(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088337
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電子申請管理装置、電子申請管理方法、および、電子申請管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203449
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 弘典
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】電子申請API連携を利用した行政機関への社会保険・労働保険等に関する申請手続きにおけるエラー項目名を運用に合わせてわかりやすく変換することができる電子申請管理装置、電子申請管理方法、および、電子申請管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得し、電子申請用項目名変換マスタに基づいて、エラー項目に対応する変換後項目名である変換後エラー項目名を表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた電子申請管理装置であって、
前記記憶部は、
電子申請手続、変換前項目名、および、当該変換前項目名を平易な名称とした変換後項目名を紐付けて設定した電子申請用項目名変換マスタ、
を備え、
前記制御部は、
電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得するチェック結果取得手段と、
前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記エラー項目に対応する前記変換後項目名である変換後エラー項目名を表示させるエラー表示手段と、
を備えたことを特徴とする電子申請管理装置。
【請求項2】
前記チェック結果は、
対象者、前記エラー項目の項目名、および、エラー内容を紐付けて設定した電子申請返却データであることを特徴とする請求項1に記載の電子申請管理装置。
【請求項3】
前記エラー表示手段は、
前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記電子申請返却データに設定された前記エラー項目の項目名を前記変換後エラー項目名に更新し、前記電子申請返却データを表示させることを特徴とする請求項2に記載の電子申請管理装置。
【請求項4】
前記電子申請用項目名変換マスタは、
更に、前記エラー項目を修正可能な対象画面が設定され、
前記エラー表示手段は、
更に、前記変換後エラー項目名に対応する前記対象画面に対する遷移指示を入力可能なエラー一覧画面を表示させ、
前記制御部は、
前記対象画面に対する遷移指示が入力された場合、前記対象画面を表示させる対象画面表示手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の電子申請管理装置。
【請求項5】
前記対象画面は、
前記エラー項目が識別可能に設定されたことを特徴とする請求項4に記載の電子申請管理装置。
【請求項6】
前記エラー表示手段は、
前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記エラー項目に対応する前記変換後エラー項目名を表示させ、前記エラー一覧画面に対する遷移指示を入力可能に表示させることを特徴とする請求項4に記載の電子申請管理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、
社員を設定した社員基本テーブルを記憶する社員基本記憶手段と、
社員、所属労働保険事業所、雇用保険、被保険者資格取得日、および、賃金を紐付けて設定した社員労働保険テーブルを記憶する社員労働保険記憶手段と、
労働保険事業所を設定した労働保険事業所マスタと、
を更に備え、
前記制御部は、
前記労働保険事業所から選択事業所が選択され、前記被保険者資格取得日の日付範囲が選択された場合、前記選択事業所、前記日付範囲、前記社員基本テーブル、前記社員労働保険テーブル、および、前記労働保険事業所マスタに基づいて、前記電子申請オンラインサービスへの前記申請用データを作成する申請作成手段と、
前記申請用データを電子申請APIを介して前記電子申請オンラインサービスへ送信する電子申請手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の電子申請管理装置。
【請求項8】
前記対象画面表示手段は、
更に、前記対象画面に前記エラー項目に対する修正項目が設定された場合、前記申請用データに設定された前記エラー項目を前記修正項目に更新することを特徴とする請求項4に記載の電子申請管理装置。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた電子申請管理装置に実行させるための電子申請管理方法であって、
前記記憶部は、
電子申請手続、変換前項目名、および、当該変換前項目名を平易な名称とした変換後項目名を紐付けて設定した電子申請用項目名変換マスタ、
を備え、
前記制御部において実行される、
電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得するチェック結果取得ステップと、
前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記エラー項目に対応する前記変換後項目名である変換後エラー項目名を表示させるエラー表示ステップと、
を含むことを特徴とする電子申請管理方法。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた電子申請管理装置に実行させるための電子申請管理プログラムであって、
前記記憶部は、
電子申請手続、変換前項目名、および、当該変換前項目名を平易な名称とした変換後項目名を紐付けて設定した電子申請用項目名変換マスタ、
を備え、
前記制御部において、
電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得するチェック結果取得ステップと、
前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記エラー項目に対応する前記変換後項目名である変換後エラー項目名を表示させるエラー表示ステップと、
を実行させるための電子申請管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子申請管理装置、電子申請管理方法、および、電子申請管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子申請オンラインサービスが提供するAPI(Application Programming Interface)を利用して電子申請オンラインサービスに対して電子申請する申請書類の編集処理を実行し、申請直前まで自動更新し、申請書類が申請時にエラーとならないように、必須項目である書類提出日のチェックを行い、書類提出日が空で送信されないようにする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、API連携の仕組みを利用した申請にて、内容に不備がありエラーとして返却された場合、APIサービス側が規定したフォーマットに沿った形式でエラー内容が返却されるが、この規定されたフォーマット(項目名)中に同一手続内でも類似した項目名が多く、手続きによっては数百もの申請項目が存在しているため、原因となっている項目の特定に時間がかかってしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、API連携を利用した行政機関への社会保険・労働保険等に関する申請手続きにおけるエラー項目名を運用に合わせてわかりやすく変換することができる電子申請管理装置、電子申請管理方法、および、電子申請管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子申請管理装置は、記憶部と制御部とを備えた電子申請管理装置であって、前記記憶部は、電子申請手続、変換前項目名、および、当該変換前項目名を平易な名称とした変換後項目名を紐付けて設定した電子申請用項目名変換マスタ、を備え、前記制御部は、電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得するチェック結果取得手段と、前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記エラー項目に対応する前記変換後項目名である変換後エラー項目名を表示させるエラー表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る電子申請管理装置において、前記チェック結果は、対象者、前記エラー項目の項目名、および、エラー内容を紐付けて設定した電子申請返却データであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る電子申請管理装置において、前記エラー表示手段は、前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記電子申請返却データに設定された前記エラー項目の項目名を前記変換後エラー項目名に更新し、前記電子申請返却データを表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る電子申請管理装置において、前記電子申請用項目名変換マスタは、更に、前記エラー項目を修正可能な対象画面が設定され、前記エラー表示手段は、更に、前記変換後エラー項目名に対応する前記対象画面に対する遷移指示を入力可能なエラー一覧画面を表示させ、前記制御部は、前記対象画面に対する遷移指示が入力された場合、前記対象画面を表示させる対象画面表示手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る電子申請管理装置において、前記対象画面は、前記エラー項目が識別可能に設定されたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る電子申請管理装置において、前記エラー表示手段は、前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記エラー項目に対応する前記変換後エラー項目名を表示させ、前記エラー一覧画面に対する遷移指示を入力可能に表示させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る電子申請管理装置において、前記記憶部は、社員を設定した社員基本テーブルを記憶する社員基本記憶手段と、社員、所属労働保険事業所、雇用保険、被保険者資格取得日、および、賃金を紐付けて設定した社員労働保険テーブルを記憶する社員労働保険記憶手段と、労働保険事業所を設定した労働保険事業所マスタと、を更に備え、前記制御部は、前記労働保険事業所から選択事業所が選択され、前記被保険者資格取得日の日付範囲が選択された場合、前記選択事業所、前記日付範囲、前記社員基本テーブル、前記社員労働保険テーブル、および、前記労働保険事業所マスタに基づいて、前記電子申請オンラインサービスへの前記申請用データを作成する申請作成手段と、前記申請用データを電子申請APIを介して前記電子申請オンラインサービスへ送信する電子申請手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る電子申請管理装置において、前記対象画面表示手段は、更に、前記対象画面に前記エラー項目に対する修正項目が設定された場合、前記申請用データに設定された前記エラー項目を前記修正項目に更新することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る電子申請管理方法は、記憶部と制御部とを備えた電子申請管理装置に実行させるための電子申請管理方法であって、前記記憶部は、電子申請手続、変換前項目名、および、当該変換前項目名を平易な名称とした変換後項目名を紐付けて設定した電子申請用項目名変換マスタ、を備え、前記制御部において実行される、電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得するチェック結果取得ステップと、前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記エラー項目に対応する前記変換後項目名である変換後エラー項目名を表示させるエラー表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る電子申請管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた電子申請管理装置に実行させるための電子申請管理プログラムであって、前記記憶部は、電子申請手続、変換前項目名、および、当該変換前項目名を平易な名称とした変換後項目名を紐付けて設定した電子申請用項目名変換マスタ、を備え、前記制御部において、電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得するチェック結果取得ステップと、前記電子申請用項目名変換マスタに基づいて、前記エラー項目に対応する前記変換後項目名である変換後エラー項目名を表示させるエラー表示ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子申請オンラインサービスが提供するAPI連携の仕組みを利用した電子申請で、APIサービス側から返却されるエラー項目名を、実運用に合わせたわかりやすい項目名に変更することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、運用に合わせて項目名を設定することで、手続上不備があった場合にも早急に箇所の特定ができ、効率的に手続完了まで進めることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、紙から電子への切替で発生する摩擦をシステムで吸収することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、入退社の多い業界業種、担当者の入替が多く発生する企業に義務化の手続きをスムーズに処理することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、マイナポータル(登録商標)等の電子申請オンラインサービスから受け取った返却データおよびマスタを突合してエラーデータを生成し、エラーデータの画面を介した出力をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、マイナポータルAPI等のAPI連携を利用した行政機関への社会保険・労働保険に関する申請手続きにおけるエラー項目名変換を実現することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、APIサービス側が規定した申請項目名と、各会社で利用しているシステム項目名をマッピングすることで、直感的にエラー内容を把握することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、単純なシステム項目名をマッピング/変換をするのではなく、エラー原因となる画面、項目に直接的に誘導するような項目名変換が可能なため、再申請まで的確かつ効率的に進めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、従来の電子申請管理処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、従来の電子申請管理処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における電子申請管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における電子申請用項目名変換マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における電子申請管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の概要を説明する。
図1および
図2は、従来の電子申請管理処理の一例を示す図である。
【0020】
従来、マイナポータルAPI等の電子申請API連携の仕組みを利用した申請では、内容に不備がありエラーとして返却された場合、APIサービス側にて規定された申請項目名およびエラー内容が返却され、規定された項目名中に、同一手続内でも類似した項目名が多く、申請項目も手続きによっては数百項目と多岐にわたっていたため、原因となっている項目の特定が難しかった。また、従来、新入社員の社会保険・雇用保険の資格取得手続きで提出する申請においては、一度に数百人分を期限内(例えば、資格取得の手続きであれば雇い入れの翌月10日迄等)に提出しなければならなかったため、量や締め切りまでのスピード感においても人事担当者の負担が非常に大きくなってしまっていた。
【0021】
例えば、
図1に示すように、2020年4月から、特定法人で社会保険・雇用保険の一部手続に関する電子申請が義務化され、大企業を中心にAPI連携を利用した電子申請の需要が増加した。ここで、特定法人とは、資本金、出資金又は銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人、相互会社(保険業法)、投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律)、または、特定目的会社(資産の流動化に関する法律)であってもよい。
【0022】
そのため、
図1に示すように、従来のAPI連携では、行政機関等のAPIサービス側で規定された申請項目名に則り手続きを行う必要があるため、各会社の人事担当者が運用上利用しているシステム項目名とそぐわないケースが多かった。そのため、
図1に示すように、従来、エラーの原因となる項目がシステム上のどの画面のどの項目かすぐにわからなかった。
【0023】
また、
図2に示すように、従来のAPI連携では、一度に複数事業所分をまとめて、数百人単位で申請を進めることもあるため、エラーの項目、内容も多岐にわたるが、手続毎に決められた期限内で提出を完了させる必要があるため、人事担当者には量・時間ともに多大な負担がかかっていた。
【0024】
そこで、本実施形態においては、電子申請APIサービス側から返却されるエラー内容と、対応したマスタデータとを突合させ、エラー内容に含まれる項目名を変換する仕組みを提供している。すなわち、本実施形態においては、手続毎にマスタテーブルデータを保持し、APIサービス側で規定されている手続き/項目毎に変換後の項目名の設定を可能とし、今後義務化対象の手続きが拡張された場合、マスタ上へのデータ追加で設定を可能とする変換用マスタテーブルの登録機能を備えている。また、本実施形態においては、電子申請APIサービス側から返却されたエラー内容を解析し、エラーとなっている項目名とマスタテーブルの項目名とをマッピングし、設定された変換後の項目名でエラー内容を表示させるAPIサービス側から返却されたエラー項目名を変換・表示する機能を備えている。
【0025】
[2.構成]
本実施形態に係る電子申請管理装置100の構成の一例について、
図3および
図4を参照して説明する。
図3は、本実施形態における電子申請管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、電子申請管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、電子申請管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0027】
電子申請管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。電子申請管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、電子申請管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、電子申請管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、社員基本テーブル106aと社員労働保険テーブル106bと労働保険事業所マスタ106cと電子申請用項目名変換マスタ106dとを備えている。
【0031】
社員基本テーブル106aは、社員を設定したテーブルである。ここで、社員基本テーブル106aは、会社、および、社員(社員識別子、社員氏名、社員性別、および/または、社員住所等)が紐付けて設定されていてもよい。
【0032】
社員労働保険テーブル106bは、社員、所属労働保険事業所、雇用保険、被保険者資格取得日、および、賃金を紐付けて設定したテーブルである。ここで、社員労働保険テーブル106bは、会社、社員、所属労働保険事業所、雇用保険番号、被保険者資格取得日、月別賃金額、および、賃金総額が紐付けて設定されていてもよい。
【0033】
労働保険事業所マスタ106cは、労働保険事業所を設定したマスタである。ここで、労働保険事業所マスタ106cは、事業所(事業所識別子、事業所名、および/または、事業所住所等)、および、事業主氏名が紐付けて設定されていてもよい。
【0034】
電子申請用項目名変換マスタ106dは、電子申請手続、変換前項目名、および、当該変換前項目名を平易な名称とした変換後項目名を紐付けて設定したマスタである。ここで、電子申請用項目名変換マスタ106dは、エラー項目を修正可能な対象画面が設定されていてもよい。ここで、対象画面は、エラー項目が識別可能に設定されていてもよい。
【0035】
ここで、
図4を参照して、本実施形態における電子申請用項目名変換マスタ106dの一例について説明する。
図4は、本実施形態における電子申請用項目名変換マスタ106dの一例を示す図である。
【0036】
図4に示すように、本実施形態における電子申請用項目名変換マスタ106dにおいては、変換後項目名のカラムに、(1)「誰の」データなのかを示す項目名が設定可能であり、(2)「どこの」データなのかを示す項目名が設定可能であり、(3)具体的なシステムメニューパスを示す項目名が設定可能である。
【0037】
図3に戻り、制御部102は、電子申請管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、申請作成部102aと電子申請部102bとチェック結果取得部102cとエラー表示部102dと対象画面表示部102eとを備えている。
【0038】
申請作成部102aは、マイナポータル(登録商標)、または、e-Govポータル等の電子申請オンラインサービスへの申請用データを作成する。ここで、申請作成部102aは、労働保険事業所から選択事業所が選択され、被保険者資格取得日の日付範囲が選択された場合、選択事業所、日付範囲、社員基本テーブル106a、社員労働保険テーブル106b、および、労働保険事業所マスタ106cに基づいて、電子申請オンラインサービスへの申請用データを作成してもよい。
【0039】
電子申請部102bは、電子申請オンラインサービスへの申請用データを電子申請する。ここで、電子申請部102bは、申請用データをマイナポータルAPI等の電子申請APIを介して電子申請オンラインサービスへ送信してもよい。
【0040】
チェック結果取得部102cは、電子申請オンラインサービスへの申請用データに対するチェック結果を取得する。ここで、チェック結果取得部102cは、電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得してもよい。ここで、チェック結果は、対象者、エラー項目の項目名、および、エラー内容を紐付けて設定した電子申請返却データであってもよい。
【0041】
エラー表示部102dは、チェック結果に対応する変換後エラー項目名を表示させる。ここで、エラー表示部102dは、電子申請用項目名変換マスタ106dに基づいて、エラー項目に対応する変換後項目名である変換後エラー項目名を表示させてもよい。また、エラー表示部102dは、電子申請用項目名変換マスタ106dに基づいて、電子申請返却データに設定されたエラー項目の項目名を変換後エラー項目名に更新し、電子申請返却データを表示させてもよい。また、エラー表示部102dは、変換後エラー項目名に対応する対象画面に対する遷移指示を入力可能なエラー一覧画面を表示させてもよい。また、エラー表示部102dは、電子申請用項目名変換マスタ106dに基づいて、エラー項目に対応する変換後エラー項目名を表示させ、エラー一覧画面に対する遷移指示を入力可能に表示させてもよい。
【0042】
対象画面表示部102eは、エラー項目を修正可能な対象画面を表示させる。ここで、対象画面表示部102eは、対象画面に対する遷移指示が入力された場合、エラー項目を修正可能な対象画面を表示させてもよい。また、対象画面表示部102eは、対象画面にエラー項目に対する修正項目が設定された場合、申請用データに設定されたエラー項目を修正項目に更新してもよい。
【0043】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図5から
図12を参照して説明する。
【0044】
[電子申請管理処理]
ここで、
図5を参照して、本実施形態における電子申請管理処理の一例について説明する。
図5は、本実施形態における電子申請管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図5に示すように、申請作成部102aは、ユーザにより入力装置112を介して電子申請オンラインサービス申請画面にて労働保険事業所から選択事業所が選択され、被保険者資格取得日の日付範囲が選択された場合、選択事業所、被保険者資格取得日の日付範囲、社員基本テーブル106a、社員労働保険テーブル106b、および、労働保険事業所マスタ106cに基づいて、電子申請オンラインサービスへの申請用データを作成する(ステップSA-1)。
【0046】
そして、電子申請部102bは、申請用データを電子申請APIを介して電子申請オンラインサービスへ送信する(ステップSA-2)。
【0047】
そして、チェック結果取得部102cは、電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得したか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0048】
そして、チェック結果取得部102cは、電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を取得していないと判定した場合(ステップSA-3:No)、処理を終了する。
【0049】
一方、チェック結果取得部102cは、電子申請オンラインサービスへの申請用データに対する、エラー項目を設定したチェック結果を電子申請オンラインサービスから取得したと判定した場合(ステップSA-3:Yes)、ステップSA-4に移行させる。
【0050】
そして、エラー表示部102dは、電子申請用項目名変換マスタ106dに基づいて、チェック結果に設定されたエラー項目に対応する変換後項目名である変換後エラー項目名を出力装置114に表示させ、エラー一覧画面に対する遷移指示を入力可能に出力装置114に表示させる(ステップSA-4)。
【0051】
そして、エラー表示部102dは、ユーザにより入力装置112を介してエラー一覧画面に対する遷移指示が入力されたか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0052】
そして、エラー表示部102dは、エラー一覧画面に対する遷移指示が入力されていないと判定した場合(ステップSA-5:No)、処理を終了する。
【0053】
一方、エラー表示部102dは、エラー一覧画面に対する遷移指示が入力されたと判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0054】
そして、エラー表示部102dは、変換後エラー項目名に対応するエラー項目を修正可能な対象画面に対する遷移指示を入力可能なエラー一覧画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-6)。
【0055】
そして、対象画面表示部102eは、ユーザにより入力装置112を介して対象画面に対する遷移指示が入力された場合、エラー項目を修正可能な対象画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-7)。
【0056】
そして、対象画面表示部102eは、ユーザにより入力装置112を介して対象画面にエラー項目に対する修正項目が設定された場合、申請用データに設定されたエラー項目を修正項目に更新し(ステップSA-8)、処理をステップSA-2に移行させる。
【0057】
ここで、
図6から
図10を参照して、本実施形態における電子申請管理処理の一例について説明する。
図6から
図10は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【0058】
図6に示すように、本実施形態におけるAPI連携を行う手続きの選択・申請対象範囲の設定処理として、人事担当者により申請を行う手続きが選択され、「申請画面へ」ボタンが押下されることで各手続画面へ遷移し、選択された手続きに関して、申請用データを作成する画面が起動し、人事担当者により申請する事業所が選択され、申請対象者の条件範囲が指定される。ここで、本実施形態においては、手続きに応じて異なる範囲が指定される。
【0059】
そして、
図6に示すように、本実施形態における申請用データ作成処理として、API側で規定されている手続毎のフォーマットに沿って、システムに登録されているテーブルデータが取得され、人事担当者により「電子申請」ボタンが押下されることで、
図7に示すように、システム内に登録されているデータに対して内部的な処理が実行され、申請用データが成形される。
【0060】
そして、
図8に示すように、本実施形態におけるマイナポータルAPI側との連携チェック処理において、APIを介して申請用データについてマイナポータル(登録商標)側のチェックが行われ、結果が受け取られ、受け取られたエラー内容が一時テーブルとして保持される。
【0061】
そして、
図9に示すように、本実施形態におけるマイナポータル(登録商標)から受け取った返却データと、電子申請用項目名変換マスタ106dとを突合して出力するエラー内容の作成処理として、人事担当者により選択された手続CDが保持された電子申請用項目名変換マスタ106dを用いて、返却データの対象項目の項目名と電子申請用項目名変換マスタ106dの変換前項目名とで一致する突合データが抽出され、返却データの対象項目の項目名が変換後項目名に置き換えられる。
【0062】
そして、
図10に示すように、本実施形態における変換後エラー内容の画面表示処理として、API側のチェック結果をもとに、エラー内容が実行時の画面上に表示される。このように、本実施形態においては、APIサービス側から返却されたエラー項目の項目名を変換・表示する機能として、APIサービス側から返却されたデータから、エラーとなった項目が解析され、設定されたマスタデータがマッピングされ、変換および内容表示される。
【0063】
また、
図11および
図12を参照して、本実施形態における電子申請管理処理の一例について説明する。
図11および
図12は、本実施形態における電子申請管理処理の一例を示す図である。
【0064】
図11に示すように、本実施形態においては、電子申請用項目名変換マスタ106dに、原因となる項目の対象画面が別途保持され、人事担当者により「電子申請」ボタンが押下された場合、「エラー出力」ボタンへの誘導メッセージが表示される。
【0065】
そして、本実施形態においては、
図11に示すように、人事担当者により「エラー出力」ボタンが押下された場合、
図12に示すように、エラー一覧画面にてエラーの内容の確認、および、実際にエラーの原因箇所となる画面への遷移が可能となるように表示され、保持している対象画面のジョブIDをもとに、「修正」ボタン押下により原因画面に遷移させることができる。
【0066】
そして、
図12に示すように、本実施形態においては、エラー一覧画面から原因画面へ遷移した際に、エラーの原因となった項目データが電子申請用項目名変換マスタ106dに保持されることで、そのデータをKeyデータとして、対象項目がマーキングされる機能等が実装されて表示させることで、より効率的な作業も期待できる。すなわち、
図12に示すように、本実施形態においては、対象の項目に色が付けられることで、より直感的に原因箇所を表示させることが可能となる。このように、本実施形態においては、エラー表示について、対象画面のデータをマスタテーブルに持たせることで、エラー内容から直接対応する画面に遷移する形で表示させることで、より直感的なエラー原因の特定および再申請までの効率化が期待できる。
【0067】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0070】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0071】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0072】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0073】
また、電子申請管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0074】
例えば、電子申請管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて電子申請管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0075】
また、このコンピュータプログラムは、電子申請管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0076】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0077】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0078】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0079】
また、電子申請管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、電子申請管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0080】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、人事業務のある業界において有用である。
【符号の説明】
【0082】
100 電子申請管理装置
102 制御部
102a 申請作成部
102b 電子申請部
102c チェック結果取得部
102d エラー表示部
102e 対象画面表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 社員基本テーブル
106b 社員労働保険テーブル
106c 労働保険事業所マスタ
106d 電子申請用項目名変換マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク