IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特開2024-88534出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラム
<>
  • 特開-出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラム 図1
  • 特開-出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラム 図2
  • 特開-出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラム 図3
  • 特開-出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラム 図4
  • 特開-出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088534
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q10/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203769
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦地 勇希
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049CC52
(57)【要約】
【課題】出荷差異が検出された際に、在庫データ更新処理だけではなく、出荷差異を仮想在庫として設定して出荷差異を管理ことができる出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、商品、および、出荷数量を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得し、店舗入荷時に、入荷店舗、商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得し、移動入荷予定データ、および、店舗移動入荷データに基づいて、入荷店舗において出荷差異があるか否かを判定し、入荷店舗において出荷差異があると判定された場合、保管場所マスタに基づいて、入荷店舗に対応する出荷差異保管場所、商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを登録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた出荷差異管理装置であって、
前記記憶部は、
商品を保管する保管場所、および、前記保管場所において検出された前記商品の出荷差異を管理するための仮想の出荷差異保管場所を設定した保管場所マスタと、
前記商品、前記保管場所である倉庫、および、倉庫在庫数量を紐付けて設定した倉庫在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、前記商品、および、出荷数量を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得する倉庫出荷手段と、
店舗入荷時に、入荷店舗、前記商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得する店舗入荷手段と、
前記移動入荷予定データ、および、前記店舗移動入荷データに基づいて、前記入荷店舗において前記出荷差異があるか否かを判定する出荷差異判定手段と、
前記入荷店舗において前記出荷差異があると判定された場合、前記保管場所マスタに基づいて、前記入荷店舗に対応する前記出荷差異保管場所、前記商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを前記在庫記憶手段に登録する出荷差異登録手段と、
を備えたことを特徴とする出荷差異管理装置。
【請求項2】
前記倉庫出荷手段は、
更に、前記移動入荷予定データに基づいて、前記倉庫在庫データに設定された前記倉庫在庫数量から前記出荷数量を差し引き、前記出荷数量を積送数量として設定することで、前記倉庫在庫データを更新することを特徴とする請求項1に記載の出荷差異管理装置。
【請求項3】
前記倉庫出荷手段は、
更に、前記倉庫出荷時に、前記倉庫、前記入荷予定保管場所である出荷先、前記商品、および、前記出荷数量を紐付けて設定した出荷データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の出荷差異管理装置。
【請求項4】
前記倉庫出荷手段は、
前記倉庫出荷時に、前記入荷予定保管場所、前記商品、前記出荷数量、および、入荷完了区分を紐付けて設定した前記移動入荷予定データを取得し、
前記店舗入荷手段は、
更に、前記店舗入荷時に、前記移動入荷予定データに設定された前記入荷完了区分を完了に更新することを特徴とする請求項1に記載の出荷差異管理装置。
【請求項5】
前記出荷差異登録手段は、
更に、前記入荷店舗において前記出荷差異があると判定された場合、前記保管場所マスタに基づいて、前記入荷店舗に対応する前記出荷差異保管場所、前記商品、および、入荷数量として前記出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異移動入荷データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の出荷差異管理装置。
【請求項6】
前記店舗入荷手段は、
更に、店舗入荷時に、前記移動入荷予定データに基づいて、前記倉庫在庫データに設定された前記積送数量から前記出荷数量を差し引くことで、前記倉庫在庫データを更新することを特徴とする請求項2に記載の出荷差異管理装置。
【請求項7】
前記店舗入荷手段は、
更に、前記店舗移動入荷データに基づいて、前記入荷店舗、前記商品、および、在庫数量として前記店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗在庫データを前記在庫記憶手段に登録することを特徴とする請求項1または2に記載の出荷差異管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた出荷差異管理装置に実行させるための出荷差異管理方法であって、
前記記憶部は、
商品を保管する保管場所、および、前記保管場所において検出された前記商品の出荷差異を管理するための仮想の出荷差異保管場所を設定した保管場所マスタと、
前記商品、前記保管場所である倉庫、および、倉庫在庫数量を紐付けて設定した倉庫在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
を備え、
前記制御部において実行される、
倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、前記商品、および、出荷数量を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得する倉庫出荷ステップと、
店舗入荷時に、入荷店舗、前記商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得する店舗入荷ステップと、
前記移動入荷予定データ、および、前記店舗移動入荷データに基づいて、前記入荷店舗において前記出荷差異があるか否かを判定する出荷差異判定ステップと、
前記入荷店舗において前記出荷差異があると判定された場合、前記保管場所マスタに基づいて、前記入荷店舗に対応する前記出荷差異保管場所、前記商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを前記在庫記憶手段に登録する出荷差異登録ステップと、
を含むことを特徴とする出荷差異管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた出荷差異管理装置に実行させるための出荷差異管理プログラムであって、
前記記憶部は、
商品を保管する保管場所、および、前記保管場所において検出された前記商品の出荷差異を管理するための仮想の出荷差異保管場所を設定した保管場所マスタと、
前記商品、前記保管場所である倉庫、および、倉庫在庫数量を紐付けて設定した倉庫在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、前記商品、および、出荷数量を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得する倉庫出荷ステップと、
店舗入荷時に、入荷店舗、前記商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得する店舗入荷ステップと、
前記移動入荷予定データ、および、前記店舗移動入荷データに基づいて、前記入荷店舗において前記出荷差異があるか否かを判定する出荷差異判定ステップと、
前記入荷店舗において前記出荷差異があると判定された場合、前記保管場所マスタに基づいて、前記入荷店舗に対応する前記出荷差異保管場所、前記商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを前記在庫記憶手段に登録する出荷差異登録ステップと、
を実行させるための出荷差異管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記憶部に記憶されている拠点における商品在庫数と、当該拠点において読取部により確認された商品読取数と、の照合において差異を検出した場合、当該差異に基づいて、記憶部に記憶されている商品在庫数を追加更新または削除更新する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-184173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、出荷差異が検出された際に、在庫数を追加または削除する在庫データ更新処理を実行するだけではなく、出荷差異を管理することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、出荷差異が検出された際に、在庫データ更新処理だけではなく、出荷差異を仮想在庫として設定して出荷差異を管理ことができる出荷差異管理装置、出荷差異管理方法、および、出荷差異管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る出荷差異管理装置は、記憶部と制御部とを備えた出荷差異管理装置であって、前記記憶部は、商品を保管する保管場所、および、前記保管場所において検出された前記商品の出荷差異を管理するための仮想の出荷差異保管場所を設定した保管場所マスタと、前記商品、前記保管場所である倉庫、および、倉庫在庫数量を紐付けて設定した倉庫在庫データを記憶する在庫記憶手段と、を備え、前記制御部は、倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、前記商品、および、出荷数量を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得する倉庫出荷手段と、店舗入荷時に、入荷店舗、前記商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得する店舗入荷手段と、前記移動入荷予定データ、および、前記店舗移動入荷データに基づいて、前記入荷店舗において前記出荷差異があるか否かを判定する出荷差異判定手段と、前記入荷店舗において前記出荷差異があると判定された場合、前記保管場所マスタに基づいて、前記入荷店舗に対応する前記出荷差異保管場所、前記商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを前記在庫記憶手段に登録する出荷差異登録手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る出荷差異管理装置において、前記倉庫出荷手段は、更に、前記移動入荷予定データに基づいて、前記倉庫在庫データに設定された前記倉庫在庫数量から前記出荷数量を差し引き、前記出荷数量を積送数量として設定することで、前記倉庫在庫データを更新することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る出荷差異管理装置において、前記倉庫出荷手段は、更に、前記倉庫出荷時に、前記倉庫、前記入荷予定保管場所である出荷先、前記商品、および、前記出荷数量を紐付けて設定した出荷データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る出荷差異管理装置において、前記倉庫出荷手段は、前記倉庫出荷時に、前記入荷予定保管場所、前記商品、前記出荷数量、および、入荷完了区分を紐付けて設定した前記移動入荷予定データを取得し、前記店舗入荷手段は、更に、前記店舗入荷時に、前記移動入荷予定データに設定された前記入荷完了区分を完了に更新することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る出荷差異管理装置において、前記出荷差異登録手段は、更に、前記入荷店舗において前記出荷差異があると判定された場合、前記保管場所マスタに基づいて、前記入荷店舗に対応する前記出荷差異保管場所、前記商品、および、入荷数量として前記出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異移動入荷データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る出荷差異管理装置において、前記店舗入荷手段は、更に、店舗入荷時に、前記移動入荷予定データに基づいて、前記倉庫在庫データに設定された前記積送数量から前記出荷数量を差し引くことで、前記倉庫在庫データを更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る出荷差異管理装置において、前記店舗入荷手段は、更に、前記店舗移動入荷データに基づいて、前記入荷店舗、前記商品、および、在庫数量として前記店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗在庫データを前記在庫記憶手段に登録することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る出荷差異管理方法は、記憶部と制御部とを備えた出荷差異管理装置に実行させるための出荷差異管理方法であって、前記記憶部は、商品を保管する保管場所、および、前記保管場所において検出された前記商品の出荷差異を管理するための仮想の出荷差異保管場所を設定した保管場所マスタと、前記商品、前記保管場所である倉庫、および、倉庫在庫数量を紐付けて設定した倉庫在庫データを記憶する在庫記憶手段と、を備え、前記制御部において実行される、倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、前記商品、および、出荷数量を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得する倉庫出荷ステップと、店舗入荷時に、入荷店舗、前記商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得する店舗入荷ステップと、前記移動入荷予定データ、および、前記店舗移動入荷データに基づいて、前記入荷店舗において前記出荷差異があるか否かを判定する出荷差異判定ステップと、前記入荷店舗において前記出荷差異があると判定された場合、前記保管場所マスタに基づいて、前記入荷店舗に対応する前記出荷差異保管場所、前記商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを前記在庫記憶手段に登録する出荷差異登録ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る出荷差異管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた出荷差異管理装置に実行させるための出荷差異管理プログラムであって、前記記憶部は、商品を保管する保管場所、および、前記保管場所において検出された前記商品の出荷差異を管理するための仮想の出荷差異保管場所を設定した保管場所マスタと、前記商品、前記保管場所である倉庫、および、倉庫在庫数量を紐付けて設定した倉庫在庫データを記憶する在庫記憶手段と、を備え、前記制御部において、倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、前記商品、および、出荷数量を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得する倉庫出荷ステップと、店舗入荷時に、入荷店舗、前記商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得する店舗入荷ステップと、前記移動入荷予定データ、および、前記店舗移動入荷データに基づいて、前記入荷店舗において前記出荷差異があるか否かを判定する出荷差異判定ステップと、前記入荷店舗において前記出荷差異があると判定された場合、前記保管場所マスタに基づいて、前記入荷店舗に対応する前記出荷差異保管場所、前記商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを前記在庫記憶手段に登録する出荷差異登録ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、あるべきタイミングで正しい在庫計上ができることで、結果として機会損失を防ぐことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、出荷差異が発生した原因を確認後、正しい処理ができることでミスを防ぐことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、店舗移動入荷入力による入荷数との出荷差異数を出荷差異倉庫に振り分けて在庫計上することができるという効果を奏する。また、出荷側の出荷数が10個であるに対して、受入側での入荷時に確認した際に、現物が9個しかないが、従来のように10個入荷で一時的にでも受入なければいけない場合、または、出荷側の出荷数が10個であるに対して、受入側での入荷時に確認した際に、現物が11個あるが、従来のように10個入荷で一時的にでも受入なければいけない場合、データ上で10個あるように見えて、現物上で過不足があるので、店頭にて間違って注文を受けてしまったり、実際には注文を受けられるのに販売できなかったりするため、機会損失が発生する可能性があったが、本発明によれば、出荷差異在庫データを登録することで、これらの機会損失や顧客とのトラブルを防ぐことができるという効果を奏する。また、出荷側の出荷数が10個であるに対して、受入側での入荷時に、従来のように受入側にてデータ上で9個と変更できてしまうと、受入側で不正ができてしまったり、内部統制的にも悪影響があったりしたが、本発明によれば、このような改竄を抑制でき、然るべき処理ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態における出荷差異管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における出荷差異管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施形態における出荷差異管理処理の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における出荷差異管理処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における出荷差異管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0019】
従来は、倉庫から店舗への商品出荷時に、倉庫から10個出荷され、店舗検品時に9個入荷だった場合、店舗で商品を10個で入荷処理し、倉庫側に確認後1個を返品処理するか、または、倉庫側で9個に修正した後に、受入処理をする流れがあった。しかしながら、実際には、店舗側で勝手に受入数変更できてしまうのは在庫管理上よくないため、入荷時に入荷処理ができなかったり、一旦実際より多い入荷数で店舗在庫が計上されてしまったりすることがあった。
【0020】
そこで、本実施形態においては、倉庫から店舗への商品出荷時に、倉庫から10個出荷され、店舗検品時に9個入荷だった場合、店舗側にて9個で入荷処理し、店舗在庫を9個増加させ、店舗に紐付けた出荷差異保管場所に在庫を1個計上する仕組みを提供している。それにより、本実施形態においては、保管場所および正しいデータを確認後、正しい処理(例えば、倉庫から出荷されたのが9個だった場合、出荷差異倉庫の1個が倉庫に返品される等)をさせることができる。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る出荷差異管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における出荷差異管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、出荷差異管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、出荷差異管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
出荷差異管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。出荷差異管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、出荷差異管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、出荷差異管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、保管場所マスタ106aと在庫データベース106bとを備えている。
【0027】
保管場所マスタ106aは、商品を保管する保管場所を設定したマスタである。ここで、保管場所マスタ106aは、商品を保管する保管場所、および、保管場所において検出された商品の出荷差異を管理するための仮想の出荷差異保管場所が設定されていてもよい。また、保管場所マスタ106aは、保管場所コード、および/または、保管場所名(得意先名)が設定されていてもよい。
【0028】
在庫データベース106bは、商品の在庫データを記憶する。ここで、在庫データベース106bは、商品、保管場所である倉庫、および、倉庫在庫数量を紐付けて設定した倉庫在庫データを記憶していてもよい。また、在庫データベース106bは、入荷店舗に対応する出荷差異保管場所、商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを記憶する。また、在庫データベース106bは、入荷店舗、商品、および、在庫数量として店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗在庫データを記憶していてもよい。また、在庫データベース106bは、移動入荷予定データ、店舗移動入荷データ、出荷データ、および/または、出荷差異移動入荷データを記憶していてもよい。また、在庫データは、保管場所、商品コード、商品名、現在庫数量、および/または、積送数が設定されていてもよい。
【0029】
制御部102は、出荷差異管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、倉庫出荷部102aと店舗入荷部102bと出荷差異判定部102cと出荷差異登録部102dとを備えている。
【0030】
倉庫出荷部102aは、倉庫出荷時に、商品の移動入荷予定データを取得する。ここで、倉庫出荷部102aは、倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、商品、および、出荷数量を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得してもよい。また、倉庫出荷部102aは、移動入荷予定データに基づいて、倉庫在庫データに設定された倉庫在庫数量から出荷数量を差し引き、出荷数量を積送数量として設定することで、倉庫在庫データを更新してもよい。また、倉庫出荷部102aは、倉庫出荷時に、倉庫、入荷予定保管場所である出荷先、商品、および、出荷数量を紐付けて設定した出荷データを取得してもよい。また、倉庫出荷部102aは、倉庫出荷時に、入荷予定保管場所、商品、出荷数量、および、入荷完了区分を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得してもよい。
【0031】
店舗入荷部102bは、店舗入荷時に、商品の店舗移動入荷データを取得する。ここで、店舗入荷部102bは、店舗入荷時に、入荷店舗、商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得してもよい。また、店舗入荷部102bは、店舗入荷時に、移動入荷予定データに設定された入荷完了区分を完了に更新してもよい。また、店舗入荷部102bは、店舗入荷時に、移動入荷予定データに基づいて、倉庫在庫データに設定された積送数量から出荷数量を差し引くことで、倉庫在庫データを更新してもよい。また、店舗入荷部102bは、店舗移動入荷データに基づいて、入荷店舗、商品、および、在庫数量として店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗在庫データを在庫データベース106bに登録してもよい。
【0032】
出荷差異判定部102cは、入荷店舗において出荷差異があるか否かを判定する。ここで、出荷差異判定部102cは、移動入荷予定データ、および、店舗移動入荷データに基づいて、入荷店舗において出荷差異があるか否かを判定してもよい。
【0033】
出荷差異登録部102dは、商品の出荷差異在庫データを在庫データベース106bに登録する。ここで、出荷差異登録部102dは、入荷店舗において出荷差異があると判定された場合、保管場所マスタ106aに基づいて、入荷店舗に対応する出荷差異保管場所、商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを在庫データベース106bに登録してもよい。また、出荷差異登録部102dは、入荷店舗において出荷差異があると判定された場合、保管場所マスタ106aに基づいて、入荷店舗に対応する出荷差異保管場所、商品、および、入荷数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異移動入荷データを取得してもよい。
【0034】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図2から図5を参照して説明する。
【0035】
[出荷差異管理処理]
ここで、図2を参照して、本実施形態における出荷差異管理処理の一例について説明する。図2は、本実施形態における出荷差異管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
図2に示すように、倉庫出荷部102aは、倉庫出荷時に、倉庫、入荷予定保管場所である出荷先、商品、および、出荷数量を紐付けて設定した出荷データを取得し、入荷予定保管場所、商品、出荷数量、および、入荷完了区分を紐付けて設定した移動入荷予定データを取得して在庫データベース106bに登録し、移動入荷予定データに基づいて、在庫データベース106bに記憶された倉庫在庫データに設定された倉庫在庫数量から出荷数量を差し引き、出荷数量を積送数量として設定することで、倉庫在庫データを更新する(ステップSA-1)。
【0037】
そして、店舗入荷部102bは、店舗入荷時に、入荷店舗、商品、および、店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗移動入荷データを取得し、在庫データベース106bに記憶された移動入荷予定データに設定された入荷完了区分を完了に更新し、移動入荷予定データに基づいて、在庫データベース106bに記憶された倉庫在庫データに設定された積送数量から出荷数量を差し引くことで、倉庫在庫データを更新し、店舗移動入荷データに基づいて、入荷店舗、商品、および、在庫数量として店舗入荷数量を紐付けて設定した店舗在庫データを在庫データベース106bに登録する(ステップSA-2)。
【0038】
そして、出荷差異判定部102cは、移動入荷予定データ、および、店舗移動入荷データに基づいて、入荷店舗において出荷差異があるか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0039】
そして、出荷差異判定部102cは、入荷店舗において出荷差異があると判定した場合(ステップSA-3:Yes)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0040】
そして、出荷差異登録部102dは、保管場所マスタ106aに基づいて、入荷店舗に対応する出荷差異保管場所、商品、および、入荷数量(入荷差異数量)として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異移動入荷データを取得し、入荷店舗に対応する出荷差異保管場所、商品、および、在庫数量として出荷差異数量を紐付けて設定した出荷差異在庫データを在庫データベース106bに登録し(ステップSA-4)、処理を終了する。
【0041】
一方、出荷差異判定部102cは、入荷店舗において出荷差異がないと判定した場合(ステップSA-3:No)、処理を終了する。
【0042】
ここで、図3から図5を参照して、本実施形態における出荷差異管理処理の一例について説明する。図3から図5は、本実施形態における出荷差異管理処理の一例を示す図である。
【0043】
図3に示すように、本実施形態においては、店舗毎の出荷差異倉庫が作成され、保管場所マスタ106aに設定される。ここで、図3に示すように、本実施形態における倉庫コードは、出荷差異倉庫の登録運用上、必ずもとの倉庫(店舗)コード+Sとされてもよい。また、本実施形態における保管場所マスタ(倉庫マスタ)106aにおいては、出荷差異倉庫かどうかを管理する区分、および/または、出荷差異倉庫がどの倉庫コードに紐付くかを管理する項目が設定されていてもよい。
【0044】
そして、図4に示すように、本実施形態においては、センター倉庫から銀座店への出荷時に、倉庫にてTシャツ10点が銀座店向けに出荷登録される。
【0045】
そして、図5に示すように、本実施形態においては、銀座店での入荷時に、銀座店にてセンター倉庫からの出荷内容が確認された結果、10点出荷されたとセンター倉庫からきているが、9点しかなかったため、9点で入荷の処理が行われる。ここで、図5に示すように、本実施形態においては、出荷数>入荷数のため、その差分が出荷差異倉庫の移動入荷データとして作成される。また、図5に示すように、本実施形態における移動入荷予定データにおいては、入荷完了区分が1(完了)に更新される。
【0046】
そして、本実施形態においては、その後、出荷差異倉庫の1個が実態に応じて処理される。ここで、本実施形態においては、出荷差異倉庫に在庫がある状態を無くす必要があるため、出荷差異倉庫にある在庫一覧が確認可能に出力される。
【0047】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0050】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0051】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0052】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
また、出荷差異管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0054】
例えば、出荷差異管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて出荷差異管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0055】
また、このコンピュータプログラムは、出荷差異管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0056】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0057】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0058】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0059】
また、出荷差異管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、出荷差異管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0060】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、特に店舗展開を行う流通小売業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 出荷差異管理装置
102 制御部
102a 倉庫出荷部
102b 店舗入荷部
102c 出荷差異判定部
102d 出荷差異登録部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 保管場所マスタ
106b 在庫データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5