(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008839
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】紐掛け装置
(51)【国際特許分類】
B65B 13/18 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B65B13/18 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081873
(22)【出願日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2022110494
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 明仁
(72)【発明者】
【氏名】古川 朋紀
【テーマコード(参考)】
3E052
【Fターム(参考)】
3E052AA01
3E052BA01
3E052BA04
3E052BA12
3E052BA16
3E052CA01
3E052CA13
3E052CB04
3E052CB05
3E052CB07
3E052FA01
3E052FA20
3E052GA20
3E052HA01
3E052JA12
3E052KA20
3E052LA20
(57)【要約】
【課題】第二定滑車と第一定滑車との間で紐が掛け回された滑車が、定滑車のみである場合に比べ、紐を第二定滑車から第一定滑車へ引き出す抵抗を低減する。
【解決手段】紐掛け装置は、一方向に延び、先端部で紐の一端部を保持する棒体であって、対象が載せられ、該一方向に貫通する穴が形成された基台の一端から該穴に挿入した挿入状態において該先端部が該基台の他端から突出する棒体と、該挿入状態の該基台の該一端に対する該一方向側とは反対側において、該挿入状態における該対象に対する上方側の位置で前記紐の中間部を吊るす第一定滑車と、前記位置で前記紐の中間部に対する他端部側の部分を吊るす第二定滑車と、前記第二定滑車と前記第一定滑車との間で前記紐が掛け回され、前記第二定滑車から前記第一定滑車までの前記紐の経路を最大とする最大位置と、当該経路を最小にする最小位置との間を移動可能とされた動滑車と、を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延び、先端部で紐の一端部を保持する棒体であって、対象が載せられ、該一方向に貫通する穴が形成された基台の一端から該穴に挿入した挿入状態において該先端部が該基台の他端から突出する棒体と、
該挿入状態の該基台の該一端に対する該一方向側とは反対側において、該挿入状態における該対象に対する上方側の位置で前記紐の中間部を吊るす第一定滑車と、
該位置で該紐の中間部に対する他端部側の部分を吊るす第二定滑車と、
該第二定滑車と該第一定滑車との間で該紐が掛け回され、該第二定滑車から該第一定滑車までの外紐の経路を最大とする最大位置と、該経路を最小にする最小位置との間を移動可能とされた動滑車と、
を備える紐掛け装置。
【請求項2】
前記動滑車が、前記最大位置から前記最小位置へ移動することで、前記対象及び前記基台への紐の巻き掛けが完了可能な長さが引き出されるように、前記最大位置及び前記最小位置が設定されている
請求項1に記載の紐掛け装置。
【請求項3】
前記棒体の前記先端部に対する前記一方向側から作業者による操作が可能な位置に配置された操作部と、
前記操作部に対して前記操作がなされると、前記動滑車を前記最大位置へ移動させる移動機構と、
を備える請求項1に記載の紐掛け装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記一方向に沿った回転軸周りの回転方向へ前記作業者によって回転操作がなされるハンドルを有し、
前記移動機構は、
前記一方向に沿った回転軸周りに回転可能とされ、前記ハンドルが前記一方向側の一端部に設けられた軸部と、
前記軸部における前記反対側の他端部に設けられた第三定滑車と、
前記第三定滑車と前記動滑車とに連結された連結部材と、
を有し、
前記ハンドルの回転操作により、前記第三定滑車が前記回転方向へ回転して前記連結部材を巻き上げることで、前記動滑車を前記最大位置へ移動させる
請求項3に記載の紐掛け装置。
【請求項5】
前記第三定滑車は、前記回転方向に対する逆方向へは、前記軸部に対して空転する
請求項4に記載の紐掛け装置。
【請求項6】
前記移動機構は、
前記第三定滑車に接触して、前記第三定滑車の前記逆方向への回転に対して負荷を付与する負荷付与部
を有する
請求項5に記載の紐掛け装置。
【請求項7】
前記操作部は、
前記第一定滑車に対する前記一方向側に配置されている
請求項3に記載の紐掛け装置。
【請求項8】
前記操作部は、
前記挿入状態の前記基台の前記一端に対する前記一方向側に配置されている
請求項7に記載の紐掛け装置。
【請求項9】
前記操作部は、
前記挿入状態における前記対象に対する上方側の位置に配置されている
請求項3に記載の紐掛け装置。
【請求項10】
前記操作部は、
前記第一定滑車に対する下方側の位置に配置されている
請求項9に記載の紐掛け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐掛け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パレット又はその他の積荷支持装置に結束される積荷の周囲及び下で結束テープを簡単に通すように設計された通し装置であって、その基部を通って実質的に水平に延びる一対の開口部を有する通し装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紐掛け装置としては、一方向に延び、先端部で紐の一端部を保持する棒体であって、対象が載せられ、該一方向に貫通する穴が形成された基台の一端から該穴に挿入した挿入状態において該先端部が該基台の他端から突出する棒体と、該挿入状態の該基台の該一端に対する該一方向側とは反対側において、該挿入状態における該対象に対する上方側の位置で前記紐の中間部を吊るす第一定滑車と、前記位置で前記紐の中間部に対する他端部側の部分を吊るす第二定滑車と、を備える紐掛け装置が考えられる。
【0005】
当該紐掛け装置において、第二定滑車と第一定滑車との間で紐が掛け回された滑車が、定滑車のみである場合では、紐を第二定滑車から第一定滑車へ引き出す際に、第二定滑車から第一定滑車までの紐の経路が変化することがないため、紐を第二定滑車から第一定滑車へ引き出す抵抗が大きい場合がある。
【0006】
本開示は、第二定滑車と第一定滑車との間で紐が掛け回された滑車が、定滑車のみである場合に比べ、紐を第二定滑車から第一定滑車へ引き出す抵抗を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様は、一方向に延び、先端部で紐の一端部を保持する棒体であって、対象が載せられ、該一方向に貫通する穴が形成された基台の一端から該穴に挿入した挿入状態において該先端部が該基台の他端から突出する棒体と、該挿入状態の該基台の該一端に対する該一方向側とは反対側において、該挿入状態における該対象に対する上方側の位置で前記紐の中間部を吊るす第一定滑車と、前記位置で前記紐の中間部に対する他端部側の部分を吊るす第二定滑車と、前記第二定滑車と前記第一定滑車との間で前記紐が掛け回され、前記第二定滑車から前記第一定滑車までの前記紐の経路を最大とする最大位置と、当該経路を最小にする最小位置との間を移動可能とされた動滑車と、を備える。
【0008】
第2態様は、第1態様において、前記動滑車が、前記最大位置から前記最小位置へ移動することで、前記対象及び前記基台への紐の巻き掛けが完了可能な長さが引き出されるように、前記最大位置及び前記最小位置が設定されている。
【0009】
第3態様は、第1態様において、前記棒体の前記先端部に対する前記一方向側から作業者による操作が可能な位置に配置された操作部と、前記操作部に対して前記操作がなされると、前記動滑車を前記最大位置へ移動させる移動機構と、を備える。
【0010】
第4態様では、第3態様において、前記操作部は、前記一方向に沿った回転軸周りの回転方向へ前記作業者によって回転操作がなされるハンドルを有し、前記移動機構は、前記一方向に沿った回転軸周りに回転可能とされ、前記ハンドルが前記一方向側の一端部に設けられた軸部と、前記軸部における前記反対側の他端部に設けられた第三定滑車と、前記第三定滑車と前記動滑車とに連結された連結部材と、を有し、前記ハンドルの回転操作により、前記第三定滑車が前記回転方向へ回転して前記連結部材を巻き上げることで、前記動滑車を前記最大位置へ移動させる。
【0011】
第5態様では、第4態様において、前記第三定滑車は、前記回転方向に対する逆方向へは、前記軸部に対して空転する。
【0012】
第6態様では、第5態様において、前記移動機構は、前記第三定滑車に接触して、前記第三定滑車の前記逆方向への回転に対して負荷を付与する負荷付与部を有する。
【0013】
第7態様では、第3態様において、前記操作部は、前記第一定滑車に対する前記一方向側に配置されている。
【0014】
第8態様では、第7態様において、前記操作部は、前記挿入状態の前記基台の前記一端に対する前記一方向側に配置されている。
【0015】
第9態様では、第3態様において、前記操作部は、前記挿入状態における前記対象に対する上方側の位置に配置されている。
【0016】
第10態様では、第9態様において、前記操作部は、前記第一定滑車に対する下方側の位置に配置されている。
【発明の効果】
【0017】
第1態様の構成によれば、第二定滑車と第一定滑車との間で紐が掛け回された滑車が、定滑車のみである場合に比べ、紐を第二定滑車から第一定滑車へ引き出す抵抗を低減できる。
【0018】
第2態様の構成によれば、動滑車が、最大位置から最小位置へ移動することで、対象及び基台への紐の巻き掛けが完了可能な長さよりも短い長さが引き出される場合に比べ、対象及び基台に対して紐を巻き掛ける際に紐を引き出す抵抗を低減できる。
【0019】
第3態様の構成によれば、作業者が、棒体の一端部に対する一方向側から、一方向に対する反対側へ移動せずに、動滑車を最大位置へ移動させることが可能となる。
【0020】
第4態様の構成によれば、ハンドルを一方向へ移動させる操作により、移動機構が動滑車を最大位置へ移動させる場合に比べ、ハンドルの移動に必要なスペースを小さくできる。
【0021】
第5態様の構成によれば、第三定滑車が逆方向へ軸部と一体に回転する場合に比べ、連結部材が第三定滑車から巻き出された場合においてハンドルが回転することが抑制される。
【0022】
第6態様の構成によれば、第三定滑車の逆方向への回転に対して無負荷である場合に比べ、連結部材が第三定滑車に巻き上げられている最中に、第三定滑車が逆方向へ回転することが抑制される。
【0023】
第7態様の構成によれば、操作部が第一定滑車に対する一方向側とは反対側に配置されている場合に比べ、作業者が、棒体の一端部に対する一方向側から操作部の操作を行いやすい。
【0024】
第8態様の構成によれば、操作部が、挿入状態の基台の一端に対する一方向側とは反対側に配置されている場合に比べ、作業者が、棒体の一端部に対する一方向側から操作部の操作を行いやすい。
【0025】
第9態様の構成によれば、操作部が、挿入状態における対象に対する下方側の位置に配置されている場合に比べ、操作部と対象とが干渉することが抑制される。
【0026】
第10態様の構成によれば、操作部が第一定滑車に対する上方側の位置に配置されている場合に比べ、作業者が、棒体の一端部に対する一方向側から操作部の操作を行いやすい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態に係る紐掛け装置を示す側面図である。
【
図2】第1実施形態に係る紐掛け装置を示す正面図である。
【
図3】第1実施形態に係る紐掛け装置において、棒体をパレットの穴に挿入した状態を示す側面図である。
【
図4】第1実施形態に係る紐掛け装置において、棒体をパレットの穴に挿入した状態を示す正面図である。
【
図5】第1実施形態に係る紐掛け装置において、接合機を接合位置に移動させた状態を示す正面図である。
【
図6】第1実施形態に係る紐掛け装置において、梱包材の右側に巻き掛けられたバンドを接合機で接合する状態を示す正面図である。
【
図7】第1実施形態に係る紐掛け装置において、梱包材の左側に巻き掛けられたバンドを接合機で接合する状態を示す正面図である。
【
図8】第1実施形態に係る紐掛け装置において、梱包材にバンドを巻き掛けた状態を示す側面図である。
【
図9】第2実施形態に係る紐掛け装置を示す側面図である。
【
図10】第2実施形態に係る紐掛け装置において、棒体をパレットの穴に挿入した状態を示す側面図である。
【
図11】第2実施形態に係る紐掛け装置の変形例を示す側面図である。
【
図12】第3実施形態に係る紐掛け装置を示す側面図である。
【
図13】第3実施形態に係る紐掛け装置において、棒体をパレットの穴に挿入した状態を示す側面図である。
【
図14】第3実施形態に係る紐掛け装置において、梱包材にバンドを巻き掛けた状態を示す側面図である。
【
図15】第4実施形態に係る紐掛け装置を示す側面図である。
【
図16】第4実施形態に係る紐掛け装置において、梱包材にバンドを巻き掛けた後、バンドを切断した状態を示す側面図である。
【
図17】第5実施形態に係る紐掛け装置を示す側面図である。
【
図18】第5実施形態に係る紐掛け装置の操作部及び移動機構を示す正面図である。
【
図19】第5実施形態に係る紐掛け装置の移動機構を示す正面図である。
【
図20】第5実施形態に係る紐掛け装置の移動機構における伝達機構を示す側面図である。
【
図21】第5実施形態に係る紐掛け装置の移動機構における伝達機構を示す背面図である。
【
図22】第5実施形態に係る紐掛け装置の移動機構における伝達機構のピンの突出途中を示す背面図である。
【
図23】第5実施形態に係る紐掛け装置の移動機構における伝達機構のピンと突起が接触した状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。なお、以下の実施形態にて開示される内容のうち、特許請求の範囲に含まれない内容は、参考例として開示するものである。
【0029】
《第1実施形態》
<紐掛け装置10>
まず、本実施形態に係る紐掛け装置10の構成を説明する。
図1及び
図3は、本実施形態に係る紐掛け装置10を示す側面図である。
図2、
図4、
図5、
図6及び
図7は、本実施形態に係る紐掛け装置10を示す正面図である。
【0030】
なお、図中に示す矢印UPは、装置の上方を示し、矢印DOは、装置の下方を示す。また、図中に示す矢印LHは、装置の左方を示し、矢印RHは、装置の右方を示す。また、図中に示す矢印FRは、装置の前方を示し、矢印RRは、装置の後方を示す。これらの方向は、説明の便宜上定めた方向であるから、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。なお、装置の各方向において、「装置」の語を省略して示す場合がある。すなわち、例えば、「装置の上方」を、単に「上方」と示す場合がある。
【0031】
また、下記の説明では、「上下方向」を、「上方及び下方の両方」又は「上方及び下方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。「左右方向」を、「右方及び左方の両方」又は「右方及び左方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。なお、「左右方向」は、側方、横方向、及び水平方向ともいえる。「前後方向」を、「前方及び後方の両方」又は「前方及び後方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。なお、「前後方向」は、側方、横方向、及び水平方向ともいえる。また、上下方向、左右方向、前後方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。
【0032】
また、図中の「○」の中に「×」が記載された記号は、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味する。また、図中の「○」の中に「・」が記載された記号は、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。また、各図に示す各部分同士の上下方向、左右方向、前後方向の寸法比は、実際の寸法比と異なる場合がある。
【0033】
図1及び
図2に示される紐掛け装置10は、対象が載せられた基台ごと当該対象に対して紐を掛ける装置である。具体的には、紐掛け装置10は、梱包材100が載せられたパレット102ごと梱包材100にバンド11を巻き掛ける装置である(
図8参照)。
【0034】
梱包材100は、対象の一例である。梱包材100としては、例えば、製品が収容された段ボールなどがある。なお、対象の一例としては、梱包材100に限られず、例えば、製品自体や資材などであってもよく、バンド11等の紐が掛けられる対象となる物品であればよい。
【0035】
パレット102は、基台の一例である。パレット102は、梱包材100等の荷物を載せる荷台であって、強化した紙、木、プラスチック、金属などの材料で形成される。パレット102には、前方へ貫通する穴102Aが形成されている。なお、基台の一例としては、パレット102に限られず、バンド11等の紐が掛けられる対象となる物品が載せられる台であればよい。
【0036】
バンド11は、紐の一例である。バンド11は、例えば、PP(ポリプロピレン)などの樹脂材料で形成された帯状のバンドである。なお、紐の一例としては、バンド11に限られず、天然繊維や金属材料で形成されたものであってもよく、種々の材料を用いることが可能である。また、紐の一例としては、帯状に限られず、断面円形状の丸紐等であってもよく、種々の形状の紐を用いることが可能である。
【0037】
紐掛け装置10は、具体的には、
図2に示されるように、一対の供給部12と、一対の棒体13と、一対の吊部40と、接合機構50と、を備えている。以下、紐掛け装置10の各部について説明する。なお、一対の棒体13、一対の吊部40及び一対の供給部12は、左右方向の異なる位置に配置されている点を除いて同様に構成されているので、以下では、右方側に配置された棒体13、吊部40及び供給部12について説明する。
【0038】
<棒体13>
棒体13は、
図1に示されるように、前方に延び、先端部13Aでバンド11の一端部11Aを保持する構成部である。なお、前方は、一方向の一例である。
【0039】
また、棒体13は、
図3に示されるように、梱包材100が載せられたパレット102の一端(具体的には後端)から穴102Aに挿入した状態(以下、単に「挿入状態」という場合がある)において先端部13Aがパレット102の他端(具体的には前端)から突出する。換言すれば、棒体13の前後方向の寸法(長さ)は、パレット102の前後方向の寸法よりも大きくされている。
【0040】
本実施形態では、棒体13は、例えば、吊部40における後述の支持体42から前方へ延びるように設けられている。換言すれば、前方に延びた棒体13の基端部13Bは、支持体42の下端部に固定されている。このような棒体13としては、例えば、前後方向を軸方向とする筒状のパイプを用いることが可能である。
【0041】
また、棒体13の先端部13Aへのバンド11の保持は、棒体13の先端部13Aに設けられた保持部(図示省略)により行うことが可能である。当該保持部としては、例えば、バンド11を取り外し可能に保持するクリップなどが用いられる。ここで、クリップとは、例えば、対向する一対の挟持片の先端同士を弾性力により閉じるように構成したものである。保持部としてクリップを用いた場合は、一対の挟持片の先端同士を閉じた状態でバンド11の一端部11Aを保持でき、一対の挟持片の先端同士を弾性力に抗して開けた状態で、バンド11の一端部11Aを着脱できる。
【0042】
<吊部40>
吊部40は、
図3に示されるように、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置でバンド11の中間部11Bを吊るす構成部である。吊部40は、具体的には、支持体42と、回転体としての滑車44と、を有している。
【0043】
支持体42は、
図2に示されるように、滑車44を支持する構成部である。この支持体42は、
図3に示されるように、挿入状態における梱包材100に対する後方側の位置で、上下方向に延びる柱状に構成されている。なお、支持体42としては、柱状のものに限られず、複数の部材で構成されたフレームなどであってもよく、支持対象(具体的には滑車44)を支持可能な構造体であればよい。
【0044】
滑車44は、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置且つ後方側の位置で、支持体42の上部に回転可能に支持されている。滑車44は、左右方向を軸方向としており、軸部44Aと、フランジ44Bと、を有している。
【0045】
吊部40では、バンド11の中間部11Bが、滑車44の軸部44Aに対して掛け回されている。これにより、吊部40は、
図3に示されるように、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置でバンド11の中間部11Bを吊るしている。なお、滑車44は、バンド11が前方側へ引き出されることで回転する。
【0046】
<供給部12>
供給部12は、
図1に示されるように、吊部40(具体的には滑車44)へバンド11を供給する構成部である。供給部12は、棒体13の基端部13Bに対する前方とは反対側(すなわち後方側)に配置されている。
【0047】
具体的には、供給部12は、送出部20と、付与部30と、を有している。送出部20は、バンド11を送り出すことで供給する構成部である。送出部20は、
図2に示されるように、巻き軸22と、基体26と、一対の支持体28と、を有している。
【0048】
基体26は、
図1に示されるように、支持体42の下端部に対する後方側に設けられている。この基体26には、一対の支持体28が固定されている。
【0049】
一対の支持体28は、
図2に示されるように、巻き軸22の軸方向の一端側(具体的には右方側)及び他端側(具体的には左方側)で、基体26から上方へ延びている。この一対の支持体28は、巻き軸22を左右方向に沿った軸周りに回転可能に支持している。
【0050】
巻き軸22は、軸部の一例であり、
図1に示されるように、バンド11が巻かれ、回転によりバンド11を供給する構成部である。巻き軸22は、左右方向を軸方向とする円筒状に形成されており、その外周にバンド11が巻かれている。この巻き軸22は、
図2に示されるように、軸方向(具体的には左右方向)の一端部及び他端部の各々に、径方向外側に張り出したフランジ24を有している。
【0051】
送出部20では、バンド11が前方側へ引っ張られることで、巻き軸22が回転し、バンド11を巻き軸22から送り出す。このようにして、供給部12では、吊部40(具体的には滑車44)へバンド11を供給する。
【0052】
図1に示される付与部30は、巻き軸22の回転に対して抵抗を付与する構成部である。具体的には、付与部30は、支持部としての腕部32と、接触部としてのロール34と、を有している。
【0053】
腕部32は、上下方向に沿って延びており、下端部が支持部(図示省略)に左右方向に沿った軸周りに回転可能に支持されている。ロール34は、腕部32の上端部において、左右方向に沿った軸周りに回転可能に支持されている。
【0054】
付与部30では、腕部32の上端部が前方側へ移動するように、腕部32がバネ等の弾性体により押し又は引っ張られている。これにより、付与部30では、ロール34が巻き軸22に押し付けられて、巻き軸22の回転に対して抵抗を付与する。
【0055】
<接合機構50>
図1及び
図2に示される接合機構50は、梱包材100及びパレット102に対して巻き掛けられたバンド11の一端部11Aと中間部11Bとを接合可能な機構である。接合機構50は、具体的には、支持体52と、移動体54と、接合機56と、一対の支持部58と、一対の腕部59と、を有している。
【0056】
支持体52は、移動体54を支持する構成部である。この支持体52は、棒体13の右方側において、例えば、上下方向に延びる柱状に構成されている。なお、支持体52としては、柱状のものに限られず、複数の部材で構成されたフレームなどであってもよく、支持対象(具体的には移動体54等)を支持可能な構造体であればよい。また、支持体52は、支持体52から後方側に延びるフレーム等を用いて支持体42と連結することにより支持体42と一体に構成されたものであってもよい。
【0057】
移動体54は、接合機56、支持部58及び腕部59と共に、挿入状態における梱包材100に対する前方側の接合位置(
図5~
図7に示される位置)と、接合位置から退避する退避位置(
図1~
図4に示される位置)と、に移動可能とされた構成部である。
【0058】
この移動体54は、例えば、退避位置(
図1~
図4に示される位置)において左右方向を厚み方向とする板体で構成されている。移動体54の表面54A(退避位置(
図1~
図4に示される位置)における右方側の面)には、接合機56、支持部58及び腕部59が設けられている。移動体54は、具体的には、例えば、ヒンジ等を介して支持体52に支持されており、上下方向に沿った軸周りに、例えば90度の範囲で、接合位置と退避位置との間を回転する構成とされている。
【0059】
一対の支持部58の各々は、一対の腕部59の各々を支持する構成部である。一対の支持部58は、移動体54の表面54Aに対して上下に配置されている。そして、一対の支持部58は、接合位置における左右方向に、腕部59を移動可能に支持している。
【0060】
一対の腕部59は、接合位置における左右方向に延びており、前述のように、一対の支持部58の各々に、接合位置における左右方向へ移動可能に支持されている。一対の腕部59の一端部(具体的には接合位置において左端部)には、接合機56が取り付けられている。
【0061】
接合機56は、接合部の一例であり、梱包材100及びパレット102に対して巻き掛けられたバンド11の一端部11Aと中間部11Bを接合可能な機器である。接合機56は、
図2及び
図4に示されるように、バンド11において接合対象となる部分同士を重ねた状態で通すためのスリット56A(空間)を有している。スリット56Aは、
図2及び
図4に示される退避位置において、上方側、下方側及び前方側に開口している。作業者は、バンド11において接合対象となる部分同士を重ねた状態で、当該部分をスリット56Aへ差し入れて、バンド11がスリット56Aから上下方向へ引き出された状態とする。
【0062】
本実施形態では、接合機56は、例えば、バンド11を引き締める引締機能と、バンド11を接合する接合機能と、バンド11を切断する切断機能と、を有している。このような接合機56としては、例えば、市販されているコードレス結束機(イチネン社製No.10Viなど)を用いることが可能である。
【0063】
接合機56では、作業者の操作により、梱包材100及びパレット102に対して巻き掛けられ且つスリット56Aに通されたバンド11を、張力が付与される方向へ移動させることで引き締める。
【0064】
また、接合機56は、作業者の操作により、引き締められたバンド11同士を熱溶着することで接合する。さらに、接合機56は、作業者の操作により、バンド11の余った部分を切断する。
【0065】
以上のように、接合機構50では、接合機56、移動体54、接合機56、支持部58及び腕部59が、挿入状態における梱包材100に対する前方側の接合位置(
図5~
図7に示される位置)と、接合位置から退避する退避位置(
図1~
図4に示される位置)と、に移動可能とされている。
【0066】
接合位置では、前方側から見て、接合機56が、挿入状態における梱包材100と重なる位置に位置する。また、退避位置では、前方側から見て、接合機56は、挿入状態における梱包材100と重ならない位置(具体的には梱包材100に対する右方側の位置)に位置する。
【0067】
また、接合機56は、接合位置において、支持部58及び腕部59により、左右方向へ移動可能とされている。
【0068】
<バンド11を梱包材100及びパレット102に巻き掛ける巻掛方法>
次に、紐掛け装置10を用いた巻掛方法の一例について説明する。
【0069】
本巻掛方法は、例えば、保持工程と、挿入工程と、巻掛工程と、接合工程と、を有している。なお、本巻掛方法の実行により、バンド11が巻き掛けられた梱包材100及びパレット102が形作られるので、本巻掛方法は、バンド11が巻き掛けられた梱包材100及びパレット102を製造する製造方法ともいえる。
【0070】
<保持工程>
保持工程は、作業者が、バンド11の一端部11Aを棒体13の先端部13Aに保持する工程である(
図1及び
図2参照)。
【0071】
具体的には、保持工程では、作業者が、供給部12(具体的には巻き軸22)からバンド11を引き出して、バンド11の中間部11Bを吊部40に吊るした状態で、バンド11の一端部11Aを棒体13の先端部13Aに保持する。
【0072】
なお、保持工程は、左右に配置された供給部12、吊部40及び棒体13の各々において実行する。
【0073】
<挿入工程>
挿入工程は、作業者が、梱包材100が載せられたパレット102の穴102Aに対して、棒体13を挿入する工程である(
図1~
図4参照)。
【0074】
具体的には、挿入工程では、作業者が、梱包材100が載せられたパレット102を、棒体13に対する前方側から後方側へ移動させることで、パレット102の一端(具体的には後端)から穴102Aに対して棒体13を挿入し、棒体13の先端部13Aをパレット102の他端(具体的には前端)から突出させる。これにより、パレット102の穴102Aにバンド11が通される(
図3及び
図4参照)。このとき、送出部20では、バンド11が吊部40を介して前方側へ引っ張られるため、巻き軸22が回転し、バンド11が巻き軸22から吊部40に送り出される。
【0075】
なお、挿入工程は、左右に配置された一対の棒体13について実行する。また、作業者は、挿入工程を実行する前に、接合機56を退避位置に位置させた後(
図1及び
図2参照)、挿入工程を実行する。すなわち、挿入工程を実行する前において、接合機56が接合位置に位置する場合には、作業者は、接合機56を退避位置に移動させる。
【0076】
<巻掛工程>
巻掛工程は、作業者が、バンド11を梱包材100へ巻き掛ける工程である(
図8参照)。
【0077】
具体的には、巻掛工程では、まず、作業者は、バンド11の一端部11Aを棒体13の先端部13Aから取り外し、バンド11の一端部11Aが梱包材100の前方側に位置するまで、バンド11の一端部11Aを手前側に手繰り寄せる。このとき、送出部20では、バンド11が吊部40を介して前方側へ引っ張られるため、巻き軸22が回転し、バンド11が巻き軸22から吊部40に送り出される。
【0078】
次に、作業者は、バンド11の中間部11B(具体的には滑車44に掛け回された部分)を、梱包材100の上方側を通るように、梱包材100の前方側まで手繰り寄せる。このとき、送出部20では、バンド11が吊部40を介して前方側へ引っ張られるため、巻き軸22が回転し、バンド11が巻き軸22から吊部40に送り出される。その後、作業者は、バンド11が梱包材100の周りを1周巻かれた状態で(
図8参照)、バンド11の一端部11Aと中間部11Bとを梱包材100の前方側の位置で重ね合わせる。
【0079】
<接合工程>
接合工程は、作業者が、巻掛工程にて重ね合わせたバンド11の一端部11Aと中間部11Bとを接合する工程である(
図4~
図8参照)。
【0080】
具体的には、巻掛工程では、作業者は、まず、退避位置(
図4参照)に位置する接合機56を、
図5に示されるように、接合位置へ移動させる。なお、作業者は、接合機56の接合位置への移動を、接合工程の実行前に、予め実行してもよい。接合機56の接合位置への移動は、挿入工程の後であれば、例えば、巻掛工程の前、又は巻掛工程の実行中に実行することが可能である。
【0081】
次に、作業者は、梱包材100の前方側の位置においてバンド11の一端部11Aと中間部11Bとを重ね合わせた状態で、当該重ね合わせた部分をスリット56Aへ差し入れて、バンド11がスリット56Aから上下方向へ引き出された状態とする(
図6参照)。
【0082】
次に、作業者は、接合機56を操作して、梱包材100及びパレット102に対して巻き掛けられ且つスリット56Aに通されたバンド11を、張力が付与される方向へ移動させることで引き締める(
図8参照)。
【0083】
次に、作業者は、接合機56を操作して、引き締められたバンド11同士を熱溶着することで接合する(
図8参照)。さらに、作業者は、接合機56を操作して、バンド11の余った部分(熱溶着されていない中間部11B)を切断する。
【0084】
なお、作業者は、左右に配置された供給部12、吊部40及び棒体13の一方において、巻掛工程及び接合工程を実行した後に、左右に配置された供給部12、吊部40及び棒体13の他方において巻掛工程及び接合工程を実行する。
【0085】
具体的には、作業者は、例えば、
図5に示されるように接合位置に移動させた接合機56を、
図6に示されるように、右方側に配置されたバンド11の位置まで左方側へ移動させて当該バンド11に対して接合工程を実行し、さらに、
図7に示されるように、左方側に配置されたバンド11の位置まで左方側へ移動させて当該バンド11に対して接合工程を実行する。本巻掛方法では、以上のように、バンド11が梱包材100及びパレット102に巻き掛けられる。
【0086】
<第1実施形態に係る作用>
本実施形態では、吊部40は、挿入状態における梱包材100(
図3参照)に対する上方側の位置でバンド11の中間部11Bを吊るす。これにより、
図1に示されるように、バンド11が、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置から、棒体13の先端部13Aへ斜めに配置された状態となる。そして、梱包材100が載せられたパレット102の穴102Aに対して、棒体13を挿入することで、パレット102の穴102Aにバンド11が通される。
【0087】
このように、本実施形態では、バンド11を棒体13の基端部13Bから先端部13Aに沿って配置する工程を実行せずに、パレット102の穴102Aにバンド11を通すことが可能となる。
【0088】
したがって、本実施形態によれば、棒体13の基端部13Bから先端部13Aに沿ってバンド11を配置した後に棒体13をパレット102の穴102Aに挿入する場合(以下、形態Aという)に比べ、工程数、及び作業時間が低減される。この結果、紐掛け装置10によれば、形態Aに比べ、装置の稼働率(すなわち単位時間当たりのバンド11の梱包材100及びパレット102への巻き掛け数)が向上する。
【0089】
また、本実施形態では、供給部12は、棒体13の基端部13Bに対する前方とは反対側(すなわち後方側)に配置されている。このため、供給部12が棒体13の基端部13Bに対する前方側に配置されている場合に比べ、棒体13と吊部40との間に配置されたバンド11、及び棒体13との干渉を考慮せずに、供給部12の配置位置を決定可能となるので、供給部12の配置位置の自由度が高い。
【0090】
また、本実施形態では、付与部30は、巻き軸22の回転に対して抵抗を付与する。このため、供給部12が送出部20(具体的には巻き軸22)のみを有する場合に比べ、供給部12に巻かれたバンド11の量が減少して、バンド11の自重による回転抵抗が低減した場合でも、バンド11が供給部12から不必要に供給されることが抑制される。具体的には、巻掛工程において、作業者が、バンド11の一端部11Aを棒体13の先端部13Aから取り外し、バンド11の一端部11Aが梱包材100の前方側に位置するまで、バンド11の一端部11Aを手前側に手繰り寄せる際に、不必要に巻き軸22が回転し、吊部40に送り出されたバンド11に弛みが生じてバンド11が滑車44から外れる等の不具合が発生することが抑制される。また、作業者が、バンド11の中間部11Bを、梱包材100の上方側を通るように、梱包材100の前方側まで手繰り寄せる際に、不必要に巻き軸22が回転し、吊部40に送り出されたバンド11に弛みが生じてバンド11が滑車44から外れる等の不具合が発生することが抑制される。
【0091】
また、本実施形態では、接合機56は、挿入状態における梱包材100に対する前方側の接合位置(
図5~
図7に示される位置)と、接合位置から退避する退避位置(
図1~
図4に示される位置)と、に移動可能とされている。
【0092】
このため、接合機56が接合位置に固定されている場合に比べ、作業者がパレット102の他端(具体的には前端)に対する前方側から梱包材100及びパレット102を移動させて棒体13を穴102Aに挿入する作業などを行う際に、接合機56が邪魔になりにくい。
【0093】
また、本実施形態では、接合機56は、接合位置において、左右方向へ移動可能とされている。このため、接合機56が接合位置と退避位置とのみに移動可能である場合に比べ、梱包材100及びパレット102に対して左右方向の異なる位置へバンド11を巻き掛けた際に、当該バンド11を接合しやすい。
【0094】
<第1実施形態の変形例>
なお、本実施形態では、供給部12は、棒体13の基端部13Bに対する前方とは反対側(すなわち後方側)に配置されていたが、これに限られない。例えば、供給部12が棒体13の基端部13Bに対する前方側に配置されている構成であってもよい。
【0095】
また、本実施形態では、付与部30は、巻き軸22の回転に対して抵抗を付与していたが、これに限られない。供給部12としては、付与部30を有さない構成であってもよい。
【0096】
また、本実施形態では、接合機56は、挿入状態における梱包材100に対する前方側の接合位置(
図5~
図7に示される位置)と、接合位置から退避する退避位置(
図1~
図4に示される位置)と、に移動可能とされていたが、これに限られない。このため、接合機56が接合位置に固定されている構成であってもよい。
【0097】
また、本実施形態では、接合機56は、接合位置において、左右方向へ移動可能とされていたが、これに限られない。例えば、接合機56が接合位置と退避位置とのみに移動可能である構成であってもよい。
【0098】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係る紐掛け装置200について説明する。
図9及び
図10は、第2実施形態に係る紐掛け装置200を示す側面図である。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0099】
紐掛け装置200における吊部40は、
図9に示されるように、支持体42及び滑車44に加えて、梁部246と、滑車248と、を有している。なお、本実施形態において、滑車248は、第一吊部の一例であり、滑車44は、第二吊部の一例である。
【0100】
梁部246は、滑車248を支持する構成部である。この梁部246は、支持体42の上部から前方側へ延び出ている。
【0101】
滑車248は、
図10に示されるように、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)に対する前方側の位置であって、且つ、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、梁部246の先端部(具体的には前端部)に回転可能に支持されている。具体的には、滑車248は、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)から他端(具体的には前端)までの間で梁部246の先端部(具体的には前端部)に回転可能に支持されている。なお、
図10では、パレット102の一端(具体的には後端)の位置が二点鎖線102Rで示され、パレット102の他端(具体的には前端)の位置が二点鎖線102Fで示されている。
【0102】
滑車248は、左右方向を軸方向としており、軸部248Aと、フランジ248Bと、を有している。吊部40では、バンド11の中間部11Bが、滑車248の軸部248Aに対して掛け回され、バンド11における滑車248から供給部12(具体的には巻き軸22)までの間の部分が、滑車44の軸部44Aに対して掛け回されている。
【0103】
これにより、吊部40は、
図10に示されるように、滑車248が、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)に対する前方側の位置であって、且つ、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bを吊るす。具体的には、滑車248は、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)から他端(具体的には前端)までの間において、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bを吊るす。
【0104】
さらに、吊部40では、滑車44が、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)に対する前方側とは反対側(すなわち後方側)の位置であって、且つ、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bに対する他端部側(すなわち、供給部12側)の部分を吊るす。なお、滑車248及び滑車44は、バンド11が前方側へ引き出されることで回転する。
【0105】
<第2実施形態に係る作用>
本実施形態では、第1実施形態の作用に加えて、以下の作用を有する。
【0106】
本実施形態では、前述のように、吊部40は、
図10に示されるように、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)に対する前方側の位置であって、且つ、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bを吊るす。
【0107】
このため、吊部40が、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)に対する後方側においてのみバンド11の中間部11Bを吊るす場合に比べ、吊部40によって吊るされたバンド11を、作業者がパレット102の他端(具体的には前端)に対する前方側から手繰り寄せる操作など行う際に、操作がしやすい。
【0108】
具体的には、本実施形態では、吊部40が、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)から他端(具体的には前端)までの間において、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bを吊るす。
【0109】
このため、吊部40が、挿入状態のパレット102の他端(具体的には前端)に対する前方側においてバンド11の中間部11Bを吊るす場合に比べ、吊部40が挿入状態のパレット102の他端(具体的には前端)に対する前方側に張り出さないので、作業者がパレット102の他端(具体的には前端)に対する前方側から梱包材100及びパレット102を移動させて棒体13を穴102Aに挿入する作業などを行う際に、吊部40が邪魔になりにくい。
【0110】
さらに、本実施形態では、吊部40の滑車44が、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)に対する前方側とは反対側(すなわち後方側)の位置であって、且つ、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bに対する他端部側(すなわち、供給部12側)の部分を吊るす。
【0111】
このため、吊部40が滑車248のみを有する場合に比べ、バンド11の中間部11Bに対する他端部側(すなわち、供給部12側)の部分が、挿入状態における梱包材100に接触しにくい。この結果、作業者がバンド11を梱包材100などに巻き掛ける作業を行う際に、バンド11の中間部11Bに対する他端部側(すなわち、供給部12側)の部分が、邪魔になりにくい。
【0112】
<第2実施形態の変形例>
なお、本実施形態では、吊部40は、滑車44及び滑車248を有していたが、これに限られない。例えば、吊部40は、
図11に示されるように、滑車248のみを有する構成であってもよい。
【0113】
また、本実施形態では、吊部40が、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)から他端(具体的には前端)までの間において、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bを吊るしていたが、これに限られない。例えば、吊部40は、挿入状態のパレット102の他端(具体的には前端)に対する前方側においてバンド11の中間部11Bを吊るす構成であってもよい。
【0114】
《第3実施形態》
次に、第3実施形態に係る紐掛け装置300について説明する。
図12~
図14は、第3実施形態に係る紐掛け装置300を示す側面図である。なお、第2実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0115】
紐掛け装置300における吊部40は、
図12に示されるように、支持体42、梁部246及び滑車248に加えて、第一定滑車341と、第二定滑車342と、動滑車343と、を有している。
【0116】
吊部40では、第一定滑車341が、挿入状態のパレット102の一端(具体的には後端)に対する前方側とは反対側(すなわち後方側)の位置であって、且つ、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bを吊るす。
【0117】
また、吊部40では、第二定滑車342が、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置で、バンド11の中間部11Bに対する他端部側(すなわち、供給部12側)の部分を吊るす。
【0118】
さらに、吊部40では、動滑車343が、第一定滑車341と第二定滑車342との間でバンド11が掛け回され、第二定滑車342から第一定滑車341までのバンド11の経路を最大とする最大位置(
図12に示される位置)と、当該経路を最小にする最小位置(
図14に示される位置)との間を移動可能とされている。なお、本実施形態では、最小位置は、動滑車343の移動範囲において最も上方側の位置であり、最大位置は、動滑車343の移動範囲において最も下方側の位置である。
【0119】
また、動滑車343が、最大位置(
図12に示される位置)から最小位置(
図14に示される位置)へ移動することで、梱包材100及びパレット102へのバンド11の巻き掛けが完了可能な長さが引き出されるように、最大位置及び最小位置が設定されている。
【0120】
なお、第一定滑車341、第二定滑車342及び動滑車343は、滑車248と同様に、左右方向を軸方向としており、軸部及びフランジ(符号省略)を有している。バンド11は、第一定滑車341、第二定滑車342及び動滑車343の軸部に対して掛け回されている。
【0121】
<第3実施形態に係る巻掛方法>
本実施形態では、作業者は、保持工程において、動滑車343を最大位置(
図12に示される位置)に位置させる。したがって、バンド11の一端部11Aを棒体13の先端部13Aに保持させた状態において、動滑車343が、最大位置(
図12に示される位置)よりも上方側に位置する場合には、作業者は、供給部12(具体的には巻き軸22)からバンド11を引き出して、動滑車343を最大位置(
図12に示される位置)へ移動させる。
【0122】
さらに、挿入工程において、作業者が、梱包材100が載せられたパレット102の穴102Aに対して、棒体13を挿入すると、第一定滑車341と第二定滑車342との間に存在するバンド11が滑車248側(すなわち前方側)へ引き出され、
図13に示されるように、動滑車343が、最大位置と最小位置との間の位置へ移動する。
【0123】
そして、巻掛工程において、作業者が、バンド11の一端部11Aを棒体13の先端部13Aから取り外し、バンド11の一端部11Aが梱包材100の前方側に位置するまで、バンド11の一端部11Aを手前側に手繰り寄せる。その後、作業者は、バンド11の中間部11B(具体的には滑車248に掛け回された部分)を、梱包材100の前方側へ手繰り寄せる。そして、作業者は、バンド11が梱包材100の周りを1周巻かれた状態で(
図8参照)、バンド11の一端部11Aと中間部11Bとを重ね合わせる。
【0124】
これにより、第一定滑車341と第二定滑車342との間に存在するバンド11がさらに滑車248側(すなわち前方側)へ引き出され、
図14に示されるように、動滑車343が、さらに上方側の位置(例えば最小位置)へ移動する。
【0125】
このように、本実施形態では、保持工程において、梱包材100及びパレット102へのバンド11の巻き掛けが完了可能な長さ分、供給部12からバンド11が供給されるため、挿入工程及び巻掛工程において、巻き軸22は回転せず、供給部12からバンド11が追加で供給されない。
【0126】
<第3実施形態に係る作用>
本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態の作用に加えて、以下の作用を有する。
【0127】
本実施形態では、前述のように、動滑車343が、第一定滑車341と第二定滑車342との間でバンド11が掛け回され、第二定滑車342から第一定滑車341までのバンド11の経路を最大とする最大位置(
図12に示される位置)と、当該経路を最小にする最小位置(
図14に示される位置)との間を移動可能とされている。
【0128】
このため、挿入工程及び巻掛工程において、第一定滑車341と第二定滑車342との間に存在するバンド11が滑車248側(すなわち前方側)へ引き出すことが可能となり、供給部12からバンド11を追加で引き出す量が低減される(当該量が0となる場合を含む)。
【0129】
これにより、第二定滑車342と第一定滑車341との間でバンド11が掛け回された滑車が、定滑車のみである場合に比べ、バンド11を第一定滑車341から第二定滑車342へ引き出す抵抗を低減することが可能となる。
【0130】
さらに、本実施形態では、動滑車343が、最大位置(
図12に示される位置)から最小位置(
図14に示される位置)へ移動することで、梱包材100及びパレット102へのバンド11の巻き掛けが完了可能な長さが引き出されるように、最大位置及び最小位置が設定されている。
【0131】
このため、前述のように、挿入工程及び巻掛工程において、供給部12からバンド11を追加で引き出す必要がなくなる。この結果、動滑車343が、最大位置から最小位置へ移動することで、梱包材100及びパレット102へのバンド11の巻き掛けが完了可能な長さよりも短い長さが引き出される場合に比べ、梱包材100及びパレット102に対してバンド11を巻き掛ける際にバンド11を引き出す抵抗を低減することが可能となる。
【0132】
<第3実施形態の変形例>
なお、本実施形態では、吊部40は、
図12に示されるように、支持体42と、梁部246と、滑車248と、第一定滑車341と、第二定滑車342と、動滑車343と、を有していたが、これに限られない。例えば、吊部40は、梁部246及び滑車248を有せず、支持体42と、第一定滑車341と、第二定滑車342と、動滑車343と、を有する構成であってもよい。
【0133】
また、本実施形態では、動滑車343が、最大位置(
図12に示される位置)から最小位置(
図14に示される位置)へ移動することで、梱包材100及びパレット102へのバンド11の巻き掛けが完了可能な長さが引き出されるように、最大位置及び最小位置が設定されていたが、これに限られない。例えば、当該最大位置及び当該最小位置は、動滑車343が、最大位置から最小位置へ移動することで、梱包材100及びパレット102へのバンド11の巻き掛けが完了可能な長さよりも短い長さが引き出されるように、設定されていてもよい。
【0134】
《第4実施形態》
次に、第4実施形態に係る紐掛け装置400について説明する。
図15及び
図16は、第4実施形態に係る紐掛け装置400を示す側面図である。なお、第3実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0135】
紐掛け装置400における吊部40は、
図15に示されるように、支持体42、梁部246、滑車248、第一定滑車341、第二定滑車342及び動滑車343に加えて、押付ロール449を有している。
【0136】
吊部40では、押付ロール449は、回転可能に支持され、滑車248との間にバンド11を挟む構成部である。この押付ロール449は、具体的には、滑車248の上方側において、梁部246に設けられた支持部(図示省略)に回転可能に支持されている。さらに、押付ロール449は、バネ等の弾性体により下方側へ押し又は引っ張られることで、滑車248に対して、押し付けられている。これにより、押付ロール449は、滑車248の上方側から滑車248との間にバンド11を挟み込む。
【0137】
さらに、押付ロール449は、バンド11が棒体13の先端部13Aへ向かって引き出される方向へのみ回転可能とされている。具体的には、押付ロール449は、ワンウェイクラッチを有しており、
図15及び
図16における時計回り方向へのみ回転する構成とされている。なお、本実施形態では、滑車248が第一回転体の一例であり、押付ロール449が第二回転体の一例である。
【0138】
<第4実施形態に係る作用>
本実施形態では、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の作用に加えて、以下の作用を有する。
【0139】
本実施形態では、前述のように、押付ロール449が、回転可能に支持され、滑車248との間にバンド11を挟む。このため、吊部40が滑車248のみを有する場合に比べ、バンド11の一端部11Aが保持されていない状態においても、バンド11が供給部12へ巻き戻ることが抑制され、バンド11が滑車248から吊るされた状態が維持されやすい。
【0140】
なお、バンド11の一端部11Aが保持されていない状態とは、棒体13の先端部13Aへのバンド11の保持が解除された状態、及び、バンド11が梱包材100に巻き掛けられ、接合機56で熱溶着された後に当該バンド11の端部(熱溶着されていない中間部11B)が接合機56で切断された状態(
図16参照)などがある。
【0141】
また、本実施形態では、押付ロール449は、バンド11が棒体13の先端部13Aへ向かって引き出される方向へのみ回転可能とされている。このため、押付ロール449が両方向へ回転可能とされている場合に比べ、バンド11の一端部11Aが保持されていない状態においても、バンド11が供給部12へ巻き戻ることが抑制され、バンド11が滑車248から吊るされた状態が維持されやすい。
【0142】
本実施形態では、動滑車343が設けられているため、動滑車343の自重により、滑車248から吊るされたバンド11が、第一定滑車341側(後方側)へ引っ張れるが、当該バンド11が第一定滑車341側(後方側)へ移動することが抑制される。
【0143】
<第4実施形態の変形例>
なお、本実施形態では、押付ロール449は、滑車248、第一定滑車341、第二定滑車342及び動滑車343を有する吊部40において、滑車248に対して適用されていたが、これに限られない。例えば、押付ロール449は、第1実施形態における吊部40の滑車44、第2実施形態(
図11の構成を含む)における吊部40の滑車248などに適用してもよい。
【0144】
《第5実施形態》
次に、第5実施形態に係る紐掛け装置500について説明する。
図17~
図23は、第5実施形態に係る紐掛け装置500を示す図である。なお、第3実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0145】
紐掛け装置500は、紐掛け装置300に備えられた構成要素に加えて、
図17に示されるように、操作部510と、移動機構520と、を備えている。なお、紐掛け装置500の左右一対の吊部40の各々では、第一定滑車341、第二定滑車342及び動滑車343は、例えば、支持体42の側面に支持されている。操作部510及び移動機構520は、左右一対の吊部40の各々に設けられており、動滑車343に対する(動滑車343に対して)支持体42とは反対側の側方に配置されている。
【0146】
具体的には、紐掛け装置500の一対の吊部40のうち、右方側の吊部40(
図18参照)では、例えば、第一定滑車341、第二定滑車342及び動滑車343が、支持体42の右側面に支持され、操作部510及び移動機構520が、当該動滑車343の右方側に配置される。また、紐掛け装置500の一対の吊部40のうち、左方側の吊部40では、例えば、第一定滑車341、第二定滑車342及び動滑車343が、支持体42の左側面に支持され、操作部510及び移動機構520が、当該動滑車343の左方側に配置される。
【0147】
操作部510は、棒体13の先端部13Aに対する前方側から作業者による操作が可能な位置に配置されている。操作部510は、具体的には、
図18に示されるように、例えば、作業者が回転操作を行うハンドル511を有している。ハンドル511は、前方に沿った回転軸周りの回転方向へ作業者によって回転操作がなされる。なお、ハンドル511は、ハンドル511から前方側に突出し、ハンドル511を回転させる際に作業者が手で把持し易くするための棒状の握りを設けても良い(
図18に図示したハンドル511の左下部の円を参照)。
【0148】
本実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、棒体13の先端部13Aに対する前方側に位置する作業者が視認可能な位置であって、当該作業者の手の届く範囲に配置される。本実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、第一定滑車341に対する前方側に配置されている。さらに言えば、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、挿入状態のパレット102の一端102R(具体的には後端)に対する前方側であって、挿入状態のパレット102の他端102F(具体的には前端)に対する後方側に配置されている。また、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置であって、第一定滑車341に対する下方側の位置に配置されている。
【0149】
移動機構520は、操作部510(具体的には、ハンドル511)に対して作業者による操作がなされると、動滑車343を最大位置(
図17に示される位置)へ移動させる機構である。具体的には、
図18及び
図19に示されるように、移動機構520は、シャフト521と、第三定滑車523と、負荷ロール526と、ワイヤ522と、第四定滑車524と、第五定滑車525と、取付部材527と、伝達機構530(
図20及び
図21参照)と、を備えている。シャフト521は、軸部の一例である。負荷ロール526は、負荷付与部の一例である。ワイヤ522は、連結部材の一例である。
【0150】
シャフト521は、前方に沿った回転軸周りに回転可能とされ、ハンドル511が前方側の一端部(以下、前端部という)に設けられている。このシャフト521は、具体的には、前方に沿った回転軸周りに回転可能に支持体(図示省略)に支持されている。
【0151】
シャフト521は、作業者がハンドル511を予め定められた回転方向(以下、操作方向という)へ回転操作することで、ハンドル511と一体に操作方向へ回転する。なお、操作方向は、例えば、
図18及び
図19における反時計回り方向(矢印X1)とされる。
【0152】
第三定滑車523は、シャフト521の後端部に設けられている。シャフト521の後端部は、軸部の反対側の他端部の一例である。第三定滑車523は、シャフト521が操作方向に回転する場合に、シャフト521と共に操作方向へ回転し、自らが操作方向に対する逆方向(以下、反操作方向という)に回転する場合に、シャフト521に対して空転する。本実施形態では、伝達機構530により、第三定滑車523の操作方向への回転と、第三定滑車523の反操作方向における空転を実現する。なお、第三定滑車523は、シャフト521に対して回転可能に支持されている。反操作方向は、例えば、
図18及び
図19における時計回り方向(矢印X2)とされる。
【0153】
伝達機構530(
図20及び
図21参照)は、シャフト521の操作方向への回転力を第三定滑車523へ伝達し、第三定滑車523の反操作方向への回転力をシャフト521へ伝達しない機構であり、固定部材531と、ピン532と、突起533と、を有している。
【0154】
突起533は、シャフト521に対する径方向外側において、第三定滑車523から後方側へ突出している。本実施形態では、2つの突起533が備えられており、一方の突起533が、シャフト521に対する径方向外側の一方に配置され、他方の突起533が、シャフト521に対する径方向外側の他方に配置されている。
【0155】
固定部材531は、2つの突起533の間において、第三定滑車523に対する後方側でシャフト521に固定されており、シャフト521と一体に回転する。
【0156】
ピン532は、固定部材531から径方向外側へ向かって自重により突出可能に固定部材531に支持されている。すなわち、本実施形態では、ピン532は、自重により、突出位置(
図23に示される位置)と、引込位置(
図21に示される位置)と、に移動する。
【0157】
伝達機構530では、作業者がハンドル511を操作方向へ回転させると、シャフト521と共に固定部材531が操作方向へ回転し、ピン532が下方側を向くと、自重により、引込位置(
図21に示される位置)から徐々に突出する(
図22参照)。さらに、シャフト521と共に固定部材531が操作方向へ回転し、ピン532が、自重により、突出位置(
図23に示される位置)まで突出し、突起533に対する回転方向上流側で突起533に接触する。シャフト521が操作方向へ回転する状態では、ピン532が突起533に押し付けられるため、この接触状態が維持され、シャフト521の操作方向への回転力が第三定滑車523へ伝達されて、第三定滑車523がシャフト521と共に操作方向へ回転する。
【0158】
一方、第三定滑車523が反操作方向へ回転すると、ピン532が突出位置(
図23に示される位置)へ突出していた場合、突起533がピン532に接触して、固定部材531を回転させ、ピン532が上方側を向くと、自重により、引込位置(
図21に示される位置)へ引っ込む。これにより、突起533とピン532との接触状態が解除され、第三定滑車523がシャフト521に対して空転する。
【0159】
ワイヤ522は、第三定滑車523と動滑車343とに連結されている。第四定滑車524及び第五定滑車525は、ワイヤ522の経路中に配置され、ワイヤ522が巻き掛けられている。第四定滑車524及び第五定滑車525は、前方に沿った回転軸周りに回転可能に支持体(図示省略)に支持されている。
【0160】
なお、移動機構520としては、第四定滑車524及び第五定滑車525は、一方のみが設けられる構成であってもよく、第四定滑車524及び第五定滑車525の両方が設けられていない構成であってもよい。
【0161】
負荷ロール526は、第三定滑車523に接触して、第三定滑車523の反操作方向への回転に対して負荷を付与する。この負荷ロール526は、第三定滑車523の回転に伴って、従動回転する。なお、負荷ロール526は、第三定滑車523の操作方向への回転に対しても負荷を付与している。
【0162】
そして、移動機構520では、作業者がハンドル511を操作方向へ回転操作すると、シャフト521がハンドル511と一体に操作方向へ回転する。シャフト521が操作方向へ回転すると、伝達機構530により、シャフト521の操作方向への回転力が第三定滑車523へ伝達され、第三定滑車523が操作方向へ回転する。これにより、第三定滑車523がワイヤ522を巻き上げて、動滑車343を下方側へ引っ張り、動滑車343を最大位置へ移動させる。
【0163】
このように、移動機構520では、ハンドル511の回転操作により、第三定滑車523が操作方向へ回転してワイヤ522を巻き上げることで、動滑車343を最大位置へ移動させる。
【0164】
ここで、作業者が、バンド11の一端部11Aを手前側に手繰り寄せて、バンド11を梱包材100の周りに巻き掛けると、動滑車343が最大位置側から最小位置側へ向けて移動する。このとき、第三定滑車523に巻き上げられたワイヤ522が、第三定滑車523から巻き出される。これにより、第三定滑車523が反操作方向へ回転するが、シャフト521に対して空転するため、ハンドル511の回転が抑制される。
【0165】
<第5実施形態に係る作用>
本実施形態では、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の作用に加えて、以下の作用を有する。
【0166】
本実施形態では、前述のように、移動機構520は、操作部510(具体的には、ハンドル511)に対して作業者による操作がなされると、動滑車343を最大位置(
図17に示される位置)へ移動させる。そして、操作部510は、棒体13の先端部13Aに対する前方側から作業者による操作が可能な位置に配置されている。
【0167】
このため、作業者が、棒体13の先端部13Aに対する前方側から後方側へ移動せずに、動滑車343を最大位置(
図17に示される位置)へ移動させることが可能となる。
【0168】
また、本実施形態では、移動機構520は、ハンドル511の回転操作により、第三定滑車523が操作方向へ回転してワイヤ522を巻き上げることで、動滑車343を最大位置へ移動させる。
【0169】
このため、ハンドル511を後方から前方へ移動させる操作により、移動機構520が動滑車343を最小位置から最大位置へ移動させる場合に比べ、ハンドル511の移動に必要なスペースが小さくなる。
【0170】
また、本実施形態では、第三定滑車523は、反操作方向へは、シャフト521に対して空転する。
【0171】
このため、第三定滑車523が反操作方向へシャフト521と一体に回転する場合に比べ、ワイヤ522が第三定滑車523から巻き出された場合において、ハンドル511が回転することが抑制される。具体的には、第三定滑車523が反操作方向へシャフト521と一体に回転する場合、作業者がハンドル511に衝突すると大きな怪我をする危険がある。これに対し、ハンドル511が回転していない場合は、このような危険を回避できる。
【0172】
また、本実施形態では、負荷ロール526は、第三定滑車523に接触して、第三定滑車523の反操作方向への回転に対して負荷を付与する。
【0173】
このため、第三定滑車523の反操作方向への回転に対して無負荷である場合に比べ、ワイヤ522が第三定滑車523に巻き上げられている最中等に、第三定滑車523が反操作方向へ必要以上に回転することが抑制される。具体的には、第三定滑車523の反操作方向への回転に対して無負荷である場合において、動滑車343の上昇速度が減速した場合、又は動滑車343が上昇後に停止した場合は、第三定滑車523が慣性力によりこれまで通りの回転速度で反操作方向へ回転し続けることになる。そうすると、動滑車343の上昇時に第三定滑車523に巻き取られていたワイヤ522は、動滑車343の減速等の後、第三定滑車523から外れることになる。負荷ロール526は、このような慣性力による第三定滑車523の不必要な反操作方向への回転を抑制できるので、前記した不具合の発生(第三定滑車523からのワイヤ522の外れ)を抑制できる。
【0174】
また、本実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、第一定滑車341に対する前方側に配置されている。
【0175】
このため、操作部510(具体的には、ハンドル511)が第一定滑車341に対する後方側に配置されている場合に比べ、作業者と操作部510との距離が近づき、作業者が、棒体13の先端部13Aに対する前方側から操作部510の操作を行いやすい。
【0176】
また、本実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、挿入状態のパレット102の一端102R(具体的には後端)に対する前方側に配置されている。
【0177】
このため、操作部510が挿入状態のパレット102の一端102Rに対する後方側に配置されている場合に比べ、作業者と操作部510との距離が近づき、作業者が、棒体13の先端部13Aに対する前方側から操作部510の操作を行いやすい。
【0178】
また、本実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置に配置されている。
【0179】
このため、操作部510が挿入状態における梱包材100に対する下方側の位置に配置されている場合に比べ、操作部510と梱包材100とが干渉することが抑制される。
【0180】
また、本実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、第一定滑車341に対する下方側の位置に配置されている。
【0181】
このため、操作部510が第一定滑車341に対する上方側の位置に配置されている場合に比べ、作業者と操作部510との距離が近づき、作業者が、棒体13の先端部13Aに対する前方側から操作部510の操作を行いやすい。
【0182】
<第5実施形態の変形例>
第5実施形態では、連結部材の一例としてワイヤ522を用いたが、これに限られない。連結部材の一例としては、例えば、チェーンなどを用いてもよい。
【0183】
また、第5実施形態では、伝達機構530により、第三定滑車523の操作方向への回転と、第三定滑車523の反操作方向における空転を実現していたが、これに限られない。スプラグやカムを用いたワンウェイクラッチを用いて、第三定滑車523の操作方向への回転と、第三定滑車523の反操作方向における空転を実現してもよい。
【0184】
また、第5実施形態では、負荷付与部の一例として、負荷ロール526を用いたが、これに限られない。負荷付与部の一例としては、回転しない非回転部材(例えばパッドなど)であってもよい。
【0185】
また、第5実施形態では、紐掛け装置500は、操作部510及び移動機構520を備えていたが、これに限られず、第3実施形態のように、操作部510及び移動機構520を備えていない構成であってもよい。換言すれば、紐掛け装置としては、作業者が、棒体13の先端部13Aに対する前方側から後方側へ移動して、動滑車343を最大位置(
図17に示される位置)へ移動させる構成であってもよい。
【0186】
また、第5実施形態では、移動機構520は、ハンドル511の回転操作により、第三定滑車523が操作方向へ回転してワイヤ522を巻き上げることで、動滑車343を最大位置へ移動させていたが、これに限られない。例えば、ハンドル511を前方へ移動させる操作により、移動機構520が動滑車343を最大位置へ移動させる構成であってもよい。さらに、作業者による操作部への操作により、駆動モータが作動し、駆動モータの駆動力により第三定滑車523が回転してワイヤ522を巻き上げる構成であってもよい。
【0187】
また、第5実施形態では、第三定滑車523は、反操作方向へは、シャフト521に対して空転していたが、これに限られない。例えば、第三定滑車523が反操作方向へシャフト521と一体に回転する構成であってもよい。
【0188】
また、第5実施形態では、負荷ロール526は、第三定滑車523に接触して、第三定滑車523の反操作方向への回転に対して負荷を付与していたが、これに限られない。例えば、第三定滑車523の反操作方向への回転に対して無負荷である構成であってもよい。
【0189】
また、第5実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、第一定滑車341に対する前方側に配置されていたが、これに限られない。例えば、操作部510(具体的には、ハンドル511)が第一定滑車341に対する後方側に配置されていてもよい。
【0190】
また、第5実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、挿入状態のパレット102の一端102R(具体的には後端)に対する前方側に配置されていたが、これに限られない。例えば、操作部510が挿入状態のパレット102の一端102Rに対する後方側に配置されていてもよい。
【0191】
また、第5実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、挿入状態における梱包材100に対する上方側の位置に配置されていたが、これに限られない。例えば、操作部510が挿入状態における梱包材100に対する下方側の位置に配置されていてもよい。
【0192】
また、第5実施形態では、操作部510(具体的には、ハンドル511)は、
図17に示されるように、第一定滑車341に対する下方側の位置に配置されていたが、これに限られない。例えば、操作部510が第一定滑車341に対する上方側の位置に配置されていてもよい。
【0193】
また、第5実施形態では、操作部510及び移動機構520は、左右一対の吊部40の各々に設けられていたが、これに限られない。例えば、左右一対の吊部40に対して、1つの操作部510及び移動機構520が設けられ、当該操作部510への操作により、移動機構520が、一対の吊部40の動滑車343を一括して、最大位置へ移動させる構成であってもよい。
【0194】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した実施形態及び変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0195】
<付記1>
(((1)))
一方向に延び、先端部で紐の一端部を保持する棒体であって、対象が載せられ、該一方向に貫通する穴が形成された基台の一端から該穴に挿入した挿入状態において該先端部が該基台の他端から突出する棒体と、
該挿入状態の該基台の該一端に対する該一方向側とは反対側において、該挿入状態における該対象に対する上方側の位置で前記紐の中間部を吊るす第一定滑車と、
前記位置で前記紐の中間部に対する他端部側の部分を吊るす第二定滑車と、
前記第二定滑車と前記第一定滑車との間で前記紐が掛け回され、前記第二定滑車から前記第一定滑車までの前記紐の経路を最大とする最大位置と、当該経路を最小にする最小位置との間を移動可能とされた動滑車と、
を備える紐掛け装置。
【0196】
(((2)))
前記動滑車が、前記最大位置から前記最小位置へ移動することで、前記対象及び前記基台への紐の巻き掛けが完了可能な長さが引き出されるように、前記最大位置及び前記最小位置が設定されている
(((1)))に記載の紐掛け装置。
【0197】
(((3)))
前記棒体の前記先端部に対する前記一方向側から作業者による操作が可能な位置に配置された操作部と、
前記操作部に対して前記操作がなされると、前記動滑車を前記最大位置へ移動させる移動機構と、
を備える(((1)))又は(((2)))に記載の紐掛け装置。
【0198】
(((4)))
前記操作部は、前記一方向に沿った回転軸周りの回転方向へ前記作業者によって回転操作がなされるハンドルを有し、
前記移動機構は、
前記一方向に沿った回転軸周りに回転可能とされ、前記ハンドルが前記一方向側の一端部に設けられた軸部と、
前記軸部における前記反対側の他端部に設けられた第三定滑車と、
前記第三定滑車と前記動滑車とに連結された連結部材と、
を有し、
前記ハンドルの回転操作により、前記第三定滑車が前記回転方向へ回転して前記連結部材を巻き上げることで、前記動滑車を前記最大位置へ移動させる
(((3)))に記載の紐掛け装置。
【0199】
(((5)))
前記第三定滑車は、前記回転方向に対する逆方向へは、前記軸部に対して空転する
(((4)))に記載の紐掛け装置。
【0200】
(((6)))
前記移動機構は、
前記第三定滑車に接触して、前記第三定滑車の前記逆方向への回転に対して負荷を付与する負荷付与部
を有する
(((5)))に記載の紐掛け装置。
【0201】
(((7)))
前記操作部は、
前記第一定滑車に対する前記一方向側に配置されている
(((3)))~(((6)))のいずれか1つに記載の紐掛け装置。
【0202】
(((8)))
前記操作部は、
前記挿入状態の前記基台の前記一端に対する前記一方向側に配置されている
(((7)))に記載の紐掛け装置。
【0203】
(((9)))
前記操作部は、
前記挿入状態における前記対象に対する上方側の位置に配置されている
(((3)))~(((8)))のいずれか1つに記載の紐掛け装置。
【0204】
(((10)))
前記操作部は、
前記第一定滑車に対する下方側の位置に配置されている
(((9)))に記載の紐掛け装置。
【0205】
(((1)))の構成によれば、第二定滑車と第一定滑車との間で紐が掛け回された滑車が、定滑車のみである場合に比べ、紐を第二定滑車から第一定滑車へ引き出す抵抗を低減できる。
【0206】
(((2)))の構成によれば、動滑車が、最大位置から最小位置へ移動することで、対象及び基台への紐の巻き掛けが完了可能な長さよりも短い長さが引き出される場合に比べ、対象及び基台に対して紐を巻き掛ける際に紐を引き出す抵抗を低減できる。
【0207】
(((3)))の構成によれば、作業者が、棒体の一端部に対する一方向側から、一方向に対する反対側へ移動せずに、動滑車を最大位置へ移動させることが可能となる。
【0208】
(((4)))の構成によれば、ハンドルを一方向へ移動させる操作により、移動機構が動滑車を最大位置へ移動させる場合に比べ、ハンドルの移動に必要なスペースを小さくできる。
【0209】
(((5)))の構成によれば、第三定滑車が逆方向へ軸部と一体に回転する場合に比べ、連結部材が第三定滑車から巻き出された場合においてハンドルが回転することが抑制される。
【0210】
(((6)))の構成によれば、第三定滑車の逆方向への回転に対して無負荷である場合に比べ、連結部材が第三定滑車に巻き上げられている最中に、第三定滑車が逆方向へ回転することが抑制される。
【0211】
(((7)))の構成によれば、操作部が第一定滑車に対する一方向側とは反対側に配置されている場合に比べ、作業者が、棒体の一端部に対する一方向側から操作部の操作を行いやすい。
【0212】
(((8)))の構成によれば、操作部が、挿入状態の基台の一端に対する一方向側とは反対側に配置されている場合に比べ、作業者が、棒体の一端部に対する一方向側から操作部の操作を行いやすい。
【0213】
(((9)))の構成によれば、操作部が、挿入状態における対象に対する下方側の位置に配置されている場合に比べ、操作部と対象とが干渉することが抑制される。
【0214】
(((10)))の構成によれば、操作部が第一定滑車に対する上方側の位置に配置されている場合に比べ、作業者が、棒体の一端部に対する一方向側から操作部の操作を行いやすい。
【0215】
<付記2>
紐掛け装置としては、一方向に延びる棒体であって、対象が載せられ、該一方向に貫通する穴が形成された基台の一端から該穴に挿入した挿入状態において先端部が該基台の他端から突出する棒体、を備えた紐掛け装置が考えられる。
【0216】
当該紐掛け装置において、棒体の基端部から先端部に沿って紐を配置した後に、棒体を穴に挿入して、紐を対象に巻き掛ける場合では、棒体の基端部から先端部に沿って紐を配置する作業が必要となり、装置の稼働率(すなわち単位時間当たりの紐の対象及び基台への巻き掛け数)が低下する。
【0217】
以下の(((1)))~(((12)))は、棒体の基端部から先端部に沿って紐を配置した後に棒体を穴に挿入する場合に比べ、装置の稼働率が向上する紐掛け装置を提供することを目的とする。
【0218】
(((1)))
一方向に延び、先端部で紐の一端部を保持する棒体であって、対象が載せられ、該一方向に貫通する穴が形成された基台の一端から該穴に挿入した挿入状態において該先端部が該基台の他端から突出する棒体と、
該挿入状態における該対象に対する上方側の位置で該紐の中間部を吊るす吊部と、
を備えた紐掛け装置。
【0219】
(((2)))
前記吊部は、前記挿入状態の前記基台の前記一端に対する前記一方向側において前記位置で前記紐の中間部を吊るす
(((1)))に記載の紐掛け装置。
【0220】
(((3)))
前記吊部は、前記挿入状態の前記基台の前記一端から前記他端までの間において前記位置で前記紐の中間部を吊るす
(((2)))に記載の紐掛け装置。
【0221】
(((4)))
前記吊部は、
前記挿入状態の前記基台の前記一端に対する前記一方向側において前記位置で前記紐の中間部を吊るす第一吊部と、
前記挿入状態の前記基台の前記一端に対する前記一方向側とは反対側において前記位置で前記紐の中間部に対する他端部側の部分を吊るす第二吊部と、
を有する
(((2)))又は(((3)))に記載の紐掛け装置。
【0222】
(((5)))
前記吊部は、
前記挿入状態の前記基台の前記一端に対する前記一方向側とは反対側において前記位置で前記紐の中間部を吊るす第一定滑車と、
前記位置で前記紐の中間部に対する他端部側の部分を吊るす第二定滑車と、
前記第二定滑車と前記第一定滑車との間で前記紐が掛け回され、前記第二定滑車から前記第一定滑車までの前記紐の経路を最大とする最大位置と、当該経路を最小にする最小位置との間を移動可能とされた動滑車と、
を有する
(((1)))~(((4)))のいずれか1つに記載の紐掛け装置。
【0223】
(((6)))
前記動滑車が、前記最大位置から前記最小位置へ移動することで、前記対象及び前記基台への紐の巻き掛けが完了可能な長さが引き出されるように、前記最大位置及び前記最小位置が設定されている
(((5)))に記載の紐掛け装置。
【0224】
(((7)))
前記吊部は、
回転可能に支持され、該挿入状態における該対象に対する上方側の位置で該紐の中間部を吊るす第一回転体と、
回転可能に支持され、前記第一回転体との間に前記紐を挟む第二回転体と、
を有する
(((1)))~(((6)))のいずれか1つに記載の紐掛け装置。
【0225】
(((8)))
前記第二回転体は、前記紐が前記棒体の先端部へ向かって引き出される方向へのみ回転可能とされている
(((7)))に記載の紐掛け装置。
【0226】
(((9)))
前記棒体の基端部に対する前記一方向とは反対側に配置され、紐を前記吊部へ供給する供給部
を備える
(((1)))~(((8)))のいずれか1つに記載の紐掛け装置。
【0227】
(((10)))
前記供給部は、
前記紐が巻かれ、回転により前記紐を供給する軸部と、
前記軸部の回転に対して抵抗を付与する付与部と、
を有する
(((9)))に記載の紐掛け装置。
【0228】
(((11)))
前記挿入状態における前記対象に対する前記一方向側の接合位置と、前記接合位置から退避する退避位置と、に移動可能とされ、前記紐の一端部と中間部を接合可能な接合部
を備える
(((1)))~(((10)))のいずれか1つに記載の紐掛け装置。
【0229】
(((12)))
前記接合部は、
前記接合位置において、左右方向へ移動可能とされている
(((11)))に記載の紐掛け装置。
【0230】
(((1)))の構成によれば、棒体の基端部から先端部に沿って紐を配置した後に棒体を穴に挿入する場合に比べ、装置の稼働率が向上する。
【0231】
(((2)))の構成によれば、吊部が、挿入状態の基台の一端に対する一方向側とは反対側においてのみ紐の中間部を吊るす場合に比べ、吊部によって吊るされた紐を作業者が基台の他端に対する一方向側から手繰り寄せる操作などを行う際に、操作がしやすい。
【0232】
(((3)))の構成によれば、吊部が、挿入状態の基台の他端に対する一方向側において紐の中間部を吊るす場合に比べ、作業者が基台の他端に対する一方向側から対象及び基台を移動させて棒体を穴に挿入する作業などを行う際に、吊部が邪魔になりにくい。
【0233】
(((4)))の構成によれば、吊部が第一吊部のみを有する場合に比べ、紐の中間部に対する他端部側の部分が、挿入状態における対象に接触しにくい。
【0234】
(((5)))の構成によれば、動滑車の位置が固定されている場合(すなわち、動滑車が定滑車として構成されている場合)に比べ、紐を引き出す抵抗を低減できる。
【0235】
(((6)))の構成によれば、動滑車が、最大位置から最小位置へ移動することで、対象及び基台への紐の巻き掛けが完了可能な長さよりも短い長さが引き出される場合に比べ、対象及び基台に対して紐を巻き掛ける際に紐を引き出す抵抗を低減できる。
【0236】
(((7)))の構成によれば、吊部が第一回転体のみを有する場合に比べ、紐の一端部が保持されていない状態においても紐が吊るされた状態が維持されやすい。
【0237】
(((8)))の構成によれば、第二回転体が両方向へ回転可能とされている場合に比べ、紐の一端部が保持されていない状態においても紐が吊るされた状態が維持されやすい。
【0238】
(((9)))の構成によれば、供給部が棒体の基端部に対する一方向側に配置されている場合に比べ、供給部の配置位置の自由度が高い。
【0239】
(((10)))の構成によれば、供給部が軸部のみを有する場合に比べ、供給部に巻かれた紐の量が減少して、紐の自重による回転抵抗が低減した場合でも、紐が供給部から不必要に供給されることが抑制される。
【0240】
(((11)))の構成によれば、接合部が、挿入状態における対象に対する一方向側の位置に固定されている場合に比べ、作業者が基台の他端に対する一方向側から対象及び基台を移動させて棒体を穴に挿入する作業などを行う際に、接合部が邪魔になりにくい。
【0241】
(((12)))の構成によれば、接合部が接合位置と退避位置とのみに移動可能である場合に比べ、対象及び基台に対して左右方向の異なる位置へ紐を巻き掛けた際に、当該紐を接合しやすい。
【符号の説明】
【0242】
10、200、300、400、500 紐掛け装置
11 バンド(紐の一例)
11A 一端部
11B 中間部
12 供給部
13 棒体
13A 先端部
13B 基端部
20 送出部
22 巻き軸(軸部の一例)
24 フランジ
26 基体
28 支持体
30 付与部
32 腕部
34 ロール
40 吊部
42 支持体
44 滑車(第二吊部の一例)
44A 軸部
44B フランジ
50 接合機構
52 支持体
54 移動体
54A 表面
56 接合機(接合部の一例)
56A スリット
58 支持部
59 腕部
100 梱包材(対象の一例)
102 パレット(基台の一例)
102A 穴
246 梁部
248 滑車(第一吊部の一例、第一回転体の一例)
248A 軸部
248B フランジ
341 第一定滑車
342 第二定滑車
343 動滑車
449 押付ロール(第二回転体の一例)
510 操作部
511 ハンドル
520 移動機構
521 シャフト(軸部の一例)
522 ワイヤ(連結部材の一例)
523 第三定滑車
524 第四定滑車
525 第五定滑車
526 負荷ロール(負荷付与部の一例)
527 取付部材
530 伝達機構
531 固定部材
532 ピン
533 突起