(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088525
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】タイヤのチェーン保持具
(51)【国際特許分類】
B60C 27/06 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B60C27/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203758
(22)【出願日】2022-12-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】507297374
【氏名又は名称】押山 郁夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】押山 郁夫
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通常のノーマルタイヤに装着され、必要に応じてスパイクタイヤとしての機能を発揮させることができるタイヤのチェーン保持具の提供。
【解決手段】ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて、チェーン保持手段の支持部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていって、棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことができるようになっており、雪道等において使用する際には、チェーン保持手段の支持部材をホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具によって連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことにより、タイヤチェーンをタイヤの全周に設置するようにしたことを特徴とするタイヤのチェーン保持具。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて、
前記ホイールの一方の側に取り付けた支持部材と、該支持部材からタイヤ本体の側面に沿って立ち上げたU字状部材と、該U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材とを備えるとともに、該フック部材の基部に設けた連結孔と、前記U字状部材の上端に設けた保持孔とに挿通した棒状の可撓性連結部材とを備えてなるチェーン保持手段を有しており、
前記チェーン保持手段の支持部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことができるようになっており、
雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段の支持部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具によって連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことにより、タイヤチェーンをタイヤの全周に設置するようにしたことを特徴とするタイヤのチェーン保持具。
【請求項2】
前記U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔を設けたタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材が、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたことを特徴とする請求項1記載のタイヤのチェーン保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要に応じてタイヤチェーンを簡易迅速にタイヤ本体上にセットすることができ、また不要の際にはタイヤ本体上からタイヤチェーンを簡単に取り外すことができるようにしたタイヤのチェーン保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノーマルタイヤを装着した車両を運転して雪道走行をする際には、タイヤチェーンをノーマルタイヤに巻き付けなければならず、極めて煩雑であった。
また、スパイクタイヤを予め装着しておけば雪道走行は容易となるが、雪の無い舗装道路等を走行する際にスパイクによる粉塵が巻き上がり、環境衛生上好ましくないため最近ではスパイクタイヤの装着を禁止する傾向にある。
一方で凍結した路面等ではタイヤチェーンを装着するか、スパイクタイヤでないと安全に走行できないというのも現実である。
【0003】
そのため、必要に応じてタイヤチェーンを簡易迅速にタイヤ本体上にセットすることができ、また不要の際にはタイヤ本体上からタイヤチェーンを取り外すことができるタイヤのチェーン保持具の開発が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-058344号公報
【特許文献2】特開平11-058257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開平10-058344号公報(特許文献1参照)においては、非常にシンプルではあるものの、壊れやすく故障が発生しやすいという問題があった。
また、特開平11-058257号公報(特許文献2参照)においても、上記特許文献1とほぼ同様の構造であって、やはり非常にシンプルではあるものの、壊れやすく故障が発生しやすいという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、通常のノーマルタイヤ等に装着されるタイヤのチェーン保持具であって、非常に簡易迅速にタイヤに装着することができるとともに、装着後はタイヤから外れにくいタイヤのチェーン保持具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明のタイヤのチェーン保持具は、
ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて、
前記ホイールの一方の側に取り付けた支持部材と、該支持部材からタイヤ本体の側面に沿って立ち上げたU字状部材と、該U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材とを備えるとともに、該フック部材の基部に設けた連結孔と、前記U字状部材の上端に設けた保持孔とに挿通した棒状の可撓性連結部材とを備えてなるチェーン保持手段を有しており、
前記チェーン保持手段の支持部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことができるようになっており、
雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段の支持部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具によって連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことにより、タイヤチェーンをタイヤの全周に設置するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
またこの発明のタイヤのチェーン保持具は、前記U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔を設けたタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材が、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたことをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のタイヤのチェーン保持具は、ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて、前記ホイールの一方の側に取り付けた支持部材と、該支持部材からタイヤ本体の側面に沿って立ち上げたU字状部材と、該U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材とを備えるとともに、該フック部材の基部に設けた連結孔と、前記U字状部材の上端に設けた保持孔とに挿通した棒状の可撓性連結部材とを備えてなるチェーン保持手段を有しており、
前記チェーン保持手段の支持部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことができるようになっており、
雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段の支持部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具によって連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことにより、タイヤチェーンをタイヤの全周に設置するようにしたものである。
【0010】
したがって、急に雪道や凍結した道路に遭遇した際、手間のかかるチェーンの装着作業を簡易かつ迅速にタイヤ本体の上面に配設することができ、また雪道や凍結した道路から解放された後はあまり手間をかけないで、前記タイヤチェーンをタイヤ本体から外すことができるタイヤのチェーン保持具である。
以上のように、本発明のタイヤのチェーン保持具によれば、アイスバーン、都会の雪道、豪雪地の雪道、新雪の積もった道路等各種の雪道等に迅速に対応することができる。
【0011】
またこの発明のタイヤのチェーン保持具は、前記U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔を設けたタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材が、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたものである。
したがって、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたことにより、フック部材の昇降に応じてタイヤチェーンの張りを簡単に調節することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のタイヤのチェーン保持具の1実施例を示し、全体を組み付けた状態の概略正面図である。
【
図2】(a)は支持部材と、該支持部材から立ち上げたU字状部材の概略斜視図、(b)はU字状部材にフック部材を取付けた状態の概略斜視図である。
【
図3】タイヤチェーンをフック部材に係合した状態の概略側面図である。
【
図4】(a)はタイヤホイールにタイヤのチェーン保持具を取り付けた状態の概略正面図、(b)はその概略側面図である。
【
図5】(a)はタイヤホイールにタイヤのチェーン保持具を取り付けてタイヤチェーンを装着した状態の概略正面図、(b)はその概略側面図、(c)はその概略平面図である。
【
図6】タイヤチェーンにバネ部材を取付けた実施例の概略平面図である。
【
図7】タイヤチェーンをフック部材に係合した状態の概略側面図である。
【
図8】タイヤチェーンをフック部材に係合した状態のタイヤ全体像を示す概略正面図である。
【
図9】ホイール部分に蓋部材を取付けた状態を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のタイヤのチェーン保持具の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
この実施例のタイヤのチェーン保持具は、
図1ないし
図3に示すように、ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて使用されるものであり、前記ホイールの一方の側に取り付けた支持部材12と、該支持部材12からタイヤ本体10の側面に沿って立ち上げられたU字状部材13と、該U字状部材13の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーン21を取り付け可能な一対のフック部材14とを備えるとともに、該フック部材14の基部に設けた連結孔15と、前記U字状部材13の上端に設けた保持孔16とに挿通した棒状の可撓性連結部材17とを備えてなるチェーン保持手段11を有している。
【0014】
そして、前記チェーン保持手段11の支持部材12を前記ホイールの両方の側に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材17をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材14にタイヤチェーン21をはめ込むことができるようになっており、雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段11の支持部材12を前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材17をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具19によって連結した上、前記フック部材14にタイヤチェーン21をはめ込むことにより、タイヤチェーン21をタイヤの全周に設置することができる。
なお、前記U字状部材13の下面の支持板13aに取り付けたネジ部材18により昇降可能に支持板13aを保持し、前記フック部材14を高さ調整可能としたことをも特徴としている。18aはネジ孔である
【0015】
したがって、急に雪道や凍結した道路に遭遇した際、手間のかかるタイヤチェーン21の装着作業を簡易かつ迅速にタイヤ本体10の上面に配設することができ、また雪道や凍結した道路から解放された後はあまり手間をかけないで、前記タイヤチェーン21をタイヤ本体10から外すことができるのである。
以上のように、本発明のタイヤのチェーン保持具によれば、アイスバーン、都会の雪道、豪雪地の雪道、新雪の積もった道路等各種の雪道等に迅速に対応することができる。
【0016】
次に
図4ないし
図9を用いて、この発明のタイヤのチェーン保持具を構成するチェーン保持具11のタイヤへの取り付け方法について詳細に説明する。
図4(a)、(b)はタイヤホイール32へ前記チェーン保持手段11の支持部材12を取付けた状態を示すものであり、前記U字状部材13の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔15を設けたタイヤチェーン21を取り付け可能な一対のフック部材14が、タイヤホイール32の下面に突出した状態を示している。
【0017】
図5(a)、(b)、(c)はタイヤホイール32と結合したタイヤ本体31へ前記チェーン保持手段11の支持部材12を取付けた状態を示すものであり、
図5(a)は、前記U字状部材13の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔15を設けたタイヤチェーン21を取り付け可能な一対のフック部材14が、タイヤ本体31の内面に突出した状態を示している。また
図5(b)は、幅方向に2列をなすタイヤチェーン21をタイヤ本体31の外周にセットした状態を示している。
なお、
図5(c)がその際のタイヤチェーン21の別の実施例を示すものであり、幅方向に2列をなすタイヤチェーン21の先端にゴム系ないしバネ系の牽引素材22を連結した状態を示している。このようにタイヤチェーン21の先端にゴム系ないしバネ系の牽引素材22を連結することにより、タイヤチェーン21の緊張状態を継続して保持させることができる。
【0018】
図6はタイヤチェーン21の先端にバネ系の牽引素材22を連結した状態を示している。
なお、
図6においては幅方向に2列をなすタイヤチェーン21の中間に適宜間隔で連結横チェーン41を、また連結横チェーン41の中央部分を連結する連結縦チェーン42を配設している、
また
図7はこのようなバネ系の牽引素材22を、タイヤホイール32に取り付けた前記フック部材14に連結した状態を示し、その外部にタイヤホイール32の外蓋33をセットした状態を示すものである。
【0019】
図8は前記タイヤ本体31の外周にタイヤチェーン21をセットした状態を示すものであり、タイヤ本体31の外周にほぼ6個のタイヤチェーン21がセットされ、連結ている状態が示されている。
図9は前記タイヤ本体31の外周にタイヤチェーン21をセットした上で、その側面の外部にタイヤホイール32の外蓋33をセットした状態を示すものである。
したがって、前記U字状部材13の下面の支持板13aに取り付けたネジ部材18により昇降可能に支持板13aを保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたことにより、前記フック部材14の昇降に応じてタイヤチェーン21の張りを簡単に調節することができるようになった。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のタイヤのチェーン保持具配乗のように構成されており、タイヤ本体への取付が極めて簡単であり、またタイヤチェーンの張りを簡単に調節することができるものである。
【0021】
さらに本発明によれば、幅方向に2列をなすタイヤチェーンの中間に適宜間隔で連結横チェーンを、さらにまた連結横チェーンの中央部分を連結する連結縦チェーンを配置してあるため、非常に効率よくタイヤによるスリップ防止効果を発揮させることができる。
【符号の説明】
【0022】
10 タイヤ本体
11 チェーン保持手段
12 支持部材
13 U字状部材
13a 支持板
14 フック部材
15 連結孔
16 保持孔
17 可撓性連結部材
18 ネジ部材
18a ネジ孔
19 連結具
21 タイヤチェーン
22 ゴム系ないしバネ系の牽引素材
31 タイヤ本体
32 タイヤホイール
33 外蓋
41 連結横チェーン
42 連結縦チェーン
【手続補正書】
【提出日】2023-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて、
前記ホイールの一方の側においてはタイヤホイールの内側面に直接フック部材が取り付けられた第1のチェーン保持手段を備えており、
前記ホイールの他方の側においては、前記ホイルに取り付けた支持部材と、該支持部材からタイヤ本体の側面に沿って立ち上げたU字状部材と、該U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材とを備えるとともに、該フック部材の基部に設けた連結孔と、前記U字状部材の上端に設けた保持孔とに挿通した棒状の可撓性連結部材とを備えてなる第2のチェーン保持手段を有しており、
前記第1及び第2のチェーン保持手段の各フック部材を前記ホイールの側面に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことができるようになっており、雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段の各フック部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具によって連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことにより、タイヤチェーンをタイヤの全周に設置するようにしたことを特徴とするタイヤのチェーン保持具。
【請求項2】
前記U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔を設けたタイヤチェーンを取り付け可能な一方のフック部材が、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたことを特徴とする請求項1記載のタイヤのチェーン保持具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要に応じてタイヤチェーンを簡易迅速にタイヤ本体上にセットすることができ、また不要の際にはタイヤ本体上からタイヤチェーンを簡単に取り外すことができるようにしたタイヤのチェーン保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノーマルタイヤを装着した車両を運転して雪道走行をする際には、タイヤチェーンをノーマルタイヤに巻き付けなければならず、極めて煩雑であった。
また、スパイクタイヤを予め装着しておけば雪道走行は容易となるが、雪の無い舗装道路等を走行する際にスパイクによる粉塵が巻き上がり、環境衛生上好ましくないため最近ではスパイクタイヤの装着を禁止する傾向にある。
一方で凍結した路面等ではタイヤチェーンを装着するか、スパイクタイヤでないと安全に走行できないというのも現実である。
【0003】
そのため、必要に応じてタイヤチェーンを簡易迅速にタイヤ本体上にセットすることができ、また不要の際にはタイヤ本体上からタイヤチェーンを取り外すことができるタイヤのチェーン保持具の開発が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-058344号公報
【特許文献2】特開平11-058257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開平10-058344号公報(特許文献1参照)においては、非常にシンプルではあるものの、壊れやすく故障が発生しやすいという問題があった。また、特開平11-058257号公報(特許文献2参照)においても、上記特許文献1とほぼ同様の構造であって、やはり非常にシンプルではあるものの、壊れやすく故障が発生しやすいという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、通常のノーマルタイヤ等に装着されるタイヤのチェーン保持具であって、非常に簡易迅速にタイヤに装着することができるとともに、装着後はタイヤから外れにくいタイヤのチェーン保持具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明のタイヤのチェーン保持具は、ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて、前記ホイールの一方の側においてはタイヤホイールの内側面に直接フック部材が取り付けられた第1のチェーン保持手段を備えており、
前記ホイールの他方の側においては、前記ホイルに取り付けた支持部材と、該支持部材からタイヤ本体の側面に沿って立ち上げたU字状部材と、該U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材とを備えるとともに、該フック部材の基部に設けた連結孔と、前記U字状部材の上端に設けた保持孔とに挿通した棒状の可撓性連結部材とを備えてなる第2のチェーン保持手段を有しており、
前記第1及び第2のチェーン保持手段の各フック部材を前記ホイールの側面に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことができるようになっており、雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段の各フック部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具によって連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことにより、タイヤチェーンをタイヤの全周に設置するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
またこの発明のタイヤのチェーン保持具は、前記U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔を設けたタイヤチェーンを取り付け可能な一方のフック部材が、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のタイヤのチェーン保持具は、ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて、前記ホイールの一方の側においてはタイヤホイールの内側面に直接フック部材が取り付けられた第1のチェーン保持手段を備えており、
前記ホイールの他方の側においては、前記ホイルに取り付けた支持部材と、該支持部材からタイヤ本体の側面に沿って立ち上げたU字状部材と、該U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材とを備えるとともに、該フック部材の基部に設けた連結孔と、前記U字状部材の上端に設けた保持孔とに挿通した棒状の可撓性連結部材とを備えてなる第2のチェーン保持手段を有しており、
前記第1及び第2のチェーン保持手段の各フック部材を前記ホイールの側面に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことができるようになっており、雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段の各フック部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具によって連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことにより、タイヤチェーンをタイヤの全周に設置するようにしたものである。
【0010】
したがって、急に雪道や凍結した道路に遭遇した際、手間のかかるチェーンの装着作業を簡易かつ迅速にタイヤ本体の上面に配設することができ、また雪道や凍結した道路から解放された後はあまり手間をかけないで、前記タイヤチェーンをタイヤ本体から外すことができるタイヤのチェーン保持具である。
以上のように、本発明のタイヤのチェーン保持具によれば、アイスバーン、都会の雪道、豪雪地の雪道、新雪の積もった道路等各種の雪道等に迅速に対応することができる。
【0011】
またこの発明のタイヤのチェーン保持具は、前記U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔を設けたタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材が、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたものである。
したがって、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたことにより、フック部材の昇降に応じてタイヤチェーンの張りを簡単に調節することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のタイヤのチェーン保持具の1実施例を示し、全体を組み付けた状態の概略正面図である。
【
図2】(a)は支持部材と、該支持部材から立ち上げたU字状部材の概略斜視図、(b)はU字状部材にフック部材を取付けた状態の概略斜視図である。
【
図3】タイヤチェーンをフック部材に係合した状態の概略側面図である。
【
図4】(a)はタイヤホイールにタイヤのチェーン保持具を取り付けた状態の概略正面図、(b)はその概略側面図である。
【
図5】(a)はタイヤホイールにタイヤのチェーン保持具を取り付けてタイヤチェーンを装着した状態の概略正面図、(b)はその概略側面図、(c)はその概略底?面図である。
【
図6】タイヤチェーンにバネ部材を取付けた実施例の概略平面図である。
【
図7】タイヤチェーンをフック部材に係合した状態の概略側面図である。
【
図8】タイヤチェーンをフック部材に係合した状態のタイヤ全体像を示す概略正面図である。
【
図9】ホイール部分に蓋部材を取付けた状態を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のタイヤのチェーン保持具の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
この実施例のタイヤのチェーン保持具は、
図1ないし
図3に示すように、ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて使用されるものであり、前記ホイールの一方の側に取り付けた支持部材12と、該支持部材12からタイヤ本体10の側面に沿って立ち上げられたU字状部材13と、該U字状部材13の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーン21を取り付け可能な一対の
フック部材14aとを備えるとともに、該
フック部材14aの基部に設けた連結孔15と、前記U字状部材13の上端に設けた保持孔16とに挿通した棒状の可撓性連結部材17とを備えてなるチェーン保持手段11を有している。
【0014】
そして、前記チェーン保持手段11の支持部材12を前記ホイールの片方の側に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材17をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材14aにタイヤチェーン21をはめ込むことができるようになっており、雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段11の支持部材12の各フック部材14aを前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材17をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具19によって連結した上、前記フック部材14aにタイヤチェーン21をはめ込むことにより、タイヤチェーン21をタイヤの全周に設置することができる。
なお、前記U字状部材13の下面の支持板13aに取り付けたネジ部材18により昇降可能に支持板13aを保持し、前記フック部材14aを高さ調整可能としたことをも特徴としている。18aはネジ孔である
【0015】
したがって、急に雪道や凍結した道路に遭遇した際、手間のかかるタイヤチェーン21の装着作業を簡易かつ迅速にタイヤ本体10の上面に配設することができ、また雪道や凍結した道路から解放された後はあまり手間をかけないで、前記タイヤチェーン21をタイヤ本体10から外すことができるのである。
以上のように、本発明のタイヤのチェーン保持具によれば、アイスバーン、都会の雪道、豪雪地の雪道、新雪の積もった道路等各種の雪道等に迅速に対応することができる。
【0016】
次に
図4ないし
図9を用いて、この発明のタイヤのチェーン保持具を構成するチェーン保持具11のタイヤへの取り付け方法について詳細に説明する。
図4(a)、(b)はタイヤホイール32へ前記チェーン保持手段11の支持部材12を取付けた状態を示すものであり、前記U字状部材13の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔15を設けたタイヤチェーン21を取り付け可能な一対の
フック部材14aが、タイヤホイール32の
内側面に突出した状態を示している。
なお、前記ホイールの一方の側においてはタイヤホイールの内側面に直接フック部材14bが取り付けられた第1のチェーン保持手段11を備えている。
【0017】
図5(a)、(b)、(c)はタイヤホイール32と結合したタイヤ本体31へ前記チェーン保持手段11の支持部材12を取付けた状態を示すものであり、
図5(a)は、前記U字状部材13の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔15を設けたタイヤチェーン21を取り付け可能な一対の
フック部材14aが、タイヤ本体31の内面に突出した状態を示している。また
図5(b)は、幅方向に2列をなすタイヤチェーン21をタイヤ本体31の外周にセットした状態を示している。
なお、
図5(c)がその際のタイヤチェーン21の別の実施例を示すものであり、幅方向に2列をなすタイヤチェーン21の先端にゴム系ないしバネ系の牽引素材22を連結した状態を示している。このようにタイヤチェーン21の先端にゴム系ないしバネ系の牽引素材22を連結することにより、タイヤチェーン21の緊張状態を継続して保持させることができる。
【0018】
図6はタイヤチェーン21の先端にバネ系の牽引素材22を連結した状態を示している。
なお、
図6においては幅方向に2列をなすタイヤチェーン21の中間に適宜間隔で連結横チェーン41を、また連結横チェーン41の中央部分を連結する連結縦チェン42を配設している、また
図7はこのようなバネ系の牽引素材22を、タイヤホイール32に取り付けた前記
フック部材14bに連結した状態を示し、その外部にタイヤホイール32の外蓋33をセットした状態を示すものである。
【0019】
図8は前記タイヤ本体31の外周にタイヤチェーン21をセットした状態を示すものであり、タイヤ本体31の外周にほぼ6個のタイヤチェーン21がセットされ、連結されている状態が示されている。
図9は前記タイヤ本体31の外周にタイヤチェーン21をセットした上で、その側面の外部にタイヤホイール32の外蓋33をセットした状態を示すものである。したがって、前記U字状部材13の下面の支持板13aに取り付けたネジ部材18により昇降可能に支持板13aを保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたことにより、前記
フック部材14aの昇降に応じてタイヤチェーン21の張りを簡単に調節することができるようになった。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のタイヤのチェーン保持具配乗のように構成されており、タイヤ本体への取付が極めて簡単であり、またタイヤチェーンの張りを簡単に調節することができるものである。
なお、上記においては前記フック部材14aをタイヤの片側だけにセットして例を示したが、フック部材14aをタイヤの両側にセットしても良い。
【0021】
さらに本発明によれば、幅方向に2列をなすタイヤチェーンの中間に適宜間隔で連結横チェーンを、さらにまた連結横チェーンの中央部分を連結する連結縦チェーンを配置してあるため、非常に効率よくタイヤによるスリップ防止効果を発揮させることができる。
【符号の説明】
【0022】
10 タイヤ本体
11 チェーン保持手段
12 支持部材
13 U字状部材
13a 支持板
14a,14b フック部材
15 連結孔
16 保持孔
17 可撓性連結部材
18 ネジ部材
18a ネジ孔
19 連結具
21 タイヤチェーン
22 ゴム系ないしバネ系の牽引素材
31 タイヤ本体
32 タイヤホイール
33 外蓋
41 連結横チェーン
42 連結縦チェーン
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールにタイヤ本体を装着したタイヤにおいて、
前記ホイールの一方の側においてはタイヤホイールの内側面に直接フック部材が取り付けられた第1のチェーン保持手段を備えており、
前記ホイールの他方の側においては、前記ホイールに取り付けた支持部材と、該支持部材からタイヤ本体の側面に沿って立ち上げたU字状部材と、該U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、上端にはタイヤチェーンを取り付け可能な一対のフック部材とを備えるとともに、該フック部材の基部に設けた連結孔と、前記U字状部材の上端に設けた保持孔とに挿通した棒状の可撓性連結部材とを備えてなる第2のチェーン保持手段を有しており、
前記第1及び第2のチェーン保持手段の各フック部材を前記ホイールの側面に取り付けていって、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くように連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことができるようになっており、雪道等において使用する際には、前記チェーン保持手段の各フック部材を前記ホイールの両方の側に取り付けていき、前記棒状の可撓性連結部材をタイヤ全周を取り巻くようにその端部に取り付けた連結具によって連結した上、前記フック部材にタイヤチェーンをはめ込むことにより、タイヤチェーンをタイヤの全周に設置するようにしたことを特徴とするタイヤのチェーン保持具。
【請求項2】
前記U字状部材の内側に所定間隔で昇降自在に立ち上げられ、基部に連結孔を設けたタイヤチェーンを取り付け可能な前記一対のフック部材が、前記U字状部材の下面の支持板に取り付けたネジ部材により昇降可能に支持板を保持し、前記フック部材を高さ調整可能としたことを特徴とする請求項1記載のタイヤのチェーン保持具。