(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008854
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ダイナミック海底電力ケーブルを備える洋上システム
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20200101AFI20240112BHJP
B63J 99/00 20090101ALI20240112BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63J99/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023100534
(22)【出願日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】22183781
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519099829
【氏名又は名称】エヌケーティー エイチブイ ケーブルズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン, エリク
(72)【発明者】
【氏名】ティルビン, オラ
(72)【発明者】
【氏名】テュルベリ, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヨンソン, ヨエル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ダイナミック海底電力ケーブルを備える洋上システムを提供する。
【解決手段】ダイナミック海底電力ケーブル11と、下端9b及び上端9aを有する曲げ補強材9であって、曲げ補強材9が、下端9bから上端9aに延在する中央チャネルを有し、中央チャネルが、曲げ補強材9内に配置されたダイナミック海底電力ケーブル11の長さに沿って中央チャネルの内面とダイナミック海底電力ケーブル11の外面との間に半径方向間隔を有するダイナミック海底電力ケーブル11を受け入れ、半径方向間隔が、曲げ補強材9とダイナミック海底電力ケーブル11との間に長手方向チャネルを形成する、曲げ補強材9と、長手方向チャネル内部に流体流を生成するように構成された流体流装置13と、を備える、洋上システム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイナミック海底電力ケーブル(11)と、
下端(9b)及び上端(9a)を有する曲げ補強材(9)であって、前記曲げ補強材(9)が、前記下端(9b)から前記上端(9a)に延在する中央チャネルを有し、前記中央チャネルが、前記曲げ補強材(9)内に配置された前記ダイナミック海底電力ケーブル(11)の長さに沿って前記中央チャネルの内面と前記ダイナミック海底電力ケーブル(11)の外面との間に半径方向間隔を有する前記ダイナミック海底電力ケーブル(11)を受け入れ、前記半径方向間隔が、前記曲げ補強材(9)と前記ダイナミック海底電力ケーブル(11)との間に長手方向チャネルを形成する、曲げ補強材(9)と、
前記長手方向チャネル内部に流体流を生成するように構成された流体流装置(13)と、を備える、洋上システム(1)。
【請求項2】
前記流体流装置(13)が、前記上端(9a)から前記下端(9b)に向かう方向に前記流体流を生成するように構成される、請求項1に記載の洋上システム(1)。
【請求項3】
前記流体流装置(13)が、0.5~10m/sの範囲の速度で前記流体流を生成するように構成される、請求項1又は2に記載の洋上システム(1)。
【請求項4】
前記流体流装置(13)が、0.5~5m/sの範囲の速度で前記流体流を生成するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の洋上システム(1)。
【請求項5】
前記流体流装置(13)が、0.5~3m/sの範囲の速度で前記流体流を生成するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の洋上システム(1)。
【請求項6】
前記流体流装置(13)が、0.5~2m/sの範囲の速度で前記流体流を生成するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の洋上システム(1)。
【請求項7】
前記流体流装置(13)が、第1のファンを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の洋上システム(1)。
【請求項8】
前記流体流装置(13)が、第2のファンを備える、請求項7に記載の洋上システム(1)。
【請求項9】
前記流体流が、空気流である、請求項1から8のいずれか一項に記載の洋上システム(1)。
【請求項10】
前記曲げ補強材(9)が、空中設置曲げ補強材である、請求項1から9のいずれか一項に記載の洋上システム(1)。
【請求項11】
前記ダイナミック海底電力ケーブル(11)が、少なくとも66kVの定格電圧の高電圧電力ケーブルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の洋上システム(1)。
【請求項12】
洋上浮体式構造(3)を備え、前記曲げ補強材(9)が前記洋上浮体式構造(3)に接続される、請求項1から11のいずれか一項に記載の洋上システム(1)。
【請求項13】
前記洋上浮体式構造(3)が、浮体式風力タービン、浮体式変電所、浮体式炭化水素プラットフォーム、又は浮体式炭化水素船のうちの1つである、請求項12に記載の洋上システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ダイナミック海底電力ケーブルを備える洋上システムに関する。
【背景技術】
【0002】
浮体式風力タービンなどの発電浮体式洋上構造は、浮体式風力タービンによって生成された電力を送電網に送達するためにダイナミック海底電力ケーブルに接続される。浮体式石油プラットフォームなどの他の種類の浮体式洋上構造は、電力消費目的でダイナミック海底電力ケーブルに接続することができる。
【0003】
浮体式洋上構造は波の動きを受ける。したがって、ダイナミック海底電力ケーブルは、ケーブルの曲げ半径を制御し、ケーブルの疲労負荷を低減するために、曲げ補強材を介して浮体式洋上構造に接続される。
【発明の概要】
【0004】
電力ケーブルは、例えばIEC60287-1-1などの国際規格に従って90°Cとすることができる最大動作温度で動作され得るように設計されている。
【0005】
曲げ補強材は、その低い熱伝導率のために、海底と浮体式洋上構造との間のケーブル経路に沿ってケーブルホットスポットを形成することが分かっている。このホットスポットは、ダイナミック海底電力ケーブルの最も熱い領域である。したがって、ダイナミック海底電力ケーブルで許容される最大電流は、曲げ補強材を通って延在するときの電力ケーブル内の温度によって決定される。
【0006】
本開示の一般的な目的は、先行技術の問題を解決する、又は少なくとも軽減する洋上システムを提供することである。
【0007】
したがって、洋上システムであって、ダイナミック海底電力ケーブルと、下端及び上端を有する曲げ補強材であって、曲げ補強材は、下端から上端に延在する中央チャネルを有し、中央チャネルは、曲げ補強材に配置されたダイナミック海底電力ケーブルの長さに沿って中央チャネルの内面とダイナミック海底電力ケーブルの外面との間に半径方向間隔を有するダイナミック海底電力ケーブルを受け入れ、半径方向間隔は、曲げ補強材とダイナミック海底電力ケーブルとの間に長手方向チャネルを形成する、曲げ補強材と、長手方向チャネル内部に流体流を生成するように構成された流体流装置と、を備える、洋上システムが提供される。
【0008】
したがって、ダイナミック海底電力ケーブルのホットスポット領域は、流体流装置による強制冷却によって冷却される。結果として、より高い電流をダイナミック海底電力ケーブルを通して供給することができ、及び/又はダイナミック海底電力ケーブルの導体(複数可)の断面は、曲げ補強材内のより低温のダイナミック海底電力ケーブルの結果として、設計段階中に低減され得る。
【0009】
本出願人は、一例として、90°Cの許容最大導体温度を有する3×1000mm2の230kV公称電圧ACダイナミック海底電力ケーブルについて、強制冷却によって与えられる改善を分析した。シミュレーションでは、ダイナミック海底電力ケーブルを介して1050Aの電流が供給された。これにより、冷却を行わない場合、曲げ補強材内部のケーブルの最大導体温度は約140°Cになった。曲げ補強材を介した1m/sの速度での強制空気冷却がシミュレーションに含まれた場合、想定される周囲温度は30°Cであり、最大導体温度は最大で約90°Cに達した。
【0010】
一実施形態によれば、流体流装置は、上端から下端に向かう方向に流体流を生成するように構成される。
【0011】
曲げ補強材は、上端から下端に向かう方向に先細になる。したがって、曲げ補強材は、下端よりも上端に近い上半分において最も厚い半径方向寸法を有する。したがって、非冷却ダイナミック海底電力ケーブルは、曲げ補強材の上半分において最も高温の点に到達する。上端から下端に向かう方向に流体流を生成することにより、最も高温の点を通過する流体は、例えば、流体が最も高温の点に到達する前に曲げ補強材の内部でダイナミック海底電力ケーブルに沿ってより短い距離を移動するため、例えば、流体流が下端から上端に向かう方向に供給される場合よりも低温である。その結果、最も高温の点がより効率的に冷却される。
【0012】
流体流装置は、長手方向チャネルの全長に沿って、したがって曲げ補強材の全長に沿って流体流を供給するように配置されてもよい。
【0013】
一実施形態によれば、流体流装置は、0.5~10m/sの範囲の速度で流体流を生成するように構成される。
【0014】
一実施形態によれば、流体流装置は、0.5~5m/sの範囲の速度で流体流を生成するように構成される。
【0015】
一実施形態によれば、流体流装置は、0.5~3m/sの範囲の速度で流体流を生成するように構成される。
【0016】
一実施形態によれば、流体流装置は、0.5~2m/sの範囲の速度で流体流を生成するように構成される。
【0017】
一実施形態によれば、流体流装置は第1のファンを備える。
【0018】
第1のファンは、第1の軸流ファン又は第1のラジアルファンであってもよい。代替で、第1のファンは軸流ファンであってもよい。
【0019】
洋上システムは、曲げ補強材が取り付けられ、長手方向チャネルが流体連通する管を備えることができる。管は、第1の半径方向開口部を備えてもよく、第1のファンは、空気流が上方から曲げ補強材の長手方向チャネルに入るように、第1の半径方向開口部を介して管内に空気を移動させるように構成されてもよい。代替で、第1のファンは、曲げ補強材の上方の軸方向上部開口部から軸方向に長手方向チャネル内に空気を吹き込むように配置されてもよい。
【0020】
一実施形態によれば、流体流装置は第2のファンを備える。
【0021】
第2のファンは、第2の軸流ファン又は第2のラジアルファンであってもよい。代替で、第2のファンは軸流ファンであってもよい。
【0022】
洋上システムは、曲げ補強材が取り付けられ、長手方向チャネルが流体連通する管を備えることができる。管は、第2の半径方向開口部を備えてもよく、第2のファンは、空気流が上方から曲げ補強材の長手方向チャネルに入るように、第2の半径方向開口部を介して管内に空気を移動させるように構成されてもよい。代替で、第2のファンは、曲げ補強材の上方の軸方向上部開口部から軸方向に長手方向チャネル内に空気を吹き込むように配置されてもよい。
【0023】
一実施形態によれば、流体流は空気流である。
【0024】
一実施形態によれば、曲げ補強材は、空中設置曲げ補強材である。
【0025】
一実施形態によれば、ダイナミック海底電力ケーブルは、少なくとも66kVの定格電圧の高電圧電力ケーブルである。
【0026】
一実施形態は、洋上浮体式構造を備え、曲げ補強材の形態は、洋上浮体式構造に接続される。
【0027】
一実施形態によれば、洋上浮体式構造は、浮体式風力タービン、浮体式変電所、浮体式炭化水素プラットフォーム、又は浮体式炭化水素船のうちの1つである。
【0028】
一般に、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で特に明示的に定義されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの(a)/1つの(an)/その(the)要素(element)、装置(apparatus)、構成要素(component)、手段(means)など」へのすべての言及は、特に明記しない限り、要素、装置、構成要素、手段などの少なくとも1つの例を指すものとして非限定的に解釈されるべきである。
ここで、添付の図面を参照して、例として、本発明の概念の具体的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】
図1の洋上システムの一部分の拡大断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、本発明の概念を以下により完全に説明する。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。説明全体を通して、同様の符号は同様の要素を指す。
【0031】
図1は、洋上システム1の一例を示す。洋上システム1は、洋上浮体式構造3を備える。
【0032】
洋上システム1は、海水などの水中5に展開される。具体的には、洋上浮体式構造3は、水中5に展開され、水面に浮遊する。
【0033】
本実施例では、洋上浮体式構造3は、浮体式風力タービンであるが、代替的に、例えば、浮体式変電所、浮体式炭化水素プラットフォーム、浮体式炭化水素船、半潜水式プラットフォーム、又は電力を生成するか、電力を中継するか、又は電力を消費する任意の他の洋上浮体式構造であってもよい。
【0034】
洋上浮体式構造3は、洋上構造管7を備えることができる。洋上構造管7は、鋼などの金属製であってもよい。洋上構造管7は、海底に向かう方向に垂直に又は本質的に垂直下向きに延在する。
【0035】
洋上構造管7は、I管であってもよい。
【0036】
洋上システム1は、曲げ補強材9を備える。曲げ補強材9は、上端9a及び下端9bを有する。曲げ補強材9は、上端9aから下端9bに向かう方向に先細になっている。
【0037】
曲げ補強材9は、上端9aから下端9bに延在する中央チャネルを有する。中央チャネルは、曲げ補強材9の長手方向軸に沿って延在する。
【0038】
曲げ補強材9は、洋上構造管7に接続される。曲げ補強材9の上端9aは、洋上構造管7の下部に接続されている。洋上構造管7は、曲げ補強材9に垂直に上方に配置される。
【0039】
代替で、曲げ補強材9は、洋上浮体式構造3のバルコニー(図示せず)に接続されてもよい。
【0040】
曲げ補強材9は、本実施例では、空中設置曲げ補強材である。したがって、曲げ補強材9は水中5に沈まない。
【0041】
洋上システム1は、ダイナミック海底電力ケーブル11を備える。
【0042】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、単相若しくは多相AC電力ケーブル又は単極若しくは多極DC電力ケーブルであってもよい。
【0043】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、高電圧AC又はDC電力ケーブルであってもよい。
【0044】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、導体と、導体の周りに配置された絶縁システムとを備える。絶縁システムは、内側半導体層と、内側半導体層の外側に配置された絶縁層と、絶縁層の外側に配置された外側半導体層とを備える。
【0045】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、絶縁システムの外側で導体と同心円状に配置された金属製の水バリアを備える。金属製の水バリアは、波形であっても滑らかであってもよい。金属製の水バリアは、鉛を含んでもよいし、鉛フリーであってもよい。鉛フリーである場合、金属製の水バリアは、例えば、銅、アルミニウム、又はステンレス鋼を含むことができる。代替で、ダイナミック海底ケーブルは、湿式又は半湿式設計を有することができ、すなわち、金属製の水バリアがない。
【0046】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、金属製の水バリアの外側に配置されたポリマーシースを備える。
【0047】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、ポリマーシースの周りに配置された1つ以上の外装層を備えてもよい。外装層(複数可)は、例えば亜鉛めっき鋼又はオーステナイト系ステンレス鋼で作られた金属ワイヤ又はロープ、ジャケット付きアラミド繊維などの合成ワイヤ、又は両方の組み合わせを含むことができる。
【0048】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、1つ以上の外装層の外側に配置された外側サービングを有してもよい。
【0049】
ダイナミック海底電力ケーブル11が複数の電気相又は極を含む場合、ダイナミック海底電力ケーブル11は複数の導体を含み、各導体は、その周りに配置された上述の対応する構造、すなわち、絶縁システム、金属製の水バリア、及びポリマーシースを有する。そのような各構造は、電力コアを形成する。外装層(複数可)は、すべての電力コアの周りに配置される。
【0050】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、曲げ補強材9の中央チャネル内の曲げ補強材9全体を貫通する。
【0051】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、洋上浮体式構造3から海底に延在する。
【0052】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、洋上構造管7を貫通し、洋上浮体式構造3に固定される。ダイナミック海底電力ケーブル11は、ハングオフ装置によって洋上浮体式構造3に固定され得る。
【0053】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、洋上浮体式構造3上で終端する。
【0054】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、以下でより詳細に説明するように、曲げ補強材9内部の強制流体流によって冷却される。
【0055】
図2は、曲げ補強材9の領域における洋上システム1の拡大図を示す。
【0056】
曲げ補強材の中央チャネル9cは、曲げ補強材9を貫通するダイナミック海底電力ケーブル11の全長に沿ってダイナミック海底電力ケーブル11の外面から半径方向に離間して配置される内面を有する。したがって、ダイナミック海底電力ケーブル11と中央チャネル9cとの間には半径方向間隔がある。
【0057】
半径方向間隔は、曲げ補強材9とダイナミック海底電力ケーブル11との間に長手方向チャネルを形成する。長手方向チャネルは、曲げ補強材9内に配置されたダイナミック海底電力ケーブル11の全長に沿って、曲げ補強材9の上端9aから下端9bに延在する。
【0058】
洋上構造管7は、曲げ補強材9の長手方向チャネルと流体連通する内側管チャネル7aを有する。長手方向チャネルは、内側管チャネル7a内に垂直上向きに開口する。
【0059】
洋上システム1は、流体流装置13を備える。流体流装置13は、長手方向チャネル内部に流体流を生成するように構成される。
【0060】
流体流装置13は、0.5~10m/sの範囲、例えば0.5~3m/s又は0.5~2m/sなどの0.5~5m/sの範囲の速度を有する流体流を生成するように構成される。
【0061】
速度又は流量は、ダイナミック海底電力ケーブル11を通過する電流の大きさ及び/又は周囲空気温度に基づいて決定することができる。
【0062】
流体流装置13は、例によれば、上端9aから下端9bに向かう方向の流体流を生成するように構成される。流体流装置13は、長手方向チャネル全体に沿って流体流を生成するように構成される。
【0063】
一例によれば、流体流装置13は、洋上構造管7内に配置される。
【0064】
洋上システム1は、一変形例によれば、長手方向チャネル内に排出するために、洋上構造管7の外側の周囲空気を流体流装置13内に引き込むように構成された流体取入れ口15を備えることができる。流体取入れ口15は、洋上構造管7の壁を通って流体流装置13まで延在する貫通開口部を備えることができる。
【0065】
流体流装置13は、例えば第1のファン及び第2のファンなどの一つ以上のファンを備えてもよい。複数のファンは、ファンが故障する場合に冗長性を提供する。
【0066】
ダイナミック海底電力ケーブル11は、曲げ補強材9内のダイナミック海底電力ケーブル11の導体の温度を測定するように構成された光ファイバケーブルを備えることができる。洋上システム1は、曲げ補強材9内に延在するダイナミック海底電力ケーブル11のセクションに沿って測定された導体温度に基づいて流体流装置13を制御するように構成された制御システムを備えることができる。制御システムは、例えば、曲げ補強材9内に延在するダイナミック海底電力ケーブル11のセクションに沿って測定された最高導体温度に基づいて、流体流装置13を制御するように構成することができる。
【0067】
一例によれば、洋上システム1は、空気を冷却し、冷却された空気を流体流装置13に供給するように構成された空気冷却器を備えることができる。
【0068】
図2に示すように、使用時に、流体流装置13は、曲げ補強材9内に流体流17を生成する。流体流17は気流である。流体流17は、曲げ補強材9の上端9aから下端9bに向かう方向にある。流体流17は、曲げ補強材9の下端9bで曲げ補強材を出る。
【0069】
本発明の概念は、主にいくつかの例を参照して上述されている。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義される、上記で開示されたもの以外の他の実施形態も本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
【外国語明細書】