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特開2024-88422実装システムの配送管理装置、実装システムの配送管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088422
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】実装システムの配送管理装置、実装システムの配送管理方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240625BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203566
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三治 満
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353BC01
5E353CC04
5E353CC25
5E353EE23
5E353EE32
5E353EE34
5E353EE61
5E353GG01
5E353GG22
5E353HH25
5E353HH40
5E353HH71
5E353LL01
5E353LL04
5E353LL06
5E353MM04
5E353MM08
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】フィーダに部品リールを組み合わせる準備作業を継続して行う。
【解決手段】実装システム11は、部品実装機13と準備作業台41と配送用台車51とを備える。部品実装機13は、フィーダ21から供給される部品を基板に実装する。準備作業台41では、部品リールを組み合わせた部品準備後のフィーダを配送する作業が行われ、部品準備後のフィーダが仮置き可能な保管庫42が併設される。配送用台車51は、フィーダを積載して部品実装機まで搬送する。配送管理装置71は、判定部72と案内部61とを備える。判定部72は、配送用台車にフィーダが積載可能であるか否かを判定する。案内部は、判定部が積載可能と判定したときに配送用台車にフィーダを積載することを指示する案内を出し、判定部が積載可能ではないと判定したときに保管庫にフィーダを仮置きすることを指示する案内を出す。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィーダから順次供給される部品を基板に実装する部品実装機と、
前記部品実装機から離間した位置に設けられ、部品リールを組み合わせた部品準備後の前記フィーダを配送する作業が行われるとともに、部品準備後の前記フィーダが仮置き可能な保管庫が併設された準備作業台と、
前記部品実装機と前記準備作業台との間を往復移動し、前記準備作業台にて部品準備された前記フィーダを所定数積載して前記部品実装機まで搬送する配送用台車と、
を備える実装システムにおいて配送作業を管理する装置であって、
前記配送用台車に前記フィーダが積載可能であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が積載可能と判定したときに前記配送用台車に前記フィーダを積載することを指示する案内を出すとともに、前記判定部が積載可能ではないと判定したときに前記保管庫に前記フィーダを仮置きすることを指示する案内を出す案内部と、
を備える、実装システムの配送管理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記準備作業台に前記配送用台車が到着しているか否かと、前記準備作業台に到着した前記配送用台車が有する複数のスロットのなかに、前記フィーダを配置可能な空きスロットがあるか否かと、を判定する、請求項1に記載の実装システムの配送管理装置。
【請求項3】
前記保管庫に前記フィーダが仮置きされていて、かつ、前記空きスロットを有する前記配送用台車が前記準備作業台に新たに到着したと前記判定部が判定した場合に、
前記案内部は、前記保管庫に仮置きされている前記フィーダを、前記配送用台車における前記空きスロットに移し替えることを指示する案内を出す、
請求項2に記載の実装システムの配送管理装置。
【請求項4】
複数の前記フィーダは識別子を有しており、
前記保管庫の有する複数の保管場所のうち所定の保管場所に前記フィーダを仮置きした場合に、その仮置きされた前記フィーダと前記保管場所とを関連付けて記憶部に記憶させるために作業者に入力を促す手動入力部をさらに備える、
請求項1~3のいずれかに記載の実装システムの配送管理装置。
【請求項5】
複数の前記フィーダは識別子を有しており、
前記保管庫の有する複数の保管場所のうち所定の保管場所に前記フィーダを仮置きした場合に、その仮置きされた前記フィーダと前記保管場所とを関連付けて自動的に記憶部に記憶する自動入力部をさらに備える、
請求項1~3のいずれかに記載の実装システムの配送管理装置。
【請求項6】
前記案内部は、
前記準備作業台に到着した前記配送用台車における前記空きスロットの位置と、前記保管庫における前記フィーダの仮置き場所の位置と、を案内画面に表示する表示装置を含む、
請求項1に記載の実装システムの配送管理装置。
【請求項7】
前記案内部は、
前記準備作業台に到着した前記配送用台車における前記空きスロットの位置及び前記保管庫に仮置きされている前記フィーダのうち前記配送用台車に移し替えるべき前記フィーダの仮置き場所の位置を案内画面に表示する表示装置を含む、
請求項3に記載の実装システムの配送管理装置。
【請求項8】
複数のフィーダから順次供給される部品を基板に実装する部品実装機と、
前記部品実装機から離間した位置に設けられ、部品リールを組み合わせた部品準備後の前記フィーダを配送する作業が行われるとともに、部品準備後の前記フィーダが仮置き可能な保管庫が併設された準備作業台と、
前記部品実装機と前記準備作業台との間を往復移動し、前記準備作業台にて部品準備された前記フィーダを所定数積載して前記部品実装機まで搬送する配送用台車と、
を備える実装システムにおいて配送作業を管理する方法であって、
前記配送用台車に前記フィーダが積載可能であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定部が積載可能と判定したときに前記配送用台車に前記フィーダを積載することを指示する案内を出すとともに、前記判定部が積載可能ではないと判定したときに前記保管庫に前記フィーダを仮置きすることを指示する案内を出す案内ステップと、
を含む、実装システムの配送管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、部品を基板に実装する実装システムの配送管理装置及び配送管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の実装システムは、複数のフィーダから順次供給される部品を基板に実装する部品実装機を備えている。部品は、テープに複数個収納された状態で部品リールに巻回され、テープが巻回された部品リールは、準備作業台でフィーダに組み合わされる。そして、部品リールが組み合わされたフィーダは、フィーダマガジンにセットされた状態で準備作業台から部品実装機に配送される。特許文献1には、部品実装機に接続してそのまま生産に使用するフィーダ交換台車を備えた実装システムの一例が開示されている。この従来技術では、準備作業台で部品リールがフィーダに組み合わされたときに、台車(フィーダマガジン)上で、そのフィーダを生産で使用する位置が空いているときは、フィーダの配置先として台車を設定し、台車上のそのフィーダを生産で使用する位置が空いていないときは、フィーダの配置先として実装ライン上の別の位置にある一時保管用の棚を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-216965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フィーダに部品リールを組み合わせる作業を行う準備作業台を、実装ラインから離間したエリア(例えば、部品保管庫の近傍)に配置することがある。このような場合に特許文献1の技術では、台車に空きがないときは、フィーダの配置先として一時保管用の棚が設定され、作業者は、準備作業台から実装ライン上の一時保管用の棚までフィーダを搬送しなければならない。これによって、作業者の部品作業台における作業が中断されることになる。一方、作業者はフィーダを台車に配置可能となるまで待機してもよいが、この場合には、準備作業台にフィーダを置いておくことになるため、作業者は準備作業台での作業を進めることができない。このように特許文献1の技術では、台車にフィーダを配置可能でないときに、フィーダに部品リールを組み合わせる作業を中断しなければならない事態が生じるという問題がある。
【0005】
そこで本明細書は、台車にフィーダを配置可能でない場合であっても、フィーダに部品リールを組み合わせる準備作業を継続して行うことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、実装システムの配送管理装置を開示する。実装システムは、部品実装機と、準備作業台と、配送用台車と、を備える。部品実装機は、複数のフィーダから順次供給される部品を基板に実装する。準備作業台は、部品実装機から離間した位置に設けられ、部品リールを組み合わせた部品準備後のフィーダを配送する作業が行われるとともに、部品準備後のフィーダが仮置き可能な保管庫が併設される。配送用台車は、部品実装機と準備作業台との間を往復移動し、準備作業台にて部品準備されたフィーダを所定数積載して部品実装機まで搬送する。配送管理装置は、判定部と、案内部と、を備える。判定部は、配送用台車にフィーダが積載可能であるか否かを判定する。案内部は、判定部が積載可能と判定したときに配送用台車にフィーダを積載することを指示する案内を出すとともに、判定部が積載可能ではないと判定したときに保管庫にフィーダを仮置きすることを指示する案内を出す。従って、この構成によると、判定部によって配送用台車にフィーダが積載可能ではないと判定された場合、案内部は、準備作業台に併設された保管庫にフィーダを仮置きすることを指示する案内を出す。これにより、作業者は、部品準備後のフィーダを保管庫に仮置きできるため、準備作業台において、フィーダに部品リールを組み合わせる準備作業を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例の実装システムを示す概略図。
図2】初期状態における表示装置の表示画面を示す概略図。
図3】無人搬送車にフィーダを積載する場合の表示画面を示す概略図。
図4】フィーダ保管棚にフィーダを仮置きする場合の表示画面を示す概略図。
図5】実装システムの配送管理方法を説明するための概略図。
図6】実装システムの配送管理方法を説明するための概略図。
図7】実装システムの配送管理方法を説明するための概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に開示する実装システムの配送管理装置では、判定部は、準備作業台に配送用台車が到着しているか否かと、準備作業台に到着した配送用台車が有する複数のスロットのなかに、フィーダを配置可能な空きスロットがあるか否かと、を判定してもよい。このような構成によると、配送用台車の状況に応じて適切な指示を出すことできる。
【0009】
本明細書に開示する実装システムの配送管理装置では、保管庫にフィーダが仮置きされていて、かつ、空きスロットを有する配送用台車が準備作業台に新たに到着したと判定部が判定した場合に、案内部は、保管庫に仮置きされているフィーダを、配送用台車における空きスロットに移し替えることを指示する案内を出してもよい。このような構成によると、保管庫に仮置きされているフィーダを、適切なタイミングで配送用台車に積載することができる。
【0010】
本明細書に開示する実装システムの配送管理装置では、複数のフィーダは識別子を有していてもよい。保管庫の有する複数の保管場所のうち所定の保管場所にフィーダを仮置きした場合に、その仮置きされたフィーダと保管場所とを関連付けて記憶部に記憶させるために作業者に入力を促す手動入力部をさらに備えてもよい。このような構成によると、保管庫に仮置きしたフィーダの保管場所を管理することができる。
【0011】
本明細書に開示する実装システムの配送管理装置では、複数のフィーダは識別子を有していてもよい。保管庫の有する複数の保管場所のうち所定の保管場所にフィーダを仮置きした場合に、その仮置きされたフィーダと保管場所とを関連付けて自動的に記憶部に記憶する自動入力部をさらに備えていてもよい。このような構成によると、仮置きされたフィーダとその保管場所とを自動的に管理することができる。
【0012】
本明細書に開示する実装システムの配送管理装置では、案内部は、準備作業台に到着した配送用台車における空きスロットの位置と、保管庫におけるフィーダの仮置き場所の位置と、を案内画面に表示する表示装置を含んでいてもよい。このような構成によると、作業者は案内画面に従って、保管庫から配送用台車へのフィーダの移し替え作業を行うことができる。
【0013】
本明細書に開示する実装システムの配送管理装置では、案内部は、準備作業台に到着した配送用台車における空きスロットの位置及び保管庫に仮置きされているフィーダのうち配送用台車に移し替えるべきフィーダの仮置き場所の位置を案内画面に表示する表示装置を含んでいてもよい。このような構成によると、作業者による保管庫から配送用台車へのフィーダの移し替え作業を好適にサポートすることができる。
【0014】
(実施例) 以下、本発明の実装システム11の配送管理装置の一実施例について図面を参照して説明する。図1に示すように、実装システム11は、投入される基板1に部品を実装することで、部品が実装された基板1を生産するシステムである。実装システム11は、印刷機12、部品実装機13、基板搬送装置14等を備えている。印刷機12は、図示しない基板ローダから1枚ずつ搬入される基板1にハンダパターンを印刷する。ハンダパターンが印刷された基板1は、印刷機12から部品実装機13に搬送される。部品実装機13は、基板搬送経路に沿って複数設けられ、ハンダパターンが印刷された基板1に部品を実装する部品実装処理を行う。基板搬送装置14は、ハンダパターンが印刷された基板1を、各部品実装機13の部品実装位置に搬入して位置決めする。基板搬送装置14は、例えば、ベルトコンベア及び位置決め装置などを有している。
【0015】
また、部品実装機13は、部品実装位置に搬入した基板1に予め決められた複数個の部品を実装する実装ユニットを備えている。具体的には、実装ユニットは、着脱可能に取り付けられた複数のフィーダ21を備え、これらフィーダ21から順次供給される部品を基板1に実装する。そして、部品実装機13で部品が実装された基板1は、基板搬送装置14により、同基板搬送装置14の下流に搬送される。なお、各フィーダ21には部品リールが組み合わされており、部品リールには、複数個の部品が収納されたテープが巻回されている。また、フィーダ21及び部品リールは識別子を有している。本実施例の識別子としては、バーコード(一次元コード)が用いられている。なお、識別子として、QRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)等の二次元コードを用いてもよいし、文字、数字、記号、絵等を用いてもよい。また、フィーダ21や部品リールに埋め込んだチップに識別情報を記録させることにより、識別子としてもよい。
【0016】
また、実装システム11は、基板検査機31とリフロー機32とを備えている。基板検査機31は、部品実装処理が実施された基板1を検査する。本実施例の基板検査機31は、基板外観検査機であり、基板1に正常に部品が実装されているか否かを検査する。基板1に正常に部品が実装されていない場合(例えば、部品が異なる場所に実装されている場合)には、その基板1は廃棄される。一方、基板1に正常に部品が実装されている場合には、基板検査機31からリフロー機32に基板1が搬出される。
【0017】
リフロー機32は、基板検査機31で検査された基板1をリフロー処理する。即ち、リフロー機32は、搬入されてきた基板1を加熱してハンダを溶解し、部品を基板1にハンダ付けする。リフロー機32から搬出された基板1は、図示しない基板アンローダに搬出される。そして、基板アンローダは、ハンダ付けにより部品が実装された基板1を実装システム11から搬出する。
【0018】
実装システム11は、図示しない生産管理PC(ホストコンピュータ)に通信手段を介して通信可能に接続されている。生産管理PCは、各装置(印刷機12、部品実装機13、基板搬送装置14、基板検査機31、リフロー機32)から各種信号を受信して管理することにより、各装置の動作や基板1の移動位置を把握している。また、生産管理PCは、無人搬送車51(AGV)の動作や移動位置も管理している。そして、生産管理PCは、準備作業台41上に設置された配送管理装置71に対して通信回線を介して通信可能に接続されている。配送管理装置71は配送管理用PC72を備え、配送管理用PC72は、準備作業台41及びフィーダ保管棚42を管理している。
【0019】
また、実装システム11は、外段取りエリアに設置された準備作業台41と、配送用台車である無人搬送車51とを備えている。準備作業台41は、各部品実装機13から離間した位置(例えば、部品保管庫の近傍のエリア)に設けられている。準備作業台41では、部品リール(図示略)を組み合わせた部品準備(キッティング)後のフィーダ21を配送する作業が行われるようになっている。そして、準備作業台41には、部品準備後のフィーダ21が仮置き可能なフィーダ保管棚42(保管庫)が併設されている。フィーダ保管棚42は、フィーダ21を仮置きするための複数の保管場所46を有している(図5図7参照)。各保管場所46は、仮置きされたフィーダ21が有する識別子と保管場所46を特定するIDとを配送管理用PC72に送信するようになっている。
【0020】
また、無人搬送車51は、各部品実装機13と準備作業台41との間を往復移動し、準備作業台41にて部品準備されたフィーダ21を所定数積載して、複数の部品実装機13のそれぞれに自動的に搬送する搬送装置である。無人搬送車51には、フィーダ21を収容可能な複数(本実施例では20個)のスロット53を有するフィーダマガジン52が設けられている(図5図7参照)。
【0021】
また、配送管理装置71は、案内部である表示装置61(図2図4参照)を備えている。表示装置61の案内画面は、案内画面62a(図2参照)、案内画面62b(図3参照)、案内画面62c(図4参照)に切替可能となっている。なお、図2に示されるように、表示装置61の案内画面62aの上部には、作業を指示する案内63が表示されている。具体的に言うと、バーコードの絵が表示されるとともに、「部品をスキャンしてください。」という文章が表示される。さらに、案内画面62aの下部には、作業待ちのフィーダ21のリスト及び所在を示す案内64が表示されている。また、図3に示されるように、案内画面62bの上部には、無人搬送車51にフィーダ21を積載することを指示する案内65が表示されている。具体的に言うと、案内画面62bに、「キッティングした部品>>>フィーダマガジン OK」という文字が表示される。さらに、図4に示されるように、案内画面62cの上部には、フィーダ保管棚42にフィーダ21を仮置きすることを指示する案内66が表示されている。具体的に言うと、案内画面62cに、「キッティングした部品>>>棚 OK」という文字が表示される。なお、表示装置61は、案内画面62a~62cとは別の案内画面にも切替可能となっている。例えば、別の案内画面には、フィーダ保管棚42に仮置きされているフィーダ21のうち、無人搬送車51に移し替えるべきフィーダ21の仮置き場所の位置が表示されるようになっている。
【0022】
次に、実装システム11において配送作業を管理する方法を説明する。
【0023】
通常、実装システム11は、基板1の生産を行う。この場合、まず、部品実装機13を用いて、基板1に対する部品実装処理を実施する。部品実装処理が実施された基板1に対しては、基板検査機31による検査及びリフロー機32によるリフロー処理が実施され、部品がハンダ付けされた基板1が完成する。
【0024】
また、作業者は、準備作業台41において、フィーダ21に部品リールを組み合わせる部品準備(キッティング)を行う。なお、配送管理装置71の配送管理用PC72は、フィーダ21に部品リールを組み合わせたタイミングで、どのフィーダ21にどの部品リールが組み合わされたかを示す情報を、配送管理装置71の記憶部に記憶する。
【0025】
そして、配送管理用PC72は、フィーダ21が部品準備される度(即ち、どのフィーダ21にどの部品リールが組み合わされたかを示す情報が得られる度)に判定ステップを行い、無人搬送車51にフィーダ21が積載可能であるか否かを判定する。具体的に言うと、配送管理用PC72は、まず、準備作業台41に無人搬送車51が到着しているか否かを判定する。無人搬送車51が到着していると判定された場合、配送管理用PC72は、準備作業台41に到着した無人搬送車51が有する複数のスロット53のなかに、フィーダ21を配置可能な空きスロットがあるか否かをさらに判定する。図5図6では、ハッチングありのスロット53を、既にフィーダ21が配置されているスロット53とし、ハッチングなしのスロット53を、空きスロットとする。そして、空きスロットがあると判定された場合、配送管理用PC72は、無人搬送車51にフィーダ21が積載可能であると判定する。一方、空きスロットがないと判定された場合や無人搬送車51が到着していないと判定された場合、配送管理用PC72は、無人搬送車51にフィーダ21が積載可能ではないと判定する。即ち、配送管理用PC72は、判定部としての機能を有している。
【0026】
続く案内ステップにおいて、配送管理用PC72及び表示装置61は以下の処理を行う。即ち、準備作業台41に到着した無人搬送車51に空きスロットがあるためにフィーダ21を積載可能と判定した場合、表示装置61は、無人搬送車51にフィーダ21を積載することを指示する案内65を出す(図3参照)。本実施例では、表示装置61の案内画面62bに、「キッティングした部品>>>フィーダマガジン OK」という文字を表示させる。そして、作業者は、案内65に従って、無人搬送車51にフィーダ21を積載する(図1の矢印A1で示す経路を参照)。具体的に言うと、作業者は、フィーダマガジン52の空きスロットに、図6に示すA,B,C,Dのフィーダ21を積載する。A,B,C,Dのフィーダ21が積載されると、無人搬送車51は、準備作業台41から配送管理用PC72で指示された部品実装機13まで、複数のフィーダ21を収容したフィーダマガジン52を搬送する(図1の矢印A2で示す経路を参照)。
【0027】
一方、準備作業台41に到着した無人搬送車51に空きスロットがないためにフィーダ21を積載可能ではない、または、準備作業台41に無人搬送車51が到着していないと配送管理用PC72が判定した場合、表示装置61は、フィーダ保管棚42にフィーダ21を仮置きすることを指示する案内66を出す(図4参照)。即ち、フィーダ21の配置先の案内は、空きスロットの有無に関係なく表示される。本実施例では、表示装置61の案内画面62cに、「キッティングした部品>>>棚 OK」という文字を表示させる。そして、作業者は、案内66に従って、フィーダ保管棚42にフィーダ21を仮置きする(図1の矢印A3で示す経路を参照)。具体的に言うと、作業者は、フィーダ保管棚42の保管場所46に、図6に示すE,F,Gのフィーダ21を仮置きする。なお、フィーダ保管棚42に設けられた複数の保管場所46のうち所定の保管場所46にフィーダ21を仮置きした場合、配送管理用PC72は、その仮置きされたフィーダ21が有する識別子を読み取る処理を行う。そして、配送管理用PC72は、読み取った識別子と保管場所46とを関連付けた保管情報を、自動的に配送管理装置71の記憶部に記憶する。即ち、配送管理用PC72は、自動入力部としての機能を有している。
【0028】
そして、配送管理用PC72は、保管情報が記憶部に記憶されているか否かを判定することにより、フィーダ保管棚42(保管場所46)にフィーダ21が仮置きされているか否かを判定する。また、配送管理用PC72は、空きスロットを有する無人搬送車51が準備作業台41に新たに到着したか否かを判定する。そして、保管場所46にフィーダ21が仮置きされていて、かつ、空きスロットを有する無人搬送車51が準備作業台41に新たに到着したと配送管理用PC72が判定した場合(図7参照)、表示装置61は、保管場所46に仮置きされているフィーダ21を、無人搬送車51における空きスロットに移し替えることを指示する案内を出す(案内画面に表示させる)。そして、作業者は、案内に従って、保管場所46に仮置きされているフィーダ21を、無人搬送車51の空きスロットに移し替える(図1の矢印A4で示す経路を参照)。具体的に言うと、作業者は、図7に示すE,F,Gのフィーダ21を、空きスロットに移し替える。その結果、保管場所46にフィーダ21が残っておらず、かつ、無人搬送車51に空きスロットが残っている状態になったと搬送管理用PC72が判定した場合、表示装置61は、準備作業台41にあるフィーダ21を空きスロットに移し替えることを指示する案内を出す(案内画面に表示させる)。そして、作業者は、案内に従って、図7に示すH,I,J,K,…のフィーダ21を、無人搬送車51に残っている空きスロットに移し替える。その後、無人搬送車51は、フィーダ保管棚42から部品実装機13まで、複数のフィーダ21を収容したフィーダマガジン52を搬送する(図1の矢印A2で示す経路を参照)。
【0029】
以上詳述したように、本実施例の配送管理装置71では、無人搬送車51にフィーダ21が積載可能ではないと判定され、準備作業台41にて部品準備したフィーダ21の配置先がない場合、表示装置61は、フィーダ保管棚42にフィーダ21を仮置きすることを指示する案内を出す。これにより、作業者は、部品準備後のフィーダ21を、準備作業台41に併設されたフィーダ保管棚42に仮置きできるため、準備作業台41において、フィーダ21に部品リールを組み合わせる準備作業を継続することができる。ゆえに、作業者は、無人搬送車51に空きスロットがあるか否かや、無人搬送車51が準備作業台41に到着したか否かに影響されることなく、計画通りに準備作業を行うことができる。
【0030】
本実施例の配送管理装置71では、部品準備後のフィーダ21を、フィーダ保管棚42に設けられた複数の保管場所46に仮置きしている。しかし、フィーダ21を複数の保管場所46から適当に選択された保管場所46に仮置きしておくと、どのフィーダ21をどこの保管場所46に仮置きしたかが分からなくなることがある。
【0031】
本実施例では、フィーダ保管棚42の所定の保管場所46に部品準備後のフィーダ21を仮置きした場合に、配送管理装置71の配送管理用PC72が、その仮置きされたフィーダ21が有する識別子を読み取る処理を行う。そして、配送管理用PC72は、読み取った識別子と所定の保管場所46とを関連付けた保管情報を、自動的に配送管理装置71の記憶部に記憶する。これにより、フィーダ21を仮置きした保管場所46が管理されるため、どのフィーダ21をどこの保管場所46に仮置きしたかを正確に知ることができる。よって、空きスロットを有する無人搬送車51が準備作業台41に新たに到着した際に、表示装置61は、記憶部に記憶されている保管情報に基づいて、所定の保管場所46に仮置きされているフィーダ21を空きスロットに移し替えることを指示する案内を作業者に出すことができる。
【0032】
本実施例の配送管理装置71では、配送管理用PC72が、フィーダ21に部品リールを組み合わせたタイミングで、どのフィーダ21にどの部品リールが組み合わされたかを示す部品リール情報を記憶部に記憶する。よって、フィーダ21をフィーダ保管棚42に仮置きしたときに、配送管理用PC72が、仮置きしたフィーダ21が有する識別子を読み取る処理を行えば、読み取った識別子と記憶部に記憶されている部品リール情報とに基づいて、フィーダ21に組み合わされた部品リールの種類を知ることができる。したがって、所望の部品リールが組み合わされたフィーダ21が無人搬送車51に積載されるように、表示装置61に作業者に対する指示を表示することができる。
【0033】
以上、実施例について説明したが具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。上記の実施例の実装システム11においては、複数の作業者で作業を行ってもよい。例えば、無人搬送車51における空きスロットにフィーダ21を積載する配送準備を行う作業者と、フィーダ21に部品リールを組み合わせる部品準備を行う作業者とが、同じ実装ラインに対して同時に作業を行ってもよい。この場合、配送準備を行わない作業者が、部品準備後のフィーダ21をフィーダ保管棚42に仮置きすることで、配送準備と関係なく部品準備作業を継続することができる。
【0034】
上記の実施例では、準備作業台41に到着した無人搬送車51に空きスロットがあるためにフィーダ21を積載可能と配送管理用PC72が判定した場合に、表示装置61が、無人搬送車51(フィーダマガジン52)にフィーダ21を積載することを指示する案内65(図3参照)を出していたが、案内65の内容はこれに限定される訳ではない。例えば、他の実施例では、表示装置61が、無人搬送車51の具体的な積載場所である“空きスロット”の位置を指定してフィーダ21を積載することを指示する案内を出してもよい。この場合、表示装置61の案内画面62bには、準備作業台41に到着した無人搬送車51における空きスロットの位置が表示される。
【0035】
上記の実施例では、準備作業台41に到着した無人搬送車51に空きスロットがないためにフィーダ21を積載可能ではない、または、準備作業台41に無人搬送車51が到着していないと配送管理用PC72が判定した場合に、表示装置61が、フィーダ保管棚42(棚)にフィーダ21を仮置きすることを指示する案内66(図4参照)を出していた。しかし、案内66の内容はこれに限定される訳ではない。例えば、他の実施例では、表示装置61が、フィーダ保管棚42の具体的な仮置き場所である“保管場所46(仮置き場所)”を指定してフィーダ21を仮置きすることを指示する案内を出してもよい。この場合、表示装置61の案内画面62cには、フィーダ保管棚42におけるフィーダ21の仮置き場所の位置が表示される。
【0036】
上記の実施例では、フィーダ保管棚42に設けられた所定の保管場所46にフィーダ21を仮置きした場合に、自動入力部である配送管理用PC72が、仮置きされたフィーダ21と保管場所46とを関連付けた保管情報を、自動的に配送管理装置71の記憶部に記憶するようになっていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、フィーダ保管棚42に設けられた所定の保管場所46にフィーダ21を仮置きした場合に、保管情報を記憶部に記憶させるための入力を作業者に促す手動入力部を備えていてもよい。なお、手動入力部としては、タッチパネルの表示画面に、作業者に入力を促す文章(例えば、「仮置きした保管場所46を入力して下さい」等)を表示するとともに、保管場所46を示すアイコンを複数表示し、作業者が所定の保管場所46を示すアイコンを押圧することにより、入力を行うようにしたものなどが挙げられる。また、他の手動入力部としては、表示装置61の案内画面に、作業者に入力を促す文章を表示し、作業者がキーボードを操作することにより、入力を行うようにしたものなどが挙げられる。
【0037】
上記の実施例では、保管庫はフィーダ保管棚42であり、案内部は表示装置61であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、保管庫は、フィーダ21を仮置き可能なフィーダ保管箱やフィーダ保管台などであってもよい。また、これとは別の実施例では、案内部は、無人搬送車51にフィーダ21を積載することを指示する案内や、フィーダ保管棚42にフィーダ21を仮置きすることを指示する案内などを出す音声出力手段(スピーカ等)や発光手段(ランプ等)であってもよい。
【0038】
上記の実施例では、配送用台車は無人搬送車51であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、配送用台車は、作業者によって搬送される搬送車であってもよい。
【0039】
上記の実施例において、フィーダ21を搬送する無人搬送車51を複数台にしてもよいし、実装ラインを複数列にしてもよいし、準備作業台41を複数箇所に設けてもよい。
【0040】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0041】
1 :基板
11 :実装システム
13 :部品実装機
21 :フィーダ
41 :準備作業台
42 :保管庫としてのフィーダ保管棚
46 :保管場所(仮置き場所)
51 :配送用台車としての無人搬送車
53 :スロット
61 :案内部としての表示装置
62a,62b,62c :案内画面
65 :配送用台車にフィーダを積載することを指示する案内
66 :保管庫にフィーダを仮置きすることを指示する案内
71 :配送管理装置
72 :判定部及び自動入力部としての配送管理用PC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7