(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088535
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q10/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203770
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 義規
(72)【発明者】
【氏名】樋田 健二
(72)【発明者】
【氏名】水木 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB63
(57)【要約】
【課題】複数の倉庫の在庫に基づく引当処理を自動化して、オペレータの引当ミスを防止する。
【解決手段】検出部が、各出荷先の出荷先コードに関連付けされた、商品の出荷を行う倉庫を示す引当コード、引当コードに関連付けされた引当可能数を参照する複数の倉庫の倉庫コード、引当可能数を参照する倉庫の優先順位、及び、各倉庫に保管されている、それぞれ商品コードが付された商品毎の引当可能数が記憶された記憶部を、受注データの出荷先コードに基づいて参照し、出荷先コードに関連付けされた商品の出荷を行う倉庫を示す引当コードを検出する。引当部は、記憶部を参照し、引当コードに対応する倉庫の優先順位に沿って引当処理を行う。引当制御部は、引当処理が未完了な場合に、一つ下位の優先順位の倉庫から引当処理を行うように引当部を制御する。データ生成部は、受注データに引当済数及び未引当数を付加した引当後受注データを生成する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の出荷先を示す出荷先コード、出荷する商品の商品コード及び商品の受注数を含む受注データを取得する取得部と、
各前記出荷先の前記出荷先コードに対してそれぞれ関連付けされた、前記商品の出荷を行う倉庫を示す引当コード、前記引当コードに関連付けされた、前記商品の在庫である引当可能数を参照する一つ又は複数の倉庫の倉庫コード、前記引当可能数を参照する前記倉庫の優先順位、及び、各前記倉庫に保管されている、それぞれ商品コードが付された商品毎の引当可能数が記憶された記憶部を、前記受注データの前記出荷先コードに基づいて参照することで、前記出荷先コードに関連付けされている、前記商品の出荷を行う倉庫を示す前記引当コードを検出する検出部と、
検出された前記引当コードに基づいて前記記憶部を参照し、前記引当コードに対応する前記倉庫の引当可能数から前記商品の受注数を引き当てる引当処理を、前記引当コードに対応する前記倉庫の優先順位に沿って行う引当部と、
前記商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合に、一つ下位の優先順位の倉庫の引当可能数から未引当分の商品の引当処理を行うように、前記引当部を制御する引当制御部と、
前記受注データに、少なくとも引当済数、及び、未引当数を付加した引当後受注データを生成するデータ生成部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
前記記憶部には、前記商品の受注数の全ての引当が完了しない場合に、いくつ下位の優先順位の他の倉庫まで、引当可能数の参照を可能とするか、ということを示す参照階層が含まれており、
前記引当制御部は、前記商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合、前記参照階層で示される下位の優先順位の他の倉庫の引当可能数を参照して前記引当処理を行うように、前記引当部を制御すること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記データ生成部は、優先順位が下位の倉庫で引当処理された前記商品を、優先順位が上位の所望の倉庫に移動させることを指示する移動指示データを生成すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
取得部が、商品の出荷先を示す出荷先コード、出荷する商品の商品コード及び商品の受注数を含む受注データを取得する取得ステップと、
検出部が、各前記出荷先の前記出荷先コードに対してそれぞれ関連付けされた、前記商品の出荷を行う倉庫を示す引当コード、前記引当コードに関連付けされた、前記商品の在庫である引当可能数を参照する一つ又は複数の倉庫の倉庫コード、前記引当可能数を参照する前記倉庫の優先順位、及び、各前記倉庫に保管されている、それぞれ商品コードが付された商品毎の引当可能数が記憶された記憶部を、前記受注データの前記出荷先コードに基づいて参照することで、前記出荷先コードに関連付けされている、前記商品の出荷を行う倉庫を示す前記引当コードを検出する検出ステップと、
引当部が、検出された前記引当コードに基づいて前記記憶部を参照し、前記引当コードに対応する前記倉庫の引当可能数から前記商品の受注数を引き当てる引当処理を、前記引当コードに対応する前記倉庫の優先順位に沿って行う引当ステップと、
引当制御部が、前記商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合に、一つ下位の優先順位の倉庫の引当可能数から未引当分の商品の引当処理を行うように、前記引当部を制御する引当制御ステップと、
データ生成部が、前記受注データに、少なくとも引当済数、及び、未引当数を付加した引当後受注データを生成するデータ生成ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項5】
コンピュータを、
商品の出荷先を示す出荷先コード、出荷する商品の商品コード及び商品の受注数を含む受注データを取得する取得部と、
各前記出荷先の前記出荷先コードに対してそれぞれ関連付けされた、前記商品の出荷を行う倉庫を示す引当コード、前記引当コードに関連付けされた、前記商品の在庫である引当可能数を参照する一つ又は複数の倉庫の倉庫コード、前記引当可能数を参照する前記倉庫の優先順位、及び、各前記倉庫に保管されている、それぞれ商品コードが付された商品毎の引当可能数が記憶された記憶部を、前記受注データの前記出荷先コードに基づいて参照することで、前記出荷先コードに関連付けされている、前記商品の出荷を行う倉庫を示す前記引当コードを検出する検出部と、
検出された前記引当コードに基づいて前記記憶部を参照し、前記引当コードに対応する前記倉庫の引当可能数から前記商品の受注数を引き当てる引当処理を、前記引当コードに対応する前記倉庫の優先順位に沿って行う引当部と、
前記商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合に、一つ下位の優先順位の倉庫の引当可能数から未引当分の商品の引当処理を行うように、前記引当部を制御する引当制御部と、
前記受注データに、少なくとも引当済数、及び、未引当数を付加した引当後受注データを生成するデータ生成部と、
を有する業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2022-182329号公報)に開示されている受注及び倉庫管理システムは、顧客から商品が注文されることで発生する受注在庫管理、及び、商品をあらかじめ保管して顧客から注文された注文商品を配送する出荷在庫管理を行う。具体的には、顧客から注文された注文商品についての受注伝票、及び、保管している保管商品を出荷する引当元倉庫を決定して出荷伝票を作成する。また、引当元倉庫が保管する保管商品を、注文商品に引当処理して出荷する。これにより、各店舗での受注在庫管理と各倉庫での出荷在庫管理とを一つのシステムで統合管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の在庫管理形態は、業務オペレータが、商品を保管する各倉庫を個別に管理するようになっている。このため、複数の倉庫の在庫に基づいて、受注した商品の引当処理を行う場合、業務オペレータの操作が煩雑なものとなり、引当ミスの発生等の不都合を生じていた。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、業務オペレータの引当ミスを発生することなく、複数の倉庫の在庫に基づく引当処理を可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、商品の出荷先を示す出荷先コード、出荷する商品の商品コード及び商品の受注数を含む受注データを取得する取得部と、各出荷先の出荷先コードに対してそれぞれ関連付けされた、商品の出荷を行う倉庫を示す引当コード、引当コードに関連付けされた、商品の在庫である引当可能数を参照する一つ又は複数の倉庫の倉庫コード、引当可能数を参照する倉庫の優先順位、及び、各倉庫に保管されている、それぞれ商品コードが付された商品毎の引当可能数が記憶された記憶部を、受注データの出荷先コードに基づいて参照することで、出荷先コードに関連付けされている、商品の出荷を行う倉庫を示す引当コードを検出する検出部と、検出された引当コードに基づいて記憶部を参照し、引当コードに対応する倉庫の引当可能数から商品の受注数を引き当てる引当処理を、引当コードに対応する倉庫の優先順位に沿って行う引当部と、商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合に、一つ下位の優先順位の倉庫の引当可能数から未引当分の商品の引当処理を行うように、引当部を制御する引当制御部と、受注データに、少なくとも引当済数、及び、未引当数を付加した引当後受注データを生成するデータ生成部と、を有する。
【0007】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、取得部が、商品の出荷先を示す出荷先コード、出荷する商品の商品コード及び商品の受注数を含む受注データを取得する取得ステップと、検出部が、各出荷先の出荷先コードに対してそれぞれ関連付けされた、商品の出荷を行う倉庫を示す引当コード、引当コードに関連付けされた、商品の在庫である引当可能数を参照する一つ又は複数の倉庫の倉庫コード、引当可能数を参照する倉庫の優先順位、及び、各倉庫に保管されている、それぞれ商品コードが付された商品毎の引当可能数が記憶された記憶部を、受注データの出荷先コードに基づいて参照することで、出荷先コードに関連付けされている、商品の出荷を行う倉庫を示す引当コードを検出する検出ステップと、引当部が、検出された引当コードに基づいて記憶部を参照し、引当コードに対応する倉庫の引当可能数から商品の受注数を引き当てる引当処理を、引当コードに対応する倉庫の優先順位に沿って行う引当ステップと、引当制御部が、商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合に、一つ下位の優先順位の倉庫の引当可能数から未引当分の商品の引当処理を行うように、引当部を制御する引当制御ステップと、データ生成部が、受注データに、少なくとも引当済数、及び、未引当数を付加した引当後受注データを生成するデータ生成ステップと、を有する。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、商品の出荷先を示す出荷先コード、出荷する商品の商品コード及び商品の受注数を含む受注データを取得する取得部と、各出荷先の出荷先コードに対してそれぞれ関連付けされた、商品の出荷を行う倉庫を示す引当コード、引当コードに関連付けされた、商品の在庫である引当可能数を参照する一つ又は複数の倉庫の倉庫コード、引当可能数を参照する倉庫の優先順位、及び、各倉庫に保管されている、それぞれ商品コードが付された商品毎の引当可能数が記憶された記憶部を、受注データの出荷先コードに基づいて参照することで、出荷先コードに関連付けされている、商品の出荷を行う倉庫を示す引当コードを検出する検出部と、検出された引当コードに基づいて記憶部を参照し、引当コードに対応する倉庫の引当可能数から商品の受注数を引き当てる引当処理を、引当コードに対応する倉庫の優先順位に沿って行う引当部と、商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合に、一つ下位の優先順位の倉庫の引当可能数から未引当分の商品の引当処理を行うように、引当部を制御する引当制御部と、受注データに、少なくとも引当済数、及び、未引当数を付加した引当後受注データを生成するデータ生成部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、業務オペレータの引当ミスを発生することなく、複数の倉庫の在庫に基づく引当処理を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、引当管理マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、商品別引当制御マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、出荷先マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、受注データ及び引当後受注データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、商品の出荷先に対して関連付けされている引当コード、及び、引当コードに関連付けされている商品の出荷先となる倉庫を示す図である。
【
図8】
図8は、受注した商品の引当が行われる倉庫の優先順位を説明するための図である。
【
図9】
図9は、在庫に基づく商品の引当処理を説明するための図である。
【
図10】
図10は、商品の引当を行うために参照を可能とする優先順位を示す参照階層を説明するための図である。
【
図11】
図11は、引当済数及び未引当数等が入力された受注データである引当後受注データの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、引当前の他の受注データの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、優先順位が最上位の倉庫の在庫で、受注した商品の引当を行ったが、全ての商品の引当を行うことができなかったため、優先順位が2位の倉庫の在庫で引当を継続する様子を示す図である。
【
図14】
図14は、受注数には足りないが、優先順位が2位の倉庫の在庫で、受注した商品の引当を行う様子を示す図である。
【
図15】
図15は、未引当数が生じた状態で生成される引当後受注データの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、優先順位が2位の倉庫から引き当てた商品を、優先順位が最上位の倉庫へ移動させるための移動指示データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、スピーカ装置等が相当する。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワークに接続される。
【0013】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、商品及び出荷先毎に倉庫の引当順序を予め登録しておくことで、引当の自動化を図り、業務オペレータによる、引当のミスの防止等を可能とした業務支援プログラムが記憶されている。
【0014】
また、記憶部2には、引当管理マスタ11、商品別引当制御マスタ12、出荷先マスタ13、及び、商品マスタ14が記憶されている。また、記憶部2には、引当前受注データ、参照在庫データ、引当後受注データ及び移動指示データが記憶される。
【0015】
引当管理マスタ11には、
図2に示すように、引当コード、倉庫コード、名称、商品種別、及び、優先順位等が関連付けされて記憶されている。引当コードは、商品を出荷する倉庫に関連付けされている。また、引当コードは、
図4を用いて後述するように、商品の出荷先に関連付けされている。倉庫コードは、商品の出荷を行う倉庫に対して付された固有のコードである。名称は、各倉庫の名称である。商品種別は、各倉庫に保管されている商品の種別である。優先順位は、商品の引当を行う倉庫を参照する順位を示している。
【0016】
この
図2の例の場合、「H001」の引当コードには、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」及び「自転車」、倉庫コードが「S002」の「東日本倉庫」及び「自転車」、及び、倉庫コードが「S003」の「九州倉庫」及び「自転車」がそれぞれ関連付けられている。また、各倉庫の優先順位は、「西日本倉庫(優先順位1位)」、「東日本倉庫(優先順位2位)」、「九州倉庫(優先順位3位)」となっている。このため、引当コードが「H001」で商品の「自転車」の引当を行う場合、「西日本倉庫(優先順位1位)」→「東日本倉庫(優先順位2位)」→「九州倉庫(優先順位3位)」の順に在庫が参照されて引当が行われる。
【0017】
同様に、
図2の例の場合、「H001」の引当コードには、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」及び「自転車のパーツ」、倉庫コードが「S002」の「東日本倉庫」及び「自転車のパーツ」がそれぞれ関連付けられている。また、各倉庫の優先順位は、「西日本倉庫(優先順位1位)」、「東日本倉庫(優先順位2位)」となっている。このため、引当コードが「H001」で商品の「自転車のパーツ」の割当を行う場合、「西日本倉庫(優先順位1位)」→「東日本倉庫(優先順位2位)」の順に在庫が参照され割当が行われる。
【0018】
同様に、
図2の例の場合、「H002」の引当コードには、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」及び「自転車」、倉庫コードが「S003」の「九州倉庫」及び「自転車」、及び、倉庫コードが「S004」の「名古屋倉庫」及び「自転車」がそれぞれ関連付けられている。また、各倉庫の優先順位は、「西日本倉庫(優先順位1位)」、「九州倉庫(優先順位2位)」、「名古屋倉庫(優先順位3位)」となっている。このため、割当コードが「H002」で商品の「自転車」の割当を行う場合、「西日本倉庫(優先順位1位)」→「九州倉庫(優先順位2位)」→「名古屋倉庫(優先順位3位)」の順に在庫が参照されて引当が行われる。
【0019】
同様に、
図2の例の場合、「H002」の引当コードには、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」及び「自転車のパーツ」、倉庫コードが「S003」の「九州倉庫」及び「自転車のパーツ」、及び、倉庫コードが「S004」の「名古屋倉庫」及び「自転車のパーツ」がそれぞれ関連付けられている。また、各倉庫の優先順位は、「西日本倉庫(優先順位1位)」、「九州倉庫(優先順位2位)」、「名古屋倉庫(優先順位3位)」となっている。このため、割当コードが「H002」で商品の「自転車パーツ」の割当を行う場合、「西日本倉庫(優先順位1位)」→「九州倉庫(優先順位2位)」→「名古屋倉庫(優先順位3位)」の順に在庫が参照されて引当が行われる。
【0020】
次に、商品別引当制御マスタ12には、
図3に示すように、上述の引当コード、商品コード、名称、及び、参照階層が関連付けされて記憶されている。商品コードは、割当を行う商品に対して付された固有のコードである。一例ではあるが、上述の自転車の場合、商品コードは「J000002」となっており、自転車のパーツの場合、商品コードは「P000002」となっている。
【0021】
参照階層は、商品の受注数の全ての引当が完了しない場合に、いくつ下位の優先順位の他の倉庫まで、引当可能数の参照を可能とするか、ということを示す情報である。
図3の例では、引当コードが「H001」で、引き当てる商品が「J000002」の商品コードの「自転車」である場合、最上位の優先順位の倉庫で引当を行った後に、優先順位が「2位」の倉庫の在庫で引当を行うことを示している(参照階層=1)。
【0022】
同様に、
図3の例では、引当コードが「H001」で、引き当てる商品が「P000002」の商品コードの「自転車のパーツ」である場合、最上位の優先順位の倉庫で引当を行った後に、優先順位が「2位」の倉庫の在庫で引当を行うことを示している(参照階層=1)。
【0023】
次に、出荷先マスタ13には、
図4に示すように、商品の出荷先に対して付された固有のコードである出荷先コード、各出荷先の名称、及び、上述の引当コードが関連付けされて記憶されている。この
図4の例の場合、「H001」の引当コードに対しては、出荷先コードが「M0001」の「店舗001」、及び、出荷先コードが「T0001」の「出荷先001」が関連付けされている。また、「H002」の引当コードに対しては、出荷先コードが「T0002」の「出荷先002」が関連付けされ、また、「H003」の引当コードに対しては、出荷先コードが「E0001」の「EC自宅配送用ダミー出荷先」が関連付けされている。
【0024】
次に、商品マスタ14には、
図5に示すように商品コード及び商品種別が関連付けされた記憶されている。
図5の例は、「J000001」、「J000002」及び「J000003」は、それぞれ商品種別が「自転車」の商品コードであることを示している。また、
図5の例は、「P000001」及び「P000002」は、それぞれ商品種別が「自転車のパーツ」の商品コードであることを示している。
【0025】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、
図1に示すように、取得部21、検出部22、引当部23、引当制御部24、及び、データ生成部25として機能する。
【0026】
取得部21は、商品の出荷先を示す出荷先コード、出荷する商品の商品コード及び商品の受注数を含む受注データを取得する。
【0027】
上述の引当管理マスタ11、商品別引当制御マスタ12、出荷先マスタ13、及び、商品マスタ14は、記憶部の一例である。検出部22は、
図4に示す出荷先マスタ13を参照することで、出荷先コードに関連付けされている、商品の出荷を行う倉庫を示す引当コードを検出する。
【0028】
引当部23は、検出された引当コードに基づいて、
図2に示した引当管理マスタ11を参照し、引当コードに対応する倉庫の引当可能数から商品の受注数を引き当てる引当処理を、引当コードに対応する倉庫の優先順位に沿って行う。
【0029】
引当制御部24は、商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合に、一つ下位の優先順位の倉庫の引当可能数から未引当分の商品の引当処理を行うように、引当部23を制御する。
【0030】
データ生成部25は、受注データに、少なくとも引当済数、及び、未引当数を付加した引当後受注データを生成する。
【0031】
また、引当制御部24は、商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合、
図3に示した商品別引当制御マスタ12の参照階層で示される下位の優先順位の他の倉庫の引当可能数を参照して、引当処理を行うように引当部23を制御する。
【0032】
また、データ生成部25は、優先順位が下位の倉庫で引当処理された商品を、優先順位が上位の所望の倉庫に移動させることを指示する移動指示データを生成する。
【0033】
(引当処理)
このような実施の形態の業務支援装置1は、商品及び出荷先毎に倉庫の引当順序を予め登録しておくことで、引当業務を自動化して業務オペレータの引当業務の支援を図っている。これにより、業務オペレータによる、引当のミスの防止等を図っている。
【0034】
すなわち、実施の形態の業務支援装置1は、制御部3が業務支援プログラムに基づいて、以下のステップの処理を実行することで、引当業務を自動化して業務オペレータの引当業務の支援を図る。
【0035】
ステップS1→受注データの出荷先に関連付けされた引当コードと、商品コードの商品種別で引当管理マスタ11を特定する。
ステップS2→引当管理マスタ11の最上位の優先順位の倉庫在庫状況を確認する。
ステップS3→未引当数40個に対し引当可能数が30個である場合、30個のみ引当処理を行う。
ステップS4→本来なら残りの10個分をサブ倉庫(優先順位2位以下の倉庫)の在庫を確認して引当処理を行うが、商品別引当制御マスタ12における、該当する引当コード及び商品コードの参照階層が「1」で設定されているため、未引当が存在する場合でも、そのまま引当処理を終了する。
【0036】
このような引当処理を具体的に説明すると、ステップS1では、取得部21が、
図6に例示する受注データを取得する。この受注データは、通信インターフェース部4及びネットワークを介して取得したものを用いてもよいし、業務オペレータが入力したものを用いてもよい。
【0037】
この
図6に示すように、受注データは、取引種別、伝票番号、明細行、伝票日付、出荷先コード、商品コード、引当コード(マスタ参照)、受注数、引当済数、及び、未引当数を含んで構成される。このうち、出荷先コードは、
図4を用いて説明したように、商品の搬送先となる店舗等に付されている固有のコードである。
【0038】
なお、この
図6は、引当前の受注データと引当後の受注データの両方が含まれている。引当前の受注データは、引当処理を行う前であるため、引当済数が「0」となっている。これに対して、引当後及び引当中の受注データは、引当済数の入力欄に、引当処理が行われた商品の数が入力されている。この
図6の例の場合、伝票番号が「J0000000002」で商品コードが「P000002」のレコードは、受注数が「300個」であるのに対し、「150個」の引当が行われ、残り「150個」の未引当数があることを示している。同様に、伝票番号が「J0000000002」で商品コードが「J000002」のレコードは、受注数が「50個」であるのに対し、「10個」の引当が行われ、残り「40個」の未引当数があることを示している。
【0039】
引き続きステップS1において、このような受注データが取得されると、検出部22は、受注データに含まれる出荷先コードに基づいて
図4に示す出荷先マスタ13を参照し、出荷先コードに関連付けされている引当コードを検出する。なお、データ生成部25は、このように引当コードが検出されると、
図6に示すように受注データの引当コードの入力欄に、検出された引当コードを入力する。また、検出部22は、受注データに含まれる商品コードに基づいて、
図5に示す商品マスタ14を参照し、商品コードに対応する商品種別を検出する。
【0040】
引き続きステップS1において、検出部22は、出荷先コードに関連付けされている引当コード、及び、商品コードに対応する商品種別に基づいて、
図7に示すように引当管理マスタ11を参照し、引当コード及び商品種別の商品の引当処理を行う倉庫コード(及び倉庫の名称)を検出する。
【0041】
すなわち、
図6の3行目に示す伝票番号が「J0000000002」で商品コードが「J000002」のレコードの場合、出荷先コードが「T0001」であり、「J000002」の商品コードの商品種別は「自転車」である。このため、検出部22は、「T0001」の出荷先コード、及び、「自転車」の商品種別に基づいて出荷先マスタ13を参照し、引当コードが「H001」で、商品種別が「自転車」のレコードを特定する。
【0042】
次に、ステップS2及びステップS3において、引当部23が、引当コード及び商品種別に対応する各倉庫の優先順位に基づいて、各倉庫の在庫状況を確認し、受注数の商品の引当処理を行う。この例の場合、「H001」の引当コード及び「自転車」の商品種別に対応する倉庫は、
図8に示すように、最上位の優先順位の倉庫が「S001」の倉庫コードの「西日本倉庫」であり、2位の優先順位の倉庫が「S002」の倉庫コードの「東日本倉庫」であり、3位の優先順位の倉庫が「S003」の倉庫コードの「九州倉庫」である。このため、引当部23は、この優先順位に沿って、「西日本倉庫」→「東日本倉庫」→「九州倉庫」の順に在庫状況を確認し、「自転車」の受注数に対応する引当処理を行う。
【0043】
図9は、この引当処理の具体例を示している。この例において、倉庫コードが「S001」の倉庫である、優先順位が最上位の「西日本倉庫」には、
図9(a)に示すように「J000002」の「自転車」の在庫(引当可能数)が「30台」、存在する。また、
図6の3行目のレコードに示すように、「J000002」の「自転車」の受注数は「50台」である。このため、引当部23は、「50台」の受注数のうち「30台」を、優先順位が最上位の「西日本倉庫」から引当処理する。これにより、
図9(b)に示すように「西日本倉庫」の引当可能数は、「0台」となる。また、この時点での未引当数は、「20台」となる。
【0044】
次に、優先順位が2位の「東日本倉庫」の在庫に基づいて、引当処理を行うが、その前に、引当制御部24が、ステップS4において、
図10に示す商品別引当制御マスタ12を参照する。この
図10に示すように、商品別引当制御マスタ12には、引当コード及び商品コードに関連付けして、商品の受注数の全ての引当処理が完了しない場合、いくつ下位の優先順位の他の倉庫まで引当可能数を参照して引当処理を行うか、ということを示す参照階層が記憶されている。この
図10の例の場合、参照階層は「1」で、優先順位が最上位の倉庫の在庫で割当処理を行うことが既定されている。
【0045】
このため、最上位の優先順位の倉庫の在庫による引当処理が終了した時点で、未引当数が存在する場合でも(全ての受注数の引当処理が完了していない場合でも)、引当制御部24は、引当処理を終了するように引当部23を制御する。
【0046】
この場合、データ生成部25は、
図11に示すように、上述の受注データに、引当処理を行った倉庫の倉庫コード、引当済数、及び、未引当数を付加した引当受注データを生成する。この
図11の例は、「50台」の受注数の「自転車」を、「S001」の倉庫コードの「西日本倉庫」の在庫から引当処理を行うことで、「50台」の受注数のうち、「40台」の引当処理が行われ、残り「10台」が未引当となっていることを示している。
【0047】
(他の引当処理の例)
次に、制御部3が業務支援プログラムに基づいて行う他の引当処理の例を説明する。この他の引当処理は、下記のステップで実行される。
【0048】
ステップS11→受注データの出荷先に関連付けされた引当コードと、商品コードの商品種別で引当管理マスタを特定する。
ステップS12→引当管理マスタ11に設定されている最上位の優先順位の倉庫から在庫状況を確認する。最上位の優先順位の倉庫に在庫が存在しない場合、優先順位が2位の倉庫の在庫状況を確認する。
ステップS13→受注数15個に対し引当可能数が10個のため、10個のみ引当処理を行う。
ステップS14→優先順位3位の倉庫の在庫を確認するが、該当する商品の在庫が存在しないため、引当処理は行わない。
ステップS15→引当処理された商品を優先順位が最上位の倉庫に移動させるべく、優先順位が2位の九州倉庫から、優先順位が最上位の西日本倉庫に対する商品の移動指示データを生成して引当処理を終了する。
【0049】
具体的に説明すると、まず、ステップS11では、取得部21が、
図12に例示する引当前の受注データを取得する。このような受注データが取得されると、検出部22は、受注データに含まれる出荷先コードに基づいて
図4に示す出荷先マスタ13を参照し、出荷先コードに関連付けされている引当コードを検出する。
図12の例は、出荷先コードが「T0002」であるため、
図7に示すように「H002」の引当コードが検出される。
【0050】
また、検出部22は、受注データに含まれる商品コードに基づいて、
図5に示す商品マスタ14を参照し、商品コードに対応する商品種別を検出する。
図12の例は、商品コードが「J000003」であるため、
図5に示すように商品種別として「自転車」が検出される。
【0051】
引き続きステップS11おいて、検出部22は、出荷先コードに関連付けされている引当コード、及び、商品コードに対応する商品種別に基づいて、
図7に示すように引当管理マスタ11を参照し、引当コード及び商品種別の商品の引当処理を行う倉庫コード(及び倉庫の名称)を検出する。
【0052】
図12の例の場合、引当コードが「H002」で商品種別が「自転車」であるため、
図7及び
図13に示すように、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」、倉庫コードが「S003」の「九州倉庫」、及び、倉庫コードが「S004」の「名古屋倉庫」が検出される。
【0053】
次に、ステップS12において、引当部23が、引当コード及び商品種別に対応する各倉庫の優先順位に基づいて、各倉庫の在庫状況を確認し、受注数の商品の引当処理を行う。この例の場合、「H002」の引当コード及び「自転車」の商品種別に対応する倉庫は、
図13に示すように、最上位の優先順位の倉庫が「S001」の倉庫コードの「西日本倉庫」であり、2位の優先順位の倉庫が「S003」の倉庫コードの「九州倉庫」であり、3位の優先順位の倉庫が「S004」の倉庫コードの「名古屋倉庫」である。このため、引当部23は、この優先順位に沿って、「西日本倉庫」→「九州倉庫」→「名古屋倉庫」の順に在庫状況を確認し、「自転車」の受注数に対応する引当処理を行う。
【0054】
ここで、
図14(a)に示すように、この例における最上位の優先順位の倉庫である、「S001」の倉庫コードの「西日本倉庫」に、商品コードが「J000003」の「自転車」の在庫は存在しない。このため、引当制御部24は、
図3に示す商品別引当制御マスタ12を参照し、引当コードが「H002」で、商品コードが「J000003」の「自転車」に対して設定されている参照階層を検出する。この
図3の例では、引当コードが「H002」で、商品コードが「J000003」の「自転車」に対する参照階層は設定されていない。このため、引当制御部24は、引当を行う倉庫を、最上位の優先順位の倉庫から2位の優先順位の倉庫に移行して引当処理を行うように、引当部23を制御する。
【0055】
図12の例の場合、自転車の受注数は「12台」である。
図14(a)及び
図14(b)に示すように、「S003」の倉庫コードの「九州倉庫」には、「J000003」の「自転車」の在庫が「10台」存在する。このため、引当部23は、受注数の「15台」のうち、「10台」を、九州倉庫の在庫から引当処理する(ステップS13)。
【0056】
次に、ステップS14では、引当制御部24が、引当を行う倉庫を、2位の優先順位の「九州倉庫」から3位の優先順位の「名古屋倉庫」に移行して引当処理を行うように、引当部23を制御する。しかし、優先順位が3位の倉庫となる、倉庫コードが「S004」の「名古屋倉庫」には、
図14(a)に示すように、商品コードが「J000003」の「自転車」の在庫は存在しない。また、この例では、優先順位が3位以降の優先順位の倉庫は設定されていない。このため、引当制御部24は、この時点で引当処理を終了するように引当部23を制御する。
【0057】
このように、最上位の優先順位の以外の、下位の優先順位の倉庫の在庫に基づいて引当処理が行われると、データ生成部25は、ステップS15において、「九州倉庫」で引当処理された「10台」の「自転車」を、優先順位が最上位の「西日本倉庫」に移動させる指示となる移動指示データを生成して引当処理を終了する。この移動指示データは、
図16に示すように、伝票番号及び伝票日付と共に、商品の移動先となる入庫倉庫、商品の出庫元となる出庫倉庫、移動する商品の商品コード及び移動指示数を含んで構成される。この
図16は、倉庫コードが「S003」の「九州倉庫」から、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」へ、商品コードが「J000003」の「自転車」を「10台」、移動させることを指示する移動指示データである。
【0058】
次に、データ生成部25は、商品コードが「J000003」の「自転車」を「10台」、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」へ移動させる移動指示データを作成したため、この移動先となる「西日本倉庫」から引当処理が行われたこととする引当後受注データを生成する。すなわち、この場合、データ生成部25は、
図15に示すように、「J000003」の商品コード、「15台」の受注数、「10台」の引当済数、及び、「5台」の未引当数を含む引当後受注データを生成する。これにより、優先順位が最上位の倉庫から出荷先に対して商品の出荷を行うことができるため、最低限の輸送コストで商品の輸送を行うことができ、商品の売上による利益を最大化することができる。
【0059】
(引当動作の他の具体例)
最後に、いくつかの引当動作の具体例を簡単に説明する。
【0060】
図6の2行目のレコードとなる「JU0000000002」の伝票番号の引当動作としては、「H001」の引当コードに基づき、倉庫在庫が参照される。この場合、商品コードが「P000002」の商品は、
図3に示すように商品別引当制御マスタ12の対象商品であり参照階層が「1」であるため、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」の在庫のみが参照される。これにより、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」の在庫で、例えば受注数と同数となる「150個」の引当が完了した場合には、引当制御部24は引当処理を終了するように引当部23を制御する。データ生成部25は、
図9に例示した「西日本倉庫」の参照在庫データの引当可能数を、「200個」から「50個」に更新する。
【0061】
次に、
図6の3行目のレコードとなる「JU0000000002」の伝票番号の引当動作としては、「H001」の引当コードに基づき、倉庫在庫が参照される。この場合、商品コードが「J000002」の商品は、
図3に示すように商品別引当制御マスタ12の対象商品であり、参照回数が「1」であるため、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」の在庫のみが参照される。これにより、倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」の在庫で、例えば受注数の「50個」のうち「10個」が引当処理される。引当制御部24は、「40個」の未引当数を残して引当処理を終了するように、引当部23を制御する。データ生成部25は、
図9に例示した「西日本倉庫」の参照在庫データの引当可能数を、「10個」から「0個」に更新する。
【0062】
次に、
図6の5行目のレコードとなる「JU0000000004」の伝票番号の引当動作としては、「H002」の引当コードに基づき、最初に倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」の在庫が参照される。倉庫コードが「S001」の「西日本倉庫」に、商品コードが「J000003」の商品が存在しない場合、引当制御部24は、
図3に示す商品別引当制御マスタ12を参照する。
【0063】
この
図3に示すように、引当コードが「H002」で商品コードが「J000003」の商品は、商品別引当制御マスタ12には登録されていない。このため、引当制御部24は、優先順位が2位の倉庫コードが「S003」の「九州倉庫」の在庫で引当を行うように引当部23を制御する。受注数「15個」に対して、「九州倉庫」には「10個」の在庫が存在するため、引当部23は「10個」分の引当処理を行う。引当制御部24は、残りの「5個」を未引当として、引当処理を終了するように引当部23を制御する。データ生成部25は、「九州倉庫」の参照在庫データの引当可能数を、「10個」から「0個」に更新する。
【0064】
次に、
図6の6行目のレコードとなる「JU0000000005」の伝票番号の引当動作としては、「H003」の引当コードに基づき、倉庫コードが「S003」の「東日本倉庫」の在庫が参照される。倉庫コードが「S003」の「東日本倉庫」に、商品コードが「J000001」の商品が存在しない場合、引当部23は、引当処理を行わない。この場合も引当制御部24は、
図3に示す商品別引当制御マスタ12を参照するが、商品別引当制御マスタ12には、「H003」の引当コードに関連付けされた商品コードは登録されていない。このため、引当制御部24は、そのまま引当処理を終了するように、引当部23を制御する。この場合、引当処理は行われていないため、データ生成部25は、引当可能数の変更等は行わない。
【0065】
(実施の形態の効果)
例えば、家庭用電化製品等の中型の商品を輸送する際、在庫状況を把握した上で輸送コストを最小化するために適切な輸送ルートを選択する事は、利益最大化の観点から非常に重要である。従来は、各倉庫に在庫管理システムが存在し、倉庫毎の在庫管理はされているが、他倉庫との連携がされていないため、全体の在庫管理が困難な状態で、在庫状況の確認、引当及び出荷手配等が手動で行われている。
【0066】
また、適切な輸送ルートを選択する際に、商品を出荷する倉庫を選択する必要があるが、輸送コストを最小化する選択を、業務オペレータが行うことは、上述のことから困難であり、誤った選択も頻繁に発生していた。
【0067】
また、従来は、どの商品でも、メイン倉庫→サブ倉庫の順番で引当処理が行われている。しかし、商品によっては、サブ倉庫で引当を行いメイン倉庫へ商品を輸送するよりも、メイン倉庫から直接メーカに発注した方が、輸送コストを抑えられるケースがある。
【0068】
このようなことから、実施の形態の業務支援装置1は、商品及び出荷先毎に倉庫の引当順序を予め登録しておくことで、引当の自動化を図っている。このため、業務オペレータによる、引当のミスを防止でき、また、輸送コストの最小化が可能な、最適な輸送ルートを自動的に選択して商品の出荷を行うことができる。
【0069】
また、実施の形態の業務支援装置1は、機会損失の防止、及び、収益計上の早期化を図ることができる。すなわち、メイン倉庫のみでしか在庫を確認できなければ、サブ倉庫に在庫が存在しても、欠品扱いとしてしまい、注文が取れない可能性がある。しかし、実施の形態の業務支援装置1では、メイン倉庫に在庫が存在しなかった場合、サブ倉庫の在庫を参照して引当を行う。これにより、複数の倉庫の在庫で受注した商品の引当を可能とすることができ、欠品扱いとせず、商品の出荷を可能とすることができる。
【0070】
また、実施の形態の業務支援装置1は、サブ倉庫から出荷可能な場合、本来の売上計上タイミング(メイン倉庫に在庫仕入してから顧客に売上)よりも計上の早期化を図ることができる。
【0071】
また、実施の形態の業務支援装置1は、在庫の最適化を図ることができる。すなわち、サブ倉庫で在庫を引当した場合、メイン倉庫に対し、在庫がなかったことへの警告機能を実装することで、在庫補充を促すことができ、注文機会の損失を防止できる。
【0072】
また、実施の形態の業務支援装置1は、経費及び輸送コストの抑制を図ることができる。すなわち、実施の形態の業務支援装置1は、メイン倉庫及びサブ倉庫を、商品単位で参照して引当処理を行うことができる。このため、例えばメイン倉庫に在庫が存在しない場合、商品によってサブ倉庫から出荷させるのではなく、メーカに商品を発注し、メイン倉庫に入荷させた後、ルート配送する等の処置を可能とすることができ、輸送コストの抑制を図ることができる。
【0073】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0075】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0076】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0077】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0078】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0079】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0080】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0081】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0082】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0083】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0084】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0085】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0086】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、例えば家庭用電化製品等の他、物品の販売を行う業種、業界全般で利用できる。
【符号の説明】
【0088】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 引当管理マスタ
12 商品別引当制御マスタ
13 出荷先マスタ
14 商品マスタ
21 取得部
22 検出部
23 引当部
24 引当制御部
25 データ生成部