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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008810
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】異常検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20240112BHJP
   G01N 27/06 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G01N27/00 L
G01N27/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026351
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2022108740
(32)【優先日】2022-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】森 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 江児
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 和彦
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌樹
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA05
2G060AE30
2G060AF02
2G060AF07
2G060AG11
2G060EA08
2G060HC15
(57)【要約】
【課題】異常検出の精度を安定させることができる異常検出装置を提供する。
【解決手段】実施形態の異常検出装置1は、周方向に並ぶ少なくとも2つの第1カバー部14と、各第1カバー部14に支持される電極部5と、第1カバー部14の径方向内側に設けられ、各電極部にそれぞれ別々に接触する磁石部4と、周方向で隣り合う第1カバー部14の間に設けられた第2カバー部22と、を備え、各電極部5の表面は撥油性を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に並ぶ少なくとも2つの第1カバー部と、
前記第1カバー部に支持され、一部が前記第1カバー部の表面から外方に露出された電極部と、
前記第1カバー部の径方向内側に設けられ、各前記電極部にそれぞれ別々に接触する磁石部と、
周方向で隣り合う前記第1カバー部の間に設けられた第2カバー部と、
を備え、
各前記電極部の表面のうち、少なくとも前記第1カバー部の表面から外方に露出された箇所は撥油性を有する、
異常検出装置。
【請求項2】
各前記第1カバー部の表面と各前記第2カバー部の表面とは撥油性を有する、
請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項3】
前記第1カバー部と前記第2カバー部とは撥油性を有する樹脂で形成され、
前記電極部の表面には、撥油性と導電性とを有するメッキ層が形成されている、
請求項2に記載の異常検出装置。
【請求項4】
前記第1カバー部を有し、外殻を形成する第1ケースと、
前記第2カバー部を有し、外殻を形成するする第2ケースと、
を備え、
前記第1ケース及び前記第2ケースは前記樹脂で形成されている、
請求項3に記載の異常検出装置。
【請求項5】
周方向に並ぶ少なくとも2つの第1カバー部を有し、外殻を形成する第1ケースと、
前記第1カバー部に支持され、一部が前記第1カバー部の表面から外方に露出された電極部と、
前記第1カバー部の径方向内側に設けられ、各前記電極部にそれぞれ別々に接触する磁石部と、
周方向で隣り合う前記第1カバー部の間に設けられた第2カバー部を有し、外殻を形成するする第2ケースと、
前記磁石部を介して2つの前記電極部間の抵抗を検出し、検出結果に基づいて異常判定を行う検出部と、
を備え、
各前記電極部の表面のうち、少なくとも前記第1カバー部の表面から外方に露出された箇所には、撥油性と導電性とを有するメッキ層が形成され、
前記第1ケース及び前記第2ケースは撥油性を有する樹脂で形成されている、
異常検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、減速機等の機械的な動作機構部を内蔵する機械動作装置では、ケーシング部の内部に潤滑剤を充填することによって動作機構部の摩耗の低減が図られている。この種の機械動作装置では、経時使用に伴って機械部品に摩耗や破損が生じる場合がある。このような場合、潤滑剤中に金属粉(以下、この潤滑剤中の金属粉を単に金属粉と称する)が混入し、潤滑剤による動作機構部の摩耗を抑制する機能が低下してしまう。このため、金属粉の量が規定量以上になったことを検出するさまざまな異常検出装置が提案されている。
【0003】
例えば、導電体で形成された棒状部材と、棒状部材を保持する保持部材と、棒状部材の先端部外周に設けられた磁石部と、磁石部の外周を覆う絶縁第1カバーと、絶縁第1カバーの外周側で棒状部材に導通させて取り付けられた第1電極部と、絶縁第1カバーの外周側で棒状部材に導通させて取り付けられた第2電極部と、を備えた異常検出装置の技術が開示されている。第1電極部と第2電極部とは軸方向で間隔をあけて配置されている。磁石部によって金属粉が磁気的に吸引され、各電極部に金属粉が付着される。この付着された金属粉によって第1電極部と第2電極部とが短絡されると、金属粉の量が規定量以上に達したとして検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-331324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術にあっては、金属粉によるオイルの汚れ度合はリアルタイムに確認できる。しかしながら、オイルよりも粘度の高いグリース(グリス)の環境下においては、金属紛があまり混入しておらず粘度が高い新しいグリースが電極部に固着してしまう。このため、金属紛が混入している粘度が低下した劣化グリースは電極部に接することができずにリアルタイムでの異常検出ができない可能性があった。
【0006】
本発明は、オイルよりも粘度の高いグリースを用いた潤滑剤でもリアルタイムに異常検出できる異常検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る異常検出装置は、周方向に並ぶ少なくとも2つの第1カバー部と、前記第1カバー部に支持され、一部が前記第1カバー部の表面から外方に露出された電極部と、前記第1カバー部の径方向内側に設けられ、各前記電極部にそれぞれ別々に接触する磁石部と、周方向で隣り合う前記第1カバー部の間に設けられた第2カバー部と、を備え、各前記電極部の表面のうち、少なくとも前記第1カバー部の表面から外方に露出された箇所は撥油性を有する。
【0008】
このように構成することで、例えば減速機等に異常検出装置を使用する場合、減速機等の使用初期の粘度の高いグリースを電極部から剥がれ易くできる。このため、粘度の高いグリースの電極部への固着を防止できる。この結果、減速機等の経年劣化によって破損が始まった際には電極部に粘度の高いグリースが固着されていることがない。経年劣化により粘度の低下したグリースには、減速機等の経年劣化による金属粉等が含まれる場合が多い。このようなグリースを、継続的に使用してきた異常検出装置の電極に直接接触させることができる。よって、グリース環境下でもリアルタイムで異常検出することが可能となる。
【0009】
上記構成において、各前記第1カバー部の表面と各前記第2カバー部の表面とは撥油性を有してもよい。
【0010】
上記構成において、前記第1カバー部と前記第2カバー部とは撥油性を有する樹脂で形成され、前記電極部の表面には、撥油性と導電性とを有するメッキ層が形成されてもよい。
【0011】
上記構成において、前記第1カバー部を有し、外殻を形成する第1ケースと、前記第2カバー部を有し、外殻を形成するする第2ケースと、を備え、前記第1ケース及び前記第2ケースは前記樹脂で形成されてもよい。
【0012】
本発明の他の態様に係る異常検出装置は、周方向に並ぶ少なくとも2つの第1カバー部を有し、外殻を形成する第1ケースと、前記第1カバー部に支持され、一部が前記第1カバー部の表面から外方に露出された電極部と、前記第1カバー部の径方向内側に設けられ、各前記電極部にそれぞれ別々に接触する磁石部と、周方向で隣り合う前記第1カバー部の間に設けられた第2カバー部を有し、外殻を形成するする第2ケースと、前記磁石部を介して2つの前記電極部間の抵抗を検出し、検出結果に基づいて異常判定を行う検出部と、を備え、各前記電極部の表面のうち、少なくとも前記第1カバーの表面から外方に露出された箇所には、撥油性と導電性とを有するメッキ層が形成され、前記第1ケース及び前記第2ケースは撥油性を有する樹脂で形成されている。
【0013】
このように構成することで、例えば減速機等に異常検出装置を使用する場合、減速機等の使用初期の粘度の高いグリースを電極部から剥がれ易くできる。また、第1カバー部や第2カバー部でも粘度の高いグリースの固着を防止できる。このように、異常検出装置の電極部周辺域で広く撥油性を設けることができ、スプレー等で後から撥油性のある材料を塗布することと比較して塗布ムラを防止することもできる。この結果、粘度の高いグリースの電極部やケース等への固着を防止できる。減速機等の経年劣化によって破損が始まった際には電極部やケース等に粘度の高いグリースが固着されていることがない。経年劣化により粘度の低下したグリースには、減速機等の経年劣化による金属粉等が含まれる場合が多い。このようなグリースを、継続的に使用してきた異常検出装置の電極に直接接触させることができる。よって、グリース環境下でもリアルタイムで異常検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
上述の異常検出装置は、オイルよりも粘度の高いグリースを用いた潤滑剤でもリアルタイムに異常検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態における減速機の概略構成図である。
図2】本発明の実施形態における異常検出装置の斜視図である。
図3図2のIII-III線に沿う断面図である。
図4】本発明の実施形態におけるケーシング部の分解斜視図である。
図5】本発明の実施形態における異常検出装置の異常検出方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
<減速機>
図1は、本発明に係る異常検出装置1が設けられた減速機100の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、減速機100は、機械動作装置の一例である。減速機100は、例えば、工場の生産ラインに用いられる産業用ロボットの関節部分に使用される。
減速機100は、ケーシング部101と、ケーシング部101内に収納された減速機構部102と、を備える。減速機構部102は、図示しない動力源の入力回転を所定の減速比で減速する。
【0018】
ケーシング部101内には、非導電性の潤滑剤103が充填されている。この潤滑剤103に、減速機構部102が浸漬されている。すなわち、減速機構部102の潤滑方式として、グリース又はオイルバス方式が採用されている。
【0019】
以下、特に潤滑方式としてグリースを採用した場合について詳述する。
グリースの特性として、ケーシング部101にグリースを充填した場合、オイルバスに比べてケーシング部101内部での流動性は悪い。また、グリースはケーシング部101に充填した直後は粘度が高い状態にある。これに対し、減速機100が駆動してグリースが攪拌されるとグリースの劣化が進行される。この結果、グリースの粘度が低下する。
【0020】
したがって、ケーシング部101内にグリースを用いた潤滑剤103は、積極的に攪拌されるとグリースの劣化が進み粘度が低くなる部分が存在する。一方、グリースを用いた潤滑剤103は、あまり攪拌されないグリースやグリース充填後の初期状態のままの粘度の高い部分が存在する。このような粘度の低い部分と粘度の高い部分とが混在する潤滑剤103のうち、粘度の高い部分は減速機100や異常検出装置1に固着しやすい。潤滑剤103の粘度の低い部分は、金属粉等の導電性粒体(例えば後述する金属粉(初期摩耗粉、経時使用金属粉))の混入が多くなる。
【0021】
<異常検出装置>
図2は、異常検出装置1の斜視図である。図3は、図2のIII-III線に沿う断面図である。図4は、異常検出装置1を構成するケーシング部2の分解斜視図である。
図2から図4に示すように、異常検出装置1は、ケーシング部101の壁101aに取り付けられる雄ネジ部70と、雄ネジ部70内に挿入された四角棒状の支持部3と、支持部3に支持されている4つの磁石部4と、支持部3及び磁石部4の周囲を覆う筒状のケーシング部2と、ケーシング部2に設けられている4つの電極部5と、を備える。
【0022】
ケーシング部101の壁101aには、図示しない雌ネジ部が形成されており、この雌ネジ部に雄ネジ部70が締め付けられる。これにより、ケーシング部101の壁101aに、異常検出装置1が取り付けられる。雄ネジ部70の壁101aの外側(図2における右側)には、図示しないシールフランジ部が一体形成されている。このシールフランジ部が壁101aに突き当たることにより、ケーシング部101の壁101aと異常検出装置1との間のシール性が確保される。以下の説明では、雄ネジ部70の軸方向を単に軸方向と称する。雄ネジ部70の周方向を単に周方向と称する。軸方向及び周方向に直交する雄ネジ部70の径方向を単に径方向と称する。
【0023】
雄ネジ部70内には、軸方向に図示しない貫通孔が形成されている。この貫通孔に、支持部3が挿入されている。支持部3は、例えば樹脂により形成されている。雄ネジ部70の中心軸と、支持部3の中心軸とは一致している。支持部3の先端側(図2における左端側)は、雄ネジ部70の先端70aからケーシング部101内へと突出されている。この突出された部位の4面には、それぞれ磁石収納凹部6が形成されている。
【0024】
4つの磁石収納凹部6は、軸方向に沿って長く形成されており、周方向に等間隔で配置されている。支持部3の周方向で隣り合う磁石収納凹部6の間、つまり、支持部3の周方向の角部3aには、それぞれケース受入れ凹部7が形成されている。ケース受入れ凹部7は、ケーシング部2の後述する凸条部24を受け入れる。
【0025】
各磁石収納凹部6に、それぞれ金属磁性体で板状の中継片8が設けられている。この中継片8の上に、磁石部4が配置されている。
磁石部4は、磁石収納凹部6に対応するように、軸方向に沿って長い延べ棒状に形成されている。磁石部4は導電性の磁石部であり、外部から磁場や電流の供給を受けることなく磁石部としての性質を有する。磁石部4は、磁力によって中継片8を付着して固定される。
【0026】
ケーシング部2は、例えば樹脂により形成されている。ケーシング部2は、雄ネジ部70から突出された支持部3及び磁石部4の周囲を覆うように筒状に形成されている。ケーシング部2は、軸方向に並んで配置された第1ケース11と第2ケース12とに分割構成されている。
第1ケース11は、雄ネジ部70側に配置されており、表面が撥油性を有する。第1ケース11は、雄ネジ部70の先端70aに突き当たる第1円筒部13と、第1円筒部13の第2ケース12側端からこの第2ケース12に向かって軸方向に延びる4つの第1カバー部14と、を備える。
【0027】
4つの第1カバー部14は、周方向に等間隔で配置されおり、表面が撥油性を有する。4つの第1カバー部14は、支持部3に第1ケース11を取り付けた状態で、磁石部4の径方向外側に位置する。第1カバー部14は板状に形成されており、厚さ方向と径方向とが一致している。第1カバー部14は、径方向に弾性変形可能であり、磁石部4を径方向外側から弾性的に若干押し付ける。
第1カバー部14の周方向側面14aは、径方向外側に向かうに従い第1カバー部14の周方向の幅が小さくなるように傾斜形成されている。第1カバー部14の内周面14bには、周方向の大部分に、軸方向全体に渡って凹部15が形成されている。
【0028】
第1カバー部14の凹部15には、軸方向中央に規制凸部16が形成されている。規制凸部16は、凹部15の周方向全体に渡って延びている。規制凸部16は、支持部3に第1ケース11を取り付けた状態で、磁石部4の雄ネジ部70側端に位置する。これにより、規制凸部16は、磁石部4の軸方向の移動を規制する。
第1カバー部14の第2ケース12側の先端には、周方向中央に保持溝17が形成されている。各第1カバー部14の保持溝17に、それぞれ電極部5が挿入されて保持される。電極部5についての詳細は、後述する。
【0029】
第2ケース12は表面が撥油性を有しており、第2円筒部21と、第2円筒部21の第1ケース11側端からこの第1ケース11に向かって軸方向に延びる4つの第2カバー部22と、を備える。第2円筒部21の軸方向中央には、封止板23が一体成形されている。封止板23の径方向中央には、厚さ方向に貫通する貫通孔23aが形成されている。貫通孔23aには、支持部3の先端に一体成形された支持軸部3b(図2参照)が挿入される。これにより、第2ケース12に支持部3の先端側が支持される。
【0030】
4つの第2カバー部22は、周方向に等間隔で配置されており、表面が撥油性を有する。4つの第2カバー部22は、支持部3に第2ケース12を取り付けた状態で、第1ケース11の周方向で隣り合う第1カバー部14の間を塞ぐように配置される。第2カバー部22は、板状に形成されており、厚さ方向と径方向とが一致している。より具体的には、第2カバー部22は、支持部3の中心軸を中心とした円弧状の外周面22a及び内周面22bと、外周面22aと内周面22bとを連結する周方向側面22cと、を有する。
【0031】
ケーシング部2の表面が撥油性を有するようにするために、ケーシング部2の表面に撥油性を有するコーティング剤をスプレーや刷毛等で塗布してもよい。ケーシング部2を形成する樹脂として、樹脂そのものが撥油性を有する材料を使用してもよい。例えば樹脂としては、フッ素樹脂等が挙げられる。撥油性を有する材料でケーシング部2を形成すると、塗布に比べて塗布ムラなくケーシング部2の全体に均一に撥油性を持たせることが可能になる。
【0032】
換言すれば、第1ケース11及び第2ケース12の表面が撥油性を有するようにするために、第1ケース11及び第2ケース12の表面に撥油性を有するコーティング剤をスプレーや刷毛等で塗布してもよい。第1ケース11及び第2ケース12を形成する樹脂として、樹脂そのものが撥油性を有する材料を使用してもよい。例えば樹脂としては、フッ素樹脂等が挙げられる。撥油性を有する材料で第1ケース11及び第2ケース12を形成すると、塗布に比べて塗布ムラなく第1ケース11および第2ケース12の全体に均一に撥油性を持たせることが可能になる。
【0033】
第1ケース11及び第2ケース12の全体の表面を、撥油性を有するように構成しなくてもよい。少なくとも電極部5の周囲の表面が撥油性を有すればよい。具体的には、第1カバー部14及び第2カバー部22の表面が撥油性を有すればよい。
第1カバー部14及び第2カバー部22の表面が撥油性を有するようにするために、第1カバー部14及び第2カバー部22の表面に撥油性を有するコーティング剤をスプレーや刷毛等で塗布してもよい。第1カバー部14及び第2カバー部22を形成する樹脂として、樹脂そのものが撥油性を有する材料を使用してもよい。例えば樹脂としては、フッ素樹脂等が挙げられる。撥油性を有する材料で第1カバー部14及び第2カバー部22を形成すると、塗布に比べて塗布ムラなく第1カバー部14及び第2カバー部22の全体に均一に撥油性を持たせることが可能になる。
【0034】
第2カバー部22の周方向側面22cは、外周面22a及び内周面22bから周方向外側に張り出すように湾曲形成されている。周方向側面22cは、支持部3に第2ケース12を取り付けた状態で、第1カバー部14に形成された周方向側面14aの径方向外側に位置している。すなわち、第1カバー部14の周方向側面14aと第2カバー部22の周方向側面22cとは、径方向で重なっている。第2カバー部22の周方向側面22cのうち、内周面22b側には、第1カバー部14の周方向側面14aの形状に対応するように、径方向外側に向かうに従い第2カバー部22の周方向の幅が大きくなうように傾斜された傾斜部22dが形成されている。この傾斜部22dが、第1カバー部14の周方向側面14aに重ね合わされている。第2カバー部22によって、第1ケース11の第1カバー部14が径方向外側から押さえ付けられた形になる。
【0035】
第2カバー部22の内周面22bには、周方向中央に凸条部24が形成されている。凸条部24は、軸方向に延びている。この凸条部24が、支持部3のケース受入れ凹部7に収納される。これにより、支持部3に対する第2ケース12の周方向の位置決めが行われる。第2ケース12を介して支持部3に対する第1ケース11の位置決めも行われる。
【0036】
第1ケース11に設けられた各第1カバー部14の保持溝17に保持された電極部5は、真鍮、アルミニウム、銅等の導電性の非磁性の導体によって形成されている。電極部5の表面は撥油性を有する。電極部5は、径方向及び周方向に沿う断面がT字状に形成されている。すなわち、電極部5は、径方向及び周方向に沿う断面で径方向に沿うように形成された電極本体31と、電極本体31の径方向内側端に一体成形され、径方向及び周方向に沿う断面で周方向に延びる磁石当接板32と、を有する。
【0037】
電極部5の表面が撥油性を有するようにするために、電極部5の表面に撥油性を有するコーティング剤をスプレーや刷毛等で塗布してもよい。電極部5に表面処理を施して撥油性と導電性を有するメッキ層を形成してもよい。メッキ層としては、例えばフッ素樹脂含有無電解ニッケルメッキ等が挙げられる。電極部5の表面処理は塗布に比べて塗布ムラなく、電極部5全体に均一に撥油性を持たせることが可能になる。
【0038】
第1ケース11の保持溝17に、電極本体31が挿入される。すなわち電極本体31は、第1カバー部14の径方向内外に通じている。電極本体31の径方向内側端及び径方向外側端は、それぞれ第1カバー部14から突出(露出)されている。
磁石当接板32は、第1カバー部14の凹部15に収納されている。磁石当接板32に
よって、電極部5の径方向外側への抜けが規制される。
上記でいう電極部5の表面とは、電極部5の全体の表面のうち、少なくとも第1カバー部14から突出している箇所をいう。少なくともこの突出している箇所が撥油性を有していればよい。しかしながらこれに限られるものではなく、電極部5の表面以外の第1カバー部14の内部にも撥油性を有してもよい。
【0039】
第1カバー部14は、磁石部4を径方向外側から弾性的に若干押し付けることから、第1カバー部14によって磁石当接板32が磁石部4に向かって弾性的に押し付けられる。これにより、磁石部4と磁石当接板32とが十分に接触され、電極部5と磁石部4とが導通される。電極部5は非磁性であるので、電極部5が磁化されることなく磁石部4と導通される。
電極部5を押さえ付ける第1カバー部14は、この第1カバー部14の周方向側面14aが第2カバー部22の周方向側面22cと径方向で重なっており、第2カバー部22によって径方向外側から押さえ付けられた形になっている。このため、第1カバー部14による電極部5の磁石部4への押さえ付けが確実に維持される。
【0040】
第1カバー部14の周方向側面14aと第2カバー部22の周方向側面22cとが径方向で重なることにより、第1カバー部14と第2カバー部22との間の微小隙間Sの形状が複雑化される。すなわち、第1カバー部14と第2カバー部22との間の微小隙間Sの形状は、径方向外側から径方向内側に至る間で第2カバー部22の周方向側面22cに沿って第2カバー部22の周方向外側から周方向内側に向かうように折れ曲がっている。このため、第1カバー部14の外周面14c及び第2カバー部22の外周面22aを通る周方向で隣り合う電極部5(電極本体31)間の沿面距離Ed(以下、「電極部間の沿面距離Ed」という)は、第2カバー部22の周方向両側(周方向側面22c)及び第2カバー部22の外周面22aを通る周方向で隣り合う磁石部4間の沿面距離Md(以下、「磁石部間の沿面距離Md」という)よりも短い。
【0041】
ここで、沿面距離とは、2つの対象部材(例えば、本実施形態の場合、周方向で隣り合う電極部5及び周方向で隣り合う磁石部4)の間の絶縁材(ケーシング部2)の表面を沿った最小距離をいう。換言すれば、互いに絶縁すべき部分相互間のうち、2つ対象部材間に設けられた絶縁物の表面に沿った最短距離をいう。電極部間の沿面距離Edが、磁石部間の沿面距離Mdよりも短いことについての作用、効果については後述する。
【0042】
このような異常検出装置1は、この異常検出装置1による異常を検出するための検出回路40に電気的に接続されている(図5も併せて参照)。検出回路40は、中継片8に接続される配線基板43と、配線基板43を介して中継片8に接続される抵抗検出部41及び電源42を備える。
【0043】
電源42は、任意の電極部5に電圧を印加する。抵抗検出部41は、電圧が印加された電極部5と、この電極部5と周方向で隣り合う他の電極部5との間の抵抗値を検出する。この抵抗値の変化に基づいて、減速機100の潤滑剤103内に混入した金属粉等の導電性粒体の量を検出する。そして、異常検出装置1は、減速機100の異常を検出する。以下、具体的な異常検出装置1による減速機100の異常検出方法について説明する。
【0044】
<異常検出装置による減速機の異常検出方法>
次に、図5に基づいて、異常検出装置1による減速機100の異常検出方法について説明する。
図5は、異常検出装置1の異常検出方法の説明図であり、図3の一部拡大図に相当する。
まず、減速機100を初めて使用する際(初期駆動時という場合もある)等に生じる微小粒径の初期摩耗粉(金属粉)について説明する。初期摩耗粉は、粒径が例えば10μm未満(通常2μm未満程度)の微細な金属粉であり、減速機100の動作に殆ど悪影響を及ぼさない。
【0045】
ここで、図5に示すように、ケーシング部2は、減速機100のケーシング部101内に突出されていることから、潤滑剤103に浸漬されている。このような状態で、初期摩耗粉は異常検出装置1の磁石部4に磁気的に吸引され、ケーシング部2の表面、つまり、第1カバー部14の外周面14cや第2カバー部22の外周面22aに下層Psとなって付着される。この付着された初期摩耗粉の周囲には、潤滑剤103が非導電層として残存するようになる。使用初期状態では、潤滑剤103が非導電性であることから、抵抗検出部41によって検出される抵抗値は無限大となる。また、初期摩耗粉の付着力は比較的弱いため、周方向で隣り合う電極部5間に堆積する初期摩耗粉の量も少なく抑えられる。
【0046】
また、電極部5は非磁性の導体であるので、磁石部4の磁力の影響を受けて電極部5が磁化されることがない。このため、電極部5のうち、電極本体31の第1カバー部14から径方向外側に突出された電極部突出部31aに、初期摩耗粉が付着してしまうことが抑制される。この結果、減速機100の初期駆動時に、電極部突出部31aが初期摩耗粉に埋もれてしまうことが防止される。電極部突出部31aが初期摩耗粉に埋もれてしまうと、初期摩耗粉発生後の一定期間経過後に生じる経時使用金属粉の付着を、検出回路40によって精度よく検出できなくなる。
【0047】
次に、経時使用金属粉について説明する。経時使用金属粉は、初期摩耗粉発生後の一定期間経過後、つまり、減速機100の通常の使用によって生じる金属(摩耗粉)や破損片(金属片)等の金属粉である。経時使用金属粉は、粒径が例えば10μm以上と大きい。このため、経時使用金属粉は磁石部4の磁力の影響を受けやすく、非導電性の潤滑剤を押しのけて経時使用鉄粉同士が吸着されやすい。
【0048】
潤滑剤103内に混入する経時使用金属粉の量が増大すると、この経時使用金属粉が磁石部4に磁気的に吸引される。そして、経時使用金属粉は、第1カバー部14の外周面14cや第2カバー部22の外周面22aのうち、周方向で隣り合う電極部5間に付着する。経時使用金属粉は、磁石部4の磁力の影響を受けて、第1カバー部14の外周面14cや第2カバー部22の外周面22aの下層Psの上に上層Pnとなって堆積される。
【0049】
第1カバー部14の外周面14cや第2カバー部22の外周面22aへの経時使用金属粉の堆積量が規定量以上に達すると、抵抗検出部41によって検出される抵抗値が規定値以下になる。この抵抗値が規定値以下になったことが、検出回路40によって減速機100の異常と判定される。これにより、異常検出装置1によって、減速機100の異常が検出される。
【0050】
ところで、異常検出装置1には、第1カバー部14と第2カバー部22との間に微小隙間Sが生じている。例えばこの微小隙間Sに例えば破損片(金属片)等が入り込み、磁石部4に直接破損片等が付着してしまう可能性がある。このような場合、破損片(金属片)等により、周方向で隣り合う磁石部4同士が短絡してしまう可能性がある。しかしながら、電極部間の沿面距離Edは、磁石部間の沿面距離Mdよりも短い。このため、抵抗検出部41によって検出される抵抗値が規定値以下になるよりも先に、周方向で隣り合う磁石部4同士が金属粉等によって短絡してしまうことが抑制される。
【0051】
<比較例>
次に比較例として、潤滑剤103としてグリースを用いた場合で、ケーシング部2の表面が撥油性を有しないとともに、電極部5の表面が撥油性を有しない場合について説明する。
発明者らは上述の異常検出装置1を用いてグリースを用いた潤滑剤103での環境下でもリアルタイムに検知することが可能か試験を行った。
より具体的には、金属紛が混入して粘度が低下している、いわゆる劣化したグリースの潤滑剤103のみをケーシング部101に充填し、新しい減速機100の減速機構部102を劣化したグリースの潤滑剤103に浸漬させる。
【0052】
次に異常検出装置1の電極部5には粘度が高く金属紛が混入していない、いわゆる新品のグリースを塗布(固着)したものと、電極部5に何も塗布しないものを用意した。そして、減速機100を所定時間運転した後に異常検出装置1にて各々の電極部5での金属紛の検知をするという試験を行った。
【0053】
その結果、新品グリースを塗布(固着)した電極部5は、劣化したグリースの潤滑剤103においても金属紛を検知しなかった。一方何も塗布していない電極部5においては、金属紛を検出することがわかった。そのことから、発明者らは、異常検出装置1の電極部にグリース充填後初期の劣化しておらず粘度が高い状態のグリースが異常検出装置1の電極部5に付着または固着した場合に、異常検出装置1が金属紛等を検知することができない課題を見出した。
【0054】
【表1】
【0055】
実際の試験では、異常検出装置1を構成するケーシング部2の全体に粘度が高く金属紛が混入していない、いわゆる新品のグリースを塗布している。
【0056】
ケーシング部101の壁101aに、異常検出装置1が取り付けられている。異常検出装置1が取り付けられる位置は、潤滑剤103の流動性の良好な位置である。異常検出装置1は、潤滑剤103内に混入した金属粉等の導電性粒体(例えば後述する金属粉)の量を検出することにより、減速機100の異常を検出する。
【0057】
したがって、上述の異常検出装置1によれば、比較例に対して異常検出装置1によって金属紛等を確実に検知できる。すなわち、異常検出装置1は、電極部5の表面のうち、少なくとも第1カバー部14の外周面14cから外方に露出された箇所は撥油性を有する。このため、減速機100の使用初期の粘度の高いグリース(潤滑剤103)を電極部5から剥がれ易くできる。この結果、粘度の高いグリースの電極部5への固着を防止できる。したがって、減速機100の経年劣化によって破損が始まった際には電極部5に粘度の高いグリースが固着されていることがない。経年劣化により粘度の低下したグリースには、減速機100の経年劣化による金属粉等が含まれる場合が多い。このようなグリースを、継続的に使用してきた異常検出装置1の電極部5に直接接触させることができる。よって、グリース環境下でもリアルタイムで異常検出することが可能となる。
【0058】
第1カバー部14と第2カバー部22とは撥油性を有する樹脂で形成されている。電極部5の表面には、撥油性と導電性とを有するメッキ層が形成されている。このため、電極部5を支持する第1カバー部14、及び第2カバー部22に対して粘度の高いグリースの固着を防止でき、異常検出精度を向上することができる。また、第1カバー部14と第2カバー部22にスプレー等で後から撥油性のある材料を塗布することと比較して塗布ムラを防止することもできる。
【0059】
第1カバー部14及び第2カバー部22のみならず、第1ケース11及び第2ケース12を、撥油性を有する樹脂で形成している。このため、異常検出装置1の電極部5の周辺域で広く撥油性のある領域を設けることができる。したがって、粘度の高いグリースを電極部5から確実に剥がれ易くし、粘度の高いグリースの固着を確実に防止できる。また、第1ケース11及び第2ケース12にスプレー等で後から撥油性のある材料を塗布することと比較して塗布ムラを防止することもできる。
【0060】
上述の異常検出装置1によれば、金属粉の量が規定量以上に達したことを検出回路40で検出でき、減速機100の異常判定を高精度に行うことができる。
電極部間の沿面距離Edを、磁石部間の沿面距離Mdよりも短くするために、第1カバー部14の周方向側面14aと第2カバー部22の周方向側面22cとを径方向で重ね合わせている。このように、簡素な構造で容易に磁石部間の沿面距離Mdを長くすることができ、電極部間の沿面距離Edを、磁石部間の沿面距離Mdよりも短くできる。
【0061】
異常検出装置1では、第1カバー部14及び第2カバー部22は、周方向に等間隔で4つ設けられている。第1カバー部14に設けられた各電極部5に対応して、磁石部4も周方向に等間隔で4つ設けられている。このため、異常検出装置1の全周に渡って金属粉の量を検出でき、異常検出装置1による検出精度をさらに向上できる。
【0062】
異常検出装置1では、電極部5と磁石部4とが別々に設けられている。第1カバー部14は、径方向に弾性変形可能に設けられており磁石部4に向かって電極部5を付勢している。このため、電極部5や磁石部4の形状を複雑化することなく容易に製造しつつ、電極部5と磁石部4とを確実に導通させることができる。
【0063】
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0064】
例えば、上述の実施形態では、ケーシング部2を第1ケース11と第2ケース12とで分割構成した場合について説明した。そして、第1ケース11の周方向で隣り合う第1カバー部14の間を、4つの第2カバー部22によって塞いだ場合について説明した。この場合、第1カバー部14と第2カバー部22との間に微小隙間Sが形成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、第2カバー部22によって周方向で隣り合う第1カバー部14の間を完全に塞いでもよい。すなわち、第1カバー部14と第2カバー部22とを一体成形し、さらに第1ケース11と第2ケース12とを一体成形してもよい。この場合、微小隙間Sが形成されない分、磁石部4に直接破損片(金属片)等が付着してしまうことを防止できる。このため、異常検出装置1による検出精度を安定させることができる。
【0065】
上述の実施形態では、できる限り磁石部間の沿面距離Mdよりを長くするために、第1カバー部14の周方向側面14aと第2カバー部22の周方向側面22cとを径方向で重ね合わせた場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、電極部間の沿面距離Edが、磁石部間の沿面距離Mdよりも短ければよい。例えば、第1カバー部14の周方向側面14aの形状と第2カバー部22の周方向側面22cの形状とを複雑化することにより、磁石部間の沿面距離Mdを長くしてもよい。
【0066】
上述の実施形態では、電極部5と磁石部4とが別々に設けられている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、電極部5と磁石部4とを一体成形してもよい。例えば電極部5と磁石部4とを二色成形し、磁石部4に対応する箇所のみ磁石部化してもよい。
上述の実施形態では、異常検出装置1は、第1カバー部14、第2カバー部22、磁石部4、及び電極部5をそれぞれ4つずつ備える場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、それぞれ少なくとも2つずつ備えていればよい。これにより、抵抗検出部41によって2つの電極部5間の抵抗を検出することができる。
【0067】
上述の実施形態では、磁石部4を介して2つの電極部5間の抵抗を検出し、検出結果に基づいて異常判定を行う検出部として、検出回路40を設けた場合について説明した。検出回路40は、抵抗検出部41によって検出される抵抗値が規定値以下になった場合に、減速機100を異常と判定する場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、検出回路40は、単に電極部5間の抵抗が規定値を超えた場合に信号がON出力(例えばライトが点灯される等)されるように構成し、これを減速機100の異常と判定するようにしてもよい。抵抗値の検出結果をさまざまな形で出力してよい。
【0068】
上述の実施形態では、導電性粒体は金属粉である場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、導電性粒体として金属以外でも導電性を有するさまざまな粒体を挙げることができる。例えば金属粉としては、鉄の磁性体かつ通電性がある素材等が挙げられるが、導電性を有する樹脂等でも異常検出装置1によって検出することが可能である。
【0069】
上述の実施形態では、機械動作装置として減速機100を一例として説明した。動作機構部として減速機構部102を一例として説明した。そして、減速機100に異常検出装置1を設けた場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、歯車装置等、さまざまな動作機構部を備えた機械動作装置に、異常検出装置1を用いることができる。
上述の実施形態中、第1円筒部13や第2円筒部21は、完全な円筒である必要はなく、筒状であればよい。例えば多角形状の筒部でもよい。
【0070】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0071】
1…異常検出装置
4…磁石部
5…電極部
11…第1ケース
12…第2ケース
13…第1円筒部
14…第1カバー部
14a…周方向側面
14c…外周面(第1カバー部の表面)
21…第2円筒部
22…第2カバー部
22a…外周面
22c…周方向側面
31…電極本体
32…磁石当接板
40…検出回路
100…減速機
101…ケーシング部
102…減速機構部
103…潤滑剤
Ed…電極間の沿面距離
Md…磁石間の沿面距離
図1
図2
図3
図4
図5