IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

<>
  • 特開-立ち乗り式移動体の通知装置 図1
  • 特開-立ち乗り式移動体の通知装置 図2
  • 特開-立ち乗り式移動体の通知装置 図3
  • 特開-立ち乗り式移動体の通知装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088252
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】立ち乗り式移動体の通知装置
(51)【国際特許分類】
   B62K 17/00 20060101AFI20240625BHJP
   G09B 9/058 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B62K17/00
G09B9/058 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203333
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】中島 彩優子
(72)【発明者】
【氏名】富澤 克美
(72)【発明者】
【氏名】田替藤 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 紀行
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BB08
3D212BB13
3D212BB24
3D212BB44
3D212BB53
3D212BB66
3D212BB74
3D212BB76
(57)【要約】
【課題】ユーザがより安全に立ち乗り式移動体を運転できるようにする技術を提供する。
【解決手段】ユーザが起立した状態で走行する立ち乗り式移動体が安定して走行できているか否かを判定する判定部102と、立ち乗り式移動体が安定して走行できていない旨の判定結果に基づいて、運転中のユーザに立ち乗り式移動体の運転に対するアドバイスの通知を行う通知部103と、を備える、立ち乗り式移動体の通知装置100である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが起立した状態で走行する立ち乗り式移動体が安定して走行できているか否かを判定する判定部と、
前記立ち乗り式移動体が安定して走行できていない旨の判定結果に基づいて、運転中の前記ユーザに前記立ち乗り式移動体の運転に対するアドバイスの通知を行う通知部と、
を備える、
立ち乗り式移動体の通知装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記アドバイスの通知として、前記立ち乗り式移動体を安定して走行させるための運転技術を通知する、
請求項1に記載の立ち乗り式移動体の通知装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記ユーザによる前記立ち乗り式移動体のハンドルの扱い方に基づいて、運転中の前記ユーザが緊張しているか否かを判定し、
前記通知部は、前記緊張している旨の判定結果に基づいて、運転中の前記ユーザに緊張を和らげるアドバイスの通知を行う、
請求項1に記載の立ち乗り式移動体の通知装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記立ち乗り式移動体が特定の道路を走行している特定道路走行状態であるか否かを判定し、
前記通知部は、前記特定道路走行状態である旨の判定結果に基づいて、運転中の前記ユーザに、その走行している道路に対する運転の注意点のアドバイスを通知する、
請求項1に記載の立ち乗り式移動体の通知装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記立ち乗り式移動体が安定して走行できている旨の判定結果に基づいて、運転中の前記ユーザに前記運転に対するアドバイスの通知を行う、
請求項1から4のいずれか1項に記載の立ち乗り式移動体の通知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立ち乗り式移動体の通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗員が起立した状態で走行する立ち乗り式移動体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-151032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
立ち乗り式移動体の運転にはある程度の慣れが必要な場合がある。そのため、例えば立ち乗り式移動体を初めて利用するユーザや運転に自信がないユーザは、立ち乗り式移動体の操作を誤ってしまって安定して走行させることができない場合がある。
【0005】
上記を鑑み、本発明の目的は、ユーザがより安全に立ち乗り式移動体を運転できるようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の立ち乗り式移動体の通知装置は、ユーザが起立した状態で走行する立ち乗り式移動体が安定して走行できているか否かを判定する判定部と、前記立ち乗り式移動体が安定して走行できていない旨の判定結果に基づいて、前記立ち乗り式移動体の運転に対するアドバイスの通知を行う通知部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本実施形態の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本実施形態の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザがより安全に立ち乗り式移動体を運転できるようにする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る立ち乗り式の電動二輪車の構成を概略的に例示する図である。
図2】実施形態に係る通知装置の機能ブロック図である。
図3】実施形態に係る通知装置の処理のフローチャートである。
図4】判定結果に応じた通知の内容を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態
図1は、本実施形態に係る立ち乗り式の電動二輪車1の構成を概略的に例示する図である。図1の電動二輪車1は、両端に左右の把持部11が設けられたハンドル10と、一端にハンドル10が設けられ、他端に前輪20Aが設けられたハンドルフレーム12と、前輪20Aから後輪20Bにかけて延在するメインフレーム13と、メインフレーム13に設けられた収容部40と、ハンドルフレーム12に設けられた通知装置100と、を備える。メインフレーム13の前輪側の端部には軸部14が設けられており、ハンドルフレーム12は軸部14に相対回転可能に支持される。収容部40は、走行のための駆動力を発生する電動機41と、電動機41及び通知装置100等に電源を供給する充電式のバッテリ42と、を収容する。収容部40の上面には、乗車したユーザが起立した状態において足を載置する乗車部43が設けられる。本実施形態の電動二輪車1は、電動機で発生した駆動力が後輪に伝達されることにより走行可能である。本実施形態の電動二輪車1は、ユーザが起立した状態で走行する立ち乗り式移動体の一例である。
【0011】
又、電動二輪車1は、乗車部43に加わる重量を検出する重量センサ31と、ハンドル10の舵角を検出する舵角センサ32と、電動二輪車1の加速度を検出する加速度センサ33と、ユーザが把持部11を握る力を検出する握力センサ34と、を備える。なお、センサの種類はこれに限定されず、例えば角速度センサなどを用いてもよく、又、異なる種類のセンサを組合わせ用いてもよい。各センサ31~34の検出結果は、通知装置100に出力される。各センサ31~34が通知装置100に検出結果を出力するために、各センサ31~34と通知装置100とがケーブル(図示せず)で接続されている、又は各センサ31~34と通知装置100が無線通信を実行している。
【0012】
図2は、本実施形態に係る通知装置100の機能ブロック図である。通知装置100は、取得部101と、判定部102と、通知部103と、記憶部104と、を備える。これらの構成要素は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源として、CPU、ROM、RAM、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ISP(Image Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてファームウェアなどのプログラムが利用可能である。
【0013】
取得部101は、各センサ31~34の検出結果を取得する。判定部102は、電動二輪車1が安定して走行できているか否かを判定する。通知部103は、後述の各種通知を行う。本実施形態の通知部103は、スピーカ(不図示)を用いて通知を行うが、これに限定されず、例えばディスプレイを用いてもよい。又、通知部103は、ユーザの保有する携帯端末を介して通知したり、ユーザが装着するワイヤレスイヤホンとペアリングをして通知したりしてもよい。記憶部104は、通知装置100の各種処理を実行するためのプログラムを格納している。記憶部104は、各センサ31~34の検出結果を記憶する。
【0014】
図3は、本実施形態に係る通知装置100の処理S100のフローチャートである。
【0015】
ステップS101で、取得部101は、各センサ31~34の検出結果を取得する。
【0016】
ステップS102で、判定部102は、電動二輪車1が安定して走行できていないか否かを判定する。例えば、判定部102は、乗車部43に取り付けられた重量センサ31の検出した重量の変化に基づいて、ユーザが地面に足をついた頻度(単位時間当たりに地面に足をついた回数)を算出する。例えば、ステップS101で取得した重量がその運転開始時からの重量の平均値の半分以下になった時間が所定時間(例えば、3秒)未満の場合には、判定部102は、電動二輪車1がふらついてユーザが一時的に足をついたと判定する。上記半分以下になった時間が所定時間以上の場合には、判定部102は、信号待ちなどの要因と考えられるため停車していると判定する。判定部102は、足をついた回数が所定の回数(例えば、3回)を超えた場合、電動二輪車1が安定して走行できていないと判定する。以下、電動二輪車1が安定して走行できていない状態を不安定走行状態とし、電動二輪車1が安定して走行できている状態を安定走行状態という。
【0017】
ステップS103で、判定部102は、安定走行状態が所定時間(例えば、1分)継続している状態であるか否かを判定する。
【0018】
ステップS104で、判定部102は、ユーザによるハンドル10の扱い方に基づいて、ユーザが緊張しているか否かを判定する。以下、ユーザの緊張状態の判定手法について説明する。
【0019】
例えば、判定部102は、舵角センサ32によるハンドル10の舵角の検出結果に基づいて、ユーザが緊張していると判定する。具体的には、判定部102は、単位時間当たり(例えば、5秒間)に検出舵角が所定の角度(例えば、10°)以上になる回数が所定の回数(例えば、5回)以上である場合に、ハンドル10の操作が安定しないと判定し、ユーザが緊張していると判定する。緊張によりユーザの運転に余裕がないため、ハンドル10の操作が安定しないと考えられるためである。一方、例えば、判定部102は、単位時間当たり(例えば、5秒間)に検出舵角が所定の角度(例えば、20°)以上になる回数が所定の回数(例えば、2回)以下である場合には、右折又は左折の動作と判定し、ユーザが緊張していないと判定する。
【0020】
例えば、判定部102は、ハンドル10の左右の把持部11に取り付けられた握力センサ34によるユーザが把持部11を握る力の検出結果に基づいて、ユーザが緊張していると判定する。具体的には、判定部102は、ステップS101で取得した左右の各握力がその運転開始時からの左右の各握力の平均値よりも所定値以上大きくなった時間が所定時間以上継続した場合に、ユーザがハンドル10を強く握っていると判定し、ユーザが緊張していると判定する。緊張により手に力が入っているため、ユーザがハンドル10を強く握っていると考えられるためである。
【0021】
例えば、判定部102は、加速度センサ33の検出結果に基づいて、ユーザが緊張していると判定する。具体的には、判定部102は、ステップS101で取得した加速度が運転開始時からの加速度の平均値よりも所定値以上大きい場合又は小さい場合に、急加速又は急減速を行ったと判定する。又、判定部102は、急加速及び急減速のいずれかを行った回数が所定回数(例えば、4回)を超えた場合には、急加速又は急減速を頻発していると判定し、ユーザが緊張していると判定する。緊張により運転に余裕がなく、急加速又は急減速を頻発していると考えられるためである。
【0022】
ステップS105で、判定部102は、電動二輪車1が特定の道路を走行している特定道路走行状態であるか否かを判定する。本実施形態の特定道路走行状態は、例えば、電動二輪車1が坂道を走行している坂道走行状態と、電動二輪車1が未舗装路等の凹凸路を走行している凹凸路走行状態と、電動二輪車1が所定の旋回角度以上の急カーブ路を走行している急カーブ路走行状態と、を含む。例えば、判定部102は、舵角センサ32や加速度センサ33等の検出結果に基づいて、公知の方法を用いて、坂道走行状態、凹凸路走行状態、及び急カーブ路走行状態の少なくとも1つに該当するか否かを判定することができる。なお、道路には歩道(歩行者の通行のために構造的に区画された道路の部分)を含めてもよい。
【0023】
ステップS106で、判定部102は、ステップS102~S105の何れかの状態に該当しているか否かを判定する。何れかの状態に該当している場合(ステップS106のYes)、処理S100はステップS107に進む。何れかの状態に該当していない場合(ステップS106のNo)、処理S100は終了する。なお、判定部102は、ステップS102~S105の何れかだけを判定する実施形態でもよい。
【0024】
ステップS107で、通知部103は、該当する状態に応じた通知を行う。図4は、判定結果に応じた通知の内容を例示する。例えば、ステップS102で不安定走行状態であると判定された場合、通知部103は、「乗車部の上に安定して乗れるように意識してみましょう。」、「視線を前の方に向けてみましょう。」など、電動二輪車1を安定して走行させるための運転技術をアドバイスすることにより運転に対する不安を和らげる音声メッセージを通知する。ステップS103で安定走行状態が所定時間継続している状態であると判定された場合、通知部103は、「その調子です。」、「上手に運転できています。頑張って!」など、運転を褒める音声メッセージのアドバイスを通知する。ステップS104でハンドル10の操作が安定しないと判定された場合、「落ち着いていきましょう。」、「大丈夫ですよ。」など、ユーザの緊張を和らげることにより運転に対する不安を和らげる音声メッセージのアドバイスを通知する。ステップS104でハンドル10を強く握っていると判定された場合、「リラックスしましょう。」、「深呼吸して手や肩の力を少し抜いてみましょう。」など、ユーザの緊張を和らげることにより運転に対する不安を和らげる音声メッセージのアドバイスを通知する。ステップS104で急加減速が頻発していると判定された場合、「安全運転を心掛けましょう。」、「加速、減速は余裕をもって行いましょう。」など、運転のポイントをアドバイスしてユーザの緊張を和らげることにより運転に対する不安を和らげる音声メッセージのアドバイスを通知する。ステップS105で坂道走行状態であると判定された場合、「上り坂です。スピードを保つように意識してみましょう。」、「下り坂です。スピードの出し過ぎに注意しましょう。」など、坂道に対する運転の注意点をアドバイスして運転に対する不安を和らげる音声メッセージのアドバイスを通知する。ステップS105で凹凸路走行状態であると判定された場合、「しっかりハンドルを握りましょう。」、「地面に気を付けて運転しましょう。」など、凹凸路に対する運転の注意点をアドバイスして運転に対する不安を和らげる音声メッセージのアドバイスを通知する。ステップS105で急カーブ路走行状態であると判定された場合、「急カーブです。スピードの出し過ぎに注意しましょう。」「急カーブです。しっかり減速してハンドル操作に気を付けましょう。」など、急カーブ路に対する運転の注意点をアドバイスして運転に対する不安を和らげる音声メッセージのアドバイスを通知する。
【0025】
又、上記状態のうちの複数に該当する場合、例えば、通知部103は、該当する複数の状態に応じたメッセージを組み合わせた通知を行う。例えば、ステップS102で不安定走行状態であると判定され且つステップS104でハンドル10の操作が安定しないと判定された場合、通知部103は、「乗車部の上に安定して乗れるように意識してみましょう。落ち着いていきましょう。」、「視線を前の方に向けてみましょう。大丈夫ですよ。」などの音声メッセージを通知する。ステップS102で不安定走行状態であると判定され且つステップS105で坂道走行状態であると判定された場合、通知部103は、「上り坂です。乗車部の上に安定して乗れるように意識してみましょう。スピードを保つように意識してみましょう。」、「下り坂です。視線を前の方に向けてみましょう。スピードの出しすぎに注意しましょう。」などの音声メッセージを通知する。又、ステップS105で、電動二輪車1が特定の道路を走行している特定道路走行状態であると判定される場合において、ステップS102~S104の判定結果から、安定して走行できていると判定され、安定走行状態が所定時間継続している状態であると判定され、ユーザが緊張していないと判定される場合は、音声メッセージの通知を停止したり、音声メッセージの内容を変更したりしてもよい。
【0026】
ステップS107の後、処理S100は終了する。なお、ステップS106で何れかの状態に該当していないと判定された場合(ステップS106のNo)、通知は行われない。ステップS102~S105は、ステップS103がステップS102の後であれば、どのような順番でもよい。
【0027】
本実施形態では、通知部103は、電動二輪車1が安定して走行できていない旨の判定結果に基づいて、運転に対してユーザが感じる不安を和らげるアドバイスの通知を行う。本構成によると、ユーザが立ち乗り式の電動二輪車1の運転に慣れておらず運転に対して不安を感じている状態であっても、その不安を和らげることにより、ユーザが電動二輪車1をより安全に運転できるようになる。
【0028】
本実施形態では、通知部103は、上記不安を和らげるアドバイスの通知として、電動二輪車1安定して走行させるための運転技術を通知する。本構成によると、運転技術の観点からユーザの運転を支援することにより、運転中のユーザの感じる不安を効果的に和らげることができる。
【0029】
本実施形態では、判定部102は、ユーザによる電動二輪車1のハンドル10の扱い方に基づいて、運転中のユーザが緊張しているか否かを判定し、通知部103は、上記緊張している旨の判定結果に基づいて、運転中のユーザの緊張を和らげるアドバイスの通知を行う。本構成によると、運転中のユーザの緊張を和らげることにより、ユーザが電動二輪車1をより安全に運転できるようになる。
【0030】
本実施形態では、通知部103は、特定道路走行状態である旨の判定結果に基づいて、その走行している道路に対する運転の注意点のアドバイスを通知する。本構成によると、ユーザに注意点を確認させることによりユーザが特定道路を走行する際に感じる不安を和らげることができるため、ユーザが電動二輪車1をより安全に運転できるようになる。
【0031】
本実施形態では、通知部103は、電動二輪車1が安定して走行できている旨の判定結果に基づいて、運転を褒めるアドバイスの通知を行う。本構成によると、自身の運転に自信を持つことができるため、ユーザが電動二輪車1の適切な運転を継続しやすくなる。
【0032】
以下、変形例を説明する。
【0033】
本実施形態では、立ち乗り式移動体として電動二輪車1が例示されたが、これに限定されない。立ち乗り式移動体は、ユーザが乗車部43に足を置いて起立した状態で走行するものであればよく、例えば、電動式ではなくガソリンや水素などの特定の燃料を用いて駆動するものであってもよいし、一輪車や三輪車、四輪車などであってもよい。又、ユーザが基本的に起立した状態で走行するであればよく、例えば信号待ちなどで一時的に着座できるような着座部が立ち乗り式移動体に設けられていてもよい。
【0034】
本実施形態では、ステップS102で不安定走行状態であると判定された場合に、通知部103は、不安を和らげるアドバイスの通知として、「視線を前の方に向けてみましょう。」などの電動二輪車1を安定して走行させるための運転技術を通知したが、これに限定されない。例えば、「落ち着いていきましょう。」などのメッセージが通知されてもよい。
【0035】
本実施形態では、判定部102は、運転中にユーザが地面に足をついた回数が所定の回数を超えた場合に、不安定走行状態であると判定したが、これに限定されない。例えば、電動二輪車1が蛇行している場合に、不安定走行状態であると判定されてもよい。この場合、電動二輪車1が蛇行しているか否かは公知の技術により判断されればよい。
【0036】
本実施形態では、通知部103は、安定走行状態が所定時間(例えば、1分)継続している状態である場合に運転を褒めるアドバイスの通知を行ったが、これに限定されず、例えば、安定走行状態であると判定されたことに応答して運転を褒めるアドバイスの通知を行ってもよい。
【0037】
本実施形態では、通知装置100がハンドルフレーム12に取り付けられているが、これに限定されず、ハンドル10に設けられてもよいし、電動二輪車1の他の箇所に設けられてよい。
【0038】
例えば、電動二輪車1がGPS等を含むナビゲーションシステムを備え、交差点、ウェット路、凍結路等を検出できる場合には、特定道路走行状態は、電動二輪車1が交差点を曲がろうとしている交差点旋回走行状態、電動二輪車1がウェット路を走行しているウェット路走行状態、電動二輪車1が凍結路を走行している凍結路走行状態等を含んでもよい。交差点旋回走行状態であると判定された場合には、通知部103は、例えば、「サイドミラーや対向車両を確認してください。」などの注意点のアドバイスを通知してもよい。ウェット路走行状態や凍結路走行状態であると判定された場合には、通知部103は、例えば、「タイヤが滑りやすくなっておりますので走行速度やブレーキに注意してください。」などの注意点のアドバイスを通知してもよい。
【0039】
上記実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、又そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0040】
1 電動二輪車、 10 ハンドル、 11 把持部、 12 ハンドルフレーム、 13 メインフレーム、 20A 前輪、 20B 後輪、 31 重量センサ、 32 舵角センサ、 33 加速度センサ、 34 握力センサ、 40 収容部、 41 電動機、 42 バッテリ、 43 乗車部、 100 通知装置、 101 取得部、 102 判定部、 103 通知部、 104 記憶部。
図1
図2
図3
図4