(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088399
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】システム、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/57 20130101AFI20240625BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G06F21/57 370
G08G1/01 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203538
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 陽夫
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA21
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE11
5H181FF13
5H181FF14
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】ラベルの生成に必要な高精度かつ正確なデータを初回から集めることなく、端末情報の蓄積を可能とする。
【解決手段】システム(100)は、端末情報を取得する第一取得部(132)と、クリアランス情報を取得する第二取得部(133)と、ラベルを生成する生成部(137)と、を備え、生成部は、端末情報の取得が初回である場合は未定ラベルを生成し、2回目以降である場合は信頼ラベルまたは不審ラベルを生成する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置から、各端末装置に関する端末情報をそれぞれ繰り返し取得する第一取得部と、
各端末装置のセキュリティクリアランスに関するクリアランス情報をそれぞれ取得する第二取得部と、
前記端末情報の信頼性を示すラベルを生成する生成部と、
前記端末情報を、前記ラベルと対応付けて登録する登録部と、
を備え、
前記生成部は、一の前記端末装置に関する前記端末情報の取得が、
初回である場合は、信頼できるか否かが未定であることを示す未定ラベルを生成し、
2回目以降である場合は、前記クリアランス情報に基づいて、信頼できることを示す信頼ラベル、または信頼できないことを示す不審ラベルを生成する、
システム。
【請求項2】
前記端末装置のセキュリティクリアランスに関する情報であって、前記クリアランス情報とは異なる第二クリアランス情報を取得する第三取得部を備え、
前記生成部は、前記クリアランス情報および前記第二クリアランス情報に基づいて、前記信頼ラベルまたは前記不審ラベルを生成する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記端末装置は、車両であり、
前記第三取得部は、車両メーカ、車両業界団体、または警察が管理するデータベースから前記第二クリアランス情報を取得する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記クリアランス情報を蓄積するデータベースと、
これまでに取得した複数の前記端末情報を解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に応じて前記データベースを更新する更新部と、
を備え、
前記生成部は、前記更新部により更新された前記データベースの前記クリアランス情報に基づいて、前記信頼ラベルまたは前記不審ラベルを生成する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
登録されている前記端末情報を、複数の前記端末装置のうち、当該端末情報の配信を要求してきた端末装置へ配信する配信部を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記配信部は、登録されている複数の前記端末情報のうち、前記信頼ラベルと対応付けられた前記端末情報を配信する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の端末装置は、複数のグループに分類されており、
前記端末情報は、前記複数のグループのうち第一グループに属する端末装置に限って配信可能に設定される第一グループ配信情報を含み、
前記配信部は、前記端末情報の配信を要求してきた端末装置が前記第一グループとは異なる第二グループに分類されている場合は、前記第一グループに分類されている端末装置から取得した前記端末情報のうち、前記第一グループ配信情報を除いて配信する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記端末装置が、認証されたものであるか否かを判断する判断部を備え、
前記第一取得部は、前記端末装置が認証されたものであると前記判断部が判断した場合に、当該端末装置から前記端末情報を取得する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
プロセッサに、
複数の端末装置から、各端末装置が検知した周囲の環境に関する端末情報をそれぞれ繰り返し取得するステップと、
各端末装置のセキュリティクリアランスに関するクリアランス情報をそれぞれ取得するステップと、
前記端末情報の信頼性を示すラベルを生成するステップと、
前記端末情報を、前記ラベルと対応付けて登録するステップと、
を実行させ、
前記ラベルを生成するステップでは、一の前記端末装置に関する前記端末情報の取得が、
初回である場合は、信頼できるか否かが未定であることを示す未定ラベルを生成し、
2回目以降である場合は、前記クリアランス情報に基づいて、信頼できることを示す信頼ラベル、または信頼できないことを示す不審ラベルを生成する、
プログラム。
【請求項10】
複数の端末装置から、各端末装置が検知した周囲の環境に関する端末情報をそれぞれ繰り返し取得するステップと、
各端末装置のセキュリティクリアランスに関するクリアランス情報をそれぞれ取得するステップと、
前記端末情報の信頼性を示すラベルを生成するステップと、
前記端末情報を、前記ラベルと対応付けて登録するステップと、
を有し、
前記ラベルを生成するステップでは、一の前記端末装置に関する前記端末情報の取得が、
初回である場合は、信頼できるか否かが未定であることを示す未定ラベルを生成し、
2回目以降である場合は、前記クリアランス情報に基づいて、信頼できることを示す信頼ラベル、または信頼できないことを示す不審ラベルを生成する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバと通信する車両、いわゆるコネクテッドカーが扱う情報のセキュリティに関する各種技術が従来提案されている。例えば特許文献1には、車両との通信を表す第一のイベント、および車両の操作に関連する車両データを含む第一のデータのセットに基づいて正常な挙動モデルを作成する機能と、正常な挙動モデル、ならびに車両との通信を表す第二のイベント、および車両の操作に関連する車両データを含む第二のデータのセットに基づいて異常を検出する機能と、検出された異常に基づいて緩和動作を判定する機能と、緩和動作を実施させる機能と、を備えるシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような従来技術では、初めから正常な挙動モデルを作成しておいた上で、当該正常な挙動モデルに基づく異常検出を行う必要がある。このような方法では、最初の正常な挙動モデルを作成するまでの間に、当該正常な挙動モデルを作成するための高精度かつ正確なデータを多く集めなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るシステムは、複数の端末装置から、各端末装置に関する端末情報をそれぞれ繰り返し取得する第一取得部と、各端末装置のセキュリティクリアランスに関するクリアランス情報をそれぞれ取得する第二取得部と、前記端末情報の信頼性を示すラベルを生成する生成部と、前記端末情報を、前記ラベルと対応付けて登録する登録部と、を備え、前記生成部は、一の前記端末装置に関する前記端末情報の取得が、初回である場合は、信頼できるか否かが未定であることを示す未定ラベルを生成し、2回目以降である場合は、前記クリアランス情報に基づいて、信頼できることを示す信頼ラベル、または信頼できないことを示す不審ラベルを生成する。
【0006】
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、プロセッサに、複数の端末装置から、各端末装置が検知した周囲の環境に関する端末情報をそれぞれ繰り返し取得するステップと、各端末装置のセキュリティクリアランスに関するクリアランス情報をそれぞれ取得するステップと、前記端末情報の信頼性を示すラベルを生成するステップと、前記端末情報を、前記ラベルと対応付けて登録するステップと、を実行させ、前記ラベルを生成するステップでは、一の前記端末装置に関する前記端末情報の取得が、初回である場合は、信頼できるか否かが未定であることを示す未定ラベルを生成し、2回目以降である場合は、前記クリアランス情報に基づいて、信頼できることを示す信頼ラベル、または信頼できないことを示す不審ラベルを生成する。
【0007】
また、本発明の他の態様に係る情報処理方法は、複数の端末装置から、各端末装置が検知した周囲の環境に関する端末情報をそれぞれ繰り返し取得するステップと、各端末装置のセキュリティクリアランスに関するクリアランス情報をそれぞれ取得するステップと、前記端末情報の信頼性を示すラベルを生成するステップと、前記端末情報を、前記ラベルと対応付けて登録するステップと、を有し、前記ラベルを生成するステップでは、一の前記端末装置に関する前記端末情報の取得が、初回である場合は、信頼できるか否かが未定であることを示す未定ラベルを生成し、2回目以降である場合は、前記クリアランス情報に基づいて、信頼できることを示す信頼ラベル、または信頼できないことを示す不審ラベルを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】同システムが備える車両の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】同システムが備えるサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】同システムが備えるデータベースのデータ構造の一例を示す表である。
【
図5】同システムが備えるデータベースのデータ構造の他の例を示す表である。
【
図6】本発明の第二実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図7】同システムが備えるデータベースのデータ構造の一例を示す表である。
【
図8】同システムが備えるデータベースのデータ構造の他の例を示す表である。
【
図9】本発明の実施形態に係る情報処理方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第一実施形態>
まず、本発明の第一実施形態について詳細に説明する。
【0010】
システム100は、サーバ1と、複数の端末装置2と、通信ネットワークN1と、を備える。サーバ1および複数の端末装置2は、通信ネットワークN1を介して互いに通信する。本実施形態に係る端末装置2は、車両である。また、通信ネットワークN1は、例えば、セルラー通信網である。また、サーバ1は、通信ネットワークN2を介して外部サーバSとも通信する。通信ネットワークN2は、サーバ1と車両2との通信を担う通信ネットワークN1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、通信ネットワークN1と異なる場合、通信ネットワークN2は、セルラー通信網であってもよいし、固定網であってもよい。外部サーバSには、例えば、車両メーカ、車両業界団体、警察等が管理するサーバが含まれる。なお、端末装置2は、移動可能に構成されたもの、乗り物に搭載されたもの、乗り物に乗る人が所持または身に着けたもの等であれば、その形態は特に限定されない。すなわち、端末装置2は、車両の他、例えば、ドローン、自転車、携帯電話機等であってもよい。
【0011】
[車両]
車両2は、いわゆるコネクテッドカーである。
図2に示したように、各車両2は、車両側通信部21と、車両側記憶部22と、車両側制御部23と、情報取得部24と、を備える。
【0012】
〔車両側通信部〕
車両側通信部21は、サーバ1と通信する。本実施形態に係る車両側通信部21は、無線通信モジュールで構成されている。すなわち、本実施形態に係る車両側通信部21は、通信ネットワークN1を介してサーバ1と無線通信する。
【0013】
〔車両側記憶部〕
車両側記憶部22は、車両プログラム221を記憶している。車両プログラム221は、車両2を動作させるためのものである。本実施形態に係る車両側記憶部22は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成されている。
【0014】
〔情報取得部〕
情報取得部24は、カメラ、少なくとも1種類のセンサ、測距衛星からの電波の受信機、および測距手段(Radar、Lidar等)の少なくともいずれかを含む。カメラは、車両2の少なくとも外側を撮影し画像データを生成する。画像データは、動画データであってもよいし、静止画データであってもよい。少なくとも1種類のセンサは、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、ウインカー、およびワイパーの少なくともいずれかの動作を検出し運転データを生成する。測距手段は、車両の外側に電波または光を発し、反射してきた電波または光を検知して反射データを生成する。
【0015】
〔車両側制御部〕
車両側制御部23は、収集部231と、車両側生成部232と、第一送信制御部233と、第二送信制御部234と、第三送信制御部235と、車両側取得部236と、動作制御部237と、を備える。本実施形態に係る車両側制御部23は、プロセッサで構成されている。このプロセッサが上記車両側記憶部22に記憶されている車両プログラム221を実行する。これにより、車両プログラム221は、プロセッサを上記各制御ブロック231~237として機能させることができる。
【0016】
(収集部)
収集部231は、情報取得部24からデータを収集する。本実施形態に係る収集部231は、データを定期的に収集する。
【0017】
(車両側生成部)
車両側生成部232は、収集部231が収集したデータに基づいて端末情報を生成する。端末情報は、各車両2に関する情報である。端末情報は、環境情報、および車両情報の少なくとも一方を含む。
【0018】
環境情報は、各車両2が検知した周囲の環境に関する情報であり、画像データや反射データに基づいて生成される。環境情報には、例えば、車両の周囲に存在する障害物の位置や、車両2が走行する道路の路面状況等が含まれる。環境情報の具体的な生成方法には、例えば、過去に車両2が生成した複数の画像データと、当該画像データに基づく画像に写る障害物等と、の関係を機械学習させることにより構築された学習済モデルを用いることができる。
【0019】
車両情報は、車両2自身の情報であり、運転データに基づいて生成される。車両情報には、例えば、ID、走行速度、緯度、経度、測距衛星からの電波の取得時刻、走行方向、角速度、ハンドルの回転角度、縦加速度、ブレーキランプ点灯の有無、ウインカー点滅の有無及び点滅方向、横加速度、高度および測位の実施状況の少なくともいずれかが含まれる。
【0020】
(第一送信制御部)
第一送信制御部233は、ログイン情報を車両側通信部21がサーバ1へ送信するよう、当該車両側通信部21を制御する。ログイン情報には、車両2のユーザID、当該ユーザIDに対応するパスワード等が含まれる。
【0021】
(第二送信制御部)
第二送信制御部234は、車両側生成部232が生成した端末情報を車両側通信部21がサーバ1へ送信するよう、当該車両側通信部21を制御する。第二送信制御部234は、端末情報を繰り返し送信させる。なお、送信の周期は、一定であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0022】
(第三送信制御部)
第三送信制御部235は、所定の配信要求条件が成立した場合に、車両側通信部21が配信要求情報をサーバ1へ送信するよう、当該車両側通信部21を制御する。配信要求情報は、端末情報の配信を要求する旨の情報である。本実施形態に係る第三送信制御部235が送信させる配信要求情報には、送信元の車両2の車両IDが含まれる。車両IDは、個々の車両2を識別するための情報である。また、本実施形態に係る第三送信制御部235が送信させる配信要求情報には、トピックが含まれる。トピックは、例えば要求する端末情報が生成された地域等である。配信要求条件には、例えば、トピックが示す地域に車両2が侵入したこと等が含まれる。
【0023】
また、本実施形態に係る第三送信制御部235は、所定の配信停止条件が成立した場合に、車両側通信部21が停止要求情報をサーバ1へ送信するよう、当該車両側通信部21を制御する。停止要求情報は、端末情報の配信停止を要求する旨の情報である。停止要求情報には、配信要求情報と同様に、送信元の車両2の車両IDと、トピックと、が含まれる。配信停止条件には、例えば、トピックが示す地域から車両2が離脱したこと等が含まれる。
【0024】
(車両側取得部)
車両側取得部236は、車両側通信部21が配信要求情報を送信した場合に、サーバ1から、当該配信要求情報に対応する端末情報を、車両側通信部21を介して取得する。
【0025】
(動作制御部)
動作制御部237は、車両側取得部236が取得した端末情報に基づく動作を行う。例えば、車両2が車内に表示部を備えるものである場合、動作制御部237は、端末情報が示す物体の位置を表示部に表示させる等の動作を行う。また、車両2が自動運転車両である場合、動作制御部237は、環境情報が示す物体との接触を車両2が回避できるよう、当該車両2を操舵したり、停車させたりする。
【0026】
[サーバ]
サーバ1は、複数の車両2から端末情報を収集し、収集した端末情報を、当該端末情報を必要とする車両2へ配信するものである。本実施形態に係るサーバ1は、通信ネットワークN1の運営会社によって管理されているものである。
【0027】
{サーバの構成}
図3に示したように、サーバ1は、サーバ側通信部11(通信部)と、サーバ側記憶部12と、サーバ側制御部13と、を備える。
【0028】
〔サーバ側通信部〕
サーバ側通信部11は、通信ネットワークN1を介して車両2と通信する。本実施形態に係るサーバ側通信部11は、通信ネットワークN2を介して外部サーバSとも通信する。また、本実施形態に係るサーバ側通信部11は、通信モジュールで構成されている。
【0029】
〔サーバ側記憶部〕
サーバ側記憶部12は、プログラム121を記憶している。プログラム121は、サーバ1を動作させるためのものである。本実施形態に係るサーバ側記憶部12は、第一データベース122を記憶している。第一データベース122は、複数の車両2のクリアランス情報を蓄積している。クリアランス情報は、車両2のセキュリティクリアランスに関する情報である。
図4に示したように、本実施形態に係るクリアランス情報は、「未定」、「信頼」、および「不審」の何れかとなっている。「未定」は、対応する車両2(のユーザ)が信頼できるか否かが未定であることを示すクリアランス情報である。「信頼」は、対応する車両2が信頼できることを示すクリアランス情報である。「不審」は、対応する車両2が信頼できないことを示すクリアランス情報である。また、本実施形態に係るクリアランス情報は、それぞれ車両IDと対応付けられている。
【0030】
なお、本実施形態に係るクリアランス情報は「未定」、「信頼」、および「不審」の3種類であったが、4種類以上あってもよい。例えば、「信頼(不審)」が、「やや信頼(不審)」、「非常に信頼(不審)」等に分かれていてもよい。また、クリアランス情報は、信頼の程度を示す数値であってもよい。また、クリアランス情報は、信頼(不審)と判断する理由となった事象を示すものであってもよい。
【0031】
また、
図3に示したように、本実施形態に係るサーバ側記憶部12は、第二データベース123を記憶している。第二データベース123は、各車両2から収集した複数の端末情報を蓄積している。各端末情報には、配信フラグが対応付けられている。配信フラグは、当該端末情報が配信済みであるか否かを示す情報である。本実施形態に係るサーバ側記憶部12は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成されている。なお、第一データベース122および第二データベース123の少なくとも一方のデータベースは、サーバ1とは異なる他の装置に記憶されていてもよい。また、本実施形態に係るサーバ側記憶部12は、購読テーブル124を記憶している。
図5に示したように、本実施形態に係る購読テーブル124は、トピックと、車両IDと、の対応関係を示すテーブルとなっている。
【0032】
〔サーバ側制御部〕
図3に示したように、サーバ側制御部13は、判断部131と、第一取得部132と、第二取得部133と、第三取得部134と、解析部135と、更新部136と、サーバ側生成部137(生成部)と、登録部138と、第四取得部139と、配信部140と、を備える。本実施形態に係るサーバ側制御部13は、プロセッサで構成されている。そして、このプロセッサが上記サーバ側記憶部12に記憶されているプログラム121を実行する。これにより、プログラム121は、プロセッサを上記各制御ブロック131~140として機能させることができる。
【0033】
(判断部)
判断部131は、車両2が、認証されたものであるか否かを判断する。具体的には、判断部131は、車両2からサーバ側通信部11を介してログイン情報を取得し、予め登録されている内容と一致するか否かを判断する。車両2が認証されたものであると判断部131が判断すると、本実施形態に係るサーバ側通信部11は、当該車両2との通信が可能な状態となる。
【0034】
(第一取得部)
第一取得部132は、第一取得ステップを実行する。第一取得ステップにおいて、第一取得部132は、複数の車両2から、端末情報をそれぞれ繰り返し取得する。本実施形態に係る第一取得部132は、車両2が認証されたものであると判断部131が判断した場合に、当該車両2から端末情報を取得する。これにより、端末情報を取得する車両2を認証されたものに絞ることができる。認証されているということは、一定以上の信頼を有していることになるため、悪意のあるユーザから誤った内容の端末情報を取得してしまう可能性を低減させることができる。
【0035】
(第二取得部)
第二取得部133は、第二取得ステップを実行する。第二取得ステップにおいて、第二取得部133は、端末情報を送信してきた車両2のクリアランス情報をそれぞれ取得する。具体的には、第二取得部133は、サーバ側記憶部12に記憶されている第一データベース122を参照し、車両2の車両IDに対応するクリアランス情報を取得する。
【0036】
(第三取得部)
第三取得部134は、第三取得ステップを更に実行する。第三取得ステップにおいて、第三取得部134は、第二クリアランス情報を取得する。第二クリアランス情報は、車両2のセキュリティクリアランスに関する情報であって、第二取得部133が取得するクリアランス情報とは異なる情報である。本実施形態に係る第二クリアランス情報は、上記クリアランス情報と同様、「未定」、「信頼」、および「不審」の何れかとなっている。しかし、第二クリアランス情報の内容は、上記クリアランス情報とは異なる尺度で決定されている。このため、同一の車両2について、クリアランス情報および第二クリアランス情報の一方が「信頼」であっても、他方が「不審」となることもある。本実施形態に係る第三取得部134は、外部サーバSのデータベースから第二クリアランス情報を取得する。上述したように、外部サーバSは、車両メーカ、車両業界団体、または警察が管理するものである。車両メーカ、車両業界団体、および警察は、いずれも信頼性の高い情報源であるため、ラベルの生成を更に正確に行うことができる。
【0037】
(サーバ側生成部)
サーバ側生成部137は、生成ステップを実行する。生成ステップにおいて、サーバ側生成部137は、端末情報の信頼性を示すラベルを生成する。上述したように、上記第一取得部132は、端末情報を繰り返し取得する。このため、本実施形態に係るサーバ側生成部137は、第一取得部132が端末情報を取得する度に、ラベルを生成する。また、サーバ側生成部137は、複数の車両2がそれぞれ送信してきた端末情報について、それぞれラベルを生成する。サーバ側生成部137は、一の車両2に関する端末情報の取得が初回、かつ、クリアランス情報、第二クリアランス情報のいずれも取得できなかった場合は、未定ラベルを生成する。未定ラベルは、信頼できるか否かが未定であることを示すラベルである。
【0038】
一の車両2に関する端末情報の取得が2回目以降である(既に端末情報に対応付けられているラベルを更新する)場合は、クリアランス情報および第二クリアランス情報(セキュリティクリアランスの高低)に基づいて、信頼ラベル、または不審ラベルを生成する。信頼ラベルは、信頼できることを示すラベルである。不審ラベルは、信頼できないことを示すラベルである。詳細は後述するが、車両2は、端末情報を取得した後、端末装置の解析および第一データベース122の更新を行う。このため、端末情報の取得が2回目以降である場合のサーバ側生成部137は、更新部136により更新された第一データベース122のクリアランス情報に基づいて、信頼ラベルまたは不審ラベルを生成することになる。これにより、端末情報を解析した結果、誤った内容の端末情報を送信してきた車両2のクリアランス情報を下げる等の対応をとることができる。その結果、ラベルの生成の正確さを維持する、または向上させることができる。
【0039】
本実施形態に係るサーバ側生成部137は、クリアランス情報および第二クリアランス情報に基づいて、信頼ラベルまたは不審ラベルを生成する。本実施形態に係るサーバ側生成部137は、クリアランス情報と第二クリアランス情報とを比較し、信頼性が低い方のクリアランス情報に基づいて、ラベルを生成する。具体的には、クリアランス情報および第二クリアランス情報が共に「信頼」である場合、サーバ側生成部137は信頼ラベルを生成する。一方、クリアランス情報および第二クリアランス情報の一方が「信頼」で、他方が「不審」である場合、サーバ側生成部137は不審ラベルを生成する。このように複数のクリアランス情報を利用することで、サーバ側生成部137は、ラベルの生成をより正確に行うことができる。なお、サーバ側生成部137は、上記と異なるロジックでラベルを生成するよう構成されていてもよい。例えば、サーバ側生成部137は、クリアランス情報および第二クリアランス情報のいずれかを常に「信頼」としてラベルを生成するよう構成されていてもよい。また、サーバ側生成部137は、ラベル生成のロジックを、ポリシー(ユーザ操作)に応じて変更できるよう構成されていてもよい。
【0040】
(登録部)
登録部138は、登録ステップを実行する。登録ステップにおいて、登録部138は、端末情報を、ラベルと対応付けて登録する。本実施形態に係る登録部138は、ラベルと対応付けられた端末情報を、第二データベース123に登録する。なお、登録部138は、端末情報を登録する際、ハッシュチェインを利用して登録された端末情報およびラベルの改ざんを防止するよう構成されていてもよい。
【0041】
(解析部)
解析部135は、これまでに取得した複数の端末情報を解析する。本実施形態に係る解析部135は、取得後に第二データベース123に登録された端末情報を解析する。具体的には、解析部135は、一の車両2に関する複数の端末情報を時系列に並べ、不審な内容の端末情報が含まれていないかどうかを順次確認していく。また、解析部135は、この確認を各車両2について行う。不審な内容の端末情報には、例えば、車両2の不自然な挙動を示す車両情報、存在しないはずの物体の存在を示す環境情報等が含まれる。
【0042】
(更新部)
更新部136は、解析部135による解析結果に応じて第一データベース122を更新する。具体的には、解析部135が不審な内容の端末情報を検出した場合に、対応する車両2のセキュリティクリアランスを下げる。具体的には、「未定」または「信頼」となっていたクリアランス情報を「不審」に変更する。
【0043】
(第四取得部)
第四取得部139は、第四取得ステップを実行する。第四取得ステップにおいて、第四取得部139は、各車両2から、配信要求情報を取得する。本実施形態に係る第四取得部139は、配信要求情報を取得すると、配信要求情報に含まれる車両IDと、トピックと、の組を、サーバ側記憶部12に記憶されている購読テーブル124に登録する。
【0044】
また、本実施形態に係る第四取得部139は、各車両2から、停止要求情報を取得する。本実施形態に係る第四取得部139は、停止要求情報を取得すると、購読テーブル124から、配信要求情報に含まれる車両IDと、トピックと、の組を削除する。
【0045】
(配信部)
配信部140は、配信ステップを実行する。配信ステップにおいて、配信部140は、登録されている端末情報を、複数の車両2のうち、配信要求情報を送信してきた(当該端末情報の配信を要求してきた)車両2へ配信する。これにより、端末情報を必要とする車両2は、当該端末情報の配信をサーバへ要求するだけで、車両2自ら取得のために端末情報の登録場所へ赴くことなく、端末情報を容易に取得できるようになる。本実施形態に係る配信部140は、第二データベース123に登録されている複数の端末情報のうち、信頼ラベルと対応付けられ、かつ配信フラグが「未配信」を示している端末情報を配信する。その後、配信部140は、配信した端末情報に対応付けられている配信フラグを「配信済み」に変更する。これにより、車両2は、信頼ラベルが対応付けられた端末情報のみを取得できるようになる。また、車両2が内容の重複する端末情報を複数取得してしまうのを防ぐことができる。このため、取得した端末情報の中から信頼ラベルが対応付けられた端末情報を車両2自ら抽出するステップを経ることなく、信頼ラベルが対応付けられた端末情報に基づく動作を行うことができる。
【0046】
なお、配信部140は、所定条件が成立した場合に、未定ラベルまたは不審ラベルと対応付けられた端末情報を、ラベル情報を付与して配信するよう構成されていてもよい。所定条件には、第四取得部139が、未定ラベルまたは不審ラベルと対応付けられた端末情報の配信を要求する配信要求情報を取得したこと、車両2がラベルを識別する機能を有していること、等が挙げられる。また、配信部140は、配信要求情報を取得したことを契機として、当該配信要求情報を送信してきた車両2を登録し、当該車両2へ端末情報を定期的に配信するよう構成されていてもよい。
【0047】
{サーバの作用効果}
以上説明してきたサーバ1は、一の車両2に関する端末情報の取得が初回である場合は未定ラベルを生成し、2回目以降である場合は、クリアランス情報に基づいて、信頼ラベル、または不審ラベルに更新する。このため、サーバ1によれば、ラベルの生成に必要な高精度かつ正確なデータを初回から集めることなく、端末情報の蓄積が可能となる。
【0048】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について詳細に説明する。なお、説明の便宜上、上記第一実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0049】
本実施形態に係るサーバ1Aは、
図6に示したようなシステム100Aの一部を構成する。システム100Aは、サーバ1Aの他、第二サーバ1Bと、複数の車両2Aと、通信ネットワークN1と、を備える。サーバ1A、第二サーバ1Bおよび複数の車両2Aは、通信ネットワークN1を介して互いに通信する。また、サーバ1Aおよび第二サーバ1Bは、それぞれ通信ネットワークN2を介して外部サーバSとも通信する。
【0050】
[車両]
本実施形態に係る複数の車両2Aは、複数のグループに分類されている。グループは、例えば、車両のメーカ、車両を用いた事業を行う事業会社等である。本実施形態に係る複数の車両2Aは、第一グループと、第二グループとに分類されている。なお、複数の車両2Aは、三つ以上のグループに分類されていてもよい。
【0051】
図2に示したように、本実施形態に係る各車両2Aは、車両側通信部21、および情報取得部24の他、車両側記憶部22Aと、車両側制御部23Aと、を備える。
【0052】
〔車両側記憶部〕
車両側記憶部22Aは、プログラム221Aを記憶している。プログラム221Aは、車両2Aを動作させるためのものである。
【0053】
〔車両側制御部〕
車両側制御部23Aは、収集部231、第一送信制御部233、第三送信制御部235、車両側取得部236、および動作制御部237の他、車両側生成部232Aと、第二送信制御部234Aと、を備える。
【0054】
(車両側生成部)
車両2Aが第一グループに分類されたものである場合、車両側生成部232Aが生成する端末情報は、第一グループ配信情報を含む。第一グループ配信情報は、複数のグループのうち第一グループに属する車両2Aに限って配信可能に設定される情報である。また、本実施形態に係る車両側生成部232Aが生成する端末情報は、共通配信情報を含む。共通配信情報は、グループに関係なく全ての車両2Aに配信可能に設定される情報である。第一グループに分類された車両2Aの車両側生成部232Aは、例えば、緯度および経度を共通配信情報として生成し、それ以外の情報を第一グループ配信情報として生成する。
【0055】
車両2Aが第二グループに分類されたものである場合、車両側生成部232Aが生成する端末情報は、第二グループ配信情報と、共通配信情報と、を含む。第二グループ配信情報は、複数のグループのうち第二グループに属する車両2Aに限って配信可能に設定される情報である。第二グループに分類された車両2Aの車両側生成部232Aは、緯度および経度を共通配信情報として生成し、それ以外の情報を第二グループ配信情報として生成する。なお、第二グループ配信情報に含まれる端末情報は、第一グループ配信情報に含まれる端末情報と異なっていても(第一グループ配信情報に含まれる端末情報の一部であっても、当該端末情報+αであっても、当該端末情報と別のものであっても)よい。
【0056】
(第二送信制御部)
第二送信制御部234Aは、車両側生成部232Aが生成した端末情報を車両側通信部21がサーバ1Aおよび第二サーバ1Bへ送信するよう、当該車両側通信部21を制御する。第二送信制御部234Aは、当該車両2Aが分類されているグループに応じて、サーバ1A、1Bを選択して、グループ配信情報および共通配信情報を含むすべての端末情報を送信させる。例えば、車両2Aが第一グループに分類されたものである場合、第二送信制御部234Aは、サーバ1Aに対しては、第一グループ配信情報および共通配信情報を含むすべての端末情報を送信させる。一方、第二送信制御部234Aは、第二サーバ1Bに対しては、全ての配信情報を送信させない。車両2Aが第二グループに分類されたものである場合、第二送信制御部234Aは、サーバ1Aに対しては、全ての配信情報を送信させない。一方、第二送信制御部234Aは、第二サーバ1Bに対しては、第二グループ配信情報および共通配信情報を含むすべての端末情報を送信させる。
【0057】
[サーバ]
本実施形態に係るサーバ1Aは、第一グループに分類された車両に関する者(例えば、車両のメーカ等)によって管理されているものである。
【0058】
{サーバの構成}
図3に示したように、サーバ1Aは、第一実施形態に係るサーバ1と同様のサーバ側通信部11(通信部)の他、サーバ側記憶部12A、およびサーバ側制御部13Aを備える。
【0059】
〔サーバ側記憶部〕
サーバ側記憶部12Aは、プログラム121Aを記憶している。プログラム121Aは、サーバ1Aを動作させるためのものである。本実施形態に係るサーバ側記憶部12Aは、第一データベース122Aを記憶している。第一データベース122Aは、複数の車両2Aのクリアランス情報を蓄積している。
図7に示したように、本実施形態に係るクリアランス情報は、それぞれ車両ID、およびグループIDと対応付けられている。グループIDは、車両2Aが分類されているグループを識別するための情報である。また、
図3に示したように、本実施形態に係るサーバ側記憶部12Aは、第二データベース123Aを記憶している。第二データベース123Aは、各グループに分類されている各車両2からそれぞれ収集した複数の端末情報を、第一グループ配信情報と共通配信情報とに識別可能な形で蓄積している。また、本実施形態に係るサーバ側記憶部12Aは、購読テーブル124Aを記憶している。
図8に示したように、本実施形態に係る購読テーブル124Aは、トピックと、車両IDと、グループIDと、の対応関係を示すテーブルとなっている。
【0060】
〔サーバ側制御部〕
図3に示したように、サーバ側制御部13Aは、第一実施形態に係るサーバ側制御部13と同様の判断部131、第二取得部133、第三取得部134、解析部135、およびサーバ側生成部137の他、第一取得部132Aと、更新部136Aと、登録部138Aと、第四取得部139Aと、配信部140Aと、を備える。
【0061】
(第一取得部)
本実施形態に係る第一取得部132Aは、第一グループに分類されている複数の車両2A、および第二グループに分類されている複数の車両2Aから、端末情報をそれぞれ繰り返し取得する。
【0062】
(更新部)
本実施形態に係る更新部136Aは、解析部135による解析結果に応じて第一データベース122Aを更新する。
【0063】
(登録部)
本実施形態に係る登録部138Aは、端末情報を、ラベルと対応付けて第二データベース123Aに登録する。
【0064】
(第四取得部)
本実施形態に係る第四取得部139Aは、配信要求情報を取得すると、第一データベース122Aを参照し、配信要求情報に含まれる車両IDと対応するグループIDを取得する。そして、第四取得部139Aは、配信要求情報に含まれる車両ID、およびトピックと、第一データベース122Aから取得したグループIDと、の組を、サーバ側記憶部12Aに記憶されている購読テーブル124Aに登録する。
【0065】
(配信部)
本実施形態に係る配信部140Aは、定期的に購読テーブル124Aを参照し、配信グループを生成する。本実施形態に係る配信部140Aは、購読テーブル124Aに登録されている複数の車両IDのうち、トピックおよびグループが共通するものを一つの配信グループに含める。そして、配信部140Aは、配信グループを単位として、各配信グループに応じた端末情報を、各車両2Aに配信する。具体的には、配信部140Aは、第一グループに分類されている配信グループに対しては、第一グループに分類される各車両2Aから取得した端末情報を制限なく配信する。一方、配信部140Aは、第一グループとは異なるグループ(ここでは第二グループ)に分類されている配信グループに対しては、第一グループに分類される各車両2Aから取得した端末情報のうち、共通配信情報を配信する。すなわち、第二グループに分類されている配信グループに対しては、第一グループ配信情報を除いて配信する。
【0066】
[第二サーバ]
第二サーバ1Bは、第二グループに分類された車両に関する者によって管理されているものである。
【0067】
{第二サーバの構成}
図3に示したように、第二サーバ1Bは、サーバ1Aと同様のサーバ側通信部11の他、サーバ側記憶部12Bと、サーバ側制御部13Bと、を備える。
【0068】
〔サーバ側制御部〕
サーバ側制御部13Bは、サーバ1Aのサーバ側制御部13Aと同様の判断部131、第一取得部132A、第二取得部133、第三取得部134、解析部135、更新部136A、サーバ側生成部137、登録部138A、および第四取得部139Aの他、配信部140Bを備える。
【0069】
(配信部)
本実施形態に係る配信部140Bは、配信グループを単位として、各配信グループに応じた端末情報を、各車両2Aに配信する。具体的には、配信部140Bは、第二グループに分類されている配信グループに対しては、第二グループに分類される各車両2Aから取得した端末情報を制限なく配信する。一方、配信部140Bは、第二グループとは異なるグループ(ここでは第一グループ)に分類されている配信グループに対しては、第二グループに分類される各車両2Aから取得した端末情報のうち、共通配信情報を配信する。すなわち、第一グループに分類されている配信グループに対しては、第二グループに分類される車両2Aから取得した端末情報については、第二グループ配信情報を除いて配信する。
【0070】
{第二サーバおよび上記サーバの作用効果}
以上説明してきた第二サーバ1Bおよび上記サーバ1Aによれば、上記第一実施形態に係るサーバ1と同様に、ラベルの生成に必要な高精度かつ正確なデータを初回から集めることなく、端末情報の蓄積が可能となる。
また、第二サーバ1Bおよび上記サーバ1Aによれば、例えば複数のグループが、互いに競争関係にある場合(例えば、複数の車両メーカである場合等)、協力できる部分に関しては端末情報(共通配信情報)を共有し、協力が難しい部分についてはグループ毎の秘密を保持することができる。
【0071】
<情報処理方法>
次に、本発明の他の態様に係る情報処理方法の実施形態について説明する。
【0072】
{情報処理方法の流れ}
図9に示したように、情報処理方法は、情報生成ステップA1と、第一取得ステップB1と、第二取得ステップB2と、生成ステップB3と、登録ステップB4と、要求ステップA2と、配信ステップB5と、動作ステップA3と、を有する。
【0073】
(情報生成ステップ)
初めの情報生成ステップA1では、複数の端末装置2が、端末情報を繰り返し生成する。
【0074】
(第一取得ステップ)
少なくとも一の端末装置2が少なくとも一の端末情報を生成した後は、第一取得ステップB1に移る。第一取得ステップB1では、複数の端末装置2から、端末情報をそれぞれ繰り返し取得する。
【0075】
(第二取得ステップ)
端末情報を取得した後は、第二取得ステップB2に移る。第二取得ステップB2では、クリアランス情報をそれぞれ取得する。なお、第二取得ステップB2は、端末情報を取得する前に行ってもよいし、端末情報の取得と並行して行ってもよい。
【0076】
(生成ステップ)
端末情報を取得した後は、生成ステップB3に移る。生成ステップでは、端末情報の信頼性を示すラベルを生成する。生成ステップB3では、一の端末装置2に関する端末情報の取得が初回である場合(B31:YES)は、未定ラベルを生成する(ステップB32)。また、生成ステップでは、一の端末装置2に関する端末情報の取得が2回目以降である場合(ステップB31:NO)は、クリアランス情報に基づいて、信頼ラベル、または不審ラベルを生成する(ステップB33)。
【0077】
(登録ステップ)
ラベルを生成した後は、登録ステップB4に移る。登録ステップB4では、端末情報を、ラベルと対応付けて登録する。
【0078】
(要求ステップ)
サーバ1が少なくとも一の端末情報を登録した後、所定の配信要求条件が成立した場合に、要求ステップA2に移る。要求ステップA2では、端末情報の配信をサーバ1へ要求する。
【0079】
(配信ステップ)
端末装置2が端末情報の配信を要求した後は、配信ステップB5に移る。配信ステップB5では、登録されている端末情報を、複数の端末装置2のうち、当該端末情報の配信を要求してきた端末装置2へ配信する。
【0080】
(動作ステップ)
サーバ1が端末情報を配信した後は、動作ステップA3に移る。動作ステップA3では、端末装置2が、取得した端末情報に基づく動作を行う。
【0081】
{情報処理方法の作用効果}
以上説明してきた情報処理方法では、一の端末装置2に関する端末情報の取得が初回である場合は未定ラベルを生成し、2回目以降である場合は、クリアランス情報に基づいて、信頼ラベル、または不審ラベルに更新する。このため、情報処理方法によれば、ラベルの生成に必要な高精度かつ正確なデータを初回から集めることなく、端末情報の蓄積が可能となる。
【0082】
[本発明その他]
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0083】
例えば、上記システム100、100Aは、複数の装置を備え、複数の制御ブロックが各装置に分散して設けられていた。しかし、複数の制御ブロックは単一の装置(例えばサーバ1、1A)に集約されていてもよい。その場合、当該単一の装置をシステム100、100Aと称してもよい。
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0084】
また、以上説明してきた本発明の各態様が奏する作用効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」や、目標11「住み続けられるまちづくりを」等の達成にも貢献するものである。
【符号の説明】
【0085】
100、100A システム
1、1A サーバ
1B 第二サーバ
11 サーバ側通信部
12 サーバ側記憶部
121 プログラム
122 第一データベース
123 第二データベース
13、13A、13B サーバ側制御部
131 判断部
132 第一取得部
133 第二取得部
134 第三取得部
135 解析部
136 更新部
137 サーバ側生成部
138 登録部
139 第四取得部
140、140A、140B 配信部
2、2A 車両(端末装置)
21 車両側通信部
22 車両側記憶部
221 車両プログラム
23、23A 車両側制御部
231 収集部
232、232A 車両側生成部
233 第一送信制御部
234、234A 第二送信制御部
235 第三送信制御部
236 車両側取得部
237 動作制御部
24 情報取得部
N 通信ネットワーク
S 外部サーバ