IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通クライアントコンピューティング株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電子機器 図1
  • 特開-電子機器 図2
  • 特開-電子機器 図3
  • 特開-電子機器 図4
  • 特開-電子機器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088343
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
G06F1/16 312J
G06F1/16 312E
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203458
(22)【出願日】2022-12-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】耿 昊培
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 直樹
(57)【要約】
【課題】生産性の向上が可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、複数のキーを有するベース部と、光を透過可能なパネルと、前記パネルが取り付けられた筐体と、を有する表示部と、前記ベース部の一方の端部に取り付けられた接続部と、を備え、前記接続部は、前記表示部を取り付ける締結部材を有し、前記締結部材は、前記筐体に前記パネルが取り付けられた状態において、前記パネルの裏側に位置する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーを有するベース部と、
光を透過可能なパネルと、前記パネルが取り付けられた筐体と、を有する表示部と、
前記ベース部の一方の端部に取り付けられた接続部と、
を備え、
前記接続部は、前記表示部を取り付ける締結部材を有し、
前記締結部材は、前記筐体に前記パネルが取り付けられた状態において、前記パネルの裏側に位置する、
電子機器。
【請求項2】
前記筐体は、前記パネルが嵌まるカバーを有し、
前記カバーには、前記締結部材の頭部と嵌合可能な孔が設けられた、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記筐体は、前記パネルを囲む壁を有し、
前記孔は、前記壁から前記パネルに沿う第1方向に離間して位置する、
請求項2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイ(LCD)のような表示装置を有する表示部と、複数のキーが設けられたキーボードと、ヒンジと、を備えるラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)のような電子機器が知られている。ヒンジは、表示部の筐体にネジ等で固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-49591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子機器において、ヒンジと表示部の筐体を固定するネジでは、表示部の厚さを薄くするために当該ネジの頭部分を薄くしていた。このため、表示部の筐体の厚さは、当該ネジの頭部分を覆う一部分だけが薄くなっていた。これにより、主に射出成形で形成される表示装置の筐体は、製造時に偏肉が生じて外観がバラついてしまい、生産性が低下するおそれがあった。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、生産性の向上が可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、複数のキーを有するベース部と、光を透過可能なパネルと、前記パネルが取り付けられた筐体と、を有する表示部と、前記ベース部の一方の端部に取り付けられた接続部と、を備え、前記接続部は、前記表示部を取り付ける締結部材を有し、前記締結部材は、前記筐体に前記パネルが取り付けられた状態において、前記パネルの裏側に位置する。
【0007】
前記電子機器では、前記筐体は、前記パネルが嵌まるカバーを有し、前記カバーには、前記締結部材の頭部と嵌合可能な孔が設けられる。
【0008】
前記電子機器では、前記筐体は、前記パネルを囲む壁を有し、前記孔は、前記壁から前記パネルに沿う第1方向に離間して位置する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の上記態様によれば、生産性の向上が可能な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態の電子機器の斜視図である。
図2図2は、本実施形態の表示部の断面図である。
図3図3は、本実施形態のバックカバーの平面図である。
図4図4は、本実施形態のフロントカバーの平面図である。
図5図5は、本実施形態のバックカバーの一部を拡大した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、実施形態に係る電子機器1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0012】
図1は、本実施形態の電子機器1の斜視図である。本実施形態の電子機器1は、ラップトップ型のPCである。しかしながら、電子機器1は、これに限定されず、電子辞書、又はゲーム機等であっても良い。
【0013】
図1に示すように、電子機器1は、ベース部2と、表示部3と、ヒンジ4と、を備える。なお、ヒンジ4は接続部の一例である。
【0014】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、ベース部2の短手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、ベース部2の長手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、ベース部2の厚さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、電子機器1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。
【0015】
さらに、図1では、便宜上、表示部3の短手方向がDwとして定義される。そして、表示部3の長手方向がDlとして定義される。短手方向Dwは、ベース部2に対する表示部3の傾き(開き角度)によって変わる。図1の例では、短手方向DwがZ方向に沿っている。なお、短手方向Dw及び長手方向Dlは、第1方向の一例である。
【0016】
ベース部2は、例えば、基板、CPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージ、バッテリ、アンテナ、及び他の種々の部品を収容する。図1に示すように、ベース部2は、上面21と、凹面22と、複数のキー23と、を有する。
【0017】
上面21は、略上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。上面21は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。ベース部2には、上面21から僅かに窪んだタッチパッド211の入力面が設けられる。タッチパッド211は、表示部3への入力手段である。
【0018】
上面21は、前上面21aと、後上面21bと、を有する。前上面21a及び後上面21bはそれぞれ、上面21の一部である。このため、前上面21a及び後上面21bは、略上方向に向く略平坦な面である。
【0019】
前上面21aは、後上面21bから前方向(+X方向)に離間している。後上面21bは、前上面21aから後方向(-X方向)に離間している。上下方向(Z方向)において、前上面21aと後上面21bとは、略同一の高さ(位置)に配置されている。
【0020】
凹面22は、前上面21aと後上面21bとの間に位置している。凹面22は、上面21から下方向(-Z方向)に向かって窪んでいる。
【0021】
複数のキー23は、凹面22の上に、押下可能に配置されている。言い換えると、複数のキー23は、凹面22に設けられている。上方向(+Z方向)における複数のキー23の端面は、上下方向(Z方向)において、上面21から下方向(-Z方向)に離間している。言い換えると、上方向における複数のキー23の端面は、上面21より低い位置に設けられる。
【0022】
表示部3は、タッチパネル31と、表示装置32と、筐体33と、を有する。さらに、表示部3は、例えば、筐体33に収容される他の部品をさらに有しても良い。なお、タッチパネル31はパネルの一例である。
【0023】
タッチパネル31は、例えば、光を透過可能なガラスと、透明導電膜と、フィルムと、を有している。ガラス、透明導電膜、およびフィルムは、積層されている。そのため、ユーザーは、タッチパネル31へのタッチ操作により表示部3を操作することができる。また、タッチパネル31は、光を透過可能である。
【0024】
図2は、本実施形態の表示部3の断面図である。図2に示すように、タッチパネル31は、表示面311と、背面312と、を有する。言い換えると、表示面311及び背面312は、タッチパネル31に設けられる。
【0025】
表示面311は、略平坦に形成され、表示部3の外部に向く。本実施形態では、表示面311には、例えば、ガラスコーティングのような表面処理が施されており、表示面311が傷付きにくくなっている。背面312は、表示面311の反対側に位置し、筐体33の内部に向く。本実施形態では、タッチパネル31の背面312には、表示装置32が取り付けられている。
【0026】
表示装置32は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイのような画像を表示可能な装置であり、タッチパネル31を通じて画像を表示する。このため、ユーザーは、表示面311を通じて表示装置32が表示した画像を視認することができる。
【0027】
図1に示すように、筐体33は、ヒンジ4に回転可能に取り付けられる。本実施形態において、ヒンジ4に取り付けられた筐体33は、ベース部2およびヒンジ4に対して回転することができる。筐体33は、例えば、金属製であり、略直方体の薄い箱状に形成されている。筐体33の内部の空間には、表示装置32および種々の部品が収容される。
【0028】
筐体33は、バックカバー330と、フロントカバー331と、を有する。バックカバー330とフロントカバー331とは、周壁332を有する。なお、フロントカバー331はカバーの一例であり、周壁332は、壁の一例である。
【0029】
筐体33は、バックカバー330とフロントカバー331との周壁332を当該筐体33の厚さ方向に組み合わせて形成される。そのため、バックカバー330とフロントカバー331とは、例えば分解時において互いに分割可能である。
【0030】
図3は、本実施形態のバックカバー330の平面図である。図3に示すように、バックカバー330は、後壁333を有する。後壁333は、表示装置32の反対側に位置する背面を覆う。
【0031】
図4は、本実施形態のフロントカバー331の平面図である。図4に示すように、フロントカバー331は、バックカバー330の周壁332に取り付けられる。さらに、フロントカバー331は、前壁334を有する。
【0032】
前壁334は、後壁333の反対側に位置する。前壁334は、前面335を有する。図1に示すように、前面335は電子機器1が開かれた状態において、おおよそ前方向(+X方向)に向く略平坦な面である。前面335は、当該前面335が向く方向(+X方向)と直交する方向(YZ平面)に沿って延びている。
【0033】
フロントカバー331には、開口部336が設けられている。開口部336は、前面335に開口している。開口部336は、タッチパネル31の表示面311を筐体33の外部に露出させる。すなわち、表示面311は、開口部336を通じて筐体33の前方向(+X方向)へ向く。
【0034】
図4に示すように、フロントカバー331は、凹部337をさらに有する。凹部337は、フロントカバー331の前面335からバックカバー330の後壁333に向かって凹んでいる部分である。
【0035】
凹部337の端面には、当該凹部337の端面を覆う両面テープ5が貼り付けられている。タッチパネル31は、凹部337に嵌め込まれるとともに、両面テープ5によって開口部336を塞ぐようにフロントカバー331に取り付けられる。
【0036】
凹部337は、延長部338を有する。延長部338は、凹部337の角部付近に位置するとともに、短手方向Dwにおいてフロントカバー331の中心に向かって延びている。延長部338には、当該延長部338を貫通する孔339が設けられている。
【0037】
本実施形態では、孔339は、長手方向Dlにおいて周壁332から離間した位置に設けられている。しかし、孔339の位置は、これに限らない。例えば、孔339は、短手方向Dwにおいて周壁332から離間した位置に設けられても良い。
【0038】
周壁332は、後壁333及び前面335の縁から突出した枠状の壁であり、筐体33に取り付けられているタッチパネル31や筐体33に収容されている表示装置32を囲んでいる。
【0039】
内面340は、後壁333及び前壁334の一部であり、筐体33の内部に向く略平坦な面である。なお、内面340に、凹凸が設けられても良いし、曲面が設けられても良い。
【0040】
ヒンジ4は、ベース部2と表示部3の筐体33とが互いに回動可能なように接続するものである。図1に示すように、ヒンジ4は、後方向(-X方向)におけるベース部2の端部である後端部2aに取り付けられる。なお、後端部2aは端部の一例である。
【0041】
図5は、本実施形態のバックカバー330の一部を拡大した平面図である。図5に示すように、ヒンジ4は、板金41と、第1ネジ42と、複数の第2ネジ43と、を有する。なお、第1ネジ42は締結部材の一例である。
【0042】
板金41は、例えば、金属等で形成された板状の部材である。板金41は、筐体33に収容されるとともに、短手方向Dwの下方向における筐体33の端部である下端部33a付近に位置する。板金41の形状は、略三角形である。
【0043】
なお、板金41の形状は、これに限らない。板金41の形状は、例えば、バックカバー330とフロントカバー331とが組み合わされた状態において、短手方向Dwにおける板金41の一方の端部41aが凹部337の角部から離間する形状であれば良い。
【0044】
また、板金41は湾曲して段差が生じている。板金41は、段差を境として第1部分411と、第2部分412と、に分かれる。第1部分411は、短手方向Dwにおいて筐体33の下端部33a側に位置する。さらに、第1部分411は、表示部3の厚さ方向において第2部分412より高く位置する。
【0045】
第2部分412は、短手方向Dwにおいて第1部分411の反対側に位置する。さらに、第2部分412は、表示部3の厚さ方向において第1部分411より低く位置する。そのため、本実施形態の筐体33の下端部33a付近の厚さは、筐体33のタッチパネル31取り付け部分の厚さよりも厚くなっている。
【0046】
第1ネジ42および第2ネジ43は、板金41を貫通してバックカバー330に挿通している。すなわち、第1ネジ42および第2ネジ43は、ヒンジ4に筐体33を取り付ける。これにより、ヒンジ4は、ベース部2の後端部2aと、筐体33の下端部33aと、を互いに接続する。
【0047】
第1ネジ42は、板金41の第2部分412に設けられて、板金41の端部41a付近を貫通している。言い換えると、第1ネジ42は、短手方向Dwにおいてタッチパネル31側に位置する。これにより、第1ネジ42は、バックカバー330の周壁332から長手方向Dlに離間する。
【0048】
図2、4に示すように、第1ネジ42の頭部42aは、バックカバー330とフロントカバー331とが組み合わされた状態において、タッチパネル31の裏側に位置するとともに、フロントカバー331の延長部338に設けられた孔339に嵌合する。すなわち、第1ネジ42及び孔339は、短手方向Dwおよび長手方向Dlにおいて同様の位置に設けられる。
【0049】
第1ネジ42の長さは、バックカバー330とフロントカバー331とが組み合わされた状態において、第1ネジ42の頭部42aがフロントカバー331の延長部338から突出しない長さである。
【0050】
複数の第2ネジ43は、板金41の第1部分411に設けられる。言い換えると、複数の第2ネジ43は、短手方向Dwにおいて第1ネジ42の反対側に位置するネジである。第2ネジ43は、バックカバー330とフロントカバー331とが組み合わされた状態において、当該フロントカバー331からは露出せずに筐体33に収容される。
【0051】
表示部3を製造する際、表示部3の厚さが異なると外観のバラツキが生じやすい。表示部3の筐体33において、下端部33a付近の厚さは、筐体33におけるタッチパネル31取り付け部分の厚さよりも厚い。すなわち、筐体33の下端部33a付近の厚さと、筐体33のタッチパネル31取り付け部分の厚さと、は異なる。
【0052】
従来の電子機器では、表示部の筐体をヒンジに取り付けるネジは、当該表示部の短手方向又は長手方向においてタッチパネルとは異なる位置に設けられる。そして、筐体におけるタッチパネル取り付け部分の厚さは、当該タッチパネルの厚さを収容可能な厚さである。そのため、筐体の下端部付近の厚さと、筐体のタッチパネル取り付け部分の厚さと、の差は大きい。
【0053】
一方、本実施形態に係る筐体33は、バックカバー330と、フロントカバー331とが、組み合わされて形成されている。バックカバー330には、第1ネジ42によってヒンジ4が取り付けられている。そして、フロントカバー331には、両面テープ5によってタッチパネル31が取り付けられている。
【0054】
バックカバー330とフロントカバー331とが組み合わされた状態において、ヒンジ4の第1ネジ42の頭部42aは、フロントカバー331の延長部338に設けられた孔339と嵌合する。
【0055】
孔339は、バックカバー330とフロントカバー331とが組み合わされた状態において、タッチパネル31の裏側に位置する。そのため、筐体33のタッチパネル31取り付け部分の厚さは、第1ネジ42の長さと、タッチパネル31の厚さと、を収容可能な厚さである。すなわち、本実施形態のタッチパネル31取り付け部分の厚さは、第1ネジ42を収容するために、従来のタッチパネル31取り付け部分の厚さよりも厚くなる。これにより、表示部3全体の厚さの差が少なくなる。従って、本実施形態の電子機器1では、表示部3を製造する際に表示部3の厚さが異なると外観のバラツキが生じ難くなるため、生産性の向上が可能である。
【0056】
以上のように、本実施形態の電子機器1は、ベース部2と、表示部3と、ヒンジ4と、を備える。ベース部2は、複数のキー23を有する。表示部3は、光を透過可能なタッチパネル31と、タッチパネル31が取り付けられた筐体33と、を有する。ヒンジ4は、第1ネジ42を有し、ベース部2の後端部2aに取り付けられている。第1ネジ42は、ヒンジ4に表示部3を取り付ける。筐体33にタッチパネル31が取り付けられた状態において、第1ネジ42は、タッチパネル31の裏側に位置する。
【0057】
表示部3を製造する際、表示部3の厚さが異なると外観のバラツキが生じやすい。本実施形態の電子機器1において、筐体33の下端部33a付近の厚さは、筐体33におけるタッチパネル31取り付け部分の厚さよりも厚い。第1ネジ42は、筐体33にタッチパネル31が取り付けられた状態において、当該タッチパネル31の裏側に位置する。そのため、筐体33におけるタッチパネル31取り付け部分の厚さは、第1ネジ42の長さと、タッチパネル31の厚みと、を収容可能な厚さである。すなわち、筐体33におけるタッチパネル31取り付け部分の厚さは、第1ネジ42を収容するために厚くなる。これにより、表示部3全体の厚さの差が少なくなる。従って、本実施形態の電子機器1では、生産性の向上が可能である。
【0058】
また、本実施形態では、筐体33は、タッチパネル31が嵌まるフロントカバー331を有する。フロントカバー331には、第1ネジ42の頭部42aと嵌合可能な孔339が設けられる。筐体33にタッチパネル31が取り付けられた状態において、第1ネジ42の頭部42aと孔339とは、互いに嵌合する。すなわち、第1ネジ42の頭部42aは、フロントカバー331に埋まる。これにより、表示部3では、第1ネジ42の頭部42a分だけ厚さを薄くすることが可能である。従って、製造時における表示部3の外観のバラツキを抑制しつつ、当該表示部3の薄型化が可能になる。
【0059】
また、例えば、バックカバー330とフロントカバー331とを組み合わせる時、第1ネジ42は、孔339を介して表示部3の短手方向Dw及び長手方向Dlにおけるフロントカバー331の位置決めを行うことができる。
【0060】
また、本実施形態では、筐体33は、タッチパネル31を囲む周壁332を有する。孔339は、周壁332から短手方向Dw又は長手方向Dlに離間して位置する。そのため、フロントカバー331の角部には空間が生じる。これにより、例えば、フロントカバー331に貼り付ける両面テープ5を当該フロントカバー331の角部まで設けることができる。従って、本実施形態の表示部3では、筐体33からタッチパネル31が剥離することを抑制できる。
【0061】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 電子機器
2 ベース部
2a 後端部(端部)
23 キー
3 表示部
31 タッチパネル(パネル)
33 筐体
330 バックカバー
331 フロントカバー(カバー)
332 周壁(壁)
339 孔
4 ヒンジ(接続部)
42 第1ネジ(締結部材)
42a 頭部
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーを有するベース部と、
光を透過可能なパネルと、前記パネルが取り付けられた筐体と、を有する表示部と、
前記ベース部の一方の端部に取り付けられ、前記ベース部と前記表示部の前記筐体とが互いに回動可能なように接続するヒンジと、
を備え、
前記筐体は、前記パネルの背面を覆うバックカバーと、前記パネルが嵌まるとともに前記バックカバーと組み合わされるフロントカバーと、を有し、
前記ヒンジは、前記筐体に収容される板金と、前記板金を貫通して当該板金と前記バックカバーとを取り付ける締結部材と、を有し、
前記締結部材は、前記フロントカバーに前記パネルが嵌められた状態において、前記パネルの裏側に位置し、
前記フロントカバーには、前記締結部材の頭部と嵌合可能な孔が貫通して設けられた、
電子機器。
【請求項2】
前記フロントカバーは、前記パネルを囲む壁を有し、
前記孔は、前記フロントカバーの壁から前記パネルに沿う第1方向に離間して位置する、
請求項に記載の電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の電子機器は、複数のキーを有するベース部と、光を透過可能なパネルと、前記パネルが取り付けられた筐体と、を有する表示部と、前記ベース部の一方の端部に取り付けられ、前記ベース部と前記表示部の前記筐体とが互いに回動可能なように接続するヒンジと、を備え、前記筐体は、前記パネルの背面を覆うバックカバーと、前記パネルが嵌まるとともに前記バックカバーと組み合わされるフロントカバーと、を有し、前記ヒンジは、前記筐体に収容される板金と、前記板金を貫通して当該板金と前記バックカバーとを取り付ける締結部材と、を有し、前記締結部材は、前記フロントカバーに前記パネルが嵌められた状態において、前記パネルの裏側に位置し、前記フロントカバーには、前記締結部材の頭部と嵌合可能な孔が貫通して設けられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記電子機器では、前記フロントカバーは、前記パネルを囲む壁を有し、前記孔は、前記フロントカバーの壁から前記パネルに沿う第1方向に離間して位置する。