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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088261
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ゴルフカート
(51)【国際特許分類】
   A63B 55/60 20150101AFI20240625BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240625BHJP
【FI】
A63B55/60 F
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203342
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】522454552
【氏名又は名称】TGRFマネージメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141852
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 力
(72)【発明者】
【氏名】関戸 康浩
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で、プレーヤーが乗ってゴルフバッグとともに移動することができるゴルフカートを提供する。
【解決手段】ゴルフカート1は、カート部2と、ステップ部3とを備える。カート部2には、ゴルフバッグAが載置される。ステップ部3は、カート部2に連結され、プレーヤーが乗って移動するためのものである。カート部2は、駆動車輪22と、駆動車輪22を回転駆動させる駆動部と、操舵車輪23と、操舵車輪23を操舵するためのハンドル24とを含む。ステップ部3は、当該ステップ部3がカート部2に牽引されることにより回転する従動車輪32を含み、ステップ部3に乗った状態のプレーヤーがハンドル24を操作可能である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフバッグが載置されるカート部と、
前記カート部に連結され、プレーヤーが乗って移動するためのステップ部とを備え、
前記カート部は、駆動車輪と、前記駆動車輪を回転駆動させる駆動部と、操舵車輪と、前記操舵車輪を操舵するためのハンドルとを含み、
前記ステップ部は、当該ステップ部が前記カート部に牽引されることにより回転する従動車輪を含み、当該ステップ部に乗った状態のプレーヤーが前記ハンドルを操作可能である、ゴルフカート。
【請求項2】
前記ステップ部は、前記カート部に対して着脱可能である、請求項1に記載のゴルフカート。
【請求項3】
前記ステップ部は、前記カート部に対して揺動可能である、請求項1に記載のゴルフカート。
【請求項4】
前記カート部は、プレーヤーに追尾するように前記駆動部及び前記操舵車輪を自動制御する制御部を備える、請求項1に記載のゴルフカート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフバッグを載置して、プレーヤーとともに移動することが可能なゴルフカートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なゴルフカートは、2つの駆動車輪と2つの操舵車輪を有する4輪式のカート部を備えており、当該カート部に設けられた座席に複数名のプレーヤーが座った状態で乗り、手動運転又は自動運転により移動することができる。カート部には、ゴルフバッグを載置する載置台が設けられており、当該載置台に各プレーヤーのゴルフバッグを載置することにより、各プレーヤーはゴルフバッグとともにゴルフカートで移動することができる。
【0003】
この種のゴルフカートの一例として、乗車人数を増加させるなどの目的で、上記座席とは別に、プレーヤーが立った状態で乗ることができるステップを備えた構成が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。当該特許文献1に開示されたゴルフカートでは、ステップに乗った状態のプレーヤーは、操舵車輪を操舵するためのハンドルを操作することができない。
【0004】
上記のような複数名のプレーヤーで共有して使用可能なゴルフカートとは別に、各プレーヤーが個別に使用可能なゴルフカートも知られている(例えば、下記特許文献2参照)。この種のゴルフカートは、一般的には駆動部を備えておらず、各プレーヤーが自分のゴルフバッグを載せたゴルフカートを手動で押しながら歩くことにより、各プレーヤーはゴルフバッグとともに自由に移動することができる。
【0005】
また、各プレーヤーが個別に使用可能なゴルフカートの中には、電動式のゴルフカートなども提案されている(例えば、下記特許文献3参照)。このようなゴルフカートでは、歩きながら移動する各プレーヤーの歩行速度に合わせて、ゴルフカートの移動速度を調整することにより、各プレーヤーのゴルフバッグを楽に移動させながらプレーすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2014/185352号
【特許文献2】特表2012-500103号公報
【特許文献3】特開2003-210632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ゴルフはスポーツであるため、プレー中に歩きながら移動するプレーヤーもいるが、ゴルフカートに乗って移動することを好むプレーヤーもいる。しかしながら、各プレーヤーが個別に使用可能なゴルフカートは、従来、ゴルフバッグを載せて移動させることはできるものの、ゴルフカートにプレーヤーが乗ることはできないものが一般的であった。その理由としては、プレーヤーが乗って移動できるような従来のゴルフカートは、駆動機構が複雑であり高価になるため、プレーヤーごとにゴルフカートを1台ずつ用意するのが困難であることなどが考えられる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、プレーヤーが乗ってゴルフバッグとともに移動することができるゴルフカートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係るゴルフカートは、カート部と、ステップ部とを備える。前記カート部には、ゴルフバッグが載置される。前記ステップ部は、前記カート部に連結され、プレーヤーが乗って移動するためのものである。前記カート部は、駆動車輪と、前記駆動車輪を回転駆動させる駆動部と、操舵車輪と、前記操舵車輪を操舵するためのハンドルとを含む。前記ステップ部は、当該ステップ部が前記カート部に牽引されることにより回転する従動車輪を含み、当該ステップ部に乗った状態のプレーヤーがハンドルを操作可能である。
【0010】
このような構成によれば、カート部に対して付加的に取り付けられたステップ部に乗った状態のプレーヤーが、ハンドルを操作してゴルフバッグとともに自由に移動することができる。駆動車輪、駆動部、操舵車輪及びハンドルなどが全てカート部に備えられ、ステップ部は従動車輪が設けられただけの簡単な構成であるため、複雑な駆動機構を設ける必要がなく、ゴルフカートの製造コストを低減することができる。また、ステップ部に設けられた従動車輪が接地した状態でゴルフカートが移動するため、ステップ部にプレーヤーが乗った状態でも安定してゴルフカートを移動させることができる。
【0011】
(2)前記ステップ部は、前記カート部に対して着脱可能であってもよい。
【0012】
このような構成によれば、ステップ部をカート部から取り外すことにより、プレーヤーが歩きながらハンドルを操作して、ゴルフバッグとともに自由に移動することができる。プレーヤーの中には、プレー中に歩きながら移動したいプレーヤーもいるため、必要に応じてステップ部をカート部から取り外すことにより、各プレーヤーの好みに応じた態様でゴルフカートを使用することができる。
【0013】
(3)前記ステップ部は、前記カート部に対して揺動可能であってもよい。
【0014】
このような構成によれば、ステップ部に乗った状態のプレーヤーがハンドルを操作してカート部を移動させたときに、カート部の移動方向に追従してステップ部が揺動するため、さらに安定してゴルフカートを移動させることができる。
【0015】
(4)前記カート部は、プレーヤーに追尾するように前記駆動部及び前記操舵車輪を自動制御する制御部を備えていてもよい。
【0016】
このような構成によれば、プレーヤーがゴルフカートのステップ部に乗らずに歩いて移動しているときには、ゴルフカートがプレーヤーを追尾して、プレーヤーの近くに移動する。これにより、プレーヤーは、乗りたいときにだけ気軽にゴルフカートのステップ部に乗って移動することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カート部に対してステップ部が付加的に取り付けられた簡単な構成で、ステップ部にプレーヤーが乗ってゴルフバッグとともに移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るゴルフカートの概略側面図である。
図2図1のゴルフカートの概略平面図である。
図3】カート部に対してステップ部を取り外した状態のゴルフカートの概略側面図である。
図4】ゴルフカートの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.ゴルフカートの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフカート1の概略側面図である。図2は、図1のゴルフカート1の概略平面図である。このゴルフカート1は、ゴルフのプレー中にプレーヤーが使用する電動式ゴルフカートであり、ゴルフバッグAを載置して、プレーヤーとともに移動することが可能である。
【0020】
ゴルフカート1は、前後方向に並ぶカート部2及びステップ部3を備えている。カート部2には、ゴルフクラブを収容するゴルフバッグAを立てた状態で斜めに載置することができる。ステップ部3は、連結部4を介してカート部2に連結されており、プレーヤーは、ステップ部3に乗って移動することができる。
【0021】
カート部2は、載置台21、駆動車輪22、操舵車輪23及びハンドル24を含む。載置台21は、中空状の部材であり、その上面はゴルフバッグAを載置するための水平な載置面211を構成している。載置面211には、例えば人工芝などのように、載置面211上に載置されるゴルフバッグAを滑りにくくするために抵抗を与える部材が設けられていてもよい。
【0022】
駆動車輪22は、ホイールの外周面にタイヤが装着された構成である。駆動車輪22は、例えば左右1対で構成されており、1対の駆動車輪22が左右方向に延びる駆動軸221を介して互いに連結されている。駆動軸221を回転させれば、1対の駆動車輪22を同時に回転駆動させることができる。1対の駆動車輪22はそれぞれ接地しており、これらの1対の駆動車輪22の回転駆動に伴い、カート部2を移動させることができる。ただし、1対の駆動車輪22が駆動軸221を介して互いに連結された構成に限らず、各駆動車輪22が個別に回転駆動されてもよい。
【0023】
操舵車輪23は、駆動車輪22と同様、ホイールの外周面にタイヤが装着された構成である。操舵車輪23は接地しており、1対の駆動車輪22とともにカート部2を地上で支える役割を果たす。ただし、操舵車輪23は、1対の駆動車輪22とともに3点以上でカート部2を地上で支えることができれば、1つではなく、2つ以上設けられていてもよい。操舵車輪23は、水平方向に延びる回転軸(図示せず)を中心に回転自在に支持され、鉛直方向を中心に水平面内で左右に回転してカート部2の進行方向を変えることができる。
【0024】
ハンドル24は、ハンドル軸241などの各種部材を介して操舵車輪23に連結されている。ハンドル軸241を中心にハンドル24を左右に回転させることにより、その回転方向及び回転角度に対応する角度で操舵車輪23を左右に回転させることができる。このように、ハンドル24は、操舵車輪23を操舵するためにプレーヤーにより操作される。
【0025】
ハンドル24の形状は、特に限定されるものではないが、図2のようにC字状に屈曲又は湾曲した形状であってもよい。このような形状のハンドル24の場合、プレーヤーは、C字状のハンドル24の両端部を両手で握って、ハンドル24を操作することができる。この場合、ハンドル24の一端部又は両端部に、1対の駆動車輪22を回転駆動させるために操作される操作部242が設けられていてもよい。
【0026】
操作部242は、例えばプッシュ式のボタンにより構成することができる。この操作部242を操作することにより、1対の駆動車輪22を所定の速度で回転させることができる。駆動車輪22の回転速度は、予め設定された一定速度であってもよいし、プレーヤーが任意に駆動車輪22の回転速度を設定できる設定部(図示せず)が設けられていてもよい。
【0027】
なお、本実施形態におけるゴルフカート1には、プレーヤーが操作可能なブレーキレバーは設けられていない。1対の駆動車輪22は、操作部242が操作されていないときには回転しないように構成されており、プレーヤーがハンドル24から手を離している場合であっても、坂道などでゴルフカート1が自重で移動したりすることはない。ただし、ゴルフカート1を停止させるためのブレーキレバーがカート部2又はステップ部3に設けられていてもよい。
【0028】
ハンドル軸241には、載置台21の載置面211上に載置されたゴルフバッグAを立て掛けて支持するための支持部25が設けられている。支持部25は、ゴルフバッグAの側面に沿って湾曲した形状を有していてもよい。ただし、支持部25は、ゴルフバッグAの側面を支持することができるような構成であれば、ハンドル軸241に設けられた構成に限らず、カート部2の他の部分に設けられていてもよい。
【0029】
ステップ部3は、乗車台31及び従動車輪32を含む。乗車台31は、板状の部材であり、その上面はプレーヤーが乗るための乗車面311を構成している。乗車面311には、例えば人工芝などのように、乗車面311上に乗ったプレーヤーの足裏を滑りにくくするために抵抗を与える部材が設けられていてもよい。
【0030】
従動車輪32は、ホイールの外周面にタイヤが装着された構成である。従動車輪32は、例えば左右1対で構成されており、1対の従動車輪32が左右方向に延びる従動軸321を介して互いに連結されている。従動軸321は、乗車台31に対して回転自在に取り付けられている。1対の従動車輪32はそれぞれ接地しており、カート部2を移動させたときには、ステップ部3がカート部2に牽引されることにより、1対の従動車輪32が従動して回転する。ただし、1対の従動車輪32が従動軸321を介して互いに連結された構成に限らず、各従動車輪32が個別に回転自在に設けられていてもよい。
【0031】
プレーヤーは、ステップ部3の乗車台31に乗った状態で、ハンドル24を操作することができる。この例では、プレーヤーは、立った状態でステップ部3の乗車台31に乗り、ハンドル24を握ることができる。すなわち、乗車台31の乗車面311とハンドル24との間の高低差は、乗車面311に立った状態のプレーヤーがハンドル24を握りやすい高低差に設定されている。
【0032】
ただし、ステップ部3にプレーヤーが座るための座席を設けて、当該座席にプレーヤーが座った状態でハンドル24を操作できるような構成であってもよい。この場合、プレーヤーが座る座席の座面とハンドル24との間の高低差は、座面に座った状態のプレーヤーがハンドル24を握りやすい高低差に設定される。
【0033】
このように、本実施形態では、カート部2に対して付加的に取り付けられたステップ部3に乗った状態のプレーヤーが、ハンドル24を操作してゴルフバッグAとともに自由に移動することができる。駆動車輪22、操舵車輪23及びハンドル24などが全てカート部2に備えられ、ステップ部3は従動車輪32が設けられただけの簡単な構成であるため、複雑な駆動機構を設ける必要がなく、ゴルフカート1の製造コストを低減することができる。また、ステップ部3に設けられた従動車輪32が接地した状態でゴルフカート1が移動するため、ステップ部3にプレーヤーが乗った状態でも安定してゴルフカート1を移動させることができる。
【0034】
連結部4は、例えば前後方向に延びる棒状の部材であり、その前端部がカート部2の載置台21に連結されるとともに、後端部がステップ部3の乗車台31に連結されている。連結部4の前端部は、カート部2に対して着脱可能である。カート部2に対する連結部4の着脱は、例えばボルトなどの固定具を用いて行われるような構成であってもよいし、ワンタッチで着脱が可能な係止機構(図示せず)が備えられた構成であってもよい。一方、連結部4の後端部は、ステップ部3に対して着脱可能であってもよいし、固定されていてもよい。
【0035】
連結部4の前端部は、カート部2に対して、例えばボールジョイントを介して連結されている。これにより、連結部4は、カート部2に対して任意に角度を変えることができるようになっている。その結果、連結部4を介してカート部2に連結されたステップ部3は、カート部2に対して揺動可能である。ステップ部3は、カート部2に対して水平方向又は鉛直方向の一方に揺動可能であってもよいし、水平方向及び鉛直方向の両方に揺動可能であってもよい。
【0036】
ステップ部3がカート部2に対して揺動可能であることにより、ステップ部3に乗った状態のプレーヤーがハンドル24を操作してカート部2を移動させたときに、カート部2の移動方向に追従してステップ部3が揺動するため、さらに安定してゴルフカート1を移動させることができる。
【0037】
図3は、カート部2に対してステップ部3を取り外した状態のゴルフカート1の概略側面図である。図3に示すように、カート部2に対してステップ部3を取り外す際には、連結部4とともにステップ部3が取り外される。すなわち、連結部4の前端部がカート部2から取り外されることにより、カート部2が単体で独立した状態となる。この状態では、カート部2が自立しており、プレーヤーが地上を歩きながらカート部2のハンドル24を操作することができる。
【0038】
このように、ステップ部3をカート部2から取り外すことにより、プレーヤーが歩きながらハンドル24を操作して、ゴルフバッグAとともに自由に移動することができる。プレーヤーの中には、プレー中に歩きながら移動したいプレーヤーもいるため、必要に応じてステップ部3をカート部2から取り外すことにより、各プレーヤーの好みに応じた態様(図1又は図3の何れかの態様)でゴルフカート1を使用することができる。
【0039】
2.ゴルフカートの電気的構成
図4は、ゴルフカート1の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態では、ゴルフカート1の電気的構成は全てカート部2に集約されており、ステップ部3には電気的構成が備えられていない。その点で、ステップ部3は、カート部2に対して付加的に取り付けられた構成と言うことができ、カート部2からステップ部3を取り外しても、カート部2の電気的な動作には何ら影響を与えることがない。
【0040】
カート部2には、上述した操作部242の他に、制御部26、駆動部27、操舵部28及びセンサ部29などが備えられている。また、カート部2には、バッテリー20が着脱可能となっている。制御部26、駆動部27、操舵部28、センサ部29及びバッテリー20は、カート部2の載置台21内に収容される。
【0041】
制御部26は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、CPUがプログラムを実行することにより、ゴルフカート1(カート部2)の動作を制御することができる。駆動部27、操舵部28、センサ部29及び操作部242は、それぞれ制御部26に対して電気的に接続されている。バッテリー20は、制御部26、駆動部27及び操舵部28などに電力を供給する。
【0042】
駆動部27は、駆動車輪22を回転駆動させるための機構を含む。具体的には、モータ及びギア(いずれも図示せず)などが駆動部27に備えられている。プレーヤーが操作部242を操作すると、制御部26の制御により、駆動部27のモータが駆動され、そのモータの駆動力がギアを介して駆動軸221に伝達される。これにより、駆動軸221が回転し、当該駆動軸221に連結されている駆動車輪22が回転する。
【0043】
操舵部28は、操舵車輪23の向きを電動で変更するための機構を含む。具体的には、モータ及びギア(いずれも図示せず)などが操舵部28に備えられている。プレーヤーがハンドル24を操作すると、制御部26の制御により、操舵部28のモータが駆動され、そのモータの駆動力がギアを介して操舵車輪23に伝達されてもよい。この場合、ハンドル24に対する操作が、パワーアシストにより操舵車輪23に伝達されるため、プレーヤーは小さい力で操舵車輪23の向きを変更することができる。ただし、プレーヤーによるハンドル24の操作に対して、操舵部28によるパワーアシストが行われないような構成であってもよい。
【0044】
本実施形態では、制御部26が駆動部27及び操舵部28を自動制御することができるようになっている。自動制御は、予め設定されたプログラムに基づいてシーケンス制御により行われてもよいが、本実施形態では、センサ部29からの入力信号に基づいて自動制御が行われる。
【0045】
センサ部29は、プレーヤーが所持する発信機5からの信号を受信する。これにより、発信機5とカート部2(センサ部29)との距離を検出することができる。そして、発信機5とカート部2の距離が常に一定距離内になるように、制御部26が駆動部27及び操舵部28を自動制御することにより、カート部2をプレーヤーに追尾させることができる。
【0046】
したがって、プレーヤーがゴルフカート1のステップ部3に乗らずに歩いて移動しているときには、ゴルフカート1がプレーヤーを追尾して、プレーヤーの近くに移動する。これにより、プレーヤーは、乗りたいときにだけ気軽にゴルフカート1のステップ部3に乗って移動することができる。
【0047】
ただし、カート部2がプレーヤーに追尾するように駆動部27及び操舵部28を自動制御するための機構は、上記のようなセンサ部29及び発信機5を用いた構成に限らず、他の任意の構成を用いて実現することができる。
【0048】
上記のような自動制御は、プレーヤーがステップ部3に乗って移動するときにオフ状態となり、プレーヤーがステップ部3から降りるときにオン状態となってもよい。例えば、ハンドル24に静電容量式のタッチセンサを設けて、プレーヤーがハンドル24を握っているか否かを検知できるような構成を採用した場合には、プレーヤーがハンドル24を握っているときに自動制御がオフ状態となり、プレーヤーがハンドル24から手を離したときに自動制御がオン状態となってもよい。
【0049】
また、ステップ部3に荷重を検知するためのセンサを設けて、プレーヤーがステップ部3に乗っているか否かを検知できるような構成を採用した場合には、プレーヤーがステップ部3に乗っているときに自動制御がオフ状態となり、プレーヤーがステップ部3に乗っていないときに自動制御がオン状態となってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 ゴルフカート
2 カート部
3 ステップ部
4 連結部
5 発信機
20 バッテリー
21 載置台
22 駆動車輪
23 操舵車輪
24 ハンドル
25 支持部
26 制御部
27 駆動部
28 操舵部
29 センサ部
31 乗車台
32 従動車輪

図1
図2
図3
図4