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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088209
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 37/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
H01F37/00 G
H01F37/00 S
H01F37/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203270
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000217491
【氏名又は名称】ダイヤゼブラ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池辺 隆史
(57)【要約】
【課題】電子機器への組み込みが容易な電子部品の提供。
【解決手段】本電子部品2は、発熱体4とケース6とを備える。前記発熱体4は、前記ケース6の内部に位置する発熱要素24と、少なくとも一部が前記ケース6の外部に位置する天板14とを備える。前記天板14は、電子機器に対する前記発熱体4の位置を決めるための位置決め機構を有する。好ましくは、前記ケース6は上面に開口を有しており、前記天板14は前記開口を覆う蓋部18と、前記蓋部18から延び平面視において前記ケース6から突出している突起20とを備えており、前記位置決め機構は前記突起20に設けられた位置決め孔22である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に搭載される電子部品であって、
発熱体とケースとを備え、
前記発熱体が、前記ケースの内部に位置する発熱要素と、少なくとも一部が前記ケースの外部に位置する天板とを備え、
前記天板が、前記電子機器に対する前記発熱体の位置を決めるための位置決め機構を有する、電子部品。
【請求項2】
前記ケースが、上面に開口を有しており、
前記天板が、前記開口を覆う蓋部と、前記蓋部から延び平面視において前記ケースから突出している突起とを備えており、
前記位置決め機構が、前記突起に設けられた孔である、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記ケースが、前記ケースを前記電子機器に固定するための取付孔を有する、請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記発熱要素が、中央に孔を有する環状を呈しており、
前記ケースが、前記ケースの底から上方に延びる柱部をさらに備えており、
前記柱部が、前記発熱要素の孔に挿入されている、請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項5】
前記発熱要素がコイルを含む、請求項1又は2に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、電子部品を開示する。
【背景技術】
【0002】
電子機器には、トロイダルコイル、トランス等の、大きな発熱を伴う電子部品が使用されることがある。このような発熱性の電子部品では、樹脂組成物又は金属からなるケースに、実際に熱を発生する「発熱体」が格納された構造を呈している場合が多い。発熱性の電子部品の一例が、特開2011-210791公報で報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-210791公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子製品の製造において、ケースと発熱体とを組み合わせるときに、これらの間に位置合わせ誤差(ケースと発熱体との、所定の位置関係からのずれ)が生じることがある。電子部品を電子機器に搭載する際には、ケースが筐体等の電子機器の所定の位置に固定され、発熱体の端子が電子機器の回路基板の所定の端子に接続される。ケースを電子機器に固定したとき、ケースと発熱体との位置合わせ誤差のために、電子機器に対する発熱体の端子の位置に、ずれが生じることがある。このずれは、電子機器への電子部品の組み込みを困難にすることがある。
【0005】
本発明者の意図するところは、電子機器への組み込みを容易にしうる、電子部品の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本電子部品は、電子機器に搭載される。本電子部品は、発熱体とケースとを備える。前記発熱体は、前記ケースの内部に位置する発熱要素と、少なくとも一部が前記ケースの外部に位置する天板とを備える。前記天板は、前記電子機器に対する前記発熱体の位置を決めるための位置決め機構を有する。
【発明の効果】
【0007】
本電子部品では、発熱体は、ケースの外部に位置する天板を備える。この天板が、電子機器に対して位置決めをするための位置決め機構を有している。この電子部品では、電子機器に対する発熱体の位置を、ケースと発熱体との位置合わせ誤差に影響されることなく決めることができる。この電子部品は、電子機器への組み込みが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る電子部品が示された、斜視図である。
図2図2は、図1の電子部品の分解斜視図である。
図3図3は、図1の電子部品のIII-III線に沿った断面図である。
図4図4は、図1の電子部品が電子機器上に配置される様子が示された斜視図である。
図5図5は、図1の電子部品が電子機器に組み込まれた状態が示された、断面図である。
図6図6は、図1の電子部品が電子機器に組み込まれた状態が示された、図5とは異なる位置で切った断面図である。
図7図7は、他の実施形態に係る電子部品が示された、断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
【0010】
図1は、一実施形態に係る電子部品2が示された斜視図である。図1において、矢印Xはこの電子部品2の前方を表す。この逆方向が後方である。矢印Yはこの電子部品2の右方向を表す。この逆方向が左方向である。矢印Zはこの電子部品2の上方を表す。この逆方向が下方である。図2は、図1の電子部品2の分解斜視図である。図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。図1及び2で示されるように、この電子部品2は、トロイダルコイル4とケース6とを備える。図3に示されるように、この電子部品2は、トロイダルコイル4とケース6との隙間に、充填体9を備える。
【0011】
図2に示されるように、トロイダルコイル4は、コア10とワイヤ12と天板14とを備える。図2では全体は見えていないが、コア10は環状を呈している。即ち、図3で示されるように、コア10は、中央に上下(コア10の軸方向)に貫通する孔8を備えている。コア10は、表面が樹脂組成物で覆われた磁性体よりなる。好ましい磁性体として、フェライト、ダスト及び珪素鋼が例示される。ワイヤ12は、コア10の外周に螺旋状に巻かれている。ワイヤ12は、典型的には銅からなる。なお図3では、コア10とワイヤ12は、簡略化されて示されている。図3では、コア10及びワイヤ12は、一つの断面として示されている。
【0012】
図1に示されるように、天板14はケース6の外側に位置している。この実施形態では、天板14の全体が、ケース6の外側に位置している。天板14の一部がケース6の内部に位置していてもよい。図2に示されるように、天板14は、コア10の上に載せられている。天板14は、蓋部18と突起20と端子16とを備えている。この実施形態では、蓋部18は、平面視において円形である。蓋部18は、平面視において円形でなくてもよい。蓋部18は、平面視において楕円形でもよく、多角形であってもよい。蓋部18は、後述するケース6の開口19を覆う。蓋部18の中央には、孔34が設けられている。
【0013】
突起20は、蓋部18から、蓋部18の径方向外側に延びている。この実施形態では、突起20は二つ存在する。突起20の数は、一つであってもよく、三つ以上であってもよい。それぞれの突起20は、ケース6よりも径方向外側まで延びている。平面視において、それぞれの突起20は、ケース6の外側に突出している。突起20には、上下に貫通する位置決め孔22が設けられている。蓋部18と突起20とは、一体として形成されている。蓋部18と突起20とが別々に形成されていてもよい。
【0014】
端子16は、蓋部18の上面に位置している。蓋部18の上面に、複数の端子16が存在している。端子16は、ワイヤ12と電気的に接続している。外部から、端子16を介してワイヤ12に通電される。コア10に巻かれたワイヤ12に通電されることで、トロイダルコイル4は発熱する。トロイダルコイル4は、発熱体4である。発熱体4のうち、実際に発熱を引き起こす部分は発熱要素と称される。この実施形態では、コア10及びワイヤ12は発熱要素24である。
【0015】
ケース6は、内部に空間を有する。ケース6は、この空間内に、発熱要素24を格納している。この実施形態では、図2で示されるように、ケース6は円筒状である。ケース6は、上面に開口19を有する。ケース6は、絶縁性である。この実施形態では、ケース6は樹脂組成物よりなる。ケース6の好ましい材質として、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)及びPET(ポリエチレンテレフタレート)が例示される。なお、本明細書では、物質が「絶縁性」であるとは、当該物質の電気伝導率が10-6S/m以下であることを指す。ここで「S」は抵抗「Ω(オーム)」の逆数(ジーメンス)を表し、mは距離(メートル)を表す。
【0016】
ケース6は、胴部26と突起部30とを備える。胴部26は、筒状を呈する。突起部30は、胴部26の下側の端に位置する。ケース6の半径方向において、突起部30は、胴部26から外側に突出している。この実施形態では、二つの突起部30が設けられている。三つ以上の突起部30が設けられていてもよい。それぞれの突起部30には、取付孔32が設けられている。胴部26と突起部30とは、一体として形成されている。胴部26と突起部30とが別々に形成されていてもよい。
【0017】
充填体9は、コア10及びワイヤ12と、ケース6との隙間を埋める。充填体9は、コア10の中央の孔8を埋める。図3の実施形態では、充填体9は、天板14とケース6との間に充填されている。充填体9は、絶縁性である。この実施形態では、充填体9は熱硬化性樹脂からなる。充填体9として、常温で硬化する樹脂が使用されてもよい。好ましくは、熱伝導率が大きな樹脂が選択される。さらに、ケース6内の隙間の隅々まで樹脂で埋めるために、充填体9の材質として、粘度が低い樹脂が選択される。好ましい充填体9として、エポキシ樹脂が例示される。
【0018】
この電子部品2の製造では、ケース6及びトロイダルコイル4が準備される。このケース6に、発熱要素24であるコア10及びワイヤ12が挿入され、天板14がケース6の上面に載せられる。ケース6内に、発熱要素24が格納される。トロイダルコイル4は、ケース6に対して所定の位置に配置される。天板14の蓋部18の孔34から、液状の熱硬化性樹脂が流し込まれる。熱硬化性樹脂は、ケース6とトロイダルコイル4との隙間を埋める。熱硬化性樹脂は、加熱され硬化される。これにより、充填体9が形成される。これにて電子部品2が得られる。
【0019】
得られた電子部品2は、電子機器に搭載される。図4には、電子部品2が電子機器の筐体38に配置される様子が示されている。この実施形態では、筐体38は、上方に延びるピン44を備えている。このピン44は、電子部品2の位置決め用である。この実施形態では、二つのピン44が設けられている。筐体38には、電子部品2を固定するためのネジ穴46も設けられている。この実施形態では、二つのネジ穴46が設けられている。図4で示されるように、電子部品2が筐体38上に配置されたとき、それぞれのピン44の先端が、対応する突起20の位置決め孔22に挿入される。
【0020】
電子機器の放熱器にピンが設けられ、電子部品2が放熱器に載せられていてもよい。電子機器の他の放熱効果が高い部分にピンが設けられ、電子部品2がこの部分に載せられてもよい。
【0021】
筐体38上に配置された電子部品2は、次にネジ40で筐体38に固定される。さらにトロイダルコイル4の端子16が、電子機器の回路基板42の端子と接続される。図5及び6は、この状態が示された断面図である。
【0022】
図5で示された電子部品2の断面は、図3と同様に、図1のIII-III線に沿った断面である。これは、ケース6の突起部30が存在する位置における、断面である。電子部品2は、ケース6の底面が筐体38に接触するように配置されている。ネジ40は、取付孔32を通して筐体38のネジ穴46に挿入されている。このネジ40により、電子部品2が筐体38に固定される。
【0023】
図6は、電子機器を図5とは別の位置で切った断面図である。図6で示された電子部品2の断面は、図1のVI-VI線に沿った断面である。これは、天板14の突起20が存在する位置における、断面である。図6に示されるように、筐体38のピン44の先端が、対応する突起20の位置決め孔22に挿入されている。この挿入により、電子機器の筐体38に対する、トロイダルコイル4の端子16の位置が決められる。これにより、筐体38に対して位置が固定されている、電子機器の他の部分に対するトロイダルコイル4の端子16の位置も決まる。例えば、電子機器の回路基板42に対するトロイダルコイル4の端子16の位置が決まる。天板14の突起20の位置決め孔22は、電子機器に対するトロイダルコイル4の位置を決める、位置決め機構を構成している。
【0024】
図5及び図6で示されるように、回路基板42は、電子部品2の上側に位置している。天板14の端子16が、この回路基板42の所定の端子と接続している。この実施形態では、回路基板42の端子はスルーホールとして実現されており、トロイダルコイル4の端子16が、このスルーホールに挿入されている。これにより回路基板42からトロイダルコイル4への通電が可能となる。
【0025】
以下では、本実施形態の作用効果が説明される。
【0026】
本実施形態の電子部品2では、発熱体4は、ケース6の外部に位置する天板14を備える。この天板14は、電子機器に対して位置決めをするための、位置決め機構を有している。この実施形態では、位置決め機構として、天板14は位置決め孔22を有している。例えばこの位置決め孔22に電子機器のピン44を通すように電子部品2を電子機器に配置することにより、電子機器に対する発熱体4の位置を決めることができる。この実施形態では、筐体38に対するトロイダルコイル4の端子16の位置が決められ、これにより回路基板42等の、電子機器の他の部分に対するトロイダルコイル4の端子16の位置が決まる。この発熱体4の位置は、ケース6と発熱体4との位置合わせ誤差に影響されない。このため、ケース6と発熱体4との位置合わせ誤差が発生しても、例えば発熱体4の端子16の位置と、回路基板42の端子の位置とのずれが抑えられる。これは、電子部品2の電子機器への組み込みを容易にする。
【0027】
この実施形態では、天板14は、平面視において、ケース6から突出している突起20を備えており、この突起20に位置決め孔22が設けられている。このため、突起20の位置決め孔22に電子機器のピン44を挿入するのに、ケース6は邪魔にならない。これは、電子部品2の電子機器への組み込みを容易にする。
【0028】
電子機器に対する発熱体4の位置を精度良く決めるとの観点から、突起20の数は2以上が好ましい。発熱体4の電子機器への配置を容易にするとの観点から、突起20の数は4以下が好ましい。
【0029】
この実施形態では、ケース6は突起部30を有し、この突起部30に電子機器に固定するための取付孔32を有している。ネジ40を、取付孔32を通して電子機器のネジ穴46に挿入することで、電子部品2は電子機器に堅固に固定できる。
【0030】
この実施形態では、取付孔32の内径は、ネジ40の呼び径よりも大きい。上記のとおり、電子機器に対する発熱体4の位置は、位置決め孔22によって決まる。ケース6と発熱体4との位置合わせ誤差により、ケース6の取付孔32の中心位置と、電子機器のネジ穴46の中心位置とに、ずれが生じる可能性がある。取付孔32の内径をネジ40の呼び径よりも大きくすることで、ケース6の取付孔32の中心位置と、電子機器のネジ穴46の中心位置とがずれた場合でも、ネジ40を取付孔32を通して電子機器のネジ穴46に挿入することができる。これは、電子部品2の電子機器への組み込みを容易にする。なお、ネジ40の頭部の外径は、取付孔32を通過できない大きさに設定される。このネジ40の頭部が、電子部品2を電子機器に堅固に固定する。
【0031】
図7は、他の実施形態に係る電子部品50が示された断面図である。この電子部品50は、トロイダルコイル52(発熱体52)とケース54とを備える。図7に示されるように、この電子部品50は、発熱体52とケース54との隙間に、充填体53を備えている。この電子部品50の発熱体52は、図1の電子部品2のトロイダルコイル4と同じである。
【0032】
図7に示されるように、ケース54は、内部に空間を有する。ケース54は、この空間内に、発熱体52の発熱要素56(コア及びワイヤ)を格納している。この実施形態では、ケース54は円筒状である。ケース54は、上面に開口を有する。ケース54は、絶縁性である。この実施形態では、ケース54は樹脂組成物よりなる。ケース54の好ましい材質として、PBT、PPS及びPETが例示される。
【0033】
ケース54は、胴部58と、突起部60と、柱部62とを備える。胴部58は、筒状を呈する。突起部60は、胴部58の下側の端に位置する。ケース54の半径方向において、突起部60は、胴部58から外側に突出している。それぞれの突起部60には、取付孔が設けられている。この実施形態では、柱部62は、胴部58の底の中央に位置する。柱部62は、胴部58の底から上方に延びている。図7の断面において、柱部62は、略錐台の形状を呈する。柱部62は、胴部58と一体として形成されている。柱部62が、胴部58と別々に形成されていてもよい。
【0034】
図7で示されるように、柱部62は、発熱体52の発熱要素56の中央の孔64に挿入されている。柱部62の上端での柱部62の外径は、発熱要素56の孔64の内径(底面から見たときの、コアに巻かれたワイヤも含めた発熱要素56の孔64の内径)と、実質的に同じとされている。柱部62の上端での柱部62の外径は、発熱要素56の孔64の内径よりも小さくてもよい。発熱要素56と、柱部62との間に隙間があってもよい。この場合、発熱要素56と、柱部62との間の隙間には、充填体53が入り込んでいる。
【0035】
本実施形態の電子部品50では、ケース54が底面から延びる柱部62を備え、柱部62がコアとワイヤからなる発熱要素56の孔64に挿入されている。これにより、発熱体52のケース54に対する位置が、所望の位置からずれることが抑えられている。発熱体52とケース54との位置合わせ誤差が、低減される。これは、電子部品50の電子機器への組み込みを容易にする。
【0036】
本実施形態の電子部品50では、柱部62が発熱要素56の孔64の一部を埋めるため、充填体53を形成するための樹脂の量が抑えられている。これは、電子部品50のコストの低減に寄与する。
【0037】
柱部62の材料として、充填体53よりも熱伝導率の高い樹脂組成物が使用されてもよい。この柱部62は、発熱要素56からの熱の放出に効果的に寄与する。この電子部品50は。放熱性に優れる。
【0038】
上記の実施形態では、位置決め機構として、天板の突起に孔が設けられた。電子機器のピンがこの孔に挿入されることで、発熱体の電子機器に対する位置が決められた。位置決め機構として、天板の突起にピンが設けられていてもよい。このピンを、電子機器に設けられた位置決め用の孔に挿入することで、発熱体の電子機器に対する位置が決められてもよい。
【0039】
上述の実施形態では、ケースの内部には、発熱体としてトロイダルコイルが格納されていた。発熱体は、トロイダルコイルに限られない。発熱体が、リアクトル又はトランスであってもよく、抵抗器であってもよい。発熱体が、その他の素子であってもよい。
【0040】
以上説明されたとおり、この電子部品では、電子機器への組み込みが容易である。このことから、本実施形態の優位性は明らかである。
【0041】
[開示項目]
以下の項目は、好ましい実施形態の開示である。
【0042】
[項目1]
電子機器に搭載される電子部品であって、
発熱体とケースとを備え、
前記発熱体が、前記ケースの内部に位置する発熱要素と、少なくとも一部が前記ケースの外部に位置する天板とを備え、
前記天板が、前記電子機器に対する前記発熱体の位置を決めるための位置決め機構を有する、電子部品。
【0043】
[項目2]
前記ケースが、上面に開口を有しており、
前記天板が、前記開口を覆う蓋部と、前記蓋部から延び平面視において前記ケースから突出している突起とを備えており、
前記位置決め機構が、前記突起に設けられた孔である、項目1に記載の電子部品。
【0044】
[項目3]
前記ケースが、前記ケースを前記電子機器に固定するための取付孔を有する、項目1又は2に記載の電子部品。
【0045】
[項目4]
前記発熱要素が、中央に孔を有する環状を呈しており、
前記ケースが、前記ケースの底から上方に延びる柱部をさらに備えており、
前記柱部が、前記発熱要素の孔に挿入されている、項目1から3のいずれかに記載の電子部品。
【0046】
[項目5]
前記発熱要素がコイルを含む、項目1から4のいずれかに記載の電子部品。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明された電子部品は、種々の電子機器に適用されうる。
【符号の説明】
【0048】
2、50・・・電子部品
4、52・・・トロイダルコイル(発熱体)
6、54・・・ケース
9、53・・・充填体
10・・・コア
12・・・ワイヤ
14・・・天板
16・・・端子
18・・・ケースの開口
20・・・突起
22・・・位置決め孔
24、56・・・発熱要素
26、58・・・胴部
30、60・・・突起部
32・・・取付孔
34・・・天板の孔
38・・・筐体
40・・・ネジ
42・・・回路基板
44・・・ピン
46・・・ネジ穴
62・・・柱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7