(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088284
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】自動運転機器制御システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B65G1/00 511B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203374
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】古屋 春仁
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022LL07
3F022MM52
3F022MM57
3F022MM70
3F022NN36
3F022NN38
3F022NN57
(57)【要約】
【課題】進入規制エリアにおける作業者の安全性を確保しつつ、自動運転機器が配置された進入規制エリアに進入する作業者の作業負担を軽減することが望まれる。
【解決手段】進入規制エリアと、開閉体により開閉される少なくとも1つの出入口と、自動運転機器と、制御装置と、を備えた自動運転機器制御システムであって、外側識別装置7と、内側識別装置と、記憶装置10と、を更に備え、制御装置は、外側識別装置7により識別情報9を取得した場合に、自動運転機器を停止状態とし、同じ作業者についての対応する退出時識別情報が記憶装置10に記憶されていない進入時識別情報91が1つもなく、且つ、全ての出入口が出入規制状態であることを条件として、自動運転機器の運転を再開する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の進入を規制する進入規制部材により囲まれた進入規制エリアと、前記進入規制部材の一部に設けられ、開閉体により開閉される少なくとも1つの出入口と、前記進入規制エリア内に配置された自動運転機器と、前記自動運転機器を制御する制御装置と、を備えた自動運転機器制御システムであって、
前記出入口に対して前記進入規制エリアの外側に設けられ、前記作業者の識別情報を取得する外側識別装置と、
前記出入口に対して前記進入規制エリアの内側に設けられ、前記識別情報を取得する内側識別装置と、
情報を記憶する記憶装置と、を更に備え、
前記制御装置は、
前記外側識別装置により前記識別情報を取得した場合に、当該識別情報を進入時識別情報として前記記憶装置に記憶させ、前記自動運転機器を停止状態とし、前記開閉体の状態を前記作業者による前記出入口の通過を許容する出入許容状態とし、前記作業者が前記出入口を通過した後に、前記開閉体の状態を前記作業者による前記出入口の通過を規制する出入規制状態とし、
前記内側識別装置により前記識別情報を取得した場合に、当該識別情報を退出時識別情報として前記記憶装置に記憶させ、前記開閉体の状態を前記出入許容状態とし、前記作業者が前記出入口を通過した後に前記開閉体の状態を前記出入規制状態とし、
同じ前記作業者についての対応する前記退出時識別情報が前記記憶装置に記憶されていない前記進入時識別情報が1つでもある場合には、前記自動運転機器の停止状態を維持し、
同じ前記作業者についての対応する前記退出時識別情報が前記記憶装置に記憶されていない前記進入時識別情報が1つもなく、且つ、全ての前記出入口が前記出入規制状態であることを条件として、前記自動運転機器の運転を再開する、自動運転機器制御システム。
【請求項2】
前記出入口を複数備え、
前記制御装置は、複数の前記出入口についての前記進入時識別情報及び前記退出時識別情報を相互に参照可能な状態で前記記憶装置に記憶する、請求項1に記載の自動運転機器制御システム。
【請求項3】
前記進入規制エリア内における前記作業者の有無を検知するエリア内検知装置を更に備え、
前記制御装置は、前記エリア内検知装置により前記進入規制エリア内に前記作業者を検知していないことを更なる条件として、前記自動運転機器の運転を再開する、請求項1又は2に記載の自動運転機器制御システム。
【請求項4】
前記出入口を通過する前記作業者を検知する出入口検知装置を更に備え、
前記制御装置は、前記出入口検知装置により検知された前記作業者の数と、前記外側識別装置又は前記内側識別装置により取得した前記識別情報の数とが異なる場合に、異常を報知する、請求項1又は2に記載の自動運転機器制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記外側識別装置により同じ前記作業者についての前記識別情報を複数回連続して取得した場合、又は、前記内側識別装置により同じ前記作業者についての前記識別情報を複数回連続して取得した場合に、異常を報知する、請求項1又は2に記載の自動運転機器制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記記憶装置に記憶された前記進入時識別情報と前記退出時識別情報とに基づいて前記進入規制エリア内にいる前記作業者の数であるエリア内作業者数を判定し、前記エリア内作業者数を報知する、請求項1又は2に記載の自動運転機器制御システム。
【請求項7】
前記自動運転機器には、無人搬送車が含まれ、
前記制御装置は、
前記外側識別装置により前記識別情報を取得した場合に、前記無人搬送車が前記作業者の通行の妨げとなる場所以外の場所に位置していることを条件として、前記無人搬送車を停止状態とし、
前記無人搬送車が停止状態となったことを条件として、前記開閉体の状態を前記作業者による前記出入口の通過を許容する前記出入許容状態とする、請求項1又は2に記載の自動運転機器制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の進入を規制する進入規制部材により囲まれた進入規制エリアと、前記進入規制部材の一部に設けられ、開閉体により開閉される少なくとも1つの出入口と、前記進入規制エリア内に配置された自動運転機器と、前記自動運転機器を制御する制御装置と、を備えた自動運転機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2015-189560号公報(特許文献1)には、自動運転機器制御システムに関する技術が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の自動運転機器制御システム(搬送車システム1)は、作業者(進入者52)の進入を規制する進入規制部材(進入防護柵31)により囲まれた進入規制エリア(走行路2)と、進入規制部材に設けられ、開閉体(進入扉33)により開閉される複数の出入口(進入口34)と、進入規制エリア内に配置された搬送車(3)と、搬送車(3)を制御する制御装置(メイン制御装置12)と、複数の出入口に対応して設けられた複数の監視ボックス(22)と、操作ボックス(21)と、を備えている。監視ボックス(22)には、複数のキー装着部(24)と、キー装着部(24)に装着されている複数の監視キー(25)とが収納されている。この自動運転機器制御システムでは、操作ボックス(21)内の自動停止ボタンが押されると、制御装置は、搬送車(3)の運転を停止させる。また、監視ボックス(22)内のキー装着部(24)から監視キー(25)が抜き取られると、制御装置は、進入規制エリア内に作業者が存在する可能性があると判断し、操作ボックス(21)内の起動ボタンが押されても、搬送車(3)の運転を再開させない。また、制御装置は、開閉鍵(39)により開閉体の施錠が解除された場合には、搬送車(3)に対する給電を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような自動運転機器制御システムでは、作業者は、進入規制エリアに入る場合、自動停止ボタンを押して、搬送車の走行を停止させる。その後、作業者は、監視キーをキー装着部から抜きとると共に、監視キーとは異なる開閉用のキーを用いて開閉体の開錠操作を行って、進入規制エリアに進入する。そして、キー装着部に監視キーが戻されない限り、操作ボックス内の起動ボタンが押されても、搬送車の運転は再開されない。これにより、作業者が既に進入規制エリア内にいる場合に、他の作業者が、これに気付くことなく搬送車の運転を再開させようとしても、搬送車の運転が再開される事態を回避できる。従って、進入規制エリアにおける作業者に対する安全性を高めることができる。しかし、このような自動運転機器制御システムでは、作業者は、進入規制エリアに出入りする度に複数の操作を行ったり、複数のキーを持ち歩いたりする必要があり、作業者の安全を確保するための動作が複雑化し易いという問題があった。
【0006】
そこで、進入規制エリアにおける作業者の安全性を確保しつつ、自動運転機器が配置された進入規制エリアに進入する作業者の作業負担を軽減することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る自動運転機器制御システムは、作業者の進入を規制する進入規制部材により囲まれた進入規制エリアと、前記進入規制部材の一部に設けられ、開閉体により開閉される少なくとも1つの出入口と、前記進入規制エリア内に配置された自動運転機器と、前記自動運転機器を制御する制御装置と、を備えた自動運転機器制御システムであって、
前記出入口に対して前記進入規制エリアの外側に設けられ、前記作業者の識別情報を取得する外側識別装置と、
前記出入口に対して前記進入規制エリアの内側に設けられ、前記識別情報を取得する内側識別装置と、情報を記憶する記憶装置と、を更に備え、
前記制御装置は、
前記外側識別装置により前記識別情報を取得した場合に、当該識別情報を進入時識別情報として前記記憶装置に記憶させ、前記自動運転機器を停止状態とし、前記開閉体の状態を前記作業者による前記出入口の通過を許容する出入許容状態とし、前記作業者が前記出入口を通過した後に、前記開閉体の状態を前記作業者による前記出入口の通過を規制する出入規制状態とし、
前記内側識別装置により前記識別情報を取得した場合に、当該識別情報を退出時識別情報として前記記憶装置に記憶させ、前記開閉体の状態を前記出入許容状態とし、前記作業者が前記出入口を通過した後に前記開閉体の状態を前記出入規制状態とし、
同じ前記作業者についての対応する前記退出時識別情報が前記記憶装置に記憶されていない前記進入時識別情報が1つでもある場合には、前記自動運転機器の停止状態を維持し、
同じ前記作業者についての対応する前記退出時識別情報が前記記憶装置に記憶されていない前記進入時識別情報が1つもなく、且つ、全ての前記出入口が前記出入規制状態であることを条件として、前記自動運転機器の運転を再開する。
【0008】
本構成によれば、出入口からの作業者の進入時と退出時とのそれぞれにおいて当該作業者の識別情報を取得して出入口の通過を許可するため、進入規制エリアに進入した作業者及び進入規制エリアから退出した作業者をそれぞれ特定することができる。また、記憶装置に記憶された進入時識別情報と退出時識別情報とを対比することにより、進入規制エリアに残っている作業者を確実性高く特定することができると共に、作業者全員が進入規制エリアから退出したことを確実性高く特定することができる。
そして、進入規制エリアに進入したと判断された作業者の全員が進入規制エリアから退出したと判断され、且つ、全ての出入口が出入規制状態となっていることを条件として自動運転機器の運転を再開する。従って、作業者が進入規制エリアに残っている状態で自動運転機器の運転が再開される事態が生じることを回避できる。
このように、本構成によれば、進入規制エリアにおける作業者の安全性を確保しつつ、自動運転機器が配置された進入規制エリアに進入する作業者の作業負担を軽減することができる。
【0009】
自動運転機器制御システムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、自動運転機器制御システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、自動運転機器制御システムは、作業者の進入を規制する進入規制部材2により囲まれた進入規制エリア3と、進入規制部材2の一部に設けられ、開閉体4により開閉される少なくとも1つの出入口5と、進入規制エリア3内に配置された自動運転機器6と、自動運転機器6を制御する制御装置Hと、を備えている。本実施形態では、自動運転機器制御システムは、物品搬送設備1に適用されている。そのため、進入規制エリア3、出入口5、自動運転機器6、及び制御装置Hは、物品搬送設備1に配置されている。本例では、物品搬送設備1は、複数の区画Eに区分けされている。図示の例では、物品搬送設備1は、第1区画E1、第2区画E2、及び第3区画E3の3つの区画Eに区分けされている。そして、これら複数の区画Eを接続するように、進入規制エリア3が配置されている。
【0013】
図1の例では、物品搬送設備1は、複数の物品Wを保管する保管部15と、物品Wに関連する作業を行う作業エリア14とを備えている。保管部15及び作業エリア14は、複数の区画Eに分かれて配置されている。ここでは、第1区画E1及び第2区画E2のそれぞれに保管部15が配置され、第3区画E3に作業エリア14が配置されている。自動運転機器6は、第1区画E1及び第2区画E2の各保管部15と、第3区画E3の作業エリア14との間で物品Wの搬送を行う。物品Wの例としては、機械部品や、当該機械部品の組み付け等によって完成した製品等が挙げられる。この場合、例えば、保管部15から作業エリア14に機械部品が搬送され、作業エリア14から保管部15に製品が搬送される。保管部15は、複数の収納棚(不図示)を備えており、収容棚で物品Wを保管する。また、作業エリア14は、例えば、製品の製造ラインを備え、機械部品から製品を製造する作業等が行われる領域である。
【0014】
なお、物品Wは、容器に収容された状態やパレット等に支持された状態で、保管或いは搬送されてもよい。また、物品Wは、機械部品等に限られず、衣服や食料品等であってもよい。
【0015】
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、自動運転機器6には、無人搬送車61が含まれている。無人搬送車61は、進入規制エリア3内に設定された走行通路31を走行して、物品Wを搬送する。無人搬送車61は、自律走行する搬送車である。本例では、無人搬送車61は、走行通路31を走行して、複数の区画E(ここでは、第1区画E1、第2区画E2、及び第3区画E3)に対して物品Wを搬送する。
図1の例では、進入規制エリア3の全体が、無人搬送車61が走行する走行通路31に設定されている。そして、走行通路31を複数の無人搬送車61が走行できるようになっている。
【0016】
本例では、無人搬送車61は、走行部と、走行部に設けられて床面を転動する複数の走行輪と、物品Wを載置する載置部とを備えている。無人搬送車61は、電動モータ等の駆動力源の駆動力により複数の走行輪のうちの一部又は全部を回転させることで、走行部を走行させる。また、無人搬送車61は、載置部に物品Wを載置した状態で走行する。載置部は、走行部に下方から支持されており、走行部に対して上下方向に移動可能に構成されている。そして、無人搬送車61は、載置部を昇降させることにより、保管部15及び作業エリア14との間で物品Wの受け渡しを行う。例えば、無人搬送車61は、載置部を昇降させて、保管部15や作業エリア14に設けられた搬出入部(例えば、コンベヤ等)に対して物品Wの受け渡しを行う。なお、無人搬送車61は、コンベヤやフォーク等によって物品Wの受け渡しを行ってもよい。
【0017】
図2に示すように、無人搬送車61は、複数のセンサを備えている。具体的には、無人搬送車61は、自己の前方及び後方に位置する他の無人搬送車61を検知するセンサや、自己の側方に位置する他の無人搬送車61を検知するセンサを備えている。
図2の例では、無人搬送車61は、自己の前方及び後方の他の無人搬送車61との車間距離を計測可能な距離センサ62と、自己の側方に位置する無人搬送車61を検知する障害物センサ63とを備えている。このようなセンサとしては、レーザセンサや超音波センサ等、公知の各種センサを用いることができる。なお、自動運転機器6としては、無人搬送車61以外に、例えば、スタッカークレーン、コンベヤ、ピッキングロボット、製造装置、加工装置等の各種の装置とすることもできる。
【0018】
進入規制エリア3は、上記の通り、複数の区画Eを接続するように配置されている。本例では、進入規制エリア3は、走行通路31に沿って配置されている。また、進入規制エリア3は、走行通路31を含むように配置されている。進入規制エリア3は、作業者が進入規制エリア3内に進入することを規制するように構成されている。具体的には、進入規制エリア3を囲むように、進入規制部材2が配置されており、これにより、作業者が進入規制エリア3に進入することが規制される。なお、本例では、進入規制部材2は、壁部材で形成されているが、例えば、柵等で形成されていてもよい。
図1の例では、進入規制エリア3の全体が、走行通路31に設定されており、進入規制部材2は、走行通路31を囲むように設置されている。
【0019】
本例では、走行通路31は、複数の無人搬送車61が隣り合うことができる幅になっている。
図1の例では、走行通路31は、2つの無人搬送車61が隣接できる幅になっている。走行通路31と各区画E(第1区画E1、第2区画E2、及び第3区画E3)との接続部分には、それぞれ出退口32が配置されている。無人搬送車61は、走行通路31を走行して、出退口32を通過することで、進入規制エリア3の外である、複数の区画Eのいずれかに到達できる。また、無人搬送車61は、複数の区画Eのいずれかから出退口32を通過することで、進入規制エリア3(ここでは、走行通路31)に入ることができる。出退口32では、進入規制部材2の一部に、無人搬送車61が通過可能な開口が形成されており、これにより、無人搬送車61は、走行通路31と各区画Eとを出入りすることができる。図示の例では、3つの区画Eに対応して、3つの出退口32が配置されている。なお、出退口32に形成される開口は、無人搬送車61のみが通過でき、作業者は通過できない(或いは通過し難い)ような高さで形成されていてもよい。
【0020】
出入口5は、作業者が進入規制エリア3に出入りするための場所である。本実施形態では、自動運転機器制御システムは、出入口5を複数備えており、複数の出入口5のそれぞれは、進入規制部材2に設けられている。作業者は、進入規制部材2により、進入規制エリア3に進入することが規制されるが、出入口5を通過することで、進入規制エリア3に進入可能となる。本例では、複数の出入口5は、複数の区画Eのそれぞれに対応するように設けられている。このように、作業者は、出入口5及び進入規制エリア3を通行して、各区画E間を移動することができる。
図1の例では、物品搬送設備1には、複数の区画Eとは異なる作業者用領域Aが配置されており、出入口5は、作業者用領域Aにも対応して設けられている。そして、作業者は、複数の出入口5及び進入規制エリア3を通行して、各区画Eと作業者用領域Aとを移動することができる。ここでは、作業者用領域Aには、作業者が事務を行ったり、待機をしたりするような事務所等が配置されている。図示の例では、走行通路31の全体が進入規制エリア3とされている。そのため、作業者は、走行通路31を通行して、各区画Eと作業者用領域Aとの間を往来する。
【0021】
複数の出入口5のそれぞれには、開閉体4が取り付けられている。本例では、開閉体4は、開閉体4の開閉を規制して閉状態に維持するロック状態と、開閉体4の開閉を自在に行えるロック解除状態とを切り換えるロック機構を備えており、ロック解除状態で、作業者は、出入口5を通過することができる。また、ロック状態では、作業者は、出入口5の通過が規制される。なお、ロック機構は、オート式になっており、制御装置H(具体的には、後述の開閉体制御部86)により制御される。ここでは、開閉体4は、蝶番式の開き戸とされており、ロック状態では、作業者は、開閉体4の扉を開けることはできない。ロック解除状態では、作業者は、開閉体4の扉を開けることができる。なお、開閉体4は、開き戸のほか、スライド式の引戸、シャッター、観音開き式のゲート等で構成されていてもよい。
【0022】
図1、
図2、及び
図3に示すように、外側識別装置7は、出入口5に対して進入規制エリア3の外側に設けられ、作業者の識別情報9を取得する。本実施形態では、複数の出入口5に対応して、複数の外側識別装置7が設けられている。外側識別装置7は、出入口5に隣接するように配置されている。
図1の例では、外側識別装置7は、進入規制部材2に取り付けられている。
【0023】
外側識別装置7は、出入口5を進入規制エリア3の外側から通過しようとする作業者の識別情報9を取得する。外側識別装置7は、識別情報読取部を備えている。外側識別装置7は、識別情報読取部によって識別情報9を取得する。本例では、識別情報読取部は、IDカードリーダであり、作業者が外側識別装置7に提示したIDカードを読み取る。これにより、外側識別装置7は、識別情報9を取得する。なお、識別情報読取部は、顔画像、指紋、虹彩等の生体情報リーダであってもよい。外側識別装置7により取得された識別情報9は、進入時識別情報91として、後述する記憶装置10に記憶される。
図3の例では、進入時識別情報91は、作業者が進入するゲート番号(出入口5を示す番号)、作業者を特定するID番号(識別情報9の一例)、識別情報9を取得した時刻(進入時識別情報取得時刻)とされている。
【0024】
図1、
図2、及び
図3に示すように、内側識別装置8は、出入口5に対して進入規制エリア3の内側に設けられ、識別情報9を取得する。本実施形態では、複数の出入口5に対応して、複数の内側識別装置8が設けられている。内側識別装置8は、出入口5に隣接するように配置されている。
図1の例では、内側識別装置8は、進入規制部材2に取り付けられている。
【0025】
内側識別装置8は、出入口5を進入規制エリア3の内側から通過しようとする作業者の識別情報9を取得する。内側識別装置8の基本的な構成については、外側識別装置7と同じであるため、説明を省略する。内側識別装置8により取得された識別情報9は、退出時識別情報92として、後述する記憶装置10に記憶される。
図3の例では、退出時識別情報92は、作業者が退出するゲート番号、作業者を特定するID番号、識別情報9を取得した時刻(進入時識別情報取得時刻)とされている。本実施形態では、外側識別装置7及び内側識別装置8は、制御装置Hと通信可能に構成されており、取得した識別情報9を、制御装置Hに送信する。
【0026】
図2に示すように、自動運転機器制御システムは、進入規制エリア3内における作業者の有無を検知するエリア内検知装置11を更に備えている。本例では、エリア内検知装置11は、進入規制エリア3に進入中の作業者を検知する。エリア内検知装置11は、制御装置Hと通信可能に構成されており、進入規制エリア3に存在する作業者の人数(以下、エリア内作業者数と称する場合がある)を含むエリア内検知情報94を制御装置Hに送信する。エリア内検知装置11は、進入規制エリア3に配置された複数の撮像装置と、画像認識装置とを備えている。複数の撮像装置により、進入規制エリア3全体を撮像し、撮像により取得した複数の画像情報から、進入規制エリア3に存在する作業者の人数を検出する。このような撮像装置及び画像認識装置は、動体検知機能を備えていると好適である。なお、エリア内検知装置11としては、赤外線や超音波を用いた人感センサとすることもできる。また、エリア内検知装置11として、例えば、進入規制エリア3に複数のビーコン受信機を設け、作業者が有するビーコン発信機により、進入規制エリア3内の作業者の数を特定することもできる。
【0027】
図2に示すように、自動運転機器制御システムは、出入口5を通過する作業者を検知する出入口検知装置12を更に備えている。本例では、出入口検知装置12は、複数の出入口5のそれぞれを通過する作業者を検知する。出入口検知装置12は、制御装置Hと通信可能に構成されており、各出入口5を通過した作業者の人数を含む出入口検知情報93を制御装置Hに送信する。出入口検知装置12は、各出入口5に配置された複数の撮像装置と、画像認識装置とを備えている。複数の撮像装置により、各出入口5を撮像し、撮像により取得した複数の画像情報から、各出入口5を通過した作業者の人数を検出する。このような撮像装置及び画像認識装置は、動体検知機能を備えていると好適である。なお、出入口検知装置12としては、赤外線や超音波を用いた人感センサとすることもできる。
【0028】
図2に示すように、自動運転機器制御システムは、情報を記憶する記憶装置10を更に備えている。本実施形態では、記憶装置10は、制御装置Hと通信可能に構成されている。記憶装置10は、少なくとも進入時識別情報91と退出時識別情報92とを記憶する。制御装置Hは、識別情報取得部82が外側識別装置7から取得した識別情報9を、進入時識別情報91として記憶装置10に記憶させ、識別情報取得部82が内側識別装置8から取得した識別情報9を、退出時識別情報92として記憶装置10に記憶させる。
図2の例では、1つの記憶装置10が設けられているが、各出入口5に、記憶装置10が1つずつ配置されている構成としてもよい。なお、記憶装置10は、記憶部として、制御装置Hに備えられていてもよい。
【0029】
本実施形態では、
図2に示すように、制御装置Hは、複数の無人搬送車61と、外側識別装置7と、内側識別装置8と、出入口検知装置12と、エリア内検知装置11と、開閉体4と、記憶装置10と、後述する表示装置13との制御を行う。制御装置Hは、CPU等の演算処理装置を備えると共にメモリ等の周辺回路を備え、これらのハードウェアと、演算処理装置等のハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により、制御装置Hの各機能が実現される。制御装置Hは、1つのハードウェアではなく、互いに通信可能な複数のハードウェア(複数の分離したハードウェア)の集合によって構成されてもよい。
【0030】
制御装置Hは、外側識別装置7及び内側識別装置8から識別情報9を取得したり、記憶装置10から既に記憶された識別情報9(進入時識別情報91、退出時識別情報92)を取得する識別情報取得部82と、出入口検知装置12から出入口検知情報93を取得する出入口検知情報取得部83と、エリア内検知装置11からエリア内検知情報94を取得するエリア内検知情報取得部84と、無人搬送車61の制御を行う無人搬送車制御部85と、開閉体4の制御を行う開閉体制御部86と、表示装置13の制御を行う表示装置制御部87と、制御装置Hが判定を行う判定部88と、を備えている。以下では、作業者が、進入規制エリア3に進入する場合の制御について具体的に説明する。
【0031】
図2及び
図4に示すように、制御装置Hは、外側識別装置7により識別情報9を取得した場合に、当該識別情報9を進入時識別情報91として記憶装置10に記憶させ、自動運転機器6を停止状態とし、開閉体4の状態を作業者による出入口5の通過を許容する出入許容状態とし、作業者が出入口5を通過した後に、開閉体4の状態を作業者による出入口5の通過を規制する出入規制状態とする。本実施形態では、識別情報取得部82は、外側識別装置7により識別情報9を取得して、識別情報9を進入時識別情報91として記憶装置10に記憶させると、無人搬送車制御部85は、進入規制エリア3(ここでは、走行通路31)を走行する全ての無人搬送車61を停止状態とする。そして、開閉体制御部86は、開閉体4を、ロック状態からロック解除状態に切り換える。これにより、開閉体4は、出入許容状態となるため、作業者は、開閉体4の扉を開けて出入口5を通過することができる。ちなみに、既に他の作業者が進入規制エリア3に進入中のために、無人搬送車61が停止中であった場合には、制御装置Hは、外側識別装置7により他の作業者の識別情報9が取得されると、引き続き無人搬送車61の停止状態を維持する。また、本実施形態では、作業者が、進入規制エリア3に進入して、開閉体4の扉が閉められると、開閉体制御部86は、開閉体4をロック解除状態からロック状態に切り換えて、出入規制状態とする。ここでは、開閉体4の扉は、ドアクローザにより自動的に閉まるようになっている。なお、本実施形態では、上記のとおり、制御装置Hは、識別情報9を進入時識別情報91として記憶装置10に記憶させてから、無人搬送車61を停止状態にし、その後、開閉体4の状態を出入許容状態とする。しかし、制御装置Hによる上記制御を行う順序については、適宜変更可能である。例えば、制御装置Hは、進入時識別情報91を記憶してから、開閉体4の状態を出入許容状態とし、その後、無人搬送車61を停止状態にしてもよい。
【0032】
図2及び
図4に示すように、本実施形態では、制御装置Hは、外側識別装置7により識別情報9を取得した場合に、無人搬送車61が作業者の通行の妨げとなる場所以外の場所に位置していることを条件として、無人搬送車61を停止状態とする。具体的には、制御装置Hは、外側識別装置7により識別情報9を取得した際に、無人搬送車61が作業者の通行の妨げとなる場所にいる場合には、無人搬送車61を作業者の通行の妨げとならない場所に移動させてから、無人搬送車61を停止状態とする。以下では、制御装置Hが、無人搬送車61を作業者の通行の妨げとならない場所に移動させる制御を、単に「位置補正制御」と称することがある。
【0033】
本例では、無人搬送車61の走行方向において、複数の無人搬送車61が、設定距離よりも小さい車間距離で位置する場合には、制御装置Hは、これらの無人搬送車61が作業者の通行の妨げとなる場所に存在していると判定し、位置補正制御を実行する。具体的には、無人搬送車制御部85は、判定部88において作業者の通行の妨げとなる場所に存在すると判定した複数の無人搬送車61の少なくともいずれかを走行させて、互いの車間距離を設定距離以上とする。なお、無人搬送車制御部85は、位置補正制御の対象ではない無人搬送車61(作業者の通行の妨げとなる場所以外の場所に位置していると判定した無人搬送車61)に対しては、位置補正制御の実行前に停止させると好適である。なお、本例では、無人搬送車制御部85は、無人搬送車61に設けられた距離センサ62及び障害物センサ63による検知情報から各無人搬送車61の位置情報を取得して、車間距離を演算する。
【0034】
図1の例では、判定部88は、隣接する車線を走行する無人搬送車61同士についても、走行方向における互いの車間距離が設定距離よりも小さければ、無人搬送車61が作業者の通行の妨げとなる場所に存在していると判定する。図示の例では、隣接する車線において、隣り合う位置に配置された2つの無人搬送車61が示されている。この2つの無人搬送車61は、走行方向における車間距離が設定距離未満である。そのため、無人搬送車制御部85は、位置補正制御を実行して、隣接する2つの無人搬送車61のうちの一方を走行させて、互いの車間距離を設定距離以上にする(
図1の二点鎖線)。これにより、進入規制エリア3に進入した作業者の移動が、停止した無人搬送車61によって、妨げられることを回避できる。
【0035】
なお、設定距離は、1人の作業者が、停止した無人搬送車61に接触することなく進入規制エリア3(ここでは、走行通路31)を通行するのに十分な長さに設定されていると好適である。また、無人搬送車制御部85は、位置補正制御を実行した結果、判定部88が位置補正制御の対象ではなかった他の無人搬送車61との車間距離が設定距離未満になったと判定した場合には、再度、位置補正制御を実行すると好適である。
【0036】
なお、複数の無人搬送車61のそれぞれが、互いに通信可能に構成されており、これにより互いの無人搬送車61の位置を把握可能な場合には、制御装置Hは、各無人搬送車61からそれぞれの位置情報を取得して、各無人搬送車61の車間距離を演算してもよい。また、制御装置Hは、エリア内検知装置11(複数の撮像装置及び画像認識装置)から、複数の無人搬送車61の位置情報を取得して、車間距離を演算してもよい。また、無人搬送車制御部85は、進入規制エリア3に、走行通路31とは異なる退避エリアが設けられている場合には、作業者の通行の妨げとなる場所に存在している無人搬送車61を、退避エリアに移動させるようにしてもよい。
【0037】
図4に示すように、本実施形態では、制御装置Hは、無人搬送車61が停止状態となったことを条件として、開閉体4の状態を作業者による出入口5の通過を許容する出入許容状態とする。本例では、制御装置Hは、進入規制エリア3に存在する全ての無人搬送車61が停止状態となったことを条件として、開閉体4を、出入許容状態とする。また、制御装置Hは、位置補正制御を実行する必要がある場合には、位置補正制御の完了後に、開閉体4を、出入許容状態とする。より具体的には、開閉体制御部86は、判定部88が、進入規制エリア3に存在する全ての無人搬送車61が停止状態になったと判定すると、開閉体4を出入許容状態にする。また、無人搬送車制御部85が位置補正制御を実行した場合には、開閉体制御部86は、位置補正制御の完了後に、開閉体4を出入許容状態にする。
【0038】
次に、作業者が、進入規制エリア3から退出する場合の制御について具体的に説明する。
図5に示すように、制御装置Hは、内側識別装置8により識別情報9を取得した場合に、当該識別情報9を退出時識別情報92として記憶装置10に記憶させ、開閉体4の状態を出入許容状態とし、作業者が出入口5を通過した後に開閉体4の状態を出入規制状態とする。本実施形態では、識別情報取得部82は、内側識別装置8から識別情報9を取得して、識別情報9を退出時識別情報92として記憶装置10に記憶させると、開閉体制御部86は、開閉体4を、ロック状態からロック解除状態に切り換える。これにより、開閉体4は、出入許容状態となるため、作業者は、開閉体4の扉を開けて出入口5を通過することができ、進入規制エリア3(ここでは、走行通路31)から、進入規制エリア3の外に移動できる。そして、作業者が出入口5を通過すると、上述の通り開閉体4の扉が自動的に閉められ、開閉体4は、出入規制状態になる。なお、本実施形態では、上記のとおり、制御装置Hは、識別情報9を退出時識別情報92として記憶装置10に記憶させてから、開閉体4の状態を出入許容状態とするが、識別情報9を退出時識別情報92として記憶装置10に記憶する前に、開閉体4の状態を出入許容状態としてもよい。
【0039】
次に、自動運転機器6の運転を再開する場合における制御について説明する。
図3及び
図5に示すように、制御装置Hは、同じ作業者についての対応する退出時識別情報92が記憶装置10に記憶されていない進入時識別情報91が1つでもある場合には、自動運転機器6の停止状態を維持する。本実施形態では、制御装置Hは、記憶装置10を参照して、同一の作業者について対応する退出時識別情報92が記憶されていない進入時識別情報91を検索する。そして、制御装置Hは、そのような退出時識別情報92が1つでも存在した場合、進入規制エリア3に作業者が存在すると判定し、進入規制エリア3の全ての無人搬送車61の停止状態を維持する。また、本実施形態では、制御装置Hは、記憶装置10に記憶された進入時識別情報91と退出時識別情報92とに基づいて進入規制エリア3内にいる作業者の数であるエリア内作業者数を判定する。制御装置Hは、上記のように、同一の作業者について対応する退出時識別情報92が記憶されていない進入時識別情報91を検索すると、当該進入時識別情報91の数と同数の作業者が進入規制エリア3に存在しているとして、エリア内作業者数を判定する。一方、制御装置Hは、同一の作業者についての進入時識別情報91とこれに対応する退出時識別情報92とが揃っている場合、当該作業者は進入規制エリア3から退出済であると判定する。以下では、
図3を参照してより具体的に説明する。
【0040】
図3に示すように、本実施形態では、制御装置Hは、複数の出入口5についての進入時識別情報91及び退出時識別情報92を相互に参照可能な状態で記憶装置10に記憶する。本例では、制御装置Hは、同一の作業者が複数の出入口5のうちのどの出入口5から進入規制エリア3に進入し、複数の出入口5のうちのどの出入口5を通過して進入規制エリア3から退出したかについて、同一の作業者に係る進入時識別情報91及び退出時識別情報92を相互に参照して把握することができる。また、制御装置Hは、同一の作業者が進入規制エリア3に進入した時間(ここでは、進入時識別情報91を取得した時間とされている)と、進入規制エリア3から退出した時間(ここでは、退出時識別情報92を取得した時間とされている)とを、進入時識別情報91及び退出時識別情報92を相互に参照して把握することができる。
【0041】
図3の例では、同一の作業者の進入時識別情報91と、これに対応する退出時識別情報92とが関連付けられて、記憶装置10に記憶されている。ここでは、複数の出入口5のそれぞれは、互いに異なる番号(ゲート番号)で示されている。また、出入口5を通過する各作業者についても、互いに異なる番号(ID番号)で示されている。そして、制御装置Hは、同一の作業者について、進入時識別情報91と、これに対応する退出時識別情報92とが揃った場合、記憶装置10から、進入時識別情報91及び対応する退出時識別情報92を削除する。図示の例では、制御装置Hは、完了チェックの印が記されたID番号「1、3、5」の各作業者の進入時識別情報91及び対応する退出時識別情報92を削除する。これにより、制御装置Hは、ID番号「1、3、5」の各作業者が進入規制エリア3から既に退出済であると判定する。また、このように進入時識別情報91及びそれに対応する退出時識別情報92を記憶装置10から削除することで、制御装置Hは、同一の作業者が繰り返し進入規制エリア3に出入りするような場合に、当該作業者に係る前回の退出時識別情報92を誤って今回の退出時識別情報92と判断しないようにできる。
【0042】
また、
図3の例では、ID番号「6」の作業者に係る進入時識別情報91は記憶されているが、これに対応する退出時識別情報92は記憶されていない。このように、進入時識別情報91のみ記憶され、対応する退出時識別情報92が記憶されていない状態では、完了チェックに印が記されない。制御装置Hは、このように、完了チェックに印が記されていない進入時識別情報91を検索する。そして、制御装置H(ここでは、無人搬送車制御部85)は、完了チェックに印が記されていない進入時識別情報91(すなわち、対応する退出時識別情報92が記憶されていない進入時識別情報91)が1つでも存在する場合、無人搬送車61の停止状態を維持し、走行させないように制御する。
図3の例では、制御装置Hは、完了チェックが付されていないID番号「6」の作業者に係る進入時識別情報91を参照する。そして、判定部88は、ID番号「6」の作業者が、進入規制エリア3から退出していないと判定すると共に、進入規制エリア3に存在する作業者が1人であることを判定する。このように、制御装置Hは、対応する退出時識別情報92が記憶されていない進入時識別情報91を記憶装置10において検索することにより、進入規制エリア3に存在する全ての作業者と、作業者の人数(すなわち、エリア内作業者数)とを特定することができる。本実施形態では、制御装置Hは、エリア内作業者数を報知する。本例では、
図2に示すように、判定部88においてエリア内作業者数を判定すると、表示装置制御部87は、エリア内作業者数を表示装置13に表示させる。表示装置13は、制御装置Hに接続されるモニタとすることができる。このような表示装置13は、進入規制エリア3の内外に複数設けられていてもよく、各区画E及び作業者用領域Aのそれぞれに設けられていてもよい。また、例えば、作業者が有する携帯端末に、エリア内作業者数を表示させることもできる。
【0043】
図5に示すように、制御装置Hは、同じ作業者についての対応する退出時識別情報92が記憶装置10に記憶されていない進入時識別情報91が1つもなく、且つ、全ての出入口5が出入規制状態であることを条件として、自動運転機器6の運転を再開する。本実施形態では、制御装置Hは、同一の作業者について対応する退出時識別情報92が記憶されていない進入時識別情報91が1つもない場合に、進入規制エリア3から全ての作業者が退出済であると判定する。そして、制御装置Hは、進入規制エリア3から全ての作業者が退出済であると判定し、且つ、全ての出入口5が出入規制状態であることを条件として、自動運転機器6の運転を再開する。また、本実施形態では、制御装置Hは、エリア内検知装置11により進入規制エリア3内に作業者を検知していないことを更なる条件として、自動運転機器6の運転を再開する。より具体的には、判定部88が、進入規制エリア3から全ての作業者が退出済であり、且つ、全ての出入口5の開閉体4がロック状態であり、更に、エリア内検知装置11により進入規制エリア3に作業者を検知していないと判定すると、無人搬送車制御部85は、進入規制エリア3(ここでは、走行通路31)で停止中の全ての無人搬送車61の運転を再開させる。なお、無人搬送車61の運転を再開させる条件としては、例えば、各無人搬送車61が異常停止していないことや、各無人搬送車61のうちのいずれかに対して非常停止をする指令が送信されていないこと等を追加することができる。
【0044】
図6に示すように、制御装置Hは、出入口検知装置12により検知された作業者の数と、外側識別装置7又は内側識別装置8により取得した識別情報9の数とが異なる場合に、異常を報知する。本例では、判定部88は、出入口検知装置12から取得した出入口検知情報93と、識別情報9(進入時識別情報91又は退出時識別情報92)とを対比して、出入口検知装置12により検知した作業者の数と、識別情報9の数とが異なるか否かを判定する。判定部88は、このような判定を、全ての出入口5のそれぞれに対して行う。制御装置Hは、作業者が出入りするいずれかの出入口5に対応する識別情報9を取得すると、当該識別情報9を取得した時刻の前後一定期間(例えば、1秒程度)における、対応する出入口検知情報93を取得して参照する。例えば、制御装置H(ここでは、判定部88)が、特定の出入口5において1つの識別情報9を取得した場合に、当該識別情報9を取得した時刻の前後一定期間の出入口検知情報93から、2人の作業者がこの出入口5を通過したことを検知すると、異常を報知する。
図2の例では、表示装置制御部87が、表示装置13(ここでは、制御装置Hに接続されたモニタ)に異常を示す情報を表示させる。ここでは、エリア内作業者数を表示する表示装置13に、異常を示す情報も表示させる。このような表示装置13は、進入規制エリア3の内外に複数設けられていてもよく、各区画E及び作業者用領域Aのそれぞれに設けられていてもよい。また、作業者が有する携帯端末に、異常を示す情報を表示させるようにすることもできる。また、警告音の出力や音声出力により、異常を報知してもよい。ここで、異常を示す情報は、例えば、システムのエラーを示す情報などが挙げられる。
【0045】
また、本実施形態では、
図7に示すように、制御装置Hは、外側識別装置7により同じ作業者についての識別情報9を複数回連続して取得した場合、又は、内側識別装置8により同じ作業者についての識別情報9を複数回連続して取得した場合に、異常を報知する。本例では、制御装置Hは、外側識別装置7により同一の作業者についての進入時識別情報91を複数回(ここでは、2回)連続で取得した場合や、内側識別装置8により同一の作業者についての退出時識別情報92を複数回(ここでは、2回)連続して取得した場合に、異常を報知する。
図2の例では、表示装置制御部87が、表示装置13(ここでは、制御装置Hに接続されたモニタ)に異常を示す情報を表示させる。ここでは、エリア内作業者数を表示する表示装置13に、異常を示す情報も表示させる。このような表示装置13は、進入規制エリア3の内外に複数設けられていてもよく、各区画E及び作業者用領域Aのそれぞれに設けられていてもよい。また、作業者が有する携帯端末に、異常を示す情報を表示させるようにすることもできる。また、警告音の出力や音声出力により、異常を報知してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、
図8に示すように、制御装置Hは、判定部88において、進入時識別情報91及び退出時識別情報92に基づいて判定したエリア内作業者数と、エリア内検知装置11により検知したエリア内作業者数とが異なる場合に、異常を報知する。本例では、制御装置Hは、記憶装置10を参照して、対応する退出時識別情報92が記憶されていない進入時識別情報91を検索して判定したエリア内作業者数と、エリア内検知情報94に基づいて判定したエリア内作業者数とが異なっている場合に、異常を報知する。
図2の例では、表示装置制御部87が、表示装置13(ここでは、制御装置Hに接続されたモニタ)に異常を示す情報を表示させる。ここでは、エリア内作業者数を表示する表示装置13に、異常を示す情報も表示させる。このような表示装置13は、進入規制エリア3の内外に複数設けられていてもよく、各区画E及び作業者用領域Aのそれぞれに設けられていてもよい。また、作業者が有する携帯端末に、異常を示す情報を表示させるようにすることもできる。また、警告音の出力や音声出力により、異常を報知してもよい。このように、仮に、識別情報9の読み取りエラー等により、進入規制エリア3に存在する作業者の数を誤って判定してしまった場合でも、エリア内検知装置11により進入規制エリア3に存在する作業者の正確な数を把握することができると共に、異常を示す情報(エラー情報等)を容易に知ることができる。
【0047】
以下では、
図4から
図8のフローチャートに基づいて、制御装置Hによる制御について説明する。
【0048】
図4に示すように、制御装置Hは、外側識別装置7により識別情報9を取得すると(S01)、識別情報9を進入時識別情報91として記憶装置10に記憶する(S02)。そして、制御装置Hは、進入規制エリア3において、複数の無人搬送車61のうちの少なくともいずれかの無人搬送車61が作業者の通行の妨げとなる位置にあると判定した場合(S03:Yes)、当該無人搬送車61を設定距離だけ走行させる位置補正制御を実行した後(S04)、進入規制エリア3の全ての無人搬送車61を停止状態にする(S05)。一方、制御装置Hは、進入規制エリア3において、複数の無人搬送車61のうちのいずれの無人搬送車61も作業者の通行の妨げとなる位置にないと判定した場合(S03:Nо)、位置補正制御を実行することなく、進入規制エリア3の全ての無人搬送車61を停止状態にする(S05)。制御装置Hは、進入規制エリア3の全ての無人搬送車61を停止状態にした後(S05)、開閉体4を出入許容状態にする(S06)。その後、制御装置Hは、出入口5を作業者が通過したと判定した場合(S07:Yes)、開閉体4を出入規制状態にする(S08)。
【0049】
図5に示すように、制御装置Hは、内側識別装置8により識別情報9を取得すると(S11)、識別情報9を退出時識別情報92として記憶装置10に記憶する(S12)。そして、制御装置Hは、開閉体4を出入許容状態にする(S13)。その後、制御装置Hは、出入口5を作業者が通過したと判定した場合(S14:Yes)、開閉体4を出入規制状態にする(S15)。そして制御装置Hは、同一の作業者について退出時識別情報92が記憶されていない進入時識別情報91がないと判定し(S16:Nо)、全ての出入口5が出入規制状態であると判定し(S17:Yes)、エリア内検知装置11により進入規制エリア3内に作業者を検知していないと判定した場合(S18:Nо)、進入規制エリア3の全ての無人搬送車61の運転を再開させる(S19)。一方、制御装置Hは、同一の作業者について退出時識別情報92が記憶されていない進入時識別情報91があると判定した場合(S16:Yes)や、全ての出入口5が出入規制状態ではないと判定した場合(S17:Nо)や、エリア内検知装置11により進入規制エリア3内に作業者を検知したと判定した場合(S18:Yes)に、進入規制エリア3の全ての無人搬送車61の停止状態を維持する(S20)ように、各無人搬送車61を制御する。以下では、制御装置Hが異常を報知する制御について、
図6から
図8を参照して説明する。
【0050】
図6に示すように、制御装置Hは、出入口検知装置12により検知された作業者の数と、外側識別装置7又は内側識別装置8により取得した識別情報9の数とが異なる場合(S30:Yes)、異常を報知する(S31)。また、
図7に示すように、制御装置Hは、外側識別装置7及び内側識別装置8により同じ作業者についての識別情報9を複数回連続して取得したと判定した場合(S40:Yes)、異常を報知する(S41)。更に、
図8に示すように、制御装置Hは、進入時識別情報91と退出時識別情報92とに基づいて、エリア内作業者数を判定する(S50)。また、制御装置Hは、エリア内検知装置11の検知結果に基づいて、エリア内作業者数を判定する(S51)。そして、制御装置Hは、それぞれにおいて判定したエリア内作業者数が異なっていると判定した場合(S52:Yes)、異常を報知する(S54)。一方、制御装置Hは、それぞれにおいて判定したエリア内作業者数が異なっていないと判定した場合(S52:Nо)、エリア内作業者数を表示装置13に表示する(S53)。
【0051】
〔その他の実施形態〕
次に、自動運転機器制御システムのその他の実施形態について説明する。
【0052】
(1)上記の実施形態では、進入規制エリア3は、保管部15や作業エリア14が配置された複数の区画Eを接続するように配置されている構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、例えば、進入規制エリア3を1つの区画Eとして、当該区画E内に、保管部15や作業エリア14が配置されている構成とすることもできる。
【0053】
(2)上記の実施形態では、複数の出入口5が、進入規制部材2に設けられている構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、出入口5が、進入規制部材2に1つだけ設けられていてもよい。
【0054】
(3)上記の実施形態では、制御装置Hは、エリア内検知装置11により進入規制エリア3内に作業者を検知していないことを更なる条件として、自動運転機器6の運転を再開する構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、制御装置Hは、エリア内検知装置11により進入規制エリア3内に作業者を検知していないことを、自動運転機器6の運転を再開する条件にしなくてもよい。
【0055】
(4)上記の実施形態では、制御装置Hは、出入口検知装置12により検知された作業者の数と、外側識別装置7又は内側識別装置8により取得した識別情報9の数とが異なる場合に、異常を報知する構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、制御装置Hは、出入口検知装置12により検知された作業者の数と、外側識別装置7又は内側識別装置8により取得した識別情報9の数との比較を行わない構成としてもよい。
【0056】
(5)上記の実施形態では、制御装置Hは、外側識別装置7により同じ作業者についての識別情報9を複数回連続して取得した場合、又は、内側識別装置8により同じ作業者についての識別情報9を複数回連続して取得した場合に、異常を報知する構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、制御装置Hは、外側識別装置7により同じ作業者についての識別情報9を複数回連続して取得した場合、及び、内側識別装置8により同じ作業者についての識別情報9を複数回連続して取得した場合のいずれかにのみ異常を報知することもできる。なお、同一の作業者の進入時識別情報91又は退出時識別情報92を連続して取得した場合には、制御装置Hは、記憶装置10から、重複して記憶した進入時識別情報91又は退出時識別情報92を削除すると好適である。
【0057】
(6)上記の実施形態では、制御装置Hは、記憶装置10に記憶された進入時識別情報91と退出時識別情報92とに基づいて進入規制エリア3内にいる作業者の数であるエリア内作業者数を判定する構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、制御装置Hは、エリア内検知装置11から取得したエリア内検知情報94のみに基づいてエリア内作業者数を判定することもできる。また、出入口5が1つだけ設けられている場合には、制御装置Hは、出入口検知装置12から取得した出入口検知情報93のみに基づいてエリア内作業者数を判定してもよい。
【0058】
(7)上記の実施形態では、制御装置Hは、外側識別装置7により識別情報9を取得した場合に、作業者の通行の妨げとなる場所以外の場所に位置していることを条件として、無人搬送車61を停止状態とする構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、制御装置Hは、無人搬送車61を停止状態とする条件として、そのような条件を設定しなくてもよい。
【0059】
(8)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0060】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した自動運転機器制御システムの概要について説明する。
【0061】
本開示に係る自動運転機器制御システムは、作業者の進入を規制する進入規制部材により囲まれた進入規制エリアと、前記進入規制部材の一部に設けられ、開閉体により開閉される少なくとも1つの出入口と、前記進入規制エリア内に配置された自動運転機器と、前記自動運転機器を制御する制御装置と、を備えた自動運転機器制御システムであって、
前記出入口に対して前記進入規制エリアの外側に設けられ、前記作業者の識別情報を取得する外側識別装置と、
前記出入口に対して前記進入規制エリアの内側に設けられ、前記識別情報を取得する内側識別装置と、情報を記憶する記憶装置と、を更に備え、
前記制御装置は、
前記外側識別装置により前記識別情報を取得した場合に、当該識別情報を進入時識別情報として前記記憶装置に記憶させ、前記自動運転機器を停止状態とし、前記開閉体の状態を前記作業者による前記出入口の通過を許容する出入許容状態とし、前記作業者が前記出入口を通過した後に、前記開閉体の状態を前記作業者による前記出入口の通過を規制する出入規制状態とし、
前記内側識別装置により前記識別情報を取得した場合に、当該識別情報を退出時識別情報として前記記憶装置に記憶させ、前記開閉体の状態を前記出入許容状態とし、前記作業者が前記出入口を通過した後に前記開閉体の状態を前記出入規制状態とし、
同じ前記作業者についての対応する前記退出時識別情報が前記記憶装置に記憶されていない前記進入時識別情報が1つでもある場合には、前記自動運転機器の停止状態を維持し、
同じ前記作業者についての対応する前記退出時識別情報が前記記憶装置に記憶されていない前記進入時識別情報が1つもなく、且つ、全ての前記出入口が前記出入規制状態であることを条件として、前記自動運転機器の運転を再開する。
【0062】
本構成によれば、出入口からの作業者の進入時と退出時とのそれぞれにおいて当該作業者の識別情報を取得して出入口の通過を許可するため、進入規制エリアに進入した作業者及び進入規制エリアから退出した作業者をそれぞれ特定することができる。また、記憶装置に記憶された進入時識別情報と退出時識別情報とを対比することにより、進入規制エリアに残っている作業者を確実性高く特定することができると共に、作業者全員が進入規制エリアから退出したことを確実性高く特定することができる。
そして、進入規制エリアに進入したと判断された作業者の全員が進入規制エリアから退出したと判断され、且つ、全ての出入口が出入規制状態となっていることを条件として自動運転機器の運転を再開する。従って、作業者が進入規制エリアに残っている状態で自動運転機器の運転が再開される事態が生じることを回避できる。
このように、本構成によれば、進入規制エリアにおける作業者の安全性を確保しつつ、自動運転機器が配置された進入規制エリアに進入する作業者の作業負担を軽減することができる。
【0063】
ここで、前記出入口を複数備え、
前記制御装置は、複数の前記出入口についての前記進入時識別情報及び前記退出時識別情報を相互に参照可能な状態で前記記憶装置に記憶すると好適である。
【0064】
本構成によれば、各作業者が、進入した出入口とは異なる出入口から退出した場合であっても、適切に各作業者の進入規制エリアへの進入と進入規制エリアからの退出とを判断することができる。
【0065】
また、前記進入規制エリア内における前記作業者の有無を検知するエリア内検知装置を更に備え、
前記制御装置は、前記エリア内検知装置により前記進入規制エリア内に前記作業者を検知していないことを更なる条件として、前記自動運転機器の運転を再開すると好適である。
【0066】
本構成によれば、例えばある作業者が他の作業者と共に出入口を通過した場合等、誤って進入時識別情報が記憶装置に記憶されなかった場合であっても、作業者が進入規制エリアに残っている状態で自動運転機器の運転が再開される事態が生じることを回避できる。従って、進入規制エリアにおける作業者の安全性をより高めることができる。
【0067】
また、前記出入口を通過する前記作業者を検知する出入口検知装置を更に備え、
前記制御装置は、前記出入口検知装置により検知された前記作業者の数と、前記外側識別装置又は前記内側識別装置により取得した前記識別情報の数とが異なる場合に、異常を報知すると好適である。
【0068】
本構成によれば、例えばある作業者が他の作業者と共に出入口を通過した場合等、誤って進入時識別情報又は退出時識別情報が記憶装置に記憶されなかった場合であっても、それによる誤判断が生じることを回避できる。
【0069】
また、前記制御装置は、前記外側識別装置により同じ前記作業者についての前記識別情報を複数回連続して取得した場合、又は、前記内側識別装置により同じ前記作業者についての前記識別情報を複数回連続して取得した場合に、異常を報知すると好適である。
【0070】
本構成によれば、外側識別装置又は内側識別装置による識別情報の読み取りが誤って複数回連続して行われた場合であっても、それによる進入時識別情報又は退出時識別情報が記憶装置に記憶されることを回避でき、延いては、それらの識別情報による誤判断が生じることを回避できる。
【0071】
また、前記制御装置は、前記記憶装置に記憶された前記進入時識別情報と前記退出時識別情報とに基づいて前記進入規制エリア内にいる前記作業者の数であるエリア内作業者数を判定し、前記エリア内作業者数を報知すると好適である。
【0072】
本構成によれば、各作業者が、進入規制エリア内にいる作業者の総数を容易に把握することができる。
【0073】
また、前記自動運転機器には、無人搬送車が含まれ、
前記制御装置は、前記外側識別装置により前記識別情報を取得した場合に、前記無人搬送車が前記作業者の通行の妨げとなる場所以外の場所に位置していることを条件として、前記無人搬送車を停止状態とし、
前記無人搬送車が停止状態となったことを条件として、前記開閉体の状態を前記作業者による前記出入口の通過を許容する前記出入許容状態とすると好適である。
【0074】
本構成によれば、進入規制エリアの中に入った作業者の通行が無人搬送車により妨げられないようにすることができるため、進入規制エリアの中での作業者の通行を容易にすることができる。
【0075】
本開示に係る自動運転機器制御システムは、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0076】
2 :進入規制部材
3 :進入規制エリア
4 :開閉体
5 :出入口
6 :自動運転機器
7 :外側識別装置
8 :内側識別装置
9 :識別情報
10 :記憶装置
11 :エリア内検知装置
12 :出入口検知装置
91 :進入時識別情報
92 :退出時識別情報
H :制御装置