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特開2024-88199柱脚構造、及び、その柱脚構造における施工方法
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  • 特開-柱脚構造、及び、その柱脚構造における施工方法 図1
  • 特開-柱脚構造、及び、その柱脚構造における施工方法 図2
  • 特開-柱脚構造、及び、その柱脚構造における施工方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088199
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】柱脚構造、及び、その柱脚構造における施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20240625BHJP
   E04B 1/20 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
E04B1/58 511A
E04B1/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203258
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 悠
(72)【発明者】
【氏名】梶本 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】八嶋 将司
(72)【発明者】
【氏名】山田 達也
(72)【発明者】
【氏名】平山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀人
(72)【発明者】
【氏名】奥出 久人
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 朋典
(72)【発明者】
【氏名】田垣 欣也
(72)【発明者】
【氏名】掛 悟史
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA04
2E125AA45
2E125AB11
2E125AB12
2E125AC02
2E125AE01
2E125AE04
2E125AG03
2E125AG06
2E125AG22
2E125AG27
2E125AG28
2E125AG38
2E125CA82
(57)【要約】
【課題】基礎部上にPCa柱を立設させるに当たり、基礎部の成を大きくすることなく、パンチング破壊を防止しながら、構造の簡素化を図る。
【解決手段】基礎部9上にPCa柱(プレキャスト柱)81を立設させる柱脚構造10において、PCa柱81の柱脚部101が、基礎部9の上下中間部にその柱脚部101の下端面が位置する状態で、基礎部9に埋め込まれ、PCa柱81の柱脚部101の下端面102よりも上方側には、PCa柱81の鉛直荷重を基礎部9に伝達させる支圧面部105が設けられ、その支圧面部105は、PCa柱81における基礎部9への埋め込み部分の外形形状によって形成されている。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎部上にPCa柱(プレキャスト柱)を立設させる柱脚構造において、
前記PCa柱の柱脚部が、前記基礎部の上下中間部にその柱脚部の下端面が位置する状態で、前記基礎部に埋め込まれ、
前記PCa柱の柱脚部の下端面よりも上方側には、前記PCa柱の鉛直荷重を前記基礎部に伝達させる支圧面部が設けられ、
その支圧面部は、前記PCa柱における基礎部への埋め込み部分の外形形状によって形成されている柱脚構造。
【請求項2】
前記PCa柱における基礎部への埋め込み部分の外形形状として、前記PCa柱における基礎部への埋め込み部分の上下途中部から下面部までを縮径する縮径形状としている請求項1に記載の柱脚構造。
【請求項3】
前記PCa柱の柱脚部における基礎部への埋め込み部分の側面部及び底面部には、前記PCa柱が移動するときに、前記基礎部との間に抵抗力を作用させる抵抗部が設けられている請求項1又は2に記載の柱脚構造。
【請求項4】
請求項1に記載の柱脚構造におけるPCa柱の柱脚部を基礎部に埋め込ませるための施工方法において、
前記基礎部の下方側部位にコンクリートを先行打設して前記基礎部の下方側部位を先行して構築する第1工程と、
前記基礎部の下方側部位におけるコンクリート強度が出た時点でその下方側部位上に前記PCa柱を建て込む第2工程と、
前記基礎部の上方側部位に前記PCa柱の柱脚部を埋設させる状態でコンクリートを打設して、前記基礎部の上方側部位とその上方側部位に連なる連続部位とを後行して構築する第3工程とを行う施工方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎部上にPCa柱(プレキャスト柱)を立設させる柱脚構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような柱脚構造として、PCa柱の柱脚部が、基礎部の上下中間部にその柱脚部の下端面が位置する状態で、基礎部に埋め込まれているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の柱脚構造では、基礎部の上面を開口させて柱建込穴を形成し、その柱建込穴にPCa柱の柱脚部を挿入し、柱建込穴とPCa柱の柱脚部との間の隙間に間詰コンクリートを打設することで、基礎部上にPCa柱を立設している。これにより、基礎部側の鉄筋とPCa側の鉄筋とを接続する機械式継手を無くすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-33470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の柱脚構造では、PCa柱の鉛直荷重を基礎部に伝達する場合に、基礎部におけるパンチング破壊を防止することが必要となる。しかしながら、PCa柱の柱脚部を基礎部に埋め込んでいるので、その柱脚部の下端面と基礎部の下端部との距離が小さくなる。そのために、基礎部の厚みを大きくしなければならず、それだけ基礎部の成が大きくなり、構造の複雑化を招くものとなる。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、基礎部上にPCa柱を立設させるに当たり、基礎部の成を大きくすることなく、パンチング破壊を防止しながら、構造の簡素化を図ることができる柱脚構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、基礎部上にPCa柱(プレキャスト柱)を立設させる柱脚構造において、
前記PCa柱の柱脚部が、前記基礎部の上下中間部にその柱脚部の下端面が位置する状態で、前記基礎部に埋め込まれ、
前記PCa柱の柱脚部の下端面よりも上方側には、前記PCa柱の鉛直荷重を前記基礎部に伝達させる支圧面部が設けられ、
その支圧面部は、前記PCa柱における基礎部への埋め込み部分の外形形状によって形成されている点にある。
【0008】
本構成によれば、PCa柱の柱脚部の下端面よりも上方側には、支圧面部が設けられ、この支圧面部にてPCa柱の鉛直荷重を基礎部に伝達することができるので、特許文献1に記載の柱脚構造と比較して、基礎部の厚みを大きくしなくても、基礎部におけるパンチング破壊を防止することができる。
【0009】
しかも、支圧面部は、基礎部に埋め込まれるPCa柱の埋め込み部分の外形形状によって形成されているので、柱脚構造として支圧面部を形成するためにコンクリート量を増大させることなく、外形形状を変更するという簡易な構造によって、支圧面部を形成することができる。よって、基礎部上にPCa柱を立設させるに当たり、基礎部の成を大きくすることなく、基礎部におけるパンチング破壊を防止しながら、構造の簡素化を図ることができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、前記PCa柱における基礎部への埋め込み部分の外形形状として、前記PCa柱における基礎部への埋め込み部分の上下途中部から下面部までを縮径する縮径形状としている点にある。
【0011】
本構成によれば、PCa柱の埋め込み部分に支圧面部を形成するに当たり、PCa柱の埋め込み部分に縮径形状を採用するので、PCa柱として、コンクリート量の低減を図りながら、簡易な構造を採用することができ、構造の簡素化を好適に図ることができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、前記PCa柱の柱脚部における基礎部への埋め込み部分の側面部及び底面部には、前記PCa柱が移動するときに、前記基礎部との間に抵抗力を作用させる抵抗部が設けられている点にある。
【0013】
本構成によれば、抵抗部は、PCa柱が移動するときに、基礎部との間に抵抗力を作用させることができるので、PCa柱の移動を抑制して、PCa柱の立設状態を適切に維持することができる。しかも、その抵抗部は、PCa柱の埋め込み部分の側面部と底面部とに設けるという簡易な構造が採用されているので、構造の簡素化を図りながら、PCa柱の立設状態を適切に維持することができる。
【0014】
本発明の第4特徴構成は、請求項1に記載の柱脚構造におけるPCa柱の柱脚部を基礎部に埋め込ませるための施工方法において、
前記基礎部の下方側部位にコンクリートを先行打設して前記基礎部の下方側部位を先行して構築する第1工程と、
前記基礎部の下方側部位におけるコンクリート強度が出た時点でその下方側部位上に前記PCa柱を建て込む第2工程と、
前記基礎部の上方側部位に前記PCa柱の柱脚部を埋設させる状態でコンクリートを打設して、前記基礎部の上方側部位とその上方側部位に連なる連続部位とを後行して構築する第3工程とを行う点にある。
【0015】
本構成によれば、PCa柱の柱脚部を基礎部に埋め込ませるための施工方法として、第1工程、第2工程、第3工程を順次行うことで、基礎部の下方側部位を先行して構築し、その基礎部の下方側部位におけるコンクリート強度が出た時点でPCa柱の建て込みを行うことができる。このように、PCa柱の建て込みを基礎部の上方側部位を構築する前の段階で行うことができるので、PCa柱の建て込みを早い段階で行うことができ、施工性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】建築物及び基礎部の全体概略を示す側面図
図2】PCa柱と基礎部とを示す側面図
図3】(A)PCa柱の柱脚部を基礎部に埋め込ませるための施工方法における第1工程を示す図、(B)PCa柱の柱脚部を基礎部に埋め込ませるための施工方法における第2工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る柱脚構造の実施形態について図面に基づいて説明する。
この柱脚構造は、例えば、図1に示すように、スタジアム1において、基礎部9上に柱81を立設させる柱脚構造10として用いられている。
【0018】
まず、スタジアム1について説明する。
図1に示すように、スタジアム1には、フィールド2と、そのフィールド2が位置する前方側から後方側に向けて上る方向に傾斜する床部3と、その床部3にて支持された観客席4と、その観客席4の上方側を覆う屋根構造体5とが備えられている。
【0019】
フィールド2には、転圧した盛土6が備えられている。転圧した盛土6の後方側には、土留壁部7が配設されており、この土留壁部7にて盛土6の後方側が支持されている。傾斜する床部3は、前方から後方に向けて上る階段状の段床部にて構成されており、複数の段床部の夫々に対して、観客席4が設置されている。ちなみに、図1では、観客席4の全てを図示しておらず、一部の観客席4のみ図示している。
【0020】
床部3は、図1に示すように、フィールド2側の最前床部31と、その最前床部31よりも後方側の後方床部32とに床部3を分離させる状態で備えられている。最前床部31は、フィールド2の盛土6の上部に設置された土間床部として備えられている。それに対して、後方床部32は、後方床部32を支持する後方床部支持構造体8、その後方床部支持構造体8を支持する基礎部9が備えられている。
【0021】
後方床部支持構造体8は、図1に示すように、複数の柱81、それら柱81同士を連結する梁82、前方側から後方側に向けて上る方向に傾斜する状態で延びる段梁83等が備えられている。この後方床部支持構造体8を支持する基礎部9の下方側には、柱81の配設箇所に相当する箇所に地盤改良体11が備えられている。この地盤改良体11は、基礎部9の下方側だけでなく、最前床部31の下方側にも、盛土6を介した形で備えられている。これにより、例えば、地盤が軟弱地盤であっても、基礎部9や最前床部31の沈下を防止することができる。
【0022】
屋根構造体5は、上弦材51、下弦材52、上弦材51と下弦材52とを連結する斜材53等が備えられたトラス状に構成されている。後方床部支持構造体8における複数の柱81のうち、一番後方側の柱81Aは、段梁83よりも上方側に延びており、その上端部には、屋根構造体5を支持する屋根支持部54が配設されている。屋根構造体5の後端部位には、屋根構造体5と柱81Aとを連結するバックステイ55が配設されている。
【0023】
このスタジアム1に用いられる柱脚構造10について説明する。
この柱脚構造10は、図1に示すように、後方床部支持構造体8における柱81を基礎部9上に立設させるための柱脚構造である。図2に示すように、柱脚構造10では、後方床部支持構造体8における柱81が、断面形状が矩形状のPCa柱(プレキャスト柱)81となっている。このPCa柱81は、内部に柱用鉄筋84を埋設させる状態で、例えば、工場等にて予め製造されている。PCa柱81を基礎部9上に立設させるに当たり、PCa柱81の柱脚部101が、基礎部9の上下中間部にその柱脚部101の下端面102が位置する状態で、基礎部9に埋め込まれている。ちなみに、図2は、図1において、1つの柱脚構造10を拡大したものである。
【0024】
基礎部9は、図2に示すように、後方床部支持構造体8の全体に亘るマットスラブとして備えられており、PCa柱81の配設箇所に対応して下方側に厚みを増大させた下方側部位91と、その下方側部位91の上方側に位置する上方側部位92と、その上方側部位92に対して横方向に連なる連続部位93とを有している。基礎部9には、下方側部位91と上方側部位92とに亘ってコ字状に配設された基礎用第1鉄筋94と、上方側部位92と連続部位93とに亘って直線状に配設された上下一対の基礎用第2鉄筋95とが備えられている。
【0025】
PCa柱81の柱脚部101は、その柱脚部101の下端面102が基礎部9の下方側部位91の上端面に相当する位置まで基礎部9に埋め込まれている。柱脚部101の下端面102と基礎部9の下方側部位91の上端面との間には、無収縮モルタル103が介在されている。PCa柱81の柱脚部101と基礎部9の上方側部位92とに亘ってダボ筋104が配設されている。このダボ筋104は、設計上必ず必要なものではなく、フェールセーフ的な面を考慮して備えられている。
【0026】
PCa柱81の柱脚部101の下端面102よりも上方側には、PCa柱81の鉛直荷重を基礎部9に伝達させる支圧面部105が設けられている。PCa柱81における基礎部9への埋め込み部分106の外形形状を、埋め込み部分106の上下途中部から下面部までを縮径する縮径形状とすることで、支圧面部105が形成されている。PCa柱81の埋め込み部分106は、基礎部9よりも上方側と同一の断面積を有する上方側部位106aと、その上方側部位106aよりも断面積を縮径させた下方側部位106bとを有している。支圧面部105は、埋め込み部分106における上方側部位106aと下方側部位106bとの間に形成された傾斜面にて構成され、その支圧面部105が、下方側ほど幅狭となる傾斜面となっている。
【0027】
PCa柱81の埋め込み部分106において、上方側部位106aと下方側部位106bとは、縮径された下方側部位106bがその大部分を占めており、上方側の残りのわずかが上方側部位106aとなっている。例えば、上方側部位106aの下端部(下方側部位106bの上端部)が、基礎部9の上方側に配設された基礎用第2鉄筋95よりも所定量だけ下方側に位置するように、上方側部位106aと下方側部位106bとが配設されている。
【0028】
このように、PCa柱81の埋め込み部分106において上方側部位106aと下方側部位106bとを配設することで、上方側部位106aと下方側部位106bとの間に形成される支圧面部105を、PCa柱81の埋め込み部分106において、より上方側に配設している。例えば、支圧面部105が、基礎部9の上方側に配設された基礎用第2鉄筋95よりも所定量だけ下方側となる位置に配設することができる。
【0029】
これにより、支圧面部105の位置をより上方側とすることができながら、支圧面部105にてPCa柱81の鉛直荷重を基礎部9に伝達することができる。よって、支圧面部105と基礎部9の下端部との間の距離をより大きく取ることができるので、基礎部9の厚みを大きくしなくても、基礎部9におけるパンチング破壊を防止することができ、基礎部9の成を小さくして、構造の簡素化を図ることができる。
【0030】
PCa柱81の柱脚部101を基礎部9に埋め込ませるための施工方法について説明する。
まず、図3(A)に示すように、基礎部9の下方側部位91にコンクリートを先行打設して基礎部9の下方側部位91を先行して構築する第1工程を行う。この第1工程では、基礎用第1鉄筋94の一部を埋設させる状態でコンクリートを打設することで、基礎部9の下方側部位91を構築している。ちなみに、基礎部9の下方側部位91の下部には、捨てコンクリート96等が備えられている。
【0031】
次に、図3(B)に示すように、基礎部9の下方側部位91におけるコンクリート強度が出た時点でその下方側部位91上にPCa柱81を建て込む第2工程を行う。この第2工程では、基礎部9の下方側部位91上にPCa柱81を建て込み、下方側部位91の上面部とPCa柱81の下面部との間に無収縮モルタル103を充填させている。
【0032】
次に、図2に示すように、基礎部9の上方側部位92にPCa柱81の柱脚部101を埋設させる状態でコンクリートを打設して、基礎部9の上方側部位92とその上方側部位92に連なる連続部位93とを後行して構築する第3工程を行う。この第3工程では、上下の基礎用第2鉄筋95及びダボ筋104を埋設させる状態でコンクリートを打設することで、基礎部9の上方側部位92と連続部位93とを構築している。
【0033】
第3工程にてコンクリートを打設するに当たり、PCa柱81の埋め込み部分106における下方側部位106bの下面部102(柱脚部101の下端面)及び側面部107(全周の4つの側面部)が凹凸形状に形成されていることから、その凹凸形状の下面部102及び側面部107を、縞鋼板型枠として用いている。ちなみに、下方側部位106bにおける下面部102及び側面部107の凹凸形状は、下方側部位106bを製造する際に下面部102及び側面部107に凹部や凸部を設けることで、下面部102及び側面部107を凹凸形状としている。これにより、第3工程にてコンクリートを打設する際には、下方側部位106bの下面部102及び側面部107を縞鋼板型枠として用いながら、コンクリートを打設して、上方側部位92と連続部位93とを構築している。
【0034】
下方側部位106bの下面部102(柱脚部101の下端面)及び側面部107が、縞鋼板型枠として構成されているので、PCa柱81が移動するときに、下方側部位106bの下面部102及び側面部107が、基礎部9との間に抵抗力(摩擦力)を作用させることができる。このようにして、下方側部位106bの下面部102の全面及び側面部107の全面が、抵抗部として備えられており、PCa柱81が移動しようとしても、抵抗力(摩擦力)を作用させて、PCa柱81の移動を適切に防止することができる。
【0035】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0036】
(1)上記実施形態では、PCa柱(プレキャスト柱)81の断面形状を矩形状としているが、例えば、円形状とすることもでき、PCa柱(プレキャスト柱)81の断面形状をどのような形状とするかは適宜変更が可能である。
【0037】
(2)上記実施形態では、PCa柱81の埋め込み部分106の上下途中部から下面部までを縮径する縮径形状とすることで、支圧面部105を形成しているが、支圧面部105を形成するに当たり、例えば、PCa柱81の埋め込み部分106を左右方向に膨出する膨出形状とすることもでき、PCa柱81の埋め込み部分106の外形形状をどのような形状とするかは適宜変更が可能である。
【0038】
(3)上記実施形態では、PCa柱81の柱脚部101を基礎部9に埋め込ませるための施工方法として、第1工程、第2工程、第3工程を順次行う施工方法を例示したが、施工状況等によって、どのような施工方法を採用するかは適宜変更可能である。
【0039】
(4)上記実施形態では、柱81をPCa柱とし、基礎部9の全体をコンクリートの現場打ちとしているが、例えば、基礎部9の下方側部位91等、基礎部9の一部をプレキャストコンクリートにて構成することもできる。
【符号の説明】
【0040】
10 柱脚構造
81 柱(PCa柱)
91 基礎部の下方側部位
92 基礎部の上方側部位
93 基礎部の連続部位
101 柱脚部
102 柱脚部の下端面、下方側部位の下面部(抵抗部)
105 支圧面部
106 埋め込み部分
107 下方側部位の側面部(抵抗部)
図1
図2
図3