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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088263
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203344
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】518355250
【氏名又は名称】株式会社TENTIAL
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】石川 朝貴
(72)【発明者】
【氏名】平塚 成樹
(72)【発明者】
【氏名】大堀 維千
(72)【発明者】
【氏名】薮野 秀悟
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB47
5L030BB72
5L049BB47
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】購入予定者がより容易に、商品を実際に目で見て確認し購入できる環境を実現可能にする報処理装置を提供する。
【解決手段】ネット販売会社ECは、販売対象とする商品のサンプルGDを展示可能な展示場所TBを管理する契約者と契約し、サンプルGDを展示する。このサンプルGDの展示により、展示場所TBに来訪した来訪者VTは、サンプルGDを実際に確認し、購入する商品選択を行うことができる。購入する商品の決済は、展示場所TBで行うことができる。購入された商品は、来訪者VTが指定した配送先に、ネット販売会社ECによって配送される。契約した展示場所TBでサンプルGDを展示できることから、購入予定者である来訪者VTにとっては、より容易に、商品を実際に目で見て確認し購入できる環境が実現される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品のサンプルが展示される展示場所別に、前記商品の販売のための販売用画面を送信させることが可能な画面送信制御手段と、
前記販売用画面上で入力された入力情報を用いて、前記商品の販売のための処理を行う販売処理手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記展示場所で使用される第1の端末との通信を行い、来訪者が来訪した前記展示場所に割り当てられている場所別情報を取得可能な第1の場所別情報取得手段、を更に備え、
前記画面送信制御手段は、前記場所別情報に対応する第1の場所別画面を前記販売用画面として前記第1の端末に送信させることにより、前記商品の配送先を表す情報を含む前記入力情報を入力させることが可能であり、
前記販売処理手段は、前記第1の場所別画面上で入力された前記入力情報を用いた前記処理により、前記商品の配送のための支援が可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
来訪者が使用する第2の端末との通信を行い、前記来訪者が来訪した前記展示場所に割り当てられている場所別情報を取得可能な第2の場所別情報取得手段、を更に備え、
前記画面送信制御手段は、前記場所別情報に対応する第2の場所別画面を前記販売用画面として前記第2の端末に送信させることにより、前記商品の配送先を表す情報、及び前記商品の購入に伴う決済のための情報を含む前記入力情報を入力させることが可能であり、
前記販売処理手段は、前記第2の場所別画面上で入力された前記入力情報を用いた前記処理により、前記決済が可能であるとともに、前記商品の配送のための支援が可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記展示場所別に、前記第1の場所別画面、及び前記第2の場所別画面のうちの一方への前記入力情報の入力により購入された前記商品の代金を少なくとも特定する代金特定手段と、
前記展示場所別に、前記代金特定手段により特定された前記代金を用いて、前記展示場所に手数料として支払うべき金額を算出する金額算出手段と、
前記金額算出手段が算出した金額を用いて、前記展示場所に精算のために支払うべき精算額を算出する精算額算出手段と、を更に備える、
請求項2、または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
商品のサンプルが展示される展示場所別に、前記展示場所に来訪した来訪者が購入した前記商品の代金を少なくとも特定する代金特定手段と、
前記展示場所別に、前記代金特定手段により特定された前記代金を用いて、前記展示場所に手数料として支払うべき金額を算出する金額算出手段と、
前記金額算出手段が算出した金額を用いて、前記展示場所に精算のために支払うべき精算額を算出する精算額算出手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置に、
商品のサンプルが展示される展示場所別に、前記商品の販売のための販売用画面を送信させ、
前記販売用画面上で入力された入力情報を用いて、前記商品の販売のための処理を行わせる、
動作を実行させるプログラム。
【請求項7】
情報処理装置に、
商品のサンプルが展示される展示場所別に、前記展示場所に来訪した来訪者が購入した前記商品の代金を少なくとも特定させ、
前記展示場所別に、特定させた前記代金を用いて、前記展示場所に手数料として支払うべき金額を算出させ
算出させた前記金額を用いて、前記展示場所に精算のために支払うべき精算額を算出させる、
処理を実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の購入を考える、或いは可能性のある人(以降「購入予定者」と総称)の多くは、実物の商品を実際に目で確認することを望むのが普通である。そのため、実際に目での確認を望む購入予定者には、EC(Electronic Commerce)サービスの利用を躊躇する傾向がある。
【0003】
商品を購入可能な店舗への来店は、購入予定者にとって地理的、時間的、或いは身体的等の理由によって困難な場合がある。このことから、購入予定者に依頼された者(以降「来店者」と表記)が代わって店舗に来店し、自身が携帯する携帯端末に商品のコード情報を読み取らせ、配送方法を選択することにより、購入予定者が使用する端末で決済が可能にすることも行われている(例えば、特許文献1参照)。この場合、来店者により、実店舗で買物を行っているような商品選択を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-53106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
来店者による商品選択では、購入予定者にとって必ずしも望ましい商品選択が行えるとは限らない。このことから、商品購入は、購入予定者が実際に目で確認して行えるようにするのが望ましい。そのためには、購入予定者が商品を実際に目で見て確認するのをより容易に行えるようにすることが重要である。
【0006】
本発明は、購入予定者がより容易に、商品を実際に目で見て確認し購入できる環境を実現可能にする情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の情報処理装置は、商品のサンプルが展示される展示場所別に、前記商品の販売のための販売用画面を送信させることが可能な画面送信制御手段と、前記販売用画面上で入力された入力情報を用いて、前記商品の販売のための処理を行う販売処理手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、購入予定者がより容易に、商品を実際に目で見て確認し購入できる環境を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置により実現される商品販売サービスの例を説明する図である。
図2】店舗決済時の商品購入の流れの例を説明する図である。
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係る商品販売サーバを用いて構築されたネットワークシステムの構成例を説明する図である。
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係る商品販売サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】本発明の情報処理装置の一実施形態に係る商品販売サーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6】従業員端末に送信される画面の例、及びその遷移例を説明する図である。
図7】従業員端末に送信される画面の例、及びその遷移例を説明する図である(続き)。
図8】精算額算出処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置により実現される商品販売サービスの例を説明する図である。
この情報処理装置は、ネット販売会社ECが設置されるものである。ネット販売会社ECは、ネットワークを介して接続された端末を用いて、商品を選択して購入するオンラインショップ(ECサイト)を開設して、ECサービスを提供する会社である。ネット販売会社ECは、商品のサンプルGD、例えば非販売の商品を展示可能な展示場所TBを使用する個人、或いは組織と契約し、展示場所TBに来訪した来訪者VTを対象にしたECサービスを、通常のECサービスとは別に提供する。展示場所TBを使用する個人、或いは組織は、ネット販売会社ECにとっては契約者であることから、以降「契約者」と表記する。商品のサンプルGDは、実際には商品そのものであることから、図1では、商品にも符号として「GD」を付している。
【0012】
展示場所TBの代表例は、実際に存在する店舗である。各種イベント会場、或いはその会場内に設けられた場所も展示場所TBとなり得る。ここでは、オンラインショップと明確に区別するために、実際に存在する店舗は以降「実店舗」と表記する。来訪者VTを対象にしたECサービスは、以降「実店舗ECサービス」と表記し、通常のECサービスと区別する。
【0013】
ネット販売会社ECは、契約者との契約により、ネット販売会社ECがオンラインショップで販売する商品のサンプルGDの展示場所TBへの展示、及びサンプルGDが展示された商品の販売に関わる対応を依頼する。それにより、実店舗ECサービスでは、ネット販売会社EC側での商品購入のための決済の他に、展示場所TBでの決済が可能になっている。
【0014】
展示場所TBに展示(陳列)されるのは、商品のサンプルGDである。非売品であるサンプルGDを展示させるのは、商品はネット販売会社ECから配送するからである。このため、展示場所TBにとっては、サンプルGDを展示するスペースがあれば良い。商品の在庫を置くスペース、及び在庫管理は何れも必要ない。
【0015】
このような実店舗ECサービスでは、商品の購入を考える、或いは購入する等の可能性のある人(購入予定者)は、展示場所TBに来訪者VTとして来訪することにより、サンプルGDを実際に視覚、触覚等により確認し、商品選択を行うことができる。実際に販売される商品を管理する必要がないため、サンプルGDを展示する展示場所TBに要求される条件は非常に低い。条件が非常に低いために、ネット販売会社ECが契約者と契約可能な展示場所TBは多い。展示場所TBが多くなるほど、購入予定者が来訪者VTとして来訪することが時間的、及び地理的により容易となる。このようなことから、購入予定者にとっては、実店舗ECサービスの提供により、より容易に、商品を実際に確認して購入できる環境が実現されることになる。
【0016】
サンプルGDの展示に展示場所TBを利用することにより、来訪者VTは、従業員SCによる商品の説明、及びアドバイス等を聞くことができる。そのため、来訪者VTにとって適切な選択が困難な商品であっても、来訪者VTは、自身にとって適切な商品選択をより確実に行えるようになる。少なくとも、自身で納得した商品選択をより行えるようになる。来訪者VTにとっては、このような利点もある。
【0017】
購入予定者のうちには、クレジットカード等を用いた決済を避ける、或いは望まない人も居る。ECサービス自体の利用に抵抗がある人も居る。そのような人であっても、展示場所TBでの決済も可能であることから、展示場所TBでの商品購入を抵抗なく行うことができる。それにより、ネット販売会社ECにとっては、実店舗ECサービスの提供により、商品の売り上げをより向上させることが期待できる。
【0018】
展示場所TB(契約者)に対しては、ネット販売会社ECから、サンプルGDの展示(陳列)、及び商品購入への対応等を考慮した名目の金額がネット販売会社ECから支払われる。そのため、展示場所TB側は、ネット販売会社ECとの契約により、収入を得ることができる。収入が得られることから、ネット販売会社EC側も、契約による利点を考慮した名目の金額を請求することが可能である。ここでは、ネット販売会社ECが展示場所TBに金額を支払う名目を「販売手数料」、展示場所TBがネット販売会社ECに金額を支払う名目を「利用料」とそれぞれ表記する。販売手数料は、例えば商品の売上額が大きくなるほど、金額も大きくなるものである。利用料は、例えば固定の金額である。
【0019】
以降は、展示場所TBでの来訪者VTによる商品の購入の仕方の例について説明する。
上記のように、実店舗ECサービスでは、ネット販売会社EC側での商品購入のための決済の他に、展示場所TBでの決済が可能である。ここでは、前者を「EC決済」、後者を「店舗決済」と表記し、区別する。
【0020】
始めに、店舗決済時の商品の購入の仕方について説明する。
サンプルGDには、通常の商品と同様に、タグTGが付けられている。このタグTGは、例えば商品コード、及び商品名等の情報か、その情報を特定するための情報が記録されたものである。具体的には、2次元コードが印刷されたもの、或いはIC(Integrated Circuit)タグ等である。タグTGの種類は特に限定されないが、ここでは説明上、便宜的に、タグTGは2次元コードが記録されたものと想定する。
【0021】
来訪者VTは、例えば購入を考える商品のサンプルGDを、展示場所TBで働く従業員SCに提示する。それにより、従業員SCは、タグTGの情報をリーダーで読み取らせ、その代金の支払いを来訪者VTに要求する。来訪者VTは、その要求により、代金の支払いを行う(シーケンスST1)。従業員SCは、代金の支払いを行った来訪者VTに対し、発行した請求書を渡す(シーケンスST2)。なお、来訪者VTに、サンプルGDを提示するのではなく、サンプルGD、或いはそれに対応する商品を単に選択させるようにしても良い。
【0022】
展示場所TBは、このような店舗決済を行った場合、来訪者VTに代わり、その来訪者VTが代金を支払った商品GDをネット販売会社ECに発注する手続きを行う。そのために、従業員SCは、展示場所TBに用意されるか、或いは自身が所有する従業員端末JTをネット販売会社EC(のサイト)にアクセスさせる(シーケンスST3)。図1では、その従業員端末JTとしてスマートフォン(図1中は「スマホ」と表記)を示しているが、従業員端末JTの種類は、特に限定されない。従業員端末JTは、通信機能を備えた端末であれば良いことから、PC(Personal Computer)、或いはタブレットPC等であっても良い。
【0023】
従業員端末JTのアクセスは、例えば展示場所TB別に用意されたURL(Uniform Resource Locator)を指定することで行われる。そのようにして、従業員端末JTにアクセスさせるURLを限定することにより、その従業員端末JTが用いられた展示場所TBをネット販売会社EC側は特定することができる。実際のアクセスは、例えば従業員端末JTにそのURLを登録させるか、或いはそのURLを表す2次元コード、或いはそのURLを表す情報が記録されたICタグ等を用意することで可能にさせれば良い。そのURL、及びそれを表す情報等は、展示場所TBを直接的、或いは間接的に表すものであることから、本実施形態における場所別情報に相当する。
【0024】
従業員端末JTをネット販売会社ECにアクセスさせた従業員SCは、ネット販売会社ECから送信される画面(Webページ)上で各種情報を入力することによる各種設定を行う(シーケンスST3)。ネット販売会社EC側では、画面上での各種情報の入力を含む各種操作に対応するための処理が行われる(ステップS1)。この処理により、展示場所TBで来訪者VTが購入した商品がネット販売会社ECに発注(注文)され、その商品に係わる販売商品情報がネット販売会社ECに保存される。この販売商品情報は、例えば発注日時、契約者ID(IDentification)、商品コード、支払額、及び決済方法、等を表す情報群である。
【0025】
図2は、店舗決済時の商品購入の流れの例を説明する図である。
図2に示すように、来訪者VTは、購入を望む商品のサンプルGDを従業員SCに提示するか、或いはサンプルGDを選択し、購入に必要な金額を支払うことにより、店舗決済を行う(シーケンスST1)。この店舗決済は、展示場所TBを介して注文する商品GDの指定、及びその商品GDを購入するための支払いに相当する。その支払いにより、従業員SCは、請求書を発行して来訪者VTに渡すことになる(シーケンスST2)。
【0026】
その後、展示場所TBは、ネット販売会社ECに商品GDを発注する手続き、つまりシーケンスST3に移行する。図2では、その手続きにより、ネット販売会社ECから商品GDの届け先を指定する画面が従業員端末JTに送信され、その画面上で必要な情報入力が行われた様子を示している。そのような各種設定のために入力される情報群を「発注情報」と表記している。この発注情報は、本実施形態における入力情報に相当する。
【0027】
ネット販売会社ECから従業員端末JTに送信される画面には、商品GDの届け先を指定する画面の他に、来訪者VTの名前、及び連絡先(例えば電話番号)等の個人情報を入力させる画面、発注内容を確認させる画面、等がある。ここでは、それら画面の詳細についての説明は省略する。発注内容を確認させる画面には、支払額の総額、商品GDの購入代金、配送予定日等も配置される。
【0028】
来訪者VTの個人情報を入力させることから、表示される画面のうちには、個人情報の取扱同意書が配置された画面(以降「取扱同意書画面」と表記)も存在する。この取扱同意書画面は、想定する個人情報が全て入力された後に表示されるものであり、取扱同意書の他に、例えば来訪者VTが個人情報の取り扱いに同意する意思表示のための「同意」ボタンが配置されている。そのため、従業員SCは、この取扱同意書画面が従業員端末JTに表示された場合、来訪者VTに従業員端末JTを提示し、取扱同意書の内容確認、及び「同意」ボタンへの操作を求めることになる(図1のシーケンスST4)。商品GDの発注手続き、つまりシーケンスST3、並びにネット販売会社EC側のステップS1の処理は、その後に終了することになる。
【0029】
商品GDの届け先を指定する届け先情報、及び個人情報等は、所定の用紙等に来訪者VTに記入させ、従業員SCに入力させるようにしても良いが、来訪者VT自身に入力させるようにしても良い。このことから、個人情報等の入力のために従業員端末JTを操作する者は従業員SCにのみに限定されない。また、印刷物として取扱同意書を用意し、その取扱同意書へのサイン等により、個人情報の取り扱いを来訪者VTが同意する意思を確認するようにしても良い。その場合、取扱同意書の来訪者VTへの提示は、例えばシーケンスST3の前に行えば良い。
【0030】
このような展示場所TBによる商品GDの発注により、ネット販売会社ECは、指定された届け先に、発注された商品GDを配送させる(シーケンスST6)。図2では、届け先として、商品GDを発注した展示場所TBと、来訪者VTの自宅HMとの2つを示している。
【0031】
本実施形態では、配送先として、来訪者VTが来訪した展示場所TB、及び来訪者VTが任意に指定可能な場所、のうちから選択させるようにしている。自宅HMは、任意に指定可能な場所として、来訪者VTが実際に指定した場所の例である。任意の場所を指定可能なことから、来訪者VTにとっては、オンラインショップを利用しての商品購入と同様な利便性が得られる。
【0032】
商品の配送にはコストがかかる。そのコストは、商品の種類、大きさ、重さ、及び配送先(届け先)等により変動するのが普通である。、例えば配送代(送料)では、商品GDの購入代金に閾値を設け、購入代金がその閾値以上となった場合に、配送代を無料とするようなことも行われる。商品販売で徴収される税金も存在する。しかし、ここでは、理解を容易とするために、配送代(送料)、及び税金等については無視することにする。一度に発注する商品GDは1種類のみと想定する。各契約者は、それぞれ1つの展示場所TBを管理しているものと想定する。
【0033】
次に、EC決済時の商品の購入の仕方について説明する。
EC決済では、店舗決済とは異なり、来訪者VTは、従業員SCに依存することなく、EC決済を行うことが可能である。そのために、展示場所TBには、ネット販売会社ECにアクセスするための2次元コード等が、来訪者端末TLに読み取らせることが可能なように用意されている。図1では、2次元コード等がタグTGに記録されていると想定している。2次元コード等の情報を記録させる媒体は、特に限定されない。ICタグ等であっても良い。
なお、各サンプルGDの2次元コードをまとめて記録した媒体を用意しても良い。2次元コード等が表す情報は、展示場所TBを直接的、或いは間接的に表すものであることから、本実施形態における場所別情報に相当する。
【0034】
EC決済でネット販売会社ECにアクセスするための2次元コード等は、店舗決済時のものとは別のURLにアクセスするためのものにする必要がある。これは、展示場所TBに対応付ける来訪者端末RTは、従業員端末JTと区別する必要があるからである。従業員端末JTを登録したものに限定するような場合、従業員端末JTと来訪者端末RTとの区別が可能になることから、2次元コード等は、店舗決済時のものと分けなくとも良い。ここでは、店舗決済、及びEC決済に用いられるタグTGは異なると想定する。
【0035】
来訪者VTは、タグTGに記録された2次元コード等を来訪者端末TLに読み取らせ、来訪者端末TLをネット販売会社ECにアクセスさせる。(シーケンスST11)。その後は、店舗決済と同様に、ネット販売会社ECから送信される各種画像上への入力を通して、各種設定を行い、注文情報をネット販売会社ECに送信させる。店舗決済とは異なり、来訪者VTとネット販売会社ECとの間で決済が行われる。ネット販売会社ECでは、この決済への対応を含む処理が行われる(ステップS2)。なお、注文情報は、発注情報と同じく、本実施形態における入力情報に相当する。このことから、特に断らない場合、以降、発注情報は注文情報を含む意味で用いる。
【0036】
このようにEC決済では、来訪者VTは、サンプルGDを実際に確認しての商品購入を、通常のECサービスの感覚で行うことができる。従業員SCを探す、或いは従業員SCが対応可能になるまで待つ、等による時間の浪費はなくなるか、或いはより抑えられるようになる。このことから、来訪者VTは、従業員SCによる説明、及びアドバイス等を必要としないような商品の購入手続きを、より迅速に行うことができる。そのような商品としては、既に購入したことのある商品、及び別の機会に確認済みの商品、等を挙げることができる。
【0037】
上記のように、ネット販売会社ECは、例えば定めた期間毎に、各展示場所TBに販売手数料を少なくとも支払う必要がある。店舗決済では、展示場所TBは、来訪者VTが支払った金額を受け取る。このことから、ネット販売会社ECは、その期間が経過する度に、各展示場所TBとの間で授受すべき金額を精算額として算出する精算額算出処理を行う(ステップS5)。図1では、この精算額算出処理で算出された精算額のお金の授受により、ネット販売会社ECと展示場所TBとの間で精算が行われることを示している(シーケンスST20)。ここでは、その期間は、1ヶ月と想定する。
【0038】
展示場所TBは、実店舗ECサービスを利用した商品販売により、ネット販売会社ECから、販売手数料が得られる。このこともあり、本実施形態では、上記のように、展示場所TBから、利用料(月額利用料)を徴収するようになっている。そのため、精算額に計算には、商品GD毎に算出される販売手数料、展示場所TBに来訪者VTが支払った金額、及び利用料が用いられる。そのようにして計算される精算額が正の値であれば、例えば展示場所TBは、ネット販売会社ECからお金を受け取る側である。しかし、その精算額が負の値であれば、展示場所TBは、ネット販売会社ECにお金を支払う側となる。
【0039】
上記のような実店舗ECサービスは、ネット販売会社ECが設置した商品販売サーバによって提供される。以降は、その商品販売サーバ、及びその商品販売サーバによって提供される実店舗ECサービスについて、図3図8を参照し、詳細に説明する。
【0040】
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る商品販売サーバを用いて構築されたネットワークシステムの構成例を説明する図である。
図3に示す構成例は、ネット販売会社ECが自社内に商品販売サーバ1を設置した場合に構築されるものである。しかし、商品販売サーバ1の設置場所は、一例であり、特に限定されない。商品販売サーバ1は、例えばクラウドサービスを利用したものであっても良い。また、台数も1台に限定されない。
【0041】
このネットワークシステムは、ネット販売会社ECとの契約により、来訪者VTに対し、各展示場所TBが商品のサンプルGDを実際に確認し、購入できる場を提供する。そのために、ネットワークシステムは、商品販売サーバ1の他に、各展示場所TBに1台以上、設置されたPOS(Point Of Sale)レジスタ3と従業員端末JT、来訪者VTが所有する来訪者端末TL、銀行(のシステム)4、複数のクレジットカード会社(のシステム)5、及びカード決済サービスシステム6がネットワーク7に接続されているか、或いは接続可能となっている。商品販売サーバ1には、実店舗ECサービスの提供のための担当者が使用する担当者端末2が1台以上、接続されている。
【0042】
各展示場所TBに設置されたPOSレジスタ3は、ここでは店舗決済を行う装置である。商品販売サーバ1とのネットワーク7を介した通信を直接的、或いは間接的に行わせることも可能である。商品販売サーバ1との通信は、POSレジスタ3を構成要素とするPOSシステムに存在する他の情報処理装置に行わせても良い。そのネットワーク7は、例えばインターネットの他に、LAN(Local Area Network)、或いは携帯電話網等を更に含むものである。
【0043】
カード決済サービスシステム6は、例えばクレジットカード、デビットカード、各種電子マネーなどの幅広いキャッシュレス決済サービスに対応する。各銀行4、及び各クレジットカード会社5は、カード決済サービスシステム6を介して決済が可能な金融機関として示している。来訪者VTは、銀行4を用いたEC決済を行う場合、ネット通販会社ECが銀行4と連携することを想定している。
【0044】
EC決済の方法は多く存在する。しかし、EC決済の方法は特に限定されない。このこともあり、ここでは、ネットワーク7を介した決済が可能な金融機関としては、銀行4、及びクレジットカード会社5のみを想定する。
【0045】
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る商品販売サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。次に図4を参照し、商品販売サーバ1として使用可能な情報処理装置のハードウェア構成例について具体的に説明する。なお、この構成例は一例であり、商品販売サーバ1として使用可能な情報処理装置のハードウェア構成はこれに限定されない。
【0046】
商品販売サーバ1は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20、を備えている。
【0047】
CPU11は、例えばROM12に記録されているプログラム、或いは/及び記憶部18からRAM13にロードされたプログラムを実行し、各種の処理を実現させる。記憶部18からRAM13にロードされるプログラムには、例えばOS(Operating System)、及びそのOS上で動作する各種アプリケーション・プログラムが含まれる。各種アプリケーション・プログラムには、情報処理装置を商品販売サーバ1として機能させるために開発されたものが1つ以上、含まれる。以降、この開発されたアプリケーション・プログラムは、「開発アプリケーション」と表記する。
【0048】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。そのデータには、CPU11が実行する各種プログラムも含まれる。各種プログラムは、RAM13に読み出されてCPU11に実行される。
【0049】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
【0050】
出力部16は、例えば液晶等のディスプレイを含む構成である。出力部16は、CPU11の制御により、各種画像、或いは各種画面を表示する。出力部16は、商品販売サーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、出力部16は、必須の構成要素ではない。
【0051】
入力部17は、例えばキーボード等の各種ハードウェア釦等を含む構成のものである。その構成には、マウス等のポインティングデバイスが1つ以上、含まれていても良い。操作者は、入力部17を介して各種情報を入力することができる。この入力部17も、商品販売サーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、入力部17も、必須の構成要素ではない。
【0052】
記憶部18は、例えばハードディスク装置、或いはSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。データ量の大きいデータは、この記憶部18に記憶される。
通信部19は、例えば通信装置である。通信部19は、担当者端末2との通信だけでなく、ネットワーク7を介したPOSレジスタ3、来訪者端末TL、各銀行4、各クレジットカード会社5、及びカード決済サービスシステム6との間の通信を可能にさせる。
なお、担当者端末2との通信、及びネットワーク7を介した通信は、別の通信部19により可能であっても良い。それにより、通信部19は、複数、搭載されていても良い。
【0053】
ドライブ20は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリカード等のリムーバブルメディア25が着脱可能な装置である。ドライブ20は、例えば装着されたリムーバブルメディア25からの情報の読み取り、及びリムーバブルメディア25への情報の書き込みが可能である。それにより、リムーバブルメディア25に記録されたプログラムは、ドライブ20を介して、記憶部18に記憶させることができる。また、ドライブ20に装着されたリムーバブルメディア25は、記憶部18に記憶されている各種データのコピー先、或いは移動先として用いることができる。
【0054】
開発アプリケーションは、情報処理装置を商品販売サーバ1として機能させることを想定し開発されたものである。この開発アプリケーションは、リムーバブルメディア25に記録させて配布しても良い。ネットワーク7を介して配布可能にしても良い。このことから、開発アプリケーションを記録した記録媒体としては、ネットワーク7に直接的、若しくは間接的に接続された情報処理装置に搭載、若しくは装着されたものか、或いは外部のアクセス可能な装置に搭載、若しくは装着されたものであっても良い。
【0055】
商品販売サーバ1が備えるハードウェア資源は、アプリケーション・プログラムを含む各種プログラムによって制御される。その結果、情報処理装置は、担当者端末2、各従業員端末JT、各来訪者端末TL、各銀行4、各クレジットカード会社5、及びカード決済サービスシステム6等との通信を必要に応じて行い、実店舗ECサービスを提供するように機能する。
【0056】
図5は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る商品販売サーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。ここでは、実店舗ECサービスの提供に関わる構成要素に着目して、機能的構成の一例を示している。次に図5を参照しつつ、商品販売サーバ1上に実現される機能的構成の例について詳細に説明する。
【0057】
商品販売サーバ1のCPU11上には、機能的構成として、図5に示すように、要求受付部111、展示場所決済対応部112、展示場所別対応処理部113、画面生成部114、購入実績提示部115、決済処理部116、精算額算出部117、担当者対応処理部118、及び画面送信部119が実現される。CPU11は、通信部19を介して、担当者端末2を含む各種情報処理装置との間でデータの送受信を行う。
【0058】
これらは、開発アプリケーションを含む各種プログラムをCPU11が実行することにより実現される。その結果として、記憶部18には、商品情報格納部181、販売商品情報格納部182、設定情報格納部183、画面格納部184、及び契約者精算情報格納部185が情報格納用に確保される。
【0059】
要求受付部111は、商品販売サーバ1に受信された各種要求を受け付け、その要求に対応させる構成要素を決定し、決定した構成要素に渡す。店舗決済により従業員端末JTから送信される各種要求が受信された場合、要求受付部111は、各要求を展示場所決済対応部112に渡す。販売商品情報は、上記のように、例えば販売日時(決済日時)、契約者ID、商品コード、及び支払額、等を表す情報群である。
【0060】
展示場所決済対応部112は、受信した要求に応じて、画面送信部119に指示し、記憶部18に確保された画面格納部184に格納されている画面か、或いは画面生成部114に生成させた画面を従業員端末JTに送信させる。画面格納部184には、展示場所TB別に画面が用意されている。
【0061】
画面の送信は、CPU11から直接的、或いは間接的に、送信対象となる画面、及びその送信先を表す情報を通信部19に出力させることで実現される。展示場所決済対応部112の制御により従業員端末JTに送信される画面群は基本的に、本実施形態における第1の場所別画面に相当する。
【0062】
図6、及び図7は、従業員端末に送信される画面の例、及びその遷移を説明する図である。
図6、及び図7に例を示す画面遷移は、上記のように、各展示場所TBに既存の2次元コード等を従業員端末JTに読み取らせる等により、展示場所TB別に用意されたURLにアクセスした場合のものである。ここでは、最初に、発注する商品GDを選択させるための商品選択画面が送信されることを想定している。
【0063】
従業員SCは、この商品選択画面上で、来訪者VTの購入により、発注すべき商品GDを選択する。その選択により、数量・色・サイズを従業員SCに選択させるためのポップアップ、選択結果を確認させるためのポップアップ、来訪者VTの名前/電話番号を入力させる入力画面(図7)、お届け先(配送先)を入力させるための入力画面、お届け先を選択させるための選択画面、等が順次、従業員端末JTに表示されることになる。発注情報は、例えば各ポップアップ、及び各入力画面でそれぞれ入力された情報、及び選択画面での選択結果を表す情報群となる。上記個取扱同意書画面は、例えばお届け先を選択させるための選択画面の後に表示される。
【0064】
なお、発注情報中の一部は、より具体的には、来訪者VTの名前、連絡先(電話番号)、届け先(配送先)等の個人情報は、例えば周知技術により、従業員端末JT、或いは商品販売サーバ1に保存させておくことが可能である。そのような個人情報を保存するようにした場合、従業員SCは、2回目以降の実店舗ECサービスを来訪者VTが利用した際に、各入力画面上での情報入力の一部を省略させることもできる。
【0065】
上記販売商品情報は、例えば発注日時、契約者ID、商品コード、支払額、決済方法、及び個人情報の取扱同意の有無等を表す情報群である。発注情報は、例えばこの販売商品情報の一部として扱われ、保存される。先に挙げた情報群は、主に、従業員SCによる商品選択、数量・色・サイズの選択等により、展示場所決済対応部112によって生成される。具体的には、商品選択により商品コードが確定し、更に数量・色・サイズ等が選択されることで、支払額が確定することになる。URLを指定したアクセスにより、展示場所TBの契約者ID、支払方法、更には発注日時が確定する。数量・色・サイズ等が選択可能な商品GDを扱う場合、販売商品情報には、各選択結果を表す情報も含まれることになるが、それらのうちで選択ができない項目の情報は、例えば予め定めた内容の情報とされる。
【0066】
記憶部18に確保された商品情報格納部181には、ネット販売会社ECが扱う商品に係わる商品情報が格納されている。その商品情報は、例えば商品コード、商品種別、選択可能色、選択可能サイズ、販売価格、製造会社(仕入れ会社)ID、等を表す情報群である。そのため、商品コード、及び数量が確定した場合、その商品コードを有する商品情報を参照することにより、支払額を算出することができる。なお、選択されたサイズによって販売価格が変化する商品GDでは、支払額の算出のために、サイズに対応する商品情報を参照する必要がある。
【0067】
実際には、支払額の算出には、配送代(送料)、及び税金の計算方法等を考慮する必要がある。これらの情報は、記憶部18に確保された設定情報格納部183に設定情報として格納されている。そのため、実際には、展示場所決済対応部112は、必要な設定情報も参照し、支払額を算出する。ここでは、上記のように、配送代、及び税金の存在は無視する。
【0068】
展示場所決済対応部112は、従業員端末JTからの要求を処理し、必要な画面を従業員端末JTに送信させつつ、販売商品情報の生成を行う。必要に応じて、画面生成部114に画面を生成させ、生成された画面、或いは画面格納部184に格納された画面を画面送信部119に送信させることにより、図6、及び図7に例を示すような画面遷移を実現させる。画面格納部184には、来訪者端末TLに送信する対象となる画面が格納されている。その画面は、展示場所TB別に用意されている。
生成された販売商品情報は、記憶部18に確保された販売商品情報格納部182に格納される。格納された販売商品情報は、図1に示す精算額算出処理で参照される。また、商品GDの配送の手続きを行うために、担当者に提示される。
【0069】
展示場所別対応処理部113は、サンプルGDのタグTGに記録された2次元コードの読み取りにより来訪者端末TLから送信される画面送信要求に対応する。この要求により来訪者端末TLに送信される画面は基本的に、本実施形態における第2の場所別画面に相当する。
【0070】
店舗決済時とは異なり、展示場所別対応処理部113は、その2次元コードが表すURLにより、例えば読み取らせたタグTGが付けられたサンプルGDの商品の商品画面を来訪者端末TLに送信させる。その商品画面は、展示場所TB別に用意され、画面格納部184に格納されているものである。また、商品GDの購入のための決済画面も来訪者端末TLに送信させる。店舗決済時の発注情報に相当する注文情報の入力のための各種画面の送信は、店舗決済時と同様である。販売商品情報格納部182に格納する販売商品情報を構成する各情報は全て、展示場所別対応処理部113により生成される。決済方法を表す情報は、EC決済を表すものとなる。
【0071】
決済画面上に入力された情報による決済は、決済処理部116により行われる。そのために、決済処理部116は、例えば決済画面の送信から、決済が完了するまでの処理を行う。決済方法として、銀行口座からの引き落としを来訪者VTが選択した場合、決済処理部116は、例えば来訪者VTが選択した銀行4と連携し、その銀行4の口座等を入力させる。それにより、銀行決済に対応する。クレジットカード決済を来訪者VTが選択した場合には、決済処理部116は、カード決済サービスシステム6に依頼し、クレジットカード決済に対応する。
【0072】
購入実績提示部115は、実店舗ECサービスにより来訪者VTによって購入された商品GDを各展示場所TB側に確認可能にさせる。そのために、要求受付部111は、展示場所TB側から送信された購入実績提示要求を受け付けた場合、受け付けた購入実績提示要求を購入実績提示部115に渡す。
なお、この購入実績提示要求は、従業員端末JTに送信させることが可能であるが、POSレジスタ3を含め、展示場所TBで使用される各種端末でも送信させることが可能である。そのために、購入実績提示要求は、例えばログインした後に送信可能となっている。
【0073】
購入実績提示要求には、例えば展示場所TB側が指定した期間を表す情報が含まれる。それにより、購入実績提示部115は、展示場所TBに対応する契約者ID、及び発注日時がその期間内の日時となっている販売商品情報を販売商品情報格納部182中から抽出し、抽出した販売商品情報を画面生成部114に渡すとともに、渡した販売商品情報のリストを配置させた画面の生成を指示する。このようにして生成された画面が、画面送信部119から送信される。
【0074】
精算額算出部117は、各展示場所TBとの間で授受すべき金額を精算額として算出する。精算額の算出は、例えば月毎に、予め定められたタイミングで行われる。算出された精算額の金銭の授受により、各展示場所TBとの間の精算が行われる。実際の精算は、精算額算出部117の指示により、決済処理部116が行う。
【0075】
図8は、精算額算出処理の例を示すフローチャートである。この算出処理は、精算額算出部117が実行する主な処理の流れの例を表したものである。図1に示す精算額算出処理の具体例に相当する。ここでは、各展示場所TB側による承認は全て終了しているものと想定し、処理の流れを表している。次に図8を参照し、精算額算出処理について詳細に説明する。処理を実行する主体としては、精算額算出部117を想定する。
【0076】
先ず、ステップS11では、精算額算出部117は、精算額を算出する対象となる契約者、つまり展示場所TBを選択する。続くステップS12では、精算額算出部117は、変数K1~K3にそれぞれ0を代入するとともに、係数として用いる変数α、β、及びAAに対し、選択した契約者に応じた値をそれぞれ代入する。その後、ステップS13に移行する。
【0077】
変数K1、及びK2は、精算額を算出するために順次、値が更新される変数である。変数K3は、精算額(清算金額)の代入に用いられる。変数α、βには全て、販売手数料の算出に係数として用いられる値が代入される。
【0078】
ここでは、ネット販売会社ECが取り扱う商品を、通常の商品と、その通常の商品よりも販売手数料をより高くする商品と、に大別することを想定している。販売手数料をより高くする商品は、図8中「対象会社商品」と表記している。その販売手数料は、店舗決済(図8中「契約者決済」と表記)、及びEC決済とで異なるようにしている。店舗決済では、展示場所TB側での従業員SCの対応が必要なことから、販売手数料はより高く設定している。このようなことから、販売手数料の算出に用いる係数は、対象会社商品か否か、及び店舗決済か否かにより、計4つとなっている。変数α、βには、EC決済時に対象会社商品か否かによって変化する係数が代入される。なお、販売手数料の算出に用いる係数は、商品GDを製造、或いは卸す会社か否かにより異ならせることに限定されない。係数の変更は、在庫量、新製品の販売に伴う在庫整理、等の理由により、販売に力を入れるべきとする商品GDか否かであっても良い。このようなことから、係数を変更する会社、及び商品GDはともに複数、つまり販売手数料の算出に用いる係数の数は5以上であっても良い。係数の数は、2、或いは3であっても良い。
【0079】
本実施形態では、店舗決済時、つまり契約者決済時に、販売手数料を算出するようにしている。これは、来訪者VTの商品購入による販売手数料を従業員SCに提示するためである。算出した販売手数料は、例えば販売商品情報中の1情報として保存するようにしている。保存させた販売手数料は、店舗決済時に対象会社商品か否かによって変化する係数を用いて算出されたものである。それにより、算出方法自体はEC決済時と基本的に同じである。このため、ここでは詳細な説明は省略している。図8に、係数が代入される変数として変数α、βのみを示しているのは、このような理由からである。
【0080】
このような各係数、及び利用料は、契約者毎に、設定情報として、記憶部18に確保された設定情報格納部183に格納されている。それにより、選択した契約者に応じて、変数α、β、及びAAに代入すべき値を代入できるようになっている。対象会社商品か否かは、商品情報中の製造会社ID、及び対象会社を表す設定情報から特定することができる。対象会社を表す設定情報は、例えば製造会社ID、対象会社か否かを表すカテゴリ、等を含む情報である。
【0081】
なお、上記のような商品GDの区別、及び販売手数料に用いる係数の分け方は、何れも一例である。商品GDは、3つ以上のカテゴリで分類しても良く、決済方法別の販売手数料に用いる係数の数も特に限定されない。
【0082】
ステップS13では、精算額算出部117は、選択した契約者に対応付けられ、且つ精算額の算出に参照すべき販売商品情報を販売商品情報格納部182から抽出する。次に移行するステップS14では、精算額算出部117は、抽出した販売商品情報のうちの一つを選択する。その選択後は、ステップS15に移行して、精算額算出部117は、選択した販売商品情報がないか否か判定する。
【0083】
販売商品情報が抽出できないか、或いは抽出した販売商品情報の全てが選択済みであった場合、次に参照すべき販売商品情報は存在しないことになる。そのため、ステップS15の判定はYESとなってステップS22に移行する。そうでない場合、つまり次に参照すべき販売商品情報を選択できた場合、ステップS15の判定はNOとなってステップS16に移行する。
【0084】
ステップS16では、精算額算出部117は、選択した販売商品情報中の決済方法を参照し、その決済方法が店舗決済(図8中「契約者決済」と表記)を表しているか否か判定する。その決済方法が店舗決済を表していた場合、ステップS16の判定はYESとなってステップS17に移行する。その決済方法がEC決済を表していた場合、ステップS16の判定はNOとなってステップS19に移行する。
【0085】
変数K1は、店舗決済により、来訪者VTが展示場所TBに支払った支払額のうち、ネット販売会社ECが受け取るべき金額の合計値(総額)の代入用である。変数K2は、EC決済により支払うべき販売手数料の合計値の代入用である。変数K1、及びK2の値は、販売商品情報毎に、順次、更新するようにしている。ステップS17、S18では、店舗決済に対応し、変数K1の値を更新するための処理が行われる。
なお、店舗決済では、商品GDの発注時に、その商品GDの代金(販売価格)、或いはその代金から販売手数料を引いた金額を展示場所TBに支払わせるようにすることも考えられる。そのようにする場合、変数K1は使わなくとも良いことになる。
【0086】
ステップS17では、精算額算出部117は、変数BBに、販売商品情報が表す商品コード、及び数量から特定される販売価格から、その販売商品情報が表す販売手数料を減算した結果(=販売価格-販売手数料)を代入する。続くステップS18では、精算額算出部117は、変数K1に、その現在値に変数BBの値を加算した値を代入する。その後、上記ステップS14に戻る。ここでの販売価格は、商品単価ではなく、商品GDの購入のために支払われた代金を指している。
【0087】
一方、ステップS19~S21では、EC決済に対応し、変数K2の値を更新するための処理が行われる。
先ず、ステップS19では、精算額算出部117は、販売商品情報が表す商品コードが割り当てられた商品GDが、対象会社商品か否か判定する。その商品GDが、対象会社商品であった場合、ステップS19の判定はYESとなってステップS20に移行する。その商品GDが、対象会社商品でなかった場合、ステップS19の判定はNOとなってステップS21に移行する。
【0088】
ステップS20では、精算額算出部117は、変数K2に、販売商品情報が表す販売価格に変数αの値を乗算し、その乗算値を現在値に加算して得られる加算結果(=K2+販売価格×α)を代入する。他方のステップS21では、精算額算出部117は、変数K2に、販売商品情報が表す販売価格に変数βの値を乗算し、その乗算値を現在値に加算して得られる加算結果(=K2+販売価格×β)を代入する。そのうちの何れかにより変数K2の値を更新した後は、上記ステップS14に戻る。
【0089】
上記のような値の更新により、変数K1には、来訪者VTが店舗決済により支払った支払額の合計値のうち、ネット販売会社ECに渡すべき金額の合計値が代入されることになる。この金額の合計値は、販売手数料を差し引いた値である。他方の変数K2には、EC決済による商品購入分の販売手数料の合計値が代入されることになる。
【0090】
上記ステップS15の判定のYESは、変数K1、及びK2の各値を更新する必要がないことを意味する。そのステップS15の判定がYESとなって移行するステップS22では、精算額算出部117は、変数K3に、変数K2の値から、変数K1の値、及び変数AAの値をそれぞれ減算して得られる値(=K2-K1-AA)を代入する。続くステップS23では、精算額算出部117は、変数K3の値を、例えば契約者ID、現在日時等とともにまとめる形で契約者精算情報を生成し、生成した契約者精算情報を、記憶部18に確保された契約者精算情報格納部185に保存する。このような保存を行った後、ステップS24に移行する。
【0091】
ステップS24では、精算額算出部117は、他に選択すべき契約者が存在しないか否か判定する。選択可能な契約者の全てが選択済みであった場合、他に選択すべき契約者は存在しない。このことから、その場合、ステップS24の判定はYESとなり、ここで精算額算出処理が終了する。そうでない場合、ステップS24の判定はNOとなって上記ステップS11に戻る。それにより、別の契約者の選択が行われる。
【0092】
変数K3に代入される値の正負は、金銭の授受が行われる方向を示している。その値が正であれば、ネット販売会社ECは、契約者にお金を支払うことになる。そのため、変数K3の値は、例えば契約者(展示場所TB)がネット販売会社ECに対して発行する請求書の作成用に、契約者に提示される。反対に、その値が負であれば、ネット販売会社ECは、契約者から、お金を受け取ることになる。そのため、変数K3の値は、例えばネット販売会社ECが契約者(展示場所TB)に対して発行する請求書の作成用に、ネット販売会社ECに提示される。
なお、変数K3の値の確定により、ネット販売会社ECと契約者との間で自動的にお金を授受するための決済を行うようにしても良い。この決済も、周知技術を用いて行うことができる。
【0093】
商品販売では、扱う商品GDによっては、配送代、及び税金を売り手側が負担する形とし、商品GDの販売価格のみを購入者から徴収するような販売方法が採用される場合もある。このこともあり、実際に、配送手数料の計算には、配送代、及び税金が考慮されず、商品GDの販売価格(購入者が支払う代金)のみを考慮するような場合もあり得る。そのため、上記のように、配送代、及び税金をともに無視することも実際の例の一つと位置付けられる。
【0094】
図5の説明に戻る。
実店舗ECサービスの利用による商品購入では、決済方法に関わらず、来訪者VTが指定した配送先に商品GDを配送する必要がある。このことから、担当者対応処理部118は、担当者が販売商品情報を参照するのを可能にする。例えば、担当者が担当者端末2への操作により要求する販売商品情報を配置させた画面の送信、販売商品情報中の配送の有無の更新に対応する。それにより、担当者対応処理部118は、来訪者VTが購入した商品GDのうち、配送の手続きが行われていない商品GDの確認、その来訪者VTが指定した配送先への配送の手続きを担当者に可能にさせ、担当者を支援する。また、販売商品情報格納部182に格納されている販売商品情報の更新に対応する。
【0095】
各種画面の送信は、画面生成部114、及び画面送信部119によって実現される。このことから、狭義には、それらは本実施形態における画面送信制御手段に相当する。広義には、更に展示場所決済対応部112、及び展示場所別対応処理部113も含まれる。展示場所決済対応部112、及び展示場所別対応処理部113はともに、本実施形態における販売処理手段にも相当する。その販売処理手段には、商品を配送する必要から、担当者対応処理部118も含まれる。
【0096】
展示場所決済対応部112の制御によって来訪者端末TLに送信される画面は、本実施形態における来訪者用画面に相当する。展示場所別対応処理部113の制御によって来訪者端末TLに送信される画面は、本実施形態における場所別画面に相当する。
また、展示場所別対応処理部113は、本実施形態における場所別情報取得手段にも相当する。精算額算出部117は、本実施形態における総額算出手段、支払金額算出手段、及び精算金額算出手段に相当する。
【0097】
本実施形態では、2次元コードSQ等を来訪者端末TLに読み取らせるようにしている。2次元コードSQ等の読み取りにより、上記のように、購入するか、購入を考える商品を選択させることも可能である。しかし、商品選択のために、2次元コードSQ等の読み取りは行わないようにしても良い。例えば画像認識のための画面を展示場所TB別に用意するとともに、その画面にアクセスするための2次元コード等を記録した媒体を展示場所TB別に用意するようにしても良い。そのようにした場合、来訪者VTは、その画面を用いて、サンプルGDの画像を対象にした画像認識により、商品選択が行うことができる。この場合、その画面へのアクセスを可能にする情報が、本実施形態における場所別情報に相当する。
【0098】
また、実店舗ECサービスが実際に利用された展示場所TBは、従業員端末JT、及び来訪者端末RTともに、アクセスさせたURLから特定するようにしているが、これは一例であり、このような方法に限定されない。
展示場所TBは、実店舗ECサービスを利用可能とするために、ネット販売会社ECに契約する。この契約により、ログインが可能となる。そのログインにより、従業員端末JTに対応する展示場所TBが特定されることから、ログインのために入力される情報は、場所別情報となる。このことから、例えばログインを条件に、例えば同じサンプルGDが展示される各展示場所TBが同じURL(画面)にアクセス可能にさせても良い。来訪者VTによる商品選択は、従業員端末JTにアクセスさせた画面上で行わせるようにしても良い。従業員端末JTがアクセスさせたURLから展示場所TBを特定するようにした場合、ログインを条件としなくとも済むことから、操作性の面で利点がある。
【0099】
発注情報には、来訪者VTの個人情報が含まれる。その個人情報には、来訪者VTの識別情報として使用可能なものも存在する。例えば電話番号、メールアドレス等は何れも、識別情報である。このようなことから、商品を購入した来訪者VTの個人情報をネット販売会社EC側で管理し、来訪者VTによって入力された識別情報を含む個人情報を発注情報の入力に利用するようにしても良い。そのようにした場合、従業員SCは、会員登録等を来訪者VTに行わせるか否かに係わらず、発注情報の入力をより容易に行えるようになる。
【0100】
展示場所TBのうちにも、会員登録等を行っているところがあると考えられる。このことから、会員登録等を行っている展示場所TBでは、会員登録等を行っている来訪者VTが店舗決済を行ったような場合に、例えば展示場所TBから来訪者VTの登録済みの個人情報をネット販売会社ECに送信するようにしても良い。送信させた個人情報は、従業員端末JTに送信する画面上に予め自動入力させれば良い。そのようにした場合も、従業員SCは、発注情報の入力をより容易に行えるようになる。
【0101】
本実施形態では、各展示場所TB(契約者)との間で授受すべき精算額の算出を商品販売サーバ1で行うようになっているが、精算額の算出は、商品販売サーバ1とは別の情報処理装置に行わせるようにしても良い。決済については、その別の情報処理装置、及び商品販売サーバ1の何れとも異なる情報処理装置に行わせても良い。
【符号の説明】
【0102】
1 商品販売サーバ、2 担当者端末、4 銀行、5 クレジットカード会社、6 カード決済サービスシステム、7 ネットワーク、11 CPU、18 記憶部、19 通信部、111 要求受付部、112 展示場所決済対応部、113 展示場所別対応処理部、114 画面生成部、115 購入実績提示部、116 決済処理部、117 精算額算出部、118 担当者対応処理部、119 画面送信部、181 商品情報格納部、182 販売商品情報格納部、183 設定情報格納部、184 画面格納部、185 契約者精算情報格納部、EC ネット販売会社、JT 従業員端末、SC 従業員、TL 来訪者端末、VT 来訪者。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8