(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088213
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】センサーユニット、及び、水栓
(51)【国際特許分類】
E03C 1/05 20060101AFI20240625BHJP
E03C 1/042 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
E03C1/05
E03C1/042 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203274
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大介
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA05
2D060BB01
2D060BC30
2D060BE07
2D060BF03
2D060CA04
2D060CC03
(57)【要約】
【課題】吐水管にセンサーユニットをより強固に固定する。
【解決手段】センサーユニット20は、周面に開口部13aを有する吐水管13の開口部13aに取り付けて用いられる。センサーユニット20は、ネジ孔21aを有するセンサーユニット本体21と、ネジ孔33aを有する固定用部材30と、ネジ40とを備える。固定用部材30は、開口部13aから脱落しないように吐水管13に配置されている。ネジ40が、センサーユニット本体21のネジ孔21aに挿入されつつ、固定用部材30のネジ孔33aに螺合していることによって、センサーユニット20は、吐水管13の開口部13aに取り付けられている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に開口部を有する吐水管の前記開口部に取り付けて用いられるセンサーユニットであって、
ネジ孔を有するセンサーユニット本体と、ネジ孔を有する固定用部材と、ネジとを備え、
前記固定用部材は、前記開口部から脱落しないように前記吐水管に配置されており、
前記ネジが、前記センサーユニット本体のネジ孔に挿入されつつ、前記固定用部材のネジ孔に螺合していることによって、前記開口部に取り付けられていることを特徴とするセンサーユニット。
【請求項2】
前記固定用部材は、溝部を有しており、
前記溝部が前記開口部の周縁に係合することによって、前記固定用部材は、前記開口部から脱落しないように構成されている請求項1に記載のセンサーユニット。
【請求項3】
前記吐水管は、前記開口部の周縁に切欠きを有しており、
前記溝部は、前記切欠きに係合している請求項2に記載のセンサーユニット。
【請求項4】
前記吐水管は、前記開口部とは別に貫通孔を有しており、
前記固定用部材は、前記貫通孔を挿通する軸部と、前記貫通孔の内径よりも径が大きい鍔部とを有し、
前記鍔部が前記吐水管の内側に位置しつつ、前記軸部が前記貫通孔を挿通していることによって、前記固定用部材は、前記開口部から脱落しないように構成されている請求項1に記載のセンサーユニット。
【請求項5】
前記固定用部材は、前記吐水管の外側から前記軸部に嵌め込まれる嵌め込み部を有する請求項4に記載のセンサーユニット。
【請求項6】
前記固定用部材は、前記吐水管の内側において、前記開口部の周縁に当接する当接部を有しており、
前記当接部が前記開口部の周縁に当接することによって、前記固定用部材は、前記開口部から脱落しないように構成されている請求項1に記載のセンサーユニット。
【請求項7】
前記固定用部材は、前記吐水管の内側に配置される筒状部を有する請求項6に記載のセンサーユニット。
【請求項8】
周面に開口部を有する吐水管と、前記開口部に取り付けられた請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサーユニットとを備えることを特徴とする水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーユニット、及び、水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自動水栓装置について記載している。
図22に示すように、自動水栓装置60は、壁部61に設置される台座62と、台座62上に取り付けられる吐水管63と、吐水管63に取り付けられるセンサー64とを有している。また、自動水栓装置60は、リード線65を介してセンサー64に接続されるコントローラ(図示省略)と、コントローラによって制御される電磁弁(図示省略)とを有している。コントローラと電磁弁は、壁部61の下方に位置する。
【0003】
センサー64は、吐水管63の周面に形成された長孔63aに、ケーシング66を介して取り付けられている。吐水管63にセンサー64を取り付ける際には、ケーシング66にセンサー64を収容する。さらに、センサー64に接続されたリード線65を、吐水管63の長孔63aから吐水管63の内部に挿通させて、壁部61の下方に位置するコントローラに接続する。ケーシング66のネジ孔66aにネジ67を挿入する。このネジ67を吐水管63の周壁に形成されたネジ孔63bに螺合させることによって、ケーシング66を吐水管63に接続する。以上の手順によって、センサー64は吐水管63に取り付けられる。
【0004】
自動水栓装置60を使用する際は、使用者がセンサー64に手をかざすと、センサー64からの信号がコントローラに送られて、電磁弁の開閉状態が制御される。電磁弁の開閉状態を制御することによって、吐水管63からの吐止水を切り換えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の水栓としての自動水栓装置60は、上述のように、吐水管63の周壁にネジ孔63bが形成されており、このネジ孔63bにネジ67を螺合させることによって、吐水管63にケーシング66を接続している。吐水管63の周壁の厚さは相対的に薄いため、周壁のネジ孔63bに対して、ネジ67を強固に螺合させるために十分なネジ込み代を確保することが難しい。そのため、吐水管63に、ケーシング66とセンサー64とを有するセンサーユニットを強固に固定することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのセンサーユニットは、周面に開口部を有する吐水管の前記開口部に取り付けて用いられるセンサーユニットであって、ネジ孔を有するセンサーユニット本体と、ネジ孔を有する固定用部材と、ネジとを備え、前記固定用部材は、前記開口部から脱落しないように前記吐水管に配置されており、前記ネジが、前記センサーユニット本体のネジ孔に挿入されつつ、前記固定用部材のネジ孔に螺合していることによって、前記開口部に取り付けられていることを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、固定用部材のネジ孔を、吐水管の開口部にセンサーユニットを取り付けるためのネジを螺合させるネジ孔として用いることができる。吐水管の周壁の厚さよりもネジ孔の深さを大きくすることができるため、ネジを強固に螺合させるために十分なねじ込み代を確保することができる。そのため、吐水管にセンサーユニットをより強固に固定することができる。
【0009】
上記構成において、前記固定用部材は、溝部を有しており、前記溝部が前記開口部の周縁に係合することによって、前記固定用部材は、前記開口部から脱落しないように構成されていることが好ましい。この構成によれば、固定用部材の溝部を吐水管の開口部の周縁に係合させるという簡単な構成によって、固定用部材を、開口部から脱落しないようにすることができる。
【0010】
上記構成において、前記吐水管は、前記開口部の周縁に切欠きを有しており、前記溝部は、前記切欠きに係合していることが好ましい。この構成によれば、切欠きの形状を固定用部材の溝部の形状に沿った形状にして、固定用部材を開口部に取り付けやすくすることができる。
【0011】
上記構成において、前記吐水管は、前記開口部とは別に貫通孔を有しており、前記固定用部材は、前記貫通孔を挿通する軸部と、前記貫通孔の内径よりも径が大きい鍔部とを有し、前記鍔部が前記吐水管の内側に位置しつつ、前記軸部が前記貫通孔を挿通していることによって、前記固定用部材は、前記開口部から脱落しないように構成されていることが好ましい。この構成によれば、固定用部材の鍔部が吐水管の内側に位置しつつ、固定用部材の軸部を吐水管の貫通孔に挿通させるという簡単な構成によって、固定用部材を開口部から脱落しないようにすることができる。
【0012】
上記構成において、前記固定用部材は、前記吐水管の外側から前記軸部に嵌め込まれる嵌め込み部を有することが好ましい。この構成によれば、より確実に、固定用部材を開口部から脱落しないようにすることができる。
【0013】
上記構成において、前記固定用部材は、前記吐水管の内側において、前記開口部の周縁に当接する当接部を有しており、前記当接部が前記開口部の周縁に当接することによって、前記固定用部材は、前記開口部から脱落しないように構成されていることが好ましい。この構成によれば、固定用部材の当接部を吐水管の内側において開口部の周縁に当接させるという簡単な構成によって、固定用部材を、開口部から脱落しないようにすることができる。
【0014】
上記構成において、前記固定用部材は、前記吐水管の内側に配置される筒状部を有することが好ましい。この構成によれば、吐水管の内部において、固定用部材の位置決めを行いやすくなる。
【0015】
上記課題を解決するための水栓は、周面に開口部を有する吐水管と、前記開口部に取り付けられた上記のセンサーユニットとを備えることを要旨とする。
この構成によれば、上記の効果を奏す水栓とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のセンサーユニット、及び、水栓によれば、吐水管にセンサーユニットをより強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】
図2は、吐水管に取り付けられた第1実施形態のセンサーユニットの斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態のセンサーユニットの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の固定用部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の固定用部材の別角度の斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態のセンサーユニット本体の斜視図である。
【
図7】
図7は、吐水管の開口部に第1実施形態の固定用部材を取り付けた状態の斜視図である。
【
図8】
図8は、吐水管に第1実施形態のセンサーユニットを取り付ける途中の断面図である。
【
図9】
図9は、吐水管に第1実施形態のセンサーユニットを取り付けた状態の断面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態のセンサーユニットの分解斜視図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の固定用部材における嵌め込み部を嵌め込んだ状態の斜視図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態の固定用部材における嵌め込み部を嵌め込む前の状態の斜視図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態のセンサーユニット本体の斜視図である。
【
図14】
図14は、吐水管の貫通孔に第2実施形態の固定用部材を取り付け、嵌め込み部を嵌め込む前の斜視図である。
【
図15】
図15は、吐水管の貫通孔に第2実施形態の固定用部材を取り付け、嵌め込み部を嵌め込んだ後の斜視図である。
【
図16】
図16は、吐水管に第2実施形態のセンサーユニットを取り付けた状態の断面図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態のセンサーユニットの分解斜視図である。
【
図18】
図18は、第3実施形態の固定用部材の斜視図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態の固定用部材の別角度の斜視図である。
【
図20】
図20は、第3実施形態のセンサーユニット本体の斜視図である。
【
図21】
図21は、吐水管に第3実施形態のセンサーユニットを取り付けた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
センサーユニットの第1実施形態を説明する。
図1に示すように、水栓10は、キッチンキャビネットのカウンタである壁部11に設置されている。水栓10は、筒状の水栓本体12と、水栓本体12の上部に取り付けられたグースネック状の吐水管13と、水栓本体12の側部に取り付けられたレバーハンドル14とを有する。また、水栓10は、吐水管13の先端に着脱可能に取り付けられた吐水ヘッド15を有する。吐水管13は、水栓10の手前側に位置する先端部に吐水口13gを有する。吐水ヘッド15にはホース(図示省略)が接続されており、ホースは、吐水口13gから吐水管13内を摺動する。また、水栓10は、吐水管13に取り付けられて、人体等を非接触で検出可能なセンサーユニット20を有する。
【0019】
水栓本体12は、内部に弁部材(図示省略)を有する。弁部材には、給水源に接続された給水用の配管と、給湯源に接続された給湯用の配管と、吐水用の配管(いずれも図示省略)とが接続されている。
【0020】
給水用の配管と給湯用の配管は、水栓本体12から壁部11に設けられた貫通孔(図示省略)を通って下方に延び、給水源と給湯源とに接続されている。
吐水用の配管は、水栓本体12から壁部11に設けられた貫通孔を通って下方に延び、電磁弁(図示省略)に接続されている。
【0021】
電磁弁における吐水用の配管に接続された側の端部とは反対側の端部に、吐水用のホース(図示省略)が接続されている。このホースは、壁部11に設けられた貫通孔を通って水栓本体12の内部を通り、吐水管13に収容されている。
【0022】
吐水管13が有するセンサーユニット20において、人の手等が検出されると、その検出に基づく信号が電磁弁の開閉状態を制御する制御部(図示省略)に伝達される。そして、制御部によって、吐水口13gからの吐止水を切り換えるように電磁弁が動作する。これにより、水栓10をセンサー式水栓として使用することができる。
【0023】
図2、3に示すように、吐水管13は、周面に略長方形状の開口部13aを有している。また、開口部13aの周縁に切欠き13bを有している。具体的には、吐水管13は、開口部13aの下端部における左右方向の中央部に、下方に凸となる切欠き13bを有している。切欠き13bは、開口部13aの一部を構成するものとする。切欠き13bの周縁の形状は、後述する固定用部材30の溝部30aの外形に沿った形状になっている。
【0024】
なお、以下では、吐水管13の開口部13aの位置を基準にして、吐水管13の軸方向に沿う先端側を前後方向の前方とし、基端側を前後方向の後方とする。また、水栓10が壁部11に設置された状態を手前側から見て、吐水管13の右側を左右方向の右方とし、吐水管13の左側を左右方向の左方とする。また、吐水管13の径方向における手前側を上下方向の上方とし、奥側を上下方向の下方とする。
【0025】
以下では、センサーユニット20の詳細について説明する。
図2、3に示すように、センサーユニット20は、ネジ孔21aを有するセンサーユニット本体21と、ネジ孔33aを有する固定用部材30と、ネジ40とを備える。センサーユニット20は、吐水管13の開口部13aに取り付けて用いられる。
【0026】
<固定用部材>
図4、5に示すように、固定用部材30は、筒状の本体部33を有する。また、本体部33の軸方向に沿う一端側の端部である上端部に第1鍔部31を有する。また、本体部33の軸方向に沿う他端側の端部である下端部に第2鍔部32を有する。本体部33の内周がネジ溝を有するネジ孔33aとなっている。本体部33の軸方向に沿う長さは、吐水管13の周壁13cの厚さよりも大きく構成されている。
【0027】
第1鍔部31と第2鍔部32は、本体部33の前方側と、左右両側とにおいて、本体部33の径方向外側に突出している。
図5に示すように、本体部33の後端部側に、第1鍔部31と第2鍔部32は形成されてなく、第1鍔部31と第2鍔部32の後端部は、本体部33の後端部と面一になっている。
【0028】
本体部33の軸方向に沿って、言い換えれば上下方向に沿って固定用部材30を見た際に、本体部33、第1鍔部31、及び第2鍔部32は、前方側が凸となるように湾曲している。また、本体部33、第1鍔部31、及び第2鍔部32の後端部は、左右方向に略直線状に延びている。
【0029】
上下方向において、第1鍔部31と第2鍔部32は、一定の間隔をおいて設けられており、第1鍔部31と第2鍔部32の間に溝部30aが形成されている。溝部30aの形状は、後述する吐水管13の開口部13aが有する切欠き13bの周縁の形状と略等しくなっている。また、溝部30aの幅は、吐水管13の周壁13cの厚さと略等しいか、周壁13cの厚さよりも若干大きくなっている。溝部30aの幅は、吐水管13の周壁13cの厚さよりも若干小さくなっていて、溝部30aが吐水管13の周壁13cに無理嵌めされるように構成されていてもよい。
【0030】
固定用部材30を前方から見ると、固定用部材30は、左右両外側が若干上方に位置するように湾曲している。固定用部材30が上記のように湾曲していることによって、固定用部材30を吐水管13の開口部13aに取り付けた際に、吐水管13の周壁13cの形状に沿った状態で取り付けることができる。
【0031】
固定用部材30の材質は特に制限されない。固定用部材30の材質としては、例えば樹脂を採用することができる。ネジ孔33aのネジ溝部分は、金属製であることが好ましい。例えば、内周にネジ溝が形成された金属製の筒状体を用意し、この筒状体の外周に樹脂を一体成形することによって、固定用部材30を製造してもよい。
【0032】
<センサーユニット本体>
図6に示すように、センサーユニット本体21は、矩形板状に構成されている。センサーユニット本体21を前方から見ると、センサーユニット本体21は、左右方向の中央部が下方に凸となるように湾曲している。センサーユニット本体21が上記のように湾曲していることによって、センサーユニット本体21を吐水管13の開口部13aに取り付けた際に、吐水管13の周壁13cの形状に沿った状態で取り付けることができる。
【0033】
センサーユニット本体21は、左右両端部において、上下方向に延びる縦壁部21bを有する。センサーユニット本体21は、縦壁部21bの内部に、センサー(図示省略)を有しており、縦壁部21bに手等を近づけると、センサーによって検出することができるように構成されている。
【0034】
水栓10は、上記のセンサーユニット本体21を有することによって、複数種類の吐水を行うことができるように構成されていてもよい。例えば右側の縦壁部21bに原水の吐止水を切り換えるセンサーを配置し、左側の縦壁部21bに浄水の吐止水を切り換えるセンサーを配置してもよい。これにより、原水の吐水と浄水の吐水を切り換えることが可能になる。
【0035】
センサーの種類としては、特に制限されず、公知の非接触式のセンサーを採用することができる。公知の非接触式のセンサーとしては、例えば光電センサー、レーザーセンサー、赤外線センサー、電波センサー等が挙げられる。
【0036】
図6に示すように、センサーユニット本体21は、上面における前方側に、凹部21cを有している。凹部21cの形状は、固定用部材30の本体部33と第2鍔部32を収容することができるように、これらの形状に沿った形状を有している。また、センサーユニット本体21は、凹部21cの中央にネジ孔21aを有している。このネジ孔21aは、内周にネジ溝を有してなく、ネジ40を螺合させずに挿入することができるように構成されている。
【0037】
図3に示すように、センサーユニット本体21の下面側において、ネジ孔21aは、ネジ40のネジ頭を収容することができるように内径が大きく構成された収容部21a1を有する。ネジ孔21aにネジ40を挿入すると、ネジ頭が収容部21a1に収容されるとともに、ネジ溝がネジ孔21aを挿通して、センサーユニット本体21の凹部21cに突出する。
【0038】
図6に示すように、センサーユニット本体21は、凹部21cの後端部において、センサーユニット本体21の上面から上方に突出すると突出壁22を有する。また、センサーユニット本体21は、突出壁22よりも後方側において、センサーユニット本体21の上面から上方に突出するとともに、屈曲して後方に延びる屈曲壁23を有する。
【0039】
また、センサーユニット本体21は、突出壁22と屈曲壁23との間の位置から、センサーユニット本体21の上方に延びるリード線(図示省略)を有している。リード線は、吐水管13の内部を挿通して、壁部11の下方に位置する制御部に接続されている。
【0040】
<ネジ>
図3、6に示すように、ネジ40は、センサーユニット本体21のネジ孔21aに挿入した際に、ネジ頭が収容部21a1に収容される。また、センサーユニット本体21の凹部21cに突出して、固定用部材30のネジ孔33aが有するネジ溝に螺合することができるものを用いることができる。
【0041】
以下では、センサーユニット20を吐水管13の開口部13aに取り付ける手順について説明する。
<センサーユニットの取付け手順>
図3、7に示すように、まず、固定用部材30を、吐水管13の開口部13aに取り付ける。具体的には、吐水管13の切欠き13bの周縁に、固定用部材30の溝部30aが当接するように固定用部材30を取り付ける。そして、固定用部材30の第1鍔部31と第2鍔部32で吐水管13の周壁13cを挟持させる。これにより、固定用部材30は、切欠き13bから外れにくくなる。
【0042】
また、固定用部材30の溝部30aは、切欠き13bの周縁に係合した状態になる。固定用部材30の第1鍔部31が、吐水管13の内側に位置する状態になるため、吐水管13の径方向において、固定用部材30が下方に移動することが規制される。すなわち、固定用部材30は、開口部13aから脱落しないように吐水管13に配置される。
【0043】
図7に示すように、吐水管13の切欠き13bに固定用部材30を取り付けると、固定用部材30の後端部は、切欠き13bの部分を除いた開口部13aの周縁と面一となる。これにより、固定用部材30の後端部が、切欠き13bの部分を除いた開口部13a内に突出しない状態となる。これによって、開口部13a内の空間を効率良く利用することが可能になる。例えば、固定用部材30が、吐水管13の開口部13aを挿通するリード線に干渉することを抑制することができる。
【0044】
図8に示すように、センサーユニット本体21の屈曲壁23が、吐水管13の内側に配置されて、開口部13aの周縁に係合するようにセンサーユニット本体21を開口部13aに取り付ける。さらに、センサーユニット本体21の凹部21cに、固定用部材30の第2鍔部32を収容する。この状態で、固定用部材30のネジ孔33aと、センサーユニット本体21のネジ孔21aとが重なる位置となる。また、センサーユニット本体21の突出壁22が、固定用部材30の後端部に当接、もしくは近接する。
【0045】
図9に示すように、センサーユニット本体21の下方から、センサーユニット本体21のネジ孔21aにネジ40を挿入する。ネジ40は、ネジ頭が収容部21a1に収容されつつ、ネジ溝が凹部21cに突出する。ネジ40のネジ溝を、固定用部材30のネジ孔33aに螺合させる。なお、
図9では、ネジ40のネジ溝を省略している。
図16、21も同様にネジ40のネジ溝を省略している。
【0046】
以上の手順によって、センサーユニット20を、吐水管13の開口部13aに取り付けることができる。
センサーユニット20の突出壁22が、固定用部材30の後端部に当接、もしくは近接することによって、固定用部材30が後方側に移動することが規制される。すなわち、固定用部材30の溝部30aと、切欠き13bの周縁との係合状態が解除されることが抑制される。
【0047】
固定用部材30の溝部30aが、吐水管13の切欠き13bの周縁に係合し、さらに、センサーユニット本体21の屈曲壁23が吐水管13の開口部13aの周縁に係合している。これらによって、センサーユニット20は吐水管13の開口部13aに安定した状態で取り付けられる。
【0048】
<作用及び効果>
第1実施形態の作用について説明する。
図9に示すように、固定用部材30のネジ孔33aを、センサーユニット20を吐水管13の開口部13aに固定するためのネジ孔として用いている。吐水管13の周壁13cに直接、ネジ40を螺合させるネジ孔を形成する態様に比べて、ネジ込み代を大きく確保することが可能になる。そのため、ネジ40をより強固に螺合させることが可能になる。
【0049】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)センサーユニット20は、ネジ孔21aを有するセンサーユニット本体21と、ネジ孔33aを有する固定用部材30と、ネジ40とを備える。固定用部材30は、吐水管13の開口部13aから脱落しないように吐水管13に配置されている。ネジ40が、センサーユニット本体21のネジ孔21aに挿入されつつ、固定用部材30のネジ孔33aに螺合していることによって、センサーユニット20は開口部13aに取り付けられている。
【0050】
固定用部材30のネジ孔33aを、吐水管13の開口部13aにセンサーユニット20を取り付けるためのネジ40を螺合させるネジ孔として用いることができる。吐水管13の周壁13cの厚さよりもネジ孔33aの深さを大きくすることができるため、ネジ40を強固に螺合させるために十分なねじ込み代を確保することができる。したがって、吐水管13にセンサーユニット20をより強固に固定することができる。
【0051】
(1-2)固定用部材30は、溝部30aを有しており、溝部30aが吐水管13の開口部13aの周縁に係合することによって、固定用部材30は、開口部13aから脱落しないように構成されている。固定用部材30の溝部30aを吐水管13の開口部13aの周縁に係合させるという簡単な構成によって、固定用部材30を、開口部13aから脱落しないようにすることができる。
【0052】
(1-3)吐水管13は、開口部13aの周縁に切欠き13bを有しており、固定用部材30の溝部30aは、切欠き13bに係合している。切欠き13bの形状を固定用部材30の溝部30aの形状に沿った形状にして、固定用部材30を開口部13aに取り付けやすくすることができる。
【0053】
また、切欠き13bを除いた開口部13aの周縁を、固定用部材30を係合させるために用いていない。よって、切欠き13bを除いた開口部13aを有効に利用することが可能になる。例えば、固定用部材30が、吐水管13の開口部13aを挿通するリード線に干渉することを抑制することができる。
【0054】
<第2実施形態>
センサーユニット20の第2実施形態を説明する。
以下では、第1実施形態と異なる箇所について主に説明し、第1実施形態と重複する箇所は説明を省略する。
【0055】
図10に示すように、吐水管13は、開口部13aとは別に貫通孔13dを有している。固定用部材30は、貫通孔13dを挿通する軸部34と、貫通孔13dの内径よりも径が大きい鍔部35とを有している。鍔部35が吐水管13の内側に位置しつつ、軸部34が貫通孔13dを挿通していることによって、固定用部材30は、開口部13aから脱落しないように構成されている。
【0056】
以下では、センサーユニット20の詳細について説明する。
<固定用部材>
図11、12に示すように、固定用部材30は、筒状の軸部34と、軸部34の軸方向に沿う一端側の端部である上端部に鍔部35とを有する。軸部34の長さは、吐水管13の周壁13cの厚さよりも大きく構成されている。軸部34の外径は、吐水管13の貫通孔13dの内径よりも若干小さく構成されている。軸部34の外径は、吐水管13の貫通孔13dの内径と同程度であってもよく、貫通孔13dに無理嵌め状態で挿入できるように構成されていてもよい。軸部34の内周がネジ溝を有するネジ孔34aとなっている。
【0057】
また、固定用部材30は、鍔部35の先端部から、下方に折れ曲がって延びる嵌め込み部36を有する。嵌め込み部36の先端は環状に構成されている。また、嵌め込み部36は、長手方向の中央部を起点にして、さらに折り曲げ可能に構成されている。嵌め込み部36を折り曲げることによって、環状部分を軸部34の外周に嵌め込むことができるように構成されている。軸部34の外周には、全周に亘って外径が小さくなった段差部34bが設けられており、嵌め込み部36の環状部分は、この段差部34bに係合した状態で、軸部34に嵌め込まれる。
【0058】
<センサーユニット本体>
図13に示すように、センサーユニット本体21は、上面における前方側に、凹部21dを有している。この凹部21dの形状は、固定用部材30の軸部34と嵌め込み部36の環状部分を収容することができるように、これらの形状に沿った形状を有している。
【0059】
また、センサーユニット本体21は、凹部21dの略中央にネジ孔21aを有している。このネジ孔21aは、内周にネジ溝を有してなく、ネジ40を螺合させずに挿入することができるように構成されている。
【0060】
<センサーユニットの取付け手順>
図14に示すように、まず、固定用部材30を、吐水管13の開口部13aに取り付ける。具体的には、固定用部材30の軸部34を、吐水管13の内側から貫通孔13dに挿入する。吐水管13の内側において、固定用部材30の鍔部35が貫通孔13dの周縁に当接することによって、それ以上、固定用部材30の軸部34が吐水管13の外側に移動することが規制される。そして、軸部34の下端部が、貫通孔13dを挿通して吐水管13の外側に突出した状態になる。また、固定用部材30の嵌め込み部36が、吐水管13の開口部13a側から吐水管13の外側に吐出した状態になる。
【0061】
図15に示すように、嵌め込み部36の中央部を折り曲げて、吐水管13の外側から、固定用部材30の軸部34に嵌め込み部36の環状部分を嵌め込む。さらに、嵌め込み部36の環状部分を軸部34の段差部34bに係合させる。これにより、固定用部材30は、開口部13aから脱落しないように吐水管13に配置された状態になる。
【0062】
図16に示すように、センサーユニット本体21の屈曲壁23が、吐水管13の内側に配置されて、開口部13aの周縁に係合するようにセンサーユニット本体21を開口部13aに取り付ける。さらに、センサーユニット本体21の凹部21dに、固定用部材30の軸部34と嵌め込み部36を収容する。この状態で、固定用部材30のネジ孔34aと、センサーユニット本体21のネジ孔21aとが重なる位置となる。また、センサーユニット本体21の突出壁22が、固定用部材30の後端部に近接、もしくは当接する。
【0063】
図16に示すように、センサーユニット本体21の下方から、センサーユニット本体21のネジ孔21aにネジ40を挿入する。ネジ40は、ネジ頭が収容部21a1に収容されつつ、ネジ溝が凹部21dに突出する。ネジ40のネジ溝を、固定用部材30のネジ孔34aに螺合させる。
【0064】
以上の手順によって、センサーユニット20を、吐水管13の開口部13aに取り付けることができる。
<作用及び効果>
第2実施形態の作用について説明する。
【0065】
図16に示すように、固定用部材30のネジ孔34aを、センサーユニット20を吐水管13の開口部13aに固定するためのネジ孔として用いている。吐水管13の周壁13cに直接、ネジ40を螺合させるネジ孔を形成する態様に比べて、ネジ込み代を大きく確保することが可能になる。そのため、ネジ40をより強固に螺合させることが可能になる。
【0066】
第2実施形態の効果について説明する。
(2-1)吐水管13は、開口部13aとは別に貫通孔13dを有しており、固定用部材30は、貫通孔13dを挿通する軸部34と、貫通孔13dの内径よりも径が大きい鍔部35とを有する。鍔部35が吐水管13の内側に位置しつつ、軸部34が貫通孔13dを挿通していることによって、固定用部材30は、開口部13aから脱落しないように構成されている。
【0067】
したがって、固定用部材30の鍔部35が吐水管13の内側に位置しつつ、固定用部材30の軸部34を吐水管13の貫通孔13dに挿通させるという簡単な構成によって、固定用部材30を開口部13aから脱落しないようにすることができる。
【0068】
(2-2)固定用部材30は、吐水管13の外側から軸部34に嵌め込まれる嵌め込み部36を有する。したがって、より確実に、固定用部材30を開口部13aから脱落しないようにすることができる。
【0069】
<第3実施形態>
センサーユニット20の第3実施形態を説明する。
以下では、第1実施形態や第2実施形態と異なる箇所について主に説明し、重複する箇所は説明を省略する。
【0070】
図17に示すように、吐水管13は、開口部13aとは別に貫通孔13eを有している。この貫通孔13eは、開口部13aよりも吐水管13の先端部側に位置する。また、この貫通孔13eは、内周にネジ溝を有してなく、ネジ40を挿通させることができるように構成されている。
【0071】
また、吐水管13は、開口部13aの周縁における吐水管13の基端部側の位置に、基端部側に凸となるように延びる切欠き13fを有している。具体的には、吐水管13は、開口部13aの後端部における左右方向の中央部に、後方に凸となる半円形状の切欠き13fを有している。切欠き13fは、開口部13aの一部を構成するものとする。切欠き13fの周縁の形状は、後述する固定用部材30の爪部37dの外形に沿っている。
【0072】
以下では、センサーユニット20の詳細について説明する。
<固定用部材>
図18、19に示すように、固定用部材30は、筒状部37を有する。筒状部37の外径は、吐水管13の周壁13cの内径よりも若干小さく構成されている。また、筒状部37は、軸方向が若干湾曲して延びている。後述のように、筒状部37は、吐水管13の先端部の吐水口13gから吐水管13の内部に挿入される。そして、吐水管13の周壁13cの内周に近接した状態、もしくは当接した状態で、吐水管13の内側に配置される。そのため、筒状部37は、吐水管13の湾曲状態に沿うように、軸方向が湾曲して延びている。
【0073】
また、筒状部37が筒状であることによって、筒状部37を吐水管13の周壁13cの内側に配置した際に、吐水管13の周壁13cの内側における筒状部37の位置がずれにくくなる。そのため、吐水管13の周壁13cの内側における筒状部37の位置決めを行いやすくなる。
【0074】
筒状部37は、周面に開口部37aを有する。この開口部37aは、吐水管13の開口部13aと略同じ大きさになっている。筒状部37は、筒状部37の開口部37aよりも前方側に、ネジ孔38を有している。筒状部37は、ネジ孔38の位置において、筒状部37の内周側に吐出する柱状部37bを有する。柱状部37bの内周にネジ溝が形成されており、柱状部37bの内周が全体としてネジ孔38となっている。このネジ孔38の深さは、吐水管13の周壁13cの厚さよりも大きく構成されている。
【0075】
筒状部37の開口部37aは、開口部37aの後端部側の周縁から、さらに後方に向かって直線状に延びる切欠き37cを有する。切欠き37cは、左右方向に間隔をおいて2つ形成されている。筒状部37は、開口部37aの後端部側の周縁における2つの切欠き37cの間の位置に、筒状部37の径方向外側である下方に延びる爪部37dを有する。爪部37dは、筒状部37を吐水管13の内周に配置した際に、吐水管13の切欠き13f内に収容される。
【0076】
また、筒状部37は、爪部37dの左右両側に切欠き37cを有しているため、爪部37dの位置を筒状部37の径方向に沿って弾性的に変位させることができる。
<センサーユニット本体>
図20に示すように、センサーユニット本体21は、上面における前方側に、ネジ孔24を有している。このネジ孔24は、内周にネジ溝を有してなく、ネジ40を螺合させずに挿入することができるように構成されている。
【0077】
また、センサーユニット本体21は、ネジ孔24よりも後方側において、センサーユニット本体21の上面から上方に突出するとともに、屈曲して後方に延びる屈曲壁25を有する。この屈曲壁25は、後述のように、固定用部材30の筒状部37における開口部37aの周縁に係合する。
【0078】
図17に示すように、センサーユニット本体21の下面側において、ネジ孔24は、ネジ40のネジ頭を収容することができるように内径が大きく構成された収容部24aを有する。ネジ孔24にネジ40を挿入すると、ネジ頭が収容部24aに収容されるとともに、ネジ溝がネジ孔24を挿通して、センサーユニット本体21の上面側に突出する。
【0079】
<センサーユニットの取付け手順>
図21に示すように、まず、固定用部材30の筒状部37を、吐水管13の先端部に位置する吐水口13gから挿入する。具体的には、筒状部37を、筒状部37の後方側から、吐水管13の吐水口13gに挿入する。その際、筒状部37の開口部37aの周縁に位置する爪部37dは、筒状部37の径方向内側に弾性変形した状態となる。さらに、筒状部37を、吐水管13の基端部側に向かって移動させると、筒状部37の爪部37dが、吐水管13の開口部13aに重なる位置において、弾性変形した状態から復元する。
【0080】
さらに、筒状部37を、吐水管13の基端部側に向かって移動させると、爪部37dが、吐水管13の開口部13aにおける後端部側の切欠き13fに当接して、切欠き13f内に収容される。そして、それ以上、筒状部37が吐水管13の基端部側に移動することが規制される。仮に、この状態から、筒状部37の位置が吐水管13の先端部側にずれても、爪部37dが、吐水管13の開口部13aにおける前端部側の周縁に当接する位置で筒状部37の移動は規制される。すなわち、固定用部材30の爪部37dによって、固定用部材30は、吐水管13の開口部13aにおける前後方向の長さの範囲内に移動が制限される。固定用部材30の位置ずれが小さくなるため、センサーユニット20の組付けを行いやすくなる。
【0081】
爪部37dが、吐水管13の開口部13aの切欠き13fに収容されることによって、爪部37dは、切欠き13fを除いた開口部13aの周縁に突出しない状態になる。そのため、開口部13a内の空間を効率良く利用することができる。
【0082】
また、筒状部37における開口部37aの周縁が、吐水管13の開口部13aの周縁上に当接しているため、吐水管13の開口部13aから、筒状部37が脱落することが抑制されている。言い換えれば、固定用部材30が、吐水管13の開口部13aから脱落しないように吐水管13に配置された状態になる。
【0083】
筒状部37における開口部37aの周縁に位置する箇所が、吐水管13の内側において、吐水管13の開口部13aの周縁に当接する当接部として機能する。また、筒状部37のネジ孔38が、吐水管13の貫通孔13eと重なる位置となる。
【0084】
図21に示すように、次に、センサーユニット本体21の屈曲壁25が、固定用部材30の筒状部37の内側における開口部37aの周縁に係合するようにセンサーユニット本体21を開口部37aに取り付ける。すると、センサーユニット本体21のネジ孔24が、筒状部37のネジ孔38と、吐水管13の貫通孔13eとに重なる位置となる。
【0085】
図21に示すように、センサーユニット本体21の下方から、センサーユニット本体21のネジ孔24にネジ40を挿入する。ネジ40は、ネジ頭が収容部24aに収容されつつ、ネジ溝が吐水管13の周壁13cの内側に突出する。ネジ40のネジ溝を、固定用部材30のネジ孔38に螺合させる。
【0086】
以上の手順によって、センサーユニット20を、吐水管13の開口部13aに取り付けることができる。
<作用及び効果>
第3実施形態の作用について説明する。
【0087】
図21に示すように、固定用部材30の筒状部37のネジ孔38を、センサーユニット20を吐水管13の開口部13aに固定するためのネジ孔として用いている。吐水管13の周壁13cに直接、ネジ40を螺合させるネジ孔を形成する態様に比べて、ネジ込み代を大きく確保することが可能になる。そのため、ネジ40をより強固に螺合させることが可能になる。
【0088】
第3実施形態の効果について説明する。
(3-1)固定用部材30は、吐水管13の内側において、吐水管13の開口部13aの周縁に当接する当接部を有している。当接部が開口部13aの周縁に当接することによって、固定用部材30は、開口部13aから脱落しないように構成されている。したがって、固定用部材30の当接部を吐水管13の内側において開口部13aの周縁に当接させるという簡単な構成によって、固定用部材30を、開口部13aから脱落しないようにすることができる。
【0089】
(3-2)固定用部材30は、吐水管13の内側に配置される筒状部37を有する。したがって、吐水管13の内部において、固定用部材30の位置決めを行いやすくなる。また、筒状部37が、筒状の形状であることによって、吐水管13の周壁13c内において、他の部材に干渉しにくくなる。そのため、周壁13c内の空間を有効に利用することができる。
【0090】
(3-3)固定用部材30の爪部37dによって、固定用部材30は、吐水管13の開口部13aにおける前後方向の長さの範囲内に移動が制限される。したがって、センサーユニット20の組付けを行いやすくなる。
【0091】
<変更例>
第1~第3実施形態は、以下のように変更して実施することができる。第1~第3実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0092】
・第1~第3実施形態において、センサーユニット本体21は、屈曲壁23、25を有していたが、屈曲壁23、25は省略されていてもよい。
・第1~第3実施形態において、センサーユニット20は、固定用部材30とネジ40を1つずつ有していたが、この態様に限定されない。センサーユニット20は、複数の固定用部材30と、複数のネジ40を有していてもよい。すなわち、センサーユニット本体21が、複数の固定用部材30と、複数のネジ40とによって、吐水管13に固定されていてもよい。
【0093】
・第1実施形態において、固定用部材30の溝部30aは、吐水管13の開口部13aの周縁に設けられた切欠き13bに係合していたが、この態様に限定されない。吐水管13の開口部13aの切欠き13bは省略されていてもよい。固定用部材30の溝部30aが、吐水管13の開口部13aの周縁に係合していてもよい。
【0094】
・第2実施形態において、固定用部材30は、嵌め込み部36が省略されていてもよい。また、軸部34は、段差部34bを有していなくてもよい。
固定用部材30は、嵌め込み部36が省略されていても、例えば、軸部34を吐水管13の貫通孔13dに無理嵌め状態で嵌め込むことによって、固定用部材30を、貫通孔13dから抜け落ちないようにすることができる。これにより、固定用部材30を開口部13aから脱落しないように吐水管13に配置することができる。
【0095】
また、固定用部材30の軸部34が、無理嵌め状態で吐水管13の貫通孔13dに嵌め込まれていなくても、鍔部35が吐水管13の内側に当接することによって、単純な重力による固定用部材30の脱落を防ぐことができる。
【0096】
・第3実施形態において、固定用部材30は、筒状部37を有していたが、この態様に限定されない。筒状部37は、筒状でなくてもよい。吐水管13の内周に部分的に沿うように湾曲した板状に構成されていてもよい。
【0097】
・第3実施形態において、固定用部材30の爪部37dは省略されていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
13…吐水管、13a…開口部、20…センサーユニット、21…センサーユニット本体、21a…ネジ孔、30…固定用部材、33a…ネジ孔、40…ネジ。