(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088116
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】蓄電モジュール製造方法、及び、蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240625BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20240625BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/129 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20240625BHJP
H01G 11/84 20130101ALI20240625BHJP
H01G 11/12 20130101ALI20240625BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240625BHJP
H01G 11/80 20130101ALI20240625BHJP
H01M 10/052 20100101ALN20240625BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0585
H01M50/103
H01M50/129
H01M50/119
H01M50/121
H01M50/186
H01G11/84
H01G11/12
H01G11/78
H01G11/80
H01M10/052
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203132
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】新谷 晃大
(72)【発明者】
【氏名】石黒 文彦
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5E078AA14
5E078AB02
5E078EA04
5E078EA11
5E078HA02
5E078HA23
5E078JA02
5E078JA06
5E078LA07
5H011AA09
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD07
5H011DD13
5H011DD23
5H011GG01
5H011HH02
5H028AA07
5H028AA08
5H028BB05
5H028BB15
5H028CC01
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC11
5H028CC19
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029BJ12
5H029BJ17
5H029CJ04
5H029CJ05
5H029DJ02
5H029DJ03
5H029DJ14
(57)【要約】
【課題】ラミネートフィルムを確実に溶着可能な蓄電モジュール製造方法、及び蓄電モジュールを提供する。
【解決手段】蓄電モジュール製造方法は、バイポーラ電極11の集電体15にシール材21を設けて複数の第1電極ユニットA1を作製する工程S101と、正極終端電極12の集電体15にシール材21を設ける共に、当該シール材21にラミネートフィルム30を溶着して第2電極ユニットA2を作製する工程S102と、複数の第1電極ユニットA1を積層すると共に、最外層の第1電極ユニットA1に第2電極ユニットA2を積層する工程S104と、を備える。工程S104では、ラミネートフィルム30が第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2の積層体の外側に向くように、第2電極ユニットA2の積層を行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1集電体と前記第1集電体の第1面及び前記第1面の反対面である第2面のそれぞれに形成された活物質層とを含む複数の第1電極のそれぞれの前記第1集電体の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方における周縁部に枠状の第1シール材を設けて複数の第1電極ユニットを作製する第1工程と、
第2集電体と前記第2集電体の第3面のみに形成された活物質層とを含む第2電極の前記第2集電体の少なくとも前記第3面の反対面である第4面の周縁部に枠状の第2シール材を設ける共に、当該第2シール材における前記第2集電体と反対側の表面に前記第2シール材に沿う枠状のラミネートフィルムを溶着して第2電極ユニットを作製する第2工程と、
前記第1工程及び前記第2工程の後に、第1方向に沿って複数の前記第1電極ユニットを積層すると共に、前記第1方向における最外層の前記第1電極ユニットに前記第2電極ユニットを積層して積層体を形成する第3工程と、
を備え、
前記第3工程では、前記ラミネートフィルムが前記積層体の前記第1方向における外側に向くように、前記第2電極ユニットの積層を行う、
蓄電モジュール製造方法。
【請求項2】
前記第3工程では、前記第1方向に隣り合う前記第1シール材同士の間、及び、前記第1方向に隣り合う前記第1シール材と前記第2シール材との間に、前記第1方向からみて前記第2シール材よりも前記第1方向と交差する方向への幅の狭いスペーサを介在させながら前記第1電極ユニット及び前記第2電極ユニットの積層を行って前記積層体を形成し、
前記第2工程では、前記積層体を前記第1方向からみたとき、前記第2シール材における前記スペーサに重なる領域から前記スペーサに重ならない領域にかけて前記ラミネートフィルムを溶着する、
請求項1に記載の蓄電モジュール製造方法。
【請求項3】
前記ラミネートフィルムは、金属層と前記金属層の両面を被覆する樹脂層とを含み、
前記第1方向からみたときの前記ラミネートフィルムの外縁から前記第2集電体に重なる位置に至る領域には、前記第2工程で前記第2シール材に前記ラミネートフィルムが溶着されたときに当該ラミネートフィルムから前記第2シール材を露出させる少なくとも1つの欠落部分が形成されており、
前記第3工程では、前記欠落部分から露出する前記第2シール材を介して前記第2集電体のエッジを確認する、
請求項1又は2に記載の蓄電モジュール製造方法。
【請求項4】
前記欠落部分は、前記第1方向からみたときの前記ラミネートフィルムの前記外縁から前記第2集電体に重なる位置にわたって設けられた切欠きを含む、
請求項3に記載の蓄電モジュール製造方法。
【請求項5】
前記第2工程では、複数の矩形状のフィルムを枠状に配置して前記第2シール材に溶着することにより、前記第2シール材上において枠状の前記ラミネートフィルムを構成し、
前記欠落部分は、隣り合う前記フィルムの間の間隙を含む、
請求項3に記載の蓄電モジュール製造方法。
【請求項6】
集電体を含む複数の電極が第1方向に沿って積層されて構成された電極積層体と、
前記電極積層体を取り囲むように前記電極積層体に設けられ、隣り合う前記集電体の間の内部空間を封止するための封止体と、
前記第1方向における前記封止体の端面のみに溶着された枠状のラミネートフィルムと、
を備える蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュール製造方法、及び、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、蓄電装置が記載されている。この蓄電装置は、複数の蓄電セルが積層されて構成された積層体と、積層体に設けられた補強部材とを含む。積層体の外側面は、蓄電セルの積層方向からみて矩形状を呈している。補強部材は、フィルム状の部材であり、第1樹脂層、金属層、及び第2樹脂層がこの順で積層されて一体化されることで構成されている(すなわちラミネートフィルムである)。補強部材は、蓄電セルの積層方向からみて、積層体の外側面を囲うように環状に延在し、積層体の外側面に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された蓄電装置では、ラミネートフィルムは、積層体の外側面上に設けられた本体部と、前記本体部から延在して積層体の積層方向の両端面上に位置する延在部とを含む。このようなラミネートフィルムを予め作製された積層体に溶着する際には、ラミネートフィルムと積層体とを互いに加圧し密着させる必要がある。しかし、ラミネートフィルムにおける積層体の両端面上に位置する一対の延在部では、当該一対の延在部を積層方向に加圧する治具間に積層体の全体が介在することとなる。ところで、積層体を製造する際には、各蓄電セルの積層位置がずれてしまう場合がある。この結果、当該延在部においては、各蓄電セルのずれに起因して均一な面圧がかけにくくなる。このため、確実な溶着を行うためには改良の余地がある。
【0005】
本開示は、ラミネートフィルムを確実に溶着可能な蓄電モジュール製造方法、及び蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法は、第1集電体と第1集電体の第1面及び第1面の反対面である第2面のそれぞれに形成された活物質層とを含む複数の第1電極のそれぞれの第1集電体の第1面及び第2面の少なくとも一方における周縁部に枠状の第1シール材を設けて複数の第1電極ユニットを作製する第1工程と、第2集電体と第2集電体の第3面のみに形成された活物質層とを含む第2電極の第2集電体の少なくとも第3面の反対面である第4面の周縁部に枠状の第2シール材を設ける共に、当該第2シール材における第2集電体と反対側の表面に第2シール材に沿う枠状のラミネートフィルムを溶着して第2電極ユニットを作製する第2工程と、第1工程及び第2工程の後に、第1方向に沿って複数の第1電極ユニットを積層すると共に、第1方向における最外層の第1電極ユニットに第2電極ユニットを積層して積層体を形成する第3工程と、を備え、第3工程では、ラミネートフィルムが積層体の第1方向における外側に向くように、第2電極ユニットの積層を行う。
【0007】
この製造方法では、複数の第1電極ユニットと、ラミネートフィルムを含む第2電極ユニットとが作製される。そして、これらの第1電極ユニット及び第2電極ユニットが第1方向に沿って積層される。このとき、第2電極ユニットは、第1方向における最外層の第1電極ユニットに積層される。また、第2電極ユニットの積層は、ラミネートフィルムが積層体の外側に向くように行われる。このように、この製造方法では、当該ラミネートフィルムは、第1電極ユニット及び第2電極ユニットの積層前に既に第2電極ユニットのシール材(第2シール材)に溶着されており、第1電極ユニット及び第2電極ユニットの積層体が構成されたときには、当該積層体の積層方向の端面(第2電極ユニットのシール材の外表面)に溶着されている。よって、予め作製された積層体の積層方向の端面にラミネートフィルムを溶着する場合と比較して、均一な面圧の付加により確実なラミネートフィルムの溶着が可能となる。
【0008】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法では、第3工程において、第1方向に隣り合う第1シール材同士の間、及び、第1方向に隣り合う第1シール材と第2シール材との間に、第1方向からみて第2シール材よりも第1方向と交差する方向への幅の狭いスペーサを介在させながら第1電極ユニット及び第2電極ユニットの積層を行って積層体を形成し、第2工程では、積層体を第1方向からみたとき、第2シール材におけるスペーサに重なる領域からスペーサに重ならない領域にかけてラミネートフィルムを溶着してもよい。この場合、シール材(第1シール材及び第2シール材)よりも幅の狭いスペーサを介して第1電極ユニット及び第2電極ユニットを積層した場合であっても、シール材のスペーサと重ならない領域にわたってラミネートフィルムを確実に溶着することが可能である。
【0009】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法では、ラミネートフィルムは、金属層と金属層の両面を被覆する樹脂層とを含み、第1方向からみたときのラミネートフィルムの外縁から第2集電体に重なる位置に至る領域には、第2工程で第2シール材にラミネートフィルムが溶着されたときに当該ラミネートフィルムから第2シール材を露出させる少なくとも1つの欠落部分が形成されており、第3工程では、欠落部分から露出する第2シール材を介して第2集電体のエッジを確認してもよい。この場合、ラミネートフィルムの欠落部分(及びシール材、スペーサ)を介して、集電体のエッジを基準として位置調整を行いながら積層したり、積層ずれを検出したりすることが可能となる。
【0010】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法では、欠落部分は、第1方向からみたときのラミネートフィルムの外縁から第2集電体に重なる位置にわたって設けられた切欠きを含んでもよい。
【0011】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法では、第2工程において、複数の矩形状のフィルムを枠状に配置して第2シール材に溶着することにより、第2シール材上において枠状のラミネートフィルムを構成し、欠落部分は、隣り合うフィルムの間の間隙を含んでもよい。これらのように、種々の態様によって、ラミネートフィルムに欠落部分を構成することができる。
【0012】
本開示に係る蓄電モジュールは、集電体を含む複数の電極が第1方向に沿って積層されて構成された電極積層体と、電極積層体を取り囲むように電極積層体に設けられ、隣り合う集電体の間の内部空間を封止するための封止体と、第1方向における封止体の端面のみに溶着された枠状のラミネートフィルムと、を備える。
【0013】
この蓄電モジュールは、上記の蓄電モジュール製造方法により製造され得る。よって、ラミネートフィルムが確実に溶着可能とされる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、ラミネートフィルムを確実に溶着可能な蓄電モジュール製造方法、及び蓄電モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る蓄電モジュールの模試的な平面図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線に沿っての概略断面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法の一工程を示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法の一工程を示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、変形例に係る蓄電モジュールを示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、別の変形例に係る蓄電モジュールを示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、変形例に係る蓄電モジュールの模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一実施形態に係る蓄電モジュールについて、図面を参照して説明する。各図の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、各図には、第1方向D1を規定する第1軸、第2方向D2を規定する第2軸、及び、第3方向D3を規定する第3軸からなる直交座標系が示される場合がある。
【0017】
図1は、本実施形態に係る蓄電モジュールの模試的な平面図である。
図2は、
図1のII-II線に沿っての概略断面図である。
図1,2に示される蓄電モジュール1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる蓄電モジュールである。蓄電モジュール1は、例えばニッケル水素二次電池又はリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電モジュール1は、電気二重層キャパシタであってもよいし、全固体電池であってもよい。ここでは、蓄電モジュール1がリチウムイオン二次電池である場合を例示する。
【0018】
蓄電モジュール1は、電極積層体10と封止体20とを備えている。電極積層体10は、第1方向D1に沿って積層された複数の電極を含む。複数の電極は、複数のバイポーラ電極(第1電極)11と、正極終端電極(第2電極)12と、負極終端電極13と、を含む。互いに隣り合う電極の間には、セパレータ14が介在されている。
【0019】
バイポーラ電極11は、集電体(第1集電体)15と、正極活物質層16と、負極活物質層17と、を有している。集電体15は、例えば矩形シート状を呈している。正極活物質層16は、集電体15の一方面(第1面)15aに設けられている。負極活物質層17は、集電体15の一方面15aの反対面である他方面(第2面)15bに設けられている。すなわち、バイポーラ電極11は、集電体15と集電体15の一方面15a及び他方面15bのそれぞれに形成された活物質層とを含む第1電極である。複数のバイポーラ電極11は、一のバイポーラ電極11の正極活物質層16と別のバイポーラ電極11の負極活物質層17とが対向するように積層されている。ここでは、集電体15の一方面15aは、第1方向D1の一方を向く面であり、集電体15の他方面15bは、第1方向D1の他方を向く面である。
【0020】
正極活物質層16及び負極活物質層17は、第1方向D1からみて矩形状である。負極活物質層17は、第1方向D1から見て正極活物質層16よりも一回り大きい。つまり、第1方向D1から見た平面視において、正極活物質層16の形成領域の全体が負極活物質層17の形成領域内に位置している。
【0021】
正極終端電極12は、集電体(第2集電体)15と、集電体15の一方面(第3面)15aに設けられた正極活物質層16と、を有している。正極終端電極12は、集電体15の一方面15aの反対面である他方面(第4面)15bにおいて正極活物質層16及び負極活物質層17を有していない。つまり、正極終端電極12の集電体15の他方面15bには、活物質層が設けられていない。したがって、正極終端電極12は、集電体15と集電体15の一方面15aのみに設けられた活物質層とを含む第2電極である。正極終端電極12は、電極積層体10の第1方向D1の一端部においてバイポーラ電極11に積層されている。正極終端電極12は、その正極活物質層16がバイポーラ電極11の負極活物質層17に対向するようにバイポーラ電極11に積層されている。
【0022】
負極終端電極13は、集電体15と、集電体15の他方面15bに設けられた負極活物質層17と、を有している。負極終端電極13は、集電体15の一方面15aにおいて正極活物質層16及び負極活物質層17を有していない。つまり、負極終端電極13の集電体15の一方面15aには、活物質層が設けられていない。負極終端電極13は、電極積層体10の第1方向D1の正極終端電極12と反対側の端部においてバイポーラ電極11に積層されている。負極終端電極13は、その負極活物質層17がバイポーラ電極11の正極活物質層16に対向するようにバイポーラ電極11に積層されている。このように、電極積層体10は、活物質層が設けられた集電体を含む複数の電極が第1方向D1に沿って積層されて構成されている。なお、本実施形態では、バイポーラ電極11、正極終端電極12、及び、負極終端電極13の集電体を集電体15として同一の符号を付しているが、バイポーラ電極11、正極終端電極12、及び、負極終端電極13の集電体は、実際に互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0023】
セパレータ14は、隣り合うバイポーラ電極11の間、正極終端電極12とバイポーラ電極11の間、及び、負極終端電極13とバイポーラ電極11との間に配置されている。セパレータ14は、正極活物質層16と負極活物質層17との間に介在している。セパレータ14は、リチウムイオン等の電荷担体を通過させる部材であり、正極活物質層16と負極活物質層17とを隔離することで、隣り合う電極の接触による短絡を防止する。
【0024】
集電体15は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、正極活物質層16及び負極活物質層17に電流を流し続けるための化学的に不活性な電気伝導体である。集電体15の材料は、例えば、金属材料、導電性樹脂材料又は導電性無機材料等である。導電性樹脂材料としては、例えば、導電性高分子材料又は非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂等が挙げられる。集電体15は、複数の層を備えていてもよい。この場合、集電体15の各層は、上記の金属材料及び/又は導電性樹脂材料を含んでいてもよい。
【0025】
集電体15の表面には、被覆層が形成されていてもよい。当該被覆層は、例えばメッキ処理又はスプレーコート等の公知の方法によって形成されていてもよい。集電体15は、例えば、板状、箔状(例えば金属箔)、フィルム状又はメッシュ状等を呈していてもよい。金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔又はステンレス鋼箔等が挙げられる。集電体15は、上記の金属の合金箔又は複数の金属箔を一体化させた箔であってもよい。集電体15が箔状を呈している場合、集電体15の厚さは、例えば、1μm~200μmであってもよい。本実施形態では、集電体15は、アルミニウム箔と銅箔とを一体化させた箔、もしくはアルミニウム箔である。
【0026】
正極活物質層16は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、例えば、層状岩塩構造を有するリチウム複合金属酸化物、スピネル構造を有する金属酸化物、ポリアニオン系化合物等が挙げられる。正極活物質は、リチウムイオン二次電池に使用可能なものであればよい。正極活物質層16は、複数の正極活物質を含んでいてもよい。本実施形態では、正極活物質層16は、複合酸化物としてのオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を含んでいる。
【0027】
負極活物質層17は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る負極活物質を含んでいる。負極活物質は、単体、合金又は化合物のいずれであってもよい。負極活物質としては、例えば、Li、炭素、金属化合物等が挙げられる。負極活物質は、リチウムと合金化可能な元素もしくはその化合物等であってもよい。炭素としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化性炭素)又はソフトカーボン(易黒鉛化性炭素)等が挙げられる。人造黒鉛としては、例えば、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ等が挙げられる。リチウムと合金化可能な元素としては、シリコン(ケイ素)又はスズ等が挙げられる。本実施形態では、負極活物質層17は、炭素系材料としての黒鉛を含んでいる。
【0028】
正極活物質層16及び負極活物質層17のそれぞれ(以下、単に「活物質層」という場合がある)は、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電助剤、結着剤、電解質(ポリマーマトリクス、イオン伝導性ポリマー、電解液等)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)等をさらに含み得る。導電助剤は、各電極(バイポーラ電極11、正極終端電極12、負極終端電極13)の導電性を高めるために添加される。導電助剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック又はグラファイト等である。
【0029】
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、アクリル酸又はメタクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体等が挙げられる。これらの結着剤は、単独で又は複数で用いられ得る。結着剤の溶媒には、例えば、水、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等が用いられる。
【0030】
セパレータ14は、例えば、電解質を吸収保持するポリマーを含む多孔性シート又は不織布であってもよい。セパレータ14の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル等が挙げられる。セパレータ14は、単層構造又は多層構造を有していてもよい。多層構造は、例えば、接着層又は耐熱層としてのセラミック層等を有していてもよい。セパレータ14には、電解質が含浸されていてもよい。セパレータ14に含浸される電解質は、非水溶媒と非水溶媒に溶解された電解質塩とを含む液体電解質(電解液)である。
【0031】
電解液の電解質塩としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)2等の公知のリチウム塩が用いられていてもよい。また、非水溶媒としては、環状カーボネート類、環状エステル類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類等の公知の溶媒が用いられていてもよい。なお、二種以上のこれらの公知の溶媒材料が組合せて用いられていてもよい。
【0032】
封止体20は、第1方向D1からみて電極積層体10を取り囲むように、電極積層体10の周縁部に枠状に形成されている。封止体20は、集電体15それぞれの周縁部15cにおいて、集電体15の一方面15a及び他方面15bのそれぞれに接合(溶着)され得る。封止体20は、第1方向D1に隣り合う集電体15の間に内部空間Sを形成すると共に、当該内部空間Sのそれぞれを封止するためのものである。それぞれの内部空間Sには、電解質(例えば電解液)が収容されている。封止体20は電解液の外部への透過を防止し得る。また、封止体20は、電極積層体10の外部から内部空間Sへの水分等の侵入を抑制し得る。
【0033】
セパレータ14の縁部は、封止体20に接合されている。封止体20は、絶縁材料を含んでいる。封止体20の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリエチレン、アクリロニトリルスチレン樹脂等の種々の樹脂材料が挙げられる。
【0034】
封止体20は、樹脂製の複数のシール材(第1シール材、第2シール材)21と樹脂製の複数のスペーサ22とを含む。シール材21は、集電体15のそれぞれに設けられている。したがって、シール材21は、第1方向D1に沿って互いに積層されている。シール材21は、第1方向D1からみて枠状(ここでは矩形枠状)であり、集電体15の周縁部15cに設けられている。シール材21は、集電体15の一方面15aから端面を経て他方面15bに至るように設けられ、周縁部15cを被覆している。シール材21は、集電体15の一方面15a及び他方面15bに溶着され得る。なお、本実施形態では、バイポーラ電極11の集電体15、正極終端電極12の集電体15、及び、負極終端電極13の集電体15のそれぞれに設けられるシール材が、シール材21として同一の符号を付しているが、バイポーラ電極11の集電体15に設けられるシール材(第1シール材)、正極終端電極12の集電体15に設けられるシール材(第2シール材)、及び、負極終端電極13の集電体に設けられるシール材は、実際に互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0035】
スペーサ22は、第1方向D1に隣り合うシール材21のそれぞれの間に介在するように配置されている。これにより、スペーサ22は、隣り合うシール材21の間、すなわち、隣り合う集電体15の間のスペースを保持し、シール材21と共に内部空間Sを形成している。スペーサ22は、第1方向D1からみて枠状(ここでは矩形枠状)を呈しており、第1方向D1からみて集電体15の周縁部15c上に配置されている。ここでは、セパレータ14の端部は、シール材21とスペーサ22との間に挟まれて保持されている。セパレータ14は、シール材21及びスペーサ22の少なくとも一方に溶着され得る。
【0036】
封止体20は、複数のシール材21の内部空間Sと反対側の端部及び複数のスペーサ22の内部空間Sと反対側の端部が溶着されて一体化されることにより形成された溶着端部23をさらに含む。溶着端部23は、第1方向D1から見て、電極積層体10を取り囲むように枠状を呈しており、封止体20の外周部を構成している。したがって、封止体20は、シール材21とスペーサ22とが互いに溶着されることにより、シール材21の内部空間Sと反対側の端面とスペーサ22の内部空間Sと反対側の端面とによって形成された外側面20s(溶着端部23の外側面)を有する。
【0037】
なお、正極終端電極12の集電体15の他方面15b、及び、負極終端電極13の集電体15の一方面15aの封止体20から露出された部分には、蓄電モジュール1から電流を取り出すための端子として機能する導電部材50が配置されて電気的に接続されている。導電部材50は、複数の蓄電モジュール1を電気的に接続するために利用され得る。また、導電部材50は、電極積層体10に対して拘束荷重を付加するために拘束部材としても利用され得る。さらに、導電部材50には、冷却流路が形成されていてもよい。導電部材50に形成された冷却流路に冷却媒体を流通させることによって、電極積層体10を冷却することができる。
【0038】
ここで、蓄電モジュール1は、ラミネートフィルム30,40を備えている。ラミネートフィルム30,40は、樹脂フィルムや金属フィルムを複数層重ね合わせて構成される。本実施形態におけるラミネートフィルム30は、例えばアルミ等からなる金属層30aと金属層30aの両面を被覆する一対の樹脂層30bとを含む。一例として、樹脂層30bは、封止体20との溶着性を高めるために封止体20と同じ樹脂材料により構成され得る。ラミネートフィルム40は、一例として、ラミネートフィルム30と同様の層構造を有している。ラミネートフィルム30は、第1方向D1における封止体20の一端面20aに配置され、一端面20aに溶着されている。ラミネートフィルム40は、第1方向D1における封止体20の他端面20bに配置され、他端面20bに溶着されている。
【0039】
封止体20の一端面20aは、第1方向D1の一方側において、電極積層体10の最外層に位置する正極終端電極12の集電体15に設けられたシール材21の外表面と、当該シール材21の外表面に連続する溶着端部23の端面を含む面である。外側面20sは、一端面20aと他端面20bとを接続している。封止体20の他端面20bは、第1方向D1の他方側において、電極積層体10の最外層に位置する負極終端電極13の集電体15に設けられたシール材21の外表面と、当該シール材21の外表面に連続する溶着端部23の端面を含む面である。
【0040】
本実施形態では、第1方向D1からみて、スペーサ22の幅はシール材21の幅よりも狭く、且つ、シール材21の内縁21eが、スペーサ22の内縁22eよりも内側(内部空間Sの中心側)まで延在している。ラミネートフィルム30,40は、第1方向D1からみて、シール材21におけるスペーサ22に重なる領域からスペーサ22に重ならない領域にかけて設けられている。ここでは、ラミネートフィルム30,40は、シール材21におけるスペーサ22に重なる領域よりも広い範囲に設けられている。すなわち、第1方向D1からみて、ラミネートフィルム30,40の内縁は、スペーサ22の内縁22eよりも内側に位置させられている。ここでは、ラミネートフィルム30,40は、第1方向D1からみて、封止体20の外縁(後述する外側面20sの端縁)からシール材21の内縁21eに至るように設けられている。
【0041】
なお、封止体20は、第1方向D1からみて矩形枠状を呈しており、当該矩形の4つの辺のそれぞれに対応する4つの辺部分D21~D24を含む(
図1参照)。第1方向D1からみたとき、辺部分D21と辺部分D23とは互いに平行するように第3方向D3に沿って延在しており、辺部分D22と辺部分D24とは互いに平行するように第2方向D2に沿って延在している。辺部分D21及び辺部分D23と、辺部分D22及び辺部分D24とは、互いに交差(直交)するように延在している。
【0042】
また、封止体20の外側面20sは、上記の辺部分D21~D24に対応する4つの側面を含む。蓄電モジュール1では、外側面20sの4つの側面のうちの1つの側面20sa(ここでは辺部分D24に対応する側面)において、内部空間Sに電解液を注液する際に利用するための外側面20sから突出した樹脂枠や、封止体20から引き出された電圧検出線といった封止体20以外の構造物Mが配置されている。
【0043】
ラミネートフィルム30,40は、第1方向D1からみて矩形枠状に形成されている。ラミネートフィルム30は、第1方向D1からみて複数(ここでは4つ)の長尺矩形状のフィルム31~34を含む。ラミネートフィルム30は、フィルム31~34を矩形枠状に配置してシール材21に溶着することで枠状に構成されている。より具体的には、フィルム31は辺部分D21上に配置され、フィルム32は辺部分D22上に配置され、フィルム33は辺部分D23上に配置され、フィルム34は辺部分D24上に配置されている。
【0044】
本実施形態では、辺部分D21と辺部分D22とを繋ぐ角部では、フィルム31とフィルム32とが重ねられて溶着されており、辺部分D22と辺部分D23とを繋ぐ角部では、フィルム32とフィルム33とが重ねられて溶着されている。また、辺部分D23と辺部分D24とを繋ぐ角部では、フィルム33とフィルム34とが重ねられて溶着されており、辺部分D24と辺部分D21とを繋ぐ角部では、フィルム34とフィルム31とが重ねられて溶着されている。
【0045】
ラミネートフィルム30には、3つの切欠き(欠落部分)30p,30r,30tが形成されている。切欠き30pは、辺部分D21上のフィルム31に形成されている。切欠き30pは、第1方向D1からみて、ラミネートフィルム30(フィルム31)の外縁から集電体15に重なる位置に至る領域に形成されている。ここでは、切欠き30pは、第1方向D1からみて、ラミネートフィルム30の外縁から集電体15のエッジ15eを越えてラミネートフィルム30の内縁側に延在しているが、ラミネートフィルム30の内縁には至っていない。切欠き30pは、ラミネートフィルム30からシール材21(封止体20の一端面20a)を露出させている。
【0046】
切欠き30r,30tは、それぞれ、ラミネートフィルム30における辺部分D21に交差(直交)する辺部分D24上に形成されている。より具体的には、切欠き30rは、第1方向D1からみて、フィルム34の延在方向(ここでは第2方向D2)の中心よりも一端側においてフィルム34設けられており、切欠き30tは、フィルム34の延在方向の中心よりも他端側においてフィルム34に設けられている。すなわち、切欠き30r,30tは、1つのフィルム34において互いに離間して設けられている。
【0047】
切欠き30r,30tは、第1方向D1からみて、ラミネートフィルム30(フィルム34)の外縁から集電体15に重なる位置に至る領域に形成されている。ここでは、切欠き30r,30tは、第1方向D1からみて、ラミネートフィルム30の外縁から集電体15のエッジ15eを越えてラミネートフィルム30の内縁側に延在しているが、ラミネートフィルム30の内縁には至っていない。切欠き30r,30tは、ラミネートフィルム30からシール材21(封止体20の一端面20a)を露出させている。
【0048】
ラミネートフィルム40も、ラミネートフィルム30と同様に構成され得る。例えば、ラミネートフィルム40も、ラミネートフィルム30と同様に、封止体20の4つの辺部分D21~D24のそれぞれにおいてシール材21に溶着された4つのフィルム41~44から構成され得る。すなわち、ラミネートフィルム40は、第1方向D1においてフィルム31の反対側に配置されたフィルム41と、第1方向D1においてフィルム33の反対側に配置されるフィルム43と、を含む。なお、ラミネートフィルム40は、第1方向D1においてフィルム32の反対側に配置されたフィルム42と、第1方向D1においてフィルム34の反対側に配置されたフィルム44とを含むが、図示を省略する。ただし、ラミネートフィルム40は、切欠きや間隙といった欠落部分が形成されていなくてもよい。また、ラミネートフィルム40は、矩形枠状の単一の部材より構成されていてもよい。
【0049】
以上のラミネートフィルム30は、封止体20の外表面のうちの一端面20aのみに溶着されており、ラミネートフィルム40は、封止体20の外表面のうちの他端面20bのみに溶着されている。換言すれば、蓄電モジュール1は、第1方向D1における封止体20の一端面20aのみに溶着された枠状のラミネートフィルム30と、第1方向D1における封止体20の他端面20bのみに溶着された枠状のラミネートフィルム40と、を備えている。なお、本実施形態では、封止体20の外表面のうちの外側面20sにはラミネートフィルムが設けられていない。
【0050】
引き続いて、以上の蓄電モジュール1を製造するための蓄電モジュール製造方法について説明する。
図3及び
図4は、本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法の一工程を示す概略断面図である。
図3の(a)に示されるように、ここでは、まず、第1電極ユニットA1を作製する(工程S101,第1工程)。より具体的には、工程S101では、複数のバイポーラ電極(第1電極)11を用意すると共に、複数のバイポーラ電極11のそれぞれの集電体15の一方面15a及び他方面15bの周縁部15cに枠状のシール材21を設けて、複数の第1電極ユニットA1を作製する。
【0051】
一方、
図3の(b)に示されるように、第2電極ユニットA2を作製する(工程S102,第2工程)。より具体的には、工程S102では、1つの正極終端電極(第2電極)12を用意すると共に、正極終端電極12の集電体15の一方面15a及び他方面15bの周縁部15cに枠状のシール材21を設け、さらに、このシール材21における集電体15と反対側の表面にシール材21に沿う枠状のラミネートフィルム30を溶着して第2電極ユニットA2を作製する。ラミネートフィルム30の溶着は、ラミネートフィルム30の樹脂層30bを加熱して溶融させつつ、ラミネートフィルム30をシール材21における集電体15と反対側の表面に対して押圧することで行うことができる。
【0052】
後述するように、第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2(さらには後述する第3電極ユニットA3)を第1方向D1に沿って積層して積層体100を形成する工程S104では、第1方向D1に沿って隣り合うシール材21の間に、シール材21よりも幅の狭いスペーサ22が介在させられる。これに対して、工程S102では、積層体100を第1方向D1からみたとき、シール材21におけるスペーサ22に重なる領域Raからスペーサ22に重ならない領域Rbにかけて、ラミネートフィルム30の溶着を行う(
図4参照)。本実施形態では、第1方向D1からみたときのシール材21の工程S104でスペーサ22に重なる領域よりも広い範囲(スペーサ22の内縁22eよりも内側に至るように)にラミネートフィルム30を溶着する。特に、この例では、ラミネートフィルム30は、シール材21における集電体15と反対側の表面の全幅にわたって設けられる。
【0053】
他方、
図3の(c)に示されるように、第3電極ユニットA3を作製する(工程S103)。より具体的には、工程S103では、1つの負極終端電極(電極)13を用意すると共に、負極終端電極13の集電体15の一方面15a及び他方面15bの周縁部15cに枠状のシール材21を設け、さらに、このシール材21における集電体15と反対側の表面にシール材21に沿う枠状のラミネートフィルム40をラミネートフィルム30と同様に溶着して第3電極ユニットA3を作製する。なお、工程S101~工程S103の順序は問われない。この例では、ラミネートフィルム40も、ラミネートフィルム30と同様の範囲に設けられ、特に、シール材21における集電体15と反対側の表面の全幅にわたって設けられる。
【0054】
続いて、
図4に示されるように、工程S101~工程S103の後に、第1方向D1に沿って複数の第1電極ユニットA1を積層すると共に、第1方向D1における最外層の第1電極ユニットA1に第2電極ユニットA2を積層する(工程S104,第3工程)。より具体的には、工程S104では、まず、所定の積層位置に第3電極ユニットA3を配置する。このとき、第3電極ユニットA3におけるシール材21のラミネートフィルム40と反対側の表面が上方を向くように、第3電極ユニットA3を配置する。
【0055】
工程S104では、続いて、正極活物質層16と負極活物質層17とが交互に配列されるように、第3電極ユニットA3上に複数の第1電極ユニットA1を積層する。このとき、互いに対向する正極活物質層16と負極活物質層17との間にセパレータ14を介在させると共に、第1方向D1に沿って隣り合うシール材21の間に、シール材21よりも幅の狭いスペーサ22を介在させる。なお、ここでは、シール材21の外縁とスペーサ22の外縁とが略一致するように積層が行われる。
【0056】
また、シール材21及びスペーサ22は、例えば可視光に対して透過性を有する(半透明である)といったように、第1方向D1の上方から、シール材21及びスペーサ22を介して集電体15のエッジ15eが確認可能な材料により構成されている。このため、工程S104では、第1電極ユニットA1を積層する際に、シール材21を介して集電体15のエッジ15eを確認することができる。したがって、工程S104では、積層する第1電極ユニットA1の集電体15のエッジ15eが複数の第1電極ユニットA1を積層する際の基準位置と一致するように位置調整を行いながら積層することができる。また、シール材21及びスペーサ22を介して複数の第1電極ユニットA1の集電体15のエッジ15eを確認することで、第1電極ユニットA1の積層ずれを確認することができる。すなわち、複数の第1電極ユニットA1のそれぞれの集電体15のエッジ15eが一致しているか否かを確認できる。そして、第1電極ユニットA1に積層ずれが検出された場合には、第1電極ユニットA1の位置を調整することができる。
【0057】
その後、工程S104では、第1方向D1における最外層の第1電極ユニットA1に第2電極ユニットA2を積層する。このとき、第2電極ユニットA2のラミネートフィルム30が第1方向D1における第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2の積層体の外側に向くように(上方に向くように)、第2電極ユニットA2の積層を行う。また、上記同様に、第2電極ユニットA2を積層する際には、シール材21を介して集電体15のエッジ15eを確認することができる。したがって、工程S104では、積層する第2電極ユニットA2の集電体15のエッジ15eが複数の第1電極ユニットA1を積層する際の基準位置と一致するように位置調整を行いながら積層することができる。
【0058】
また、工程S104では、積層を行った後に、ラミネートフィルム30の切欠き30p,30r,30tから露出するシール材21及びスペーサ22を介して、第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2の集電体15のエッジ15eを確認することにより、第2電極ユニットA2の積層ずれを検出することができる。すなわち、第2電極ユニットA2の集電体15のエッジ15eと、第1電極ユニットA1の集電体15のエッジ15eとが一致しているか否かを確認できる。なお、工程S104における積層ずれの確認及び位置調整は、第2電極ユニットA2(又は第1電極ユニットA1)を他の第1電極ユニットA1上に重ねた後に行われてもよいし、第2電極ユニットA2(又は第1電極ユニットA1)を他の第1電極ユニットA1上に重ねる前(すなわち空中で保持された状態)で行われてもよい。
【0059】
したがって、この例では、工程S104において、ラミネートフィルム30の切欠き30p,30r,30tと、第2電極ユニットA2のシール材21と、最外層の第1電極ユニットA1と第2電極ユニットA2との間のスペーサ22と、最外層の第1電極ユニットA1のシール材21とを介して、第2電極ユニットA2の集電体15のエッジ15eと、最外層の第1電極ユニットA1の集電体15のエッジ15eとを含む領域DRを確認すればよい。このとき、第1電極ユニットA1に対する第2電極ユニットA2の積層ずれが検出された場合には、第2電極ユニットA2の位置を調整することができる。
【0060】
なお、上述したように、ラミネートフィルム30の切欠き30p,30r,30tは、封止体20(ここでは第2電極ユニットA2のシール材21)の4つの辺部分D21~D24のうちの互いに交差(直交)する2つの辺部分D21,D24にわたって設けられている。また、切欠き30rと切欠き30tとは、1つの辺部分D24において互いに離間して設けられている。したがって、切欠き30p,30r,30tを用いた集電体15のエッジ15eの確認により、第1方向D1に交差(直交)する面内において、第1電極ユニットA1に対する第2電極ユニットA2の平行移動及び回転に関するずれを検出することが可能である。
【0061】
その後の工程において、全てのシール材21及びスペーサ22の内部空間Sと反対側の端面の溶着によって溶着端部23(すなわち封止体20)を形成する等の処理を施すことにより、蓄電モジュール1が得られる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法では、複数の第1電極ユニットA1と、ラミネートフィルム30を含む第2電極ユニットA2とが作製される。そして、これらの第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2が第1方向D1に沿って積層される。このとき、第2電極ユニットA2は、第1方向D1における最外層の第1電極ユニットA1に積層される。また、第2電極ユニットA2の積層は、ラミネートフィルム30が積層体の外側に向くように行われる。
【0063】
このように、本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法では、ラミネートフィルム30は、第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2の積層前に、既に第2電極ユニットA2のシール材21に溶着されており、第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2の積層体100が構成されたときには、当該積層体100の積層方向の端面(第2電極ユニットA2のシール材21の外表面)に溶着されている。よって、予め作製された積層体の積層方向の端面にラミネートフィルム30を溶着する場合と比較して、均一な面圧の付加により確実なラミネートフィルム30の溶着が可能となる。
【0064】
本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法では、工程S104において、第1方向D1に隣り合う第1電極ユニットA1のシール材21同士の間、及び、第1方向D1に隣り合う第1電極ユニットA1のシール材21と第2電極ユニットA2のシール材21との間に、第1方向D1からみてシール材21よりも幅の狭いスペーサ22を介在させながら第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2の積層を行って積層体100を形成する。そして、工程S102では、積層体100を第1方向D1からみたとき、シール材21におけるスペーサ22に重なる領域Raからスペーサ22に重ならない領域Rbにかけてラミネートフィルム30を溶着する。このため、シール材21よりも幅の狭いスペーサ22を介して第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2を積層した場合であっても、スペーサ22を介さずにラミネートフィルム30の溶着がなされるため、シール材21のスペーサ22と重ならない領域Rbにわたってラミネートフィルム30を確実に溶着することが可能である。
【0065】
本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法では、ラミネートフィルム30は、金属層30aと金属層30aの両面を被覆する樹脂層30b,30cとを含み、第1方向D1からみたときのラミネートフィルム30の外縁から集電体15に重なる位置に至る領域には、工程S102でシール材21にラミネートフィルム30が溶着されたときに当該ラミネートフィルム30から第2電極ユニットA2のシール材21を露出させる切欠き30p,30r,30tが形成されている。そして、工程S104では、当該切欠き30p,30r,30tから露出するシール材21、及びスペーサ22を介して第2電極ユニットA2の集電体15のエッジ15eを確認する。このため、ラミネートフィルム30の切欠き30p,30r,30tとシール材21及びスペーサ22とを介して、集電体15のエッジ15eを基準として位置調整を行いながら積層したり、積層ずれを検出したりすることが可能となる。
【0066】
以上の実施形態は、本発明の一態様について説明したものである。したがって、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、任意に変形され得る。引き続いて、変形例について説明する。
【0067】
図5は、変形例に係る蓄電モジュールを示す概略断面図である。
図5に示されるように、蓄電モジュール1は、封止体20の一端面20aのみに溶着されたラミネートフィルム30と封止体20の他端面20bのみに溶着された枠状のラミネートフィルム40とに加えて、封止体20の外側面20sに溶着されたラミネートフィルム60を備えていてもよい。ラミネートフィルム60は、例えば、ラミネートフィルム30と同様に、金属層と金属層の両側に設けられた一対の樹脂層とを含む。ラミネートフィルム60は、一端面20a及び他端面20bには至っていない。
【0068】
図5に示される蓄電モジュール1は、上述した蓄電モジュール製造方法が、工程S104の後に、シール材21及びスペーサ22の内部空間Sと反対側の端面の溶着によって溶着端部23(すなわち封止体20)及び外側面20sを形成する工程と、その後に、外側面20sにラミネートフィルム60を溶着する工程と、を含むことにより製造され得る。
【0069】
また、
図6に示されるように、蓄電モジュール1では、ラミネートフィルム60が、封止体20の外側面20sに溶着された本体部61と、本体部61から封止体20の一端面20a及びラミネートフィルム30上に延在する延在部62と、本体部61から封止体20の他端面20b及びラミネートフィルム40上に延在する延在部63と、を含んでもよい。延在部62,63は、一例として第1方向D1からみて矩形枠状に形成されている。
【0070】
延在部62は、ラミネートフィルム30に少なくとも部分的に重ねられてラミネートフィルム30に溶着されている。延在部62は、ラミネートフィルム30の全体に重ねられていてもよい。延在部63は、ラミネートフィルム40に少なくとも部分的に重ねられてラミネートフィルム40に溶着されている。延在部63は、ラミネートフィルム40の全体に重ねられていてもよい。
【0071】
図6に示される蓄電モジュール1は、上述した蓄電モジュール製造方法が、工程S104の後に、シール材21及びスペーサ22の内部空間Sと反対側の端面の溶着によって溶着端部23(すなわち封止体20)及び外側面20sを形成する工程と、その後に、外側面20s及びラミネートフィルム30,40にラミネートフィルム60を溶着する工程と、を含むことにより製造され得る。
【0072】
この場合、ラミネートフィルム60は、第1電極ユニットA1に第2電極ユニットA2を積層する工程S104、及び、第1電極ユニットA1に対する第2電極ユニットA2の積層ずれを検出する工程S104(及び第2電極ユニットA2の位置調整)の後に設けられる。したがって、ラミネートフィルム60を介して集電体15のエッジ15eを確認する必要が無いため、延在部62は、ラミネートフィルム30の切欠き30p,30r,30tを少なくとも部分的に覆っていてもよい。或いは、延在部62は、ラミネートフィルム30の切欠き30p,30r,30tの全体を覆って封止していてもよい。
【0073】
さらに、上記実施形態では、ラミネートフィルム30の欠落部分として、3つの切欠き30p,30r,30tがラミネートフィルム30に形成される場合について例示した。しかし、ラミネートフィルム30の欠落部分は、当該欠落部分から正極終端電極12(第2電極ユニットA2)のシール材21を露出させることにより、当該露出されたシール材21を介して集電体15のエッジ15eを確認可能なものであればよく、切欠き30p,30r,30tの少なくとも1つを、ラミネートフィルム30を構成するフィルムの間の間隙に変更してもよい。
【0074】
図7に示される例では、ラミネートフィルム30の欠落部分として、切欠き30r,30tのそれぞれに代えて、ラミネートフィルム30を構成するフィルム間の間隙30v,30wがラミネートフィルム30に形成されている。この例では、間隙30vは、フィルム33とフィルム34との間に形成され、間隙30wは、フィルム31とフィルム34との間に形成されている。
【0075】
間隙30v,30wは、それぞれ、第1方向D1からみて、ラミネートフィルム30(フィルム34)の外縁から集電体15に重なる位置に至る領域に形成されている。ここでは、間隙30v,30wは、それぞれ、第1方向D1からみて、ラミネートフィルム30の外縁から集電体15のエッジ15eを越えてラミネートフィルム30の内縁に至るように設けられている。間隙30v,30wは、それぞれ、ラミネートフィルム30から正極終端電極12(第2電極ユニットA2)のシール材21(封止体20の一端面20a)を露出させている。なお、蓄電モジュール1では、ラミネートフィルム30に少なくとも1つの欠落部分が設けられていればよく、或いは、蓄電モジュール1では、ラミネートフィルム30に欠落部分が設けられていなくてもよい。
【0076】
なお、上記実施形態に係る蓄電モジュール製造方法では、負極終端電極13、バイポーラ電極11、正極終端電極12の順番で積層が行われた。このため、最上部に積層される正極終端電極12に設けられたシール材21に対してラミネートフィルム30を溶着して第2電極ユニットA2を構成した。しかし、正極終端電極12、バイポーラ電極11、負極終端電極13の順番で積層を行う場合には、最上部に積層される負極終端電極13に設けられたシール材21に対してラミネートフィルム30を溶着し、第2電極ユニットA2を構成してもよい。すなわち、負極終端電極13は、正極終端電極12に代えて、集電体15と集電体15の一方面(上記実施形態では他方面15b)のみに設けられた活物質層とを含む第2電極であり得るし、第2電極ユニットA2を構成し得る。
【0077】
さらに、工程S102及び工程S103では、シール材21の全幅にラミネートフィルム30,40を溶着しなくてもよい。この場合の一例として、シール材21におけるスペーサ22に重なる領域Raのみにラミネートフィルム30,40を溶着してもよい。また、工程S104では、スペーサ22を介在させずに、第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2(さらには第3電極ユニットA3)を積層して積層体100を形成してもよい。
【0078】
また、上記実施形態に係る蓄電モジュール1では、シール材21を集電体15の一方面15a及び他方面15bの両面に溶着しているが、集電体15の一方面15a及び他方面15bのうちの一方の面のみを覆うようにシール材21を溶着してもよい。この場合、例えば、工程S101ではバイポーラ電極11の集電体15の他方面15bにのみシール材21を設けて複数の第1電極ユニットA1を作製し、工程S102では正極終端電極12の集電体15の他方面15bにのみシール材21を設けた上、当該他方面15bにのみ設けられたシール材21における集電体15と反対側の表面にラミネートフィルム30を溶着して第2電極ユニットA2が作製され得る。また、工程S104では、複数の第1電極ユニットA1及び第2電極ユニットA2を積層する際に、第1方向D1に沿って(隣接する別の電極ユニットの集電体15を介して)隣り合うシール材21の間にスペーサ22を介在させながら積層が行われ得る。
【0079】
また、ラミネートフィルム30に欠落部分が設けられない場合、第1電極ユニットA1、第2電極ユニットA2、第3電極ユニットA3のシール材21の外縁を確認して各ユニットの積層ずれを検出してもよい。ただし、シール材21を集電体15に溶着する際に、シール材21が集電体15に対して位置ずれしている場合がある。したがって、シール材21の外縁を確認して積層ずれを検出した場合には、集電体15のエッジ15eを確認して積層ずれを検出する場合に比べて検出精度に劣るおそれがある。或いは、積層ずれの検出自体を省略してもよい。
【0080】
以上の実施形態について、以下に付記する。
【0081】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法は、[1]「第1集電体と前記第1集電体の第1面及び前記第1面の反対面である第2面のそれぞれに形成された活物質層とを含む複数の第1電極のそれぞれの前記第1集電体の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方における周縁部に枠状の第1シール材を設けて複数の第1電極ユニットを作製する第1工程と、第2集電体と前記第2集電体の第3面のみに形成された活物質層とを含む第2電極の前記第2集電体の少なくとも前記第3面の反対面である第4面の周縁部に枠状の第2シール材を設ける共に、当該第2シール材における前記第2集電体と反対側の表面に前記第2シール材に沿う枠状のラミネートフィルムを溶着して第2電極ユニットを作製する第2工程と、前記第1工程及び前記第2工程の後に、第1方向に沿って複数の前記第1電極ユニットを積層すると共に、前記第1方向における最外層の前記第1電極ユニットに前記第2電極ユニットを積層して積層体を形成する第3工程と、を備え、前記第3工程では、前記ラミネートフィルムが前記積層体の前記第1方向における外側に向くように、前記第2電極ユニットの積層を行う、蓄電モジュール製造方法」である。
【0082】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法は、[2]「前記第3工程では、前記第1方向に隣り合う前記第1シール材同士の間、及び、前記第1方向に隣り合う前記第1シール材と前記第2シール材との間に、前記第1方向からみて前記第2シール材よりも前記第1方向と交差する方向への幅の狭いスペーサを介在させながら前記第1電極ユニット及び前記第2電極ユニットの積層を行って前記積層体を形成し、前記第2工程では、前記積層体を前記第1方向からみたとき、前記第2シール材における前記スペーサに重なる領域から前記スペーサに重ならない領域にかけて前記ラミネートフィルムを溶着する、上記[1]に記載の蓄電モジュール製造方法」であってもよい。
【0083】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法は、[3]「前記ラミネートフィルムは、金属層と前記金属層の両面を被覆する樹脂層とを含み、前記第1方向からみたときの前記ラミネートフィルムの外縁から前記第2集電体に重なる位置に至る領域には、前記第2工程で前記第2シール材に前記ラミネートフィルムが溶着されたときに当該ラミネートフィルムから前記第2シール材を露出させる少なくとも1つの欠落部分が形成されており、前記第3工程では、前記欠落部分から露出する前記第2シール材を介して前記第2集電体のエッジを確認する、上記[1]又は[2]に記載の蓄電モジュール製造方法」であってもよい。
【0084】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法は、[4]「前記欠落部分は、前記第1方向からみたときの前記ラミネートフィルムの前記外縁から前記第2集電体に重なる位置にわたって設けられた切欠きを含む、上記[3]に記載の蓄電モジュール製造方法」であってもよい。
【0085】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法は、[5]「前記第2工程では、複数の矩形状のフィルムを枠状に配置して前記第2シール材に溶着することにより、前記第2シール材上において枠状の前記ラミネートフィルムを構成し、前記欠落部分は、隣り合う前記フィルムの間の間隙を含む、上記[3]又は[4]に記載の蓄電モジュール製造方法」であってもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…蓄電モジュール、10…電極積層体、11…バイポーラ電極(第1電極)、12…正極終端電極(第2電極)、20…封止体、20a…一端面、20b…他端面、21…シール材、22…スペーサ、30…ラミネートフィルム、30p,30r,30t…切欠き(欠落部分)、30v,30w…間隙(欠落部分)、31~34…フィルム、A1…第1電極ユニット、A2…第2電極ユニット。