(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088254
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】収容箱、収容箱の製造方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B01D53/26 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203335
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大輔
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA09
4D052CA02
4D052DA03
4D052DB01
4D052GA01
4D052GB00
4D052HA27
(57)【要約】
【課題】収容箱の内部に対する、外部からの水分の影響を低減する。
【解決手段】電子機器を収容し、換気口が設けられ、屋外に設置可能な収容箱であって、前記換気口に設けられ、水分を吸収することで膨張する膨張部材を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を収容し、換気口が設けられ、屋外に設置可能な収容箱であって、
前記換気口に設けられ、水分を吸収することで膨張する膨張部材を有する
収容箱。
【請求項2】
前記膨張部材に対して送風するファンを有する
請求項1に記載の収容箱。
【請求項3】
前記収容箱の外部の水分を検出する外部環境センサと、
前記外部環境センサの検出結果に基づいて、前記外部の環境が判定基準を満たすか否かに応じて前記ファンを制御する制御部と
を有する請求項2に記載の収容箱。
【請求項4】
前記制御部は、前記検出された外部の湿度が第1基準値よりも高いと判定された場合に前記ファンを駆動させる
請求項3に記載の収容箱。
【請求項5】
前記外部から前記収容箱の内部に前記膨張部材を介して通過する風量を検出する風量センサを有し、
前記制御部は、前記ファンが駆動しており、前記検出された風量が第2基準値よりも小さいと判定された場合には、前記ファンを停止させる
請求項4に記載の収容箱。
【請求項6】
前記収容箱の内部の湿度を検出する内部湿度センサを有し、
前記制御部は、前記検出された外部の湿度より前記検出された内部の湿度が高いと判定された場合には、前記ファンを駆動させる
請求項4に記載の収容箱。
【請求項7】
電子機器を収容し、換気口が設けられ、屋外に設置可能な収容箱の製造方法であり、
水分を吸収することで膨張する膨張部材を前記換気口に設ける
収容箱の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容箱、収容箱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電源装置やバッテリなどの各種電子機器を収容し、屋外に設置可能な収容箱がある。このような収容箱は主に金属製であり一定の強度を有し、内部の収容された電子機器を風雨から保護する。また、収容箱は、換気のための換気口を有するものもある。例えば、換気口は、給気用の換気口と、排気用の換気口とが設けられ、換気を行うことで、収容された電子機器から発生する熱による温度上昇を低減する(例えば特許文献1)。これらの換気口には、内部に虫等が侵入しないようにメッシュ部材が設けられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収容箱には電子機器が収容されているため、換気口が設けられていたとしても、外部からの雨や湿気等の水分の影響を受けにくくすることが望ましい。上述したメッシュ部材については、虫等の侵入を防止することができるが、雨の侵入や、湿気の侵入を低減するものではない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、収容箱の内部に対する、外部からの水分の影響を低減することができる収容箱、収容箱の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、電子機器を収容し、換気口が設けられ、屋外に設置可能な収容箱であって、前記換気口に設けられ、水分を吸収することで膨張する膨張部材を有する収容箱である。
【0007】
また、本発明の一態様は、電子機器を収容し、換気口が設けられ、屋外に設置可能な収容箱の製造方法であり、水分を吸収することで膨張する膨張部材を前記換気口に設ける収容箱の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、収容箱の内部に対する、外部からの水分の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の一実施形態による収容箱1の外観を示す斜視図である。
【
図3】換気口ユニット10とフード1cとを含む部分を拡大した断面図である。
【
図4】乾燥した状態における膨張部材10aの断面を示す概略図である。
【
図5】吸水した状態における膨張部材10aの断面を示す概略図である。
【
図6】制御部13と各部との関係を説明する概略ブロック図である。
【
図7】収容箱1における制御部13の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による収容箱について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による収容箱1の外観を示す斜視図である。
収容箱1は、内部に電子機器を収容する。収容される電子機器としては、例えば、電源装置、バッテリ、発電機、通信機器、制御装置等であってもよい。収容箱1は、金属製である。収容箱1は、内部に収容される電子機器を風雨等の外部環境から保護をする。
収容箱1は、屋外に設置可能である。収容箱1は、例えば、通信設備等の各種設備が設置された場所の近傍に設置される。収容箱1が設置される場所は、道路の近傍、山岳地域などであってもよい。
【0011】
収容箱1の外周の側面のうち1つの側面に扉1aが設けられる。扉1aにはハンドル1bが設けられており、このハンドル1bを操作することで、扉1aを開閉することができる。
収容箱1の側面にはフード1cが設けられる。フード1cは、上方や側方からの雨滴が収容箱1の内部に侵入しないように換気口1eを取り囲むように取り付けられる。また、フード1cは、風が収容箱1の内部に入り込むことを低減する。フード1cにおいて地面に対向する部分は開口されており、空気が通過できるようになっている。
この
図1においては、フード1cは、複数の側面のうち扉1aに設けられるが、他の側面に設けられていてもよく、複数設けられていてもよい。
【0012】
図2は、収容箱1のフード1cを通るようにしつつ、扉1aと当該扉1aの反対側の側面である背面を通るようにした概略の断面を示す断面図である。
フード1cの内側であって、扉1aに対して換気口1eが設けられる。換気口1eは、収容箱1の外部から内部に空気を吸気すること、及び収容箱1の内部から外部に空気を排気することが可能である。
【0013】
換気口ユニット10は、換気口1eに取り付けられる。
【0014】
外部環境センサ11は、収容箱1の外部の環境を検出する。外部環境センサ11は、例えば、雨滴の検出をするようにしてもよいし、湿度を検出するようにしてもよい。また、外部環境センサ11は、雨滴と湿度の両方を検出してもよい。
外部環境センサ11は、外部の環境(雨滴または湿度)を検出することができる位置であれば、いずれの位置に取り付けられてもよいが、例えば、フード1cの上方であって、収容箱1の外周面に取り付けられる。
【0015】
内部湿度センサ12は、収容箱1の内部の湿度を検出する。内部湿度センサ12は、内部の湿度を検出することができる位置であれば、いずれの位置に取り付けられてもよいが、例えば、収容箱1の内部であって背面1dの上方に取り付けられる。
【0016】
制御部13は、収容箱1の内部に設けられる。例えば制御部13は、扉1aの主面のうち、収容箱1の内部側の主面に設けられる。
【0017】
図3は、換気口ユニット10とフード1cとを含む部分を拡大した断面図である。
換気口ユニット10は、膨張部材10a、ファン10b、風量センサ10cを含む。
【0018】
膨張部材10aは、換気口1eに設けられる。この膨張部材10aは、換気口1eの開口部分の内周に沿って接するように設けられる。
膨張部材10aは、繊維状の部材であり、水分を吸収することで膨張し、膨張部材10aの繊維がお互いに接することで、収容箱1の外部と内部との間において空気や雨の通過を防止する。外気の湿度がある程度高くなった場合において膨張部材10aが膨張した場合には、空気の通過が抑制されることから、湿度がある程度高い外気が収容箱1の内部に入らないようにすることができ、収容箱1の内部に湿気が入りこむことを抑制することができる。また、雨が降っている場合には、外気の湿度がある程度高くなっていると推定されることから、この外気に含まれる水分を吸収することで膨張し、雨の侵入を防止することができる。また、仮に雨が風等の影響を受けてフード1cの内部に入り込んだ場合は、その雨が膨張部材10aに吸収されることで、膨張部材10aが膨張する。これにより、密閉状態とすることが可能となり、雨の侵入を防止することができる。
【0019】
また、膨張部材10aは、乾燥することで収縮し、膨張部材10aの繊維がお互いに離間することで、収容箱1の外部と内部との間において空気の通過を許容する。
【0020】
図4は、乾燥した状態における膨張部材10aの断面を示す概略図である。乾燥状態においては、繊維が収縮するため、繊維どうしの間において間隙が形成され、空気が通過することが可能な状態となる。
図5は、吸水した状態における膨張部材10aの断面を示す概略図である。吸水状態においては、繊維が膨張するため、繊維どうしの間における間隙が埋まり、空気や雨が通過しにくい、あるいは通過できない状態となる。
【0021】
膨張部材10aは、水分を吸収した後であっても、乾燥をすることで収縮し、吸水力が復元されるため、繰り返し使用することが可能である。
【0022】
このような膨張部材10aは、繊維に吸水性ポリマーが混ぜ込まれており、この吸水性ポリマーが水分を吸収することで膨張し、膨張部材10aにおける間隙を埋める。これにより、間隙が狭くなるにつれて収容箱1の外部と内部との間において空気(湿気など)や雨の通過を抑制し、そして間隙が埋まることで、空気や雨の通過を防止することができる。
膨張部材10aは、乾燥することで収縮し、膨張部材10aにおける間隙が形成される。これにより、間隙が広がるにつれて収容箱1の外部と内部との間において空気が通過しやすくなる。
【0023】
膨張部材10aは、水分の吸収による膨張と乾燥による収縮が可能なものであれば、繊維状でなくてもよく、例えば、粒状の吸水性ポリマーが容器に収容されたフィルタであってもよい。容器としては、布の袋、メッシュ状の籠等であってもよい。
なお、膨張部材10aは、例えば、共和ゴム株式会社から提供されている水膨張不織布を用いることができる。
【0024】
ファン10bは、膨張部材10aに対して送風する。ファン10bは、収容箱1の外部であって、フード1cの内周側に設けられる。
【0025】
図3に戻り、風量センサ10cは、収容箱1の内部であって膨張部材10aの近傍に設けられ、外部から収容箱1の内部に膨張部材10aを介して通過する風量を検出する。
【0026】
図6は、制御部13と各部との関係を説明する概略ブロック図である。
外部環境センサ11は、制御部13に電気的に接続される。内部湿度センサ12は、制御部13に電気的に接続される。ファン10bは、制御部13に電気的に接続される。風量センサ10cは、制御部13に電気的に接続される。
【0027】
制御部13は、外部環境センサ11の検出結果に基づいて、外部の環境が判定基準を満たすか否かに応じてファン10bを制御する。この判定基準は、例えば、雨滴が検出されたことであり、制御部13は、外部環境センサ11の検出結果が雨滴が検出されたことを表す場合には、外部の環境が判定基準を満たすと判定し、ファン10bを駆動させ、外部環境センサ11の検出結果が雨滴が検出されていないことを表す場合には、外部の環境が判定基準を満たしていないと判定し、ファン10bの駆動を停止させる。
また、この判定基準は、収容箱1の外部の湿度が第1基準値を超えていることであってもよく、制御部13は、検出された外部の湿度が第1基準値を超えているか否かを判定し、外部の湿度が第1基準値を超えていると判定された場合に、外部の環境が判定基準を満たしていると判定し、ファン10bを駆動させる。一方、制御部13は、検出された外部の湿度が第1基準値未満である場合に、外部の環境が判定基準を満たしていないと判定し、ファン10bの駆動を停止させる。
第1基準値は、予め決められた値であってもよく、例えば、雨が降ってきたと推定される湿度に応じた値であってもよいし、収容箱1に収容される電子機器に対する湿度の影響を低減することを想定して決められた値であってもよい。
【0028】
制御部13は、風量センサ10cによって検出された風量が第2基準値よりも小さいか否かを判定する機能を有し、ファン10bが駆動している状態において、風量センサ10cによって検出された風量が第2基準値よりも小さいと判定された場合には、ファン10bを停止させる。
第2基準値は、予め決められた値であってもよく、例えば、外部の空気が膨張部材10aを通過して収容箱1に到達していることが把握可能な風量であってもよい。
【0029】
また、制御部13は、検出された外部の湿度より検出された内部の湿度が高いと判定された場合には、ファン10bを駆動させる。
【0030】
制御部13は、第1基準値及び第2基準値を制御部13の内部に設けられた記憶部に記憶するようにしてもよい。このような記憶部は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。また、記憶部は、制御部13の外部に設けられてもよい。
【0031】
制御部13は、例えばCPU(中央処理装置)等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成されてよい。
【0032】
次に、収容箱1における制御部13の動作を説明する。
図7は、収容箱1における制御部13の動作を説明するフローチャートである。
動作が開始されると、制御部13は、外部環境センサ11の検出結果の取り込みを行い(ステップS101)、内部湿度センサ12の検出結果の取り込みを行う(ステップS102)。
【0033】
制御部13は、外部の湿度が第1基準値よりも高いか否かを判定し(ステップS103)、外部の湿度が第1基準値よりも高い場合(ステップS103-YES)、ファン10bを駆動させる(ステップS104)。これにより、第1基準値よりも高い湿度の空気を膨張部材10aに当てることができるため、膨張部材10aは、ファン10bによって送られた空気に含まれる水分を吸収し、膨張する。そして膨張部材10aは、水分を吸収するにつれて、湿気の多い外気や雨が内部に侵入することを抑制し、やがて侵入を防止する。
ここでは、第1基準値よりも高い湿度の外気をファン10bによって膨張部材10aに当てることで、膨張部材10aに水分の吸収を促進させ、膨張を促進することができるため、膨張部材10aが通気させない状態に移行するまでの時間を短くすることができ、雨の侵入や湿気の多い外気の侵入を抑制できるまでの時間を短縮することができる。
【0034】
一方、制御部13は、外部の湿度が第1基準値以下である場合(ステップS103-NO)、処理をステップS108に進める。
【0035】
次に、制御部13は、風量センサ10cの検出結果を取り込む(ステップS105)。そして制御部13は、検出された風量が第2基準値よりも小さいか否かを判定し(ステップS106)、検出された風量が第2基準値よりも小さい場合には(ステップS106-YES)、ファン10bを停止する(ステップS107)。ここでは、風量が第2基準値よりも小さいため、ファン10bによって送られて膨張部材10aを通過する外気の量が少なくなっていると推定することができるため、膨張部材10aが外気を通さない程度に膨張していることを確認した上で、ファン10bを停止することができる。
なお、制御部13は、検出された風量が第2基準値以上である場合には(ステップS106-NO)、処理をステップS105に移行する。これにより膨張部材10aの膨張を促進することができる。
【0036】
次に、制御部13は、ステップS108の処理を実行する。すなわち制御部13は、現在の内部湿度センサ12の検出結果を取り込むとともに、現在の外部環境センサ11の検出結果を取り込み、現在の内部湿度が現在の外部湿度よりも高いか否かを判定する(ステップS108)。
制御部13は、現在の内部湿度が現在の湿度以下である場合には(ステップS108-NO)、処理をステップS103に移行する。ここでは、現在の内部湿度が現在の外気の湿度以下であることから、収容箱1の内部は、外部に比べて湿度が低い状態であると推定することができる。このため、膨張部材10aが膨張したままであることによって、湿気が多い外気が収容箱1の内部に侵入することを防止することができる。
【0037】
一方、制御部13は、現在の内部湿度が現在の外部環境センサ11の検出結果が示す湿度を超えている場合には(ステップS108-YES)、ファン10bを駆動させる(ステップS109)。例えば、雨が上がり、外気の湿度が低くなっている状態であると推定される。これにより、収容箱1の内部よりも外気の湿度が低いため、内部に比べて乾燥している空気をファン10bによって膨張部材10aに当てることで、膨張部材10aの乾燥を促進することができる。そして、膨張部材10aが乾燥することで、収容箱1の内部と外部との間で空気の移動が可能となり、換気することが可能となる。これにより、収容箱1の内部の湿気を外部に排出することができる。また、内部よりも乾燥している外気を取り込むことができるため、収容箱1の内部の湿度を下げ、収容箱1の内部に結露が発生することを抑制することができる。
【0038】
次に、制御部13は、風量センサ10cの検出結果を取り込む(ステップS110)。そして制御部13は、風量センサ10cの検出結果が、第2基準値よりも大きいか否かを判定する(ステップS111)。制御部13は、風量センサ10cの検出結果が、第2基準値未満である場合には(ステップS111-No)、処理をステップS110に移行する。風量センサ10cの検出結果が、第2基準値未満である場合には、外気が収容箱1の内部に導入されていない、すなわち、膨張部材10aが膨張している状態であると推定することができるため、引き続きファン10bによって外気を膨張部材10aに当てることで、膨張部材10aの乾燥を促進することができる。膨張部材10aの乾燥を促進することで、膨張部材10aが通気可能な状態に移行するまでの時間を短くすることができるため、収容箱1の内部の湿気を外部に排出するまでの時間を短縮することができる。
【0039】
一方、制御部13は、風量センサ10cの検出結果が、第2基準値よりも大きい場合には(ステップS111-YES)、内部湿度が外部湿度以下であるか否かを判定する(ステップS112)。制御部13は、内部湿度が外部湿度を超えている場合には(ステップS112-NO)、一定のウエイト時間を経過した後、再度ステップS112の判定を実行する。ここでは、内部湿度が外部湿度を超えている場合には引き続きファン10bによって収容箱10の内部の湿気を外部に排出し続けることができ、換気を継続することができる。
一方、制御部13は、内部湿度が外部湿度以下である場合には(ステップS112-YES)、ファン10bを停止させる(ステップS113)。ここでは、ファン10bによって送られた風が膨張部材10aを通過して収容箱1の内部に到達していると推定することができるため、膨張部材10aが通気可能な状態に移行していることを確認した上で、ファン10bを停止することができる。
その後、制御部13は、処理をステップS103に移行する。なお、制御部13は、停止指示が外部から入力された場合に処理を停止するようにしてもよい。
【0040】
以上説明した実施形態において、制御部13がステップS103において、外部環境センサ11によって検出された湿度と、第1基準値とを比較することで、外部湿度が第1基準値よりも高いか否かを判定する場合について説明したが、外部環境センサ11が雨滴を検出したか否かの検出結果を制御部13に出力するようにしてもよい。この場合、制御部13は、外部環境センサ11の検出結果に基づいて、雨滴が検出されたと判定された場合にファン10bを駆動させ、雨滴が検出されていないと判定された場合に処理をステップS108に移行するようにしてもよい。
【0041】
以上説明した実施形態によれば、膨張部材10aが水分を吸収することで膨張し、外部からの雨や湿気が多い空気が収容箱1の内部に入り込むことを防止することができる。これにより、雨天時においても、雨が収容箱1の内部に侵入することを防止することができる。
【0042】
また、上述した実施形態においては、雨天の場合に膨張部材10aを膨張させることができるが、霧が発生している場合であっても、膨張部材10aを膨張させることができる。このため、雨天だけでなく霧の場合であっても、湿気が収容箱1に入り込むことを低減することができる。
【0043】
なお、上述した収容箱1は、収容される電子機器が雨に濡れてはいけないが換気が必要な場所に設置する場合にも好適である。また、急な雨による収容箱1内への雨の侵入を防止することができる。また、膨張部材10aまたは換気口ユニット10を無人設備の換気口に取り付けるようにしてもよい。これにより、換気口を人手によって開け閉めする必要がないため、無人設備における防雨対策をすることができる。また、膨張部材10aまたは換気口ユニット10を換気口に設けることで、通気の許容と遮断を自動的に行う網戸として用いることもできる。
【0044】
上述した実施形態において、ステップS112を実行することで、内部湿度が外部湿度以下になるまでファン10bによって換気を継続する場合について説明したが、ステップS111において判定結果がYESであった場合には、ステップS112の処理を実行することなくステップS113に処理を進めるようにしてもよい。
【0045】
上述した実施形態における制御部13の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0046】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1…収容箱、1a…扉、1b…ハンドル、1c…フード、1d…背面、1e…換気口、10…換気口ユニット、10a…膨張部材、10b…ファン、10c…風量センサ、11…外部環境センサ、12…内部湿度センサ、13…制御部