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特開2024-88132認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物及び認知機能における感情状態改善用組成物
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  • 特開-認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物及び認知機能における感情状態改善用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088132
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物及び認知機能における感情状態改善用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/26 20060101AFI20240625BHJP
   A61K 36/31 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 31/7004 20060101ALI20240625BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240625BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20240625BHJP
【FI】
A61K31/26
A61K36/31
A61K31/7004
A61P25/00
A23L33/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203157
(22)【出願日】2022-12-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り Frontiers in Aging Neuroscience 掲載日 2022年7月29日 掲載ウェブサイトのアドレス https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnagi.2022.929628/full 〔刊行物等〕 カゴメニュースリリース 掲載日 2022年8月30日 掲載ウェブサイトのアドレス https://www.kagome.co.jp/company/nutrition-health/release/ https://www.kagome.co.jp/library/company/news/2022/img/220830001.pdf
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(71)【出願人】
【識別番号】000104113
【氏名又は名称】カゴメ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 隆太
(72)【発明者】
【氏名】野内 類
(72)【発明者】
【氏名】牛田 悠介
(72)【発明者】
【氏名】胡 慶強
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 大行
【テーマコード(参考)】
4B018
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018MD18
4B018MD53
4B018ME14
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA02
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA01
4C088AB15
4C088AC04
4C088BA08
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA01
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA70
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206ZA01
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、新規の認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物、及び認知機能における感情状態改善用組成物を提供することである。
【解決手段】スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を、視覚的対連合記憶向上用組成物、及び/又は認知機能における感情状態改善用組成物に寄与成分として含有させる。アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される少なくとも一種を、視覚的対連合記憶向上用組成物、及び/又は認知機能における感情状態改善用組成物に寄与成分として含有させる。前記アブラナ科植物としては、ブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子が好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物であって、
スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンから選択される少なくとも一種を寄与成分として含有する、組成物。
【請求項2】
認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物であって、
アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される少なくとも一種を寄与成分として含有する、組成物。
【請求項3】
前記アブラナ科植物が、ブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
認知機能における感情状態改善用組成物であって、
スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンから選択される少なくとも一種を寄与成分として含有する、組成物。
【請求項5】
認知機能における感情状態改善用組成物であって、
アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される少なくとも一種を寄与成分として含有する、組成物。
【請求項6】
前記アブラナ科植物が、ブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記感情状態が、怒り・敵意、及び/又は混乱・困惑である、請求項4又は5に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が関係するのは、認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物及び認知機能における感情状態改善用組成物である。
【背景技術】
【0002】
我が国では、高齢化社会の進展に伴い、2025年には65歳以上の5人に1人が、2036年には4人に1人が認知症になると予測されている。その予防は喫緊の社会課題であり、認知機能の維持・改善に有効な方法の探索は盛んに行われてきた。
認知機能の低下とネガティブな気分は、日常の行動や社会的コミュニケーションにおける課題に関連している。例えば、認知機能が低下し、抑うつ症状のある高齢者は、日常生活動作(ADL)が少なくなる(非特許文献1)。そのため、認知力を高めることは高齢者の生活向上に重要である。
【0003】
果物、野菜、穀物、豆、 および他の植物に含まれるファイトケミカル(カロテノイド
、フラボノイド、イソチオシアネート等)は、有益な健康効果をもたらすことが知られている(非特許文献2,3)。
例えば、認知症の半数以上を占めると言われているアルツハイマー型認知症に対しては、イソチオシアネートの1つであるスルフォラファンが有する種々の効果について、複数の報告がされている。具体的には、アルツハイマー型認知症モデルにおいて、スルフォラファンを摂取することにより、アミロイドβの障害から脳を守ることができ、認知機能障害を抑えること(非特許文献4)や、学習行動が改善するとともに、脳で記憶を司ると考えられるコリン作動性神経の細胞数が増加すること(非特許文献5)が報告されている。また、特許文献1には、スルフォラファンがタウタンパク質の凝集抑制作用を有すること、及びアルツハイマー型認知症等の神経変性疾患の治療又は予防等に資することが示唆されている。また、特許文献2には、スルフォラファンが認知機能における作業記憶を向上させ、認知症の予防に有用であることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-104414号公報
【特許文献2】特開2022-100719号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】de Paula et al., (2015). Front. Aging Neurosci., 7:139. doi: 10.3389/fnagi.2015. 00139
【非特許文献2】Tan, B. L. et al., (2019). Molecules 24:1801. doi: 10.3390/molecules24091801
【非特許文献3】Rapposelli, S. et al., (2022). Molecules 27:624. doi: 10.3390/molecules
【非特許文献4】Kim HPLCV et al., Amyloid, 20, 7-12 (2013).
【非特許文献5】Zhang R et al., Int J Mol Sci., 8,14396-410 (2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、認知機能における視覚性の刺激に対する長期記憶や気分状態に関しては、イソチオシアネートの働きを研究した例はなく、どのような作用効果を発揮するかは未知である。
本発明が解決しようとする課題は、新規の認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物、及び認知機能における感情状態改善用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上を踏まえて、本願発明者は鋭意検討の末、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種が、視覚的対連合記憶向上用組成物、及び認知機能における感情状態改善用組成物の寄与成分となり得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明を定義すると、以下のとおりである。
<視覚的対連合記憶向上用組成物>
本発明に係る認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物は、寄与成分として、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を含有する。
本発明に係る認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物は、寄与成分として、アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物のうち少なくとも一種を含有する。前記アブラナ科植物は、好ましくはブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子である。
<認知機能における感情状態改善組成物>
本発明に係る認知機能における感情状態改善用組成物は、寄与成分として、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を含有する。
本発明に係る認知機能における感情状態改善用組成物は、寄与成分として、アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物のうち少なくとも一種を含有する。前記アブラナ科植物は、好ましくはブロッコリースプラウト及び/又はブロッコリーの種子である。
好ましくは、前記感情状態は、怒り・敵意、及び/又は混乱・困惑である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、認知機能における視覚的対連合記憶向上用の新規な組成物が提供される。また、本発明により、認知機能における感情状態改善用の新規な組成物が提供される。
これらの組成物の寄与成分であるスルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニン、並びにこれらを含有するアブラナ科植物はいずれも食品成分として使用可能な素材であることから、本発明の認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物の副作用は、従来の非天然化合物を含有する医薬品に対して低く、安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】認知機能検査におけるVPAスコアのベースラインからの変化量を示すグラフ。
図2】POMS2検査におけるTMDスコアのベースラインからの変化量を示すグラフ。
図3】POMS2検査における怒り・敵意スコアのベースラインからの変化量を示すグラフ。
図4】POMS2検査における混乱・困惑スコアのベースラインからの変化量を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明に係る組成物>
本発明に係る組成物は、認知機能における視覚的対連合記憶向上用組成物、及び認知機
能における感情状態改善用組成物である。これらの組成物は、それぞれ独立して、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を寄与成分として含有する。
【0011】
<スルフォラファン及びグルコラファニン>
グルコラファニンは、グルコシノレートの一種であり、スルフォラファンの前駆体である。酵素ミロシナーゼにより加水分解され、スルフォラファンとなる。また、ヒト等の哺乳動物がグルコラファニンを摂取した場合においても、腸内細菌の酵素によりスルフォラファンに変換されて腸管から吸収される。グルコラファニンはアブラナ科植物に多く含有されていることが知られており、本発明において、グルコラファニンは、精製された状態で剤や食品組成物に含有されていてもよく、アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される一以上の状態で含有されてもよい。グルコラファニンの構造式及びスルフォラファンの構造式をそれぞれ以下に示す。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
<スルフォラフェン及びグルコラフェニン>
グルコラフェニンは、グルコシノレートの一種であり、スルフォラフェンの前駆体である。酵素ミロシナーゼにより加水分解され、スルフォラフェンとなる。また、ヒト等の哺乳動物がグルコラフェニンを摂取した場合においても、腸内細菌の酵素によりスルフォラフェンに変換されて腸管から吸収される。グルコラフェニンはアブラナ科植物、中でも大根や大根の葉及び種子に多く含有されていることが知られている。本発明において、グルコラフェニンは、精製された状態で剤や食品組成物に含有されていてもよく、アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される一以上の状態で含有されてもよい。グルコラフェニンの構造式及びスルフォラフェンの構造式をそれぞれ以下に示す。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
グルコラフェニンは構造的にグルコラファニンと類似しているため、グルコラファニンと同様の作用・効果が期待される。例えば、グルコラフェニンは転写因子であるNrf2(NF-E2-related-factor2)の活性化の指標である第二相酵素の活性に寄与することが報告されている(Barillari et al., J Agric Food Chem. 55(14), 5505-11, 2007.)。また、Nrf2は酸化ストレス等の発生にともない、ストレスに応答
して活性化されることが知られており(Itoh et al., Genes Dev. 1999 Jan 1;13(1), :76-86, 1999.)、抗酸化酵素の遺伝子発現を増加させること(Ishii et al., J Biol Chem. 2000 May 26;275(21), :16023-9, 2000.)や解毒代謝酵素の遺伝子発現を増加させること(Itoh et al., Biochem Biophys Res Commun. 1997 Jul 18;236(2), :313-22, 1997.)、及び炎症を引き起こすサイトカイン遺伝子発現を低下させる働きがあること(Kobayashi et al., Nat Commun. 2016 May 23;7, :11624, 2016.及びItoh et al., Mol Cell Biol. 2004 Jan;24(1), :36-45, 2004.)が報告されており、これらの作用はグルコラファニンと共通している。さらに、認知機能の領域におけるNrf2が活性化されると、アルツハイマー病モデルマウスの脳内の酸化ストレスと炎症を抑制して、認知機能障害が改善されたという報告もある(Uruno et al., Mol. Cell Biol., 2020 Feb 27;40(6). pii,: e00467-19, 2020.)。以上のことから、グルコラフェニンは、グルコラファニン及びスルフォラファンと同様の認知機能に対する作用を有することが推察される。
【0018】
本発明に係る組成物がグルコラファニン及び/又はグルコラフェニンを含有する場合、体内での代謝の効率化の観点から、さらに、ミロシナーゼを好適に含有することができる。グルコラファニンの量に対するミロシナーゼの酵素活性(ミロシナーゼ活性(UNIT)/グルコラファニン(mg))、又はグルコラフェニンの量に対するミロシナーゼの酵素活性(ミロシナーゼ活性(UNIT)/グルコラフェニン(mg))は、それぞれ下限値が0.0001(UNIT/mg)以上であればよく、好ましくは0.001(UNIT/mg)以上であり、上限値は0.022(UNIT/mg)以下であればよく、好ましくは0.01(UNIT/mg)以下である。
【0019】
また、ミロシナーゼは、化学合成されたものでも天然のものでもよく、特に限定されるものではないが、天然のものが好ましく、植物由来のものがより好ましい。当該植物を例示すると、アブラナ科植物等であり、より具体的には、カラシナ、ダイコン、ワサビ等である。ミロシナーゼは精製された状態で剤や食品組成物に含有されていてもよく、アブラナ科植物、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される一以上の状態で含有されてもよい。
【0020】
<アブラナ科植物>
アブラナ科植物は、特に限定されないが、例示すると、ブロッコリー、ケール、キャベツ、カリフラワー、高菜、アブラナ、カラシナ、大根、大根葉、野沢菜、小松菜、白菜、芽キャベツ、プチヴェール、サヤダイコン及び、これらを適宜交配して作製した植物が挙げられる。植物体の部分としては、植物の成長体(芽、葉、茎、根、又は花等)でも、スプラウト(発芽体)でも、種子でもよく、特に制限されない。これらのうちより好ましいのは、アブラナ科アブラナ属に属するブロッコリーである。さらに、スルフォラファン及びグルコラファニンの含量の高さから、ブロッコリーのスプラウト又は種子が特に好ましい。
【0021】
<ブロッコリースプラウト抽出物>
ブロッコリースプラウトからスルフォラファン及びグルコラファニンの少なくとも一種を抽出する場合は、その単位重量あたりの含有量が大きく減少する成長体になる前であれば発芽後何日後であってもよいが、好ましくは、発芽と1~10日後、より好ましくは1~3日後のスプラウトを用いることである。また、スルフォラファン及びグルコラファニンの少なくとも一種の含有量が、好ましくは、50~350mg/100g(湿重量)、より好ましくは150~330mg/100g(湿重量)、さらに好ましくは、250~300mg/100g(湿重量)のブロッコリースプラウトを用いることである。
【0022】
<寄与成分の取得>
ブロッコリースプラウト等を含むアブラナ科植物からのスルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンの少なくとも一種の取得は、周知の方法により行うことができる。また、単離精製されたスルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンは市販されており、当該市販品を使用することもできる。市販品を例示すると、スルフォラファン(フナコシ社)、L-Sulforaphene(ケイマンケミカルカンパニー社)等であるが、これに限定されない。
【0023】
<グルコラファニン及びグルコラフェニンの抽出>
例えば、グルコラファニン及びグルコラフェニンは、植物の一部または全体をそのまま又は乾燥粉砕したものを溶媒等で抽出して取得することができ、溶媒としては、水、低級1価アルコール(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等)、液状多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等)、低級エステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル等)、アセトニトリル等が挙げられ、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0024】
本発明の組成物は経口で投与又は摂取されることを考慮すると、抽出溶媒としては、水、エタノール、又は含水エタノールが特に好ましい。好ましい抽出方法の例としては、例えば熱水(90~100℃)で、10~50分間抽出する方法や、0~100体積%の含水エタノールで室温又は加温して1~10日間抽出する方法が挙げられ、その抽出液をさらに分画・精製してもよい。その他に、超臨界抽出によってグルコラファニン及びグルコラフェニンを抽出してもよい。
【0025】
<グルコラファニンからスルフォラファンを得る方法>
グルコラファニンからスルフォラファンを得る方法としては、グルコラファニンとミロシナーゼを反応させればよく、その方法は限定されない。例えば、グルコラファニンを含むアブラナ科植物を、加熱せずに破砕、摩砕、粉砕、せん断、搾汁等することでグルコラファニンと内在のミロシナーゼを反応させ、スルフォラファンに代謝させる方法や、グルコラファニンにミロシナーゼを添加してスルフォラファンに代謝させる方法等が挙げられる。スルフォラファンは、これらの方法にてグルコラファニンから代謝されたスルフォラファンを含む原料から、グルコラファニンと同様の方法(例えば、前述の抽出等の方法)にて取得することができる。
【0026】
<グルコラフェニンからスルフォラフェンを得る方法>
グルコラフェニンからスルフォラフェンを得る方法は、前述のグルコラファニンからスルフォラファンを得る方法と同様である。
【0027】
<グルコラファニン及びグルコラフェニンの濃度測定>
本発明の組成物中のグルコラファニンの濃度測定は、当業者周知の方法により行うことができる。例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用いることができ、具体的な方法としては、Faheyらの方法(Fahey et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94,
10367-10372, 1997)等に従って行うことができる。グルコラフェニンの濃度測定は、グルコラファニンと同様の方法で行うことができる。
【0028】
<スルフォラファン及びスルフォラフェンの濃度測定>
組成物中のスルフォラファン及びスルフォラフェンの濃度測定は、当業者周知の方法により行うことができる。例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法及び液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)を用いることができ、具体的な方法としては、Hanらの方法(Han et al., Int. J. Mol. Sci., 12, 1854-1861, 2011.)、Baenas
らの方法(Baenas et al., food Res. Int., 100(Pt1), 497-503,2017.)等に従って行うことができる。
【0029】
<認知機能>
本発明において、認知機能とは、知覚、注意、記憶、推論、意思決定、判断等の知的機能のことをいう。また、認知機能の向上とは、認知機能の維持又は向上、認知機能の改善とは、認知機能の低下に伴う各種症状を緩和又は治癒することをいう。なお、本発明の認知機能には、少なくとも、視覚的対連合記憶が含まれる。
本発明に係る組成物は、認知機能の障害を呈する疾患又は状態の予防、若しくは、改善又は向上のための治療用としても有用である。認知機能障害を呈する疾患又は状態を例示すると、認知症、非認知症性の認知障害、記憶又は学習障害等が挙げられる。認知症については、後述する。非認知症性の認知障害を例示すると、軽度認知障害(MCI)等である。記憶又は学習障害を例示すると、脳発達障害に伴う記憶及び学習障害等である。また、本発明に係る組成物は、加齢に伴う認知機能の低下に対して使用することが好ましい。
【0030】
<視覚的対連合記憶向上>
本発明において、認知機能における視覚的対連合記憶とは、視覚的な刺激によるエピソード記憶のひとつであり、いくつかの対となる事柄(色や図形)を予め視覚的に覚えて、時間をおいて対の片方を提示したときにもう片方を思い出す処理能力のことをいう。
本発明の組成物は、認知機能における視覚的対連合記憶を向上させることができる。
認知機能における視覚的対連合記憶向上とは、視覚的対連合記憶の機能を維持又は向上させること、低下した視覚的対連合記憶を改善すること、及び視覚的対連合記憶の低下を防止する又は遅延させることを含む。
本発明の組成物は、より高い視覚的対連合記憶向上効果を得るために、他の寄与成分と組み合わせて用いてもよい。さらに、視覚的対連合記憶トレーニング等と組み合わせて用いることができる。視覚的対連合記憶トレーニングとは、予め視覚的に覚えた対となる事柄を関連付けて互いに思い出せるように訓練することである。例示すると、脳トレゲーム等を用いた訓練や、エピソード記憶変換トレーニングが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
これまでに、スルフォラファンの摂取によりヒトの言語的作業記憶や動物の視覚的記憶が向上することが報告されているが、これらの研究からスルフォラファンの摂取によって視覚性対連合記憶が向上することは難しい。
現在、脳科学的研究により異なる記憶システムが存することがわかっており、記憶はいくつかの形に分類できることが、妥当性をもって支持されている。
分類のひとつとして、記憶を保持しておく時間による区分があり、短期記憶(作業記憶)、長期記憶とに分類される。また別の分類として長期記憶の内容による区分があり、辞書的な意味を覚えておく意味記憶と、それ以外の情報を覚えておくエピソード記憶とに分類される。エピソード記憶には、海馬が重要な役割を担っているが、一方で意味記憶には海馬の活動が不要であることがわかっている。また、認知症患者は、エピソード記憶の成績が低下するが、意味記憶の成績は低下しないという違いがある。また別の分類として、覚える情報の属性による区分があり、言語的記憶や視覚的記憶に分類することができる。例えば、脳損傷患者を対象とした研究から、言語的記憶には左の側頭葉が関与し、視覚的記憶には右の側頭葉が関与していることが報告されている 。
後述の実施例で示されるように、本発明の組成物は、色と図形とを組み合わせて覚える視覚的対連合記憶の検査においてそのスコアを向上させる効果を示す。視覚的対連合記憶における刺激の属性は視覚性であり、また記憶の種類はエピソード記憶である。先行研究でスルフォラファンの有効性が示されている記憶とは、刺激の属性(言語性)や記憶の種類(短期作業記憶)が異なるため、視覚的対連合記憶に関与する脳部位が異なる。そのため、スルフォラファンの摂取が視覚性対連合記憶にいかなる影響を及ぼすかは、先行研究から予測することはできなかった。
【0032】
<感情状態改善>
本発明において、認知機能における感情状態とは、認知機能が低下した状態において生じやすい、ネガティブな感情とポジティブな感情とを含む感情の起伏が大きい状態をいう。通常は、うつ・落胆、混乱・困惑、活気・活動、疲労・慣性、怒り・敵意、緊張・不安といった各感情又はこれらの複合的な感情の振れ幅が大きい状態を指す。認知機能が低下した人においては、感情の起伏、特にネガティブな感情の増大に伴って、精神症状や身体症状が見られることもある。
本発明の組成物は、感情状態を改善させることができる。
認知機能における感情状態の改善とは、感情の起伏の程度が弱まること、好ましくはネガティブな感情の程度が弱まることをいう。具体的には、うつ・落胆、混乱・困惑、活気・活動、疲労・慣性、怒り・敵意、及び緊張・不安からなる群から選択される1つまたは複数の感情の程度が抑制されることをいい、より好ましくは怒り・敵意及び/又は混乱・困惑の感情の程度が抑制されることをいう。
【0033】
これまでに、スルフォラファンの摂取により、動物のうつに関係する行動や自閉症児の自閉傾向に関する行動が軽減することが報告されている。しかしながら、後述の実施例で示されるように、本発明の組成物は、うつ・落胆、混乱・困惑、疲労・慣性、怒り・敵意、及び緊張・不安というネガティブな感情だけでなく、活気・活動というポジティブな気分も含めた包括的な心理的ストレス反応指標である気分障害合計(TMDスコア)を改善する。従来技術からは、スルフォラファンが、ヒトの包括的な心理的ストレス反応指標に及ぼす影響は、予想できなかった。
【0034】
<認知症予防>
本発明における認知症とは、脳細胞の死滅や活動の低下によって認知機能に障害が起き、日常生活・社会生活が困難になる状態のことをいう。本発明に係る組成物は、視覚的対連合記憶向上や感情状態改善を介して、認知症予防効果、特に、軽度認知症の予防効果が期待される。認知症予防とは、認知症の症状を予防することをいう。認知症を例示すると、老人性認知症、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、外傷後認知症、脳腫瘍により生じる認知症、慢性硬膜下血腫により生じる認知症、正常圧脳水腫により生じる認知症、髄膜炎後認知症及びパーキンソン型認知症等の種々の疾患により生じる認知症等である。
【0035】
<組成物の形態>
本発明の組成物は、剤として投与、或いは、食品組成物として摂取することができる。具体的には、ヒト若しくは動物用の剤又は食品組成物となり、また当該剤又は食品組成物に配合して使用される素材又は製剤となり得る。なお、当該食品組成物には、視覚的対連合記憶や認知機能の低下の予防、改善、もしくは向上効果、又は感情状態の改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性表示食品、特定保健用食品、病者用食品、サプリメントが包含される。表示方法を例示すると、「認知機能の維持」、「認知機能の改善」、「認知機能の向上」、「認知機能における視覚的対連合記憶の維持」「認知機能における視覚的対連合記憶の改善」、「認知機能における視覚的対連合記憶の向上」、「記憶力の維持」、「記憶力の向上」、「思い出す力の維持」、「感情状態の課改善」、「ネガティブな感情の改善」、「怒りっぽい気分の改善」、「混乱した気分の改善」等が挙げられるが、これに限定されない。これらの表示は、公知の方法で容器包装手段に付すこと、製品に関する広告・価格表もしくは取引書類に上記説明を表示して展示もしくは頒布すること、またはこれらを内容とする情報を電磁気的(インターネットなど)方法により提供すること等ができる。
【0036】
<剤>
本発明の組成物の剤としての投与形態としては、例えば、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液、シロップ剤、乳液等による経口投与を好ましく挙げることができる。なお、非経口投与形態が排除されるわけではなく、局所組織投与や、注射による皮下、皮内、筋肉内、静脈内投与、或いは、有効成分を揮発させることによる鼻腔内投与等によってもよい。賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤等の医薬等の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化することができる。また、医薬品または医薬部外品の態様であってもよい。
【0037】
<食品組成物>
本発明の組成物の食品組成物としての摂取形態としては、例えば、生鮮食品(生野菜)、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料、青汁等)、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(サプリメント、栄養ドリンク等)が挙げられる。
その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、コーンスターチ、デキストリン、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L-アスコルビン酸、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、セルロース、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品添加物を任意に使用することができる。
【0038】
<寄与成分>
寄与成分とは、物質であって、その影響する先が身体の生理学的機能であるものをいう。特定保健用食品及び機能性表示食品における寄与成分に相当するのは、いわゆる「関与成分」及び「機能性関与成分」である。医薬品及び医薬部外品の場合、いわゆる「有効成分」である。
【0039】
<寄与成分の含有量>
本発明の組成物は、剤として用いる場合は、特に限定されないが、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を合計で0.03質量%以上含有していることが好ましく、0.5質量%以上含有していることがより好ましく、5質量%以上含有していることが特に好ましい。
また、本発明の組成物は、食品組成物として用いる場合は、特に限定されないが、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン及びグルコラフェニンのうち少なくとも一種を合計で0.01質量%以上含有していることが好ましく、0.04質量%以上含有していることがより好ましく、0.25質量%以上含有していることが特に好ましい。
【0040】
<投与量/摂取量>
本発明の組成物の投与量又は摂取量は、投与/摂取する対象がヒトである場合、その性別、症状、年齢、投与方法によって異なるが、スルフォラファン、グルコラファニン、スルフォラフェン又はグルコラフェニンのうち少なくとも一種が通常、成人(体重60kg程度)1日当たり24mg以上であればよく、30mg以上であることが、作用が十分に発揮される観点から好ましい。この1日当たりの量を一度に又は数回に分けて投与/摂取することができ、そのタイミングとしては、食前、食後、食間のいずれでもよい。また、投与/摂取期間は特に限定されないが、12週間以上継続的に摂取することが好ましい。
なお、前述の1日当たりの投与量/摂取量は、組成物の形態によって異なるが、表示される1日の摂取目安量や、通常1度で消費する飲みきりタイプの飲料であれば1本当たりに含まれる量を指すものである。
【実施例0041】
<実施例1>
試験デザインは、無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験である。
本試験は、健康な男女を対象に、生活介入前後に認知機能検査と質問調査紙を用いた調査を実施した。
【0042】
<研究対象者>
試験に同意してもらった、日本語を母国語とする健康な144名の男女(年齢60~80歳、平均年齢:66.82歳、男性73名、女性71名)のうち、下記の除外項目に該当しない者を研究対象者とした。
<除外項目>
(1)精神疾患、糖尿病、脳神経疾患、心臓病(心疾患)又は他の重大な疾患の既往歴がある者
(2)認知機能に影響する薬物(例:ベンゾジアゼピン、抑うつ薬、中枢神経薬)を服用している者
(3)過去に重大な病気や問題があり、試験に参加できなかった者
(4)認知症のスクリーニング検査であるMMSE(Mini Mental StateExamination)の得点が26点以下の者
(5)抑うつの程度を調べる検査であるGDS(Geriatric Depressi
on Scale)が5点以上の者
(6)前頭葉機能検査であるFAB(Frontal assessment battery at bedside)の得点が12点以下の者
(7)知能指数(IQ)が85点未満の者
(8)食品摂取によるアレルギーの発生の恐れがある者(特に、ブロッコリー、乳、卵、小麦、そば、落花生、エビ、かに)
(9)1週間単位で見たときに、1日の平均飲酒量が純アルコール量として60gを超える飲酒習慣を持つ者
(10)他の試験に参加している者、及び、試験開始前2か月以内に他の試験に参加したことがある者
(11)生活介入期間中に、医薬品および健康食品(サプリメント、特定保健用食品、保健機能食品、青汁、栄養ドリンクを含む)の使用を控えることができない者
(12)生活介入期間中に、指示されたスルフォラファンサプリメント又はプラセボサプリメントを摂取し、生活日誌を記入することができない者
【0043】
<群分け>
研究対象者を、スルフォラファン群とプラセボ群の2つに、性別を考慮した層別化ランダム法により割り振った(各群72名)。なお、研究対象者には、自身がどの群に割り当てられているのかは判らないようにした。研究対象者はそれぞれに割り当てられたスルフォラファンサプリメント(「スルフォラファン」、カゴメ社製。グルコラファニンを10mg/粒含む。)又はプラセボカプセルを、1日3粒12週間にわたって毎日摂取した。なお、プラセボカプセルは、スルフォラファンサプリメントに含まれるグルコラファニンをコーンスターチ及び結晶セルロースに置き換えたものである。
【0044】
<認知機能検査>
トレーニングを受けた心理検査員により、標準化されたエピソード記憶検査であるWechsler Memory Scale-Revised (WMS-R;The Psychological Corporation.)の一部を用いて視覚的対連合(Visual paired associates;VPA)
についての認知機能検査を実施した。VPAの検査では、視覚的エピソード記憶課題として、6組の図形と色の組み合わせを用いて、対象者に1組の図形と色につき3秒間提示して記憶させた。その後、対象者に図形のみを提示し、それと一致する色を選択させた。正答数の合計(最大18)をVPAスコアとした。
介入後のスコアから介入前のスコアを引いて変化量を算出し、変化量の平均値±標準偏差を図1に示した。
【0045】
<感情状態検査>
対象者の感情状態を、Profile of Mood State Second Ed
ition(POMS2)の短縮版(Heuchert, J. P. et al., (2012) Multi-Health Systems Inc.、Yokoyama, K. et al., (2015) 日本版POMS2, 金子書房)を用いて検査した。POMS2では、対象者に前週における6つの感情状態(抑うつ・落胆、混乱・困惑、活気・活動、疲労・慣性、怒り・敵意、緊張・不安)を評価させた。各感情状態のスコアを用いて、気分障害合計(Total mood disturbance;TMD)スコアを算出した(Nouchi, R. et al. (2021a). Nutrients 13:352. doi: 10.3390/nu13020352)。
介入後のスコアから介入前のスコアを引いて変化量を算出し、変化量の平均値±標準偏差を図2~4に示した。
【0046】
<結果>
視覚的対連合記憶を評価するVPAスコアについて、スルフォラファン群の方がプラセボ群よりも有意に高かった(図1)。このことから、スルフォラファンは、認知機能における視覚的対連合記憶を向上させる効果を有することが推測される。
感情を評価するPOMS2検査のTMDスコアについて、スルフォラファン群の方がプラセボ群よりも有意に低かった(図2)。また、補足分析において、POMS2検査の尺度のうち怒り・敵意スコア及び混乱・困惑スコアにおいても、スルフォラファン群の方がプラセボ群よりも有意に低かった(図3、4)このことから、スルフォラファンは、認知機能におけるネガティブな感情状態を改善させる効果、特に怒り・敵意や、混乱・困惑といった認知機能が低下した高齢者にみられやすいネガティブな感情状態を改善させる効果を有することが推測される。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明が有用な分野は、健康食品事業である。
図1
図2
図3
図4