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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088311
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ドハティ増幅器
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/02 20060101AFI20240625BHJP
   H03F 3/195 20060101ALI20240625BHJP
   H03F 3/60 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H03F1/02 188
H03F3/195
H03F3/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203419
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】川崎 賢人
【テーマコード(参考)】
5J067
5J500
【Fターム(参考)】
5J067AA04
5J067AA21
5J067AA63
5J067AA64
5J067AA65
5J067CA36
5J067CA91
5J067FA15
5J067FA16
5J067HA10
5J067HA12
5J067KA16
5J067KA29
5J067KA68
5J067KS03
5J067KS11
5J067LS12
5J067QA03
5J067QS04
5J067SA13
5J500AA04
5J500AA21
5J500AA63
5J500AA64
5J500AA65
5J500AC36
5J500AC91
5J500AF15
5J500AF16
5J500AH10
5J500AH12
5J500AK16
5J500AK29
5J500AK68
5J500AQ03
5J500AS13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型化可能なドハティ増幅器を提供する。
【解決手段】ドハティ増幅器は、Y方向に延伸するのゲート電極14aとドレイン電極16aと、ゲートバスバー24aとで前記ゲート電極及びドレイン電極を挟み、ドレイン電極が接続されるドレインバスバー26aと、を備え、基板10上に設けられたトランジスタQ1と、X方向に延伸するゲート電極14bとドレイン電極16bと、ゲートバスバー24bとで前記ゲート電極及びドレイン電極を挟み、ドレイン電極が電気的に接続されるドレインバスバー26bと、を備え、基板上に設けられた第2トランジスタQ2と、基板上に設けられ、ドレインバスバー26aと合成ノードN1とを接続する線路27aと、ドレインバスバー26bと合成ノードN1とを接続し、ドレインバスバーのうち第1端部56の、トランジスタQ2における対角に位置する第2端部58に接続する線路27bと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
第1方向に延伸する複数の第1ゲート電極と、前記第1方向に延伸する複数の第1ドレイン電極と、入力信号が分配された2つの信号のうち第1信号が入力し前記複数の第1ゲート電極が電気的に接続される第1ゲートバスバーと、前記第1ゲートバスバーとで前記複数の第1ゲート電極および前記複数の第1ドレイン電極を挟み前記複数の第1ドレイン電極が接続される第1ドレインバスバーと、を備え、前記基板上に設けられた第1トランジスタと、
第2方向に延伸する複数の第2ゲート電極と、前記第2方向に延伸する複数の第2ドレイン電極と、前記2つの信号のうち第2信号が第1端部に入力し前記複数の第2ゲート電極が電気的に接続される第2ゲートバスバーと、前記第2ゲートバスバーとで前記複数の第2ゲート電極および前記複数の第2ドレイン電極を挟み前記複数の第2ドレイン電極が電気的に接続される第2ドレインバスバーと、を備え、前記基板上に設けられた第2トランジスタと、
前記基板上に設けられ、前記第1トランジスタが増幅した前記第1信号と前記第2トランジスタが増幅した前記第2信号とが合成される合成ノードと、
前記基板上に設けられ、前記第1ドレインバスバーと前記合成ノードとを接続する第1線路と、
前記基板上に設けられ、前記第2ドレインバスバーと前記合成ノードとを接続し、前記第2ドレインバスバーのうち前記第1端部の前記第2トランジスタにおける対角に位置する第2端部に接続する第2線路と、
を備えるドハティ増幅器。
【請求項2】
前記合成ノードは前記第1トランジスタの前記第1方向に位置する領域に設けられ、
前記第1端部は、前記第2端部より前記第1トランジスタに近く、前記第1方向において前記第2端部より前記合成ノードから遠い請求項1に記載のドハティ増幅器。
【請求項3】
前記第2トランジスタの前記第1方向における幅は、前記第1トランジスタの前記第1方向における幅より大きく、前記第1方向に直交する方向から見て、前記第2トランジスタは前記第1トランジスタと重なりかつ前記第1線路の少なくとも一部と重なる請求項2に記載のドハティ増幅器。
【請求項4】
前記第2トランジスタのゲート幅は、前記第1トランジスタのゲート幅より大きい請求項3に記載のドハティ増幅器。
【請求項5】
前記第1方向と前記第2方向とは交差する請求項4に記載のドハティ増幅器。
【請求項6】
前記第1方向と前記第2方向とは直交する請求項4に記載のドハティ増幅器。
【請求項7】
前記第2線路はインピーダンス変換器を含む請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のドハティ増幅器。
【請求項8】
前記第2ドレインバスバーの前記第2端部における幅は、前記第2ドレインバスバーの前記第2端部と反対の第3端部における幅より大きい請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のドハティ増幅器。
【請求項9】
前記第1トランジスタは、前記第1方向に延伸する複数の第1ソース電極を備え、前記複数の第1ゲート電極のうち1つの第1ゲート電極は前記複数の第1ソース電極のうち1つの第1ソース電極と前記複数の第1ドレイン電極のうち1つの第1ドレイン電極に挟まれ、
前記第2トランジスタは、前記第2方向に延伸する複数の第2ソース電極を備え、前記複数の第2ゲート電極のうち1つの第2ゲート電極は前記複数の第2ソース電極のうち1つの第2ソース電極と前記複数の第2ドレイン電極のうち1つの第2ドレイン電極に挟まれる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のドハティ増幅器。
【請求項10】
前記第1トランジスタはメインアンプであり、前記第2トランジスタはピークアンプである請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のドハティ増幅器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドハティ増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波等の高周波信号を増幅する増幅器としてドハティ増幅器が知られている。ドハティ増幅器においてはメインアンプとピークアンプとが並列に入力信号を増幅し、増幅された信号は合成器において合成される。基板上にメインアンプが設けられたチップとピークアンプが設けられたチップを実装することが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10381984号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、メインアンプとピークアンプとを1つの基板に形成し1つのチップとする場合、特性の低下を抑制しようとするとチップサイズが大きくなってしまう。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、小型化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、基板と、第1方向に延伸する複数の第1ゲート電極と、前記第1方向に延伸する複数の第1ドレイン電極と、入力信号が分配された2つの信号のうち第1信号が入力し前記複数の第1ゲート電極が電気的に接続される第1ゲートバスバーと、前記第1ゲートバスバーとで前記複数の第1ゲート電極および前記複数の第1ドレイン電極を挟み前記複数の第1ドレイン電極が接続される第1ドレインバスバーと、を備え、前記基板上に設けられた第1トランジスタと、第2方向に延伸する複数の第2ゲート電極と、前記第2方向に延伸する複数の第2ドレイン電極と、前記2つの信号のうち第2信号が第1端部に入力し前記複数の第2ゲート電極が電気的に接続される第2ゲートバスバーと、前記第2ゲートバスバーとで前記複数の第2ゲート電極および前記複数の第2ドレイン電極を挟み前記複数の第2ドレイン電極が電気的に接続される第2ドレインバスバーと、を備え、前記基板上に設けられた第2トランジスタと、前記基板上に設けられ、前記第1トランジスタが増幅した前記第1信号と前記第2トランジスタが増幅した前記第2信号とが合成される合成ノードと、前記基板上に設けられ、前記第1ドレインバスバーと前記合成ノードとを接続する第1線路と、前記基板上に設けられ、前記第2ドレインバスバーと前記合成ノードとを接続し、前記第2ドレインバスバーのうち前記第1端部の前記第2トランジスタにおける対角に位置する第2端部に接続する第2線路と、を備えるドハティ増幅器である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1におけるドハティ増幅器の回路図である。
図2図2は、実施例1における半導体チップの平面図である。
図3図3は、比較例1における半導体チップの平面図である。
図4図4は、比較例2における半導体チップの平面図である。
図5図5は、実施例2における半導体チップの平面図である。
図6図6は、実施例3における半導体チップの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、基板と、第1方向に延伸する複数の第1ゲート電極と、前記第1方向に延伸する複数の第1ドレイン電極と、入力信号が分配された2つの信号のうち第1信号が入力し前記複数の第1ゲート電極が電気的に接続される第1ゲートバスバーと、前記第1ゲートバスバーとで前記複数の第1ゲート電極および前記複数の第1ドレイン電極を挟み前記複数の第1ドレイン電極が接続される第1ドレインバスバーと、を備え、前記基板上に設けられた第1トランジスタと、第2方向に延伸する複数の第2ゲート電極と、前記第2方向に延伸する複数の第2ドレイン電極と、前記2つの信号のうち第2信号が第1端部に入力し前記複数の第2ゲート電極が電気的に接続される第2ゲートバスバーと、前記第2ゲートバスバーとで前記複数の第2ゲート電極および前記複数の第2ドレイン電極を挟み前記複数の第2ドレイン電極が電気的に接続される第2ドレインバスバーと、を備え、前記基板上に設けられた第2トランジスタと、前記基板上に設けられ、前記第1トランジスタが増幅した前記第1信号と前記第2トランジスタが増幅した前記第2信号とが合成される合成ノードと、前記基板上に設けられ、前記第1ドレインバスバーと前記合成ノードとを接続する第1線路と、前記基板上に設けられ、前記第2ドレインバスバーと前記合成ノードとを接続し、前記第2ドレインバスバーのうち前記第1端部の前記第2トランジスタにおける対角に位置する第2端部に接続する第2線路と、を備えるドハティ増幅器である。これにより、小型化することができる。
(2)上記(1)において前記合成ノードは前記第1トランジスタの前記第1方向に位置する領域に設けられ、前記第1端部は、前記第2端部より前記第1トランジスタに近く、前記第1方向において前記第2端部より前記合成ノードから遠くてもよい。
(3)上記(2)において、前記第2トランジスタの前記第1方向における幅は、前記第1トランジスタの前記第1方向における幅より大きく、前記第1方向に直交する方向から見て、前記第2トランジスタは前記第1トランジスタと重なりかつ前記第1線路の少なくとも一部と重なってもよい。
(4)上記(3)において、前記第2トランジスタのゲート幅は、前記第1トランジスタのゲート幅より大きくてもよい。
(5)上記(4)において、前記第1方向と前記第2方向とは交差してもよい。
(6)上記(4)において、前記第1方向と前記第2方向とは直交してもよい。
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記第2線路はインピーダンス変換器を含んでもよい。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記第2ドレインバスバーの前記第2端部における幅は、前記第2ドレインバスバーの前記第2端部と反対の第3端部における幅より大きくてもよい。
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、前記第1トランジスタは、前記第1方向に延伸する複数の第1ソース電極を備え、前記複数の第1ゲート電極のうち1つの第1ゲート電極は前記複数の第1ソース電極のうち1つの第1ソース電極と前記複数の第1ドレイン電極のうち1つの第1ドレイン電極に挟まれ、前記第2トランジスタは、前記第2方向に延伸する複数の第2ソース電極を備え、前記複数の第2ゲート電極のうち1つの第2ゲート電極は前記複数の第2ソース電極のうち1つの第2ソース電極と前記複数の第2ドレイン電極のうち1つの第2ドレイン電極に挟まれてもよい。
(10)上記(1)から(9)のいずれかにおいて、前記第1トランジスタはメインアンプであり、前記第2トランジスタはピークアンプであってもよい。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態にかかるドハティ増幅器の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
[実施例1]
図1は、実施例1におけるドハティ増幅器の回路図である。図1に示すように、実施例1のドハティ増幅器では、入力端子Tinと出力端子Toutとの間にメインアンプ30とピークアンプ32とが並列に接続されている。入力端子Tinに入力信号Siとして高周波信号が入力する。ドハティ増幅器が移動体通信の基地局に用いられる場合、高周波信号の周波数は例えば0.5GHz以上かつ10GHz以下である。分配器37は入力端子Tinに入力した入力信号Siを信号Si1(第1信号)とSi2(第2信号)とに分配する。分配器37は例えばウイルキソン型分配器である。
【0011】
信号Si1は整合回路33を通過しメインアンプ30に入力する。整合回路33は分配器37から整合回路33をみたインピーダンスを整合回路33からメインアンプ30をみたインピーダンスに整合させる。メインアンプ30は、信号Si1を増幅し増幅された信号を出力する。メインアンプ30が増幅した信号So1は、整合回路34を通過しノードN1に出力される。整合回路34は、メインアンプ30から整合回路34をみたインピーダンスを整合回路34からノードN1をみたインピーダンスに整合させる。
【0012】
信号Si2は整合回路35を通過しピークアンプ32に入力する。整合回路35は分配器37から整合回路35をみたインピーダンスを整合回路35からピークアンプ32をみたインピーダンスに整合させる。ピークアンプ32は、信号Si2を増幅し増幅された信号を出力する。ピークアンプ32が増幅した信号So2は、整合回路36およびインピーダンス変換器38を通過しノードN1に出力される。整合回路36は、ピークアンプ32から整合回路36をみたインピーダンスを整合回路36からインピーダンス変換器38をみたインピーダンスに整合させる。
【0013】
合成ノードであるノードN1は、メインアンプ30から出力された信号So1とピークアンプ32から出力された信号So2とを合成し、合成された信号を出力信号Soとして、出力端子Toutに出力する。メインアンプ30およびピークアンプ32にバイアス電圧を供給するバイアス回路および信号So1とSo2の位相を調整する位相調整回路の図示は省略している。
【0014】
メインアンプ30およびピークアンプ32は、それぞれトランジスタQ1およびQ2を含む。トランジスタQ1およびQ2はFET(Field Effect Transistor)である。トランジスタQ1のソースSは接地され、ゲートGには信号Si1が入力し、ドレインDから信号So1が出力される。トランジスタQ2のソースSは接地され、ゲートGには信号Si2が入力し、ドレインDから信号So2が出力される。
【0015】
トランジスタQ1およびQ2は、例えばGaN HEMT(Gallium Nitride High Electron Mobility Transistor)またはLDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)である。メインアンプ30とピークアンプ32の大きさ(例えばトランジスタQ1およびQ2のゲート幅)は同じでもよいし、異なっていてもよい。例えばトランジスタQ2のゲート幅はトランジスタQ1のゲート幅の2倍である。このとき、ピークアンプ32の飽和電力はメインアンプ30の飽和電力の約2倍である。
【0016】
メインアンプ30は、AB級またはB級動作し、ピークアンプ32はC級動作する。入力信号Siの入力電力が小さいときにはメインアンプ30が主に入力信号Siを増幅する。入力電力が大きくなると、メインアンプ30に加え、ピークアンプ32が入力信号Siのピークを増幅する。これにより、メインアンプ30とピークアンプ32とが入力信号Siを増幅する。
【0017】
入力電力が小さくピークアンプ32が動作しないとき、整合回路36は、インピーダンス変換器38から整合回路36を見たインピーダンスをほぼオープンにする。このため、整合回路36はインピーダンスを変換する伝送線路を有する。これにより、整合回路34からノードN1を見たインピーダンスは、ピークアンプ32が動作するときと動作しないときとにおいて、整合回路34からノードN1を見たインピーダンスが異なる。整合回路34は、いずれのインピーダンスにおいてもメインアンプ30が飽和電力において最適動作する(例えば効率が最大になる)ように設計されている。入力電力が大きくピークアンプ32が動作するとき、整合回路36は、ピークアンプ32が飽和電力において最適動作する(例えば効率が最大になる)ように設計されている。
【0018】
インピーダンス変換器38は、長さが例えばほぼλ/4(例えば1λ/8以上かつ3λ/8以下)の伝送線路である。λは、動作帯域の中心周波数における波長である。伝送線路の特性インピーダンスを適切に選択することで、インピーダンスを変換する。整合回路36からインピーダンス変換器38を見たインピーダンスをインピーダンス変換器38からノードN1を見たインピーダンスに変換する。また、整合回路34、36およびインピーダンス変換器38は、ノードN1において信号So1とSo2との位相差が小さくなるように設定されている。
【0019】
トランジスタQ1、Q2、メインアンプ30、ピークアンプ32、整合回路34、36、インピーダンス変換器38およびノードN1は半導体チップ100に設けられている。
【0020】
図2は、実施例1における半導体チップの平面図である。基板10の法線方向をZ方向、トランジスタQ1におけるソース電極12a、ゲート電極14aおよびドレイン電極16aの延伸方向をY方向、ソース電極12a、ゲート電極14aおよびドレイン電極16aの配列方向をX方向とする。
【0021】
図2に示すように、基板10上に、トランジスタQ1(第1トランジスタ)、Q2(第2トランジスタ)、整合回路34、36、インピーダンス変換器38およびノードN1が設けられている。トランジスタQ1は、基板10の上面におけるX方向における-方向およびY方向における-方向の領域に設けられている。
【0022】
トランジスタQ1は、複数のソース電極12a(第1ソース電極)、複数のゲート電極14a(第1ゲート電極)および複数のドレイン電極16a(第1ドレイン電極)を有する。ソース電極12a、ゲート電極14aおよびドレイン電極16aはそれぞれソースフィンガ、ゲートフィンガおよびドレインフィンガであり、Y方向に延伸し、X方向に配列する。X方向において、ソース電極12aとドレイン電極16aと1つずつ互い違いに設けられている。ゲート電極14aは、X方向において1つのソース電極12aと1つのドレイン電極16aとの間に設けられている。
【0023】
ソース電極12aはバイアホール22aを介し、基板10の下面に設けられ基準電位が供給される金属層に電気的に接続され短絡されている。ゲート電極14aはY方向における-端においてゲートバスバー24a(第1ゲートバスバー)に電気的に接続され短絡されている。ドレイン電極16aは、Y方向における+端においてドレインバスバー26a(第1ドレインバスバー)に電気的に接続されている。ゲートバスバー24aとドレインバスバー26aとは、ソース電極12a、ゲート電極14aおよびドレイン電極16aを挟む。ゲートバスバー24aは、X方向に延伸し、ゲートパッドを兼ねている。ゲートバスバー24aにはX方向に配列された複数のボンディングワイヤ25aが接合されている。
【0024】
トランジスタQ2は、基板10の上面におけるX方向における+方向およびY方向における-方向の領域に設けられている。トランジスタQ2のゲート幅はトランジスタQ1のゲート幅より大きく、例えば2倍である。トランジスタQ2は、複数のソース電極12b(第2ソース電極)、複数のゲート電極14b(第2ゲート電極)および複数のドレイン電極16b(第2ドレイン電極)を有する。ソース電極12b、ゲート電極14bおよびドレイン電極16bはそれぞれソースフィンガ、ゲートフィンガおよびドレインフィンガであり、X方向に延伸し、Y方向に配列する。Y方向において、ソース電極12bとドレイン電極16bと1つずつ互い違いに設けられている。ゲート電極14bは、Y方向において1つのソース電極12bと1つのドレイン電極16bとの間に設けられている。トランジスタQ1のソース電極12a、ゲート電極14aおよびドレイン電極16aの延伸方向と、トランジスタQ2のソース電極12b、ゲート電極14bおよびドレイン電極16bの延伸方向と、はほぼ直交している。
【0025】
ソース電極12bはバイアホール22bを介し、基板10の下面に設けられ基準電位が供給される金属層に電気的に接続され短絡されている。ゲート電極14bはX方向における-端においてゲートバスバー24b(第2ゲートバスバー)に電気的に接続され短絡されている。ドレイン電極16bは、X方向における+端においてドレインバスバー26b(第2ドレインバスバー)に電気的に接続されている。ゲートバスバー24bとドレインバスバー26bとは、ソース電極12b、ゲート電極14bおよびドレイン電極16bを挟む。ゲートバスバー24bのY方向における-端には、ゲートパッド28が電気的に接続されている。ゲートパッド28はX方向に延伸し、ゲートパッド28にはX方向に配列された複数のボンディングワイヤ25bが接合されている。
【0026】
基板10の上面には配線層27が設けられている。配線層27は、線路27a(第1線路)、線路27b、線路27c(第2線路)およびノードN1(合成ノード)を形成する。線路27aは、Y方向に延伸する。線路27aのY方向における-端はドレインバスバー26aのX方向における中央付近に電気的に接続し、線路27aのY方向における+端はノードN1に電気的に接続されている。これにより、線路27aは、ドレインバスバー26aとノードN1とを電気的に接続する。線路27bの少なくとも一部は、ドレインバスバー26bを兼ねている。線路27cは、X方向に延伸する。線路27cのX方向における+端は線路27bに電気的に接続し、線路27cのX方向における-端はノードN1に電気的に接続されている。これにより、線路27cは、ドレインバスバー26bとノードN1とを電気的に接続する。
【0027】
線路27aから27cと基板10の下面に設けられた金属層とは各々伝送線路(マイクロストリップ線路)を形成する。線路27aの長さおよび幅を適切に設計することで、線路27aを含む伝送線路は、整合回路34の少なくとも一部を形成する。線路27bの長さおよび幅を適切に設計することで、線路27bを含む伝送線路は、整合回路36の少なくとも一部を形成する。線路27cの長さおよび幅を適切に設計することで、線路27cを含む伝送線路は、長さがほぼλ/4のインピーダンス変換器38を形成する。ノードN1には、ボンディングワイヤ25cが接合されている。
【0028】
ボンディングワイヤ25aからゲートバスバー24aに信号Si1が入力する。トランジスタQ1が増幅した信号So1は線路27aを通過し、ノードN1に至る。ボンディングワイヤ25bからゲートパッド28に信号Si2が入力する。トランジスタQ2が増幅した信号So2は線路27bおよび線路27cを通過し、ノードN1に至る。ノードN1において信号So1とSo2とが合成され、合成された信号Soはボンディングワイヤ25cから出力される。
【0029】
トランジスタQ1およびQ2がGaN HEMTの場合、基板10は、例えば基板と、基板上の設けられた半導体層を含む。基板は、例えば炭化シリコン(SiC)基板、ダイヤモンド基板、シリコン基板、窒化ガリウム(GaN)基板またはサファイア基板である。半導体層は、例えば窒化ガリウム電子走行層と、窒化ガリウム電子走行層上に設けられた窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)バリア層と、を含む。ソース電極12a、12b、ドレイン電極16aおよび16bは、例えば基板10上に設けられた密着膜(例えばチタン膜)および密着膜上に設けられたアルミニウム膜等の金属膜である。アルミニウム膜上に金層等の配線層が設けられていてもよい。ゲート電極14aおよび14bは、例えば基板10上に設けられた密着膜(例えばニッケル膜)および密着膜上に設けられた金膜等の金属膜である。配線層27は、例えば金層等の金属層である。
【0030】
[比較例1]
図3は、比較例1における半導体チップの平面図である。比較例1の半導体チップ110では、トランジスタQ2のソース電極12b、ゲート電極14bおよびドレイン電極16bは、Y方向に延伸し、X方向に配列する。ゲート電極14bは、Y方向の-端においてゲートバスバー24bに電気的に接続する。ドレイン電極16bは、Y方向の+端においてドレインバスバー26bに電気的に接続する。ゲートバスバー24bはゲートパッドを兼ねており、ゲートバスバー24bにはX方向に配列された複数のボンディングワイヤ25bが接合されている。
【0031】
線路27bは、ドレインバスバー26bとは別に設けられている。線路27bのY方向における-端は、ドレインバスバー26bのX方向における+端に電気的に接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0032】
比較例1では、ゲートバスバー24bのX方向の-端付近に入力した信号52aは、X方向における-端付近のゲート電極14bおよびドレイン電極16b、並びにドレインバスバー26bを通過する。ゲートバスバー24bのX方向の+端付近に入力した信号52bは、X方向における+端付近のゲート電極14bおよびドレイン電極16bを通過する。信号52aと52bは、ドレインバスバー26bのX方向における+端付近において合成され、信号54として線路27bに出力される。信号52aはドレインバスバー26bを通過するのに対し、信号52bはドレインバスバー26bをほとんど通過しない。このため、信号52aと52bの位相差が大きくなる。よって、信号52aと52bとが合成されると、位相差に起因した合成損失が生じる。
【0033】
[比較例2]
図4は、比較例2における半導体チップの平面図である。比較例2の半導体チップ112では、線路27bのY方向における-Y端は、ドレインバスバー26bのX方向における中央付近に電気的に接続されている。これにより、信号52aと信号52bとはドレインバスバー26bを同程度通過した後に、ドレインバスバー26bのX方向における中央部において合成され、信号54として線路27bに出力される。このため、信号52aと52bの位相差が小さい。よって、信号52aと52bとが合成されたときに、位相差に起因した合成損失が生じにくい。
【0034】
このように、比較例2では、比較例1に比べ、トランジスタQ2における信号52aと52bとの位相差が生じにくく、合成損失を抑制できる。しかし、トランジスタQ2のX方向における幅が大きい場合には、X方向における中央部のゲート電極14bを通過した信号52cと信号52aおよび52bとの位相差が生じる。これにより、比較例1よりは小さいものの合成損失が生じる。また、基板10の上面には、線路27aから27cを設ける。線路27cはインピーダンス変換器38として機能するためλ/4程度の長さである。線路27bは整合回路36として機能する長さである。また、線路27aと、線路27bおよび27cとは、ノードN1において信号So1とSo2との位相差が小さくなるように設定される。このため、線路27bと27cとの合計の長さを確保するため、線路27bはY方向に延伸し、線路27cはX方向に延伸する。このため、基板10の面積を大きくすることになり、半導体チップ112が大型化する。また、非対称ドハティ増幅器では、トランジスタQ2のゲート幅がトランジスタQ1のゲート幅より大きい。この場合、ピークアンプ32の出力インピーダンスがメインアンプ30の出力インピーダンスより低くなる。例えば、ピークアンプ32の出力インピーダンスはメインアンプ30の出力インピーダンスの0.8倍以下かつ0.5倍以上である。このため、整合回路として機能する線路27bは線路27aより長くなる。このため、半導体チップ112はより大型化する。
【0035】
実施例1によれば、図2のように、ボンディングワイヤ25bからゲートパッド28に入力した信号50はゲートバスバー24bのY方向における-Y端付近の第1端部56に入力する。ドレインバスバー26bとノードN1(合成ノード)とを接続する線路27cは、ドレインバスバー26bのうち第1端部56のトランジスタQ2における対角に位置する第2端部58に接続する。これにより、ゲートバスバー24bの第1端部56に入力した信号50のうち信号52aは、ゲートバスバー24b、Y方向における+端付近のゲート電極14bおよびドレイン電極16bを通過する。信号50のうち信号52bは、Y方向における-端付近のゲート電極14bおよびドレイン電極16bおよびドレインバスバー26bを通過する。信号52aと52bは、ドレインバスバー26bの第2端部58において合成され、信号54として線路27cに出力される。信号52aおよび52bは、それぞれゲートバスバー24bおよびドレインバスバー26bを同程度の距離だけ通過する。このため、信号52aと52bの位相差が小さくなる。よって、信号52aと52bとが合成されたときに、位相差に起因した合成損失が生じにくい。よって、特性の劣化を抑制できる。
【0036】
ノードN1は、トランジスタQ1の第1方向(Y方向における+方向)に位置する領域に設けられている。第1端部56は、第2端部58よりトランジスタQ2に近く、第1方向(Y方向)において第2端部58よりノードN1から遠い。このような配置では、第2端部58とノードN1との距離を確保できるため、線路長の長い線路27cを設けることができる。よって、半導体チップを小型化できる。
【0037】
トランジスタQ2のY方向における幅は、トランジスタQ1のY方向における幅より大きく、X方向から見て、トランジスタQ2はトランジスタQ1と重なりかつ線路27aの少なくとも一部と重なる。これにより、整合回路34として機能する線路27aの長さを確保することができる。
【0038】
ドハティ増幅器が非対称ドハティ増幅器の場合、ピークアンプ32の飽和電力をメインアンプ30の飽和電極より大きくする。このため、トランジスタQ2のゲート幅は、トランジスタQ1のゲート幅より大きい。この場合、トランジスタQ2のゲートバスバー24bおよびドレインバスバー26bが長くなり、比較例1のように、信号52aと52bとの位相差が大きくなる。よって、第1端部56に信号Si2を入力し、第2端部58から信号So2を出力させることで、合成損失を抑制できる。また、トランジスタQ2の出力インピーダンスはトランジスタQ1の出力インピーダンスより低い。このため、インピーダンス整合のためには線路27bは線路27aより長くなる。
【0039】
トランジスタQ1のゲート幅が小さいため、線路27aがドレインバスバー26aのX方向における中央付近に接続しても、X方向における-端付近のゲート電極14aを通過する信号と、X方向における+端付近を通過する信号と、の位相差は生じにくい。トランジスタQ2のゲート幅は、例えば、トランジスタQ1のゲート幅の1.2倍以上であり、1.5倍以上である。また、線路27aのうちドレインバスバー26aに近い部分は、ドレインバスバー26aに近づくにしたがい幅が広くなるテーパー状である。これにより、広帯域化が可能となる。
【0040】
ゲートバスバー24bおよびドレインバスバー26bが長いため、トランジスタQ1のソース電極12a、ゲート電極14aおよびドレイン電極16aが延伸する第1方向と、トランジスタQ2のソース電極12b、ゲート電極14bおよびドレイン電極16bが延伸する第2方向と、を交差させる。これにより、線路27aの長さを確保することができる。また、トランジスタQ1とQ2との間の高周波信号のカップリングが抑制される。
【0041】
第1方向と第2方向とを直交させることで、半導体チップを小型化することができる。また、トランジスタQ1とQ2との間の高周波信号のカップリングがより抑制される。第1方向と第2方向が直交(または略直交)するとは、第1方向と第2方向が幾何学的に直交していなくてもよく、第1方向と第2方向とのなす角度が90°±10°の範囲であればよい。
【0042】
線路27cはインピーダンス変換器38を含む。インピーダンス変換器38は、ほぼ抵抗成分のインピーダンスをほぼ抵抗成分のインピーダンスに変換する。このため、線路27cの長さはλ/4程度(例えばλ/8以上3λ/8以下)である。このため、長い線路27cを設けることになる。そこで、ドレインバスバー26bとノードN1との距離を確保することで、半導体チップを小型化できる。
【0043】
線路27cがドレインバスバー26bの端部に接続するため、ドレインバスバー26bは、整合回路36の機能を有する線路27bを兼ねることができる。これにより、半導体チップを小型化できる。比較例2の図4のように、ドレインバスバー26bの中央部に線路が接続される場合には、ドレインバスバー26bに線路27bの機能を兼ねさせることが難しくなる。
【0044】
ノードN1に接合するボンディングワイヤ25cの位置を調整することで、ノードN1で合成される信号So1とSo2との位相差を小さくすることができる。
【0045】
1つのゲート電極14aは1つのソース電極12aと1つのドレイン電極16aに挟まれ、1つのゲート電極14bは1つのソース電極12bと1つのドレイン電極16bに挟まれる。これにより、トランジスタQ1とQ2をマルチフィンガトランジスタとすることができる。図2では、ソース電極12aおよび12bはそれぞれバイアホール22aおよび22bを介して基準電位が供給される。基板10上に、複数のソース電極12aおよび12bがそれぞれ電気的に接続されるソースバスバーを設けてもよい。
【0046】
ピークアンプ32の飽和電力をメインアンプ30の飽和電極より大きくする場合、トランジスタQ1はメインアンプ30であり、トランジスタQ2はピークアンプ32である。トランジスタQ1はピークアンプ32であり、トランジスタQ2はメインアンプ30でもよい。
【0047】
[実施例2]
図5は、実施例2における半導体チップの平面図である。実施例2の半導体チップ102では、ドレインバスバー26bの第2端部58におけるX方向における幅は、ドレインバスバー26bの第2端部58と反対の第3端部59におけるX方向における幅より大きい。これにより、ドレインバスバー26bを整合回路36の機能を有する線路27bと兼ねることができる。
【0048】
[実施例3]
図6は、実施例3における半導体チップの平面図である。実施例3の半導体チップ104では、トランジスタQ2のソース電極12b、ゲート電極14bおよびドレイン電極16bの延伸方向はY方向である。ゲートバスバー24bおよびドレインバスバー26bの延伸方向はX方向である。ゲートパッド28はゲートバスバー24bのX方向における-端(第1端部56)に電気的に接続され短絡される。線路27cは、ノードN1からX方向における+方向に延伸し、基板10のX方向における+端部において、Y方向における-方向に屈曲する。線路27cのY方向における-端はドレインバスバー26bのX方向における+端(第2端部58)に電気的に接続する。線路27bは、ドレインバスバー26bを兼ねている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0049】
実施例3では、第1端部56に入力した信号50のうち信号52aは、X方向における-端付近のゲート電極14b、ドレイン電極16bおよびドレインバスバー26bを通過する。信号50のうち信号52bは、ゲートバスバー24b、X方向における+端付近のゲート電極14bおよびドレイン電極16bを通過する。信号52aと52bは、ドレインバスバー26bの第2端部58において合成され、信号54として線路27cに出力される。信号52aおよび52bは、それぞれゲートバスバー24bおよびドレインバスバー26bを同程度の距離だけ通過する。このため、信号52aと52bの位相差が小さくなる。よって、信号52aと52bとが合成されたときに、位相差に起因した合成損失が生じにくい。よって、特性の劣化を抑制できる。
【0050】
実施例3のように、トランジスタQ1のソース電極12a、ゲート電極14aおよびドレイン電極16aが延伸する第1方向と、トランジスタQ2のソース電極12b、ゲート電極14bおよびドレイン電極16bが延伸する第2方向と、は同じ方向でもよい。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
10 基板
12a、12b ソース電極
14a、14b ゲート電極
16a,16b ドレイン電極
22a、22b バイアホール
24a、24b ゲートバスバー
25a、25b、25c ボンディングワイヤ
26a、26b ドレインバスバー
27 配線層
27a,27b,27c 線路
28 ゲートパッド
30 メインアンプ
32 ピークアンプ
33、34、35、36 整合回路
37 分配器
38 インピーダンス変換器
50、52a、52b、54 信号
56 第1端部
58 第2端部
59 第3端部
100、102、104、110、112 半導体チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示によれば、小型化することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
入力電力が小さくピークアンプ32が動作しないとき、整合回路36は、インピーダンス変換器38から整合回路36を見たインピーダンスをほぼオープンにする。このため、整合回路36はインピーダンスを変換する伝送線路を有する。これにより、整合回路34からノードN1を見たインピーダンスは、ピークアンプ32が動作するときと動作しないときとにおいて異なる。整合回路34は、いずれのインピーダンスにおいてもメインアンプ30が飽和電力において最適動作する(例えば効率が最大になる)ように設計されている。入力電力が大きくピークアンプ32が動作するとき、整合回路36は、ピークアンプ32が飽和電力において最適動作する(例えば効率が最大になる)ように設計されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
ノードN1は、トランジスタQ1の第1方向(Y方向における+方向)に位置する領域に設けられている。第1端部56は、第2端部58よりトランジスタQ1に近く、第1方向(Y方向)において第2端部58よりノードN1から遠い。このような配置では、第2端部58とノードN1との距離を確保できるため、線路長の長い線路27cを設けることができる。よって、半導体チップを小型化できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
ドハティ増幅器が非対称ドハティ増幅器の場合、ピークアンプ32の飽和電力をメインアンプ30の飽和電力より大きくする。このため、トランジスタQ2のゲート幅は、トランジスタQ1のゲート幅より大きい。この場合、トランジスタQ2のゲートバスバー24bおよびドレインバスバー26bが長くなり、比較例1のように、信号52aと52bとの位相差が大きくなる。よって、第1端部56に信号Si2を入力し、第2端部58から信号So2を出力させることで、合成損失を抑制できる。また、トランジスタQ2の出力インピーダンスはトランジスタQ1の出力インピーダンスより低い。このため、インピーダンス整合のためには線路27bは線路27aより長くなる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
ピークアンプ32の飽和電力をメインアンプ30の飽和電力より大きくする場合、トランジスタQ1はメインアンプ30であり、トランジスタQ2はピークアンプ32である。トランジスタQ1はピークアンプ32であり、トランジスタQ2はメインアンプ30でもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
実施例3では、第1端部56に入力した信号50のうち信号52aは、X方向における-端付近のゲート電極14b、ドレイン電極16bおよびドレインバスバー26bを通過する。信号50のうち信号52bは、ゲートバスバー24b、X方向における+端付近のゲート電極14bおよびドレイン電極16bを通過する。信号52aと52bは、ドレインバスバー26bの第2端部58において合成され、信号54として線路27cに出力される。信号52aおよび52bは、それぞれドレインバスバー26bおよびゲートバスバー24bを同程度の距離だけ通過する。このため、信号52aと52bの位相差が小さくなる。よって、信号52aと52bとが合成されたときに、位相差に起因した合成損失が生じにくい。よって、特性の劣化を抑制できる。