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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088358
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20240625BHJP
   B60K 17/12 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
B60K1/00
B60K17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203488
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅士
【テーマコード(参考)】
3D042
3D235
【Fターム(参考)】
3D042AA10
3D042AB01
3D042BE02
3D235AA01
3D235BB03
3D235CC01
3D235CC12
3D235CC13
3D235DD12
3D235DD17
3D235FF14
3D235HH02
3D235HH22
(57)【要約】
【課題】正面衝突時に電力制御装置がダッシュパネルと接触して損傷することを防止できる電動車両を提供すること。
【解決手段】電動車両1において、ブラケット40は、PCU30の前端部に固定されるフロント支持部41と、PCU30の後端部に固定されるリヤ支持部42と、フロント支持部41とリヤ支持部42とを相互に接続する接続部43と、を有している。リヤ支持部42は、ダッシュパネル2と対向する後壁42Aを有し、後壁42Aは車両下方から車両上方に向かうに従ってPCU30の後側面30Aに対する車両前後方向の間隔が増加するように形成されている。ジェネレータおよび走行用モータは、ライトケース12とレフトケース13とに囲まれる収納室に収納されている。ブラケット40は、ライトケース12およびレフトケース13にブラケット取付ボルト47によって締結される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダッシュパネルの車両前方側に形成されるエンジンルームに配置され、回転電機を収納するトランスアクスルケースと、
前記トランスアクスルケースの上方に配置され、前記回転電機を制御する電力制御装置と、
前記電力制御装置を前記トランスアクスルケースに支持するブラケットと、を備え、
前記電力制御装置が、その前部が後部より低くなるよう傾斜した姿勢で配置される電動車両であって、
前記ブラケットは、前記電力制御装置の前端部に固定されるフロント支持部と、前記電力制御装置の後端部に固定されるリヤ支持部と、前記フロント支持部と前記リヤ支持部とを相互に接続する接続部と、を有し、
前記リヤ支持部は、前記ダッシュパネルと対向する後壁を有し、前記後壁は車両下方から車両上方に向かうに従って前記電力制御装置の後側面に対する車両前後方向の間隔が増加するように形成されることを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記トランスアクスルケースは、車両幅方向に並び、ケース締結ボルトによって締結される第1ケースおよび第2ケースを有し、
前記回転電機は、前記第1ケースと前記第2ケースとに囲まれる収納室に収納され、
前記ブラケットは、前記第1ケースおよび前記第2ケースにブラケット取付ボルトによって締結されることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記接続部は、前記電力制御装置の車両幅方向の両側部に配置される一対の側方部材からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記電力制御装置の車両幅方向の側部に電力線が接続され、
前記側方部材は車両幅方向で前記電力制御装置に対して前記電力線の外方に配置されることを特徴とする請求項3に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動機等を収納するトランスアクスルケースに、電動機を制御する制御ユニットを固定する技術が記載されている。特許文献1に記載のものは、制御ユニットを収容するユニットケースと、ユニットケースの前部をトランスアクスルケースの前部に固定する前側ブラケットと、ユニットケースの後部をトランスアクスルケースの後部に固定する後側ブラケットと、電動機と制御ユニットとに接続された制御線と、を備えている。前側ブラケットには突起部が設けられており、この突起部は、電動車両の前面衝突時に前側ブラケットがトランスアクスルケースとの固定部を支点として回動する際の回動量を規制する。これにより、特許文献1に記載のものは、制御線の損傷を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-137010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、車両の正面衝突時に、前方からの荷重により電力制御装置(制御ユニット)が後方に押し込まれ、電力制御装置の後側面、および後側面に配置されたコネクタ類がダッシュパネルと接触して損傷するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、正面衝突時に電力制御装置がダッシュパネルと接触して損傷することを防止できる電動車両を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ダッシュパネルの車両前方側に形成されるエンジンルームに配置され、回転電機を収納するトランスアクスルケースと、前記トランスアクスルケースの上方に配置され、前記回転電機を制御する電力制御装置と、前記電力制御装置を前記トランスアクスルケースに支持するブラケットと、を備え、前記電力制御装置が、その前部が後部より低くなるよう傾斜した姿勢で配置される電動車両であって、前記ブラケットは、前記電力制御装置の前端部に固定されるフロント支持部と、前記電力制御装置の後端部に固定されるリヤ支持部と、前記フロント支持部と前記リヤ支持部とを相互に接続する接続部と、を有し、前記リヤ支持部は、前記ダッシュパネルと対向する後壁を有し、前記後壁は車両下方から車両上方に向かうに従って前記電力制御装置の後側面に対する車両前後方向の間隔が増加するように形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように上記の本発明によれば、正面衝突時に電力制御装置がダッシュパネルと接触して損傷することを防止できる電動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施例に係る電動車両の前部の左側面図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る電動車両のトランスアクスルケースの背面図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係る電動車両のトランスアクスルケースの斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施例に係る電動車両のトランスアクスルケースの内部構造図である。
図5図5は、本発明の一実施例に係る電動車両のブラケットの平面図である。
図6図6は、本発明の一実施例に係る電動車両のブラケットの左側面図である。
図7図7は、本発明の一実施例に係る電動車両のブラケットの正面図である。
図8図8は、本発明の一実施例に係る電動車両のブラケットの背面図である。
図9図9は、本発明の一実施例に係る電動車両の前部の衝突後の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る電動車両は、ダッシュパネルの車両前方側に形成されるエンジンルームに配置され、回転電機を収納するトランスアクスルケースと、トランスアクスルケースの上方に配置され、回転電機を制御する電力制御装置と、電力制御装置をトランスアクスルケースに支持するブラケットと、を備え、電力制御装置が、その前部が後部より低くなるよう傾斜した姿勢で配置される電動車両であって、ブラケットは、電力制御装置の前端部に固定されるフロント支持部と、電力制御装置の後端部に固定されるリヤ支持部と、フロント支持部とリヤ支持部とを相互に接続する接続部と、を有し、リヤ支持部は、ダッシュパネルと対向する後壁を有し、後壁は車両下方から車両上方に向かうに従って電力制御装置の後側面に対する車両前後方向の間隔が増加するように形成されることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る電動車両は、正面衝突時に電力制御装置がダッシュパネルと接触して損傷することを防止できる。
【実施例0010】
以下、本発明の一実施例に係る電動車両について図面を用いて説明する。図1から図9は、本発明の一実施例に係る電動車両を説明する図である。
【0011】
図1において、電動車両1の前部にはダッシュパネル2が設けられ、このダッシュパネル2の車両前方側にはエンジンルーム3が形成されている。ダッシュパネル2の車両後方側には車室4が形成されており、ダッシュパネル2は車室4とエンジンルーム3とを仕切っている。
【0012】
エンジンルーム3にはトランスアクスルケース11が配置されており、トランスアクスルケース11は、回転電機としてのジェネレータ21および走行用モータ22と、ディファレンシャル装置23と、を収納している。
【0013】
トランスアクスルケース11の上方には、電力制御装置としてのPCU(Power Control Unit)30が配置されている。PCU30は、図示しないインバータおよびDC-DCコンバータを有しており、ジェネレータ21および走行用モータ22の電圧および電流を制御する。PCU30は、その前部が後部より低くなるよう傾斜した姿勢で配置されている。言い換えれば、PCU30は前下がりまたは後ろ上がりの姿勢で配置されている。なお、トランスアクスルケース11の上面も、その前部が後部より低くなるよう傾斜している。
【0014】
エンジンルーム3におけるトランスアクスルケース11の前方には、ラジエータ5が設けられている。ラジエータ5は、内燃機関6(図2参照)との間で循環する冷却水を外気との熱交換により冷却する。
【0015】
図2において、電動車両1は内燃機関6を備えており、内燃機関6は、エンジンルーム3において、トランスアクスルケース11の右側面に連結されている。内燃機関6は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4サイクルのガソリンエンジンで構成されている。
【0016】
図1において、ジェネレータ21は、内燃機関6の発生する動力により電力を発電する。走行用モータ22は、ジェネレータ21により発電された電力、または図示しないバッテリに蓄電された電力によって駆動する。走行用モータ22の発生する動力は、ディファレンシャル装置23を介して左右の駆動軸24に伝達される。走行用モータ22は、電動車両1の減速時に、左右の駆動軸24からディファレンシャル装置23を介して逆方向に伝達された動力によって発電する。このように、電動車両1は、いわゆるシリーズハイブリッド方式の車両である。
【0017】
図1図2図3図4において、電動車両1は、PCU30をトランスアクスルケース11に支持するブラケット40を備えている。ブラケット40は、PCU30の底面と平行に配置されており、その前部が後部より低くなるよう傾斜している。
【0018】
ブラケット40は、PCU30の前端部に固定されるフロント支持部41と、PCU30の後端部に固定されるリヤ支持部42と、フロント支持部41とリヤ支持部42とを相互に接続する接続部43と、を有している。なお、ブラケット40は、鋳造や削り出し等の製造方法によりフロント支持部41、リヤ支持部42および接続部43が一体構造となるように構成してもよいし、フロント支持部41、リヤ支持部42および接続部43を別々の部材として製造した後に溶接等により一体化するように構成してもよい。
【0019】
フロント支持部41の車両幅方向の両端部には防振ブッシュ45がそれぞれ装着されており、防振ブッシュ45にはボルト45Aが貫通している。フロント支持部41は、PCU30の前端部の下部に、防振ブッシュ45を介してボルト45Aによって固定されている。
【0020】
リヤ支持部42の車両幅方向の両端部には防振ブッシュ45がそれぞれ装着されており、防振ブッシュ45にはボルト45Aが貫通している。リヤ支持部42は、PCU30の後端部の下部に、防振ブッシュ45を介してボルト45Aによって固定されている。
【0021】
防振ブッシュ45は、PCU30側の部材とフロント支持部41との間およびPCU30側の部材とリヤ支持部42との間に夫々弾性部材を設けた構造となっており、トランスアクスルケース11からブラケット40を介してPCU30に伝達される振動を抑制している。
【0022】
図1において、リヤ支持部42は、ダッシュパネル2と対向する後壁42Aを有している。電動車両1は、エンジンルーム3が狭い軽自動車等のコンパクトカーであるため、PCU30およびトランスアクスルケース11とダッシュパネル2との間隔は狭く、リヤ支持部42の後壁42Aとダッシュパネル2との間隔も狭い。
【0023】
図6に示すように、リヤ支持部42は、PCU30の後側面30Aよりも後方に配置されている。後壁42Aは、車両下方から車両上方に向かうに従ってPCU30の後側面30Aに対する車両前後方向の間隔Dが増加するように形成されている。後壁42Aの上端は、PCU30の底面の後端よりも上方に突出している。
【0024】
図8において、後壁42Aは、リヤ支持部42の下部に設けられた下部後壁42Bと、リヤ支持部42の上部における車両幅方向の端部に設けられた側部後壁42C、42Dと、リヤ支持部42の上部における車両幅方向の中央部に設けられた中央後壁42Eとから構成されている。前述の防振ブッシュ45は、側部後壁42Cと中央後壁42Eとの間の部位と、側部後壁42Dと中央後壁42Eとの間の部位とに配置されている。
【0025】
図2において、トランスアクスルケース11は筒状のライトケース12およびレフトケース13を有しており、ライトケース12およびレフトケース13は、車両幅方向に並んでいる。ライトケース12およびレフトケース13は、ボス部15においてケース締結ボルト46によって締結されている。レフトケース13の左端部は開口している。トランスアクスルケース11はサイドカバー14を有しており、サイドカバー14は、全体として円盤状に形成されている。サイドカバー14は、レフトケース13の開口部を左方から覆うように、レフトケース13の左端部に固定されている。
【0026】
図4において、ジェネレータ21は、ライトケース12とレフトケース13とに囲まれる収納室11Aに収納されている。この収納室11Aには、走行用モータ22も収納されている。ライトケース12の右端部の近傍には、その上下方向に延びる隔壁12Bが形成されている。隔壁12Bは、ライトケース12の内部を車両幅方向に仕切っており、収納室11Aを右方から覆っている。
【0027】
ジェネレータ21は、内燃機関6により回転駆動されるロータ21Aと、ライトケース12に対して長いステータ固定ボルト21Cにより固定されるステータ21Bとを有している。したがって、ステータ21Bは、レフトケース13には支持されておらず、ライトケース12によって片持ち構造の状態で支持されている。このため、重量物であるステータ21Bがライトケース12の支持部を支点として上下に揺動し、この揺動の影響によりライトケース12およびレフトケース13の曲げ振動が大きくなる。
【0028】
図2図3において、ブラケット40は、ライトケース12およびレフトケース13にブラケット取付ボルト47によって締結される。ライトケース12およびレフトケース13の上部には、上方に突出する台座部12A、13Aがそれぞれ形成されており、台座部12A、13Aは、車両前後方向に延びている。ブラケット40は、フロント支持部41およびリヤ支持部42において、ライトケース12の台座部12Aおよびレフトケース13の台座部13Aに対してブラケット取付ボルト47により固定されている。
【0029】
図4において、ライトケース12の台座部12Aは、トランスアクスルケース11の軸方向(車両幅方向)で隔壁12Bと同じ位置であって隔壁12Bの真上の位置に配置されている。これにより、PCU30からブラケット40を介してライトケース12の台座部12Aに作用する荷重を、隔壁12に受け持たせることができる。
【0030】
レフトケース13の台座部13Aは、レフトケース13の左端部におけるサイドカバー14との固定部位の真上に配置されている。これにより、PCU30からブラケット40を介してレフトケース13に荷重を、サイドカバー14に受け持たせることができる。
【0031】
図3図5図7図8において、ブラケット40の接続部43は、PCU30の車両幅方向の両側部に配置される一対の側方部材43A、43Bからなる。
【0032】
図1において、PCU30の車両幅方向の側部には、電力線としての三相ケーブル31が接続されている。三相ケーブル31は、PCU30の左側部から下方に延び、トランスアクスルケース11の上部に接続されている。側方部材43Aは車両幅方向でPCU30に対して三相ケーブル31の外方に配置されている。つまり、三相ケーブル31は、左右の側方部材43A、43Bの間であって、側方部材43Aとトランスアクスルケース11との隙間を通るように配索されている。
【0033】
PCU30の後面の上部には高電圧ケーブル32が接続されている。高電圧ケーブル32は、PCU30の後面から後方に延び、バッテリに接続されている。バッテリに蓄電されている電力は、高電圧ケーブル32によってPCU30に供給される。
【0034】
以上説明したように、本実施例の電動車両1において、ブラケット40は、PCU30の前端部に固定されるフロント支持部41と、PCU30の後端部に固定されるリヤ支持部42と、フロント支持部41とリヤ支持部42とを相互に接続する接続部43と、を有している。
【0035】
このように、ブラケット40のフロント支持部41とリヤ支持部42とが接続部43によって接続されているため、図9に示すように、正面衝突によりエンジンルーム3が車両前後方向に圧縮されてPCU30に車両前方から衝撃荷重Fが作用した場合に、フロント支持部41およびリヤ支持部42が後方に倒れることが防止される。このため、PCU30は、衝撃荷重Fが作用する前と同じ傾斜した姿勢(図1参照)を維持することができる。また、フロント支持部41およびリヤ支持部42が後方に倒れることが防止されるので、ブラケット40の車両後方への移動を規制することができる。また、ブラケット40とトランスアクスルケース11との間隔を維持することができる。つまり、フロント支持部41およびリヤ支持部42が後方に倒れることに伴ってPCU30がその下面がトランスアクスルケース11の上面に近づくように回転してしまうことを防止できる。
【0036】
また、リヤ支持部42は、ダッシュパネル2と対向する後壁42Aを有し、後壁42Aは車両下方から車両上方に向かうに従ってPCU30の後側面30Aに対する車両前後方向の間隔Dが増加するように形成されている。
【0037】
これにより、正面衝突によりPCU30がトランスアクスルケース11とともに車両後方に移動した場合、リヤ支持部42の後壁42AがPCU30の後側面30Aより先にダッシュパネル2に接触する。このため、正面衝突後にPCU30の後側面30Aとダッシュパネル2との間に空間を確保でき、PCU30の後側面30Aやその周辺に配置される高電圧ケーブル32等の部品をダッシュパネル2との衝突から保護できる。
【0038】
この結果、正面衝突時にPCU30がダッシュパネル2と接触して損傷することを防止できる。
【0039】
また、本実施例の電動車両1において、トランスアクスルケース11は、車両幅方向に並び、ケース締結ボルト46によって締結されるライトケース12およびレフトケース13を有しており、ジェネレータ21および走行用モータ22は、ライトケース12とレフトケース13とに囲まれる収納室11Aに収納されている。そして、ブラケット40は、ライトケース12およびレフトケース13にブラケット取付ボルト47によって締結される。
【0040】
このように、ブラケット40が車両幅方向に並ぶライトケース12およびレフトケース13にブラケット取付ボルト47によって締結されるので、ブラケット40の車両幅方向の長さをライトケース12およびレフトケース13に跨るように拡大でき、車両前方からの衝撃荷重に対するブラケット40の剛性を高めることができる。このため、車両前方からの衝撃荷重に対してブラケット40を変形し難くすることができる。
【0041】
これに加え、ブラケット40がトランスアクスルケース11の剛性を高めるスチフナとして機能することができ、ジェネレータ21および走行用モータ22の作動時に生じる振動を低減できる。
【0042】
また、本実施例の電動車両1において、接続部43は、PCU30の車両幅方向の両側部に配置される一対の側方部材43A、43Bからなる。
【0043】
これにより、接続部43を軽量化しつつフロント支持部41とリヤ支持部42の結合剛性を高めることができる。
【0044】
また、本実施例の電動車両1において、PCU30の車両幅方向の側部に三相ケーブル31が接続されている。そして、側方部材43A、43Bは車両幅方向でPCU30に対して三相ケーブル31の外方に配置される。
【0045】
これにより、側面衝突により車両側方から衝撃荷重が作用した場合、接続部43を構成する側方部材43A、43Bによって三相ケーブル31を保護できる。
【0046】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0047】
1...電動車両、2...ダッシュパネル、11...トランスアクスルケース、11A...収納室、12...ライトケース、13...レフトケース、21...ジェネレータ(回転電機)、22...走行用モータ(回転電機)、30...PCU(電力制御装置)、30A...後側面、31...三相ケーブル(電力線)、40...ブラケット、41...フロント支持部、42...リヤ支持部、42A...後壁、43...接続部、43A,43B...側方部材、46...ケース締結ボルト、47...ブラケット取付ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9