(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088327
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】豆類選別機
(51)【国際特許分類】
B07C 5/12 20060101AFI20240625BHJP
B65G 47/08 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B07C5/12
B65G47/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203437
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(71)【出願人】
【識別番号】599118768
【氏名又は名称】株式会社斎藤農機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】谷口 優太
(72)【発明者】
【氏名】岩井 一馬
(72)【発明者】
【氏名】森井 大揮
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 信義
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 章一
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 透
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 昌也
(72)【発明者】
【氏名】菅原 友幸
【テーマコード(参考)】
3F079
3F080
【Fターム(参考)】
3F079AC14
3F079CA18
3F079CA19
3F079CA20
3F079CA21
3F079CA23
3F079CA41
3F079CB06
3F079CB16
3F079CC02
3F079DA06
3F080AA44
3F080BA02
3F080BB01
3F080BB03
3F080BC01
3F080CB11
3F080CB16
3F080CE11
3F080CF11
3F080DA05
3F080DA11
3F080DA15
3F080DB01
(57)【要約】
【課題】莢の内部に収容されている豆の数が不足している不良品を適切に選別できるようにすることが要望されていた。
【解決手段】被選別物hとしての豆類を移送経路に沿って揺動移送しながら被選別物hを良品と不良品とに選別する揺動選別装置15が備えられ、揺動選別装置15に、横幅方向に沿って間隔をあけた状態で並びかつ選別用経路の始端部から移送経路に沿って延びる複数の支持体30と、複数の支持体30を支持する枠体18と、が備えられ、支持体30として、枠体18に相対位置固定状態で支持された第一支持体31と、第一支持体31に対して上下位置を変更可能である第二支持体32と、が横幅方向に交互に並ぶ状態で備えられ、第二支持体32の上下位置を変更することにより、第一支持体31と第二支持体32との隙間dの間隔を変更調整可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物としての豆類を移送経路に沿って揺動移送しながら前記被選別物を良品と不良品とに選別する揺動選別装置が備えられ、
前記揺動選別装置に、横幅方向に沿って間隔をあけた状態で並びかつ選別用経路の始端部から前記移送経路に沿って延びる複数の支持体と、複数の前記支持体を支持する枠体と、が備えられ、
前記支持体として、前記枠体に相対位置固定状態で支持された第一支持体と、前記第一支持体に対して上下位置又は前後位置を変更可能である第二支持体と、が横幅方向に交互に並ぶ状態で備えられ、
前記第二支持体の上下位置又は前後位置を変更することにより、前記第一支持体と前記第二支持体との隙間の間隔を変更調整可能である豆類選別機。
【請求項2】
前記第二支持体が、移送方向上手側端部を支点にして上下揺動可能、かつ、上下揺動位置を変更調整並びに固定可能に支持されている請求項1に記載の豆類選別機。
【請求項3】
前記第二支持体と前記第一支持体との隙間の間隔が、移送方向下手側ほど大となる請求項2に記載の豆類選別機。
【請求項4】
横幅方向に沿って延び、かつ、複数の前記第二支持体の夫々に一体的に連結される横向き連結体が備えられ、
前記横向き連結体が、上下位置を変更調節可能に前記枠体に支持されている請求項1に記載の豆類選別機。
【請求項5】
前記横向き連結体が、複数の前記第二支持体に対して下方に離間した位置に設けられ、
前記横向き連結体と複数の前記第二支持体の夫々とを各別に連結する複数の支柱が備えられている請求項4に記載の豆類選別機。
【請求項6】
前記第一支持体は、移送方向に沿って前記選別用経路の全域に亘って延びる状態で支持され、
前記第二支持体の移送方向下手側端部が前記第一支持体の移送方向下手側端部よりも移送方向上手側に位置する状態で、前記第二支持体が前記第一支持体よりも短い形状となっている請求項1に記載の豆類選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、枝豆、エンドウ、インゲン豆等の豆類を選別するための豆類選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記豆類選別機において、従来では、被選別物をベルトコンベアにて載置移送しながら、ベルトコンベアの下方側より発光器からの光を被選別物に照射し、ベルトコンベアの上方に位置する撮影部にて被選別物の画像を撮影して、撮影部の撮影結果に基づいて被選別物における莢の内部に収容されている豆の数を特定し、設定値より少なければ不良品と判別するようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来構成では、撮影部の撮影結果により莢の内部に収容されている豆の数を特定する場合、例えば、撮影部による撮影が行われる箇所における被選別物の姿勢の変化等に起因して精度のよい判別が行われないおそれがあり、被選別物の良否の判定が適正に行われないおそれがあり、改善の余地があった。
【0005】
そこで、莢の内部に収容されている豆の数が不足している不良品を適切に選別できるようにすることが要望されていた。
【0006】
本発明は、豆の数が不足している不良品などの、厚みが小さい不良品を適切に選別できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る豆類選別機の特徴構成は、被選別物としての豆類を移送経路に沿って揺動移送しながら前記被選別物を良品と不良品とに選別する揺動選別装置が備えられ、前記揺動選別装置に、横幅方向に沿って間隔をあけた状態で並びかつ選別用経路の始端部から前記移送経路に沿って延びる複数の支持体と、複数の前記支持体を支持する枠体と、が備えられ、前記支持体として、前記枠体に相対位置固定状態で支持された第一支持体と、前記第一支持体に対して上下位置又は前後位置を変更可能である第二支持体と、が横幅方向に交互に並ぶ状態で備えられ、前記第二支持体の上下位置又は前後位置を変更することにより、前記第一支持体と前記第二支持体との隙間の間隔を変更調整可能である点にある。
【0008】
本発明によれば、揺動選別装置によって被選別物が搬入されると、交互に並ぶ第一支持体と第二支持体とによって載置され状態で揺動移送される。その移送途中で第一支持体と第二支持体との間に形成された隙間を通して厚みが小さい被選別物を落下させることができる。例えば、莢の内部に豆が収容されていない被選別物であれば、厚みが小さく薄い形状となるので、そのような不良品を落下させて良品と区別することで良否判別を行うことが可能である。
【0009】
又、第一支持体と第二支持体との隙間の間隔を、良品を誤って落下させることが無いように適切な間隔にすることで、選別精度を向上させることが可能である。そして、第二支持体の上下位置又は前後位置を変更することにより、第一支持体と第二支持体との隙間の間隔を変更するものであるから、例えば、第一支持体及び第二支持体を横幅方向に位置を変更して間隔を変更する構成に比べて、簡単な構造で対応することができ、しかも、複数の第二支持体を一挙に位置変更することも容易に行うことができる。
【0010】
その結果、簡単な構成によって、莢の内部に収容されている豆の数が不足している不良品を適切に選別できるようにすることが可能となった。
【0011】
本発明においては、前記第二支持体が、移送方向上手側端部を支点にして上下揺動可能、かつ、上下揺動位置を変更調整並びに固定可能に支持されていると好適である。
【0012】
第二支持体を位置変更するにあたり、例えば、第二支持体を第一支持体に対して平行な姿勢を維持しながら上下位置を変更する構成が考えられるが、この構成では、調整用の構成が複雑になる不利がある。しかし、本構成によれば、移送方向上手側端部を支点にして上下揺動する構成とすることで、全体の支持構成を複雑にすることなく第二支持体の位置調整を行うことができる。
【0013】
本発明においては、前記第二支持体と前記第一支持体との隙間の間隔が、移送方向下手側ほど大となると好適である。
【0014】
本構成によれば、揺動選別装置の移送方向上手側においては、隙間の間隔は狭いので、被選別物が勢いよく投入されることがあっても誤って良品が落下することを回避できる。そして、揺動移送されるに従って被選別物は第二支持体と第一支持体との隙間に沿う姿勢に整列される。このように整列された状態で広くなった隙間から効率よく不良品を落下させることができる。
【0015】
本発明においては、横幅方向に沿って延び、かつ、複数の前記第二支持体の夫々に一体的に連結される横向き連結体が備えられ、前記横向き連結体が、上下位置を変更調節可能に前記枠体に支持されていると好適である。
【0016】
本構成によれば、横向き連結体の上下位置を変更調節することによって複数の第二支持体を一挙に位置変更させることができる。その結果、第二支持体を各別に位置調整する場合に比べて、能率よく作業を行うことができる。
【0017】
本発明においては、前記横向き連結体が、複数の前記第二支持体に対して下方に離間した位置に設けられ、前記横向き連結体と複数の前記第二支持体の夫々とを各別に連結する複数の支柱が備えられていると好適である。
【0018】
本構成によれば、第二支持体と横向き連結体とは、支柱が介在することによって上下方向に間隔をあけた状態となる。その結果、第一支持体と第二支持体との間の隙間から被選別物が落下するとき、横向き連結体によって落下が妨げられたり、予め設定されている回収予定場所とは異なる位置に落下する等のおそれがなく、選別処理を良好に行える。
【0019】
本発明においては、前記第一支持体は、移送方向に沿って前記選別用経路の全域に亘って延びる状態で支持され、前記第二支持体の移送方向下手側端部が前記第一支持体の移送方向下手側端部よりも移送方向上手側に位置する状態で、前記第二支持体が前記第一支持体よりも短い形状となっていると好適である。
【0020】
本構成によれば、第二支持体の移送方向下手側端部よりも移送方向下手側の領域では、第一支持体だけが存在するので、広い間隔を有する状態となる。そこで、このような広い間隔を通して良品を落下させて回収することができる。さらに、被選別物に長尺状の茎稈屑や枝屑等の夾雑物が混じっている場合には、そのような夾雑物を第一支持体によってさらに移送方向下手側に移送させて別途回収することが可能である。つまり、長く延びる第一支持体を利用して、良品の被選別物から長尺状の夾雑物を分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明においては、図中に示される矢印FWの方向を「移送方向下手側(前側)」、矢印BKの方向を「移送方向上手側(後側)」、矢印UPの方向を「上」、矢印DWの方向を「下」とする。
【0023】
図1に、本発明に係る豆類選別機が示されている。この豆類選別機は、豆類の一例としての枝豆が投入されたのち、枝豆を
図1の紙面左右方向(前後方向)に沿う移送経路に沿って搬送する搬送ユニット1と、被選別物としての枝豆を移送経路に沿って移送しながら被選別物を選別する選別ユニット2と、を備えている。
【0024】
搬送ユニット1には、キャスター付きの支持フレーム3と、投入用コンテナC1に収納された枝豆が投入されるホッパー4と、ホッパー4の底部に設けられ、枝豆を載置搬送する供給用ベルトコンベア5と、供給用ベルトコンベア5の終端部から送り出される枝豆を上方に向けて係止搬送する係止突起付きの搬送コンベア6と、が備えられている。搬送コンベア6は、斜め上方に向けて被選別物を搬送するように上り傾斜姿勢に設けられている。
【0025】
選別ユニット2には、選別ユニット2における移送経路のうち移送方向上手側に位置して、被選別物hに対して選別風を吹き付けて、例えば枝屑や葉屑等の夾雑物を移送経路から分離する風選別部7と、移送経路のうち風選別部7よりも移送方向下手側に位置して、被選別物hを揺動移送しながら、被選別物hのうち良品と不良品とを異なる経路に振り分ける揺動選別部8と、が備えられている。
【0026】
図1及び
図2に示すように、上り傾斜姿勢に設けられている搬送コンベア6の下側に、選別風を生起するファン9と、ファン9により生起される風を上方の風選別部7まで案内する通風路10と、が備えられている。風選別部7において通風路10を通して案内される選別風を搬送コンベア6の搬送終端部から搬出される被選別物hに吹き付けるように構成されている。従って、風選別部7は、搬送コンベア6の搬送終端部から搬出される被選別物hに対して作用する。
【0027】
搬送コンベア6により搬送される搬送処理物のうち、例えば枝屑や葉屑、あるいは、枯れて干からびている不良物等の夾雑物は、選別風により上方に吹き飛ばされる。そして、
図4に示すように、選別風により吹き飛ばされて被選別物hから分離した夾雑物を移送経路の外方に排出する夾雑物排出部11が備えられている。夾雑物排出部11には、選別風により吹き飛ばされた夾雑物を左右両側外方に向けて流下案内する傾斜案内面12が備えられている。傾斜案内面12にて流下案内された夾雑物は選別ユニット2の横方向両側外方に設けられた排出筒13を介して案内され、排出筒13の下端部から図示しない回収容器にて回収される。
【0028】
ファン9は、左右方向に沿って延びる軸芯周りに回転駆動される。ファン9は、平面視でコンベア6の左端から右端に渡って延びている。通風路10の出口の開口は、平面視でコンベア6の左端から右端に渡って延びている。
【0029】
揺動選別部8について説明する。
図1、
図2、
図3に示すように、揺動選別部8は、キャスター付きの支持フレーム14と、支持フレーム14によって支持される揺動選別装置15と、を備えている。揺動選別装置15は、被選別物hを移送経路に沿って揺動移送しながら被選別物hを良品と不良品とに選別する。
【0030】
(揺動選別装置)
揺動選別装置15に、移送経路のうち移送方向上手側に位置して、被選別物hを揺動移送しながら被選別物hの長手方向が移送方向に向かう姿勢となるように向きを整列させる整列部16と、移送経路のうち整列部16よりも移送方向下手側に位置して、被選別物hを移送しながら、被選別物hのうち良品と不良品とを異なる経路に振り分ける選別部17と、が備えられている。整列部16と選別部17は、移送方向に沿って延びる枠体18によって一体的に支持されている。
【0031】
整列部16と選別部17とを一体的に振動させて被選別物hを揺動移送するように構成されている。
図2に示すように、支持フレーム14に対して固定状態で支持される固定壁部19と、固定壁部19に対して整列部16と選別部17とを一体的に移送方向に沿って揺動可能に支持する揺動リンク機構20と、整列部16と選別部17とを一体的に揺動振動させる振動機構21と、が備えられている。
【0032】
振動機構21は、電動モータ22と、電動モータ22により回転駆動される偏心カム23と、偏心カム23と枠体18における横架設体18Bとを連結するロッド24と、を備えている。電動モータ22により偏心カム23が回転すると、偏心カム23の偏心量だけロッド24が繰り返し押し引きされて枠体18が移送方向に沿って振動する。
【0033】
(整列部)
整列部16には、被選別物hが入り込み可能でかつ移送方向に沿って延びる整列用の凹溝25が備えられている。すなわち、
図4に示すように、整列部16は断面が略波型の板体にて構成され、その板体に略三角形状に凸入するとともに移送方向に沿って延びる複数の凹溝25が形成されている。凹溝25は被選別物h(枝豆)が入り込み可能な大きさを有している。すなわち、凹溝25の上下方向の深さが被選別物hの横幅よりも大きい値に設定されており、被選別物hが凹溝25内に入り込んだ状態であれば、振動機構21により揺動操作が行われても、被選別物hが飛び跳ねて隣りの凹溝25に向けて移動するおそれは少ない。
【0034】
整列部16の下手側端部と選別部17の上手側端部との間には第一中継受部26が設けられている。第一中継受部26と整列部16の下手側端部との間に、不良品を下方に落下させて排除する中間不良品排出部27(以下、中間排出部という)が形成されている。具体的には、中間排出部27は、第一中継受部26と整列部16の下手側端部との間に形成されている隙間である。
【0035】
整列部16における凹溝の下端部と第一中継受部26の上端部とが略同じ高さに設定されており、揺動移送される被選別物hが長手方向の幅が長い良品は、整列部16と第一中継受部26とに亘って載置された状態で選別部17側に受け渡される。しかし、一粒莢のような被選別物hの長手方向が良品に比べて短い不良品は中間排出部27から落下する。中間排出部27の下方には、不良品回収部としての不良品回収用コンテナC2と、不良品を不良品回収用コンテナC2内に案内する第一案内板29と、が備えられている。中間排出部27から落下する不良品は不良品回収用コンテナC2により回収される。
【0036】
図示はしていないが、第一中継受部26は、移送方向に沿って位置を変更調整可能に枠体18に支持されている。第一中継受部26の位置を変更することにより、中間排出部27の移送方向に沿う開口幅を変更することができる。
【0037】
(選別部)
図6に示すように、選別部17は、整列部16に対して移送方向下手側に並ぶ状態で位置しており、整列部16の下手側端部が選別部17の上手側端部よりも高い位置に位置する状態で段差DAが形成されている。上述したように、整列部16における凹溝25の下端部と第一中継受部26の上端部とが略同じ高さに設定されており、選別部17の上手側端部が第一中継受部26の上端部に対して低い位置に設定されている。すなわち、整列部16の下手側端部及び第一中継受部26の上端部が高い位置にあり、選別部17の上手側端部が低い位置にあって、これらの間で段差DAが形成されている。
【0038】
選別部17には、横幅方向に沿って間隔をあけた状態で並びかつ選別用経路の始端部から移送経路に沿って延びる複数の支持体30が枠体18に支持される状態で備えられている。選別部17は、支持体30同志の隙間を通して不良品を下方に落下させて排除するよう構成されている。
【0039】
説明を加えると、
図3に示すように、支持体30として、枠体18に相対位置固定状態で支持された第一支持体31と、第一支持体31に対して上下位置を変更可能である第二支持体32と、が横幅方向に交互に並ぶ状態で備えられている。
【0040】
図5に示すように、複数の第一支持体31及び複数の第二支持体32は、夫々断面が略逆V字形の板体にて構成されている。第一支持体31は、移送方向に沿って選別用経路の全域に亘って延びる状態で支持され、第二支持体32の移送方向下手側端部が第一支持体31の移送方向下手側端部よりも移送方向上手側に位置する状態で、第二支持体32が第一支持体31よりも短い形状となっている。
【0041】
第二支持体32の上下位置を変更することにより、第一支持体31と第二支持体32との隙間dの幅を変更調整可能に構成されている。第二支持体32は、移送方向上手側端部を支点にして上下揺動可能、かつ、上下揺動位置を変更調整並びに固定可能に支持されている。第二支持体32と第一支持体31との隙間dの幅が、移送方向下手側ほど大となるように設けられている。具体的には、
図6に示されるように、第二支持体32が、移送方向下手側ほど、第一支持体31から大きく下方に離間する姿勢(すなわち、下り傾斜が大きい姿勢)にて、配置されている。
【0042】
説明を加えると、
図5及び
図6に示すように、第二支持体32の移送方向上手側端部、及び、移送方向下手側端部において、横幅方向に沿って延び、かつ、複数の第二支持体32の夫々に一体的に連結される横向き連結体33が備えられている。横向き連結体33は、複数の第二支持体32に対して下方に離間した位置に設けられ、横向き連結体33と複数の第二支持体32の夫々とを各別に連結する複数の支柱34が備えられている。支柱34は、ボルト35の外周に間隔保持用のスリーブ36を外装して構成されている。支柱34の下部は横向き連結体33にネジ連結され、支柱34の上部は第二支持体32の内側に固定されているブラケット37にネジ連結されている。
【0043】
横向き連結体33は、側面視断面が略L字状であり、横幅方向両側端部が枠体18の横方向両側の側壁部18Aに支持されている。横向き連結体33のうち移送方向上手側の横向き連結体33Aは枠体18に位置固定状態で支持され、移送方向下手側の横向き連結体33Bが上下位置を変更調節可能に枠体18に支持されている。
【0044】
図5に示すように、移送方向下手側の横向き連結体33Bは、横幅方向両側端部が正面視L字形の連結部材38を介して枠体18の側壁部18Aにノブボルト39の締結により連結されている。側壁部18Aに形成されたボルト挿通孔40が上下方向に長い長孔であり、ノブボルト39の位置を長孔の範囲内で変更することで、移送方向下手側の横向き連結体33Bを上下方向に位置変更することができる。横向き連結体33Bが上下位置を変更することにより、複数の第二支持体32の移送方向下手側箇所を一体的に上下方向に位置変更することができる。
【0045】
図6に示すように、移送方向上手側の横向き連結体33Aも、移送方向下手側の横向き連結体33Bと同様に、横幅方向両側端部が枠体18の側壁部18Aに連結部材41を介してボルト42で連結されている。第二支持体32の移送方向下手側箇所を位置変更するときは、移送方向上手側の横向き連結体33Aの連結部材41に対するボルト42の締結を緩めることにより、ボルト42の軸芯周りで第二支持体32が上下揺動することができる。
【0046】
図6に示すように、第一支持体31における移送方向上手側箇所及び移送方向中間側箇所に、第二支持体32と同様に、横幅方向に沿って延び、かつ、複数の第一支持体31の夫々に一体的に連結される横向き連結体43A、43Bが備えられている。横向き連結体43A,43Bは、複数の第一支持体31に対して下方に離間した位置に設けられ、横向き連結体43A,43Bと複数の第一支持体31の夫々とを各別に連結する複数の支柱44が備えられている。横向き連結体43A、43Bと第一支持体31との連結構造は第二支持体32の場合と同様に、図示しない連結用のブラケットを介して枠体18の側壁部18Aに支持されている。但し、第一支持体31においては、連結用のブラケットは側壁部18Aに対して上下位置が固定された状態で支持されている。
【0047】
上記したように第一支持体31に対する第二支持体32の上下位置を変更することによって、第一支持体31と第二支持体32との隙間の幅を変更調整することができる。
図5及び
図6に示すように、被選別物hを揺動移送している途中において、例えば、莢に豆が含まれない幅狭の不良品を第一支持体31と第二支持体32との隙間から下方に落下させて排除することができる。このとき、隙間の幅を変更調整することによって、良品を誤って落下させることがないように、第一支持体31と第二支持体32との隙間の幅を適切な値に調節することができる。
【0048】
選別部17の下手側箇所に、不良品を下方に落下させて排除する下手側不良品排出部45(以下、下手側排出部という)が形成されている。
【0049】
説明を加えると、
図2、
図3及び
図6に示すように、第二支持体32の移送方向下手側端部よりも移送方向下手側に寄った位置に第二中継受部46が備えられ、第二支持体32の移送方向下手側端部と第二中継受部46との間に下手側排出部45が形成されている。具体的には、下手側排出部45は、第二支持体32の移送方向下手側端部と第二中継受部46との間に形成された隙間である。
【0050】
第二支持体32における被選別物hの載置位置と第二中継受部46の上端部とが略同じ高さに設定されており、揺動移送される被選別物hが長手方向の幅が長い良品は、第二支持体32と第二中継受部46とに亘って載置された状態で移送方向下手側に移送される。一方、一粒莢のような被選別物hの長手方向が良品に比べて短い不良品は、下手側排出部45から下方に落下する。
【0051】
下手側排出部45の下方には、落下した不良品を不良品回収部としての不良品回収用コンテナC2に案内する第二案内板47が備えられ、不良品は不良品回収用コンテナC2により回収される。
【0052】
下手側排出部45から落下せずに移送方向下手側に移送された良品は、第二支持体32による載置支持が解除されると、第一支持体31のみが存在する領域に移送される。第一支持体31の横幅方向の離間間隔は被選別物hの幅よりも大に設定されており、良品の被選別物hは第一支持体31同志の隙間から下方に落下する。第一支持体31のみが存在する領域の下方には、良品回収部としての良品回収用コンテナC3と、良品を良品回収用コンテナC3内に案内する第三案内板48と、が備えられ、落下した良品は良品回収箱により回収される。
【0053】
第二案内板47及び第三案内板48の上端部は、第二中継受部46の下部に支持されており、不良品と良品とが混ざり合うことが無いように仕切られる構成となっている。
【0054】
図示はしていないが、第二中継受部46は、移送方向に沿って位置を変更調整可能に枠体18に支持されている。第二中継受部46の位置を変更することにより、下手側排出部45の移送方向に沿う開口幅を変更することができ、良品が誤って下方に落下しないように適切な間隔に調整することができる。
【0055】
選別部17により揺動移送される搬送物のうち不良品の被選別物hは不良品回収用コンテナC2に回収され、良品の被選別物hは良品回収用コンテナC3に回収される。そして、搬送物に含まれる茎稈屑や長い枝等の長尺状の夾雑物は、回収されることなく、第一支持体31によって載置された状態で選別部17の移送方向下手側端部にまで移送される。このような長尺状の夾雑物は、選別部17の移送方向下手側に備えられた案内シュート49を介して茎稈屑回収用コンテナC4に回収される。
【0056】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第一支持体と前記第二支持体との隙間の間隔を変更調整可能に構成するにあたり、第二支持体が、移送方向上手側端部を支点にして上下揺動可能に支持される構成としたが、この構成に代えて、第二支持体が、移送方向上手側端部及び移送方向下手側端部が同時に上下方向に移動可能に支持される構成としてもよい。この場合には、第二支持体と第一支持体との隙間の間隔が、移送方向のどの位置でも同じように変更される。
【0057】
(2)上記実施形態では、横向き連結体と第二支持体とを支柱によって連結したが、この構成に代えて、横向き連結体と第二支持体と直接連結する構成としてもよい。
【0058】
(3)上記実施形態では、横向き連結体が上下位置を変更調節可能に枠体に支持されている構成としたが、横向き連結体を備えることなく、第二支持体を各別に上下位置を変更可能に枠体に支持する構成としてもよい。
【0059】
(4)上記実施形態では、第二支持体32の上下位置を変更することにより、第一支持体31と第二支持体32との隙間dの幅を変更調整可能な構成としたが、この構成に代えて、第二支持体32の前後位置を変更することにより、第一支持体31と第二支持体32との隙間dの幅を変更調整可能な構成としてもよい。
【0060】
(5)上記実施形態では、第二支持体が第一支持体よりも短い構成としたが、この構成に代えて、第一支持体と第二支持体とが同じ長さであってもよい。この場合、良品の被選別物は選別部17の選別経路の終端から排出される。
【0061】
(6)上記実施形態では、選別部17の下手側箇所に下手側排出部45が形成される構成としたが、このような下手側排出部45を備えない構成としてもよい。
【0062】
(7)上記実施形態では、枝豆を被選別物hとして選別する構成としたが、被選別物hとしては、枝豆に限らず、エンドウ、インゲン豆等の他の種類の豆類を選別する構成でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、豆類を選別するための豆類選別機に適用できる。
【符号の説明】
【0064】
15 揺動選別装置
18 枠体
30 支持体
31 第一支持体
32 第二支持体
33B 横向き連結体
d 隙間
h 被選別物