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特開2024-88478感震器の支持構造、および、それを備えるガスメータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088478
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】感震器の支持構造、および、それを備えるガスメータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20240625BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20240625BHJP
【FI】
G01F3/22 B
G01F1/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203677
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000150109
【氏名又は名称】株式会社竹中製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167276
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】高鍬 光臣
(72)【発明者】
【氏名】熊田 彩花
(72)【発明者】
【氏名】酒向 正義
(72)【発明者】
【氏名】濱島 孝史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 多佳子
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CB01
2F030CC13
2F030CE40
2F030CF11
(57)【要約】
【課題】感震器の設置場所の自由度を高め、感震器を容易に固定できる技術を提供する。
【解決手段】感震器の支持構造は、前記感震器に接触することによって、前記感震器の互いに直交する三方向への移動を規制して、前記感震器を所定の固定位置に固定する複数の支持部を備える。前記複数の支持部は、前記感震器を挿入方向に沿って前記固定位置へと挿入にする挿入路を形成するように、前記固定位置の周りに配列された複数の挿入支持部と、弾性部材によって前記固定位置に配置された前記感震器に面する所定の配置位置に支持されて、前記固定位置に配置された前記感震器の移動を規制し、前記弾性部材の弾性変形によって、前記配置位置から離れた位置に変位可能な変位支持部と、を備える。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感震器の支持構造であって、
前記感震器を囲むように配置され、前記感震器に接触することによって、前記感震器の互いに直交する三方向への移動を規制して、前記感震器を所定の固定位置に固定する複数の支持部を備え、
前記複数の支持部は、
前記感震器を挿入方向に沿って前記固定位置へと挿入する挿入路を形成するように、前記固定位置の周りに配列された複数の挿入支持部と、
弾性部材によって前記固定位置に配置された前記感震器に面する所定の配置位置に支持されて、前記固定位置に配置された前記感震器の移動を規制し、前記弾性部材の弾性変形によって、前記配置位置から離れた位置に変位可能な変位支持部と、
を備える、支持構造。
【請求項2】
請求項1記載の支持構造であって、
前記弾性部材は、前記複数の挿入支持部の1つを構成する、支持構造。
【請求項3】
請求項2記載の支持構造であって、さらに、
回路基板を保持する支持部材を備え、
前記複数の支持部は、前記支持部材に設けられている、支持構造。
【請求項4】
請求項3記載の支持構造であって、
前記支持部材は、前記回路基板の一方の面に対向して配置される本体板部を有し、
前記複数の支持部は、前記本体板部における、前記回路基板と対向する面とは反対側の面に設けられている、支持構造。
【請求項5】
請求項4に記載の支持構造であって、
前記支持部材の前記本体板部には、前記複数の支持部と同じ面に、前記回路基板に電力を供給する電池を保持する電池保持部が設けられている、支持構造。
【請求項6】
請求項1記載の支持構造であって、
前記変位支持部は、第1弾性部材によって支持されて、前記固定位置に配置された前記感震器に面する所定の第1配置位置に配置される第1変位支持部であり、
前記複数の支持部は、さらに、第2弾性部材によって支持されて、前記固定位置に配置された前記感震器に面する所定の第2配置位置に配置され、前記第1変位支持部とともに、前記固定位置に配置された前記感震器の移動を規制し、前記第2弾性部材の弾性変形によって、前記第2配置位置から離れた位置に変位可能な第2変位支持部を備える、支持構造。
【請求項7】
請求項1記載の支持構造であって、
前記複数の挿入支持部は、前記固定位置より手前の領域に前記挿入方向に沿って延び出ている複数の延出部を有し、
前記複数の延出部は、前記固定位置に挿入される際の前記感震器に接触することにより、前記固定位置に挿入される前の前記感震器の配置姿勢が前記固定位置での前記感震器の配置姿勢に一致するように、前記感震器の姿勢を規制する、支持構造。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の支持構造を備えるガスメータであって、
前記複数の支持部によって前記固定位置に固定されている前記感震器を備える、ガスメータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、感震器の支持構造、および、それを備えるガスメータに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスメータには、地震の発生に対応するために、振動の発生を検出する振動検出部として、感震器を備えるものがある。感震器は、一般に、ガスメータ内に設けられた回路基板上に配置される。例えば、下記の特許文献1では、感震器は、ガス遮断弁の遮断制御を実行するコントローラを構成する回路基板の上に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-50147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、感震器は、回路基板に配置される他の回路素子に比較して、そのサイズが大きい場合があり、多数の回路素子が密集して配置される回路基板上に、感震器を設置するためのスペースを設けることが容易ではない場合があった。また、ガスメータは、感震器の設置に適した回路基板を備えていない場合もあった。その他に、感震器の回路基板への取り付けや固定には、取り付けのための部材・器具が必要となるなど、その作業に手間がかかる場合もあった。ガスメータに限らず、感震器を備える機器や装置、システムにおいては、感震器を支持する支持構造について、感震器の設置場所の自由度を高め、感震器をより容易に固定できるようにすることについて、依然として改良の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
[第1形態]第1形態は、感震器の支持構造として提供される。第1形態の支持構造は、前記感震器を囲むように配置され、前記感震器に接触することによって、前記感震器の互いに直交する三方向への移動を規制して、前記感震器を所定の固定位置に固定する複数の支持部を備え、前記複数の支持部は、前記感震器を挿入方向に沿って前記固定位置へと挿入する挿入路を形成するように、前記固定位置の周りに配列された複数の挿入支持部と、弾性部材によって前記固定位置に配置された前記感震器に面する所定の配置位置に支持されて、前記固定位置に配置された前記感震器の移動を規制し、前記弾性部材の弾性変形によって、前記配置位置から離れた位置に変位可能な変位支持部と、を備える。
第1形態の感震器の支持構造によれば、複数の支持部を設けることができる場所であれば、回路基板上に限らず、感震器を、特別な部材や器具を用いることなく、固定することができるため、感震器の配置場所の自由度を高めることができる。また、第1形態の感震器の支持構造によれば、変位支持部を所定の配置位置から離れた位置に移動させることにより、感震器を、挿入路に沿った直線移動により固定位置に配置することができる。そして、弾性部材の弾性力により、変位支持部が元の配置位置に戻ることにより、感震器が固定位置に固定される。このように、第1形態の感震器の支持構造によれば、感震器の固定位置に固定する作業を容易に行うことができる。
【0007】
[第2形態]上記第1形態の支持構造において、前記弾性部材は、前記複数の挿入支持部の1つを構成してよい。
第2形態の支持構造によれば、変位支持部を支持する弾性部材に感震器を支持させることが可能となるため、効率的である。また、支持構造の構成が、より簡素化される。
【0008】
[第3形態]上記第1形態、または、第2形態の支持構造は、さらに、回路基板を保持する支持部材を備え、前記複数の支持部は、前記支持部材に設けられてよい。
第3形態の支持構造によれば、感震器と回路基板とを、コンパクトにまとめて一体的に配置することが容易にできる。よって、感震器とともに回路基板を備える装置において、感震器と回路基板との設置をさらに容易化することができる。
【0009】
[第4形態]第3形態の支持構造において、前記支持部材は、前記回路基板の一方の面に対向して配置される本体板部を有し、前記複数の支持部は、前記本体板部における、前記回路基板と対向する面とは反対側の面に設けられていてよい。
第4形態の支持構造によれば、本体板部を挟んで回路基板と反対側の領域を、感震器の設置場所として有効に活用することができる。
【0010】
[第5形態]上記の第4形態の支持構造であって、前記支持部材の前記本体板部には、前記複数の支持部と同じ面に、前記回路基板に電力を供給する電池を保持する電池保持部が設けられていてよい。
第5形態の支持構造によれば、感震器と回路基板と電池とを支持部材の本体板部の両面を利用してコンパクトにまとめて保持させることができる。また、支持部材が装置等の筐体内に収容される場合には、本体板部を挟んで回路基板とは反対側領域を感震器と電池の設置場所として有効活用することができる。
【0011】
[第6形態]上記第1形態、第2形態、第3形態、第4形態、および、第5形態のいずれか1つに記載の支持構造において、前記変位支持部は、第1弾性部材によって支持されて、前記固定位置に配置された前記感震器に面する所定の第1配置位置に配置される第1変位支持部であり、前記複数の支持部は、さらに、第2弾性部材によって支持されて、前記固定位置に配置された前記感震器に面する所定の第2配置位置に配置され、前記第1変位支持部とともに、前記固定位置に配置された前記感震器の移動を規制し、前記第2弾性部材の弾性変形によって、前記第2配置位置から離れた位置に変位可能な第2変位支持部を備えてよい。
第6形態の支持構造によれば、複数の変位支持部によって、感震器が、挿入口を通じて固定位置から移動することを、より確実に抑制することができる。
【0012】
[第7形態]
上記第1形態、第2形態、第3形態、第4形態、第5形態、および、第6形態のいずれか1つに記載の支持構造において、 前記複数の挿入支持部は、前記固定位置より手前の領域に前記挿入方向に沿って延び出ている複数の延出部を有し、前記複数の延出部は、前記固定位置に挿入される際の前記感震器に接触することにより、前記固定位置に挿入される前の前記感震器の配置姿勢が前記固定位置での前記感震器の配置姿勢に一致するように、前記感震器の姿勢を規制してよい。
第7形態の支持構造によれば、複数の延出部によって固定位置に配置される前に感震器の配置姿勢が整えられるため、固定位置に感震器をより精度よく配置することが容易にできる。
【0013】
[第8形態]第8形態は、上記の第1形態、第2形態、第3形態、第4形態、第5形態、第6形態、および、第7形態のいずれか1つに記載の支持構造を備えるガスメータとして提供される。第8形態のガスメータは、前記複数の支持部によって前記固定位置に固定されている前記感震器を備えてよい。
第8形態のガスメータによれば、感震器の設置場所の自由度が高められているため、ガスメータの筐体内部の限られた空間を有効活用することができる。また、感震器の取り付けが容易化されるため、ガスメータの製造工程を容易化することができ、ガスメータの製造コストの低下や製造時間の短縮が可能である。
【0014】
本開示の技術は、感震器の支持構造やガスメータ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、感震器を支持する支持部材や、感震器を備える機器・装置・システム、感震器の固定方法や取り付け方法、ガスメータを含む前述した感震器を備える機器・装置・システムの製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ガスメータの外観構成を示す概略斜視図。
図2】ガスメータの内部構成を示す概略分解斜視図。
図3】第1実施形態における支持部材の後面側を示す概略斜視図。
図4】第1実施形態における支持部材の前面側を示す概略斜視図。
図5】第1実施形態の支持構造を示す概略斜視図。
図6】第1実施形態の支持構造を示す概略断面図。
図7】感震器の一対の柱状部位に対する係合のメカニズムを示す模式図。
図8】第2実施形態の支持部材を示す概略斜視図。
図9】第2実施形態の支持構造を示す概略斜視図。
図10】第3実施形態の支持部材を示す概略斜視図。
図11】第3実施形態の支持構造を示す概略斜視図。
図12】第4実施形態の支持部材を示す概略斜視図。
図13】第4実施形態の支持構造を示す概略斜視図。
図14】第5実施形態のガスメータの構成を示す概略斜視図。
図15】第5実施形態の支持部材を示す第1の概略斜視図。
図16】第5実施形態の支持部材を示す第2の概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施形態:
以下では、まず、図1及び図2を参照して、感震器10が用いられる装置の一例としてのガスメータ100の構成を説明する。その後、図3図7を参照して、ガスメータ100が備える感震器10の支持構造30を説明する。
【0017】
1―1.ガスメータの構成:
図1は、ガスメータ100の外観構成を示す概略斜視図である。図1には、互いに直交する三方向X,Y,Zを示す矢印が図示されている。X方向は、ガスメータ100の幅方向、つまり、左右方向に相当し、「左」はX方向を、「右」はX方向の逆方向を意味する。Y方向は、ガスメータ100の奥行方向、つまり、前後方向に相当し、「前」はY方向を、「後」はY方向の逆方向を意味する。Z方向は、ガスメータ100の高さ方向、つまり、上下方向に相当し、「上」はZ方向を、「下」はZ方向の逆方向を意味する。本明細書においてガスメータ100およびその構成部品の方向に関する「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」の表記は、基本的には、ガス配管に適正に取り付けられた通常の使用姿勢にあるガスメータ100に正対したときの方向を意味する。ガスメータ100が通常の使用姿勢にあるときに、Z方向は重力方向に沿った方向であり、X方向およびY方向は水平方向に沿った方向である。三方向X,Y,Zを示す矢印は、後に参照する各図においても図1と対応するように適宜図示されている。
【0018】
ガスメータ100は、図示しないガス配管に接続されて当該ガス配管に流れるガスの流量を計測する。本実施形態では、ガスメータ100は、ガス流路に射出された超音波が検出素子に到達するまでの時間に基づいて当該ガス流路を流れるガスの流速を計測する超音波式ガスメータとして構成されている。なお、他の実施形態では、ガスメータ100は、超音波式ガスメータ以外の種々の計測方式のガスメータとして構成されてもよい。ガスメータ100は、例えば、後述する第5実施形態で説明する膜式ガスメータとして構成されてもよい。
【0019】
ガスメータ100は、略直方体形状の筐体部101を備える。筐体部101は、前後方向に分割可能であり、前方に配置される前面カバー部材102と、後方に配置される後面カバー部材103と、を備える。前面カバー部材102および後面カバー部材103は、例えば、アルミニウム合金の鋳造により作製され、ねじ止めにより互いに締結される。
【0020】
筐体部101の上面には、ガス配管に接続されてガスが流入するガス流入部105と、ガス配管が接続されてガスが流出するガス流出部106とが設けられている。ガス流入部105とガス流出部106とはそれぞれ後面カバー部材103の上面から上方に突出した円筒状の部位として構成されている。筐体部101の前面には、計測結果やステータス情報、メッセージなどの情報を表示する表示部108と、操作者による操作を受け付ける操作ボタン109と、が設けられている。
【0021】
図2は、ガスメータ100の内部構成を示す概略分解斜視図である。図2では、便宜上、前面カバー部材102の図示は省略されている。また、図2では、回路基板15上の回路素子や配線、その他の詳細な部品等の図示は省略されている。
【0022】
ガスメータ100の筐体部101内には、少なくとも、感震器10と、回路基板15と、支持部材16と、電池20と、電池保持部材25と、が収容されている。
【0023】
感震器10は、例えば、地震等、ガスメータ100に生じる振動を検出する。感震器10は、円柱形状を有しており、通常の使用時には、その中心軸が重力方向に沿う姿勢で設置される。感震器10は、内部に配置された球体が振動により所定の配置位置から移動して電極に接触したときに電気的な信号を出力するように構成されている。
【0024】
感震器10は、支持部材16に設けられた、後述の支持構造30によって支持される。感震器10は、その中心軸がZ方向に沿った姿勢で、支持部材16の後方側に固定される。感震器10は、図示しない配線を介して、回路基板15に電気的に接続される。本実施形態では、感震器10は、後述する遮断弁111の下方に設置される。
【0025】
回路基板15は、感震器10とともに支持部材16によって支持される。回路基板15は、後述するように、ガスメータ100の制御部として機能するマイクロプロセッサを含む回路を有する。回路基板15は、Z方向およびX方向に沿った姿勢で支持部材16の前方側に保持される。
【0026】
支持部材16は、樹脂材料の射出成形によって作製される。支持部材16は、略長方形形状の板面を有する本体板部17を備える。本体板部17は、回路基板15に沿って配置され、回路基板15に対向する面を有する。支持部材16は、後面カバー部材103に、例えば、ねじ止めにより固定される。支持部材16は、本体板部17が後面カバー部材103の開口部の内周縁との間にわずかな隙間を有する状態で、後面カバー部材103の開口部内に配置される。
【0027】
本体板部17の後方側の面には、感震器10の支持構造30が設けられている。後に参照する図4にも示されているように、本体板部17には、前方側に回路基板15を保持するための構造として、複数の爪部18が設けられている。本実施形態では、複数の爪部18は、本体板部17の外周縁部において前方に突き出るように設けられており、回路基板15の外周縁部に係止または係合する。
【0028】
ガスメータ100は、内蔵されている電池20の電力により駆動する。電池20は、複数の円柱形状の単位電池21が径方向に一列に配列された状態で一体化された構成を有している。単位電池21は、一次電池であり、例えばリチウム電池によって構成される。電池20は、図示しない配線を介して回路基板15に接続され、回路基板15上の回路素子や感震器10をはじめとする、ガスメータ100が備える電気素子や電気部品に駆動電力を供給する。
【0029】
電池20は、感震器10および回路基板15とともに支持部材16に保持される。電池20は、複数の単位電池21が左右方向に配列される姿勢で、支持部材16の後方側に配置される。支持部材16では、本体板部17における感震器10の支持構造30が設けられているのと同じ後方側の面に、樹脂材料によって作製された電池保持部材25が固定されることにより、電池20をX,Y,Zの三方向に支持する壁部を有する電池保持部26が形成される。電池20は、電池保持部材25と本体板部17との間の空間に収容されて保持される。本実施形態では、電池保持部26は、感震器10の支持構造30に対して左右方向においてずれた位置に形成されている。
【0030】
後面カバー部材103の内部には、ガス流入部105とガス流出部106とを接続するガス流路110が設けられている。ガス流路110の上流端には、開閉動作により、ガス流入部105からガス流路110へのガスの流入を制御する遮断弁111が設けられている。符号の図示や詳細な説明は省略するが、後面カバー部材103の内部には、その他に、ガス流路110を流れるガスの流速の計測に用いられる超音波センサ素子や、遮断弁111を駆動するモータ等が配置されている。
【0031】
回路基板15は、ガスメータ100の駆動を制御する制御部として機能するマイクロプロセッサを備える。回路基板15の制御部は、超音波センサ素子の出力結果を用いてガス流路に流れるガスの量を測定する測定処理を実行する機能を有する。また、回路基板15の制御部は、感震器10によって地震が検出されたときに、ガスの漏洩等の異常の発生を予防するために遮断弁111を閉じる制御を実行する。
【0032】
1-2.感震器の支持構造:
図3は、感震器10の支持構造30が設けられた支持部材16の後面側を示す概略斜視図である。図4は、支持部材16の前面側を示す概略斜視図である。図3および図4では、支持構造30に取り付けられるために挿入方向に移動する感震器10が図示されているとともに、支持構造30における所定の固定位置に固定された感震器10が破線で図示されている。図5は、感震器10の支持構造30を抜き出して示す概略斜視図である。図5では、感震器10が支持構造30によって固定位置に固定されている状態が例示されている。
【0033】
図3および図4を参照する。上述したように、本実施形態では、感震器10の支持構造30は、支持部材16の本体板部17の後面に設けられている。支持構造30は、支持部材16の左側の下端部、つまり、ガスメータ100の左側の下端部に寄った位置に設けられている。
【0034】
支持構造30は、感震器10を囲むように配置された複数の支持部31を備える。支持構造30は、複数の支持部31が感震器10に接触することによって、感震器10が互いに直交する三方向に移動することを規制し、感震器10を所定の固定位置に固定するように構成されている。また、支持構造30は、感震器10が所定の挿入方向に沿って固定位置に挿入されることにより、固定位置に固定されるように構成されている。本実施形態では、挿入方向は、Z方向に沿った、上から下に向かう方向である。
【0035】
図3および図5を参照する。本実施形態では、複数の支持部31は、固定位置にある感震器10が互いに直交する三方向に移動することを規制するために、感震器10を前後方向、左右方向、および、上下方向に挟むように設けられている。複数の支持部31は、複数の挿入支持部32a,32b,32c,32dと、変位支持部35と、終端支持部38と、を含む。
【0036】
複数の挿入支持部32a,32b,32c,32dは、感震器10を挿入方向に沿って固定位置へと挿入可能にする挿入路を形成するように、感震器10の固定位置の周りに配列されている。各挿入支持部32a,32b,32c,32dは、固定位置への感震器10の挿入方向に沿った移動を誘導可能なように、感震器10の挿入路に沿った壁面を有している。
【0037】
図3図4、および、図5を参照する。本実施形態の第1挿入支持部32aは、支持部材16の本体板部17の一部であり、感震器10の固定位置に面する壁部によって構成されている。第1挿入支持部32aは、固定位置に配置された感震器10の側面に前方から接触し、感震器10の前方への移動を規制する。本実施形態では、第1挿入支持部32aを構成する壁部の中央にはスリットSLが形成されており、感震器10の側面は、そのスリットSLの端部に接触する。スリットSLは省略されてもよい。
【0038】
図3および図5を参照する。第2挿入支持部32bと第3挿入支持部32cとはそれぞれ、本体板部17から後方に延び出ている略四角形状の壁部によって構成されている。第2挿入支持部32bは右から、第3挿入支持部32cは左から、固定位置に配置された感震器10の側面に接触し、感震器10の左右方向への移動を規制する。
【0039】
第4挿入支持部32dは、下側支持部33と、弾性支持部34と、を有する。下側支持部33は、本体板部17に平行な壁部によって構成されている。下側支持部33は、第2挿入支持部32bと第3挿入支持部32cのそれぞれの下側の部位から左右方向に延在しており、その下端において終端支持部38の後方端部に交差している。下側支持部33は、固定位置に配置された感震器10の下端部の側面に後方から接触する。
【0040】
弾性支持部34は、略長方形形状の板状部位によって構成され、下側支持部33の左右方向における中央から上方に延びている。弾性支持部34は、前後方向に弾性変形可能な板バネ状の弾性部材として構成されている。弾性支持部34は、下側支持部33とともに、固定位置に配置された感震器10の側面に後方から接触する。弾性支持部34の上端には、変位支持部35が設けられている。
【0041】
変位支持部35は、弾性支持部34の上端から前方に延び出ている。変位支持部35は、弾性部材に相当する弾性支持部34によって、固定位置に配置された感震器10に面する所定の配置位置に支持されている。変位支持部35は、弾性支持部34が弾性変形していない状態では、感震器10の固定位置の入口である挿入口40に配置されている。図3では、挿入口40に相当する領域を一点鎖線で図示してある。図5に示すように、変位支持部35は、固定位置に配置された感震器10に上方から接触して、感震器10が挿入口40へと移動することを規制する。変位支持部35は、弾性支持部34の弾性変形により、所定の配置位置から変位するが、その詳細は後述する。
【0042】
図4を参照する。図4では、終端支持部38が、第1挿入支持部32aに設けられた貫通孔を通じて見えている。終端支持部38は、固定位置への感震器10の挿入路の終端に位置し、感震器10が固定位置から挿入方向、つまり、下方に移動することを規制する。本実施形態では、終端支持部38は、第1挿入支持部32aと、第2挿入支持部32bと、第3挿入支持部32cと、第4挿入支持部32dの下側支持部33と、に交差する壁部によって構成され、感震器10の底面に面する壁面を有する。
【0043】
図6を参照して、弾性支持部34の弾性変形による変位支持部35の変位を説明する。図6は、図5に示す6-6切断における支持構造30の概略断面図である。図6には、弾性支持部34が弾性変形し、変位支持部35が所定の配置位置から移動したときの状態が破線で例示されている。
【0044】
弾性支持部34は、上記のように板バネ状に構成されており、外力を加えることにより、上端側が感震器10の固定位置から離れる方向に移動するように弾性変形することが可能である。また、変位支持部35は、弾性支持部34が弾性変形をすることによって、上述した所定の配置位置から離れた位置に変位可能である。
【0045】
弾性支持部34に外力を加えて、変位支持部35を所定の配置位置から離れた位置に移動させることにより、挿入口40が全開の状態になり、感震器10が挿入口40を通過することが許容される。これにより、挿入方向に感震器10を移動させて固定位置に配置することが可能になる。
【0046】
また、感震器10を固定位置に配置した後に、弾性支持部34に加えていた外力を解除すると、弾性支持部34の弾性力により、変位支持部35は、固定位置に配置された感震器10に面する所定の配置位置へと戻り、感震器10の上面端部に係止される。このように、弾性支持部34と変位支持部35によるスナップフィット式の係止により、感震器10は、固定位置から挿入口40へと移動することが規制される。
【0047】
図3を参照する。本実施形態の感震器10は、側面の径方向両端から後方に平行に延び出ている一対の柱状部位12a,12bを有している。一対の柱状部位12a,12bのそれぞれの先端には、互いに左右方向の外側に向けて突出するように形成された先端爪部13が設けられている。一対の柱状部位12a,12bのそれぞれの先端爪部13が、支持構造30の所定の係止位置に係止されることにより、感震器10の中心軸周りの配置角度が規定の方向に位置決めされる。
【0048】
図5を参照する。本実施形態の支持構造30には、スナップフィット式の一対の係合部42が設けられている。一対の係合部42は、それぞれが弾性変形して、感震器10の一対の柱状部位12a,12bのそれぞれに係合することにより、一対の柱状部位12a,12bのそれぞれの先端爪部13を前記の所定の係止位置に固定する。
【0049】
図7は、感震器10の一対の柱状部位12a,12bのそれぞれに支持構造30の一対の係合部42が係合するメカニズムを示す模式図である。図7には、前後方向に沿って見たときの支持構造30が模式的に図示されている。
【0050】
一対の係合部42はそれぞれ、下側支持部33の左右の端部に設けられており、第2挿入支持部32bまたは第3挿入支持部32cに沿って上方に延びている。一対の係合部42は、左右方向に弾性変形可能に構成されている。一対の係合部42の上端にはそれぞれ、一対の柱状部位12a,12bのうちの対応する方に係止する係合爪部43が設けられている。各係合爪部43は、一対の係合部42が弾性変形していない状態では、隣に位置する第2挿入支持部32bまたは第3挿入支持部32cにほぼ接する位置にある。
【0051】
感震器10の固定位置への挿入の際には、感震器10の一対の柱状部位12a,12bの先端爪部13はそれぞれ、前方に向く面が第2挿入支持部32bまたは第3挿入支持部32cの側端面に面接触する状態で挿入方向に移動する。感震器10の挿入方向への移動の途中で、柱状部位12a,12bが、支持構造30の係合部42に接触すると、係合部42は柱状部位12a,12bに押されて弾性変形し、係合部42の係合爪部43が変位する。
【0052】
柱状部位12a,12bが係合爪部43を乗り越えてさらに下方に移動すると、係合爪部43は係合部42の弾性力によって元の位置に戻り、一対の柱状部位12a,12bに係合する。係合爪部43の係合により、一対の柱状部位12a,12bの先端爪部13は所定の係止位置に固定される。このように、本実施形態の支持構造30によれば、一対の柱状部位12a,12bを有する感震器10の中心軸周りの配置角度が規定の方向に位置決めされる。
【0053】
以上のように、第1実施形態の支持構造30によれば、感震器10は、例えば、ブラケットやねじのような部材や、ドライバーのような器具等を用いなくても、複数の支持部31によって所定の固定位置に固定される。複数の支持部31は、上述したような簡素な構成であるため、支持構造30は、回路基板15上以外の任意の場所に容易に設けることができる。よって、第1実施形態の支持構造30によれば、感震器10の設置場所の自由度が高められる。また、第1実施形態のガスメータ100によれば、感震器10の設置場所の自由度が高められているため、ガスメータ100の筐体内部の限られた空間の有効活用が容易である。
【0054】
第1実施形態の感震器10の支持構造30によれば、上記のように、第4挿入支持部32dの弾性支持部34を弾性変形させて、変位支持部35を所定の配置位置から移動させることにより、感震器10を、挿入口40を通じて固定位置に配置することができる。そして、弾性支持部34の弾性力により、変位支持部35を元の配置位置に戻すことにより、感震器10を固定位置に固定することができる。このように、第1形態の支持構造30によれば、感震器10の固定位置に固定する作業が容易化される。
【0055】
また、第1実施形態の支持構造30によれば、弾性支持部34を弾性変形させて変位支持部35を移動させることにより、感震器10を固定位置から簡単に取り外すことができる。よって、感震器10のメンテナンス作業が容易化される。
【0056】
第1実施形態のガスメータ100によれば、第1実施形態の支持構造30によって、感震器10の取り付けが容易化されているため、ガスメータ100の製造工程が容易化される。よって、ガスメータ100の製造コストの低下や製造時間の短縮が可能である。また、感震器10の取り外しが容易化されているため、例えば、感震器10の交換が必要なガスメータ100のメンテナンス作業等が容易化される。
【0057】
第1実施形態の感震器10の支持構造30によれば、上記のように、複数の支持部31のうちの1つである弾性支持部34が、変位支持部35の感震器10へのスナップフィットを可能にする弾性部材として用いられている。この構成によれば、弾性支持部34に、固定位置にある感震器10を支持する支持部31としての機能と、変位支持部35を変位可能に支持する機能の両方を持たせることができるため効率的である。また、変位支持部35を支持するための弾性部材を別個に追加しなくてもよいため、感震器10の支持構造30の簡素化が実現される。
【0058】
第1実施形態の感震器10の支持構造30によれば、上記のように、複数の支持部31が、回路基板15を保持する支持部材16に設けられている。そのため、感震器10と回路基板15とを、コンパクトにまとめて一体的に配置することが容易にできる。
【0059】
第1実施形態の感震器10の支持構造30によれば、複数の支持部31が、本体板部17における、回路基板15が保持される面とは反対側の面に設けられていている。この構成によれば、ガスメータ100の内部の限られた空間内における、本体板部17を挟んで回路基板15とは反対側の領域を感震器10の設置場所として有効に活用することができる。第1実施形態では、感震器10は、遮断弁111の下方に設置されており、遮断弁111の下方領域がデッドスペースになることが抑制されている。
【0060】
さらに、第1実施形態のガスメータ100では、支持部材16の本体板部17の同じ面に、感震器10の支持構造30と電池保持部26とが設けられている。そのため、本体板部17を挟んで回路基板15とは反対側の領域が、電池20と感震器10とをコンパクトにまとめて設置するための設置場所としてより、有効に活用されている。
【0061】
2.第2実施形態:
図8および図9を参照して、第2実施形態における感震器10の支持構造30Aの構成を説明する。図8は、第2実施形態の支持構造30Aが設けられた支持部材16Aを示す概略斜視図である。図8には、固定位置に向けて挿入方向に移動する感震器10が図示されているとともに、固定位置に固定された感震器10が破線で図示されている。図9は、第2実施形態の支持構造30Aを抜き出して示す概略斜視図である。
【0062】
第2実施形態の支持構造30Aは、以下に説明する点以外は、第1実施形態の支持構造30の構成とほぼ同じである。また、第2実施形態の支持構造30Aを備える支持部材16Aは、第1実施形態で説明したのとほぼ同じ構成のガスメータ100に収容される。感震器10の構成は、第1実施形態で説明した構成とほぼ同じである。
【0063】
第2実施形態では、複数の支持部31Aは、Y方向に沿った挿入方向への感震器10の挿入により、感震器10が固定位置に固定されるように構成されている。複数の支持部31Aは、複数の挿入支持部32Aa,32Ab,32Ac,32Adと、一対の変位支持部35Aa,35Abと、終端支持部38Aと、を備える。
【0064】
第2実施形態では、複数の挿入支持部32Aa,32Ab,32Ac,32Adは、Y方向に沿った感震器10の挿入路を形成するように、感震器10の固定位置の周りに配列されており、それぞれが挿入方向に沿った壁面を有している。図9には、感震器10の固定位置の入口である挿入口40に相当する領域が一点鎖線により例示されている。
【0065】
第2実施形態の第1挿入支持部32Aaと第2挿入支持部32Abはそれぞれ、支持部材16Aの本体板部17から後方に延び出ている略四角形状の壁部によって構成されている。第1挿入支持部32Aaと第2挿入支持部32Abとは、固定位置に配置された感震器10の側面を左右方向から挟んで、感震器10の左右方向への移動を規制する。
【0066】
第2実施形態の第3挿入支持部32Acは、固定位置に配置された感震器10の上面に接触して感震器10の上方への移動を規制する。第3挿入支持部32Acは、3つの部位に分離されており、一対の端部支持部45と、一対の端部支持部45の間に位置する中央支持部46と、を含む。
【0067】
一対の端部支持部45はそれぞれ、本体板部17から挿入方向を長手方向として延びている略長方形形状の壁部によって構成されており、第1挿入支持部32Aaまたは第2挿入支持部32Abの上端に交差している。図8に示すように、一対の端部支持部45はそれぞれ、固定位置に配置された感震器10の上面における左右方向の端部に面接触する。
【0068】
中央支持部46は、本体板部17から挿入方向に沿って延び出ている略長方形形状の壁部によって構成され、上下方向に弾性変形する板ばね状の弾性部材を構成している。図8に示すように、中央支持部46は、固定位置に配置された感震器10の上面の左右方向における中央部に面接触する。中央支持部46の先端には、第1変位支持部35Aaが下方に延び出るように設けられている。第3挿入支持部32Acの中央支持部46は、第1変位支持部35Aaを支持する第1弾性部材に相当する。
【0069】
第2実施形態の第4挿入支持部32Adは、固定位置に配置された感震器10の底面に接触して感震器10の下方への移動を規制する。第4挿入支持部32Adは、第3挿入支持部32Adと同様な構成を有しており、一対の端部支持部45と、一対の端部支持部45の間に位置する中央支持部46と、を含む。
【0070】
第4挿入支持部32Adの一対の端部支持部45の構成は、第3挿入支持部32Acの一対の端部支持部45の構成とほぼ同じである。一対の端部支持部45は、第1挿入支持部32Aaまたは第2挿入支持部32Abの下端に交差しており、固定位置に配置された感震器10の底面の左右方向の端部に面接触する。
【0071】
第4挿入支持部32Adの中央支持部46の構成は、第3挿入支持部32Acの中央支持部46の構成とほぼ同じである。第4挿入支持部32Adの中央支持部46は、固定位置に配置された感震器10の底面の左右方向における中央部に面接触する。第4挿入支持部32Adの中央支持部46の先端には、第2変位支持部35Abが、上方に延び出るように設けられている。第4挿入支持部32Adの中央支持部46は、第2変位支持部35Abを支持する第2弾性部材に相当する。
【0072】
一対の変位支持部35Aa,35Abはそれぞれ、固定位置に配置された感震器10に面する所定の配置位置に配置されている。第1変位支持部35Aaは、挿入口40の上端に位置する第1配置位置に配置され、第2変位支持部35Abは、挿入口40の下端に位置する第2配置位置に配置されている。一対の変位支持部35Aa,35Abは、固定位置に配置された感震器10に対して挿入方向に接触して、感震器10が挿入口40へと移動することを規制する。
【0073】
第2実施形態の終端支持部38Aは、本体板部17の板面の一部を構成する壁部によって構成されている。終端支持部38Aは、感震器10の挿入路の終端に位置し、固定位置に配置された感震器10の側面に対して前方から接触して、感震器10の移動を規制する。終端支持部38Aは、一対の変位支持部35Aa,35Abとともに、固定位置に配置された感震器10を前後方向に挟んで感震器10を固定する。
【0074】
ここで、感震器10が固定位置に配置されたとき、感震器10の一対の柱状部位12a,12bの先端爪部13は、第1挿入支持部32Aaと第2挿入支持部32Abのそれぞれの側端面に係止される。これによって、固定位置に配置された感震器10の中心軸周りの配置角度の位置決めがなされる。
【0075】
第2実施形態における支持構造30Aに対する感震器10の取り付け工程は以下の通りである。まず、感震器10の固定位置への挿入を開始する前に、第3挿入支持部32Acと第4挿入支持部32Adの中央支持部46をそれぞれ弾性変形させ、一対の変位支持部35Aa,35Abをそれぞれ、挿入口40から離れた位置に変位させる。これにより、感震器10が挿入口40を通過することが許容される。
【0076】
次に、感震器10を挿入方向に移動させて固定位置に到達した後に、第3挿入支持部32Acと第4挿入支持部32Adの中央支持部46に加えられていた外力を解除する。すると、一対の変位支持部35Aa,35Abのそれぞれは、中央支持部46の弾性力により、挿入口40に面する元の配置位置に戻り、スナップフィット式に感震器10に係止される。これにより、感震器10が固定位置に固定される。
【0077】
以上のように、第2実施形態の支持構造30Aによれば、複数の変位支持部35Aa,35Abによって、感震器10の挿入口40への移動が規制される。よって、感震器10が、挿入口40を通じて固定位置から移動することを、より確実に抑制することができる。その他に、第2実施形態の支持構造30Aおよびそれを備えるガスメータ100によれば、第1実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
【0078】
3.第3実施形態:
図10および図11を参照して、第3実施形態における感震器10の支持構造30Bの構成を説明する。図10は、第3実施形態の支持構造30Bが設けられた支持部材16Bを示す概略斜視図である。図11は、第3実施形態の支持構造30Bを抜き出して示す概略斜視図である。図10および図11には、固定位置に向けて挿入方向に移動する感震器10が図示されているとともに、固定位置に固定された感震器10が破線で図示されている。図11には、感震器10の固定位置の挿入口40を一点鎖線で図示してある。
【0079】
第3実施形態の支持構造30Bは、以下に説明する点以外は、第2実施形態の支持構造30Aの構成とほぼ同じである。また、第3実施形態の支持構造30Bを備える支持部材16Bは、第1実施形態で説明したのとほぼ同じ構成のガスメータ100に用いられる。感震器10の構成は、第1実施形態で説明した構成とほぼ同じである。
【0080】
第3実施形態の支持構造30Bは、第2実施形態の複数の支持部31Aに対応する複数の支持部31Bを備えている。複数の支持部31Bは、複数の挿入支持部32Ba,32Bb,32Bc,32Bdと、一対の変位支持部35Ba,35Bbと、終端支持部38Bと、を備える。
【0081】
支持構造30Bが備える複数の挿入支持部32Ba,32Bb,32Bc,32Bdは、一対の変位支持部35Ba,35Bbより後方に延び出ている複数の延出部48を有している。各延出部48は、感震器10の固定位置よりも手前の領域に挿入方向に沿って延び出ている。第3実施形態では、第1挿入支持部32Baと第2挿入支持部32bbの上下方向の端部に位置する後方端部と、第3挿入支持部32Bcと第4挿入支持部32Bdが有する一対の端部支持部45Bの後方端部とによって、4つの延出部48が構成されている。
【0082】
複数の延出部48は、以下に説明するように、固定位置に挿入される前の感震器10の配置姿勢が、固定位置での感震器10の配置姿勢に一致するように、固定位置に配置される前の感震器10を支持する。第3実施形態では、挿入方向に直交する切断面における各延出部48の断面形状は、略L字状を有している。各延出部48の互いに対向し合う内側の壁面は、固定位置に到達する前の感震器10の4つの角部に近接する。ここで、「近接」とは、接触するほどに近づくことを意味しており、互いに接触している状態と、互いが接触まではしなくとも、接触するほどに近くに位置している状態とを含む概念である。
【0083】
各延出部48により、挿入口40に挿入されるときの感震器10の中心軸の角度が、感震器10が固定位置に固定されるときの角度に規定され、感震器10の配置姿勢が、固定位置に到達する前に、固定位置に固定されるときの配置姿勢へと規定される。よって、感震器10を固定位置により精度良く固定することが可能である。
【0084】
その他に、第3実施形態の支持構造30Bおよびそれを備えるガスメータ100によれば、第1実施形態や第2実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
【0085】
4.第4実施形態:
図12および図13を参照して、第4実施形態における感震器10の支持構造30Cの構成を説明する。図12は、第4実施形態の支持構造30Cが設けられた支持部材16Cを示す概略斜視図である。図13は、第4実施形態の支持構造30Cを抜き出して示す概略斜視図である。図12には、固定位置に向けて挿入方向に移動する感震器10が図示されている。図13には、支持部材16Cの支持構造30Cにおいて固定位置に固定された感震器10が図示されている。
【0086】
第4実施形態の支持構造30Cに支持される感震器10の構成は、第1実施形態で説明した構成とほぼ同じである。第1実施形態では説明を省略したが、感震器10は、その下端部に後方に突出している突出部14を備えている。突出部14は上下方向に延びる矩形断面のリブによって構成されている。
【0087】
第4実施形態の支持構造30Cは、以下に説明する点以外は、第3実施形態の支持構造30Bの構成とほぼ同じである。また、第4実施形態の支持構造30Cを備える支持部材16Cは、第1実施形態で説明したのとほぼ同じ構成のガスメータ100に用いられる。
【0088】
第4実施形態の支持構造30Cは、第3実施形態の複数の支持部31Bに対応する複数の支持部31Cを備えている。第4実施形態の複数の挿入支持部32Ca,32Cb,32Cc,32Cdはそれぞれ、第2実施形態の挿入支持部32Ba,32Bb,32Bc,32Bdとほぼ同じ構成を有する。また、第4実施形態の終端支持部38Cは、第3実施形態の終端支持部38Bとほぼ同じ構成を有する。
【0089】
第4実施形態の一対の変位支持部35Ca,35Cbのうち、第1変位支持部35Caは、第3実施形態の第1変位支持部35Baとほぼ同じ構成を有している。第2変位支持部35Cbは、篏合凹部36を有している点以外は、第3実施形態の第2変位支持部35Bbとほぼ同じ構成を有している。
【0090】
第2変位支持部35Cbの篏合凹部36は、後方に窪んでいる。感震器10が固定位置に配置されたとき、感震器10の下端部に設けられた突出部14が篏合凹部36に、嵌まり込むように挿入される。突出部14が篏合凹部36に嵌ることにより、固定位置に配置されたときの感震器10の中心軸回りの向きの位置決め精度が高められる。また、感震器10の下端部の固定性が高められる。
【0091】
その他に、第4実施形態の支持構造30Cおよびそれを備えるガスメータ100によれば、第1実施形態や第2実施形態、第3実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
【0092】
5.第5実施形態:
図14は、第5実施形態における感震器10の支持構造30Dを備えるガスメータ100Dの構成を示す概略斜視図である。図14では、ガスメータ100Dの内部構造を示す便宜上、後面カバー部材103とともにガスメータ100Dの筐体部を構成し、後面カバー部材103の前方の開口部を塞ぐ前面カバー部材の図示が省略されている。
【0093】
ガスメータ100Dは、ガスが流れる量に応じて撓み変形を繰り返すようにガス流路に配置された可撓膜の撓み変形の回数を計数することにより、ガス流路に流れるガスの量を測定する膜式ガスメータとして構成されている。ガスメータ100Dは、後面カバー部材103の上面に、計測対象となるガスを取り入れるガス流入部105と、計測後のガスが流出するガス流出部106と、を有する。また、ガスメータ100Dは、後面カバー部材103の内部に、2つのガス室112a,112bと、バルブ113と、感震器10と、回路基板15Dと、感震器10の支持構造30Dが設けられた支持部材16Dと、を備える。
【0094】
2つのガス室112a,112bは、後面カバー部材103の下部において左右方向に隣り合って配列されている。2つのガス室112a,112bは、図示しない可撓膜によって互いに仕切られている。バルブ113は、第1ガス室112aの上方に配置されており、ガスメータ100D内のガスの流通を制御する。バルブ113は、図示しないクランク機構によって、2つのガス室112a,112bの間の可撓膜に連結されている。ガスメータ100Dでは、バルブ113の開閉動作に応じて可撓膜が撓み変形することにより、2つのガス室112a,112bにおいてガスの充満と排出が交互に行われる。
【0095】
支持部材16Dは、回路基板15Dと感震器10とを支持する。支持部材16Dは、後面カバー部材103の内部において、2つのガス室112a,112bの上方の位置であって、バルブ113の側方の位置に、ねじ止めにより固定されている。支持部材16Dの構成は後述する。
【0096】
回路基板15Dは、ガスの流量を計測する流量計側部として機能する。回路基板15Dは、上記の可撓膜の撓み変形のサイクル数を磁気的に検出する磁気センサを備え、磁気センサの検出信号に基づいてガスの流量を計測する。回路基板15Dに搭載されている磁気センサは、可撓膜の撓み変形に応じて変化する磁界の変化を検出する。磁気センサとしては、例えば、磁界の変化を抵抗の変化として検出する磁気抵抗(MR)センサを用いることができる。
【0097】
感震器10は、上記の各実施形態で説明したのと同様な構成を有している。ガスメータ100Dは、感震器10によって、地震などの所定の大きさの振動を検出したときに、ガスの流通を遮断するように構成されている。
【0098】
図15および図16を参照して、支持部材16Dの構成の詳細を説明する。図15は、支持部材16Dの後方側を上方から見たときの概略斜視図である。図16は、支持部材16Dの後方側を下方から見たときの概略斜視図である。
【0099】
図15には、支持部材16Dの所定の固定位置に配置された感震器10が破線で図示されている。また、図15には、その固定位置に向かって挿入方向に挿入される感震器10が実線で図示されている。第5実施形態では、感震器10の挿入方向は、Y方向に沿った方向であり、後方から前方に向かう方向である。
【0100】
図15および図16のそれぞれに示すように、支持部材16Dは、回路基板15Dの基板面と対向する面を有する本体板部17を有する。支持部材16Dは、本体板部17の厚み方向が上下方向に一致する状態でガスメータ100D内に設置される。支持部材16Dでは、本体板部17の上方側に、感震器10の支持構造30Dを有し、本体板部17の下方側に、複数の係止部19で構成された回路基板15Dの支持構造を有している。
【0101】
図15を参照する。支持構造30Dは、固定位置に配置された感震器10を囲むように配置された複数の支持部31Dを備える。感震器10は、その中心軸がZ方向に沿った姿勢で、複数の支持部31Dに囲まれた固定位置にY方向に挿入されて固定されることにより、本体板部17の上に固定される。複数の支持部31Dは、複数の挿入支持部32Da,32Db,32Dc,32Ddと、変位支持部35Dと、終端支持部38Dと、を含む。
【0102】
第1挿入支持部32Daと第2挿入支持部32Dbはそれぞれ、支持部材16Dの本体板部17から上方に延び出ている略四角形状の壁部によって構成されている。第1挿入支持部32Daは、前方から後方に見たときに、感震器10の固定位置の右側に配置され、第2挿入支持部32Dbは、感震器10の固定位置の左側に配置されている。第1挿入支持部32Daと第2挿入支持部32Dbとは、固定位置に配置された感震器10の側面を左右方向から挟んで、感震器10の左右方向への移動を規制する。
【0103】
感震器10が固定位置に配置されたとき、感震器10の一対の柱状部位12a,12bの先端爪部13は、第1挿入支持部32Daと第2挿入支持部32Dbのそれぞれの側端面に係止される。これによって、固定位置に配置された感震器10の中心軸周りの配置角度の位置決めがなされる。
【0104】
第3挿入支持部32Dcは、固定位置に配置された感震器10の上面に接触して感震器10の上方への移動を規制する。第3挿入支持部32Dcは、第2実施形態の第3挿入支持部32Dcと同様に、一対の端部支持部45と、中央支持部46と、を有する。一対の端部支持部45はそれぞれ、固定位置に配置された感震器10の上面における左右方向の端部に面接触する。中央支持部46は、固定位置に配置された感震器10の上面の左右方向における中央部に面接触する。
【0105】
中央支持部46は、上下方向に弾性変形する板ばね状の弾性部材を構成している。中央支持部46の先端には、変位支持部35Dが下方に延び出るように設けられている。第3挿入支持部32Dcの中央支持部46は、変位支持部35Dを支持する弾性部材に相当する。
【0106】
第4挿入支持部32Ddは、固定位置に配置された感震器10の底面に接触して感震器10の下方への移動を規制する。第4挿入支持部32Ddは、本体板部17の上面からZ方向に突出し、Y方向に互いに平行に延びている2条のリブによって構成されている。2条のリブは、固定位置に配置された感震器10の中心軸を挟んで両側に位置するように設けられている。2条のリブは、感震器10の固定位置への挿入をガイドするレールとしても機能する。
【0107】
変位支持部35Dは、中央支持部46が弾性変形していない状態のときに、固定位置に配置された感震器10に面する所定の配置位置に配置される。変位支持部35Dは、その配置位置にあるときに、固定位置に配置された感震器10に対して挿入方向に接触して、感震器10が挿入口40へと移動することを規制する。中央支持部46を弾性変形させて、変位支持部35Dを所定の配置位置から離れた位置に変位させることにより、固定位置への感震器10の挿入が許容される。
【0108】
終端支持部38Dは、変位支持部35Dとともに、固定位置に配置された感震器10を前後方向に挟んで感震器10を固定する。終端支持部38Dは、本体板部17から上方に延び出ている壁部によって構成されている。終端支持部38Dは、感震器10の挿入路の終端に位置し、固定位置に配置された感震器10の側面に対して前方から接触して、感震器10の移動を規制する。図14に示すように、支持部材16Dがガスメータ100D内に設置されたとき、終端支持部38Dは、感震器10の前方側を覆うように配置される。
【0109】
図16を参照する。支持部材16Dは、本体板部17の下面から下方に延び出ている複数の係止部19を有する。回路基板15Dは、その外周縁が各係止部19に係止されることによって、支持部材16Dに保持される。図14に示すように、第5実施形態の支持部材16Dによれば、感震器10の下方の隙間領域を回路基板15Dの配置領域として有効活用することができる。
【0110】
以上のように、第5実施形態の支持構造30Dを有する支持部材16Dによれば、ガスメータ100Dへの感震器10の設置を容易に行うことができる。その他に、第5実施形態の支持構造30Dおよびそれを備えるガスメータ100Dによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
【0111】
6.他の実施形態:
本開示の技術は、上述の実施形態の構成に限定されることはなく、例えば、以下に説明する他の実施形態の構成に改変することも可能である。なお、本明細書において、他の実施形態として説明されている構成はいずれも、上述の実施形態と同様に、本開示の技術を実施するための形態の一例として位置づけられる。
【0112】
6-1.他の実施形態1:
上記の各実施形態の支持構造30,30A,30B,30C,30Dは、ガスメータ100,100D以外の様々な機器・装置・機械に適用されてもよい。上記の各実施形態の感震器10の支持構造30,30A,30B,30C,30Dの構成は、例えば、ガス湯沸かし器や、水道メータ、発電機等、感震器を用いて振動に対する対策をする機能を有している機器・装置・機械に適用することができる。
【0113】
6-2.他の実施形態2:
上記の各実施形態の支持構造30,30A,30B,30C,30Dは、上記の各実施形態で説明した感震器10とは形状が異なる感震器や、振動の検出方式が異なる感震器を支持するように構成されていてもよい。例えば、上記の各実施形態の感震器10の支持構造30,30A,30B,30C,30Dは、一対の柱状部位12a,12bに相当する構成を有していない感震器を支持するように構成されていてもよいし、円柱形状を有していない感震器を支持するように構成されていてもよい。第4実施形態で説明した突出部14は、矩形断面のリブ以外の形状を有していてもよく、例えば、突出部14は円柱状の凸部として構成されていてもよい。第4実施形態以外の実施形態では、感震器10の突出部14は省略されていてもよい。また、上記の各実施形態の支持構造30,30A,30B,30C,30Dにおいて、複数の支持部31,31A,31B,31C,31Dは、感震器10を、X方向、Y方向、および、Z方向の三方向以外の互いに直交する三方向への移動を規制するように構成されていてもよい。感震器10の挿入方向は、第1実施形態で説明したZ方向に沿った方向や、第2実施形態や第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態で説明したY方向に沿った方向でなくてもよい。感震器10の挿入方向は、X方向に沿った方向であってもよいし、X方向、Y方向、および、Z方向に斜めに交差する方向であってもよい。感震器10の挿入方向に合わせて、複数の挿入支持部の形状を構成すればよい。
【0114】
6-3.他の実施形態3:
上記の各実施形態の支持構造30,30A,30B,30C,30Dが有する複数の支持部31,31A,31B,31C,31Dの構成は、上記の各実施形態で説明した構成には限定されない。上記の各実施形態の複数の支持部31,31A,31B,31C,31Dの形状は、支持対象となる感震器の形状に合わせて適宜、変更されてもよい。例えば、上記の各実施形態の複数の支持部31,31A,31B,31C,31Dは、感震器10を支持できるのであれば、貫通孔やスリット、凹凸が設けられてもよいし、例えば柱状やリブ状等、他の形状に変更されてもよい。また、上記の各実施形態複数の支持部31,31A,31Bは、湾曲した形状に変更されてもよい。
【0115】
6-4.他の実施形態4:
上記の各実施形態の支持構造30,30A,30B,30C,30Dにおいて、変位支持部35,35Aa,35Ab,35Ba,35Bb,35Ca,35Cb,35Dは、複数の支持部31,31A,31B,31C,31Dを構成していない弾性部材によって支持されていてもよい。変位支持部35,35Aa,35Ab,35Ba,35Bb,35Ca,35Cb,35Dは、例えば、感震器10の固定位置から離れた位置に設けられた板状ばねに支持されていてもよいし、弦巻ばねや、柱状の弾性部材、ゴム等の弾性体などによって変位可能に支持されていてもよい。
【0116】
6-5.他の実施形態5:
上記の各実施形態の支持構造30,30A,30B,30C,30Dは、回路基板15,15Dを保持する支持部材16,16A,16B,16C,16Dとは別の部材に設けられていてもよい。例えば、ガスメータ100,100Dの筐体101の内壁面に設けられていてもよい。また、上記の各実施形態の支持構造30,30A,30B,30C,30Dは、支持部材16,16A,16B,16C,16Dの本体板部17において、回路基板15,15Dが保持される側の面に設けられていてもよい。上記の第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態において、電池保持部26は、支持部材16,16A,16Cに設けられていなくてもよい。電池保持部26は、支持部材16,16A,16Cとは別の部材に設けられていてもよい。
【0117】
6-6.他の実施形態6:
上記の各実施形態の支持構造30,30A,30B,30C,30Dにおいて、3つ以上の変位支持部が設けられていてもよい。変位支持部およびそれを支持する弾性部材は、感震器が微小な振動に敏感に反応して、地震の誤検出が生じることを抑制できるように、弾性力によって微小な振動を吸収して、支持対象の感震器に伝わることを抑制するように構成されていてもよい。
【0118】
6-7.他の実施形態7:
上記第3実施形態および第4実施形態において、複数の延出部48は、略L字状の断面形状を有していなくてもよい。また、複数の延出部48は、感震器10の4つの角部に対応して設けられていなくてもよい。複数の延出部48は、感震器10の角部以外の部位に接触するように形成されていてもよいし、4つ以上が設けられていてもよい。複数の延出部48の形状や個数は、感震器の形状に合わせて適宜変更されてもよい。複数の延出部48は、例えば、感震器を上下方向および左右方向に挟んで姿勢を規定する、4つ以上の並列な柱状部位によって構成されてもよい。
【0119】
6-8.他の実施形態8:
上記の各実施形態で説明した支持構造30,30A,30B,30C,30Dの構成は、適宜、組み合わされてもよい。例えば、第1実施形態の支持構造30や第5実施形態の支持構造30Dに、第3実施形態で説明した複数の延出部48に相当する構成が適用されてもよい。また、第1実施形態や、第2実施形態、第3実施形態、第5実施形態の変位支持部35,35Aa,35Ab,35Ba,35Bb,35Dに、第4実施形態で説明した篏合凹部36に相当する構成が設けられてもよい。篏合凹部36は、感震器における当接する部位の形状に合わせた形状で構成されればよい。第5実施形態の支持構造30Dや支持部材16Dは、第1実施形態で説明したガスメータ100に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0120】
10…感震器、12a,12b…一対の柱状部位、13…先端爪部、14…突出部、15,15D…回路基板、16,16A,16B,16C,16D…支持部材、17…本体板部、18…複数の爪部、19…係止部、20…電池、21…単位電池、25…電池保持部材、26…電池保持部、30,30A,30B,30C,30D…支持構造、32a,32Aa,32Ba,32Ca,33Da…第1挿入支持部、32b,32Ab,32Bb,32Cb,32Db…第2挿入支持部、32c,32Ac,32Bc,32Cc,32Dc…第3挿入支持部、32d,32Ad,32Bc,32Cc,32Cd…第4挿入支持部、33…下側支持部、34…弾性支持部、35,35Aa,35Ab,35Ba,35Bb,35Ca,35Cb,35D…変位支持部、36…篏合凹部、38,38A,38B,38C,38D…終端支持部、40…挿入口、42…係合部、43…係合爪部、45…端部支持部、46…中央支持部、48…延出部、100,100D…ガスメータ、101…筐体部、102…前面カバー部材、103…後面カバー部材、105…ガス流入部、106…ガス流出部、108…表示部、109…操作ボタン、110…ガス流路、111…遮断弁、112a,112b…ガス室、113…バルブ、SL…スリット
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