切弁1を解放」を特定する。拡散予測部11は、特定した応急処置箇所と応急処置内容を情報提示部12へ出力する。また、拡散予測部11は、ガスリークが推定される設備からの避難や他の安全な建物などへの退避を勧める情報を情報提示部12へ出力する。これらの内容は、応急処置方法のガイダンス情報として現場作業員へ提示される。
【0032】
情報提示部12は、センサ30によって、ガスリークを示す情報が検知された場合に、リークを防止するための応急処置方法や、応急処置を行うべきバルブやフランジなどの設置位置を、地図、配置図、航空写真などと共に表示した画面を提示する処理を行う。情報提示部12は、センサ情報提示部121と、危険領域・応急処置情報提示部122と、を含む。センサ情報提示部121は、センサ30が検知した情報を表示した画像を生成する(例えば、次に説明する図11の表示領域91)。危険領域・応急処置情報提示部122は、プラント200の衛星写真に拡散マップを表示した画像や応急処置のガイダンス情報を表示した画像等を生成する(例えば、図11の表示領域92、95)。情報提示部12は、センサ情報提示部121および危険領域・応急処置情報提示部122が生成した画像を含んだ監視画面の画像を生成して、モニター20へ出力したり、通信部13を介して、携帯端末50へ送信したりする。
【0033】
情報提示部12が生成した監視画面の一例を図11に示す。監視画面90は、光ファイバ温度センサ情報を表示する表示領域91と、ガイダンス表示領域92と、施設内のカメラでガスリークが疑われる場所を撮影した画像を表示する表示領域93,94、拡散予測表示領域95、タンク周りセンサ位置表示領域96を含む。表示領域91には、プラント200の地図を表示する地図表示欄91aと、光ファイバ温度センサ30aが検知した温度を色で表示する温度状況表示欄91bとを含む。温度状況表示欄91bには、地図表示欄91aに表示された地図の配管のうち、ユーザによって選択された範囲に設けられた光ファイバ温度センサ30aが検知した温度の分布が表示される。配管の任意の範囲を選択することにより、ユーザは、選択した範囲の温度分布、つまり配管からのガスリークが無いかどうかを確認することができる。ガイダンス表示領域92には、応急処置箇所と応急処置内容、危険な場所からの避難を勧める情報などが表示される。表示領域93には、施設内のカメラ(cam1)で撮影した画像に拡散マップ93aを重畳した画像が表示される。表示領域94には、施設内のカメラ(cam2)で撮影した画像に拡散マップ94aを重畳した画像が表示される。拡散予測表示領域95には、プラント200の航空写真やプラント200全体の地図に拡散マップ95aを重畳した画像が表示される。プラント200の航空写真や地図、配置図、全体図、一部の図は施設(プラント200)の図の一例である。拡散予測表示領域95の航空写真や地図には、応急処置を行うべきバルブやフランジなどの設置位置が表示される。タンク周りセンサ位置表示領域96には、タンク202周辺のセンサ30の設置位置が表示される。中央制御室の監視員は、モニター20に表示される監視画面90を参照して、プラント200にて発生するガス漏洩の状況を多角的に把握する。
【0034】
情報提示部12は、携帯端末50には、例えば、ガイダンス表示領域92と拡散予測表示領域95だけを含む画面を生成して送信してもよい。あるいは、プラント200の航空写真上に危険領域(複数方向の拡散マップ又は隙間を埋めた扇形領域)と応急処置場所、応急処置内容を描画した図12に例示する画面97を生成し、生成した画面97を携帯端末50へ送信してもよい。現場作業員は、送信された画面97を参照して、ガスの拡散範囲を回避したルートを選択して、応急処置を行うべき遮断弁Aや仕切弁1へ向かい、必要な処置を行うことができる。これにより、現場作業員の健康被害などのリスクを低減しつつ、ガスリークを停止することができる。
【0035】
通信部13は、センサ30や携帯端末50などの他装置との通信を行う。このほかにも、例えば、気象庁などのサーバから風向・風速のデータを受信してもよい。
【0036】
(モニタリングシステムの動作)
次に図13を参照して、サーバ10が監視画面を生成して携帯端末50へ送信する処理の流れを説明する。
図13は、第一実施形態に係るガスリーク検知および対処の処理の流れの一例を示す図である。
まず、拡散予測部11は、センサ30が検知した情報に基づいて、ガスリークの有無を判定する(ステップS30)。この処理については、図3図5を参照して説明したとおりである。リーク無しと判定した場合(ステップS31;No)、ステップS30の処理を繰り返し行う。リーク有りと判定した場合(ステップS31;Yes)、拡散予測部11は、リーク検知から過去の所定期間における風向、風速データを取得し(ステップS32)、拡散予測データベース113を参照して(ステップS33)、拡散マップを特定する。拡散予測部11は、風向に基づいて、拡散マップの方向を決定し、拡散マップを出力する(ステップS34)。拡散予測部11は、過去の所定時間の風向、風速データに基づいて、複数方向の拡散マップなど(危険領域)を出力してもよい。拡散予測部11は、ステップS32~S34と並行して、応急処置データベース114を参照して(ステップS35)、リーク場所に応じた、応急処置場所と応急処置内容を出力する(ステップS36)。次に情報提示部12は、航空写真上に危険領域と応急処置場所、応急処置内容を描画した画面を生成する(ステップS37)。情報提示部12は、通信部13を介して、生成した画面を現場作業員の携帯端末50へ送信する(ステップS38)。現場作業員は、応急処置場所に安全に接近可能な経路を移動して接近し、応急処置を実行する(ステップS39)。また、情報提示部12は、警報装置60に危険な場所からの避難や安全な建物などへの退避を案内する情報を送信する。警報装置60は、避難や退避を案内する情報を出力する(ステップS3A)。
【0037】
(効果)
ガスのリークを検知するセンサは従来から提供されている。しかし、センサのみではガスリークを検知することができても、ガス拡散に伴う危険領域が不明であり、リーク場所から離れた作業員も被災する可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、ガスの漏洩を検知するとともに、ガスの漏洩範囲と濃度を示す拡散マップを提示することができる。リーク検知のみならず、リークに伴う危険領域を、拡散マップを使って可視化することで、現場作業員や近隣住民の安全性の確保に役立てることができる。また、事前に計算された拡散シミュレーション結果やシミュレーション結果をもとに機械学習等で内挿、外挿することにより得られた風速、ガス濃度、ガス流量、ガスの拡散範囲及び濃度の関係を予め拡散予測データベースに登録しておくことで、ガスリークが検知されたときに、瞬時に危険領域を算出することができる。
【0038】
なお、上記の実施形態では、現場作業員への通知手段として携帯端末50を挙げたが、これ以外にも、室内の作業員へガスリークの状況や応急処置内容などを通知するようにしてもよい。この場合、室内の作業員へ通知手段は、携帯端末に限らずPC(personal computer)等であってもよい。
【0039】
<第二実施形態>
第一実施形態で説明した危険領域の画像(図8図9)は、過去の所定期間における風向風速を考慮して、ガスが拡散する可能性のある範囲の全てを危険領域として設定した。この場合、現場作業員が応急処置を行う場所へ到達するための安全な経路がなくなる可能性がある。そこで第二実施形態では、ガスリークが検知されたセンサ30だけではなく、他の位置に設置されたセンサが検知した情報を用いて危険領域の範囲を修正することにより、高精度化された拡散マップ、あるいは複数の拡散マップを重ね合わせた危険領域の画像を作成する。
【0040】
例えば、拡散マップではN1(ppm)であることが示された位置P1に設置されたガス検知器30cによって実際に検知された濃度がN1より小さいN2(ppm)の場合、拡散予測部11は、その位置P1の濃度をN2に修正するとともに、当該位置よりも外側の範囲又は下流側の範囲のガス濃度を低下させる修正を行う。外側の範囲とは、当該位置よりも危険領域の周縁にある範囲である。下流側の範囲とは、リーク場所(図14の位置P0)からの距離が位置P1よりも遠い範囲のことである。また、例えば、図8に例示した複数の拡散マップにおいて、図14の位置P1にて、濃度N2(ppm)が計測されたならば、図8の拡散マップの点P1において濃度N2となる場合のシミュレーション結果の範囲(例えば、図14の範囲H1)を危険領域から除外する修正を行ってもよい。
【0041】
また、図14の位置P0のガス検知器30cではリークが検知され、危険領域内の他の位置のガス検知器30cではリークが検知されない場合、拡散予測部11は、他のガス検知器30cが設置された位置より下流側の範囲を危険領域から除外する修正を行ってもよい。例えば、図14の位置P1のガス検知器30cでリークが検知されない場合、線H2より外側の範囲(位置P0が含まれない範囲)を危険領域から除外する修正を行う。
【0042】
また、リーク場所の特定に関しても、第一実施形態の方法では、安全側に範囲をもって設定していたが、1つあるいは複数のガス検知器30cが計測する濃度又は濃度の時間変化を反映して、リーク場所の範囲を限定する修正を行ってもよい。例えば、位置P2(図15図16)に設置されたガス検知器30cが検知した濃度がリーク量「小」に相当する「X1」(ppm)の場合、検知された「X1」(ppm)は、リーク量「小」の場合の漏洩源近傍(図15)なのか、リーク量「大」の場合の周縁部(外側)なのか(図16のように種々のケースが考えられる)が判定できない可能性がある。このような場合、より安全に危険領域を設定すると、図16に示すようにあらゆる可能性を考慮した広範囲を危険領域として設定することになる。また、リーク場所については、位置P3と位置P4を含む範囲をリーク場所の推定範囲として特定することになる。この場合も、広範囲に設定した危険領域内の任意の位置で、「X1」(ppm)よりも低い濃度が検知されたならば、検知された濃度に応じて、その検知位置よりも外側の濃度を低下させるか、除外する補正を行うことでリーク場所の推定範囲を狭めることができる。
【0043】
なお、上記説明ではある時刻にセンサ30が検知した濃度に基づいてリーク場所の推定範囲を修正することとしたが、検知したガス濃度の時間変化に基づき、リーク場所の推定範囲を修正してもよい。例えば、図16の例において、時刻T1には、位置P5にて検知されたガス濃度がガスリークを示す値であったとして、時刻T2になると位置P5ではでリークが検知されなかったとする。この場合、拡散予測部11は、時刻T1には位置P3と位置P4を含む範囲をリーク場所として推定し、時刻T2には、リーク場所の推定範囲から位置P3を除外してもよい。
【0044】
なお、拡散マップ、危険領域の修正に用いるセンサ30の種類に限定は無いが、1点のガス濃度しか検知できないガス検知器30cよりも広範囲のガス濃度を検知することができるガス検知カメラ30bの方が有効である。例えば、ガス検知カメラ30bを用いれば、高濃度部の形状を可視化できるため、リーク場所の推定も容易である。リーク場所が配管等で隠れている場合でも、高濃度部の拡がり状況と、リークの可能性のあるフランジや配管の位置から、リーク場所を比較的狭い範囲に限定することができる。ガス検知器30cが検知したデータしか得られない場合、拡散マップとリーク可能性のあるフランジや配管の位置、風速、風向データから、可能性ある範囲を限定する。この場合、ガス検知カメラ30bの場合と比較するとリーク場所の推定範囲が広くなる可能性が高いので、複数のセンサデータや、複数の時刻の検知結果から範囲を徐々に限定する。
【0045】
(効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、拡散マップに基づく危険領域を複数のセンサ30の検知結果に基づいて修正することにより、より正確な危険領域を把握することができる。これにより、現場作業員は、より安全に応急処置場所に到達することができる。
【0046】
<第三実施形態>
第二実施形態では、センサ30によって検知したガス濃度に基づいて、危険領域の修正を行うこととしたが、現場作業員が携帯するハンディ計測器40の検知したガス濃度に基づいて修正を行ってもよい。ハンディ計測器40は、ガス濃度計又はガス検知カメラを含み検知した情報(濃度やカメラ映像)とハンディ計測器40の位置情報をサーバ10へ送信する。サーバ10では、例えば、拡散予測部11(濃度推定部112)が、ハンディ計測器40が検知した情報に基づき、ガス濃度やリーク場所を推定する(図4図5)。あるいは、ハンディ計測器40が図4図5の処理によりガス濃度やリーク場所を推定する機能を備えていてもよい。拡散予測部11は、第二実施形態で説明した処理と同様にして危険領域やリーク場所の推定範囲の修正・高精度化を行う。例えば、拡散予測部11は、ハンディ計測器40でガスが検知されない位置とその位置よりも外側の範囲を危険領域から除外する修正を行う。また、リーク場所についても、ハンディ計測器40によるガス検知されない位置やその近傍を推定範囲から除外するなどしてリーク場所を限定する処理を行う。
【0047】
次に図17を参照して、ハンディ計測器40の検知した情報に基づいて拡散マップを修正する処理を組み込んだ場合の処理の流れについて説明する。図13と同じ処理については同じ符号を付し、説明を省略する。
まず、拡散予測部11は、センサ30が検知した情報に基づいて、ガスリークを判定する(ステップS30)。リーク有りと判定した場合(ステップS31;Yes)、拡散予測部11は、風向、風速データを取得し(ステップS32)、拡散予測データベース113を参照して(ステップS33)、拡散マップを出力する(ステップS34)。また、拡散予測部11は、応急処置データベース114を参照して(ステップS35)、応急処置場所と応急処置内容を出力する(ステップS36)。次に情報提示部12は、航空写真上に危険領域と応急処置場所、応急処置内容を描画した画面を生成し(ステップS37)、携帯端末50へ送信する(ステップS38)。現場作業員は、応急処置場所やそこへ至る経路が危険領域でなければ(ステップS381;No)、安全に接近可能な経路を移動して応急処置場所に接近し、応急処置を実行する(ステップS39)。応急処置場所が危険領域であれば(ステップS381;Yes)、ハンディ計測器40によるガス濃度の検知を行いつつ、応急処置場所に接近する。ハンディ計測器40は、ガス濃度の検知や周辺を撮影した映像の赤外線強度に基づいてガス濃度を推定する(ステップS382)。ハンディ計測器40は、検知又は推定したガス濃度と位置情報とをサーバ10へ送信する。サーバ10では、拡散予測部11が、風向、風速データを取得し(ステップS383)、拡散マップや危険領域の修正を行って高精度化する(ステップS384)。高精度化の方法は、第二実施形態で図14図16を参照して説明したとおりである。また、例えば、ステップS34で拡散マップを生成してからしばらく時間が経っている場合など、拡散予測部11は、新たに取得した風向、風速データに基づいて、ガスの拡散方向を算出し直してもよい。情報提示部12は、高精度化された危険領域を携帯端末50へ送信する。現場作業員は、修正された危険領域を参照しながら、安全に接近可能な経路を移動して応急処置場所に接近し、応急処置を実行する(ステップS39)。また、警報装置60は、サーバ10の指示に基づいて、避難や退避を案内する情報を出力する(ステップS3A)。
【0048】
(効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、拡散マップに基づく危険領域をハンディ計測器40の検知結果に基づいて修正する。これにより、現場作業員は、正確に危険領域を把握しつつ、安全に応急処置場所に到達することができる。
【0049】
図18は、各実施形態に係るモニタリングシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。上述のサーバ10、センサ30(濃度推定を行う場合)、ハンディ計測器40(濃度推定を行う場合)、携帯端末50は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0050】
サーバ10、センサ30(濃度推定を行う場合)、ハンディ計測器40(濃度推定を行う場合)、携帯端末50の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0051】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0052】
<付記>
各実施形態に記載のモニタリングシステム、ガス漏洩通知方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0053】
(1)第1の態様に係るモニタリングシステムは、施設(プラント200)内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサと、前記センサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定する手段と、前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図(航空写真や地図、配置図、全体図など)に重畳して表示した危険領域表示画像(図7図11図12)を生成する手段と、前記危険領域表示画像を出力する手段と、を備えるサーバと、を備える。
これにより、ガスの漏洩を検知するとともに、漏洩したガスの拡散範囲と濃度を提示することができる。
【0054】
(2)第2の態様に係るモニタリングシステムは、(1)のモニタリングシステムであって、端末装置(携帯端末50やPC)、をさらに備え、前記端末装置は、前記危険領域表示画像を前記サーバから取得して表示する。
これにより、現場作業員が所持する携帯端末などに危険領域表示画像(例えば、図11図12)を表示させることができる。
【0055】
(3)第3の態様に係るモニタリングシステムは、(1)~(2)のモニタリングシステムであって、前記サーバは、前記ガスの漏洩が検知された前記センサの設置位置に基づいて、前記ガスの漏洩場所を推定する手段と、前記漏洩場所に基づいて、前記ガスの漏洩を停止するための応急処置を行う場所と前記応急処置の内容を決定する手段と、前記ガスの漏洩を停止させるための応急処置を行う場所と前記応急処置の内容を示す画像を出力する手段と、をさらに備える。
これにより、ガスリークを停止するための応急処置を把握することができる。
【0056】
(4)第4の態様に係るモニタリングシステムは、(1)~(3)のモニタリングシステムあって、前記危険領域表示画像を生成する手段は、前記ガスの濃度と前記ガスの漏洩流量と前記施設における風速と前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度の関係を定めたデータベース又は前記関係を学習した学習済みモデルと、前記センサに基づいて検知された前記ガスの濃度と、漏洩流量と、前記施設の風速データと、に基づいて、拡散マップ情報を算出する。
これにより、ガスの拡散範囲と濃度を算出することができる。
【0057】
(5)第5の態様に係るモニタリングシステムは、(1)~(4)のモニタリングシステムであって、前記危険領域表示画像を生成する手段は、前記ガスの漏洩が有ると判定されてから所定時間過去に遡った時点以降の風向データに基づいて、前記ガスが拡散する可能性がある全ての方向に拡散マップ情報を配置し、配置した全ての拡散マップ情報を前記施設の図に重畳して危険領域表示画像を生成する。
これにより、ガスが漏洩する可能性がある範囲を提示することができ、作業員や周辺住民の安全確保に役立てることができる。
【0058】
(6)第6の態様に係るモニタリングシステムは、(1)~(5)のモニタリングシステムであって、前記危険領域表示画像を生成する手段は、前記危険領域表示画像に表示された前記拡散マップ情報が示す前記ガスの拡散範囲内に設置された前記センサによって、前記ガスが検知されない場合、前記拡散マップ情報における前記ガスの漏洩点から当該センサの設置位置よりも遠い範囲を前記拡散マップ情報から除外する。
これにより、ガスの拡散範囲や濃度を高精度化することができる。
【0059】
(7)第7の態様に係るモニタリングシステムは、(1)~(6)のモニタリングシステムであって、前記危険領域表示画像を生成する手段は、前記危険領域表示画像に表示された前記拡散マップ情報が示す前記ガスの拡散範囲内に設置された前記センサによって、前記拡散マップ情報が示す前記濃度よりも低い濃度が検知された場合、前記拡散マップ情報における前記ガスの漏洩点から当該センサの設置位置よりも遠い範囲の濃度を低下させる。
これにより、ガスの拡散範囲や濃度を高精度化することができる。
【0060】
(8)第8の態様に係るガス漏洩通知方法は、施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定するステップと、前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成するステップと、前記危険領域表示画像を出力するステップと、を有する。
【0061】
(9)第9の態様に係るプログラムは、コンピュータに、施設内の複数の位置に設置されたガスを検知するセンサが検知した情報に基づいて、前記ガスの漏洩の有無を判定するステップと、前記ガスの漏洩が有ると判定されたときに、漏洩した前記ガスの拡散範囲と前記拡散範囲内の前記ガスの濃度を表示した拡散マップ情報を、前記施設の図に重畳して表示した危険領域表示画像を生成するステップと、前記危険領域表示画像を出力するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0062】
10・・・サーバ
111・・・位置情報データベース
112・・・濃度推定部
113・・・拡散予測データベース
114・・・応急処置データベース
12・・・情報提示部
121・・・センサ情報提示部
122・・・危険領域・応急処置情報提示部
13・・・通信部
20・・・モニター
30・・・センサ
30a・・・光ファイバ温度センサ
30b・・・ガス検知カメラ
30c・・・ガス検知器
40・・・ハンディ計測器
50・・・携帯端末
60・・・警報装置
100・・・モニタリングシステム
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
図1
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