(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088347
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】積層型フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
H03H 7/09 20060101AFI20240625BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20240625BHJP
H01F 27/00 20060101ALI20240625BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H03H7/09 Z
H01F17/00 D
H01F27/00 S
H01F27/00 160
H01F27/29 123
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203463
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】松本 祐輝
【テーマコード(参考)】
5E070
5J024
【Fターム(参考)】
5E070AA05
5E070AB01
5E070CB13
5E070CB17
5E070DB08
5E070EA01
5J024BA18
5J024CA02
5J024CA04
5J024CA06
5J024CA09
5J024DA04
5J024DA29
5J024DA31
5J024DA33
5J024DA34
5J024DA35
5J024EA03
5J024KA03
(57)【要約】
【課題】複数の共振器を備えたフィルタ装置において、所望の特性を実現しながら小型化する。
【解決手段】フィルタ装置1は、複数の共振器と、積層体50とを備えている。複数の共振器は、第1の並列型共振器11と、第1の直列型共振器13とを含んでいる。第1の並列型共振器11は、積層方向Tに直交する方向に延びる軸を中心に巻回された導体構造体110を含んでいる。第1の直列型共振器13は、積層方向Tに平行な方向に延びる軸を中心に巻回された導体層633を含んでいる。導体層633は、積層方向Tから見たときに、3つの側面50C,50E,50Fと導体構造体110の少なくとも一部との間に位置する3つの部分633a,633b,633cを含んでいる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子と、
第2の端子と、
回路構成上、前記第1の端子と前記第2の端子との間に配置された複数の共振器と、
前記第1の端子、前記第2の端子および前記複数の共振器を一体化するための積層体であって、積層された複数の誘電体層を含む積層体とを備え、
前記複数の共振器は、前記第1の端子と前記第2の端子とを接続する経路に両端が接続された少なくとも1つの並列型共振器と、前記経路に一端のみが接続された少なくとも1つの直列型共振器とを含み、
前記少なくとも1つの並列型共振器は、前記複数の誘電体層の積層方向に直交する方向に延びる軸を中心に巻回された導体構造体を含み、
前記少なくとも1つの直列型共振器は、前記積層方向に平行な方向に延びる軸を中心に巻回された第1の導体層を含み、
前記積層体は、前記積層方向の両端に位置する第1の面および第2の面と、前記第1の面と前記第2の面を接続する4つの側面とを有し、
前記第1の導体層は、前記積層方向から見たときに、それぞれ前記4つの側面のうちの3つの側面と前記導体構造体の少なくとも一部との間に位置する3つの部分を含むことを特徴とする積層型フィルタ装置。
【請求項2】
前記導体構造体の巻回数は、3/4回以上であることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項3】
前記第1の導体層の巻回数は、3/4回以上であることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの並列型共振器は、前記第1の端子または前記第2の端子に接続されていることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項5】
前記第1の導体層は、前記積層方向から見たときに、前記導体構造体と重なることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項6】
前記導体構造体は、2つのスルーホール列と、前記2つのスルーホール列の各々の一端に電気的に接続された第2の導体層とを含み、
前記2つのスルーホール列の各々は、複数のスルーホールが直列に接続されることによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項7】
前記第1の導体層と前記第2の導体層は、前記積層方向において同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項6記載の積層型フィルタ装置。
【請求項8】
前記第1の導体層と前記第2の導体層は、前記積層方向において互いに異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項6記載の積層型フィルタ装置。
【請求項9】
前記4つの側面は、前記積層方向に直交する方向の両端に配置された第1の側面および第2の側面を含み、
前記第2の導体層は、前記第2の導体層の長手方向の両端に位置する第1端および第2端を有すると共に、前記第1端および前記第2端よりも前記第1の側面に近い部分を含むことを特徴とする請求項6記載の積層型フィルタ装置。
【請求項10】
前記導体構造体は、更に、前記積層方向において前記第2の導体層とは異なる位置において前記2つのスルーホール列の一方の他端に電気的に接続された第3の導体層を含み、
前記4つの側面は、前記積層方向に直交する方向の両端に配置された第1の側面および第2の側面を含み、
前記第3の導体層は、前記第3の導体層の長手方向の両端に位置する第1端および第2端を有すると共に、前記第1端および前記第2端よりも前記第1の側面に近い部分を含むことを特徴とする請求項6記載の積層型フィルタ装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの並列型共振器は、第1の並列型共振器と、第2の並列型共振器とを含み、
前記少なくとも1つの直列型共振器は、第1の直列型共振器と、第2の直列型共振器とを含み、
前記第1の並列型共振器は、回路構成上、前記第1の端子と前記第1の直列型共振器との間に配置され、
前記第2の並列型共振器は、回路構成上、前記第2の端子と前記第2の直列型共振器との間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の積層型フィルタ装置。
【請求項12】
更に、前記第1の直列型共振器の前記第1の導体層と前記第2の直列型共振器の前記第1の導体層に電気的に接続されたスルーホールを備えたことを特徴とする請求項11記載の積層型フィルタ装置。
【請求項13】
前記第1の直列型共振器の前記第1の導体層の長手方向の両端の間には、第1のギャップが形成され、
前記第2の直列型共振器の前記第1の導体層の長手方向の両端の間には、第2のギャップが形成され、
前記第1のギャップと前記第2のギャップは、前記積層方向に直交する方向において隣接していることを特徴とする請求項11記載の積層型フィルタ装置。
【請求項14】
前記第1の並列型共振器の前記導体構造体は、前記導体構造体によって囲まれた第1の開口部が形成されるように巻回され、
前記第2の並列型共振器の前記導体構造体は、前記導体構造体によって囲まれた第2の開口部が形成されるように巻回され、
前記第1の並列型共振器の前記導体構造体と前記第2の並列型共振器の前記導体構造体は、前記第1の開口部と前記第2の開口部が互いに対向しないように、前記積層方向から見たときの前記積層体の平面形状の長手方向に並んでいることを特徴とする請求項11記載の積層型フィルタ装置。
【請求項15】
回路構成上前記第1の端子、前記第1の並列型共振器および前記第1の直列型共振器を含む部分と、回路構成上前記第2の端子、前記第2の並列型共振器および前記第2の直列型共振器を含む部分は、互いに対称になる回路構成を有していることを特徴とする請求項11記載の積層型フィルタ装置。
【請求項16】
前記積層体において前記第1の端子、前記第1の並列型共振器および前記第1の直列型共振器を含む部分を構成する複数の導体は、前記積層方向に平行な仮想の平面を中心として、前記積層体において前記第2の端子、前記第2の並列型共振器および前記第2の直列型共振器を含む部分を構成する複数の導体と対称になるように形成されていることを特徴とする請求項11記載の積層型フィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の共振器を備えた積層型フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置に用いられる電子部品の一つには、複数の共振器を備えたバンドパスフィルタがある。特に小型の通信装置に用いられるバンドパスフィルタには、小型化が求められる。小型化に適したバンドパスフィルタとしては、積層された複数の誘電体層と複数の導体層とを含む積層体を用いたものが知られている。
【0003】
積層体を用いたバンドパスフィルタに用いられる共振器としては、複数の誘電体層の積層方向に平行な軸に巻回された1つ以上の導体層を含む導体層型の共振器と、導体層と複数のスルーホールとによって構成された導体構造体であって、複数の誘電体層の積層方向に直交する軸に巻回された導体構造体を含む導体構造体型の共振器とが知られている。
【0004】
なお、「巻回された導体層(導体構造体)」は、巻回数が1回以上の導体層(導体構造体)に加えて、巻回数が3/4回の導体層(導体構造体)を含むが、巻回数が1/2回以下の導体層(導体構造体)を含まない。以下、巻回数が1/2回以下の導体層(導体構造体)を含む共振器を、非巻回型の共振器とも言う。
【0005】
特許文献1には、複数の非巻回型の共振器を含むフィルタ装置と、複数の導体構造体型の共振器と複数の非巻回型の共振器とを含むフィルタ装置と、複数の導体層型の共振器と複数の非巻回型の共振器とを含むフィルタ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バンドパスフィルタでは、複数の共振器の各々のインダクタンスを大きくすることが求められる場合がある。この場合、バンドパスフィルタを小型化するためには、巻回された導体層(導体構造体)を含む共振器を用いることが好ましい。しかし、複数の共振器の全てを導体層型の共振器または導体構造体型の共振器によって構成した場合には、構造上の制約から小型化が難しいという問題と、共振器間の電磁界結合が強くなりすぎて所望の特性が得られなくなるという特性上の制約から小型化が難しいという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の共振器を備えたフィルタ装置において、所望の特性を実現しながら小型化することができる積層型フィルタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の積層型フィルタ装置は、第1の端子と、第2の端子と、回路構成上、第1の端子と第2の端子との間に配置された複数の共振器と、第1の端子、第2の端子および複数の共振器を一体化するための積層体であって、積層された複数の誘電体層を含む積層体とを備えている。複数の共振器は、第1の端子と第2の端子とを接続する経路に両端が接続された少なくとも1つの並列型共振器と、経路に一端のみが接続された少なくとも1つの直列型共振器とを含んでいる。少なくとも1つの並列型共振器は、複数の誘電体層の積層方向に直交する方向に延びる軸を中心に巻回された導体構造体を含んでいる。少なくとも1つの直列型共振器は、積層方向に平行な方向に延びる軸を中心に巻回された第1の導体層を含んでいる。積層体は、積層方向の両端に位置する第1の面および第2の面と、第1の面と第2の面を接続する4つの側面とを有している。第1の導体層は、積層方向から見たときに、それぞれ4つの側面のうちの3つの側面と導体構造体の少なくとも一部との間に位置する3つの部分を含んでいる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の積層型フィルタ装置では、少なくとも1つの直列型共振器の第1の導体層は、積層方向から見たときに、それぞれ4つの側面のうちの3つの側面と少なくとも1つの並列型共振器の導体構造体の少なくとも一部との間に位置する3つの部分を含んでいる。これにより、本発明によれば、所望の特性を実現しながら小型化することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の回路構成を示す回路図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における1層目ないし3層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における4層目ないし6層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における7層目ないし13層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における14層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示した積層体の内部の一部を示す平面図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態における仮想の平面を説明するための説明図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の特性の一例を示す特性図である。
【
図11】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における2層目ないし4層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図12】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における5層目ないし10層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図13】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における11層目ないし13層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図14】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部を示す斜視図である。
【
図15】
図14に示した積層体の内部の一部を示す平面図である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の特性の一例を示す特性図である。
【
図17】本発明の第3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の外観を示す斜視図である。
【
図18】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における1層目ないし3層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図19】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における4層目ないし6層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図20】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における7層目ないし10層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図21】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における11層目および12層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図22】本発明の第3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部を示す斜視図である。
【
図23】
図22に示した積層体の内部の一部を示す平面図である。
【
図24】本発明の第3の実施の形態における仮想の平面を説明するための説明図である。
【
図25】本発明の第3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の特性の一例を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置(以下、単にフィルタ装置と記す。)1の構成について説明する。
図1は、フィルタ装置1の回路構成を示す回路図である。
図1には、フィルタ装置1の例として、バンドパスフィルタを示している。フィルタ装置1は、第1の端子2と、第2の端子3と、複数の共振器とを備えている。第1および第2の端子2,3の各々は、信号の入力または出力のための端子である。
【0013】
複数の共振器は、回路構成上、第1の端子2と第2の端子3との間に設けられている。なお、本出願において、「回路構成上」という表現は、物理的な構成における配置ではなく、回路図上での配置を指すために用いている。
【0014】
フィルタ装置1は、更に、第1の端子2と第2の端子3とを接続する経路4を備えている。本出願において、経路4は、グランドを経由せずに第1の端子2と第2の端子3とを接続する回路図上の経路として定義される。
図1では、理解を容易にするために、経路4を太線で描いている。
【0015】
複数の共振器は、少なくとも1つの並列型共振器と、少なくとも1つの直列型共振器とを含んでいる。少なくとも1つの並列型共振器は、両端が経路4に接続されている。少なくとも1つの直列型共振器は、一端のみが経路4に接続されている。少なくとも1つの並列型共振器と少なくとも1つの直列型共振器は、経路4に直接接続されていてもよいし、経路4にインダクタまたはキャパシタを介して接続されていてもよい。
【0016】
以下、
図1を参照して、フィルタ装置1の回路構成の一例について説明する。フィルタ装置1は、更に、キャパシタC1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C11,C12を備えている。少なくとも1つの並列型共振器は、第1の並列型共振器11と、第2の並列型共振器12とを含んでいる。少なくとも1つの直列型共振器は、第1の直列型共振器13と、第2の直列型共振器14とを含んでいる。経路4は、第1の端子2と第2の端子3を接続する複数の経路のうち、第1および第2の並列型共振器11,12ならびに第1および第2の直列型共振器13,14の全てが接続された経路でもある。
【0017】
第1の並列型共振器11の一端と他端は、経路4に接続されている。また、第1の並列型共振器11の一端は、第1の端子2に接続されている。キャパシタC11は、第1の並列型共振器11に対して並列に接続されている。キャパシタC1の一端は、第1の並列型共振器11の他端に接続されている。キャパシタC1の他端は、グランドに接続されている。
【0018】
第2の並列型共振器12の一端と他端は、経路4に接続されている。また、第2の並列型共振器12の一端は、第2の端子3に接続されている。キャパシタC12は、第2の並列型共振器12に対して並列に接続されている。キャパシタC2の一端は、第2の並列型共振器12の他端に接続されている。キャパシタC2の他端は、グランドに接続されている。
【0019】
第1の直列型共振器13の一端は、経路4に接続されている。第1の直列型共振器13の他端は、グランドに接続されている。キャパシタC3の一端は、第1の直列型共振器13の一端に接続されている。キャパシタC3の他端は、グランドに接続されている。
【0020】
第2の直列型共振器14の一端は、経路4に接続されている。第2の直列型共振器14の他端は、グランドに接続されている。キャパシタC4の一端は、第2の直列型共振器14の一端に接続されている。キャパシタC4の他端は、グランドに接続されている。
【0021】
キャパシタC5の一端は、第1の並列型共振器11の他端に接続されている。キャパシタC5の他端は、第2の並列型共振器12の他端に接続されている。
【0022】
キャパシタC6,C7,C8は、経路4上に設けられている。キャパシタC6の一端は、第1の並列型共振器11の他端に接続されている。キャパシタC6の他端とキャパシタC8の一端は、第1の直列型共振器13の一端に接続されている。キャパシタC7の一端は、第2の並列型共振器12の他端に接続されている。キャパシタC7の他端とキャパシタC8の他端は、第2の直列型共振器14の一端に接続されている。
【0023】
第1の並列型共振器11と第2の並列型共振器12は、互いに磁気結合している。また、第1の並列型共振器11と第1の直列型共振器13は、互いに磁気結合している。また、第2の並列型共振器12と第2の直列型共振器14は、互いに磁気結合している。
【0024】
ここで、回路構成上、第1の端子2、第1の並列型共振器11および第1の直列型共振器13を含む部分を、第1の回路要素群と言う。また、回路構成上、第2の端子3、第2の並列型共振器12および第2の直列型共振器14を含む部分を、第2の回路要素群と言う。第1の回路要素群と第2の回路要素群は、互いに対称になる回路構成を有している。すなわち、第1の回路要素群と第2の回路要素群は、回路図上で互いに対称になるように描くことができる。第1の回路要素群は、更に、キャパシタC1,C3,C6,C11を含み、第2の回路要素群は、更に、キャパシタC2,C4,C7,C12を含んでいてもよい。
【0025】
次に、
図2を参照して、フィルタ装置1のその他の構成について説明する。
図2は、フィルタ装置1の外観を示す斜視図である。
【0026】
フィルタ装置1は、更に、積層された複数の誘電体層と複数の導体とを含む積層体50を備えている。第1の端子2、第2の端子3、複数の共振器およびキャパシタC1~C7,C11,C12は、積層体50に一体化されている。
【0027】
積層体50は、複数の誘電体層の積層方向Tの両端に位置する第1の面50Aおよび第2の面50Bと、第1の面50Aと第2の面50Bを接続する4つの側面50C~50Fとを有している。側面50C,50Dは互いに反対側を向き、側面50E,50Fも互いに反対側を向いている。側面50C~50Fは、第1の面50Aおよび第2の面50Bに対して垂直になっている。
【0028】
ここで、
図2に示したように、X方向、Y方向、Z方向を定義する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では、積層方向Tに平行な一方向を、Z方向とする。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。また、「積層方向Tから見たとき」という表現は、Z方向または-Z方向に離れた位置から対象物を見ることを意味する。
【0029】
図2に示したように、第1の面50Aは、積層体50における-Z方向の端に位置する。第1の面50Aは、積層体50の底面でもある。第2の面50Bは、積層体50におけるZ方向の端に位置する。第2の面50Bは、積層体50の上面でもある。第1の面50Aおよび第2の面50Bの各々の形状は、X方向に長い矩形形状である。側面50Cは、積層体50における-X方向の端に位置する。側面50Dは、積層体50におけるX方向の端に位置する。側面50Eは、積層体50における-Y方向の端に位置する。側面50Fは、積層体50におけるY方向の端に位置する。
【0030】
フィルタ装置1は、更に、積層体50の第1の面50Aに配置された電極111,112,113,114,115,116を備えている。電極111,112,113は、側面50Fよりも側面50Eにより近い位置において、X方向にこの順に並んでいる。電極114,115,116は、側面50Eよりも側面50Fにより近い位置において、-X方向にこの順に並んでいる。
【0031】
電極111は、第1の端子2に対応する。電極113は、第2の端子3に対応する。電極115は、グランドに接続される。電極112,114,116の各々は、グランドに接続されてもよいし、接続されなくてもよい。
【0032】
次に、
図3(a)ないし
図6を参照して、積層体50を構成する複数の誘電体層、複数の導体層および複数のスルーホールの一例について説明する。この例では、積層体50は、積層された14層の誘電体層を有している。以下、この14層の誘電体層を、下から順に1層目ないし14層目の誘電体層と呼ぶ。また、1層目ないし14層目の誘電体層を符号51~64で表す。
【0033】
図3(a)ないし
図5(b)において、複数の円は複数のスルーホールを表している。誘電体層51~62の各々には、複数のスルーホールが形成されている。複数のスルーホールは、それぞれ、スルーホール用の孔に導体ペーストを充填することによって形成される。複数のスルーホールの各々は、電極、導体層または他のスルーホールに接続されている。
【0034】
図3(a)ないし
図5(b)では、複数のスルーホールのうちの複数の特定のスルーホールに、符号を付している。複数の特定のスルーホールの各々と、電極、導体層または他のスルーホールとの接続関係については、1層目ないし14層目の誘電体層51~64が積層された状態における接続関係について説明している。
【0035】
図3(a)は、1層目の誘電体層51のパターン形成面を示している。誘電体層51のパターン形成面には、電極111~116が形成されている。
図3(a)において符号51T5を付したスルーホールは、電極115に接続されている。なお、以下の説明では、符号51T5を付したスルーホールを、単にスルーホール51T5と記す。また、スルーホール51T5以外の符号を付したスルーホールについても、スルーホール51T5と同様に記す。
【0036】
図3(b)は、2層目の誘電体層52のパターン形成面を示している。誘電体層52のパターン形成面には、導体層521,522,523が形成されている。また、
図3(b)に示したスルーホール52T5と、誘電体層51に形成されたスルーホール51T5は、導体層521に接続されている。
【0037】
図3(c)は、3層目の誘電体層53のパターン形成面を示している。誘電体層53のパターン形成面には、導体層531,532,533が形成されている。また、
図3(c)に示したスルーホール53T5は、誘電体層52に形成されたスルーホール52T5に接続されている。
【0038】
図4(a)は、4層目の誘電体層54のパターン形成面を示している。誘電体層54のパターン形成面には、導体層541,542,543,544が形成されている。また、
図4(a)に示したスルーホール54T1a,54T2a,54T3,54T4は、それぞれ、導体層541,542,543,544に接続されている。スルーホール54T5は、誘電体層53に形成されたスルーホール53T5に接続されている。
【0039】
図4(b)は、5層目の誘電体層55のパターン形成面を示している。誘電体層55のパターン形成面には、導体層551,552,553が形成されている。また、
図4(b)に示したスルーホール55T1a,55T2a,55T3,55T4,55T5は、それぞれ、誘電体層54に形成されたスルーホール54T1a,54T2a,54T3,54T4,54T5に接続されている。スルーホール55T1g,55T2gは、それぞれ、導体層551,552に接続されている。
【0040】
図4(c)は、6層目の誘電体層56のパターン形成面を示している。誘電体層56のパターン形成面には、共振器用の導体層561a,561b,561c,562a,562b,562cと、導体層563が形成されている。導体層561a~561c,562a~562cの各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。
【0041】
また、
図4(c)に示したスルーホール56T1a,56T2a,56T3,56T4は、それぞれ、誘電体層55に形成されたスルーホール55T1a,55T2a,55T3,55T4に接続されている。
【0042】
スルーホール56T1bは、導体層561aの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール56T1cは、導体層561aの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール56T1dは、導体層561bの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール56T1eは、導体層561bの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール56T1fは、導体層561cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層55に形成されたスルーホール55T1gは、導体層561cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0043】
スルーホール56T2bは、導体層562aの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール56T2cは、導体層562aの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール56T2dは、導体層562bの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール56T2eは、導体層562bの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール56T2fは、導体層562cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層55に形成されたスルーホール55T2gは、導体層562cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0044】
スルーホール56T5と、誘電体層55に形成されたスルーホール55T5は、導体層563に接続されている。
【0045】
図5(a)は、7層目ないし11層目の誘電体層57~61の各々のパターン形成面を示している。誘電体層57~61の各々には、スルーホール57T1a,57T1b,57T1c,57T1d,57T1e,57T1f,57T2a,57T2b,57T2c,57T2d,57T2e,57T2f,57T3,57T4,57T5が形成されている。誘電体層57に形成されたスルーホール57T1a~57T1f,57T2a~57T2f,57T3~57T5は、それぞれ、誘電体層56に形成されたスルーホール56T1a~56T1f,56T2a~56T2f,56T3~56T5に接続されている。また、誘電体層57~61では、上下に隣接する同じ符号のスルーホール同士が互いに接続されている。
【0046】
図5(b)は、12層目の誘電体層62のパターン形成面を示している。誘電体層62のパターン形成面には、共振器用の導体層621a,621b,621c,622a,622b,622cが形成されている。また、
図5(b)に示したスルーホール62T1aと、誘電体層61に形成されたスルーホール57T1aは、導体層621aに接続されている。スルーホール62T1cと、誘電体層61に形成されたスルーホール57T1cは、導体層621bに接続されている。スルーホール62T1eと、誘電体層61に形成されたスルーホール57T1eは、導体層621cに接続されている。
【0047】
スルーホール62T2aと、誘電体層61に形成されたスルーホール57T2aは、導体層622aに接続されている。スルーホール62T2cと、誘電体層61に形成されたスルーホール57T2cは、導体層622bに接続されている。スルーホール62T2eと、誘電体層61に形成されたスルーホール57T2eは、導体層622cに接続されている。
【0048】
スルーホール62T1b,62T1d,62T1f,62T2b,62T2d,62T2f,62T3~62T5は、それぞれ、誘電体層61に形成されたスルーホール57T1b,57T1d,57T1f,57T2b,57T2d,57T2f,57T3~57T5に接続されている。
【0049】
図5(c)は、13層目の誘電体層63のパターン形成面を示している。誘電体層63のパターン形成面には、共振器用の導体層631a,631b,631c,632a,632b,632c,633,634と、導体層635が形成されている。導体層631a~631c,632a~632c,633,634の各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。導体層633の第2端と導体層634の第2端は、互いに接続されている。導体層635は、導体層633と導体層634との境界の近傍において導体層633,634に接続されている。
図5(c)では、導体層633,634,635の境界を点線で示している。
【0050】
誘電体層62に形成されたスルーホール62T1aは、導体層631aの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T1bは、導体層631aの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T1cは、導体層631bの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T1dは、導体層631bの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T1eは、導体層631cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T1fは、導体層631cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0051】
誘電体層62に形成されたスルーホール62T2aは、導体層632aの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T2bは、導体層632aの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T2cは、導体層632bの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T2dは、導体層632bの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T2eは、導体層632cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T2fは、導体層632cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0052】
誘電体層62に形成されたスルーホール62T3は、導体層633の第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T4は、導体層634の第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層62に形成されたスルーホール62T5は、導体層635に接続されている。
【0053】
図6は、14層目の誘電体層61のパターン形成面を示している。誘電体層64のパターン形成面には、マーク641が形成されている。
【0054】
図2に示した積層体50は、1層目の誘電体層51のパターン形成面が積層体50の第1の面50Aになり、14層目の誘電体層64のパターン形成面とは反対側の面が積層体50の第2の面50Bになるように、1層目ないし14層目の誘電体層51~64が積層されて構成される。
【0055】
図3(a)ないし
図5(b)に示した複数のスルーホールの各々は、1層目ないし14層目の誘電体層51~64を積層したときに、積層方向Tにおいて重なる導体層または積層方向Tにおいて重なる他のスルーホールに接続されている。また、
図3(a)ないし
図5(b)に示した複数のスルーホールのうち、電極内または導体層内に位置するスルーホールは、その電極またはその導体層に接続されている。
【0056】
図7は、1層目ないし14層目の誘電体層51~64が積層されて構成された積層体50の内部を示している。
図7に示したように、積層体50の内部では、
図3(a)ないし
図5(c)に示した複数の導体層と複数のスルーホールが積層されている。なお、
図7では、マーク641を省略している。
【0057】
以下、
図1に示したフィルタ装置1の回路の構成要素と、
図3(a)ないし
図5(c)に示した積層体50の内部の構成要素との対応関係について説明する。第1の並列型共振器11は、導体層561a~561c,621a~621c,631a~631cと、スルーホール54T1a,55T1a,56T1a~56T1f,57T1a~57T1f,62T1a~62T1fとによって構成されている。
【0058】
第2の並列型共振器12は、導体層562a~562c,622a~622c,632a~632cと、スルーホール54T2a,55T2a,56T2a~56T2f,57T2a~57T2f,62T2a~62T2fとによって構成されている。
【0059】
第1の直列型共振器13は、導体層633によって構成されている。第2の直列型共振器14は、導体層634によって構成されている。
【0060】
キャパシタC1は、導体層521,541と、これらの導体層の間の誘電体層52,53とによって構成されている。キャパシタC2は、導体層521,542と、これらの導体層の間の誘電体層52,53とによって構成されている。キャパシタC3は、導体層531,543と、これらの導体層の間の誘電体層53とによって構成されている。キャパシタC4は、導体層532,544と、これらの導体層の間の誘電体層53とによって構成されている。
【0061】
キャパシタC5は、導体層551,552によって構成されている。キャパシタC6は、導体層543,551と、これらの導体層の間の誘電体層54とによって構成されている。キャパシタC7は、導体層544,552と、これらの導体層の間の誘電体層54とによって構成されている。キャパシタC8は、導体層533,543,544,553と、これらの導体層の間の誘電体層53,54とによって構成されている。
【0062】
キャパシタC11は、導体層541,551と、これらの導体層の間の誘電体層54とによって構成されている。キャパシタC12は、導体層542,552と、これらの導体層の間の誘電体層54とによって構成されている。
【0063】
次に、
図2ないし
図8を参照して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。
図8は、
図7に示した積層体50の内部の一部を示す平面図である。
【0064】
始めに、第1の並列型共振器11の特徴について説明する。第1の並列型共振器11は、積層方向Tに直交する方向に延びる軸を中心に巻回された導体構造体110を含んでいる。すなわち、第1の並列型共振器11は、導体構造体型の共振器である。
【0065】
導体構造体110は、矩形状またはほぼ矩形状の巻線でもある。矩形状またはほぼ矩形状の巻線では、巻回数について、巻線を矩形とみなしたときに、矩形の1辺につき1/4回と数えてもよい。導体構造体110の巻回数は、3/4回以上である。本実施の形態では特に、導体構造体110は、Y方向に平行な方向に延在する軸を中心に3回巻回されている。
【0066】
ここで、複数のスルーホールが直列に接続されることによって構成された構造物を、スルーホール列と言う。導体構造体110は、スルーホール列T1a,T1b,T1c,T1d,T1e,T1fと、スルーホール62T1a,62T1c,62T1eと、導体層561a~561c,621a~621c,631a~631cとを含んでいる。
【0067】
スルーホール列T1aは、スルーホール54T1a,55T1a,56T1a,57T1aが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T1bは、スルーホール56T1b,57T1b,62T1bが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T1cは、スルーホール56T1c,57T1cが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T1dは、スルーホール56T1d,57T1d,62T1dが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T1eは、スルーホール56T1e,57T1eが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T1fは、スルーホール56T1f,57T1f,62T1fが直列に接続されることによって構成されている。
【0068】
導体層561a~561cの各々は、導体層561a~561cの各々の長手方向の両端に位置する第1端および第2端を有している。また、導体層561a~561cの各々は、導体層561a~561cの各々の第1端と第2端よりも側面50Eに近い部分を含んでいる。
【0069】
導体層561aは、スルーホール列T1b,T1cの各々の一端に電気的に接続されている。導体層561bは、スルーホール列T1d,T1eの各々の一端に電気的に接続されている。導体層561cは、スルーホール列T1fの一端に電気的に接続されている。また、導体層561cは、スルーホール55T1gを介して導体層551に電気的に接続されている。
【0070】
導体層631a~631cの各々の大部分は、X方向に平行な方向に延在している。導体層631aは、導体層621aおよびスルーホール62T1aを介してスルーホール列T1aの一端に電気的に接続されていると共に、スルーホール列T1bの他端に電気的に接続されている。導体層631bは、導体層621bおよびスルーホール62T1cを介してスルーホール列T1cの他端に電気的に接続されていると共に、スルーホール列T1dの他端に電気的に接続されている。導体層631bは、導体層621cおよびスルーホール62T1eを介してスルーホール列T1eの他端に電気的に接続されていると共に、スルーホール列T1fの他端に電気的に接続されている。
【0071】
スルーホール列T1a~T1fと、導体層561a~561c,631a~631cは、Y方向に平行な軸の周りを周回するように、スルーホール列T1a、導体層631a、スルーホール列T1b、導体層561a、スルーホール列T1c、導体層631b、スルーホール列T1d、導体層561b、スルーホール列T1e、導体層631c、スルーホール列T1fおよび導体層561cの順に接続されている。
【0072】
次に、第2の並列型共振器12の特徴について説明する。第2の並列型共振器12は、積層方向Tに直交する方向に延びる軸を中心に巻回された導体構造体120を含んでいる。すなわち、第2の並列型共振器12は、導体構造体型の共振器である。導体構造体120の巻回数は、3/4回以上である。本実施の形態では特に、導体構造体120は、Y方向に平行な方向に延在する軸を中心に3回巻回されている。
【0073】
導体構造体120は、スルーホール列T2a,T2b,T2c,T2d,T2e,T2fと、スルーホール62T2a,62T2c,62T2eと、導体層562a,562b,562c,622a,622b,622c,632a,632b,632cとを含んでいる。
【0074】
導体構造体110の構造の説明中の、スルーホール列T1a~T1f、スルーホール54T1a,55T1a,55T1g,56T1a~56T1f,57T1a~57T1f,62T1a~62T1fおよび導体層551,561a~561c,621a~621c,631a~631cを、それぞれスルーホール列T2a~T2f、スルーホール54T2a,55T2a,56T2a~56T2f,57T2a~57T2f,62T2a~62T2fおよび導体層552,562a~562c,622a~622c,632a~632cに置き換えれば、導体構造体120の構造の説明になる。
【0075】
次に、第1および第2の直列型共振器13,14の特徴について説明する。第1の直列型共振器13を構成する導体層633は、積層方向Tに平行な方向に延びる軸を中心に巻回されている。すなわち、第1の直列型共振器13は、導体層型の共振器である。導体層633は、矩形状またはほぼ矩形状の巻線でもある。導体層633の巻回数は、3/4回以上である。本実施の形態では特に、導体層633は、Z方向に平行な方向に延在する軸を中心に3/4回巻回されている。
【0076】
導体層633は、スルーホール列T3を介して導体層543に電気的に接続されている。スルーホール列T3は、スルーホール54T3,55T3,56T3,57T3,62T3が直列に接続されることによって構成されている。
【0077】
第2の直列型共振器14を構成する導体層634は、積層方向Tに平行な方向に延びる軸を中心に巻回されている。すなわち、第2の直列型共振器14は、導体層型の共振器である。導体層634は、矩形状またはほぼ矩形状の巻線でもある。導体層634の巻回数は、3/4回以上である。本実施の形態では特に、導体層634は、Z方向に平行な方向に延在する軸を中心に3/4回巻回されている。
【0078】
導体層634は、スルーホール列T4を介して導体層544に電気的に接続されている。スルーホール列T4は、スルーホール54T4,55T4,56T4,57T4,62T4が直列に接続されることによって構成されている。
【0079】
導体層633,634の各々は、導体層635を介してスルーホール列T5に電気的に接続されている。スルーホール列T5は、スルーホール52T5,53T5,54T5,55T5,56T5,57T5,62T5が直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T5は、スルーホール51T5および導体層521を介して電極115に電気的に接続されている。
【0080】
次に、第1の並列型共振器11と第1の直列型共振器13に注目して、フィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。導体構造体110は、導体層633が巻回される軸とは異なる方向に延びる軸に巻回されている。導体構造体110は、導体層633が巻回される軸に直交する方向に延びる軸に巻回されていてもよい。導体構造体110の巻回数は、導体層633の巻回数よりも多い。また、導体構造体110の長さは、導体層633の長さよりも大きい。
【0081】
図8に示したように、導体層633は、積層方向Tから見たときに、側面50C,50E,50Fと導体構造体110の少なくとも一部との間に位置する3つの部分633a,633b,633cを含んでいる。本実施の形態では特に、部分633aは、側面50Cと導体層631a~631cとの間に配置されている。部分633bは、側面50Eと導体層631a~631cとの間に配置されている。部分633cは、側面50Fと導体層631a~631cとの間に配置されている。
【0082】
また、導体層633は、積層方向Tから見たときに、導体構造体110と重なっている。本実施の形態では特に、導体層633は、導体層561a~561c,621a~621cの各々の一部と、スルーホール列T1a,T1c,T1eと重なっている。また、導体層633と、導体層631a~631cは、積層方向Tにおいて同じ位置に配置されている。導体層633は、導体層631a~631cと重なっていない。
【0083】
次に、第2の並列型共振器12と第2の直列型共振器14に注目して、フィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。導体構造体120は、導体層634が巻回される軸とは異なる方向に延びる軸に巻回されている。導体構造体120は、導体層634が巻回される軸に直交する方向に延びる軸に巻回されていてもよい。導体構造体120の巻回数は、導体層634の巻回数よりも多い。また、導体構造体120の長さは、導体層634の長さよりも大きい。
【0084】
図8に示したように、導体層634は、積層方向Tから見たときに、側面50D,50E,50Fと導体構造体120の少なくとも一部との間に位置する3つの部分634a,634b,634cを含んでいる。本実施の形態では特に、部分634aは、側面50Dと導体層632a~632cとの間に配置されている。部分634bは、側面50Eと導体層632a~632cとの間に配置されている。部分634cは、側面50Fと導体層632a~632cとの間に配置されている。
【0085】
また、導体層634は、積層方向Tから見たときに、導体構造体120と重なっている。本実施の形態では特に、導体層634は、導体層562a~562c,622a~622cの各々の一部と、スルーホール列T2a,T2c,T2eと重なっている。また、導体層634と、導体層632a~632cは、積層方向Tにおいて同じ位置に配置されている。導体層634は、導体層632a~632cと重なっていない。
【0086】
次に、第1の並列型共振器11と第2の並列型共振器12に注目して、フィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。第1の並列型共振器11の導体構造体110は、導体構造体110によって囲まれた第1の開口部が形成されるように巻回されている。第2の並列型共振器12の導体構造体120は、導体構造体120によって囲まれた第2の開口部が形成されるように巻回されている。導体構造体110,120は、第1の開口部と第2の開口部が対向しないように配置されている。本実施の形態では特に、導体構造体110,120は、積層方向Tから見たときの積層体50の平面形状の長手方向(X方向に平行な方向)に並んでいる。
【0087】
次に、第1の直列型共振器13と第2の直列型共振器14に注目して、フィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。第1の直列型共振器13の導体層633と、第2の直列型共振器14の導体層634は、積層方向Tから見たときの積層体50の平面形状の長手方向(X方向に平行な方向)に並んでいる。
【0088】
また、導体層633の長手方向の両端すなわち導体層633の第1端と第2端との間には、第1のギャップが形成されている。導体層634の長手方向の両端すなわち導体層634の第1端と第2端との間には、第2のギャップが形成されている。第1のギャップと第2のギャップは、積層方向Tに直交する方向すなわちX方向に平行な方向において隣接している。
【0089】
次に、積層体50に含まれる複数の導体の特徴について説明する。ここで、積層方向Tに平行な仮想の平面P1を定義する。
図9は、仮想の平面P1を説明するための説明図である。本実施の形態では特に、仮想の平面P1は、第1の面50Aまたは第2の面50Bの長手方向の中央と交差するYZ平面である。なお、
図9では、便宜上、仮想の平面P1にハッチングを付している。積層体50のうち、仮想の平面P1よりも側面50C側の部分を第1の部分501と言う。また、積層体50のうち、仮想の平面P1よりも側面50D側の部分を第2の部分502と言う。
【0090】
また、積層体50において第1の端子2、第1の並列型共振器11および第1の直列型共振器13を含む部分を構成する複数の導体(電極、複数の導体層および複数のスルーホール)を、第1の導体群と言う。第1の導体群は、第1の部分501に配置されている。
【0091】
また、積層体50において第2の端子3、第2の並列型共振器12および第2の直列型共振器14を含む部分を構成する複数の導体(電極、複数の導体層および複数のスルーホール)を、第2の導体群と言う。第2の導体群は、第2の部分502に配置されている。
【0092】
第1の導体群は、仮想の平面P1を中心として、第2の導体群と対称になるように形成されている。すなわち、第1の導体群に含まれる複数の導体の各々は、仮想の平面P1を中心として、第2の導体群に含まれる複数の導体のうちの対応する導体と対称になるように形成されている。
【0093】
第1の導体群は、更に、キャパシタC1,C3,C6,C11を構成する複数の導体層のうちの少なくとも一部を含み、第2の導体群は、更に、キャパシタC2,C4,C7,C12を構成する複数の導体層のうちの少なくとも一部を含んでいてもよい。
【0094】
次に、本実施の形態に係るフィルタ装置1の作用および効果について説明する。本実施の形態では、第1の直列型共振器13の導体層833は、積層方向Tから見たときに、側面50C,50E,50Fと第1の並列型共振器11の導体構造体110の少なくとも一部との間に位置する3つの部分633a,633b,633cを含んでいる。言い換えると、第1の並列型共振器11と第1の直列型共振器13は、側面50C,50E,50Fと導体構造体110の少なくとも一部との間に3つの部分633a,633b,633cが存在するような位置関係で配置されている。これにより、本実施の形態によれば、積層体50内の空間を効率よく利用して、積層体50すなわちフィルタ装置1を小型化することができる。
【0095】
また、本実施の形態によれば、導体層633が3つの部分633a,633b,633cのうちの1つまたは2つのみを含む場合に比べて、導体層633を長くすることができる。これにより、本実施の形態によれば、第1の直列型共振器13のインダクタンスを大きくすることができる。
【0096】
また、本実施の形態では、第1の並列型共振器11の導体構造体110は、積層方向Tに直交する方向、具体的にはY方向に平行な方向に延びる軸を中心に巻回されている。また、第1の直列型共振器13の導体層633は、積層方向Tに平行な方向、具体的にはZ方向に平行な方向に延びる軸を中心に巻回されている。これにより、本実施の形態によれば、導体構造体110によって発生される磁界の方向と、導体層633によって発生される磁界の方向とを互いに異ならせることができる。その結果、本実施の形態によれば、導体構造体110と導体層633が同じ方向に延びる軸を中心に巻回され且つ導体構造体110の開口部と導体層633の開口部が対向する場合に比べて、第1の並列型共振器11と第1の直列型共振器13との間の磁界結合を抑制することができる。これにより、本実施の形態によれば、第1の並列型共振器11と第1の直列型共振器13との間隔を小さくして、フィルタ装置1を小型化することができる。
【0097】
上記の第1の並列型共振器11および第1の直列型共振器13についての説明は、第2の並列型共振器12および第2の直列型共振器14にも当てはまる。
【0098】
また、本実施の形態では、導体構造体110,120は、第1の開口部と第2の開口部が対向しないように配置されている。これにより、本実施の形態によれば、第1の開口部と第2の開口部が対向するように導体構造体110,120が配置されている場合に比べて、第1の並列型共振器11と第2の並列型共振器12との間の磁界結合を抑制することができる。
【0099】
また、本実施の形態では、第1の直列型共振器13の導体層633と、第2の直列型共振器14の導体層634は、積層方向Tに直交する方向、具体的にはX方向に平行な方向に並んでいる。これにより、本実施の形態によれば、導体層633の開口部との導体層634の開口部が対向する場合に比べて、第1の直列型共振器13と第2の直列型共振器14との間の磁界結合を抑制することができる。
【0100】
なお、本実施の形態では、導体層633,634は、共通のスルーホール列T5を介して電極115に電気的に接続されている。しかし、導体層633,634は、別々のスルーホール列を介して、電極115に接続されていてもよい。あるいは、導体層633,634は、それぞれ、別々のスルーホール列を介して、別々の電極に接続されていてもよい。別々のスルーホール列を用いた場合には、第1の直列型共振器13と第2の直列型共振器14との間の磁界結合を弱めることができる。
【0101】
以上のことから、本実施の形態によれば、所望の特性を実現しながら、フィルタ装置1を小型化することができる。
【0102】
次に、本実施の形態に係るフィルタ装置1の特性の一例を示す。
図10は、フィルタ装置1の通過減衰特性および反射減衰特性の一例を示している。
図10において、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示している。また、
図10において、符号101を付した曲線は、フィルタ装置1の通過減衰特性を示している。また、符号102を付した曲線は、第1の端子2における反射減衰特性を示している。
【0103】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、フィルタ装置1の積層体50は、第1の実施の形態における2層目ないし13層目の誘電体層52~63の代わりに、2層目ないし13層目の誘電体層72~83を含んでいる。本実施の形態における積層体50は、1層目の誘電体層51(
図3(a)参照)、2層目ないし13層目の誘電体層72~73および14層目の誘電体層64(
図6参照)が積層されて構成される。
【0104】
以下、
図11(a)ないし
図13(c)を参照して、2層目ないし13層目の誘電体層72~83の各々に形成された複数の導体層および複数のスルーホールについて説明する。
【0105】
図11(a)は、2層目の誘電体層72のパターン形成面を示している。誘電体層72のパターン形成面には、導体層721,722,723が形成されている。また、
図11(a)に示したスルーホール72T5と、誘電体層51(
図3(a)参照)に形成されたスルーホール51T5は、導体層721に接続されている。
【0106】
図11(b)は、3層目の誘電体層73のパターン形成面を示している。誘電体層73のパターン形成面には、導体層731,732,733,734,735が形成されている。また、
図11(b)に示したスルーホール73T1a,73T2aは、それぞれ、導体層731,732に接続されている。スルーホール73T5は、誘電体層72に形成されたスルーホール72T5に接続されている。
【0107】
図11(c)は、4層目の誘電体層74のパターン形成面を示している。誘電体層74のパターン形成面には、導体層741,742,743,744が形成されている。また、
図11(c)に示したスルーホール74T1a,74T2a,74T5は、それぞれ、誘電体層73に形成されたスルーホール73T1a,73T2a,73T5に接続されている。スルーホール74T3,74T4は、それぞれ、導体層743,744に接続されている。
【0108】
図12(a)は、5層目の誘電体層75のパターン形成面を示している。誘電体層75のパターン形成面には、導体層751,752,753が形成されている。また、
図12(a)に示したスルーホール75T1a,75T2a,75T3,75T4,75T5は、それぞれ、誘電体層54に形成されたスルーホール74T1a,74T2a,74T3,74T4,74T5に接続されている。スルーホール75T1g,75T2gは、それぞれ、導体層751,752に接続されている。
【0109】
図12(b)は、6層目の誘電体層76のパターン形成面を示している。誘電体層76のパターン形成面には、共振器用の導体層761a,761b,761c,762a,762b,762cと、導体層763が形成されている。導体層761a~761c,762a~762cの各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。
【0110】
また、
図12(b)に示したスルーホール76T1a,76T2a,76T3,76T4は、それぞれ、誘電体層75に形成されたスルーホール75T1a,75T2a,75T3,75T4に接続されている。
【0111】
スルーホール76T1bは、導体層761aの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール76T1cは、導体層761aの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール76T1dは、導体層761bの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール76T1eは、導体層761bの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール76T1fは、導体層761cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層75に形成されたスルーホール75T1gは、導体層761cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0112】
スルーホール76T2bは、導体層762aの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール76T2cは、導体層762aの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール76T2dは、導体層762bの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール76T2eは、導体層762bの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール76T2fは、導体層762cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層75に形成されたスルーホール75T2gは、導体層762cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0113】
スルーホール76T5,76T6と、誘電体層75に形成されたスルーホール75T5は、導体層763に接続されている。
【0114】
図12(c)は、7層目ないし10層目の誘電体層77~80の各々のパターン形成面を示している。誘電体層77~80の各々には、スルーホール77T1a,77T1b,77T1c,77T1d,77T1e,77T1f,77T2a,77T2b,77T2c,77T2d,77T2e,77T2f,77T3,77T4,77T5,77T6が形成されている。誘電体層77に形成されたスルーホール77T1a~77T1f,77T2a~77T2f,77T3~77T6は、それぞれ、誘電体層76に形成されたスルーホール76T1a~76T1f,76T2a~76T2f,76T3~76T6に接続されている。また、誘電体層77~80では、上下に隣接する同じ符号のスルーホール同士が互いに接続されている。
【0115】
図13(a)は、11層目の誘電体層81のパターン形成面を示している。誘電体層81のパターン形成面には、共振器用の導体層811a,811b,811c,812a,812b,812cが形成されている。導体層811a~811c,812a~812cの各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。
【0116】
誘電体層80に形成されたスルーホール77T1aは、導体層811aの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T1bは、導体層811aの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T1cは、導体層811bの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T1dは、導体層811bの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T1eは、導体層811cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T1fは、導体層811cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0117】
誘電体層80に形成されたスルーホール77T2aは、導体層812aの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T2bは、導体層812aの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T2cは、導体層812bの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T2dは、導体層812bの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T2eは、導体層812cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層80に形成されたスルーホール77T2fは、導体層812cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0118】
また、
図13(a)に示したスルーホール81T3~81T6は、それぞれ、誘電体層80に形成されたスルーホール77T3~77T6に接続されている。
【0119】
図13(b)は、12層目の誘電体層82のパターン形成面を示している。
図13(b)に示したスルーホール82T3~82T6は、それぞれ、誘電体層81に形成されたスルーホール81T3~81T6に接続されている。
【0120】
図13(c)は、13層目の誘電体層83のパターン形成面を示している。誘電体層83のパターン形成面には、共振器用の導体層833,834と、導体層835が形成されている。導体層833,834の各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。導体層833の第2端と導体層834の第2端は、互いに接続されている。導体層835は、導体層833と導体層834との境界の近傍において導体層833,834に接続されている。
図13(c)では、導体層833,834,835の境界を点線で示している。
【0121】
誘電体層82に形成されたスルーホール82T3は、導体層833の第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層82に形成されたスルーホール82T4は、導体層834の第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層82に形成されたスルーホール82T5,82T6は、導体層835に接続されている。
【0122】
図14は、1層目の誘電体層51(
図3(a)参照)、2層目ないし13層目の誘電体層72~73および14層目の誘電体層64(
図6参照)が積層されて構成された積層体50の内部を示している。
図14に示したように、積層体50の内部では、
図3(a)、
図11(a)ないし
図13(c)に示した複数の導体層と複数のスルーホールが積層されている。なお、
図14では、マーク641(
図6参照)を省略している。
【0123】
以下、第1の実施の形態における
図1に示したフィルタ装置1の回路の構成要素と、
図11(a)ないし
図13(c)に示した積層体50の内部の構成要素との対応関係について説明する。第1の並列型共振器11は、導体層761a~761c,811a~811cと、スルーホール73T1a,74T1a,75T1a,76T1a~76T1f,77T1a~77T1fとによって構成されている。
【0124】
第2の並列型共振器12は、導体層762a~762c,812a~812cと、スルーホール73T2a,74T2a,75T2a,76T2a~76T2f,77T2a~77T2fとによって構成されている。
【0125】
第1の直列型共振器13は、導体層833によって構成されている。第2の直列型共振器14は、導体層834によって構成されている。
【0126】
キャパシタC1は、導体層731,733によって構成されている。キャパシタC2は、導体層732,734によって構成されている。キャパシタC3は、導体層733,743と、これらの導体層の間の誘電体層73とによって構成されている。キャパシタC4は、導体層734,744と、これらの導体層の間の誘電体層73とによって構成されている。
【0127】
キャパシタC5は、導体層761b,762bの組と、スルーホール77T1d,77T2dの組と、導体層811b,812bの組とによって構成されている。キャパシタC6は、導体層743,751と、これらの導体層の間の誘電体層74とによって構成されている。キャパシタC7は、導体層744,752と、これらの導体層の間の誘電体層74とによって構成されている。キャパシタC8は、導体層735,743,744,753と、これらの導体層の間の誘電体層73,74とによって構成されている。
【0128】
キャパシタC11は、導体層541,551と、これらの導体層の間の誘電体層54とによって構成されている。キャパシタC12は、導体層542,552と、これらの導体層の間の誘電体層54とによって構成されている。
【0129】
次に、
図2、
図11(a)ないし
図15を参照して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。
図15は、
図14に示した積層体50の内部の一部を示す平面図である。
【0130】
始めに、第1の並列型共振器11の特徴について説明する。本実施の形態では、第1の並列型共振器11の導体構造体110を構成する複数の導体層および複数のスルーホールが、第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態では、導体構造体110は、スルーホール列T11a,T11b,T11c,T11d,T11e,T11fと、導体層761a~761c,811a~811cとを含んでいる。
【0131】
スルーホール列T11aは、スルーホール73T1a,74T1a,75T1a,76T1a,77T1aが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11bは、スルーホール76T1b,77T1bが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11cは、スルーホール76T1c,77T1cが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11dは、スルーホール76T1d,77T1dが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11eは、スルーホール76T1e,77T1eが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11fは、スルーホール76T1f,77T1f,62T1fが直列に接続されることによって構成されている。
【0132】
導体層761cは、長手方向の両端に位置する第1端および第2端を有している。また、導体層761cは、第1端と第2端よりも側面50Eに近い部分を含んでいる。
【0133】
導体層761aは、スルーホール列T11b,T11cの各々の一端に電気的に接続されている。導体層761bは、スルーホール列T11d,T11eの各々の一端に電気的に接続されている。導体層761cは、スルーホール列T11fの一端に電気的に接続されている。また、導体層761cは、スルーホール75T1gを介して導体層751に電気的に接続されている。
【0134】
導体層811a,811bの各々は、導体層811a,811bの各々の長手方向の両端に位置する第1端および第2端を有している。また、導体層811a,811bの各々は、導体層811a,811bの各々の第1端と第2端よりも側面50Fに近い部分を含んでいる。導体層811cの各々の大部分は、X方向に平行な方向に延在している。
【0135】
導体層811aは、スルーホール列T11aの一端とスルーホール列T11bの他端に電気的に接続されている。導体層811bは、スルーホール列T11c,T11dの各々の他端に電気的に接続されている。導体層811cは、スルーホール列T11e,T11fの他端に電気的に接続されている。
【0136】
スルーホール列T11a~T11fと、導体層761a~761c,811a~811cは、Y方向に平行な軸の周りを周回するように、スルーホール列T11a、導体層811a、スルーホール列T11b、導体層761a、スルーホール列T11c、導体層811b、スルーホール列T11d、導体層761b、スルーホール列T11e、導体層811c、スルーホール列T11fおよび導体層761cの順に接続されている。
【0137】
次に、第2の並列型共振器12の特徴について説明する。本実施の形態では、第2の並列型共振器12の導体構造体120を構成する複数の導体層および複数のスルーホールが、第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態では、導体構造体120は、スルーホール列T12a,T12b,T12c,T12d,T12e,T12fと、導体層762a~762c,812a~812cとを含んでいる。
【0138】
本実施の形態における導体構造体110の構造の説明中の、スルーホール列T11a~T11f、スルーホール73T1a,74T1a,75T1a,75T1g,76T1a~76T1f,77T1a~77T1fおよび導体層751,761a~761c,811a~811cを、それぞれスルーホール列T12a~T12f、スルーホール73T2a,74T2a,75T2a,76T2a~76T2f,77T2a~77T2fおよび導体層752,762a~762c,812a~812cに置き換えれば、本実施の形態における導体構造体120の構造の説明になる。
【0139】
なお、本実施の形態における第1の並列型共振器11と第2の並列型共振器12との位置関係、ならびに第1および第2の並列型共振器11,12の各々の姿勢は、第1の実施の形態と同様である。
【0140】
次に、本実施の形態における第1および第2の直列型共振器13,14の特徴について説明する。第1の直列型共振器13を構成する導体層833の形状は、第1の実施の形態における導体層633の形状と同様である。第2の直列型共振器14を構成する導体層834の形状は、第1の実施の形態における導体層634の形状と同様である。また、第1の直列型共振器13と第2の直列型共振器14との位置関係、ならび第1および第2の直列型共振器13,14の各々の姿勢も、第1の実施の形態と同様である。
【0141】
導体層833は、スルーホール列T13を介して導体層743に電気的に接続されている。スルーホール列T13は、スルーホール74T3,75T3,76T3,77T3が直列に接続されることによって構成されている。
【0142】
導体層834は、スルーホール列T14を介して導体層744に電気的に接続されている。スルーホール列T14は、スルーホール74T4,75T4,76T4,77T4が直列に接続されることによって構成されている。
【0143】
導体層833,834の各々は、導体層835を介してスルーホール列T15,T16に電気的に接続されている。スルーホール列T15は、スルーホール76T5,77T5,81T5,82T5が直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T16は、スルーホール76T6,77T6,81T6,82T6が直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T15,T16は、スルーホール51T5(
図3(a)参照)、導体層721、スルーホール72T5,73T5,74T5,75T5および導体層763を介して電極115(
図2および
図3(a)参照)に電気的に接続されている。
【0144】
次に、第1の並列型共振器11と第1の直列型共振器13に注目して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。本実施の形態では、第1の直列型共振器13の導体層833は、積層方向Tから見たときに、側面50C,50E,50Fと導体構造体110の少なくとも一部との間に位置する3つの部分833a,833b,833cを含んでいる。本実施の形態では特に、部分833aは、積層方向Tから見たときに、側面50Cと導体層811a~811cの各々の一部との間に配置されている。部分833bは、積層方向Tから見たときに、側面50Eと導体層811aの一部および導体層811b,811cとの間に配置されている。部分833cは、積層方向Tから見たときに、側面50Fと導体層811a,811bおよび導体層811cの一部との間に配置されている。
【0145】
また、導体層833は、積層方向Tから見たときに、導体構造体110と重なっている。本実施の形態では特に、導体層833は、導体層761a~761c,811a~811cの各々の一部と、スルーホール列T11a,T11c,T11eと重なっている。また、導体層833と、導体層811a~811cは、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。
【0146】
次に、本実施の形態における第2の並列型共振器12と第2の直列型共振器14に注目して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。本実施の形態では、第2の直列型共振器14の導体層834は、積層方向Tから見たときに、側面50D,50E,50Fと導体構造体120の少なくとも一部との間に位置する3つの部分834a,834b,834cを含んでいる。本実施の形態では特に、部分834aは、側面50Dと導体層812a~812cの各々の一部との間に配置されている。部分834bは、積層方向Tから見たときに、側面50Eと導体層812aの一部および導体層812b,812cとの間に配置されている。部分834cは、積層方向Tから見たときに、側面50Fと導体層812a,812bおよび導体層812cの一部との間に配置されている。
【0147】
また、導体層834は、積層方向Tから見たときに、導体構造体120と重なっている。本実施の形態では特に、導体層834は、導体構造体120を構成する導体層762a~762c,812a~812cの各々の一部と、スルーホール列T12a,T12c,T12eと重なっている。また、導体層834と、導体層812a~812cは、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。
【0148】
次に、本実施の形態に係るフィルタ装置1の特性の一例を示す。
図16は、フィルタ装置1の通過減衰特性および反射減衰特性の一例を示している。
図16において、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示している。また、
図16において、符号103を付した曲線は、フィルタ装置1の通過減衰特性を示している。また、符号104を付した曲線は、第1の端子2における反射減衰特性を示している。
【0149】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0150】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。始めに、
図17を参照して、本実施の形態に係るフィルタ装置1が第1の実施の形態と異なる点について説明する。
図17は、
図17は、本実施の形態に係るフィルタ装置1の外観を示す斜視図である。
【0151】
本実施の形態に係るフィルタ装置1は、第1の実施の形態における積層体50の代わりに、積層体150を備えている。積層体150は、積層された複数の誘電体層と複数の導体とを含んでいる。第1の実施の形態における
図1に示した第1の端子2、第2の端子3、複数の共振器およびキャパシタC1~C7,C11,C12は、積層体150に一体化されている。
【0152】
積層体150は、複数の誘電体層の積層方向Tの両端に位置する第1の面150Aおよび第2の面150Bと、第1の面150Aと第2の面150Bを接続する4つの側面150C~150Fとを有している。側面150C,150Dは互いに反対側を向き、側面150E,150Fも互いに反対側を向いている。側面150C~50Fは、第1の面150Aおよび第2の面150Bに対して垂直になっている。
【0153】
図17に示したように、第1の面150Aは、積層体150における-Z方向の端に位置する。第1の面150Aは、積層体150の底面でもある。第2の面150Bは、積層体150におけるZ方向の端に位置する。第2の面150Bは、積層体150の上面でもある。第1の面150Aおよび第2の面150Bの各々の形状は、X方向に長い矩形形状である。側面150Cは、積層体150における-X方向の端に位置する。側面150Dは、積層体150におけるX方向の端に位置する。側面150Eは、積層体150における-Y方向の端に位置する。側面150Fは、積層体150におけるY方向の端に位置する。
【0154】
フィルタ装置1は、第1の実施の形態における電極111~116の代わりに、積層体150の第1の面150Aに配置された電極121,122,123を備えている。電極121,122,123は、X方向にこの順に並んでいる。電極121は、第1の端子2に対応する。電極123は、第2の端子3に対応する。電極122は、グランドに接続される。
【0155】
次に、
図18(a)ないし
図21(b)を参照して、積層体150を構成する複数の誘電体層、複数の導体層および複数のスルーホールの一例について説明する。この例では、積層体150は、積層された12層の誘電体層を有している。以下、この12層の誘電体層を、下から順に1層目ないし12層目の誘電体層と呼ぶ。また、1層目ないし12層目の誘電体層を符号151~162で表す。
【0156】
図18(a)ないし
図20(c)において、複数の円は複数のスルーホールを表している。誘電体層151~160の各々には、複数のスルーホールが形成されている。また、
図18(a)ないし
図20(c)では、複数のスルーホールのうちの複数の特定のスルーホールに、符号を付している。複数の特定のスルーホールの各々と、電極、導体層または他のスルーホールとの接続関係については、1層目ないし12層目の誘電体層151~162が積層された状態における接続関係について説明している。
【0157】
図18(a)は、1層目の誘電体層151のパターン形成面を示している。誘電体層151のパターン形成面には、電極121~123が形成されている。
【0158】
図18(b)は、2層目の誘電体層152のパターン形成面を示している。誘電体層152のパターン形成面には、導体層1521,1522,1523,1524,1525,1526が形成されている。導体層1526は、導体層1525に接続されている。
図18(b)では、導体層1525と導体層1526との境界を点線で示している。
【0159】
また、
図18(b)に示したスルーホール152T5,152T6は、それぞれ、導体層1525,1526に接続されている。
【0160】
図18(c)は、3層目の誘電体層153のパターン形成面を示している。誘電体層153のパターン形成面には、導体層1531,1532,1533,1534が形成されている。また、
図18(c)に示したスルーホール153T1a,153T2a,153T3,153T4は、それぞれ、導体層1531,1532,1533,1534に接続されている。スルーホール153T5,153T6は、それぞれ、誘電体層152に形成されたスルーホール152T5,152T6に接続されている。
【0161】
図19(a)は、4層目の誘電体層154のパターン形成面を示している。誘電体層154のパターン形成面には、導体層1541が形成されている。また、
図19(a)に示したスルーホール154T1a,154T2a,154T3,154T4,154T5,154T6は、それぞれ、誘電体層153に形成されたスルーホール153T1a,153T2a,153T3,153T4,153T5,153T6に接続されている。
【0162】
図19(b)は、5層目の誘電体層155のパターン形成面を示している。誘電体層155のパターン形成面には、導体層1551,1552が形成されている。また、
図19(b)に示したスルーホール155T1a,155T2a,155T3,155T4,155T5,155T6は、それぞれ、誘電体層154に形成されたスルーホール154T1a,154T2a,154T3,154T4,154T5,154T6に接続されている。スルーホール155T1f,155T2fは、それぞれ、導体層1551,1552に接続されている。
【0163】
図19(c)は、6層目の誘電体層156のパターン形成面を示している。誘電体層156のパターン形成面には、共振器用の導体層1561a,1561b,1562a,1562bが形成されている。導体層1561a,1561b,1562a,1562bの各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。
【0164】
また、
図19(c)に示したスルーホール156T1a,156T1f,156T2a,156T2f,156T3,156T4,156T5,156T6は、それぞれ、誘電体層155に形成されたスルーホール155T1a,155T1f,155T2a,155T2f,155T3,155T4,155T5,155T6に接続されている。
【0165】
スルーホール156T1bは、導体層1561aの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール156T1cは、導体層1561aの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール156T1dは、導体層1561bの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール156T1eは、導体層1561bの第2端の近傍部分に接続されている。
【0166】
スルーホール156T2bは、導体層1562aの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール156T2cは、導体層1562aの第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール156T2dは、導体層1562bの第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール156T2eは、導体層1562bの第2端の近傍部分に接続されている。
【0167】
図20(a)は、7層目および8層目の誘電体層157,158の各々のパターン形成面を示している。誘電体層157,158の各々には、スルーホール157T1a,157T1b,157T1c,157T1d,157T1e,157T1f,157T2a,157T2b,157T2c,157T2d,157T2e,157T2f,157T3,157T4,157T5,157T6が形成されている。誘電体層157に形成されたスルーホール157T1a~157T1f,157T2a~157T2f,157T3~157T6は、それぞれ、誘電体層156に形成されたスルーホール156T1a~156T1f,156T2a~156T2f,156T3~156T6に接続されている。また、誘電体層157,158では、上下に隣接する同じ符号のスルーホール同士が互いに接続されている。
【0168】
図20(b)は、9層目の誘電体層159のパターン形成面を示している。誘電体層159のパターン形成面には、共振器用の導体層1591a,1591b,1591c,1592a,1592b,1592cが形成されている。導体層1591a~1591c,1592a~1592cの各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。
【0169】
誘電体層158に形成されたスルーホール157T1aは、導体層1591aの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1bは、導体層1591aの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1cは、導体層1591bの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1dは、導体層1591bの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1dは、導体層1591cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1eは、導体層1591cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0170】
誘電体層158に形成されたスルーホール157T2aは、導体層1592aの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2bは、導体層1592aの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2cは、導体層1592bの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2dは、導体層1592bの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2dは、導体層1592cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2eは、導体層1592cの第2端の近傍部分に接続されている。
【0171】
スルーホール159T3~159T6は、それぞれ、誘電体層158に形成されたスルーホール157T3~157T6に接続されている。
【0172】
図20(c)は、10層目の誘電体層160のパターン形成面を示している。誘電体層160のパターン形成面には、共振器用の導体層1601,1602が形成されている。導体層1601,1602の各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。
【0173】
また、
図20(c)に示したスルーホール160T3と、誘電体層159に形成されたスルーホール159T3は、導体層1601の第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール160T4と、誘電体層159に形成されたスルーホール159T4は、導体層1602の第1端の近傍部分に接続されている。スルーホール160T5と、誘電体層159に形成されたスルーホール159T5は、導体層1601の第2端の近傍部分に接続されている。スルーホール160T6と、誘電体層159に形成されたスルーホール159T6は、導体層1602の第2端の近傍部分に接続されている。
【0174】
図21(a)は、11層目の誘電体層161のパターン形成面を示している。誘電体層161のパターン形成面には、共振器用の導体層1611,1612が形成されている。導体層1611,1612の各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。
【0175】
誘電体層160に形成されたスルーホール160T3は、導体層1611の第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層160に形成されたスルーホール160T4は、導体層1612の第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層160に形成されたスルーホール160T5は、導体層1611の第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層160に形成されたスルーホール160T6は、導体層1612の第2端の近傍部分に接続されている。
【0176】
図21(b)は、12層目の誘電体層162のパターン形成面を示している。誘電体層162のパターン形成面には、マーク1621が形成されている。
【0177】
図17に示した積層体150は、1層目の誘電体層151のパターン形成面が積層体150の第1の面150Aになり、12層目の誘電体層162のパターン形成面とは反対側の面が積層体150の第2の面150Bになるように、1層目ないし12層目の誘電体層151~162が積層されて構成される。
【0178】
図22は、1層目ないし12層目の誘電体層151~162が積層されて構成された積層体150の内部を示している。
図22に示したように、積層体150の内部では、
図18(a)ないし
図21(a)に示した複数の導体層と複数のスルーホールが積層されている。なお、
図22では、マーク1621を省略している。
【0179】
以下、第1の実施の形態における
図1に示したフィルタ装置1の回路の構成要素と、
図18(a)ないし
図21(a)に示した積層体150の内部の構成要素との対応関係について説明する。第1の並列型共振器11は、導体層1561a,1561b,1591a~1591cと、スルーホール153T1a,154T1a,155T1a,155T1f,156T1a~156T1f,157T1a~157T1fとによって構成されている。
【0180】
第2の並列型共振器12は、導体層1562a,1562b,1592a~1592cと、スルーホール153T2a,154T2a,155T2a,155T2f,156T2a~156T2f,157T2a~157T2fとによって構成されている。
【0181】
第1の直列型共振器13は、導体層1601,1611と、スルーホール160T3,160T5とによって構成されている。第2の直列型共振器14は、導体層1602,1612と、スルーホール160T4,160T6とによって構成されている。
【0182】
キャパシタC1は、導体層1523,1525によって構成されている。キャパシタC2は、導体層1524,1526によって構成されている。キャパシタC3は、導体層1525,1533と、これらの導体層の間の誘電体層152とによって構成されている。キャパシタC4は、導体層1526,1534と、これらの導体層の間の誘電体層152とによって構成されている。
【0183】
キャパシタC5は、導体層1541,1551,1552と、これらの導体層の間の誘電体層154とによって構成されている。キャパシタC6は、導体層1525,1533と、これらの導体層の間の誘電体層74とによって構成されている。キャパシタC7は、導体層1524,1534と、これらの導体層の間の誘電体層152とによって構成されている。キャパシタC8は、導体層1533,1534,1541と、これらの導体層の間の誘電体層153とによって構成されている。
【0184】
キャパシタC11は、導体層1531,1551と、これらの導体層の間の誘電体層153,154とによって構成されている。キャパシタC12は、導体層1532,1552と、これらの導体層の間の誘電体層153,154とによって構成されている。
【0185】
次に、
図17ないし
図23を参照して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。
図23は、
図22に示した積層体150の内部の一部を示す平面図である。
【0186】
始めに、第1の並列型共振器11の特徴について説明する。第1の並列型共振器11は、第1の実施の形態における導体構造体110の代わりに、導体構造体1110を含んでいる。導体構造体1110は、積層方向Tに直交する方向に延びる軸を中心に巻回されている。本実施の形態では特に、導体構造体1110は、Y方向に平行な方向に延在する軸を中心に11/4回巻回されている。
【0187】
導体構造体1110は、スルーホール列T21a,T21b,T21c,T21d,T21e,T21fと、導体層1561a,1561b,1591a,1591b,1591cとを含んでいる。
【0188】
スルーホール列T21aは、スルーホール153T1a,154T1a,155T1a,156T1a,157T1aが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T21bは、スルーホール156T1b,157T1bが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T21cは、スルーホール156T1c,157T1cが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T21dは、スルーホール156T1d,157T1dが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T21eは、スルーホール156T1e,157T1eが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T21fは、スルーホール155T1f,156T1f,157T1fが直列に接続されることによって構成されている。
【0189】
導体層1561aは、スルーホール列T21b,T21cの各々の一端に電気的に接続されている。導体層1561bは、スルーホール列T21d,T21eの各々の一端に電気的に接続されている。
【0190】
導体層1591a~1591cの各々の大部分は、X方向に平行な方向に延在している。導体層1591aは、スルーホール列T21aの一端とスルーホール列T21bの他端に電気的に接続されている。導体層1591bは、スルーホール列T21c,T21dの各々の他端に電気的に接続されている。導体層1591cは、スルーホール列T21eの他端とスルーホール列T21fの一端に電気的に接続されている。
【0191】
スルーホール列T21a~T21fと、導体層1561a,1561b,1591a~1591cは、Y方向に平行な軸の周りを周回するように、スルーホール列T21a、導体層1591a、スルーホール列T21b、導体層1561a、スルーホール列T21c、導体層1591b、スルーホール列T21d、導体層1561b、スルーホール列T21e、導体層1591cおよびスルーホール列T21fの順に接続されている。
【0192】
次に、第2の並列型共振器12の特徴について説明する。第2の並列型共振器12は、第1の実施の形態における導体構造体120の代わりに、導体構造体1120を含んでいる。導体構造体1120は、積層方向Tに直交する方向に延びる軸を中心に巻回されている。本実施の形態では特に、導体構造体1120は、Y方向に平行な方向に延在する軸を中心に11/4回巻回されている
【0193】
導体構造体1120は、スルーホール列T22a,T22b,T22c,T22d,T22e,T22fと、導体層1562a,1562b,1592a,1592b,1592cとを含んでいる。
【0194】
導体構造体1110の構造の説明中の、スルーホール列T21a~T21f、スルーホール153T1a,154T1a,155T1a,155T1f,156T1a~156T1f,157T1a~157T1fおよび導体層1561a,1561b,1591a~1591cを、それぞれスルーホール列T22a~T22f、スルーホール153T2a,154T2a,155T2a,155T2f,156T2a~156T2f,157T2a~157T2fおよび導体層1562a,1562b,1592a~1592cに置き換えれば、導体構造体1120の構造の説明になる。
【0195】
なお、本実施の形態における第1の並列型共振器11と第2の並列型共振器12との位置関係、ならびに第1および第2の並列型共振器11,12の各々の姿勢は、第1の実施の形態と同様である。
【0196】
次に、本実施の形態における第1および第2の直列型共振器13,14の特徴について説明する。第1の直列型共振器13を構成する導体層1601,1611の各々は、積層方向Tに平行な方向に延びる軸を中心に巻回されている。本実施の形態では特に、導体層1601,1611の各々は、Z方向に平行な方向に延在する軸を中心に1回巻回されている。
【0197】
導体層1601,1611は、スルーホール160T3,160T5を介して互いに接続されている。導体層1601は、スルーホール列T23を介して導体層1533に電気的に接続されると共に、スルーホール列T25を介して導体層1525に電気的に接続されている。導体層1525は、2つのスルーホールを介して電極122に電気的に接続されている(
図18(a)および
図18(b)参照)。スルーホール列T23は、スルーホール153T3,154T3,155T3,156T3,157T3が直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T25は、スルーホール152T5,153T5,154T5,155T5,156T5,157T5が直列に接続されることによって構成されている。
【0198】
第2の直列型共振器14を構成する導体層1602,1612の各々は、積層方向Tに平行な方向に延びる軸を中心に巻回されている。本実施の形態では特に、導体層1602,1612の各々は、Z方向に平行な方向に延在する軸を中心に1回巻回されている。
【0199】
導体層1602,1612は、スルーホール160T4,160T6を介して互いに接続されている。導体層1602は、スルーホール列T24を介して導体層1534に電気的に接続されると共に、スルーホール列T26を介して導体層1526に電気的に接続されている。導体層1526は、2つのスルーホールを介して電極122に電気的に接続されている(
図18(a)および
図18(b)参照)。スルーホール列T24は、スルーホール153T4,154T4,155T4,156T4,157T4が直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T26は、スルーホール152T6,153T6,154T6,155T6,156T6,157T6が直列に接続されることによって構成されている。
【0200】
次に、第1の並列型共振器11と第1の直列型共振器13に注目して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。本実施の形態では、第1の直列型共振器13の導体層1601,1611の各々は、積層方向Tから見たときに、側面150C,150E,150Fと導体構造体1110の少なくとも一部との間に位置する3つの部分を含んでいる。
図23では、導体層1611の3つの部分をそれぞれ符号1611a,1611b,1611cで示している。本実施の形態は特に、部分1611aは、積層方向Tから見たときに、側面150Cと導体層1591a~1591cの各々の一部との間に配置されている。部分1611bは、積層方向Tから見たときに、側面150Eと導体層1591aの一部および導体層1591b,1591cとの間に配置されている。部分1611cは、積層方向Tから見たときに、側面150Fと導体層1591a,1591bおよび導体層1591cの一部との間に配置されている。
【0201】
また、導体層1601,1611の各々は、積層方向Tから見たときに、導体構造体1110と重なっている。また、導体層1601,1611と、導体層1591a~1591cは、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。
【0202】
次に、第2の並列型共振器12と第2の直列型共振器14に注目して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。本実施の形態では、第2の直列型共振器14の導体層1602,1612の各々は、積層方向Tから見たときに、側面150D,150E,150Fと導体構造体1120の少なくとも一部との間に位置する3つの部分を含んでいる。
図23では、導体層1612の3つの部分をそれぞれ符号1612a,1612b,1612cで示している。本実施の形態では特に、部分1612aは、積層方向Tから見たときに、側面150Dと導体層1592a~1592cの各々の一部との間に配置されている。部分1612bは、積層方向Tから見たときに、側面150Eと導体層1592aの一部および導体層1592b,1592cとの間に配置されている。部分1612cは、積層方向Tから見たときに、側面150Fと導体層1592a,1592bおよび導体層1592cの一部との間に配置されている。
【0203】
また、導体層1602,1612の各々は、積層方向Tから見たときに、導体構造体1120と重なっている。また、導体層1602,1612と、導体層1592a~1592cは、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。
【0204】
次に、第1の直列型共振器13と第2の直列型共振器14に注目して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。第1の直列型共振器13の導体層1601,1611と、第2の直列型共振器14の導体層1602,1612は、積層方向Tから見たときの積層体150の平面形状すなわち第1の面150Aまたは第2の面150Bの長手方向(X方向に平行な方向)に並んでいる。
【0205】
また、導体層1601の長手方向の両端すなわち導体層1601の第1端と第2端との間には、第1のギャップが形成されている。導体層1602の長手方向の両端すなわち導体層1602の第1端と第2端との間には、第2のギャップが形成されている。第1のギャップと第2のギャップは、積層方向Tに直交する方向すなわちX方向に平行な方向において隣接している。
【0206】
また、導体層1611の長手方向の両端すなわち導体層1611の第1端と第2端との間には、第3のギャップが形成されている。導体層1612の長手方向の両端すなわち導体層1612の第1端と第2端との間には、第4のギャップが形成されている。第3のギャップと第4のギャップは、積層方向Tに直交する方向すなわちX方向に平行な方向において隣接している。また、第1のギャップと第3のギャップは、積層方向Tにおいて隣接している。第2のギャップと第4のギャップは、積層方向Tにおいて隣接している。
【0207】
次に、積層体150に含まれる複数の導体の特徴について説明する。ここで、積層方向Tに平行な仮想の平面P2を定義する。
図24は、仮想の平面P2を説明するための説明図である。本実施の形態では特に、仮想の平面P2は、第1の面150Aまたは第2の面150Bの長手方向の中央と交差するYZ平面である。なお、
図24では、便宜上、仮想の平面P2にハッチングを付している。積層体150のうち、仮想の平面P2よりも側面150C側の部分を第1の部分1501と言う。また、積層体150のうち、仮想の平面P2よりも側面150D側の部分を第2の部分1502と言う。
【0208】
また、積層体150において第1の端子2、第1の並列型共振器11および第1の直列型共振器13を含む部分を構成する複数の導体(電極、複数の導体層および複数のスルーホール)を、第1の導体群と言う。第1の導体群は、第1の部分1501に配置されている。
【0209】
また、積層体150において第2の端子3、第2の並列型共振器12および第2の直列型共振器14を含む部分を構成する複数の導体(電極、複数の導体層および複数のスルーホール)を、第2の導体群と言う。第2の導体群は、第2の部分1502に配置されている。
【0210】
第1の導体群は、仮想の平面P2を中心として、第2の導体群と対称になるように形成されている。すなわち、第1の導体群に含まれる複数の導体の各々は、仮想の平面P2を中心として、第2の導体群に含まれる複数の導体のうちの対応する導体と対称になるように形成されている。
【0211】
第1の導体群は、更に、キャパシタC1,C3,C6,C11を構成する複数の導体層のうちの少なくとも一部を含み、第2の導体群は、更に、キャパシタC2,C4,C7,C12を構成する複数の導体層のうちの少なくとも一部を含んでいてもよい。
【0212】
次に、本実施の形態に係るフィルタ装置1の特性の一例を示す。
図25は、フィルタ装置1の通過減衰特性および反射減衰特性の一例を示している。
図25において、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示している。また、
図25において、符号105を付した曲線は、フィルタ装置1の通過減衰特性を示している。また、符号106を付した曲線は、第1の端子2における反射減衰特性を示している。
【0213】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0214】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、並列型共振器の数および直列型共振器の数や、並列型共振器(導体構造体)の巻回数および直列型共振器(導体層)の巻回数は、各実施の形態に示した例に限られず、任意である。なお、それぞれ互いに異なる誘電体層のパターン形成面に形成された複数の導体層を用いて直列型共振器を構成することにより、直列型共振器の巻回数を1回よりも大きくすることができる。
【0215】
以上説明したように、本発明の積層型フィルタ装置は、第1の端子と、第2の端子と、回路構成上、第1の端子と第2の端子との間に配置された複数の共振器と、第1の端子、第2の端子および複数の共振器を一体化するための積層体であって、積層された複数の誘電体層を含む積層体とを備えている。複数の共振器は、第1の端子と第2の端子とを接続する経路に両端が接続された少なくとも1つの並列型共振器と、経路に一端のみが接続された少なくとも1つの直列型共振器とを含んでいる。少なくとも1つの並列型共振器は、複数の誘電体層の積層方向に直交する方向に延びる軸を中心に巻回された導体構造体を含んでいる。少なくとも1つの直列型共振器は、積層方向に平行な方向に延びる軸を中心に巻回された第1の導体層を含んでいる。積層体は、積層方向の両端に位置する第1の面および第2の面と、第1の面と第2の面を接続する4つの側面とを有している。第1の導体層は、積層方向から見たときに、それぞれ4つの側面のうちの3つの側面と導体構造体の少なくとも一部との間に位置する3つの部分を含んでいる。
【0216】
本発明の積層型フィルタ装置において、導体構造体の巻回数は、3/4回以上であってもよい。また、本発明の積層型フィルタ装置において、第1の導体層の巻回数は、3/4回以上であってもよい。
【0217】
また、本発明の積層型フィルタ装置において、少なくとも1つの並列型共振器は、第1の端子または第2の端子に接続されていてもよい。
【0218】
また、本発明の積層型フィルタ装置において、第1の導体層は、積層方向から見たときに、導体構造体と重なっていてもよい。
【0219】
また、本発明の積層型フィルタ装置において、導体構造体は、2つのスルーホール列と、2つのスルーホール列の各々の一端に電気的に接続された第2の導体層とを含んでいてもよい。2つのスルーホール列の各々は、複数のスルーホールが直列に接続されることによって構成されている。第1の導体層と第2の導体層は、積層方向において同じ位置に配置されていてもよい。あるいは、第1の導体層と第2の導体層は、積層方向において互いに異なる位置に配置されていてもよい。
【0220】
導体構造体が2つのスルーホール列と第2の導体層とを含んでいる場合、4つの側面は、積層方向に直交する方向の両端に配置された第1の側面および第2の側面を含んでいてもよい。第2の導体層は、第2の導体層の長手方向の両端に位置する第1端および第2端を有すると共に、第1端および第2端よりも第1の側面に近い部分を含んでいてもよい。また、導体構造体は、更に、積層方向において第2の導体層とは異なる位置において2つのスルーホール列の一方の他端に電気的に接続された第3の導体層を含んでいてもよい。第3の導体層は、第3の導体層の長手方向の両端に位置する第1端および第2端を有すると共に、第1端および第2端よりも第1の側面に近い部分を含んでいてもよい。
【0221】
また、本発明の積層型フィルタ装置において、少なくとも1つの並列型共振器は、第1の並列型共振器と、第2の並列型共振器とを含んでいてもよい。少なくとも1つの直列型共振器は、第1の直列型共振器と、第2の直列型共振器とを含んでいてもよい。第1の並列型共振器は、回路構成上、第1の端子と第1の直列型共振器との間に配置されていてもよい。第2の並列型共振器は、回路構成上、第2の端子と第2の直列型共振器との間に配置されていてもよい。この場合、本発明の積層型フィルタ装置は、更に、第1の直列型共振器の第1の導体層と第2の直列型共振器の第1の導体層に電気的に接続されたスルーホールを備えていてもよい。
【0222】
第1の直列型共振器の第1の導体層の長手方向の両端の間には、第1のギャップが形成されていてもよい。第2の直列型共振器の第1の導体層の長手方向の両端の間には、第2のギャップが形成されていてもよい。第1のギャップと第2のギャップは、積層方向に直交する方向において隣接していてもよい。
【0223】
第1の並列型共振器の導体構造体は、導体構造体によって囲まれた第1の開口部が形成されるように巻回されていてもよい。第2の並列型共振器の導体構造体は、導体構造体によって囲まれた第2の開口部が形成されるように巻回されていてもよい。第1の並列型共振器の導体構造体と第2の並列型共振器の導体構造体は、第1の開口部と第2の開口部が互いに対向しないように、積層方向から見たときの積層体の平面形状の長手方向に並んでいてもよい。
【0224】
回路構成上第1の端子、第1の並列型共振器および第1の直列型共振器を含む部分と、回路構成上第2の端子、第2の並列型共振器および第2の直列型共振器を含む部分は、互いに対称になる回路構成を有していてもよい。積層体において第1の端子、第1の並列型共振器および第1の直列型共振器を含む部分を構成する複数の導体は、積層方向に平行な仮想の平面を中心として、積層体において第2の端子、第2の並列型共振器および第2の直列型共振器を含む部分を構成する複数の導体と対称なるように形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0225】
1…フィルタ装置、2…入力端子、3…出力端子、4…経路、11…第1の並列型共振器、12…第2の並列型共振器、13…第1の直列型共振器、14…第2の直列型共振器、50…積層体、50A…第1の面、50B…第2の面、50C~50F…側面、110,120…導体構造体、561a~561c,562a~562c,621a~621c,622a~622c,631a~631c,632a~632c,633,634…導体層。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の回路構成を示す回路図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における1層目ないし3層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における4層目ないし6層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における7層目ないし13層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における14層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示した積層体の内部の一部を示す平面図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態における仮想の平面を説明するための説明図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の特性の一例を示す特性図である。
【
図11】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における2層目ないし4層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図12】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における5層目ないし10層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図13】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における11層目ないし13層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図14】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部を示す斜視図である。
【
図15】
図14に示した積層体の内部の一部を示す平面図である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の特性の一例を示す特性図である。
【
図17】本発明の第3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の外観を示す斜視図である。
【
図18】本発明の第
3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における1層目ないし3層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図19】本発明の第
3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における4層目ないし6層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図20】本発明の第
3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における7層目ないし10層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図21】本発明の第
3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における11層目および12層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
【
図22】本発明の第3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部を示す斜視図である。
【
図23】
図22に示した積層体の内部の一部を示す平面図である。
【
図24】本発明の第3の実施の形態における仮想の平面を説明するための説明図である。
【
図25】本発明の第3の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の特性の一例を示す特性図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
以下、
図1を参照して、フィルタ装置1の回路構成の一例について説明する。フィルタ装置1は、更に、キャパシタC1,C2,C3,C4,C5,C6,C7
,C8,C11,C12を備えている。少なくとも1つの並列型共振器は、第1の並列型共振器11と、第2の並列型共振器12とを含んでいる。少なくとも1つの直列型共振器は、第1の直列型共振器13と、第2の直列型共振器14とを含んでいる。経路4は、第1の端子2と第2の端子3を接続する複数の経路のうち、第1および第2の並列型共振器11,12ならびに第1および第2の直列型共振器13,14の全てが接続された経路でもある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
フィルタ装置1は、更に、積層された複数の誘電体層と複数の導体とを含む積層体50を備えている。第1の端子2、第2の端子3、複数の共振器およびキャパシタC1~C8,C11,C12は、積層体50に一体化されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図6は、14層目の誘電体層
64のパターン形成面を示している。誘電体層64のパターン形成面には、マーク641が形成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
導体層631a~631cの各々の大部分は、X方向に平行な方向に延在している。導体層631aは、導体層621aおよびスルーホール62T1aを介してスルーホール列T1aの一端に電気的に接続されていると共に、スルーホール列T1bの他端に電気的に接続されている。導体層631bは、導体層621bおよびスルーホール62T1cを介してスルーホール列T1cの他端に電気的に接続されていると共に、スルーホール列T1dの他端に電気的に接続されている。導体層631cは、導体層621cおよびスルーホール62T1eを介してスルーホール列T1eの他端に電気的に接続されていると共に、スルーホール列T1fの他端に電気的に接続されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
導体構造体110の構造の説明中の、スルーホール列T1a~T1f、スルーホール54T1a,55T1a,55T1g,56T1a~56T1f,57T1a~57T1f,62T1a~62T1fおよび導体層551,561a~561c,621a~621c,631a~631cを、それぞれスルーホール列T2a~T2f、スルーホール54T2a,55T2a,55T2g,56T2a~56T2f,57T2a~57T2f,62T2a~62T2fおよび導体層552,562a~562c,622a~622c,632a~632cに置き換えれば、導体構造体120の構造の説明になる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
次に、本実施の形態に係るフィルタ装置1の作用および効果について説明する。本実施の形態では、第1の直列型共振器13の導体層633は、積層方向Tから見たときに、側面50C,50E,50Fと第1の並列型共振器11の導体構造体110の少なくとも一部との間に位置する3つの部分633a,633b,633cを含んでいる。言い換えると、第1の並列型共振器11と第1の直列型共振器13は、側面50C,50E,50Fと導体構造体110の少なくとも一部との間に3つの部分633a,633b,633cが存在するような位置関係で配置されている。これにより、本実施の形態によれば、積層体50内の空間を効率よく利用して、積層体50すなわちフィルタ装置1を小型化することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
また、本実施の形態では、第1の直列型共振器13の導体層633と、第2の直列型共振器14の導体層634は、積層方向Tに直交する方向、具体的にはX方向に平行な方向に並んでいる。これにより、本実施の形態によれば、導体層633の開口部と導体層634の開口部が対向する場合に比べて、第1の直列型共振器13と第2の直列型共振器14との間の磁界結合を抑制することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、フィルタ装置1の積層体50は、第1の実施の形態における2層目ないし13層目の誘電体層52~63の代わりに、2層目ないし13層目の誘電体層72~83を含んでいる。本実施の形態における積層体50は、1層目の誘電体層51(
図3(a)参照)、2層目ないし13層目の誘電体層72~
83および14層目の誘電体層64(
図6参照)が積層されて構成される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
図14は、1層目の誘電体層51(
図3(a)参照)、2層目ないし13層目の誘電体層72~
83および14層目の誘電体層64(
図6参照)が積層されて構成された積層体50の内部を示している。
図14に示したように、積層体50の内部では、
図3(a)、
図11(a)ないし
図13(c)に示した複数の導体層と複数のスルーホールが積層されている。なお、
図14では、マーク641(
図6参照)を省略している。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
キャパシタC11は、導体層741,751と、これらの導体層の間の誘電体層74とによって構成されている。キャパシタC12は、導体層742,752と、これらの導体層の間の誘電体層74とによって構成されている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0131】
スルーホール列T11aは、スルーホール73T1a,74T1a,75T1a,76T1a,77T1aが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11bは、スルーホール76T1b,77T1bが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11cは、スルーホール76T1c,77T1cが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11dは、スルーホール76T1d,77T1dが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11eは、スルーホール76T1e,77T1eが直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T11fは、スルーホール76T1f,77T1fが直列に接続されることによって構成されている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0138
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0138】
本実施の形態における導体構造体110の構造の説明中の、スルーホール列T11a~T11f、スルーホール73T1a,74T1a,75T1a,75T1g,76T1a~76T1f,77T1a~77T1fおよび導体層751,761a~761c,811a~811cを、それぞれスルーホール列T12a~T12f、スルーホール73T2a,74T2a,75T2a,75T2g,76T2a~76T2f,77T2a~77T2fおよび導体層752,762a~762c,812a~812cに置き換えれば、本実施の形態における導体構造体120の構造の説明になる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0150
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0150】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。始めに、
図17を参照して、本実施の形態に係るフィルタ装置1が第1の実施の形態と異なる点について説明する。
図17は、本実施の形態に係るフィルタ装置1の外観を示す斜視図である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0151】
本実施の形態に係るフィルタ装置1は、第1の実施の形態における積層体50の代わりに、積層体150を備えている。積層体150は、積層された複数の誘電体層と複数の導体とを含んでいる。第1の実施の形態における
図1に示した第1の端子2、第2の端子3、複数の共振器およびキャパシタC1~
C8,C11,C12は、積層体150に一体化されている。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0152】
積層体150は、複数の誘電体層の積層方向Tの両端に位置する第1の面150Aおよび第2の面150Bと、第1の面150Aと第2の面150Bを接続する4つの側面150C~150Fとを有している。側面150C,150Dは互いに反対側を向き、側面150E,150Fも互いに反対側を向いている。側面150C~150Fは、第1の面150Aおよび第2の面150Bに対して垂直になっている。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0169
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0169】
誘電体層158に形成されたスルーホール157T1aは、導体層1591aの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1bは、導体層1591aの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1cは、導体層1591bの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1dは、導体層1591bの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1eは、導体層1591cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T1fは、導体層1591cの第2端の近傍部分に接続されている。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0170
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0170】
誘電体層158に形成されたスルーホール157T2aは、導体層1592aの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2bは、導体層1592aの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2cは、導体層1592bの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2dは、導体層1592bの第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2eは、導体層1592cの第1端の近傍部分に接続されている。誘電体層158に形成されたスルーホール157T2fは、導体層1592cの第2端の近傍部分に接続されている。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0183
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0183】
キャパシタC5は、導体層1541,1551,1552と、これらの導体層の間の誘電体層154とによって構成されている。キャパシタC6は、導体層1523,1533と、これらの導体層の間の誘電体層152とによって構成されている。キャパシタC7は、導体層1524,1534と、これらの導体層の間の誘電体層152とによって構成されている。キャパシタC8は、導体層1533,1534,1541と、これらの導体層の間の誘電体層153とによって構成されている。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0192
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0192】
次に、第2の並列型共振器12の特徴について説明する。第2の並列型共振器12は、第1の実施の形態における導体構造体120の代わりに、導体構造体1120を含んでいる。導体構造体1120は、積層方向Tに直交する方向に延びる軸を中心に巻回されている。本実施の形態では特に、導体構造体1120は、Y方向に平行な方向に延在する軸を中心に11/4回巻回されている。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0197
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0197】
導体層1601,1611は、スルーホール160T3,160T5を介して互いに接続されている。導体層1601は、スルーホール列T23を介して導体層1533に電気的に接続されると共に、スルーホール列T25を介して導体層1525に電気的に接続されている。導体層1525は、2つのスルーホールを介して電極122に電気的に接続されている(
図18(a)および
図18(b)参照)。スルーホール列T23は、スルーホール153T3,154T3,155T3,156T3,157T3
,159T3が直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T25は、スルーホール152T5,153T5,154T5,155T5,156T5,157T5
,159T5が直列に接続されることによって構成されている。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0199
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0199】
導体層1602,1612は、スルーホール160T4,160T6を介して互いに接続されている。導体層1602は、スルーホール列T24を介して導体層1534に電気的に接続されると共に、スルーホール列T26を介して導体層1526に電気的に接続されている。導体層1526は、2つのスルーホールを介して電極122に電気的に接続されている(
図18(a)および
図18(b)参照)。スルーホール列T24は、スルーホール153T4,154T4,155T4,156T4,157T4
,159T4が直列に接続されることによって構成されている。スルーホール列T26は、スルーホール152T6,153T6,154T6,155T6,156T6,157T6
,159T6が直列に接続されることによって構成されている。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0224
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0224】
回路構成上第1の端子、第1の並列型共振器および第1の直列型共振器を含む部分と、回路構成上第2の端子、第2の並列型共振器および第2の直列型共振器を含む部分は、互いに対称になる回路構成を有していてもよい。積層体において第1の端子、第1の並列型共振器および第1の直列型共振器を含む部分を構成する複数の導体は、積層方向に平行な仮想の平面を中心として、積層体において第2の端子、第2の並列型共振器および第2の直列型共振器を含む部分を構成する複数の導体と対称になるように形成されていてもよい。
【手続補正24】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正25】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正26】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】