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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088336
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】コージェネレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   F24D 18/00 20220101AFI20240625BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20240625BHJP
   F24H 15/223 20220101ALI20240625BHJP
   F24H 15/32 20220101ALI20240625BHJP
   F24H 15/128 20220101ALI20240625BHJP
   F24D 101/30 20220101ALN20240625BHJP
   F24D 103/17 20220101ALN20240625BHJP
【FI】
F24D18/00
F24H1/18 G
F24H15/223
F24H15/32
F24H15/128
F24D101:30
F24D103:17
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203448
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高須 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】本道 正樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】伴野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】大村 俊哉
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA28
3L122AA62
3L122AB22
3L122BB02
3L122DA15
3L122EA24
(57)【要約】
【課題】停電中に熱媒体の供給断が発生しても発電を継続させる。
【解決手段】コージェネレーションシステム1の制御部44は、燃料電池モジュール30が発電を行っている状態において、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出されず、かつ、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が満蓄に近いことを示す所定温度以上となった場合、貯湯タンク70内の熱媒体の一部を、排出路78を通じて排出させるとともに、排出された熱媒体よりも温度が低い熱媒体を、供給路84を通じて貯湯タンク70内に供給させ、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出され、かつ、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が所定温度以上となった場合、排出路78を通じた熱媒体の排出は行わず、貯湯タンク70から熱消費機器18に熱媒体を供給させ、熱媒体の熱を熱消費機器18で消費させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素と空気とに基づいて発電する燃料電池モジュールと、
熱媒体を貯留する貯湯タンクと、
前記燃料電池モジュールから排出される排気と、前記貯湯タンクから送出されて前記貯湯タンクに戻る前記熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、
前記貯湯タンクから前記熱媒体が供給されることで、前記熱媒体の熱を消費する熱消費機器と、
前記貯湯タンク内の前記熱媒体の温度を検出する温度センサと、
前記貯湯タンク内の前記熱媒体を外部に排出可能な排出路と、
前記貯湯タンク内に外部から前記熱媒体を供給可能な供給路と、
前記供給路を通じて前記貯湯タンクに前記熱媒体を供給不能な状態を示す供給断の発生を検出する供給断検出部と、
電力系統の停電を検出する停電検出部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記燃料電池モジュールが発電を行っている状態において、
前記停電が検出され、前記停電中に、前記供給断の発生が検出されず、かつ、前記貯湯タンク内の前記熱媒体の温度が満蓄に近いことを示す所定温度以上となった場合、前記貯湯タンク内の前記熱媒体の一部を、前記排出路を通じて排出させるとともに、排出された前記熱媒体よりも温度が低い前記熱媒体を、前記供給路を通じて前記貯湯タンク内に供給させ、
前記停電が検出され、前記停電中に、前記供給断の発生が検出され、かつ、前記貯湯タンク内の前記熱媒体の温度が前記所定温度以上となった場合、前記排出路を通じた前記熱媒体の排出は行わず、前記貯湯タンクから前記熱消費機器に前記熱媒体を供給させ、前記熱媒体の熱を前記熱消費機器で消費させる、コージェネレーションシステム。
【請求項2】
分電盤内に配置されて前記電力系統と電気的に接続されるブレーカと前記燃料電池モジュールとの間に電気的に接続されるスイッチ群をさらに備え、
前記熱消費機器は、前記スイッチ群に電気的に接続されており、
前記制御部は、前記停電が検出された場合、前記燃料電池モジュールの発電により生成された電力を、前記ブレーカを介さずに前記熱消費機器に供給するように前記スイッチ群を制御する、請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コージェネレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、燃料電池モジュールの発電により生じた排熱を利用して湯を生成するコージェネレーションシステムが開示されている。かかるコージェネレーションシステムでは、発電により生じた排熱を第1熱媒体(例えば、水)に移動させ、第1熱媒体と、第1熱媒体とは別の経路を流通する第2熱媒体(例えば、別の水)とを熱交換さ
せることで湯が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-191949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コージェネレーションシステムでは、外部から貯湯タンクに熱媒体(例えば、水)を供給することができるようになっており、貯湯タンク内の熱媒体(例えば、水)を補給することができる。ここで、電力系統に停電が発生した場合、熱媒体を外部から貯湯タンクに供給不能な供給断(例えば、断水)が発生することがある。
【0005】
このような供給断が発生している状態で燃料電池モジュールの発電を行うと、外部からの熱媒体を取り入れることができず、貯湯タンク内の熱媒体の温度上昇を抑制することができないため、貯湯タンクが満蓄に至ることがある。貯湯タンクが満蓄に至ると、燃料電池モジュールは、安全を考慮して発電を停止する。
【0006】
このように、停電中に熱媒体の供給断が発生すると、燃料電池モジュールの発電を継続させることができなくなることがあり、停電時のバックアップ電源としての機能を十分に発揮させることができない。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、停電中に熱媒体の供給断が発生しても発電を継続させることが可能なコージェネレーションシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のコージェネレーションシステムは、水素と空気とに基づいて発電する燃料電池モジュールと、熱媒体を貯留する貯湯タンクと、燃料電池モジュールから排出される排気と、貯湯タンクから送出されて貯湯タンクに戻る熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、貯湯タンクから熱媒体が供給されることで、熱媒体の熱を消費する熱消費機器と、貯湯タンク内の熱媒体の温度を検出する温度センサと、貯湯タンク内の熱媒体を外部に排出可能な排出路と、貯湯タンク内に外部から熱媒体を供給可能な供給路と、供給路を通じて貯湯タンクに熱媒体を供給不能な状態を示す供給断の発生を検出する供給断検出部と、電力系統の停電を検出する停電検出部と、制御部と、を備え、制御部は、燃料電池モジュールが発電を行っている状態において、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出されず、かつ、貯湯タンク内の熱媒体の温度が満蓄に近いことを示す所定温度以上となった場合、貯湯タンク内の熱媒体の一部を、排出路を通じて排出させるとともに、排出された熱媒体よりも温度が低い熱媒体を、供給路を通じて貯湯タンク内に供給させ、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出され、かつ、貯湯タンク内の熱媒体の温度が所定温度以上となった場合、排出路を通じた熱媒体の排出は行わず、貯湯タンクから熱消費機器に熱媒体を供給させ、熱媒体の熱を熱消費機器で消費させる。
【0009】
コージェネレーションシステムは、分電盤内に配置されて電力系統と電気的に接続されるブレーカと燃料電池モジュールとの間に電気的に接続されるスイッチ群をさらに備え、熱消費機器は、スイッチ群に電気的に接続されており、制御部は、停電が検出された場合、燃料電池モジュールの発電により生成された電力を、ブレーカを介さずに熱消費機器に供給するようにスイッチ群を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、停電中に熱媒体の供給断が発生しても発電を継続させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態のコージェネレーションシステムの概要図である。
図2図2は、電力系統の停電が検知されたときのスイッチ群の状態を説明するための図である。
図3図3は、制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。
図4図4は、制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態のコージェネレーションシステム1の概略図である。図1では、熱の移動路を太い実線で示し、電気配線を、熱の移動路を示す実線よりも細い実線で示している。また、図1の破線の矢印は、信号の伝達を示している。本実施形態のコージェネレーションシステム1は、分電盤10、燃料電池ユニット12、熱交換器14、貯湯ユニット16および熱消費機器18を備える。
【0014】
分電盤10は、主幹ブレーカ20および複数の分岐ブレーカ22を有する。主幹ブレーカ20の1次側は、電力系統24に電気的に接続されている。複数の分岐ブレーカ22の1次側は、主幹ブレーカ20の2次側に接続されている。図1では、複数の分岐ブレーカ22として、分岐ブレーカ22a、分岐ブレーカ22b、分岐ブレーカ22cの3つの分岐ブレーカが示されている。なお、分岐ブレーカ22の数は、3つに限らず、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。
【0015】
分岐ブレーカ22aは、AC200V用の分岐ブレーカ22である。分岐ブレーカ22aは、例えば、単相三線式の2つの電圧線の間に接続される。分岐ブレーカ22bおよび分岐ブレーカ22cは、AC100V用の分岐ブレーカ22である。分岐ブレーカ22bおよび分岐ブレーカ22cは、例えば、単相三線式の一方の電圧線と中性線との間に接続される。分岐ブレーカ22cの2次側には、電気的な負荷機器26が接続される。
【0016】
燃料電池ユニット12は、燃料電池モジュール30、水タンク32、分離器34、コンバータ36、インバータ38、スイッチ群40、停電検出部42および制御部44を有する。
【0017】
燃料電池モジュール30は、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)である。なお、燃料電池モジュール30は、固体高分子形燃料電池に限らず、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)など他の方式の燃料電池であってもよい。
【0018】
水タンク32は、中空の容器であり、水を貯留する。水タンク32は、燃料電池モジュール30に接続される。燃料電池モジュール30には、水タンク32内の水が不図示のポンプによって供給される。
【0019】
燃料電池モジュール30は、水素と空気とに基づいて発電する。例えば、燃料電池モジュール30には、都市ガスなどの燃料が供給される。燃料電池モジュール30は、供給された燃料と水とから、燃料を改質して水素を生成する。また、燃料電池モジュール30には、酸素を含む空気が供給される。燃料電池モジュール30は、生成した水素と供給された空気(より詳細には、酸素)とを化学反応させて、電気を生成(発電)する。
【0020】
燃料電池モジュール30では、発電に伴って排気が生じる。排気には、燃料電池モジュール30に供給された空気の一部、および、化学反応によって生成された水(より詳細には、水蒸気)が含まれる。
【0021】
燃料電池モジュール30の排気口は、熱交換器14に接続されている。熱交換器14には、燃料電池モジュール30から排出される排気が供給される。また、後に詳述するが、熱交換器14には、貯湯ユニット16の貯湯タンク70から送出される熱媒体が供給される。熱媒体は、例えば、水であるが、熱を伝えることが可能な任意の流体であってもよい。熱交換器14は、燃料電池モジュール30から排出される排気と、貯湯タンクから送出される熱媒体との間で熱交換を行う。これにより、排気の熱が熱媒体に移動される。
【0022】
分離器34は、熱交換器14に接続されている。ここで、燃料電池モジュール30から排出された排気は、熱交換器14で熱交換されることで温度が低下する。これにより、排気中の水蒸気は、熱交換器14において凝縮されて液体の水となる。分離器34は、凝縮された液体の水を含む排気から、その液体の水を分離する。分離器34で分離された液体の水は、水タンク32に送られる。分離器34で液体の水が除かれた排気は、燃料電池ユニット12外に排出される。
【0023】
コンバータ36は、燃料電池モジュール30に電気的に接続される。コンバータ36は、燃料電池モジュール30により生成された直流の電圧を、直流の他の電圧に変換する。インバータ38は、コンバータ36に電気的に接続される。インバータ38は、コンバータ36により変換された後の直流電圧を交流電圧に変換する。
【0024】
電力系統24に停電が発生していない通常時には、燃料電池ユニット12の出力電圧、すなわち、インバータ38の出力電圧がAC200Vとなるように、コンバータ36およびインバータ38が制御される。一方、電力系統24の停電時には、燃料電池ユニット12の出力電圧、すなわち、インバータ38の出力電圧がAC100Vとなるように、コンバータ36およびインバータ38が制御される。
【0025】
スイッチ群40は、インバータ38と分電盤10の複数の分岐ブレーカ22との間に電気的に介挿されている。スイッチ群40は、第1連系リレー50、第2連系リレー52、第1切替スイッチ54および第2切替スイッチ56を有する。
【0026】
第1連系リレー50は、第1接点50aおよび第2接点50bを有する。第1連系リレー50は、第1接点50aおよび第2接点50bの間の電気的なオンオフを切り替え可能となっている。第2連系リレー52は、第1接点52aおよび第2接点52bを有する。第2連系リレー52は、第1接点52aおよび第2接点52bの間の電気的なオンオフを切り替え可能となっている。
【0027】
第1切替スイッチ54は、第1接点54a、第2接点54bおよび第3接点54cを有する。第1切替スイッチ54は、第1接点54aと第2接点54bとが電気的に接続された状態と、第1接点54aと第3接点54cとが電気的に接続された状態とを切り替え可能となっている。
【0028】
第2切替スイッチ56は、第1接点56a、第2接点56bおよび第3接点56cを有する。第2切替スイッチ56は、第1接点56aと第2接点56bとが電気的に接続された状態と、第1接点56aと第3接点56cとが電気的に接続された状態とを切り替え可能となっている。
【0029】
第1連系リレー50の第1接点50aは、インバータ38に接続されている。第1連系リレー50の第2接点50bは、第1切替スイッチ54の第1接点54aに接続されている。
【0030】
第2連系リレー52の第1接点52aは、第1切替スイッチ54の第2接点54bに接続されている。第2連系リレー52の第2接点52bは、AC200V用の分岐ブレーカ22aの2次側に接続されている。
【0031】
第1連系リレー50および第2連系リレー52は、第1切替スイッチ54を介して直列接続されており、燃料電池モジュール30と電力系統24との間に電気的に介挿されている。
【0032】
第1切替スイッチ54の第3接点54cは、第2切替スイッチ56の第1接点56aに接続されている。第2切替スイッチ56の第2接点56bは、AC100V用の分岐ブレーカ22bの2次側に接続されている。
【0033】
貯湯ユニット16および熱消費機器18は、スイッチ群40に電気的に接続されている。具体的には、貯湯ユニット16および熱消費機器18は、第1切替スイッチ54の第3接点54cおよび第2切替スイッチ56の第1接点56aに接続されている。このような接続により、後述するが、燃料電池モジュール30の電力が分電盤10を経由して貯湯ユニット16および熱消費機器18に供給される電気経路と、燃料電池モジュール30の電力が分電盤10を経由せずに貯湯ユニット16および熱消費機器18に供給される電気経路とを切り替え可能となっている。
【0034】
第2切替スイッチ56の第3接点56cは、コンセント60に接続されている。コンセント60は、停電時にのみ使用可能となる停電時専用のコンセントであり、例えば、屋内に設けられる。停電時にコンセント60に電気的な負荷機器が接続されることで、停電時に当該負荷機器に電力を供給することができる。
【0035】
停電検出部42は、電力系統24の停電を検出する。例えば、停電検出部42は、電力系統24から主幹ブレーカ20に供給される電力を逐次モニタリングする。停電検出部42は、主幹ブレーカ20の1次側の電力が、予め設定された下限電力以下となった場合、停電が発生した旨を検出する。なお、停電検出部42は、電力会社などから停電を行う旨の情報を受信することで停電を検知する構成となっていてもよい。
【0036】
制御部44は、プロセッサ、プログラム等が格納されたROM、および、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。制御部44は、プログラムを実行することで、燃料電池ユニット12の各部を制御する。また、制御部44は、貯湯ユニット16および熱消費機器18と通信することで、貯湯ユニット16および熱消費機器18を間接的に制御可能となっている。制御部44については、後に詳述する。
【0037】
貯湯ユニット16は、貯湯タンク70、1次ポンプ72、2次ポンプ74、温度センサ76、排出路78、排出弁80、排出ポンプ82、供給路84、供給弁86、供給ポンプ88および供給断検出部90を有する。
【0038】
貯湯タンク70は、中空の容器であり、内部に熱媒体を貯留する。貯湯タンク70には、側面の鉛直下方に1次側出口70aが設けられ、側面の鉛直上方に1次側入口70bが設けられている。1次側出口70aは、1次ポンプ72を通じて熱交換器14に連通する。熱交換器14は、1次側入口70bに連通する。1次ポンプ72は、貯湯タンク70内の熱媒体を熱交換器14に送り、熱交換器14を通じて熱媒体を貯湯タンク70に戻す。
【0039】
上述のように、熱交換器14は、燃料電池モジュール30から排出される排気と、貯湯タンク70から送出される熱媒体との間で熱交換を行う。熱交換器14で熱交換されて温度が上昇した熱媒体は、1次側入口70bを通じて貯湯タンク70に送入される。このように、貯湯タンク70内の熱媒体は、貯湯タンク70、1次ポンプ72および熱交換器14を循環する。
【0040】
また、貯湯タンク70には、側面の鉛直上方に2次側出口70cが設けられ、側面の鉛直下方に2次側入口70dが設けられている。2次側出口70cは、熱消費機器18に連通する。熱消費機器18は、2次ポンプ74を通じて貯湯タンク70の2次側入口70dに連通する。2次ポンプ74は、貯湯タンク70内の熱媒体を熱消費機器18に送り、熱消費機器18を通じて熱媒体を貯湯タンク70に戻す。
【0041】
熱消費機器18は、貯湯タンク70から供給される熱媒体の熱を消費することが可能な機器である。熱消費機器18は、例えば、浴室暖房乾燥機である。なお、熱消費機器18は、浴室暖房乾燥機に限らず、例えば、床暖房機器など、熱媒体の熱を消費可能な任意の機器であってもよい。
【0042】
貯湯タンク70から熱消費機器18に送られた熱媒体は、熱消費機器18において当該熱媒体の熱が消費される。熱消費機器18において熱が消費された後の熱媒体は、2次ポンプ74を通じて貯湯タンク70に戻される。このように、貯湯タンク70内の熱媒体は、貯湯タンク70、熱消費機器18および2次ポンプ74を循環する。
【0043】
貯湯タンク70には、温度センサ76が設けられている。温度センサ76は、貯湯タンク70内の熱媒体の温度を検出する。温度センサ76は、例えば、サーミスタなどである。温度センサ76は、貯湯タンク70の深さ方向に複数分散して配置されてもよい。この場合、貯湯タンク70の深さ方向の複数の温度センサ76のうち、最下部の温度センサ76により検出された熱媒体の温度に基づいて、貯湯タンク70が満蓄であるかが判定されてもよい。
【0044】
排出路78は、貯湯タンク70の鉛直上部に連通している。排出路78は、貯湯タンク70内の熱媒体を外部に排出可能な流路である。排出路78には、排出弁80および排出ポンプ82が設けられている。排出弁80は、排出路78を開閉する。排出ポンプ82は、排出弁80が開いた状態で、排出路78を通じて貯湯タンク70内の熱媒体を外部に排出する。熱媒体の排出先は、例えば、浴槽など熱媒体を利用する設備であってもよい。また、熱媒体が不要な場合、熱媒体の排出先を下水道としてもよい。
【0045】
貯湯タンク70内の熱媒体は、相対的に鉛直上方に位置するに従って温度が高くなる。このため、相対的に温度の高い熱媒体が、排出路78を通じて排出されることになる。
【0046】
また、供給路84は、貯湯タンク70の鉛直下部に連通している。供給路84は、貯湯タンク70内に外部から熱媒体を供給可能な流路である。供給路84には、供給弁86および供給ポンプ88が設けられている。供給弁86は、供給路84を開閉する。供給ポンプ88は、供給弁86が開いた状態で、供給路84を通じて熱媒体を外部から貯湯タンク70内に供給する。熱媒体の供給元は、例えば、貯水槽などの熱媒体を供給可能な設備であってもよい。また、熱媒体の供給元を上水道としてもよい。
【0047】
供給路84を通じて貯湯タンク70に供給される熱媒体の温度は、排出路78を通じて排出される熱媒体の温度より低くなっている。
【0048】
供給断検出部90は、熱媒体の貯湯タンク70への供給断を検出する。供給断は、供給路84を通じて外部から貯湯タンク70に熱媒体を供給不能な状態を示す。熱媒体が水の場合、供給断は、断水のことである。供給断検出部90は、例えば、供給路84内の熱媒体の圧力を逐次モニタリングし、供給路84内の熱媒体の圧力が予め設定された所定圧力未満の場合、供給断が発生した旨を検出する。制御部44は、供給断検出部90の検出結果を取得する。
【0049】
次に、制御部44の動作を説明する。電力系統24の停電が検出されていない通常時、図1に示すように、制御部44は、第1連系リレー50および第2連系リレー52をオン状態に制御する。併せて、制御部44は、第1切替スイッチ54を、第1接点54aと第2接点54bとが接続された状態に制御し、第2切替スイッチ56を、第1接点56aと第2接点56bとが接続された状態に制御する。
【0050】
これにより、燃料電池モジュール30で生成された電力は、第1連系リレー50、第1切替スイッチ54、第2連系リレー52、分岐ブレーカ22a、分岐ブレーカ22b、第2切替スイッチ56の順に伝達され、第2切替スイッチ56から貯湯ユニット16および熱消費機器18に供給される。なお、貯湯ユニット16に供給された電力は、例えば、1次ポンプ72、2次ポンプ74、排出弁80、排出ポンプ82、供給弁86および供給ポンプ88の動作などに利用される。
【0051】
また、通常時、直列接続された第1連系リレー50および第2連系リレー52が、燃料電池モジュール30と電力系統24との間に電気的に介挿された状態となっている。この状態で、例えば、燃料電池モジュール30を電力系統24から電気的に切り離す必要がある場合、制御部44は、第1連系リレー50および第2連系リレー52をオフ状態にさせる。このとき、仮に、第1連系リレー50に異常が生じてオフ状態にできない事態が発生したとしても、第2連系リレー52をオフ状態にすることで、燃料電池モジュール30を電力系統24から確実に切り離すことができる。また、仮に、第2連系リレー52に異常が生じてオフ状態にできない事態が発生したとしても、第1連系リレー50をオフ状態にすることで、燃料電池モジュール30を電力系統24から確実に切り離すことができる。
【0052】
図2は、電力系統24の停電が検知されたときのスイッチ群40の状態を説明するための図である。図2では、図を見易くするために、電気配線以外の構成を省略している。
【0053】
停電検出部42によって電力系統24の停電が検知された場合、制御部44は、燃料電池モジュール30を電力系統24から切り離すために、第1連系リレー50および第2連系リレー52をオフ状態に制御する。制御部44は、図2で示すように、第1連系リレー50がオフ状態となったことを認識した後、第2連系リレー52をオン状態に制御する。併せて、制御部44は、第1切替スイッチ54を第1接点54aと第3接点54cとが接続された状態に制御し、第2切替スイッチ56を第1接点56aと第3接点56cとが接続された状態に制御する。
【0054】
すなわち、電力系統24の停電が検知された場合、制御部44は、燃料電池モジュール30の発電により生成された電力を、分岐ブレーカ22を介さずに熱消費機器18に供給するようにスイッチ群40を制御する。
【0055】
これにより、停電によって第2連系リレー52がオフ状態にされて燃料電池モジュール30が電力系統から切り離されても、停電中に、燃料電池モジュール30の電力を貯湯ユニット16および熱消費機器18に適切に供給することができる。
【0056】
ところで、燃料電池モジュール30が発電を行っているが、熱消費機器18が停止している状態では、燃料電池モジュール30の発電に伴って、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が上昇していく。貯湯タンク70内の熱媒体の温度が、満蓄を示す上限温度に到達すると、安全を考慮して、燃料電池モジュール30は、発電を停止するようになっている。
【0057】
例えば、電力系統24に停電が検出されたときに、貯湯タンク70が満蓄に至って燃料電池モジュール30の発電が停止すると、停電時のバックアップ電源としての燃料電池モジュール30の機能が十分に発揮できない。
【0058】
そこで、制御部44は、燃料電池モジュール30が発電を行っている状態において、停電が検出され、停電中に、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が、満蓄に近いことを示す所定温度以上となった場合、貯湯タンク70内の熱媒体の一部を、排出路78を通じて排出させるとともに、排出された熱媒体よりも温度が低い熱媒体を、供給路84を通じて貯湯タンク70内に供給させる。所定温度は、満蓄を示す上限温度未満であり、当該上限温度に近い温度に設定される。
【0059】
これにより、貯湯タンク70内の熱媒体が、温度の低い熱媒体に置換されるため、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が低下する。その結果、停電時に、貯湯タンク70が満蓄に至ることを防止することができ、燃料電池モジュール30の発電を継続させることが可能となる。
【0060】
しかし、停電時には、熱媒体の供給断も発生することがある。この供給断が発生すると、貯湯タンク70内の熱媒体の置換を行うことができないため、貯湯タンク70が満蓄に至ることがある。貯湯タンク70が満蓄に至ると、燃料電池モジュール30の発電が停止することとなる。
【0061】
そこで、本実施形態では、停電の検出と、貯湯タンク70が満蓄に近いこととの条件の他、供給断が発生したか否かの条件を追加して、貯湯ユニット16および熱消費機器18を制御する。
【0062】
より詳細には、制御部44は、燃料電池モジュール30が発電を行っている状態において、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出されず、かつ、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が満蓄に近いことを示す所定温度以上となった場合、貯湯タンク70内の熱媒体の一部を、排出路78を通じて排出させるとともに、排出された熱媒体よりも温度が低い熱媒体を、供給路84を通じて貯湯タンク70内に供給させる。
【0063】
一方、制御部44は、燃料電池モジュール30が発電を行っている状態において、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出され、かつ、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が満蓄に近いことを示す所定温度以上となった場合、排出路78を通じた熱媒体の排出は行わず、貯湯タンク70から熱消費機器18に熱媒体を供給させ、熱媒体の熱を熱消費機器18で消費させる。
【0064】
以後、説明の便宜のため、燃料電池モジュール30が発電を行っている状態において、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出され、かつ、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が満蓄に近いことを示す所定温度以上の条件のことを、強制消費条件という場合がある。
【0065】
例えば、制御部44は、上記の強制消費条件が成立した場合、熱消費機器18と通信し、熱消費機器18を動作が可能なオン状態に強制的にさせる。なお、停電時、図2で示すように、燃料電池モジュール30から分岐ブレーカ22を介さずに熱消費機器18に電力が供給されるため、停電時であっても、熱消費機器18を確実にオン状態にさせることができる。
【0066】
熱消費機器18がオン状態にされると、熱消費機器18における熱媒体の受入口が開かれ、貯湯タンク70から熱媒体が供給される。例えば、熱消費機器18が浴室暖房乾燥機である場合、熱消費機器18は、供給された熱媒体と、浴室から取り込んだ空気との熱交換を行い、熱交換により生成された温風を、内部のファンの回転によって浴室に送風する。
【0067】
このように、熱消費機器18がオン状態に制御されることで、貯湯タンク70から熱消費機器18に供給された熱媒体の熱を、熱消費機器18において消費することができる。これにより、貯湯タンク70において熱媒体の温度の上昇が抑制される。その結果、停電時に熱媒体の供給断が発生しても、燃料電池モジュール30の発電を継続させることができる。
【0068】
なお、熱消費機器18が停止しており、停電中に供給断が発生しても、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が所定温度未満の状態では、制御部44は、熱消費機器18の停止を維持させてもよい。
【0069】
図3および図4は、制御部44の動作の流れを説明するフローチャートである。図3の「A」は、図4の「A」に繋がる。制御部44は、所定時間間隔で訪れる所定の割込みタイミングが到来するごとに、図3の一連の処理を繰り返し行う。所定時間間隔は、例えば、1秒など任意の時間間隔に設定されてもよい。なお、排出弁80および供給弁86の初期状態は閉状態であるとし、排出ポンプ82および供給ポンプ88の初期状態は停止であるとする。
【0070】
所定の割込みタイミングが到来すると、制御部44は、燃料電池モジュール30が現時点で発電中であるかを判定する(S10)。燃料電池モジュール30が発電中ではない場合(S10におけるNO)、制御部44は、一連の処理を終了する。
【0071】
燃料電池モジュール30が発電中である場合(S10におけるYES)、制御部44は、停電検出部42によって電力系統24の停電が検出されたかを判定する(S11)。
【0072】
停電検出部42によって電力系統24の停電が検出された場合(S11におけるYES)、制御部44は、供給断検出部90によって供給断が検出されたかを判定する(S11)。供給断が検出されなかった場合(S12におけるNO)、制御部44は、ステップS13の処理に進む。
【0073】
また、停電検出部42によって電力系統24の停電が検出されなかった場合も(S11におけるNO)、制御部44は、ステップS13の処理に進む。
【0074】
ステップS13において、制御部44は、温度センサ76によって検出された貯湯タンク70内の熱媒体の温度が、所定温度以上であるかを判定する(S13)。所定温度は、満蓄を示す上限温度未満であり、当該上限温度に近い温度に設定される。
【0075】
貯湯タンク70内の熱媒体の温度が所定温度以上である場合(S13におけるYES)、制御部44は、排出弁80を開状態にさせ(S14)、排出ポンプ82を駆動させる(S15)。制御部44は、供給弁86を開状態にさせ(S16)、供給ポンプ88を駆動させ(S17)、一連の処理を終了する。
【0076】
このように、停電が検出されず、かつ、貯湯タンク70が満蓄に近くなった場合、あるいは、停電が検出されても供給断が検出されておらず、かつ、貯湯タンク70が満蓄に近くなった場合には、貯湯タンク70内の熱媒体の置換が行われる。
【0077】
また、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が所定温度未満である場合(S13におけるNO)、制御部44は、温度センサ76によって検出された貯湯タンク70内の熱媒体の温度が、予め設定された復帰温度未満であるかを判定する(S18)。復帰温度は、ステップS13の所定温度よりも低い温度に設定される。
【0078】
貯湯タンク70内の熱媒体の温度が復帰温度未満である場合(S18におけるYES)、制御部44は、排出弁80を閉状態にさせ(S19)、排出ポンプ82を停止させる(S20)。制御部44は、供給弁86を閉状態にさせ(S21)、供給ポンプ88を停止させ(S22)、一連の処理を終了する。この場合、貯湯タンク70内の熱媒体の置換が十分に行われたと推定されるため、熱媒体の置換が終了される。
【0079】
貯湯タンク70内の熱媒体の温度が復帰温度以上である場合(S18におけるNO)、制御部44は、一連の処理を終了する。この場合、貯湯タンク70内の置換を行っていない状態であれば、排出弁80、供給弁86、排出ポンプ82および供給ポンプ88が初期状態で維持され、貯湯タンク70内の置換を行っている状態であれば、貯湯タンク70内の置換が継続される。
【0080】
また、ステップS12において、供給断が検出された場合(S12におけるYES)、図3の「A」から図4の「A」に移り、制御部44は、図4のステップS30の処理に進む。
【0081】
ステップS30において、制御部44は、温度センサ76によって検出された貯湯タンク70内の熱媒体の温度が、所定温度以上であるかを判定する(S30)。ここでの所定温度は、ステップS13の所定温度と同じである。
【0082】
貯湯タンク70内の熱媒体の温度が所定温度以上である場合(S30におけるYES)、制御部44は、排出弁80を閉状態にさせ(S31)、排出ポンプ82を停止させる(S32)。制御部44は、供給弁86を閉状態にさせ(S33)、供給ポンプ88を停止させる(S34)。制御部44は、熱消費機器18と通信して熱消費機器18を強制的にオン状態にさせ、貯湯タンク70から熱消費機器18に熱媒体を供給させ(S35)、一連の処理を終了する。
【0083】
このように、停電が検出され、供給断が検出され、かつ、貯湯タンク70が満蓄に近くなった場合には、貯湯タンク70内の熱媒体の置換が行われず、貯湯タンク70から熱消費機器18に熱媒体が供給される。これにより、貯湯タンク70から熱消費機器18に供給された熱媒体の熱が熱消費機器18で消費される。
【0084】
また、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が所定温度未満である場合(S30におけるNO)、制御部44は、温度センサ76によって検出された貯湯タンク70内の熱媒体の温度が復帰温度未満であるかを判定する(S36)。ここでの復帰温度はステップS18の復帰温度と同じである。
【0085】
貯湯タンク70内の熱媒体の温度が復帰温度未満である場合(S36におけるYES)、制御部44は、排出弁80を閉状態にさせ(S37)、排出ポンプ82を停止させる(S38)。制御部44は、供給弁86を閉状態にさせ(S39)、供給ポンプ88を停止させる(S40)。制御部44は、貯湯タンク70から熱消費機器18への熱媒体の供給を停止させる(S41)、一連の処理を終了する。なお、ステップS41において、熱消費機器18の動作を停止してもよい。この場合、貯湯タンク70内の熱媒体の熱が熱消費機器18で十分に消費されたと推定されるため、貯湯タンク70から熱消費機器18への熱媒体の供給が終了される。
【0086】
貯湯タンク70内の熱媒体の温度が復帰温度以上である場合(S36におけるNO)、制御部44は、一連の処理を終了する。この場合、熱消費機器18への熱媒体の供給が行われていない状態であれば、熱消費機器18の停止が維持され、熱消費機器18への熱媒体の供給が行われている状態であれば、熱消費機器18による熱媒体の熱の消費が継続される
【0087】
以上のように、本実施形態のコージェネレーションシステム1の制御部44は、燃料電池モジュール30が発電を行っている状態において、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出されず、かつ、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が満蓄に近いことを示す所定温度以上となった場合、貯湯タンク70内の熱媒体の一部を、排出路78を通じて排出させるとともに、排出された熱媒体よりも温度が低い熱媒体を、供給路84を通じて貯湯タンク70内に供給させる。また、本実施形態のコージェネレーションシステム1の制御部44は、燃料電池モジュール30が発電を行っている状態において、停電が検出され、停電中に、供給断の発生が検出され、かつ、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が所定温度以上となった場合、排出路78を通じた熱媒体の排出は行わず、貯湯タンク70から熱消費機器18に熱媒体を供給させ、熱媒体の熱を熱消費機器18で消費させる。
【0088】
これにより、本実施形態のコージェネレーションシステム1では、電力系統24の停電中に熱媒体の供給断が発生しても、貯湯タンク70内の熱媒体の温度が満蓄に至ることを防止することができる。
【0089】
したがって、本実施形態のコージェネレーションシステム1によれば、停電中に熱媒体の供給断が発生しても発電を継続させることが可能となる。
【0090】
また、本実施形態のコージェネレーションシステム1の制御部44は、停電が検出された場合、燃料電池モジュール30の発電により生成された電力を、分岐ブレーカ22を介さずに熱消費機器18に供給するようにスイッチ群40を制御する。
【0091】
これにより、本実施形態のコージェネレーションシステム1では、電力系統24の停電中に、燃料電池モジュール30から貯湯ユニット16および熱消費機器18に適切に電力を供給することができる。その結果、停電中に供給断が検出されたとしても、貯湯タンク70内の熱媒体を熱消費機器18に供給することを確実に行うことができる。
【0092】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0093】
例えば、上記実施形態では、停電および供給断が検出され、かつ、貯湯タンクが満蓄に近い場合に、貯湯タンク内の熱媒体の熱を熱消費機器で消費させていた。しかし、供給断の有無に拘わらずに、停電が検出され、かつ、貯湯タンクが満蓄に近い場合に、貯湯タンク内の熱媒体の熱を熱消費機器で消費させるようにしてもよい。また、停電が検出され、かつ、貯湯タンクが満蓄に近い場合に、貯湯タンク内の熱媒体の熱を熱消費機器で消費させることと、貯湯タンク内の熱媒体を置換することとのどちらを優先するかを選択できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 コージェネレーションシステム
10 分電盤
14 熱交換器
18 熱消費機器
22 分岐ブレーカ
24 電力系統
30 燃料電池モジュール
40 スイッチ群
42 停電検出部
44 制御部
70 貯湯タンク
76 温度センサ
78 排出路
84 供給路
90 供給断検出部
図1
図2
図3
図4