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  • 特開-エアークッション 図1
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  • 特開-エアークッション 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088424
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】エアークッション
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/10 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
A47C27/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203572
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】522496563
【氏名又は名称】株式会社▲高▼野
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 純一
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB02
3B096AB09
3B096AD07
(57)【要約】
【課題】 セルを配置するときの自由度を向上する。
【解決手段】 エアークッション11は、積層されて一体化された複数のシート21、31、41により形成される。第1セル群C1は複数の第1セル12からなり、第2セル群C2は複数の第2セル13からなる。第1セル群C1、第2セル群C2は、ともに隣接する2つのシート21、31の間に形成される。第1流路51は、隣接する2つのシート31、41の間に形成され、第1セル群C1を連結する。第2流路52は、隣接する2つのシート21、31の間に形成され、第2セル群C2を連結する。第1流路12が形成される隣接する2つのシート31、41の間は、第2流路13が形成される隣接する2つのシート21、31の間とは異なっている。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層されて一体化された複数のシートにより形成されるエアークッションであり、
前記複数のシートから選択された隣接する2つのシートの間に形成された複数の第1セルからなる第1セル群と、
前記複数のシートから選択された隣接する2つのシートの間に形成された複数の第2セルからなる第2セル群と、
前記複数のシートから選択された隣接する2つのシートの間に形成され、前記第1セル群を連結する第1流路と、
前記複数のシートから選択された隣接する2つのシートの間に形成され、前記第2セル群を連結する第2流路と、を備えており、
前記第1流路が形成される前記隣接する2つのシートの間は、前記第2流路が形成される前記隣接する2つのシートの間とは異なっている、エアークッション。
【請求項2】
前記第2セルは、前記第1セルを囲繞している、請求項1に記載のエアークッション。
【請求項3】
前記複数のシートは、第1シートと第2シートと第3シートとで構成されており、
前記第1セル群は、前記第1シートと前記第2シートとの間に形成されており、
前記第2セル群は、前記第1シートと前記第2シートとの間に形成されており、
前記第1流路は、前記第2シートと前記第3シートとの間に形成されており、
前記第2流路は、前記第1シートと前記第2シートとの間に形成されている、
請求項1又は2に記載のエアークッション。
【請求項4】
前記第1セル群にエアを供給する第1ポンプと、前記第2セル群にエアを供給する第2ポンプとを備え、
前記第1ポンプと前記第2ポンプとが独立して駆動される、
請求項1又は2に記載のエアークッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、寝具、椅子、枕、背もたれ等に用いられるエアークッションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、積層された2つのシートにより形成されるエアークッションが知られている。この種のエアークッションは、複数の第1セルからなる第1セル群と、複数の第2セルからなる第2セル群とを備えている。複数の第1セル同士は第1流路により連結されており、複数の第2セル同士は第1流路とは別の第2流路により連結されている。これら流路は、いずれも2つのシートの間に形成されている。なお、これに類似の技術としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-106723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、同じ平面内に第1流路と第2流路とを形成するために、第1流路と第2流路とをそれぞれ別の位置に形成する必要がある。従って、同じ平面内にて第1流路と第2流路とを交差して配置する必要があるセル配置態様を採用することができず、セルを配置するときの自由度が小さかった。それゆえ、例えば一方のセルが他方のセルによって囲繞されているようなエアークッションを容易に製造することができなかった。
【0005】
そこで本明細書は、セルを配置するときの自由度を向上するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、積層されて一体化された複数のシートにより形成されるエアークッションを開示する。このエアークッションは、第1セル群と、第2セル群と、第1流路と、第2流路と、を備える。第1セル群は複数の第1セルからなる。複数の第1セルは、複数のシートから選択された隣接する2つのシートの間に形成される。第2セル群は複数の第2セルからなる。複数の第2セルは、複数のシートから選択された隣接する2つのシートの間に形成される。第1流路は、複数のシートから選択された隣接する2つのシートの間に形成され、第1セル群を連結する。第2流路は、複数のシートから選択された隣接する2つのシートの間に形成され、第2セル群を連結する。第1流路が形成される隣接する2つのシートの間は、第2流路が形成される隣接する2つのシートの間とは異なっている。従って、上述した構成によると、第1流路及び第2流路が異なるシート間に形成される。このため、第1流路及び第2流路を同じシート間に形成する場合に比較して、セルの配置に制約を受けにくくなり、セルを配置するときの自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例のエアークッションを示す平面図である。
図2】実施例のエアークッションを示す斜視図である。
図3】実施例のエアークッションの要部を示す部分拡大斜視図である。
図4】実施例のエアークッションを示す分解斜視図である。
図5図1のA-A線における概略拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(特徴1)本明細書が開示するエアークッションでは、第2セルは、第1セルを囲繞していてもよい。
【0009】
(特徴2)本明細書が開示するエアークッションでは、複数のシートは、第1シートと第2シートと第3シートとで構成されており、第1セル群は、第1シートと第2シートとの間に形成されていてもよい。また、第2セル群は、第1シートと第2シートとの間に形成されており、第1流路は、第2シートと第3シートとの間に形成されており、第2流路は、第1シートと第2シートとの間に形成されていてもよい。
【0010】
(特徴3)本明細書が開示するエアークッションでは、第1セル群にエアを供給する第1ポンプと、第2セル群にエアを供給する第2ポンプとを備え、第1ポンプと第2ポンプとが独立して駆動されるようになっていてもよい。
【実施例0011】
以下、本実施例のエアークッション11について図1図5を参照して説明する。図1はエアークッション11を示す平面図、図2はその斜視図、図3はその要部を示す部分拡大斜視図、図4はその分解斜視図、図5図1のA-A線における概略拡大断面図である。
【0012】
図1図2等に示すように、本実施例のエアークッション11は、平面視で矩形状に形成されており、複数の第1セル12からなる第1セル群C1と、複数の第2セル13からなる第2セル群C2とを備えている。第1セル群C1及び第2セル群C2は、いずれも荷重支持面であるエアークッション11の上面側S1に設けられている。各々の第1セル12は、平面視で矩形状に形成されている。各々の第2セル13は、平面視で矩形枠状(即ちロの字状)に形成されている。第1セル12及び第2セル13は、全体的に若干丸みを帯びるよう縁部及び角部が面取りされている。また、第1セル12及び第2セル13は、等しい高さとなるように形成されている。各々の第2セル13は、それぞれ1つの第1セル12を囲繞している。第2セル13の内周面と第1セル12の外周面との間には、間隙が形成されている。なお、1つの第1セル12とそれを囲繞する1つの第2セル13とからなるセル単位は、エアークッション11の面方向に沿って規則的に配列されている。本実施例ではセル単位が縦横に5個×5個となるように配列されているが、あくまで例示であるため縦横任意の個数で配列されていても勿論よい。隣接するセル単位同士は、一定の間隔を隔てて配置されている。つまり、各セル単位を構成する第2セル13の外周面の間には、間隙が形成されている。なお、本実施例では、第1セル12及び第2セル13が等しい高さとなるように形成されているが、このような例に限られず、異なる高さとなるように形成されていてもよい。また、本実施例では、第1セル12とそれを囲繞する第2セル13とからなるセル単位がエアークッション11の面方向に沿って規則的に配列されているが、このような例に限られず、面方向に不規則に配列されていてもよい。
【0013】
図4等に示すように、本実施例のエアークッション11は、積層された同形状の複数のシート(具体的には第1シート21、第2シート31、第3シート41)により形成されている。第1シート21はエアークッション11の上面側S1に配置され、第3シート41は下面側S2に配置され、第2シート31はそれらの中間に配置されている。これら3枚のシート21、31、41は、積層された状態で溶着されることにより一体化されている。
【0014】
3枚のシート21、31、41は、いずれも可撓性を有しかつ厚さ方向に空気等を透過させない性質を持つ材料で構成され、例えばウレタンシートで構成される。なお、シート21、31、41は、ウレタンシートに限定されず、例えばEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)シートや、塩化ビニルシートなどであってもよい。
【0015】
3枚のシート21、31、41のうち、第1シート21及び第3シート41には、例えば金型成形によって凹凸が形成されている。第1シート21には、第1セル12を構成する第1収容部22と、第2セル13を構成する第2収容部23とが形成されている。第1収容部22及び第2収容部23は、いずれも外面側が凸状かつ内面側が凹状になっており、内面側に開口を有している。
【0016】
図5に示すように、第1シート21に設けられた第1収容部22と第2シート31との間に形成される収容空間には、発泡ウレタンからなる弾性部材24が収容されている。第1シート21に設けられた第2収容部23と第2シート31との間に形成される収容空間にも、同様に発泡ウレタンからなる弾性部材25が収容されている。発泡ウレタンは連続気泡を有する多孔質体であるため、上記収容空間にはエア(空気)も収容される。弾性部材24、25は発泡ウレタンに限定されることはなく、弾性を有する材料であれば他のもの(例えば発泡スチレン等)であってもよい。また、弾性部材24,25としては、中空糸膜を利用して形成されたクッション材(例えば、ブレスエアー(登録商標))を用いることもできる。ここで、弾性部材24、25の反発力は任意に設定することができるが、本実施例では等しい反発力に設定されている。勿論、弾性部材24、25の反発力が互いに異なるように設定してもよい。なお、本実施例では、収容空間に弾性部材24が収容されていたが、このような例に限られず、収容空間に何も収容されず、エアのみが供給されていてもよい。
【0017】
図1図5等に示すように、このエアークッション11は、第1セル群C1を構成する複数の第1セル12同士を流路的に連結する第1流路51と、第2セル群C2を構成する複数の第2セル13同士を流路的に連結する第2流路52とを備えている。第1流路51と第2流路52とは別経路となるように形成され、互いに独立している。複数の第1セル12内のエアは、第1流路51を介して互いに自由に移動することができる。また、複数の第2セル13内のエアは、第2流路52を介して互いに自由に移動することができる。
【0018】
第2流路52は、第1シート21と第2シート31との間に形成されている。具体的には、図1図3図5に示すように、第1シート21において隣接する第2セル13間には、外面側に凸となるリブ状の連通部26が金型成形によって形成されている。連通部26は第2セル13の外周面同士を繋いでいる。第1シート21における連通部26の内面側は凹状(溝状)になっており、連通部26と第2シート31との間には第2流路52が形成されている。つまり、第2流路52は、第1セル群C1及び第2セル群C2と同じ平面内に形成されている。
【0019】
これに対して第1流路51は、図1図4図5に示すように、第2シート31と第3シート41の間に形成されている。つまり、第1流路51が形成される隣接する2つのシート31、41の間は、第2流路52が形成される隣接する2つのシート21、31の間とは異なっている。具体的にいうと、第2シート31には複数の貫通孔32が形成されている。これらの貫通孔32は、各第1セル12の中央部に対応する位置に配置されており、第2シート31の表裏面を連通させている。また、第3シート41には、外面側に凸状かつ内面側に凹状であって、格子形状の連通部42が金型成形によって形成されている。この連通部42の経路上には、上記の各貫通孔32が配置されている。第3シート41における連通部42の内面側は凹状(溝状)であることから、連通部42と第3シート31との間には第1流路51が形成されている。つまり、第1流路51は、第1セル群C1及び第2セル群C2とは異なる平面内に形成されている。そして、第1流路51側と各々の第1セル12側とは、貫通孔32を介して流路的に接続されている。
【0020】
エアークッション11の側面には、図1に示すように、第1流路51に連通する第1接続ポート61と、第2流路52に連通する第2接続ポート62とが配設されている。第1接続ポート61には、第1セル群C1に加圧エアを供給する第1ポンプ63が接続可能である。第2接続ポート62には、第2セル群C2に加圧エアを供給する第2ポンプ64が接続可能である。なお、第1ポンプ63と第2ポンプ64とは、独立して駆動することが可能である。第1接続ポート61及び第2接続ポート62には、弁体が設けられていてもよい。
【0021】
上記構成のエアークッション11を使用する場合には、あらかじめ第1ポンプ63及び第2ポンプ64をそれぞれ接続する。ポンプの種類は、手動式であっても電動式であってもよい。このような接続状態で第1ポンプ63及び第2ポンプ64を駆動し、第1セル群C1及び第2セル群C2に加圧エアを供給してそれぞれを膨張させる。この場合、第1セル群C1及び第2セル群C2に供給するエア圧は任意に設定可能であるが、例えば第2セル群C2に供給するエア圧を第1セル群C1に供給するエア圧よりも低めに設定してもよい。このようにすると、各セル単位において外周側に位置する第2セル群C2の反発力を、第1セル群C1の反発力よりも低くすることができる。従って、使用者に最初に当たる部分が、相対的に柔らかくなり、それに取り囲まれた部分が相対的に硬くなるため、使用感を向上することができる。
【0022】
以上説明した本実施例のエアークッション11は、積層された複数のシート21、31、41を一体化することにより形成される。第1セル群C1及び第2セル群C2のそれぞれは、隣接する第1シート21及び第2シート31の間に形成され、第2セル13は第1セル12を囲繞している。一方、第1セル群C1を連結する第1流路51は、隣接する第2シート31及び第3シート41の間に形成され、第2セル群C2を連結する第2流路52は、第1流路51とは異なり、隣接する第1シート21及び第2シート31の間に形成されている。第1流路51及び第2流路52が異なるシート間に形成されるので、第1流路51と第2流路52とが同じ平面内で交差しない。そのため、第1流路51及び第2流路52を同じシート間に形成する場合に比較して、セルの配置に制約を受けにくくなる。よって、セルを配置するときの自由度を向上することができ、その結果として第2セル13が第1セル12を囲繞した構造のエアークッション11を比較的容易に製造することが可能となる。
【0023】
また、本実施例のエアークッション11における各セル単位は、中央部に位置する第1セル12と、外周部に位置して第1セル12を囲繞する第2セル13と、によって構成されている。従って、クッション上面側S1に荷重が加わった場合に、例えば第1セル12と第2セル13とで交互に荷重が支えられることにより、圧力分散や除圧を図ることが可能となる。具体的には、中央部に位置する第1セル12にエアが供給されて物(例えば身体)を支える状態と、外周部に配置された第2セル13にエアが供給されて物(例えば身体)を支える状態とに切り替わる。このため、物(例えば身体)を支える位置が変更され、体圧が分散されて床ずれ等が防止される。そして、体圧分散や除圧が図られることにより、エコノミー症候群のような血行障害の発生リスクが低減され、血流を改善することが可能となる。
【0024】
さらに本実施例のエアークッション11の場合、例えば真空成形等によって、セル全体としての形状を人間の標準個体の形状に合わせることができ、姿勢を保持したり姿勢を制御したりすること等が可能になる。そのため、姿勢保持や姿勢制御が必要とされる車椅子用クッションやマットレスにこのエアークッション11を活用することができ、それを活用した場合には患者や介護士などの負担を軽減することが可能となる。
【0025】
また、本実施例のエアークッション11は、第1セル群C1にエアを供給する第1ポンプ63と、第2セル群C2にエアを供給する第2ポンプ64とを備えており、第1ポンプ63と第2ポンプ64とが独立して駆動されるように構成されている。そしてこの構成によると、第1ポンプ63と第2ポンプ64とを使用して外部から圧力を加え、第1セル群C1及び第2セル群C2に強制的にエアを送ることにより、第1セル群C1と第2セル群に供給されるエアの圧力を独立して制御し、特定の個所に圧力がかかり続けることを抑制することができる。その結果、床擦れを効果的に防ぐことが可能となる。ちなみに、介護現場では体位変換を通常は2時間に1回行っているが、4時間に1回に減らすことができるようになる。また、外部圧力を使用することにより、本実施例のエアークッション11をマットレスのような大型のものとして具体化しやすくなる。しかも、この構成によれば、圧力制御を行うことができ、それによる反発力の細かい調整等が可能になる。
【0026】
本実施例のエアークッション11は、例えば寝具の上に設置して使用することができる。この場合には、寝具における腰部、臀部及び背中が位置する部分に局部的にエアークッション11を設置してもよく、エアークッション11が当たっている部分の床ずれを防止することができる。また、本実施例のエアークッション11は、椅子などの座部や背もたれ部に設置して使用することもでき、あるいは枕に組み付けて使用することもできる。つまり、身体のいずれかの箇所に直接的あるいは間接的に接触してその荷重を受ける部分のクッションとして、広く適用することができる。
【0027】
以上、実施例1について説明したが具体的な態様は上記実施例1に限定されるものではない。上記の実施例1では、第1セル12が矩形状であり、第1セル12を囲繞する第2セル13がロの字状(矩形枠状)であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、第1セル12が三角形状であり、第1セル12を囲繞する第2セル13が三角枠状であってもよい。あるいは、第1セル21が円形状であり、第1セル12を囲繞する第2セル13が円環状であってもよい。
【0028】
上記の実施例1では、1つの第2セル13が1つの第1セル12を囲繞していたが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、1つの第2セル13が2つ以上の第1セル12を囲繞するように構成してもよい。あるいは、2つ以上の第2セル13が1つの第1セル13を囲繞するように構成してもよい。
【0029】
上記の実施例1では、第1セル12が第2セル13によって全体的に囲繞されていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、第1セル12が第2セル13によって部分的に囲繞されていてもよく、あるいは、第1セル12が第2セル13によって囲繞されていなくてもよい。
【0030】
上記の実施例1では、エアークッション11は、複数の第1セル21からなる第1セル群C1と、複数の第2セル131からなる第2セル群C2と、を備えるものであったが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、さらに複数の第3セルからなる第3セル群を備えるものであってもよい。
【0031】
上記の実施例1では、エアークッション11が積層された3枚のシート(即ち、第1シート21、第2シート31、第3シート41)を備えていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、例えば4枚のシート(第1シート21、第2シート31、第3シート41、第4シート)を備えていてもよい。例えば、第1シート21と第2シート31との間に第1セル12が形成され、第2シート31と第3シート41との間に第2セル13が形成されてもよい。即ち、第1セル12と第2セル13とは、必ずしも同じ平面内に形成されていなくてもよい。この場合、第1流路12は第1シート21と第2シート31との間に形成され、第2流路13は第2シート31と第3シート41との間に形成されてもよい。
【0032】
上記の実施例1では、第1セル群C1にエアを供給する第1ポンプ63と、第2セル群C2にエアを供給する第2ポンプ64とを備え、第1ポンプ63と第2ポンプ64とが独立して駆動されるように構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、第1ポンプ63と第2ポンプ64とが連動するように構成してもよい。また、1つの共通のポンプを使用し、流路切換を行うことで、第1セル群C1または第2セル群C2にエアを供給するように構成してもよい。さらに、第1ポンプ63及び第2ポンプ64は、必須の構成ではないため省略されてもよい。
【0033】
上記の実施例1では、第1流路51及び第2流路52が第1接続ポート61及び第2接続ポート62を介してポンプ等の外部機器と接続可能であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、第1接続ポート61及び第2接続ポート62が形成されておらず、第1流路51及び第2流路52がそれぞれエアークッション11の外部から隔絶されていてもよい。
【0034】
上記の実施例1では、第1セル群C1及び第2セル群C2に供給される流体がエア(空気)であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、エア以外の気体(窒素やアルゴン等)を使用してもよく、水やオイル等の液体やゲル状物を使用してもよい。
【0035】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0036】
11: エアークッション
12: 第1セル
13: 第2セル
21: 第1シート
31: 第2シート
41: 第3シート
51: 第1流路
52: 第2流路
63: 第1ポンプ
64: 第2ポンプ
C1: 第1セル群
C2: 第2セル群
図1
図2
図3
図4
図5