(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088148
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
A63F7/02 329
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203181
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】岩田 陽平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB23
2C088BB27
2C088CA02
2C088CA31
2C088EA48
(57)【要約】
【課題】遊技者が複数の記録媒体を所有する場合であっても効率的に景品の交換処理を実行できると共に、遊技者が翻意して再遊技を所望する状況に適切に対応できるという、遊技者側の利便性の高い遊技場用システムを提供すること。
【解決手段】遊技場用システム1において景品交換装置3に付設された読取装置15は、2以上の遊技カード18を一括で読取可能であると共に、景品交換装置3から受信した残持点数を示す残遊技価値情報を、いずれかの遊技カード18に記録して発行可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を通じて遊技者が獲得した遊技価値数を示す遊技価値情報が記録された記録媒体を読み取り可能な読取装置と、前記記録媒体に記録された遊技価値情報に基づいて景品の交換処理を実行可能な景品交換装置と、前記景品を遊技者に対して払い出す払出処理を実行可能な景品払出装置と、が並設される遊技場用システムにおいて、
前記読取装置は、
少なくとも2以上の記録媒体を投入可能な投入部と、
前記少なくとも2以上の記録媒体を一括して読取可能な読取手段と、
前記記録媒体を発行する発行手段と、を備え
前記景品交換装置は、
前記交換処理の結果、交換処理の対象とならなかった残りの遊技価値数を示す残遊技価値情報を前記読取装置に送信する送信手段を備え、
前記読取装置が備える発行手段は、前記少なくとも2以上の記録媒体のうちのいずれかの記録媒体または予め定められた所定の記録媒体に、前記景品交換装置から受信した前記残遊技価値情報を記録して発行することを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記遊技価値情報には、貸出単価が異なる複数種類の種別毎の遊技価値情報があり、
前記景品交換装置は、前記少なくとも2以上の記録媒体に記録された遊技価値情報が、複数種類の種別に亘っている場合にも前記交換処理を実行可能である請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記読取装置が備える発行手段は、前記少なくとも2以上の記録媒体に、遊技場の会員であることを示す会員記録媒体が含まれている場合、前記遊技価値情報及び前記残遊技価値情報のうち少なくともいずれか一方を当該会員記録媒体に記録して発行する請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技客の多様なニーズに応えられるように、貸出単価(貸出レート)が異なる複数の遊技コーナーを設ける遊技店(遊技場)が増加している。このような遊技店では、貸出単価が異なる複数の計数レシート(記録媒体の一例)を受け付けて景品交換を行う必要が生じ得る。遊技店の中には、貸出単価毎の獲得玉数を基準交換レートで換算し、交換対象となる獲得玉数を集計する店舗もある。貸出単価が異なる複数の計数レシートを一括して景品交換できるように構成すれば、貸出レート毎に景品管理装置を設ける必要がなくなり設備投資費用の低減を図ることができる(例えば、下記の特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、近年では、遊技者の利便性向上のために、遊技者自身のPOS操作によって景品交換を行う運用形態が注目されてきている。このような運用形態の遊技店の中には、遊技者の誤操作の予防や負担軽減のため、貸出単価が異なる複数の記録媒体による景品交換を制限する店舗が多くある。しかしながら、複数の記録媒体による景品交換を制限すると、記録媒体を一枚ずつ景品交換する必要が生じることから遊技者側の利便性が損なわれる。例えば、筐体内に収容された商品に付されたRFIDから各々の情報を読み取る技術が提案されており(例えば下記の特許文献2参照。)、このような技術は、複数の記録媒体の一括処理に応用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-172241号公報
【特許文献2】特開2015-20711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の複数の記録媒体を一括処理する構成では、景品交換中に翻意して再遊技を希望する遊技者が想定されておらず、景品交換の対象にならなかった残りの獲得点数を利用して再遊技を行いたいと考える遊技者のニーズに適切に対応できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされるものであり、遊技者が複数の記録媒体を所有する場合であっても効率的に景品の交換処理を実行できると共に、遊技者が翻意して再遊技を所望する状況に適切に対応できるという、遊技者側の利便性の高い遊技場用システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技場用システムは、遊技を通じて遊技者が獲得した遊技価値数を示す遊技価値情報が記録された記録媒体を読み取り可能な読取装置と、前記記録媒体に記録された遊技価値情報に基づいて景品の交換処理を実行可能な景品交換装置と、景品を遊技者に対して払出す払出処理を実行可能な景品払出装置と、が並設される遊技場用のシステムである。
【0008】
本発明の遊技場用システムにおける読取装置は、少なくとも2以上の記録媒体を投入可能な投入部と、少なくとも2以上の記録媒体を一括で読取可能な読取手段と、記録媒体を発行する発行手段と、を備えている。本発明の遊技場用システムにおける景品交換装置は、交換処理の結果、交換処理の対象にならなかった残りの遊技価値数を示す残遊技価値情報を読取装置に送信する送信手段を備えている。読取装置が備える発行手段は、前記少なくとも2以上の記録媒体のうちのいずれかの記録媒体または予め定められた所定の記録媒体に、景品交換装置から受信した残遊技価値情報を記録して発行する。
【0009】
本発明の遊技場用システムは、少なくとも2以上の記録媒体を一括して読み取って景品の交換処理を行うことができる。この遊技場用システムは、交換処理の結果、残りの遊技価値が発生した際には、少なくとも2以上の記録媒体のうちのいずれかの記録媒体または所定の記録媒体に残遊技価値情報を記録して発行できる。
【0010】
本発明の遊技場用システムによれば、複数の記録媒体を所有する遊技者が景品の交換処理を容易に実行できると共に、交換処理の結果、残遊技価値が発生した場合には、残遊技価値情報が記録された記録媒体を発行できる。この遊技場用システムでは、例えば、交換処理を行った遊技者が翻意して再遊技を所望するとき、残遊技価値情報が記録された記録媒体を用いて遊技を再開できる。このように本発明の遊技場用システムでは、交換処理による残りの遊技価値を利用する再遊技が容易であり、遊技者側の利便性が高く確保されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】景品交換装置の電気的な構成を示すブロック図。
【
図9】交換処理時の表示画面の正面図(「一枚」「一種別」)。
【
図10】交換処理時の表示画面の正面図(「一枚」「複数種別」)。
【
図11】交換処理時の表示画面の正面図(「複数枚」「一種別」)。
【
図12】交換処理時の表示画面の正面図(「複数枚」「複数種別」)。
【
図13】交換処理時の表示画面の正面図(端玉有)。
【
図14】交換処理時のカード取り忘れを注意する注意報知画面の正面図。
【
図15】管理装置が管理する読取履歴を例示する図。
【
図16】管理装置が管理する、カード枚数毎の交換処理件数の集計画面。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、複数枚の遊技カードを所持する遊技者が効率良く景品交換を行うことができる遊技場用システム1に関する例である。以下、
図1~
図16を参照して遊技場用システム1の内容を説明する。
【0013】
遊技場では、
図1のごとく、パチンコ遊技機21(以下、単に遊技機21という。)に対して、カードユニット4や情報表示装置50等が個別に設置されている。例示する遊技機21は、遊技価値である得点を消費して、遊技媒体である遊技玉を発射して遊技される封入式のパチンコ遊技機であり、得点が遊技価値をなしている。遊技機21は、遊技の実行に応じて各種の遊技情報を信号出力にてカードユニット4に送信する。
【0014】
遊技場では、通路に面して遊技機21が横並びで配列された遊技機島が複数、設けられている。本例の遊技場では、遊技機島を単位として、貸出単価(貸出レート)が異なる複数の遊技コーナーが設けられている。
図1中の上段の遊技機21の並びは、貸出単価が4円の遊技コーナーをなす遊技機島を例示しており、下段の遊技機21の並びは、貸出単価が1円の遊技コーナーをなす遊技機島を例示している。遊技場内の各遊技機21には、貸出単価に対応する種別が設定されている。
【0015】
情報表示装置50は、遊技機21毎に設けられ、遊技に関する各種の表示用情報を生成して表示する装置である。情報表示装置50は、例えば遊技機21の上方に設置される。情報表示装置50は、遊技機21から出力される各種の遊技情報をカードユニット4経由で受信する。そして、受信した遊技情報に基づいて各種の表示用情報を生成する。なお、情報表示装置50は、従業員を呼び出す台ランプとしての機能を有している。
【0016】
カードユニット4(貸出計数装置)は、遊技機21毎に設けられ、遊技に必要な得点の付与処理や、得点等の記録媒体である遊技カードの発行処理等を行う遊技用装置である。カードユニット4は、対応する遊技機21と隣り合う他の遊技機21との間の隙間のスペースに設置されている。パチンコ遊技機の場合、対応する遊技機21の左側にカードユニット4が配置される。なお、遊技場には、例示するパチンコ遊技機21以外にスロットマシンなども設置されている。スロットマシンの場合、対応する遊技機の右側にカードユニットが設置される。
【0017】
各遊技島では、遊技機21側から送信される遊技信号を中継する中継装置55、551が設置されている。中継装置55は、2台の遊技機21毎に1台ずつ設けられ、遊技機21の稼動状況、情報表示装置50やカードユニット4の情報を収集する。中継装置551は、各遊技機島の島端に設置され、各中継装置55が管理装置10に向けて出力する情報を中継する。
【0018】
遊技場内には、遊技場の管理者等が詰める管理スペースや、遊技者が獲得した遊技価値を景品に交換するための景品交換カウンタ等が設けられている。管理スペースには、遊技場内の各種の機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置10が設置されている。景品交換カウンタ(景品交換コーナー)には、遊技者が獲得した遊技価値の一例をなす持点(得点)等を景品に交換するための景品交換装置3、遊技カード18(ICカード、記録媒体)の読取装置15、景品払出装置39、等が設置されている。さらに、遊技場内には、精算機57が設置されている。精算機57は、遊技カード18に記録されている入金残高を読み取り、入金残高に対応する貨幣を返却する。
【0019】
ここで、本例の遊技カード18は、ICチップを内蔵するICカードである。遊技カード18のICチップは、外部からの無線給電により動作し、記憶しているカード情報を無線にて出力する。カード情報には、遊技カード18の識別情報であるカードID、遊技者が獲得した遊技価値数である持点数、入金残高、等がある。遊技カード18としては、遊技場の会員に付与される会員カード(会員記録媒体の一例)、一般の遊技者に付与される一般カードなどがある。
【0020】
管理装置10(
図1)は、遊技場に設けられる複数の遊技機21、情報表示装置50、カードユニット4、景品交換装置3など、遊技場に設置された各種の機器や装置を管理する中央装置である。管理装置10は、遊技機21毎の遊技データや会員登録された遊技者の個人データ等を管理する機能や、交換処理時の遊技カード18の読取履歴等を管理する機能、などを有している。管理装置10は、遊技機21側から送信される遊技信号を受信することにより管理対象の各種データを生成する。また、管理装置10は、景品交換端末3から受信した情報に基づいて景品の交換処理に関する各種データを生成する。
【0021】
景品交換装置3(
図1)は、カードユニット4により発行される遊技カード18に対応付けられた遊技価値情報に基づき交換処理を行う装置である。景品交換装置3には、読取装置15、景品払出装置39が接続されている。送信手段としての景品交換装置3は、交換処理に応じて、特殊景品(特定の景品の一例)に関する情報を景品払出装置39に送信する。
【0022】
景品払出装置39は、景品交換に応じて特殊景品を払い出す装置である。景品払出装置39は、景品交換装置3から受信した特殊景品に関する情報に基づいて特殊景品の払出を実行する。景品払出装置39は、遊技者が所持する持点数(遊技価値数)の範囲内にて交換可能な数量の特殊景品の払出を実行する。
【0023】
読取装置15は、記録媒体である遊技カード18(記録媒体、ICカード)に記録された情報を読み取る装置であり、景品交換装置3に対応して設けられている。特に、本例の読取装置15は、複数枚の遊技カード18を同時に受け付けできるように構成されている。読取装置15は、遊技カード18に記録された持点数を示す遊技価値情報などを読み取ってカード情報として景品交換装置3に送信する。さらに、読取装置15は、遊技カード18から読み取った持点数の一部を再度、遊技カード18に記録して発行可能である。なお、読取装置15の構成については、後で詳しく説明する。
【0024】
なお、遊技場では、管理装置10が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機21に対応して個別に設置された情報表示装置50及びカードユニット4は、中継装置55、551を介して場内ネットワーク500に接続されている。遊技場用システム1では、カードユニット4などの遊技機21の周辺装置と、管理装置10と、の間の各種の通信が、場内ネットワーク500を利用して実現されている。
【0025】
以下、遊技機21及びカードユニット4、景品交換装置3、読取装置15の各構成を説明し、続けて、交換処理の内容を説明する。
【0026】
(遊技機及びカードユニットの構成及び基本動作)
封入式のパチンコ遊技機である本例の遊技機21(
図2)は、上記のごとく、遊技価値である遊技点(得点)を消費(使用)して遊技媒体である遊技玉を発射し遊技される遊技機である。遊技機21は、カードユニット4から遊技点数を受信すると、その遊技点数分の遊技玉を発射することが可能となり、遊技点数がゼロになった時点で遊技玉を発射できなくなる。遊技機21は、所定の計数操作に応じて遊技点数をカードユニット4へ送信し、遊技点数を減算する。また、遊技機21は、遊技者による情報表示操作に応じて各種の遊技データ(大当り回数、特図抽選回数など)を表示可能である。なお、特図抽選は、特別図柄の当否判定である。
【0027】
本例の遊技機21は、特図始動口221、222への入賞に応じて大当り抽選が実行され、大当りに当選したときに大当り図柄が表示されて大当り状態が発生する、いわゆるセブン機である。
【0028】
遊技機21は、
図2に示すように、略円形状の遊技領域(遊技盤)210を有している。遊技領域210の上部、左右両側には装飾ランプ部242が設けられ、遊技領域210の左下にはスピーカ241が配置されている。また、遊技領域210の下側には、情報表示部25が配設され、情報表示部25の右下には、操作ハンドル26が設けられている。
【0029】
情報表示部25は、液晶ディスプレイにより構成され、その表示画面には、大当り回数や特図抽選回数など遊技に関する各種の遊技情報等、各種の情報が表示される。情報表示部25の表示画面は、タッチ操作が可能な表示画面となっている。表示画面へのタッチ操作に応じて、情報表示部25による表示内容を切替可能である。遊技点数をカードユニット4へ送信させるための上記の所定の計数操作は、表示画面へのタッチ操作による操作である。情報表示部25の表示画面には、カードユニット4から受信した遊技点や、入賞に応じて付与された得点に基づく遊技点、などの累計の遊技点数が表示される。
【0030】
遊技領域210は、遊技媒体である遊技玉が流下する領域である。遊技領域210では、図柄表示部24を含む表示装置が中心近くに配置されている。図柄表示部24の下側には、第1特図始動口221が配置されている。図柄表示部24の右側から下方に向けて順番に、スルータイプの普図始動口223、開閉入賞装置224、大入賞装置225、第2特図始動口222が配置されている。遊技領域210の最下部には、アウト孔220が設けられている。
【0031】
図柄表示部24は、液晶ディスプレイにより図柄を変動表示する表示部である。図柄表示部24は、特図抽選の当否(抽選結果)を表示する特図表示部としての機能と、普図抽選の当否(抽選結果)を表示する普図表示部としての機能と、を有している。特図表示部としての図柄表示部24は、表示画面の中央に大きく3桁の数字図柄を表示する。特図抽選の当選(大当り)は、333あるいは777など、ゾロ目の数字図柄の組合せにより報知される。普図表示部としての図柄表示部24は、表示画面の右下の矩形領域において普図抽選の当否を表示する。普図抽選の当否は、例えば〇か×かによって報知される。
【0032】
第1特図始動口221及び第2特図始動口222は、特別抽選の契機となる入賞口である。第1特図始動口221が、入賞率が不変のヘソ入賞口である一方、第2特図始動口222は、電動チューリップ(電動役物)を備え、電動チューリップの開閉に応じて入賞率が大きく変動する可変入賞口である。第1(第2)特図始動口221(222)に遊技玉が入賞(始動入賞)すると、第1(第2)特図抽選用の抽選用乱数が抽出され、第1(第2)特図を抽選するという大当り抽選が実行される。
【0033】
普図始動口223は、普通図柄の当否判定(以下、普図抽選という。)の契機となる入賞口である。普図始動口223へ入賞すると、普図抽選用の抽選乱数が抽出され、普図抽選が実行される。この普図抽選に当選すると、第2特図始動口222の電動チューリップが開放し入賞率が高くなる。上記のごとく、普図抽選の当否は、図柄表示部24によって表示される。
【0034】
遊技機21に個別に対応するカードユニット4(
図2)は、隣り合う遊技機21との台間スペースに設置されている(
図1参照。)。このカードユニット4は、遊技玉を発射する権利となる遊技点(得点)の付与機能(貸出機能)を備えている。
【0035】
カードユニット4の前面(
図2参照。)には、装置エラー等の作動状態を表示する状態ランプ41、紙幣挿入口420、表示部43、代金引き落としに応じて遊技に必要な遊技点の貸出を受けるための貸出ボタン44、計数済みの得点である持点を遊技点に変換するための再遊技ボタン45、遊技カードの返却を求める返却ボタン46、カード挿入口470、等が配設されている。
【0036】
続いて、遊技機21及びカードユニット4の基本動作を説明する。遊技機21は、対応するカードユニット4から遊技点(得点)を受信すると、遊技可能になる。遊技機21は、遊技玉を発射する毎に1玉ずつ遊技点数を減算する一方、入賞が発生した場合には、入賞に応じた得点を遊技点数に加算する。
【0037】
遊技機21は、遊技の実行に応じて各種の遊技信号をカードユニット4へ送信する。本例の遊技機21は、例えば、以下の各遊技信号をカードユニット4へ送信する。遊技機21が出力する遊技信号は、カードユニット4経由にて、中継装置55、551、管理装置10、情報表示装置50、等に送信される。
【0038】
・セーフ信号:遊技者に付与される遊技点数であるセーフを特定可能な信号。
・アウト信号:玉の発射に応じて消費された遊技点数であるアウトを特定可能な信号。
・大当り信号:大当り状態を特定可能な信号。
・特別状態信号:大当り状態及び時短状態中に出力される信号。
・スタート信号:第1特図始動口221及び第2特図始動口222への入賞による図柄変動を特定可能な信号。
【0039】
カードユニット4は、対応する遊技機21から各種の遊技信号を受信して稼動データ(遊技情報)を集計し記憶すると共に、中継装置55、551経由にて随時、管理装置10や情報表示装置50に向けて稼動データや遊技信号を送信する。また、カードユニット4は、遊技者の入金残高や、持点数などの得点数、など遊技者の所有価値の情報を随時、管理装置10へ送信する。なお、カードユニット4は、管理装置10から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価など)を受信し、記憶する。
【0040】
カードユニット4は、紙幣を受け付けると、その紙幣の額を入金残高(上限10000円)に加算して記憶する。遊技カード18を受け付けたときは、カードユニット4は、管理装置10に対し、遊技カード18に記録されたカード情報の照合を求める。管理装置10では、遊技カード18のカードID(識別情報)を対応付けてカード情報が記憶されており、カードユニット4が読み取ったカード情報との照合に利用される。カードユニット4は、管理装置10による照合結果がOKのとき、そのカード情報に係る入金残高及び持点数を表示する。
【0041】
カードユニット4は、貸出ボタン44の操作など遊技者の求めに応じて遊技者の入金残高、貯玉、持点を遊技点に変換し、対応する遊技機21へ送信する。例えば貸出ボタン44が操作されたときには、一定金額(例えば1000円)ずつ遊技点(250点)に変換し、遊技機21へ送信する。例えば再遊技ボタン45が操作されたときには、持点を250点ずつ遊技点へ変換して遊技機21へ送信し、持点による再遊技を可能にする。
【0042】
カードユニット4は、計数済みの得点数である持点数、遊技機21が記憶する遊技点数、及び持点数と遊技点数との合計点数である全得点数、などの得点数を記憶、表示する。カードユニット4は、対応する遊技機21から得点の加算情報であるセーフ信号や減算情報であるアウト信号を受信し、記憶している得点数を更新する。そして、得点数の更新に応じて、得点数情報を中継装置55へ送信する。
【0043】
カードユニット4は、入金残高及び持点の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却ボタン46が操作されたときは、その入金残高及び持点数を示す遊技価値情報を遊技カード18に記録して発行する。持点数を示す遊技価値情報を遊技カード18に記録する場合、獲得した遊技機21に対応する種別情報も対応付けて記録する。この持点数は持玉とも称される。なお、カードユニット4は、カードストッカーを内蔵しており、最大10枚の遊技カードをストック可能である。
【0044】
(景品交換装置)
景品交換装置3(
図3、
図4)は、上記のごとく、遊技場内の景品交換カウンタ(景品交換コーナー)に設置され、景品交換を行う端末装置である。本例の景品交換装置3は、従業員による交換処理ではなく、遊技者自身のPOS操作により交換処理を実行する。景品交換装置3には、通常のカードリーダーではなく、複数の遊技カード(ICカード)を同時投入可能な読取装置15(後述する。)が接続されている。景品交換装置3は、読取装置15からカード情報を取得する。
【0045】
景品交換装置3は、
図3のごとく、制御機能を備える本体30と、本体30により支持された2つのタッチパネル300と、により構成されている。2つのタッチパネル300は、本体30の表側と裏側とに設けられている。一方のタッチパネル300は、景品交換カウンタの外側、つまり景品交換を行う遊技者側に面するフロントパネルである。他方のタッチパネル300は、景品交換カウンタの内側、つまり遊技場の従業員側に面するバックパネルであり、従業員による景品交換のモニターや操作等に利用される。本体30には、2つのタッチパネル300の制御など各種の演算処理を実行可能な制御部30C(
図4参照。)が収容されている。
【0046】
制御部30C(
図4)は、CPUやROM・RAMなどの電子部品が実装されていると共に、データや信号の入出力のためのI/Oを備える電子基板を含めて構成されている。制御部30Cには、タッチパネル300を構成する表示部301及びタッチスクリーンシート303、外部インターフェースをなすI/F部309、等が接続されている。景品交換装置3は、I/F部309を介して読取装置15や景品払出装置39と接続されている。景品交換装置3は、読取装置15を介在して管理装置10と接続されている。なお、景品交換装置3が管理装置10と接続されてもよいし、景品交換装置3及び読取装置15ともに管理装置10と接続されてもよい。
【0047】
景品交換装置3は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)交換処理手段:読取装置15から取得したカード情報に係る持点数(遊技価値情報に係る遊技価値数)で交換可能な特殊景品数(特殊景品以外の景品の数も含む)を算出する交換処理を実行する手段。
(2)残遊技価値算出手段:交換処理の結果、交換処理の対象にならなかった残遊技価値である残持点を算出する手段。
(3)送信手段:残持点数(残遊技価値情報に係る残遊技価値数)を読取装置15に送信する手段。
【0048】
(読取装置)
読取装置15(
図5及び
図6)は、景品交換装置(POS端末)3に対応して設けられる装置である。読取装置15は、場内ネットワーク500に接続されている。本例の遊技場用システム1では、管理装置10と景品交換装置3との間の情報のやり取りが、読取装置15を介して実行される。特に本例の読取装置15は、少なくとも2枚以上の遊技カード18(記録媒体、ICカード)を同時に受付け、一括で読取可能である。
【0049】
読取装置15は、奥行方向に長い箱状の筐体150を有する装置である。筐体150の前面側には、前面上部から上面に亘って開口する開口部158が設けられると共に、その開口部158を覆う開閉扉(扉部の一例)156が設けられている。開口部158は、遊技者が遊技カード18を投入するために利用される。開閉扉156は、筐体150の上面に設けられたヒンジ機構157を利用し、上方に回動可能なように取り付けられている。さらに筐体150の前面、開口部158の下側には、遊技カード18を排出するカードスリット孔153が設けられている。
【0050】
開閉扉156の前面には、開閉扉156を上方に引き上げるための把手151が設けられている。把手151を利用して開閉扉156を上方に引き上げることで、開口部158に遊技カード18を投入できる。開口部158の底面には、前面側から後方に向かうコンベア159が設けられている。コンベア159は、開口部158に投入された遊技カード18を、読取装置15の奥側に搬送するための搬送手段をなしている。
【0051】
読取装置15は、
図7のように、制御部16を中心として電気的に構成されている。制御部16は、CPUやROM・RAMなどの電子部品が実装されていると共に、データや信号の入出力のためのI/Oを備える電子基板を含めて構成されている。制御部16には、カード投入部161、カード発行部163、カードR/W部(リーダーライター)165、回収機構部167、外部インターフェースをなすI/F部169が接続されている。読取装置15は、I/F部169を介して景品交換装置3や管理装置10と通信可能に接続されている。
【0052】
カード投入部(投入部)161は、上記の開口部158及び開閉扉156を含めて構成されている。カード投入部161に投入された遊技カード18は、上記のコンベア159によって筐体150の内部に搬送される。カードR/W部165(読取手段)は、遊技カード18に記録されたカード情報を非接触で読み書きするリーダーライターである。カードR/W部165は、遊技カード18に組み込まれたICチップとの間で無線通信するためのリーダー(図示略)を少なくとも1個以上、備えている。リーダーは、例えば、開口部158の内周面に取り付けられている。ICチップとリーダーとの無線通信の確実性を確保するため、読取装置15の筐体150及び開閉扉156は、外部からの電波を遮断可能な部材により形成されている。
【0053】
カード発行部(発行手段)163は、遊技カード18をカードスリット孔153から発行するための機構である。カード発行部163は、会員カードなど返却を要する遊技カード18をカードスリット孔153から発行したり、交換処理の結果、残持点(残遊技価値)が生じた場合に残持点数を示す残遊技価値情報が記録された遊技カード18を発行したりする。このように、カード発行部163は、残持点数などが記録された遊技カード18を発行する。
【0054】
回収機構部167は、投入された遊技カード18のうち、残持点数がゼロとなった一般の遊技カードを回収するための機構である。回収機構部167は、遊技カード18を回収するための公知の機構と、遊技カード18を収納するためのカードストッカー(図示略)と、により構成されている。回収機構部167は、カード情報を読取済みの遊技カード18をカードストッカーに回収する。本例の回収機構部167は、搬送手段をなす上記のコンベア159を利用して構成されている。
【0055】
読取装置15の動作内容を概説する。交換処理を行うためのPOS操作を行う際、遊技者は、読取装置15の開閉扉156を開けて内部に遊技カード18を投入し、開閉扉156を閉じる。開閉扉156の閉鎖又は遊技者によるPOS操作により、読取装置15は、投入された遊技カード18の読取を実行する。読取装置15は、遊技カード18に記録された持点数を含むカード情報を、景品交換装置(POS端末)3に送信する。
【0056】
カード情報を読取済みの遊技カード18は、カードストッカー(回収機構部167)に回収される。ただし交換処理の結果、残持点数があれば再度、遊技カード18が発行される。また、回収した遊技カード18に会員カードが含まれる場合は、カード発行部163により会員カードが発行されて遊技者に返却される。残持点数を記録した遊技カード18を発行する場合は、交換処理時に投入されカードストッカーに回収された遊技カード18のうち、所定の条件に従って選択された遊技カードが発行される。所定の条件は、例えば、投入された遊技カード18のうち、最後に読取られた遊技カード18であるという条件や、最後にカードストッカーに回収された遊技カード18であるという条件などである。なお、予め設定された発行専用の遊技カード(専用カードという。)を発行するようにしても良い。なお、専用カードは、一般カードの一種である。
【0057】
次に、本例の遊技場用システム1の動作について説明する。以下、(1)交換処理の流れ、(2)交換処理のパターン、(3)管理装置による管理データ、について順番に説明する。
【0058】
(1)交換処理の流れ
読取装置15は、
図8のごとく、開口部158に投入された遊技カード18(記録媒体、ICカード)から持点数を示す遊技価値情報を読み取ると(S11)、その遊技価値情報を含むカード情報を景品交換装置3に送信する。読取装置15からカード情報を受信した景品交換装置(POS端末)3は、カード情報に含まれる持点数に基づいて交換処理P20を実行する。
【0059】
景品交換装置3は、交換処理の結果、交換処理の対象にならなかった残持点が発生する場合(S21:YES)、その残持点数を示す残遊技価値情報を読取装置15に送信すると共に、交換処理により払い出す特殊景品の種類や数量などを表す景品情報を、景品払出装置39に送信する。景品交換装置3から景品情報を受信した景品払出装置39は、対応する景品を遊技者に払い出す(S22)。読取装置15は、残持点数を示す残遊技価値情報を景品交換装置3から受信すると、残持点数を示す残遊技価値情報を記録した遊技カード18(ICカード)を発行する(S12)。
【0060】
一方、交換処理による残持点が発生しない場合(S21:NO)、景品交換装置3は、残遊技価値情報を読取装置15に送信することなく、景品払出装置39に対する景品情報の送信のみを実行する。景品情報を受信した景品払出装置39は、残持点が発生した場合と同様、対応する景品を遊技者に対して払い出す(S22)。この場合、会員カードが投入されていない限り、読取装置15による遊技カード18の発行は実行されない。
【0061】
(2)交換処理のパターン
景品交換装置3は、投入された遊技カード18に記録された持点数(遊技価値情報に係る遊技価値数)に基づき交換処理を行う。交換処理のパターンには、投入される遊技カード18の枚数が「一枚」か「複数枚」か、記録された種別数が「一種別」か「複数種別」か、の組合せに応じて複数のパターンがある。以下、各パターンにおける交換処理を説明する。
【0062】
(遊技カード「一枚」、種別数「一種別」の交換処理パターン)
例えば、持点数として4円2500点が記録されたカードAの遊技カード1枚による交換処理では(
図9参照。)、大景品2個となり、景品に関する景品情報として景品交換装置3に送信される。なお、種別「4円」では、大景品1個が1250点となっている。
【0063】
なお、
図9は、景品交換装置3のタッチパネル300に表示される交換処理の結果画面を例示する図である。同図の画面は、上下方向に3段の表示欄に分割されると共に、画面の下辺に沿って操作ボタンが配置されている。上段の表示欄は、投入された遊技カードに記録された持点数、持点数の種別(貸出単価)の表示欄である。中段の表示欄である計欄は、種別毎の持点数及び景品数の表示欄である。下段の表示欄である総数欄は、景品数の総数の表示欄である。
【0064】
操作ボタンとしては、交換処理の中止を求める中止ボタン、残持玉数が記録された遊技カードの発行を求める再持玉ボタン、景品交換を求める交換ボタン、等がある。なお、後述の
図10~
図13に例示する画面も同様の構成である。さらに、総数欄の下段には、中止ボタンの上側に隣り合う位置に、残持点数(残遊技価値情報に係る残遊技価値数)の表示欄が配置されている。残持点数は、投入された遊技カード18に記録された持点数のうち、交換処理の対象にならなかった点数である。
【0065】
計欄には、読取った遊技カード18の枚数と、交換処理の対象となる特殊景品の個数が種別毎に表示される。特殊景品の個数の横に設けられた矢印ボタンを操作することで所望する数の景品を選択できる。なお、交換処理の結果、交換処理の対象にならなかった残持点数が発生した場合は、再持玉ボタンへのタッチ操作により、投入されたカードAまたは専用カードに残持点数が記録され発行される。なお、
図9では、再持玉ボタン(ドットハッチで示すボタン)が非活性状態となり選択不可能になっているが、残持点数が発生した場合には再持玉ボタンが活性状態となり選択可能となる。
【0066】
(遊技カード「一枚」、種別数「複数種別」の交換処理パターン)
例えば、4円2500点、1円2000点が記録されたカードBの遊技カード1枚による交換処理では(
図10参照。)、4円の種別では大景品2個(種別「4円」:大景品1250点/個)、1円の種別では中景品2個(種別「1円」:中景品1000点/個)となり、景品情報として景品交換装置3に送信される。なお、交換処理の結果、交換処理の対象にならなかった残持点が発生した場合、残持点数を示す残遊技価値情報が記録されたカードBまたは専用カードが読取装置15から発行される。
【0067】
(遊技カード「複数枚」、種別数「一種別」の交換処理パターン)
例えば、4円2500点のカードAと、4円3500点のカードCと、が読取装置15に投入された場合(
図11参照。)、各遊技カード18に記録された持点数が合算されて交換処理が行われる。例えば、4円2500点のカードAと、4円3500点のカードCと、による交換処理では種別4円の持点数の合算が4円6000点となる。この場合、大景品4個(「4円」:大景品1250点/個)、中景品4個(「4円」:中景品250点/個)となり、景品情報として景品交換装置3に送信される。なお、交換処理の結果、残持点が発生した場合は、投入されたカードA、Cのうちのいずれか一枚、又は専用カードに残持点数が記録されて発行される。
【0068】
(遊技カード「複数枚」、種別数「複数種別」の交換処理パターン)
例えば、4円2500点、1円2000点のカードBと、4円3500点、1円1000点のカードDと、が読取装置15に投入された場合には(
図12参照。)、各遊技カードに記録された持点数が種別毎に合算されて交換処理が行われる。例えば、4円2500点、1円2000点のカードBと、4円3500点、1円1000点のカードDと、による交換処理では各種別の持点数の合算が4円6000点、1円3000点となる。この場合、4円の種別では大景品4個(「4円」:大景品:1250点/個)、中景品4個(「4円」:中景品250点/個)となり、1円の種別では中景品3個(「1円」:中景品1000点/個)となる。この場合には、合計の景品数が大景品4個、中景品7個となり、交換処理として払い出す景品の種類及び数量等を表す景品情報が景品交換装置3に送信される。ここで、大景品1個は、中景品5個と同価値であるから、中景品7個を大景品1個、中景品2個に換算して表示しても良い。なお、交換処理の結果、残持点が発生した場合は、投入されたカードB及びカードDのうちのいずれか一枚、又は専用カードにその残持点数が記録されて発行される。
【0069】
(端玉が発生する交換処理パターン)
本例では、特殊景品の最低単価に満たない持点(遊技価値)を端玉(端数遊技価値)という。遊技場で端玉バイキングサービスを行っている場合に限り、端玉に対応する景品が遊技者に提供される。持点の種別が複数の場合、種別毎に交換処理が行われ、端玉に対応するバイキング景品が種別毎に提供される。
【0070】
例えば、4円2520点、1円2000点のカードEと、4円3525点、1円1115点のカードF、が読取装置15に投入された場合には(
図13参照。)、種別毎の合算値が4円6045点、1円3115点となる。この場合、4円の種別では大景品4個、中景品4個、余り45点となり、1円の種別では中景品3個、余り115点となる。この場合、大景品4個、中景品7個が払い出されると共に、4円の余り45点に対応する端玉バイキング景品と、1円の余り115点に対応する端玉バイキング景品が提供される。
【0071】
例えばバイキングサービスで提供される端玉バイキング景品の価値を、以下のように設定すると良い。
・赤:120円に相当する持点(遊技価値)で交換可能な端数景品(4円の貸出単価で30個)
・青:60円に相当する持点で交換可能な端数景品(4円の貸出単価で15個)
・黄:40円に相当する持点で交換可能な端数景品(4円の貸出単価で10個)
・白:4円に相当する持点で交換可能な端数景品(4円の貸出単価で1個)
【0072】
赤の端数景品は、4円の種別で30個、1円の種別で120個である。青の端数景品は、4円の種別で15個、1円の種別で60個である。黄の端数景品は、4円の種別で10個、1円の種別で40個である。白の端数景品は、4円の種別で1個、1円の種別で4個である。
【0073】
上記のように4円の余りが45点、1円の余りが115点の場合、4円の種別の端数景品が赤1個、青1個となり、1円の種別の端数景品が青1個、黄1個、白3個となる。なお、端玉バイキング景品の最低単価に満たない持点(遊技価値)は、景品交換装置3に取り込まれる。なお、交換処理時の余りについては、端玉景品に交換することなく、投入された遊技カード18のうちいずれか一枚又は専用カードに端数遊技価値を記録して発行するようにしても良い。
【0074】
(会員カードが含まれる場合の交換処理パターン)
読取装置15に投入された遊技カード18に会員カードが含まれる場合は、全ての持点を一旦、会員カードに対応付ける貯玉処理が行われる。そして、遊技者の操作により選択された種別による交換処理が行われる。このとき、複数の種別が選択された場合には、種別数「複数種別」の交換処理パターンと同様の交換処理が実行される。交換処理の終了後、会員カードに新たな持点数を示す遊技価値情報が記録されて返却(発行)される。
【0075】
(残高がある場合の交換処理パターン)
複数枚の遊技カード18(ICカード)の少なくともいずれかに残高が記録されている場合、複数枚の遊技カード18のうちのいずれか又は専用カードに合計残高が記録されて発行される。交換処理の結果、残持点が発生しない場合であっても残高が存在すれば、残高が記録された遊技カード18が発行される。なお、残高は、景品交換装置3により交換処理の結果画面に表示される。残持点数を示す残遊技価値情報や残高が記録された遊技カード18(専用カードを含む。)を発行する場合には、カード取り忘れの注意報知画面(
図14)が景品交換装置3のタッチパネル300に表示される。
【0076】
(3)管理装置による管理データ
景品交換装置3は、読取装置15が読み取った遊技カード18の枚数に関する情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、景品交換装置3から受信した情報に基づき、
図15に例示するように読取履歴に関する集計を行う。同図の読取履歴では、時刻、端末の種別を表す端末情報、端末の識別情報である号機番号、読取った遊技カード18の枚数、が記憶され管理される。同図のような読取履歴を表示すれば、複数枚の遊技カード18を用いて交換処理を行う遊技者の割合を、遊技場の管理者等が把握できるようになる。
【0077】
ここで、遊技場において、複数人数で構成されるグループでの遊技、所謂軍団遊技は他の遊技者の迷惑となるため対策する必要がある。軍団遊技では複数人の打ち子と呼ばれる遊技者が雇われ、遊技者にとって有利な調整が行われている遊技機が打ち子によって占領される。打ち子が獲得した遊技価値は、グループの代表により交換処理が行われる。
【0078】
軍団遊技の対策として、管理装置10は、
図15の読取履歴のうちの読取枚数を示す情報を利用し、枚数毎の交換処理件数を集計する。カード枚数毎の交換処理件数の集計画面(
図16)の表示があれば、どの程度、軍団遊技が行われているか、遊技場の管理者等が把握できるようになる。
【0079】
なお、集計画面(
図16)では、例えば件数を表す下線付数字を選択することで、交換処理の詳細を表示できる。詳細画面では、読み取った遊技カード18のカードID、遊技カード18を発行した遊技機21の番号、カードの発行時刻、等の遊技結果を示す情報を表示すると良い。交換処理の詳細を表示することで、例えば、軍団遊技に利用された遊技カード18や遊技機21等を遊技場の管理者等が把握できるようになり、対策を講じることができる。
【0080】
以上のように構成された本例の遊技場用システム1は、遊技を通じて遊技者が獲得した遊技価値数である持点数を示す遊技価値情報が記録された遊技カード18(記録媒体、ICカード)を読み取り可能な読取装置15と、遊技カード18に記録された持点数に基づいて景品の交換処理を実行可能な景品交換装置3と、景品を遊技者に対して払出す払出処理を実行可能な景品払出装置39と、が並設される遊技場用のシステムである。
【0081】
この遊技場用システム1における読取装置15は、少なくとも2以上の遊技カード18を投入可能な開口部158と、少なくとも2以上の遊技カード18を一括で読取可能なカードR/W部165(読取手段)と、遊技カード18を発行するカード発行部163(発行手段)と、を備えている。景品交換装置3は、交換処理の結果、交換処理の対象にならなかった残りの遊技価値数である残持点数を示す残遊技価値情報を読取装置15に送信する送信手段を備えている。
【0082】
読取装置15が備えるカード発行部163は、景品交換装置3から受信した残持点数が記録された遊技カード18を発行する。発行する遊技カード18は、投入された遊技カード18のうちのいずれかの遊技カード18、または発行専用の専用カード(予め定められた所定の遊技カード)である。
【0083】
本例の遊技場用システム1は、少なくとも2以上の遊技カード18を一括して読み取って景品の交換処理を行うことができる。そして、この遊技場用システム1は、交換処理の結果、残持点が発生した際には、投入された遊技カード18のうちのいずれか、または専用カードに、残持点数を示す残遊技価値情報を記録して発行する。
【0084】
そのため、本例の遊技場用システム1によれば、複数の遊技カード18を所有する遊技者が景品の交換処理を容易に実行できると共に、交換処理の結果、残持点(残遊技価値)が発生した場合には、残持点数を示す残遊技価値情報が記録された遊技カード18を発行できる。この遊技場用システム1では、このように残持点数を示す残遊技価値情報が記録された遊技カード18が発行されるため、例えば、交換処理を行った遊技者が翻意して再遊技を所望する場合にスムースに遊技を再開できる。
【0085】
このように本例の遊技場用システム1は、遊技者が複数枚の遊技カード18を所有する場合であっても効率的に景品の交換処理を実行できると共に、交換処理中に翻意して再遊技を所望する遊技者にも対応できる、という遊技者側の利便性の高いシステムである。
【0086】
本例の遊技場用システム1は、貸出単価が異なる複数種類の種別毎の遊技価値(持点)に対応可能である。景品交換装置3は、投入された2以上の遊技カード18に記録された遊技価値情報が、複数種類の種別に亘っている場合にも交換処理を実行可能である。このように本例の遊技場用システム1では、複数の遊技カード18に複数の種別が記録されている場合であっても交換処理を実行できるので、複数の遊技カード18を所有する遊技者の利便性を損なうことなく景品の交換処理を実行できる。
【0087】
読取装置15が備えるカード発行部163(発行手段)は、投入された遊技カード18に会員カード(会員記録媒体)が含まれている場合、持点数を示す遊技価値情報および残持点数を示す残遊技価値情報のうち少なくともいずれか一方が記録された会員カードを発行する。本例の遊技場用システム1では、投入された遊技カード18に会員カードが含まれている場合、交換処理による残持点数を示す残遊技価値情報を会員カードに記録する貯玉処理が実行される。そのため、この遊技場用システム1によれば、複数の遊技カード18を所有する遊技者の利便性を損なうことなく景品交換と貯玉処理とを実行できる。
【0088】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例の遊技場用システム1は、交換処理の運用形態としてセルフ運用の形態を想定するシステムとなっている。これに代えて、従業員による交換処理を行う形態であってもよい。
【0089】
本例では、複数種別で交換処理を行う場合に、種別ごとの交換処理の結果、交換処理となる景品数を算出するようにしているが、予め基準となる種別を設定しておき、その基準の種別に対応する貸出単価に遊技価値を換算して交換処理を行うようにしてもよい。
【0090】
本例では、記録媒体としてICチップを内蔵する遊技カード18(ICカード)を例示している。記録媒体としては、遊技カード18に代えて、持点数を示す遊技価値情報が印字されたレシート、ICチップを内蔵するコイン、等を採用することもよい。その場合、レシートを記録媒体として利用する際には、レシートに記録された記録情報を読み取るスキャナを景品交換装置に設けると良い。
【0091】
読取装置15に代えて精算機57により遊技価値を読取り、景品交換装置3に送信するように構成してもよい。さらに、精算機57が読取装置15の機能を備えるようにしてもよい。その場合、複数の遊技カード18に記録される残高を合算して精算するようにしてもよい。
景品交換装置3に表示される交換結果を示す画面に各遊技カード18に割当てられるカードIDを表示してもよい。
【0092】
本例では、読取装置15に開放可能な開閉扉156を設けたが、開閉扉を設けることなく上部が開口するような構成であってもよい。
発行専用の専用カードを収納するために専用のカードストッカーを設けてもよいし、前回以前に読取られストック部に収容された遊技カードを、発行専用の専用カードとして利用してもよい。
【0093】
遊技者のカードユニット4での操作により対応する遊技機21が離席状態であることを遊技カード18に記録する場合、交換処理の実行時に離席状態を解除するか否かを景品交換装置3で確認するようにしてもよい。また、離席状態を解除しない場合でも対応する遊技カード18に持点及び残高のいずれも存在しない場合であれば離席状態を解除するとよい。ただし、複数の遊技機21が離席状態に設定されている場合は、当該離席状態を解除しその旨を報知する。
【0094】
一括して読み取った遊技カード18の枚数が予め定められた所定枚数以上であるとき、遊技場の管理者等にその旨を報知するようにしてもよい。
本例では、読取装置15の扉部として、ヒンジ機構157により開閉可能な開閉扉156を例示しているが、開口部158を開閉する扉として機能すればどのような構成の扉部であってもよい。例えば前後や左右にスライドして開閉する扉部であってもよい。また、複数の遊技カード18を回収し読み取ることができれば、読取装置15はどのような構成であってもよい。
【0095】
本例では、遊技媒体を払い出さず電子データとして加算記憶する封入式のパチンコ遊技機を例示したが、スロットマシンを遊技として設置してもよい。さらに、入賞に応じて遊技媒体である玉を払い出す払出式のパチンコ遊技機であってもよいし、遊技媒体としてメダルを利用する払出式のスロットマシンであってもよい。
【0096】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0097】
1 遊技場用システム
10 管理装置
15 読取装置
150 筐体
156 開閉扉(扉部)
158 開口部
153 カードスリット孔
159 コンベア(搬送手段)
161 カード投入部(投入部)
163 カード発行部(発行手段)
167 回収機構部
165 カードR/W部(読取手段)
18 遊技カード(記録媒体)
21 遊技機
3 景品交換装置(POS端末、交換処理手段、残遊技価値算出手段、送信手段)
30 本体
300 タッチパネル
39 景品払出装置
4 カードユニット(貸出計数装置)
50 遊技情報表示装置
500 場内ネットワーク
55、551 中継装置
57 精算機