IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社村田製作所の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088520
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】中継コネクタおよびノイズフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/09 20060101AFI20240625BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H03H7/09 A
H01F37/00 N
H01F37/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203750
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本多 宏之
【テーマコード(参考)】
5J024
【Fターム(参考)】
5J024AA01
5J024BA18
5J024CA06
5J024DA27
5J024DA34
5J024EA09
5J024HA01
5J024KA02
(57)【要約】
【課題】コモンモードノイズを低減できる中継コネクタを提供する。
【解決手段】第1CMCCは、第1コイルと第2コイルとを含む。第2CMCCは、第3コイルと第4コイルとを含む。第1コイルの一端と第3コイルの一端とが電気的に直列に接続され、第2コイルの一端と第4コイルの一端とが電気的に直列に接続され、第1コイルの他端に電気的に接続された第1外部端子と、第2コイルの他端に電気的に接続された第2外部端子と、第3コイルの他端に電気的に接続された第3外部端子と、第4コイルの他端に電気的に接続された第4外部端子と、第1コイルと第3コイルとの接続点部に電気的に接続された第1分岐端子と、第2コイルと第4コイルとの接続点部に電気的に接続された第2分岐端子と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コモンモードチョークコイルと第2コモンモードチョークコイルとを含む中継コネクタであって、
前記第1コモンモードチョークコイルは、第1コイルと第2コイルとを含み、
前記第2コモンモードチョークコイルは、第3コイルと第4コイルとを含み、
前記第1コイルの一端と前記第3コイルの一端とが電気的に直列に接続され、
前記第2コイルの一端と前記第4コイルの一端とが電気的に直列に接続され、
さらに、
前記第1コイルの他端に電気的に接続された第1外部端子と、
前記第2コイルの他端に電気的に接続された第2外部端子と、
前記第3コイルの他端に電気的に接続された第3外部端子と、
前記第4コイルの他端に電気的に接続された第4外部端子と、
前記第1コイルと前記第3コイルとの接続点部に電気的に接続された第1分岐端子と、
前記第2コイルと前記第4コイルとの接続点部に電気的に接続された第2分岐端子と、
を含む中継コネクタ。
【請求項2】
前記第1コイルの巻線と、
前記第2コイルの巻線と、
前記第3コイルの巻線と、
前記第4コイルの巻線と、
が、共通の巻き芯に巻かれ、前記第1コモンモードチョークコイルと前記第2コモンモードチョークコイルとの少なくとも一部同士が重ねて巻かれている
請求項1に記載の中継コネクタ。
【請求項3】
前記第1コイルの巻線と、前記第2コイルの巻線とが、共通の巻き芯に巻かれ、
前記第3コイルの巻線と、前記第4コイルの巻線とが、前記共通の巻き芯に巻かれており、
前記第1コイルおよび前記第2コイルの巻線が巻かれている部分と、前記第3コイルおよび前記第4コイルの巻線が巻かれている部分との間に、巻線が巻かれていない部分を有する
請求項1に記載の中継コネクタ。
【請求項4】
前記第1コイルの巻線と、前記第2コイルの巻線とが、第1の巻き芯に巻かれており、
前記第3コイルの巻線と、前記第4コイルの巻線とが、第2の巻き芯に巻かれている
請求項1に記載の中継コネクタ。
【請求項5】
前記第1コモンモードチョークコイルによるノイズ除去周波数帯域は、前記第2コモンモードチョークコイルによるノイズ除去周波数帯域とは異なる
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の中継コネクタ。
【請求項6】
前記第1外部端子と前記第3外部端子との間の配線長と、
前記第2外部端子と前記第4外部端子との間の配線長とが等しく、
かつ、
前記第1外部端子と前記第1分岐端子との間の配線長と、
前記第2外部端子と前記第2分岐端子との間の配線長とが等しい、
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の中継コネクタ。
【請求項7】
差動線路の途中に分岐線路を接続する分岐用の中継コネクタに内蔵されるノイズフィルタであって、
前記ノイズフィルタは、第1コモンモードチョークコイルと第2コモンモードチョークコイルとを含み、
前記第1コモンモードチョークコイルは、第1コイルと、第2コイルと、前記第1コイルおよび前記第2コイルを巻き付ける巻き芯とを含み、
前記第2コモンモードチョークコイルは、第3コイルと、第4コイルと、前記第3コイルおよび前記第4コイルを、前記第1コイルおよび前記第2コイルに重ねて巻き付ける前記巻き芯とを含み、
前記第1コイルの一端と前記第3コイルの一端とが電気的に直列に接続され、
前記第2コイルの一端と前記第4コイルの一端とが電気的に直列に接続され、
前記第1コイルの他端は、一方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第1外部端子に電気的に接続され、
前記第2コイルの他端は、一方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第2外部端子に電気的に接続され、
前記第3コイルの他端は、他方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第3外部端子に電気的に接続され、
前記第4コイルの他端は、他方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第4外部端子に電気的に接続され、
前記第1コイルと前記第3コイルとの接続点部は、前記分岐線路に接続するための前記中継コネクタの第1分岐端子に電気的に接続され、
前記第2コイルと前記第4コイルとの接続点部は、前記分岐線路に接続するための前記中継コネクタの第2分岐端子に電気的に接続される、ノイズフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継コネクタおよびノイズフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コモンモードチョークコイルを有するコネクタが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されているコネクタを差動線路に挿入することにより、コモンモードノイズを低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-45618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
差動線路の途中に分岐線路を設けることがある。特に、マルチドロップと呼ばれる、複数の分岐線路が接続される差動線路においては、モード変換が生じ、ノイズが発生することがある。すなわち、ノーマル信号がコモンモード信号に変換されるモード変換が生じると、コモンモードノイズを発生させることがある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、コモンモードノイズを低減する機能を有する中継コネクタおよびノイズフィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示のある態様による中継コネクタは、第1コモンモードチョークコイルと第2コモンモードチョークコイルとを含む中継コネクタであって、前記第1コモンモードチョークコイルは、第1コイルと第2コイルとを含み、前記第2コモンモードチョークコイルは、第3コイルと第4コイルとを含み、前記第1コイルの一端と前記第3コイルの一端とが電気的に直列に接続され、前記第2コイルの一端と前記第4コイルの一端とが電気的に直列に接続され、さらに、前記第1コイルの他端に電気的に接続された第1外部端子と、前記第2コイルの他端に電気的に接続された第2外部端子と、前記第3コイルの他端に電気的に接続された第3外部端子と、前記第4コイルの他端に電気的に接続された第4外部端子と、前記第1コイルと前記第3コイルとの接続点部に電気的に接続された第1分岐端子と、前記第2コイルと前記第4コイルとの接続点部に電気的に接続された第2分岐端子と、を含む。
【0007】
また、本開示のある態様によるノイズフィルタは、差動線路の途中に分岐線路を接続する分岐用の中継コネクタに内蔵されるノイズフィルタであって、前記ノイズフィルタは、第1コモンモードチョークコイルと第2コモンモードチョークコイルとを含み、前記第1コモンモードチョークコイルは、第1コイルと、第2コイルと、前記第1コイルおよび前記第2コイルを巻き付ける巻き芯とを含み、前記第2コモンモードチョークコイルは、第3コイルと、第4コイルと、前記第3コイルおよび前記第4コイルを、前記第1コイルおよび前記第2コイルに重ねて巻き付ける前記巻き芯とを含み、前記第1コイルの一端と前記第3コイルの一端とが電気的に直列に接続され、前記第2コイルの一端と前記第4コイルの一端とが電気的に直列に接続され、前記第1コイルの他端は、一方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第1外部端子に電気的に接続され、前記第2コイルの他端は、一方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第2外部端子に電気的に接続され、前記第3コイルの他端は、他方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第3外部端子に電気的に接続され、前記第4コイルの他端は、他方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第4外部端子に電気的に接続され、前記第1コイルと前記第3コイルとの接続点部は、前記分岐線路に接続するための前記中継コネクタの第1分岐端子に電気的に接続され、前記第2コイルと前記第4コイルとの接続点部は、前記分岐線路に接続するための前記中継コネクタの第2分岐端子に電気的に接続される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の中継コネクタおよびノイズフィルタによれば、コモンモードノイズを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の前提技術を説明するための図である。
図2図2は、第1実施形態による中継コネクタの電気的構成を示す回路図である。
図3図3は、第1実施形態による中継コネクタの構造の例を示す図である。
図4図4は、本実施形態のコネクタの動作を説明する図である。
図5図5は、第2実施形態による中継コネクタの構造の例を示す図である。
図6図6は、第2実施形態による中継コネクタの製造工程を説明する図である。
図7図7は、第2実施形態による中継コネクタの製造工程を説明する図である。
図8図8は、図7中のCMCCパッケージの外観を示す図である。
図9図9は、図7中のCMCCパッケージの外観を示す図である。
図10図10は、第2実施形態の中継コネクタに用いるCMCCパッケージの例を示す図である。
図11図11は、第3実施形態による中継コネクタの構造の例を示す図である。
図12図12は、第4実施形態による中継コネクタの構造の例を示す図である。
図13図13は、第5実施形態による中継コネクタの構造の例を示す図である。
図14図14は、第5実施形態による中継コネクタの製造工程を説明する図である。
図15図15は、第5実施形態による中継コネクタの製造工程を説明する図である。
図16図16は、第6実施形態による中継コネクタの電気的構成を示す回路図である。
図17図17は、本実施形態による中継コネクタの周波数特性の例を示す図である。
図18図18は、図16の中継コネクタの変形例の中継コネクタの電気的構成を示す回路図である。
図19図19は、中継コネクタについての周波数特性の測定の例を説明する図である。
図20図20は、図19に示す接続状態に相当する回路図である。
図21図21は、測定した周波数特性の例を示す図である。
図22図22は、ケーブルの接続状態を変更した後の状態に相当する回路図である。
図23図23は、測定した周波数特性の例を示す図である。
図24図24は、本開示の中継コネクタによって得られる効果を説明する図である。
図25図25は、本開示の中継コネクタによって得られる効果を説明する図である。
図26図26は、本開示の中継コネクタによって得られる効果を説明する図である。
図27図27は、本開示の中継コネクタによって得られる効果を説明する図である。
図28図28は、本開示の中継コネクタによって得られる効果を説明する図である。
図29図29は、本開示の中継コネクタによって得られる効果を説明する図である。
図30図30は、本開示の中継コネクタによって得られる効果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施形態の説明において、他の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。各実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0011】
(マルチドロップ接続)
以下、実施形態の理解を容易にするために、本開示の前提技術であるマルチドロップ接続について簡単に説明する。
【0012】
図1は、本開示の前提技術を説明するための図である。図1において、差動線路100に複数のノードN1、N2、N3、…、Nm(mは自然数)が設けられている。差動線路100は、例えば、ツイストペアケーブルなどのケーブルによって実現される。各ノードは、例えば、集積回路が搭載された基板である。ノードN1は差動線路100の一端に接続されており、ノードNmは差動線路100の他端に接続されている。
【0013】
差動線路100の途中には分岐点D1があり、分岐点D1に分岐線路101の一端が接続されている。分岐線路101の他端にはノードN2が接続されている。差動線路100の途中には分岐点D2があり、分岐点D2に分岐線路102の一端が接続されている。分岐線路102の他端にはノードN3が接続されている。このように、差動線路100の途中に分岐線路を接続し、分岐線路にノードを設ける接続をマルチドロップ接続という。
【0014】
マルチドロップ接続は、例えば、自動車に採用されているCAN(Controller Area Network)などの車載用インタフェースに用いられる。自動車については、自動運転の高度化を背景に、インタフェースの高速化が検討されている。規格策定中の車載イーサネット(登録商標)規格である10Base-T1Sはその一例である。高速化に伴い、モード変換特性へのケアが必要になる。マルチドロップでは、回路の分岐点(および分岐先の回路)が起因してモード変換が起こる。ノーマル信号がコモンモード信号に変換されてコモンモードノイズを発生させる。それにより、差動線路100のケーブルへ伝搬するコモンモードノイズの増大が懸念される。
【0015】
図1においては、コモンモードノイズの大きさを矢印の大きさで示す。ノードN1からノードN2に向かうコモンモードノイズ(矢印Ya)に比べて、ノードN2からノードN3に向かうコモンモードノイズ(矢印Yb)は大きなレベルになる。また、ノードN2からノードN3に向かうコモンモードノイズ(矢印Yb)に比べて、ノードN3から次のノードに向かうコモンモードノイズ(矢印Yc)はさらに大きなレベルになる。このように、順次伝搬するコモンモードノイズが増大するおそれがある。
【0016】
(第1実施形態)
次に、実施形態について説明する。
【0017】
(構成)
図2は、第1実施形態による中継コネクタ10の電気的構成を示す回路図である。図2において、第1実施形態による中継コネクタ10は、2つのコモンモードチョークコイル(Common Mode Choke Coil;以下、CMCCと呼ぶ)11、12を有する。中継コネクタ10は、図1中の分岐点D1、D2など、各分岐線路101、102の接続部分に設けられる信号中継用の中継コネクタである。以下の説明では、CMCC11を第1CMCC、CMCC12を第2CMCC、と呼ぶことがある。
【0018】
第1CMCC11は、第1コイルであるコイルL10と、第2コイルであるコイルL11と、を含む。第1コイルであるコイルL10は、請求項に記載の第1コイルの巻線である。第2コイルであるコイルL11は、請求項に記載の第2コイルの巻線である。コイルL10とコイルL11とは、一対の巻線であり、これらは同じ巻き芯に並走して巻かれている。第2CMCC12は、第3コイルであるコイルL30と、第4コイルであるコイルL31と、を含む。第3コイルであるコイルL30は、請求項に記載の第3コイルの巻線である。第4コイルであるコイルL31は、請求項に記載の第4コイルの巻線である。コイルL30とコイルL31とは、一対の巻線であり、これらは同じ巻き芯に並走して巻かれている。第1CMCC11のコイルL10の一端と第2CMCC12のコイルL30の一端とは直列に接続されている。第1CMCC11のコイルL11の一端と第2CMCC12のコイルL31の一端とは直列に接続されている。
【0019】
また、中継コネクタ10は、第1外部端子である外部端子P10と、第2外部端子である外部端子P11と、第3外部端子である外部端子P30と、第4外部端子である外部端子P31と、第1分岐端子である分岐端子P20と、第2分岐端子である分岐端子P21と、を含む。外部端子P10は、第1CMCC11のコイルL10の他端に、電気的に接続されている。外部端子P11は、第1CMCC11のコイルL11の他端に、電気的に接続されている。外部端子P30は、第2CMCC12のコイルL30の他端に、電気的に接続されている。外部端子P31は、第2CMCC12のコイルL31の他端に、電気的に接続されている。
【0020】
コイルL10に着目すると、コイルL10の一端は接続点部B1に接続され、コイルL10の他端は外部端子P10に接続されている。コイルL11に着目すると、コイルL11の一端は接続点部B2に接続され、コイルL11の他端は外部端子P11に接続されている。コイルL30に着目すると、コイルL30の一端は接続点部B1に接続され、コイルL30の他端は外部端子P30に接続されている。コイルL31に着目すると、コイルL31の一端は接続点部B2に接続され、コイルL31の他端は外部端子P31に接続されている。
【0021】
分岐端子P20は、コイルL10とコイルL30との接続点部B1に、電気的に接続されている。分岐端子P21は、コイルL11とコイルL31との接続点部B2に、電気的に接続されている。
【0022】
外部端子P10は、例えば、差動線路の正側(+側)に接続され、外部端子P11は、例えば、差動線路の負側(-側)に接続される。外部端子P30は、例えば、差動線路の正側(+側)に接続され、外部端子P31は、例えば、差動線路の負側(-側)に接続される。分岐端子P20は、例えば、差動線路の正側(+側)に接続され、分岐端子P21は、例えば、差動線路の負側(-側)に接続される。つまり、中継コネクタ10は、差動線路の途中に挿入される。また、中継コネクタ10は、差動線路を分岐することができる。このため、中継コネクタ10は、差動線路の信号を中継し、かつ、分岐線路に信号を供給できる。
【0023】
図3は、第1実施形態による中継コネクタ10の構造の例を示す図である。図3においては、中継コネクタ10の電気的接続状態の理解を容易にするために、各端子、巻き芯およびコイルを実線で示す。以降の説明で参照する各図においても同様である。
【0024】
図3において、第1実施形態による中継コネクタ10は、略直方体の筐体H1を有する。筐体H1は、図3中のZ軸方向に離れて設けられる上面M1および下面M2と、上面M1と下面M1との間に、図3中のY軸方向に離れて設けられる側面S1およびS1と、を有する。上面M1および下面M2は、図3中のX軸方向およびY軸方向に拡がる面である。側面S1およびS1は、図3中のX軸方向およびZ軸方向に拡がる面である。
【0025】
また、筐体H1は、上面M1、下面M2、側面S1およびS1に囲まれて、図3中のX軸方向に離れて設けられる内壁W1およびW2と、内壁W1と内壁W2とに挟まれて設けられる内壁W3と、を有する。内壁W1およびW2は、図3中のY軸方向およびZ軸方向に拡がる面を有する。内壁W3は、図3中のX軸方向およびY軸方向に拡がる面を有する。
【0026】
筐体H1は、X軸方向の両側の端部にそれぞれ開口する、空間K1、K2を有する。また、筐体H1は、内壁W3の下面M2側に開口する、空間K2を有する。外部端子P10および外部端子P11は、内壁W1から空間K1に突出するように設けられている。外部端子P30および外部端子P31は、内壁W2から空間K2に突出するように設けられている。分岐端子P20および分岐端子P21は、内壁W3から空間K3に突出するように設けられている。なお、本例において、外部端子P10、外部端子P11、外部端子P30、外部端子P31、分岐端子P20および分岐端子P21は、長手方向に直交する方向の断面形状が矩形になっている。もっとも、これら断面形状は、円形であってもよい。
【0027】
空間K1には、筐体H1の外側から内壁W1に向かう矢印Y1の方向に、図示しない伝送線路の他のプラグを挿入することができる。他のプラグにおいて、外部端子P10、P11に対応する位置にそれぞれ接続端子を設けておくことにより、他のプラグの各接続端子と、中継コネクタ10の外部端子P10、P11とが電気的に接続される。
【0028】
空間K2には、筐体H1の外側から内壁W2に向かう矢印Y2の方向に、図示しない伝送線路の他のプラグを挿入することができる。他のプラグにおいて、外部端子P30、P31に対応する位置にそれぞれ接続端子を設けておくことにより、他のプラグの各接続端子と、中継コネクタ10の外部端子P30、P31とが電気的に接続される。
【0029】
空間K3には、筐体H1の外側から内壁W3に向かう矢印Y3の方向に、図示しない分岐線路の他のプラグを挿入することができる。他のプラグにおいて、分岐端子P20、P21に対応する位置にそれぞれ接続端子を設けておくことにより、他のプラグの各接続端子と、中継コネクタ10の分岐端子P20、P21とが電気的に接続される。
【0030】
また、図3において、中継コネクタ10は、巻き芯CR1と、コイルL10と、コイルL11と、コイルL30と、コイルL31と、外部端子P10と、外部端子P11と、外部端子P30と、外部端子P31と、分岐端子P20と、分岐端子P21と、を有する。図3においては、図2中の各コイルに相当する巻線に、コイルと同じ符号を付加する。つまり、図3中のコイルL10は第1コイルの巻線である。図3中のコイルL11は第2コイルの巻線である。図3中のコイルL30は第3コイルの巻線である。図3中のコイルL31は第4コイルの巻線である。以降の説明においても、コイルに相当する巻線に、コイルと同じ符号を付加することがある。
【0031】
巻き芯CR1は、筐体H1の内部に設けられる。巻き芯CR1は、内壁W3の上面側に設けられる。巻き芯CR1は、例えば、略円柱形である。本例では、巻き芯CR1は、上側の端面UMが筐体H1の上面M1側を向き、かつ、下側の端面DMが筐体H1の下面M2側に向くように、載置される。
【0032】
コイルL10の巻線(図3中の破線)と、コイルL30の巻線(図3中の実線)とは、同じ巻き芯CR1に重ねて巻き付けられている。コイルL11の巻線(図3中の破線)と、コイルL31(図3中の実線)の巻線とは、同じ巻き芯CR1に重ねて巻き付けられている。つまり、これらの巻線は、共通の巻き芯CR1に重ねて巻き付けられている。
【0033】
コイルL10の巻線の一端は分岐端子P20に電気的に接続され、他端は外部端子P10に電気的に接続される。コイルL30の巻線の一端は分岐端子P20に電気的に接続され、他端は外部端子P30に電気的に接続される。分岐端子P20は、図2中の接続点部B1に相当する。
【0034】
コイルL11の巻線の一端は分岐端子P21に電気的に接続され、他端は外部端子P11に電気的に接続される。コイルL31の巻線の一端は分岐端子P21に電気的に接続され、他端は外部端子P31に電気的に接続される。分岐端子P21は、図2中の接続点部B2に相当する。
【0035】
ここで、外部端子P10と外部端子P30との間の配線長は、外部端子P11と外部端子P31との間の配線長と等しい。また、外部端子P10と分岐端子P20との間の配線長は、外部端子P11と分岐端子P21との間の配線長と等しい。つまり、差動線路間の配線長が等しい。なお、「配線長が等しい」という場合、中継コネクタ10の製造誤差は許容される。製造誤差により、配線長が完全には一致しない場合であっても、ここでいう「配線長が等しい」に含まれる。以降の各実施形態においても同様である。
【0036】
配線長が等しいことについては、例えば、以下のように検証できる。すなわち、図2中の接続点部B1またはB2から、各端子までの抵抗値を測定する。抵抗値を測定できる測定器を用意する。例えば、LCRメータを測定器として用いることができる。測定器の探査針の先端を、各接続点部と各端子とに接触させることによって、抵抗値を測定できる。接続点部から見た、各外部端子との間の抵抗値をそれぞれ測定し、得られた抵抗値同士を比較する。測定によって得られた抵抗値同士が同じであれば、配線長が等しいと断定できる。LCRメータを用いた場合は、インダクタンス値や容量値に関しても上記の抵抗値の例と同様に配線長に関する指標となる。なお、2つのCMCC11、12の各巻線が1つのパッケージ内に設けられているため、パッケージ内の線路の配線長のばらつきは少ない。
【0037】
(動作)
図4は、本実施形態の中継コネクタ10の動作を説明する図である。図4は、中継コネクタ10の動作を概念的に示す。
【0038】
図4に示すように、差動線路100によって、ノードN1とノードN3とが接続されている。差動線路100の途中に、分岐線路101が接続されている。分岐線路101は、差動線路100の分岐点D1からノードN2までの線路である。
【0039】
本実施形態の中継コネクタ10は、分岐点D1に設けられる。そして、中継コネクタ10の各外部端子(図3参照)に、ノードN1から分岐点D1までの差動線路100a、分岐点D1からノードN3までの差動線路100bを接続する。さらに、中継コネクタ10の分岐端子(図3参照)に分岐線路101を接続する。
【0040】
ノードN1からノードN3を見た場合、分岐点D1の手前に1つのCMCCが設けられ、かつ、分岐点D1の先に他のCMCCが設けられた状態になる。例えば、分岐点D1の手前に図2中のCMCC11が設けられ、分岐点D1の先に図2中のCMCC12が設けられた状態になる。差動線路100に設けられた2つのCMCCにより反射モード変換特性および透過モード変換特性を改善できる。
【0041】
図4に示す透過モード変換特性については、Sパラメータ(Scattering parameter)のScd21を指標として判断することができる。図4に示す反射モード変換特性については、SパラメータのScd11を指標として判断することができる。なお、後述するように、2つのCMCCではなく、CMCCを1つだけ設けた場合、透過モード変換特性を改善できるものの、反射モード変換特性を改善することは難しい。
【0042】
(効果)
2個のCMCCにより反射モード変換特性および透過モード変換特性を改善できる。これにより、コモンモードノイズをケーブルに伝搬させず、回路全体のノイズを減少できる。中継コネクタ10内に2つのCMCCを設けているので、実装面積を削減できる。
【0043】
(第2実施形態)
(構成)
図5は、第2実施形態による中継コネクタ10aの構造の例を示す図である。図5において、第2実施形態による中継コネクタ10aは、筐体H2と、外部端子P10と、外部端子P11と、外部端子P30と、外部端子P31と、分岐端子P20と、分岐端子P21と、を有する。筐体H2は、略直方体である。
【0044】
筐体H2は、Z軸方向に関して互いに反対側に設けられる第1面M11および第2面M12と、これらの面に直交する第3面M13と、を有する。第1面M11および第2面M12は、X軸方向およびY軸方向に拡がる面である。第3面M13は、Y軸方向およびZ軸方向に拡がる面である。
【0045】
外部端子P10および外部端子P11は、第1面M11に設けられている。外部端子P10および外部端子P11は、Z軸方向に突出するように設けられている。外部端子P30および外部端子P31は、第2面M12に設けられている。外部端子P30および外部端子P31は、外部端子P10および外部端子P11とは反対方向に突出するように設けられている。分岐端子P20および分岐端子P21は、第3面M13に設けられている。分岐端子P20および分岐端子P21は、X軸方向に突出するように設けられている。分岐端子P20は、図2中の接続点部B1に相当する。分岐端子P21は、図2中の接続点部B2に相当する。
【0046】
図示しない伝送線路の他のコネクタに、外部端子P10、P11をそれぞれ覆う電極を設けておけば、中継コネクタ10aと図示しない伝送線路の他のコネクタとを電気的に接続できる。図示しない伝送線路の他のコネクタに、外部端子P30、P31をそれぞれ覆う電極を設けておけば、中継コネクタ10aと図示しない伝送線路の他のコネクタとを電気的に接続できる。図示しない伝送線路の他のコネクタに、分岐端子P20、P21をそれぞれ覆う電極を設けておけば、中継コネクタ10aと図示しない伝送線路の他のコネクタとを電気的に接続できる。
【0047】
図6および図7は、第2実施形態による中継コネクタ10aの製造工程を説明する図である。図6は、第2実施形態による中継コネクタ10aに用いられる基板の例を示す。図6は、基板KB1と、基板KB2とを示す。基板KB1および基板KB2は、中継コネクタ10aの筐体H2内に設けられる。
【0048】
基板KB1は、電極ランドP10p、P11pを有する。基板KB1には、外部端子P10および外部端子P11が接続されている。外部端子P10は、基板KB1の反対側面の電極ランドP10pと電気的に接続されている。外部端子P11は、基板KB1の反対側面の電極ランドP11pと電気的に接続されている。
【0049】
基板KB2は、電極ランドP20p、P21p、P30pおよびP31pを有する。基板KB2には、外部端子P30および外部端子P31が接続されている。外部端子P30は、基板KB2の反対側面の電極ランドP30pと電気的に接続されている。外部端子P31は、基板KB2の反対側面の電極ランドP31pと電気的に接続されている。
【0050】
また、基板KB2には、分岐端子P20および分岐端子P21が接続されている。分岐端子P20は、基板KB2の表面の電極ランドP20pと電気的に接続されている。分岐端子P21は、基板KB2の表面の電極ランドP21pと電気的に接続されている。
【0051】
図7は、2つの基板KB1、KB2の接続状態を説明する図である。図7に示すように、基板KB2の表面に、CMCCパッケージ10mを実装する。このとき、CMCCパッケージ10mの実装面の電極PP30(図9参照)と電極ランドP30p、電極PP31(図9参照)と電極ランドP31p、電極PP20(図9参照)と電極ランドP20p、電極PP21(図9参照)と電極ランドP21p、がそれぞれ電気的に接続される。これらの接続により、CMCCパッケージ10mの実装面の電極PP30(図9参照)と外部端子P30、電極PP31(図9参照)と外部端子P31、電極PP20(図9参照)と分岐端子P20、電極PP21(図9参照)と分岐端子P21がそれぞれ電気的に接続される。CMCCパッケージ10mは、ノイズフィルタとして機能する。
【0052】
その後、上下を反転させた基板KB1を、図7中の矢印Y7のように載せる。そして、電極PP10と電極ランドP10p、電極PP11と電極ランドP11p、をそれぞれ電気的に接続する。これらの接続により、電極PP10と外部端子P10、電極PP11と外部端子P11がそれぞれ電気的に接続される。その後、基板KB1およびKB2の全体を樹脂などで覆うことにより、図5を参照して説明した中継コネクタ10aが得られる。
【0053】
図8および図9は、図7中のCMCCパッケージ10mの外観を示す図である。図8は、CMCCパッケージ10mの電極PP10および電極PP11が設けられている面を示す。上述したように、図8に示す電極PP10は、電極ランドP10pと電気的に接続される。また、電極PP11は、電極ランドP11pと電気的に接続される。
【0054】
図9は、CMCCパッケージ10mの電極PP20、電極PP21、電極PP30および電極PP31が設けられている面を示す。上述したように、図9に示す電極PP30は、電極ランドP30pと電気的に接続される。電極PP31は、電極ランドP31pと電気的に接続される。電極PP20は、電極ランドP20pと電気的に接続される。電極PP21は、電極ランドP21pと電気的に接続される。
【0055】
(CMCCパッケージ)
図10は、第2実施形態の中継コネクタ10aに用いるCMCCパッケージ10mの例を示す図である。図10に示すCMCCパッケージ10mにおいては、内部に設けられている巻き芯の載置方向が第1実施形態の中継コネクタ10の場合と異なる。巻き芯CR1は、内壁W1と内壁W2との間に設けられる。略円柱形の巻き芯CR1については、その側面が、CMCCパッケージ10mの上面MM1、下面MM2、側面SS1およびSS2によって囲まれるように載置される。
【0056】
コイルL10の巻線(図10中の破線)と、コイルL30の巻線(図10中の実線)とは、同じ巻き芯CR1に重ねて巻き付けられている。コイルL11の巻線(図10中の破線)と、コイルL31(図10中の実線)の巻線とは、同じ巻き芯CR1に重ねて巻き付けられている。つまり、これらの巻線は、共通の巻き芯CR1に重ねて巻き付けられている。コイルL10の巻線とコイルL11の巻線とは一対の巻線であり、これらは並走して巻き芯CR1に巻き付けられている。また、コイルL30の巻線とコイルL31の巻線とは一対の巻線であり、これらは並走して巻き芯CR1に巻き付けられている。
【0057】
コイルL10の巻線の一端は電極PP20に電気的に接続され、他端は電極PP10に電気的に接続される。コイルL30の巻線の一端は電極PP20に電気的に接続され、他端は電極PP30に電気的に接続される。コイルL11の巻線の一端は電極PP21に電気的に接続され、他端は電極PP11に電気的に接続される。コイルL31の巻線の一端は電極PP21に電気的に接続され、他端は電極PP31に電気的に接続される。
【0058】
ここで、電極PP10と電極PP30との間の配線長は、電極PP11と電極PP31との間の配線長と等しい。また、電極PP10と電極PP20との間の配線長は、電極PP11と電極PP21との間の配線長と等しい。なお、2つのCMCC11、12の各巻線が1つのパッケージ内に設けられているため、パッケージ内の線路の配線長のばらつきは少ない。
【0059】
図10に示すCMCCパッケージ10mは、差動線路の途中に分岐線路を接続する分岐用の中継コネクタに内蔵されるノイズフィルタである。ノイズフィルタであるCMCCパッケージ10mは、第1コモンモードチョークコイルと第2コモンモードチョークコイルとを含む。第1コモンモードチョークコイルは、第1コイルであるコイルL10と、第2コイルであるコイルL11と、コイルL10およびコイルL11を巻き付ける巻き芯CR1とを含む。第2コモンモードチョークコイルは、第3コイルであるコイルL30と、第4コイルであるコイルL31と、コイルL30およびコイルL31を、コイルL10およびコイルL11に重ねて巻き付ける巻き芯CR1とを含む。第1コモンモードチョークコイルの第1コイルであるコイルL10と、第2コモンモードチョークコイルの第3コイルであるコイルL30の一端とが直列に接続される。第1コモンモードチョークコイルの第2コイルであるコイルL11の一端と第4コイルであるコイルL31の一端とが直列に接続される。
【0060】
第1コモンモードチョークコイルの第1コイルであるコイルL10の他端は、一方の差動線路に接続するための中継コネクタの第1外部端子P10に電気的に接続される。第1コモンモードチョークコイルの第2コイルであるコイルL11の他端は、一方の差動線路に接続するための中継コネクタの第2外部端子P11に電気的に接続される。第2コモンモードチョークコイルの第3コイルであるコイルL30の他端は、他方の差動線路に接続するための中継コネクタの第3外部端子P30に電気的に接続される。第2コモンモードチョークコイルの第4コイルであるコイルL31の他端は、他方の差動線路に接続するための中継コネクタの第4外部端子P31に電気的に接続される。
【0061】
第1コモンモードチョークコイルの第1コイルであるコイルL10と第2コモンモードチョークコイルの第3コイルであるコイルL30との接続点部は、分岐線路に接続するための中継コネクタの第1分岐端子P20に電気的に接続される。第1コモンモードチョークコイルの第2コイルであるコイルL11と第2コモンモードチョークコイルの第4コイルであるコイルL31との接続点部は、分岐線路に接続するための中継コネクタの第2分岐端子P21に電気的に接続される。
【0062】
(効果)
第2実施形態による中継コネクタ10aは2個のCMCCを備えており、電気回路としての構成は、図2の構成と同様である。このため、図4を参照して説明したように、反射モード変換特性および透過モード変換特性を改善できる。コモンモードノイズをケーブルに伝搬させず、回路全体のノイズを減少できる。
【0063】
(第3実施形態)
(構成)
図11は、第3実施形態による中継コネクタ10bの構造の例を示す図である。図11に示すように、第3実施形態による中継コネクタ10bは、2つのCMCC11、12と、巻き芯CR2とを有する。巻き芯CR2は、略円柱形である。略円柱形の巻き芯CR2については、その側面が、筐体H3の上面M1、下面M2、側面S1およびS2によって囲まれるように載置される。
【0064】
CMCC11のコイルL10、L11の巻線と、CMCC12のコイルL30、L31の巻線とは、同じ巻き芯CR2の異なる位置に巻かれている。このため、CMCC11の巻線とCMCC12の巻線とが重ならない。これにより、巻線間の浮遊容量が少なくなり、ノイズを低減できる。
【0065】
(効果)
第3実施形態による中継コネクタ10aは、2個のCMCCを備えており、電気回路としての構成は、図2の構成と同様である。このため、図4を参照して説明したように、反射モード変換特性および透過モード変換特性を改善する。これによって、コモンモードノイズをケーブルに伝搬させず、回路全体のノイズを減少できる。
【0066】
(第4実施形態)
(構成)
図12は、第4実施形態による中継コネクタ10cの構造の例を示す図である。図12に示すように、第4実施形態による中継コネクタ10cは、2つのCMCC11、12と、巻き芯CR11、CR12とを有する。巻き芯CR11およびCR12は、略円柱形である。略円柱形の巻き芯CR11、CR12については、それらの側面が、筐体H4の上面M1、下面M2、側面S1およびS2によって囲まれるように載置される。
【0067】
CMCC11のコイルL10、L11の巻線は、巻き芯CR11に巻かれている。CMCC12のコイルL30、L31の巻線は、巻き芯CR12に巻かれている。つまり、CMCC11の巻線とCMCC12の巻線とは、別々の巻き芯CR11、CR12に巻かれている。このため、CMCC11の巻線とCMCC12の巻線とが重ならない。これにより、巻線間の浮遊容量が少なくなり、ノイズを低減できる。
【0068】
(効果)
第4実施形態による中継コネクタ10aは、2個のCMCCを備えており、電気回路としての構成は、図2の構成と同様である。このため、図4を参照して説明したように、反射モード変換特性および透過モード変換特性を改善する。これによって、コモンモードノイズをケーブルに伝搬させず、回路全体のノイズを減少できる。
【0069】
(第5実施形態)
(構成)
図13は、第5実施形態による中継コネクタ10dの構造の例を示す図である。図13において、第5実施形態による中継コネクタ10dは、筐体H5と、外部端子P10と、外部端子P11と、外部端子P30と、外部端子P31と、分岐端子P20と、分岐端子P21と、を有する。筐体H5は、略直方体である。
【0070】
筐体H5は、Z軸方向に関して互いに反対側に設けられる第1面M11および第2面M12と、これらの面に直交する第3面M13および第4面M14と、を有する。第1面M11および第2面M12は、X軸方向およびY軸方向に拡がる面である。第3面M13および第4面M14は、Y軸方向およびZ軸方向に拡がる面である。
【0071】
外部端子P30および外部端子P31は、第3面M13に設けられている。外部端子P30および外部端子P31は、X軸方向に突出するように設けられている。外部端子P10および外部端子P11は、第4面M14に設けられている。外部端子P10および外部端子P11は、外部端子P30および外部端子P31とは反対方向に突出するように設けられている。分岐端子P20および分岐端子P21は、第2面M12に設けられている。分岐端子P20および分岐端子P21は、Z軸方向に突出するように設けられている。分岐端子P20は、図2中の接続点部B1に相当する。分岐端子P21は、図2中の接続点部B2に相当する。
【0072】
図示しない伝送線路の他のコネクタに、外部端子P10、P11をそれぞれ覆う電極を設けておけば、中継コネクタ10dと図示しない伝送線路の他のコネクタとを電気的に接続できる。図示しない伝送線路の他のコネクタに、外部端子P30、P31をそれぞれ覆う電極を設けておけば、中継コネクタ10dと図示しない伝送線路の他のコネクタとを電気的に接続できる。図示しない伝送線路の他のコネクタに、分岐端子P20、P21をそれぞれ覆う電極を設けておけば、中継コネクタ10dと図示しない伝送線路の他のコネクタとを電気的に接続できる。
【0073】
図14および図15は、第5実施形態による中継コネクタ10dの製造工程を説明する図である。図14は、第5実施形態による中継コネクタ10dに用いられる基板KB3の例を示す。基板KB3は、電極ランドP10p、P11p、P20p、P21p、P30pおよびP31pを有する。基板KB3には、外部端子P10、P11、P30、P31、分岐端子P20、P21が接続されている。
【0074】
外部端子P10は、電極ランドP10pと電気的に接続されている。外部端子P11は、電極ランドP11pと電気的に接続されている。分岐端子P20は、基板KB3の反対側面の電極ランドP20pと電気的に接続されている。分岐端子P21は、基板KB3の反対側面の電極ランドP21pと電気的に接続されている。外部端子P30は、電極ランドP30pと電気的に接続されている。外部端子P31は、電極ランドP31pと電気的に接続されている。
【0075】
図15は、図14に示す基板KB3にCMCCパッケージを実装した状態を示す図である。図15に示すように、基板KB3に、2つのCMCCパッケージ11m、12mを表面実装する。これにより、CMCCパッケージ11m、12mの各電極と、基板KB3の各電極ランドP10p、P11p、P20p、P21p、P30pおよびP31pとが電気的に接続される。その結果、図2に示す回路図と同様の電気的構成になる。なお、基板KB3の全体が樹脂などで覆われることにより、図13に示す中継コネクタ10dが得られる。
【0076】
(効果)
第5実施形態による中継コネクタ10dは、2個のCMCCを備えており、電気回路としての構成は、図2の構成と同様である。このため、図4を参照して説明したように、反射モード変換特性および透過モード変換特性を改善する。これによって、コモンモードノイズをケーブルに伝搬させず、回路全体のノイズを減少できる。
【0077】
(第6実施形態)
(構成)
上記の各実施形態では、中継コネクタ内に同じ種類のCMCCを2つ設けている。これに対し、第6実施形態では、異なる種類のCMCCを用いる。図16は、第6実施形態による中継コネクタ10eの電気的構成を示す回路図である。図16において、第6実施形態による中継コネクタ10eは、2つのCMCC13、14を含む。CMCC13は、コイルL10aおよびL11aを有する。CMCC14は、コイルL30aおよびL31aを有する。
【0078】
CMCC13のコイルL10aおよびL11aによるカットオフ周波数は、CMCC14のコイルL30aおよびL31aによるカットオフ周波数と異なる。つまり、2つのCMCC13、14は、ノイズを除去する周波数帯域(以下、ノイズ除去周波数帯域と呼ぶ)が互いに異なる。すなわち、CMCC13によるノイズ除去周波数帯域は、CMCC14によるノイズ除去周波数帯域とは異なる。これらの周波数帯域の測定については、後述する。
【0079】
差動線路の途中から分岐する分岐線路に接続されるノード(以下、ドロップノードと呼ぶ)を起因とするノイズの周波数帯域と、差動線路の終端の位置のノード(以下、ENDノードと呼ぶ)を起因とするノイズの周波数帯域とは異なる。例えば、ENDノードについては、基板に様々な集積回路が搭載される場合があり、ドロップノードとは異なる周波数帯域のノイズが生じることがある。
【0080】
(効果)
図17は、本実施形態による中継コネクタの周波数特性の例を示す図である。図17において、横軸は周波数f、縦軸はコモンモードノイズを除去できるレベルの指標となるインピーダンスのZcである。図17に示すように、2種類のCMCCによって、互いに異なる周波数帯f1、f2について、ノイズを除去できる。周波数帯f1は、例えば、100MHz以下の周波数である。周波数帯f2は、例えば、100MHz以上1GHz以下の周波数である。このように2種類のCMCCを中継コネクタ内に設けることにより、ノイズの除去効果がある帯域を広げることができる。
【0081】
(変形例)
図18は、図16の中継コネクタ10eの変形例である中継コネクタ10fの電気的構成を示す回路図である。図18に示す中継コネクタ10fは、図16の構成において、CMCC13の位置と、CMCC14の位置とを入れ替えた構成になっている。図18の場合においても、中継コネクタ内に異なる種類のCMCCを2つ設けている。図18に示す中継コネクタ10fを用いた場合においても、中継コネクタ10eと同様に、図17に示す周波数特性が得られる。
【0082】
(周波数帯域の測定)
ここで、中継コネクタについての周波数特性の測定の例について説明する。本例では、図18を参照して説明した中継コネクタ10fを測定の対象とする。ここでは、中継コネクタ10fのCMCC14が図17中の周波数帯f1、CMCC13が図17中の周波数帯f2に対応する場合について説明する。
【0083】
図19は、中継コネクタについての周波数特性の測定の例を説明する図である。本例では、ネットワークアナライザVNAを用いてSパラメータのScc21の周波数特性の測定を行う。Scc21は、図17中のZcとほぼ同意語である。Scc21は、ノイズを除去できる周波数帯域の指標となる。測定対象である中継コネクタ10fは6つの端子を有しているのに対し、ネットワークアナライザVNAのポートは4つである。このため、ケーブルの接続を変更して2回に分けて測定を行う。
【0084】
図19において、測定用のボードKBは図示しないコネクタを有しており、そのコネクタに中継コネクタ10fが電気的に接続される。ボードKBは、6つの外部端子T1、T2、T3、T4、T5およびT6を有する。ボードKBの外部端子T1、T2、T3、T4、T5およびT6は、中継コネクタ10fの6つの端子に電気的に接続される。ボードKBの外部端子T1、T2、T3、T4、T5およびT6のうちの4つの端子には、ケーブル201、202、203、204を接続することができる。
【0085】
図19は、外部端子T1にケーブル201の一端を、外部端子T3にケーブル203の一端を、外部端子T4にケーブル202の一端を、外部端子T6にケーブル204の一端を、それぞれ接続した状態を示す。ケーブル201の他端はネットワークアナライザVNAのポートPO1に、ケーブル203の他端はネットワークアナライザVNAのポートPO3に、ケーブル202の他端はネットワークアナライザVNAのポートPO2に、ケーブル204の他端はネットワークアナライザVNAのポートPO4に、それぞれ接続される。
【0086】
図20は、図19に示す接続状態に相当する回路図である。図20に示すように、中継コネクタ10fの外部端子P10は、ボードKBの外部端子T1に接続され、さらにネットワークアナライザVNAのポートPO1に接続される。中継コネクタ10fの外部端子P11は、ボードKBの外部端子T3に接続され、さらにネットワークアナライザVNAのポートPO3に接続される。中継コネクタ10fの外部端子P20は、ボードKBの外部端子T5に接続され、さらにネットワークアナライザVNAのポートPO2に接続される。中継コネクタ10fの外部端子P21は、ボードKBの外部端子T6に接続され、さらにネットワークアナライザVNAのポートPO4に接続される。中継コネクタ10fの外部端子P30は、ボードKBの外部端子T2に接続される。外部端子T2はネットワークアナライザVNAのポートに接続されていないため、開放(OPEN)の状態である。中継コネクタ10fの外部端子P31は、ボードKBの外部端子T4に接続される。外部端子P31はネットワークアナライザVNAのポートに接続されていないため、開放(OPEN)の状態である。このように、中継コネクタ10fの6つの外部端子のうちの4つを利用して、CMCC14の周波数特性を測定する。
【0087】
図21は、測定した周波数特性の例を示す図である。図21は、中継コネクタ10fのCMCC14についての測定結果を示す。図21において、横軸は周波数[Hz]、縦軸はSパラメータのScc21のレベル[dB]を示す。縦軸については、矢印YJの方向がより良好(Good)であることを示す。図21を参照すると、測定結果である特性R13は、50[MHz]付近において最も良好になる。なお、ボードKB単体による周波数特性を測定し、その影響を除去することが好ましい。
【0088】
次に、図19の各ケーブルの接続状態を変更する。図22は、ケーブルの接続状態を変更した後の状態に相当する回路図である。図22に示すように、中継コネクタ10fの外部端子P10は、ボードKBの外部端子T1に接続される。外部端子T1はネットワークアナライザVNAのポートに接続されていないため、開放(OPEN)の状態である。中継コネクタ10fの外部端子P11は、ボードKBの外部端子T3に接続される。外部端子T3はネットワークアナライザVNAのポートに接続されていないため、開放(OPEN)の状態である。中継コネクタ10fの外部端子P20は、ボードKBの外部端子T5に接続され、さらにネットワークアナライザVNAのポートPO1に接続される。中継コネクタ10fの外部端子P21は、ボードKBの外部端子T6に接続され、さらにネットワークアナライザVNAのポートPO3に接続される。中継コネクタ10fの外部端子P30は、ボードKBの外部端子T2に接続され、さらにネットワークアナライザVNAのポートPO2に接続される。中継コネクタ10fの外部端子P31は、ボードKBの外部端子T4に接続され、さらにネットワークアナライザVNAのポートPO4に接続される。このように、中継コネクタ10fの6つの外部端子のうち、図20の場合とは異なる4つを利用して、CMCC13の周波数特性を測定する。
【0089】
図23は、測定した周波数特性の例を示す図である。図23は、中継コネクタ10fのCMCC13についての測定結果を示す。図23において、横軸は周波数[Hz]、縦軸はSパラメータのScd21のレベル[dB]を示す。縦軸については、矢印YJの方向がより良好(Good)であることを示す。図23を参照すると、測定結果である特性R14は、1.05[GHz]付近において最も良好になる。なお、ボードKB単体による周波数特性を測定し、その影響を除去することが好ましい。
【0090】
図21および図23から理解できるように、CMCC13の周波数特性とCMCC14の周波数特性とが異なっている。中継コネクタ10fは、互いに異なる周波数特性を有するCMCC13および14を有する。
【0091】
(本開示の中継コネクタによる効果の検証)
発明者は、シミュレーションによって、本開示の中継コネクタによる効果を検証した。図24から図30は、本開示の中継コネクタによって得られる効果を説明する図である。図24に示す中継コネクタ10gは、接続点部B1、B2に分岐線路101が接続されており、接続点部B1、B2の両側にCMCC11、12を有する。つまり、中継コネクタ10gは、図2を参照して説明した中継コネクタ10と同じ構成である。これに対し、図25に示す中継コネクタCN1は、接続点部B1、B2に分岐線路101が接続されている。しかしながら、中継コネクタCN1は、CMCCを有していない。
【0092】
図26は、図24に示す中継コネクタ10g、および、図25に示す中継コネクタCN1による透過モード変換特性を示す図である。図26において、横軸は周波数[Hz]、縦軸はSパラメータのScd21のレベル[dB]を示す。縦軸については、矢印YJの方向がより良好(Good)であることを示す。図26中の実線で示す特性G1は、図24に示す中継コネクタ10gによる透過モード変換特性である。図26中の破線で示す特性R1は、図25に示す中継コネクタCN1による透過モード変換特性である。特性R1に比べて、特性G1は、良好な結果が得られていることがわかる。
【0093】
図27は、図24に示す中継コネクタ10g、および、図25に示す中継コネクタCN1による反射モード変換特性を示す図である。図27において、横軸は周波数[Hz]、縦軸はSパラメータのScd11のレベル[dB]を示す。縦軸については、矢印YJの方向がより良好(Good)であることを示す。図27中の実線で示す特性G2は、図24に示す中継コネクタ10gによる反射モード変換特性である。図26中の破線で示す特性R2は、図25に示す中継コネクタCN1による反射モード変換特性である。特性R2に比べて、特性G2は、良好な結果が得られていることがわかる。
【0094】
また、発明者は、中継コネクタ内にCMCCを1つだけ設けた場合について効果を検証した。図28に示す中継コネクタCN2は、接続点部B1、B2に分岐線路101が接続されているが、1つのCMCC12のみを有している。外部端子P10aと接続点部B1との間、および、外部端子P11aと接続点部B2との間には、CMCCが設けられていない。図28は、図24の中継コネクタ10gからCMCC11を取り除いた構成になっている。
【0095】
図29は、図28に示す中継コネクタCN2、および、図25に示す中継コネクタCN1による透過モード変換特性を示す図である。図29において、横軸および縦軸については、図26の場合と同様である。図29中の実線で示す特性A1は、図28に示す中継コネクタCN2による透過モード変換特性である。図29中の破線で示す特性R1は、図25に示す中継コネクタCN1による透過モード変換特性である。特性R1に比べて、特性A1は、良好な結果が得られていることがわかる。つまり、透過モード変換特性については、1つのCMCCを設ければ良好な結果が得られる。
【0096】
図30は、図28に示す中継コネクタCN2、および、図25に示す中継コネクタCN1による反射モード変換特性を示す図である。図30において、横軸および縦軸については、図27の場合と同様である。図29中の実線で示す特性A2は、図28に示す中継コネクタCN2による反射モード変換特性である。特性R2に比べて、特性A2は、良好な結果が得られていない。つまり、反射モード変換特性については、1つのCMCCを設けただけでは良好な結果が得られない。このため、反射モード変換特性について良好な結果を得るには、図24に示す中継コネクタ10gのように、2つのCMCCを中継コネクタ内に設ける必要がある。
【0097】
請求項の記載に関して、本開示は以下の態様をとりうる。
<1>
第1コモンモードチョークコイルと第2コモンモードチョークコイルとを含む中継コネクタであって、
前記第1コモンモードチョークコイルは、第1コイルと第2コイルとを含み、
前記第2コモンモードチョークコイルは、第3コイルと第4コイルとを含み、
前記第1コイルの一端と前記第3コイルの一端とが電気的に直列に接続され、
前記第2コイルの一端と前記第4コイルの一端とが電気的に直列に接続され、
さらに、
前記第1コイルの他端に電気的に接続された第1外部端子と、
前記第2コイルの他端に電気的に接続された第2外部端子と、
前記第3コイルの他端に電気的に接続された第3外部端子と、
前記第4コイルの他端に電気的に接続された第4外部端子と、
前記第1コイルと前記第3コイルとの接続点部に電気的に接続された第1分岐端子と、
前記第2コイルと前記第4コイルとの接続点部に電気的に接続された第2分岐端子と、
を含む中継コネクタ。
<2>
前記第1コイルの巻線と、
前記第2コイルの巻線と、
前記第3コイルの巻線と、
前記第4コイルの巻線と、
が、共通の巻き芯に巻かれ、前記第1コモンモードチョークコイルと前記第2コモンモードチョークコイルとの少なくとも一部同士が重ねて巻かれている
<1>に記載の中継コネクタ。
<3>
前記第1コイルの巻線と、前記第2コイルの巻線とが、共通の巻き芯に巻かれ、
前記第3コイルの巻線と、前記第4コイルの巻線とが、前記共通の巻き芯に巻かれており、
前記第1コイルおよび前記第2コイルの巻線が巻かれている部分と、前記第3コイルおよび前記第4コイルの巻線が巻かれている部分との間に、巻線が巻かれていない部分を有する
<1>に記載の中継コネクタ。
<4>
前記第1コイルの巻線と、前記第2コイルの巻線とが、第1の巻き芯に巻かれており、
前記第3コイルの巻線と、前記第4コイルの巻線とが、第2の巻き芯に巻かれている
<1>に記載の中継コネクタ。
<5>
前記第1コモンモードチョークコイルによるノイズ除去周波数帯域は、前記第2コモンモードチョークコイルによるノイズ除去周波数帯域とは異なる
<1>から<4>のいずれか1つに記載の中継コネクタ。
<6>
前記第1外部端子と前記第3外部端子との間の配線長と、
前記第2外部端子と前記第4外部端子との間の配線長とが等しく、
かつ、
前記第1外部端子と前記第1分岐端子との間の配線長と、
前記第2外部端子と前記第2分岐端子との間の配線長とが等しい、
<1>から<5>のいずれか1つに記載の中継コネクタ。
<7>
差動線路の途中に分岐線路を接続する分岐用の中継コネクタに内蔵されるノイズフィルタであって、
前記ノイズフィルタは、第1コモンモードチョークコイルと第2コモンモードチョークコイルとを含み、
前記第1コモンモードチョークコイルは、第1コイルと、第2コイルと、前記第1コイルおよび前記第2コイルを巻き付ける巻き芯とを含み、
前記第2コモンモードチョークコイルは、第3コイルと、第4コイルと、前記第3コイルおよび前記第4コイルを、前記第1コイルおよび前記第2コイルに重ねて巻き付ける前記巻き芯とを含み、
前記第1コイルの一端と前記第3コイルの一端とが電気的に直列に接続され、
前記第2コイルの一端と前記第4コイルの一端とが電気的に直列に接続され、
前記第1コイルの他端は、一方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第1外部端子に電気的に接続され、
前記第2コイルの他端は、一方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第2外部端子に電気的に接続され、
前記第3コイルの他端は、他方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第3外部端子に電気的に接続され、
前記第4コイルの他端は、他方の前記差動線路に接続するための前記中継コネクタの第4外部端子に電気的に接続され、
前記第1コイルと前記第3コイルとの接続点部は、前記分岐線路に接続するための前記中継コネクタの第1分岐端子に電気的に接続され、
前記第2コイルと前記第4コイルとの接続点部は、前記分岐線路に接続するための前記中継コネクタの第2分岐端子に電気的に接続されるノイズフィルタ。
【符号の説明】
【0098】
11、12、13、14 コモンモードチョークコイル
10、10a~10g 中継コネクタ
100、100a、100b 差動線路
101、102 分岐線路
KB1、KB2、KB3 基板
L10、L10a、L11、L30、L30a、L31 コイル
H1~H5 筐体
P10、P11、P30、P31 外部端子
P20、P21 分岐端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30