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特開2024-88559プログラム、情報処理装置、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088559
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203801
(22)【出願日】2022-12-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.発行日 令和4年9月20日 2.刊行物 令和4年 第32回設計工学・システム部門講演会 Design&Systems Conference‘22プログラム集,付番2405 一般社団法人日本機械学会
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【弁理士】
【氏名又は名称】加美山 豊
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】弁理士法人よつ葉国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 杏奈
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
(57)【要約】
【課題】計画をする計画者と、その計画に利害関係を有する利害関係者との間の合意形成の支援等を実現する。
【解決手段】情報処理装置に実行させるためのプログラムは、人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢であって、複数の選択肢のうち、計画をする計画者による選択肢の選択に関する第1情報を取得する制御を、情報処理装置の制御部によって行うことと、複数の選択肢のうち、計画に利害関係を有する利害関係者であって複数の利害関係者による選択肢の選択に関する第2情報を取得する制御を、制御部によって行うことと、計画への受容性に関する質問に対する複数の利害関係者の回答に関する第3情報を取得する制御を、制御部によって行うことと、第1情報と、第2情報と、第3情報とに基づいて、質問に対する回答と、複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークを生成する生成処理を制御部によって行うことと、を実行させるためのプログラムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に、
人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢であって、複数の選択肢のうち、計画をする計画者による選択肢の選択に関する第1情報を取得する制御を、前記情報処理装置の制御部によって行うことと、
前記複数の選択肢のうち、前記計画に利害関係を有する利害関係者であって複数の利害関係者による選択肢の選択に関する第2情報を取得する制御を、前記制御部によって行うことと、
前記計画への受容性に関する質問に対する複数の前記利害関係者の回答に関する第3情報を取得する制御を、前記制御部によって行うことと、
前記第1情報と、前記第2情報と、前記第3情報とに基づいて、前記質問に対する回答と、前記複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークを生成する生成処理を前記制御部によって行うことと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記ネットワークは、前記複数の選択肢の選択と前記利害関係者による前記質問に対する回答の傾向との関係性を示すネットワーク、または、前記複数の選択肢の非選択と前記利害関係者による前記質問に対する回答の傾向との関係性を示すネットワークとして、前記制御部によって生成される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記生成処理は、前記第1情報と前記第2情報とに基づく前記複数の選択肢の各々に対応するノードおよびノード間を結ぶエッジで構成される第1ネットワークと、前記第3情報とに基づいて、前記ノードと前記エッジとで構成される前記ネットワークを生成する処理を含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ネットワークは、前記ネットワークのノードに、対応する選択肢が関連付けて表示されるネットワークとして前記制御部によって生成される、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ネットワークは、前記ネットワークのノードが、対応する選択肢を選択した利害関係者による前記質問に対する回答の傾向を識別可能な態様で表示されるネットワークとして前記制御部によって生成される、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ネットワークは、前記ネットワークのノードが、対応する選択肢を選択しなかった利害関係者による前記質問に対する回答の傾向を識別可能な態様で表示されるネットワークとして前記制御部によって生成される、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項7】
前記生成処理は、前記第1情報と前記第2情報とに基づき、前記ノードに対応する選択肢が選択された数に基づいて前記ノードの値を算出する処理を含み、
前記ネットワークのノードは、算出された値に基づく態様で表示される、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項8】
前記生成処理は、前記第1情報と前記第2情報とに基づき、前記エッジが結ぶ両端のノードに対応する選択肢が選択された数に基づいて前記エッジの重みを算出する処理を含み、
前記ネットワークのエッジは、算出された重みに基づく態様で表示される、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
少なくとも利害関係者の入力に基づく選択肢を取得する制御を前記制御部によって行い、取得された選択肢を前記複数の選択肢に追加する処理を前記制御部によって行うことと、
取得された選択肢を含む前記複数の選択肢の数が設定数に達した場合に、前記複数の選択肢を複数のコミュニティに分割する分割処理を前記制御部によって行うことと、
を前記情報処理装置に実行させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コミュニティに属する選択肢から代表とする代表選択肢を決定する決定処理を前記制御部によって行うことと、
前記コミュニティに属する選択肢を前記代表選択肢に基づいてラベリングするラベリング処理を前記制御部によって行うことと、
を前記情報処理装置に実行させるための請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記生成処理は、前記ラベリング処理の結果が反映された前記ネットワークを生成する処理を含む、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記情報処理装置は、計画者の第1端末および利害関係者の第2端末と通信するサーバであり、
前記第1情報を取得する制御は、前記第1端末から前記第1情報を受信する制御を含み、
前記第2情報を取得する制御は、前記第2端末から前記第2情報を受信する制御を含み、
前記第3情報を取得する制御は、前記第2端末から前記第3情報を受信する制御を含む、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢であって、複数の選択肢のうち、計画をする計画者による選択肢の選択に関する第1情報を取得する制御を行い、前記複数の選択肢のうち、前記計画に利害関係を有する利害関係者であって複数の利害関係者による選択肢の選択に関する第2情報を取得する制御を行い、前記計画への受容性に関する質問に対する複数の前記利害関係者の回答に関する第3情報を取得する制御を行い、前記第1情報と、前記第2情報と、前記第3情報とに基づいて、前記質問に対する回答と、前記複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークを生成する生成処理を行う制御部を備える情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置の情報処理方法であって、
人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢であって、複数の選択肢のうち、計画をする計画者による選択肢の選択に関する第1情報を取得する制御を、前記情報処理装置の制御部によって行うことと、
前記複数の選択肢のうち、前記計画に利害関係を有する利害関係者であって複数の利害関係者による選択肢の選択に関する第2情報を取得する制御を、前記制御部によって行うことと、
前記計画への受容性に関する質問に対する複数の前記利害関係者の回答に関する第3情報を取得する制御を、前記制御部によって行うことと、
前記第1情報と、前記第2情報と、前記第3情報とに基づいて、前記質問に対する回答と、前記複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークを生成する生成処理を前記制御部によって行うことと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、情報処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、再生可能エネルギーの発電所建設に関する事業計画や、道路網の整備などの公共政策計画など、事業者等の計画者が計画を立案する場合がある。しかし、地域住民など、その計画に関係する利害関係者の同意を得ることができないような場合がある。バックグラウンドや価値観等は人によって異なるため、計画者による計画が利害関係者の考えに沿ったものであるとは限らない。これに関連し、例えば特許文献1には、公共空間の合意形成に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-41652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような問題に対する解決手法の1つとして、例えば、計画者による計画に関する数理最適化問題を構築してその解を求める手法が考えられる。しかし、上記のように、バックグラウンドや価値観等は人によって異なるため、計画に関し、各々の利害関係者の考えに沿った解を求めるのは実質的に不可能である。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、計画をする計画者と、その計画に利害関係を有する利害関係者との間の合意形成の支援等を実現するための新たな手法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によると、情報処理装置に実行させるためのプログラムは、人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢であって、複数の選択肢のうち、計画をする計画者による選択肢の選択に関する第1情報を取得する制御を、情報処理装置の制御部によって行うことと、複数の選択肢のうち、計画に利害関係を有する利害関係者であって複数の利害関係者による選択肢の選択に関する第2情報を取得する制御を、制御部によって行うことと、計画への受容性に関する質問に対する複数の利害関係者の回答に関する第3情報を取得する制御を、制御部によって行うことと、第1情報と、第2情報と、第3情報とに基づいて、質問に対する回答と、複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークを生成する生成処理を制御部によって行うことと、を実行させるためのプログラムである。
本発明の第2の態様によると、情報処理装置は、人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢であって、複数の選択肢のうち、計画をする計画者による選択肢の選択に関する第1情報を取得する制御を行い、複数の選択肢のうち、計画に利害関係を有する利害関係者であって複数の利害関係者による選択肢の選択に関する第2情報を取得する制御を行い、計画への受容性に関する質問に対する複数の利害関係者の回答に関する第3情報を取得する制御を行い、第1情報と、第2情報と、第3情報とに基づいて、質問に対する回答と、複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークを生成する生成処理を行う制御部を備える情報処理装置である。
本発明の第3の態様によると、情報処理装置の情報処理方法は、人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢であって、複数の選択肢のうち、計画をする計画者による選択肢の選択に関する第1情報を取得する制御を、情報処理装置の制御部によって行うことと、複数の選択肢のうち、計画に利害関係を有する利害関係者であって複数の利害関係者による選択肢の選択に関する第2情報を取得する制御を、制御部によって行うことと、計画への受容性に関する質問に対する複数の利害関係者の回答に関する第3情報を取得する制御を、制御部によって行うことと、第1情報と、第2情報と、第3情報とに基づいて、質問に対する回答と、複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークを生成する生成処理を制御部によって行うことと、を含む情報処理方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、計画をする計画者と、その計画に利害関係を有する利害関係者との間の合意形成の支援等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図。
図2】実施形態に係る情報処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャート。
図3】実施形態に係る情報処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャート。
図4】フレーム候補リストデータのデータ構成の一例を示す図。
図5】フレームスコアデータのデータ構成の一例を示す図。
図6】受容性アンケートデータのデータ構成の一例を示す図。
図7】受容性スコアデータのデータ構成の一例を示す図。
図8】フレームネットワークグラフの一例を示す図。
図9】受容性ネットワークグラフの一例を示す図。
図10】受容性ネットワークグラフの一例を示す図。
図11】フレーム候補リストデータの別例を示す図。
図12】フレームネットワークグラフの別例を示す図。
図13】受容性ネットワークグラフの別例を示す図。
図14】クライアントサーバシステムを適用する場合のシステム構成の一例を示す図。
図15】実施例に係るシステム構成の一例を示す図。
図16】計画管理データベースのデータ構成の一例を示す図。
図17】実施例に係る端末の構成の一例を示す図。
図18】実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
図19】実施例に係る端末の表示部に表示される画面の一例を示す図。
図20】実施例に係る端末の表示部に表示される画面の一例を示す図。
図21】実施例に係る端末の表示部に表示される画面の一例を示す図。
図22】実施例に係る端末の表示部に表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための実施形態の一例について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0010】
[実施形態]
本実施形態では、何らかの計画をする人(ユーザ)のことを「計画者」と称し、計画者の計画に利害関係を有する利害関係者(ユーザ)のことを「ステークホルダー」と称する。計画者や計画に応じて、ステークホルダーとなる人は異なり得る。
【0011】
また、本実施形態では、例えば、人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つの概念を「フレーム」と称する。フレームは、無意識的、または、意識的に出来事を包括、理解する基盤や基準となるものを指してもよく、上記の人間の価値観等によって、言語化されたものと捉えてもよい。
なお、フレームは、上記の人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方の他にも、人間の意識等の心の働きを含む概念としてもよい。
【0012】
また、本実施形態では、フレームの候補のことを「フレーム候補」と称する。フレーム候補は、フレームを言語化したものの候補と捉えてもよい。
以下では、複数のフレーム候補の中から、計画者やステークホルダーに、自分の意に沿ったフレーム候補を選択させる。このため、フレーム候補は、フレームの選択肢(人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢)の一種と捉えてもよい。
【0013】
また、本実施形態において、情報(データ)の「取得」とは、以下のうちの少なくともいずれか1つを含む概念としてよい。
・自装置に対してユーザ入力等された情報を受け付けることによって情報を取得すること
・自装置以外の外部装置から送信された情報を受信することによって情報を取得すること
例えば、以下説明する情報処理装置1にユーザ入力された情報を受け付けることによって情報処理装置1が情報を取得することや、情報処理装置1が外部装置から情報を受信することによって情報を取得すること等を含む概念としてよい。
【0014】
また、本実施形態において、情報(データ)の「出力」とは、以下のうちの少なくともいずれか1つを含む概念としてよい。
・自装置の内部的な情報の出力(ある機能部から別の機能部への情報の出力)
・自装置が情報を表示や音出力すること(表示出力や音出力)
・自装置が外部装置に情報を送信すること(送信)
【0015】
<原理>
図1は、本実施形態の一態様に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。
情報処理装置1は、例えば、計画者フレーム候補選択情報取得部101と、計画者回答フレーム情報取得部103と、ステークホルダーフレーム候補選択情報取得部105と、ステークホルダー回答フレーム情報取得部107と、フレームスコア判定部109と、受容性アンケート情報取得部111と、受容性アンケート回答情報取得部113と、受容性スコア判定部115と、フレームネットワーク生成部117と、受容性ネットワーク生成部118とを機能部として有する。
また、情報処理装置1は、例えば、フレーム候補リストデータ191と、フレームスコアデータ193と、受容性アンケートデータ195と、受容性スコアデータ197とを記憶部に記憶する。
【0016】
計画者フレーム候補選択情報取得部101は、計画者によるフレーム候補の選択情報(選択/非選択)である計画者フレーム候補選択情報を取得する。
【0017】
計画者回答フレーム情報取得部103は、計画者によるフレーム候補の回答(自由回答)の情報である計画者回答フレーム情報を取得する。
取得された計画者回答フレーム情報に含まれる回答フレームは、フレーム候補リストデータ191に記憶される。
【0018】
ステークホルダーフレーム候補選択情報取得部105は、ステークホルダーによるフレーム候補の選択情報(選択/非選択)であるステークホルダーフレーム候補選択情報を取得する(取得する制御を行う)。
【0019】
なお、取得部は、制御部、入力部(操作部等)、受信部等としてよい。以下同様である。
【0020】
ステークホルダー回答フレーム情報取得部107は、ステークホルダーによるフレーム候補の回答(自由回答)の情報であるステークホルダー回答フレーム情報を取得する。
取得されたステークホルダー回答フレーム情報に含まれる回答フレームは、フレーム候補リストデータ191に記憶される。
【0021】
フレームスコア判定部109は、計画者フレーム候補選択情報取得部101によって取得された計画者フレーム候補選択情報に基づいて、フレーム候補リストデータ191に記憶されたフレーム候補ごとの計画者のフレームスコアを判定(算出)し、フレームスコアデータ193に記憶させる。
また、フレームスコア判定部109は、ステークホルダーフレーム候補選択情報取得部105によって取得されたステークホルダーフレーム候補選択情報に基づいて、フレーム候補リストデータ191に記憶されたフレーム候補ごとのステークホルダーのフレームスコアを判定し、し、フレームスコアデータ193に記憶させる。
計画者によってフレーム候補がフレーム候補リストデータ191に追加された場合や、ステークホルダーによってフレーム候補がフレーム候補リストデータ191に追加された場合、フレームスコア判定部109は、追加されたフレーム候補についてもフレームスコアを判定する。詳細は後述する。
【0022】
受容性アンケート情報取得部111は、計画者によって作成または編集された受容性アンケートの情報を取得する。
【0023】
受容性アンケート回答情報取得部113は、ステークホルダーによる受容性アンケートの回答情報である受容性アンケート回答情報を取得する。
【0024】
受容性スコア判定部115は、受容性アンケート回答情報取得部113によって取得された受容性アンケート回答情報に基づいて、受容性アンケートデータ195に記憶された質問ごとの、各々のステークホルダーの受容性スコアを判定する。
【0025】
フレームネットワーク生成部117は、少なくともフレームスコアデータ193に基づき生成される、フレーム候補リストデータ191に記憶されたフレーム候補に基づくネットワーク(以下、「フレームネットワーク」と称する。)を生成する。
【0026】
フレームネットワーク生成部117は、例えば、設定された条件が成立した場合に、フレーム候補コミュニティ分割処理を行って、フレーム候補リストデータ191に含まれるフレーム候補をコミュニティに分割するフレーム候補コミュニティ分割部1171を含む。
なお、フレーム候補コミュニティ分割部1171によってフレーム候補コミュニティ分割処理が行われた場合は、その結果を用いてフレームネットワークが生成される。
【0027】
受容性ネットワーク生成部118は、例えば、フレームネットワークと、受容性スコアデータ197とに基づいて、受容性ネットワークを生成する。
【0028】
なお、フレームネットワーク生成部117が、フレームネットワークグラフ(フレームネットワークの可視化グラフ)を生成するようにしてもよい。
同様に、受容性ネットワーク生成部118が、受容性ネットワークグラフ(受容性ネットワークの可視化グラフ)を生成するようにしてもよい。
【0029】
本明細書では、便宜的に、ネットワークを可視化したものを「ネットワークグラフ」と称する。「可視化グラフ」や「可視化ネットワークグラフ」等と称してもよい。
【0030】
なお、本明細書におけるネットワークは、例えば、グラフ理論におけるネットワークとしてよく、「ネットワーク」と「グラフ」を同義と捉えてもよい。この場合、ネットワークグラフは、ネットワーク(=グラフ)を可視化したものと捉えてもよい。
【0031】
<処理>
図2図3は、本実施形態における情報処理の手順例を示すフローチャートである。
このフローチャートにおける処理は、例えば、情報処理装置の制御部が、記憶部に記憶されたプログラムのコードを不図示のRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0032】
以下説明するフローチャートにおける各記号は、ステップを意味する。
なお、以下説明するフローチャートは、本実施形態における情報処理の手順の一例を示すものに過ぎず、他のステップを追加したり、一部のステップを削除したりしてもよい。また、フローチャートにおけるステップの一部を入れ替えて実行してもよい。
【0033】
また、以下の処理では、情報処理装置1が、計画者やステークホルダーのリストをあらかじめ取得し、例えば、各々のユーザにアカウントとしてのユーザIDを設定しているものとする。
以下では、計画者のユーザIDを「計画者ID」と称し、各々のステークホルダーに設定されたユーザIDを「ステークホルダーID」と称する場合がある。
【0034】
最初に、計画者フレーム候補選択情報取得部101は、計画者フレーム候補選択情報を取得する(F1)。
【0035】
この場合、例えば、情報処理装置1(または情報処理装置1の管理者)が設定したフレーム候補を含むフレーム候補リストをフレーム候補リストデータ191に記憶させておき、このフレーム候補リストを計画者に提示して、計画者の意に沿ったフレーム候補を計画者に選択させるようにしてもよい。
【0036】
また、例えば、情報処理装置1が、あらかじめ計画者によって作成されたフレーム候補リストを、計画者フレーム候補選択情報とともに計画者の端末から受信するなどして取得し、取得したフレーム候補リストをフレーム候補リストデータ191に記憶させるようにしてもよい。
【0037】
フレーム候補リストのフレーム候補の数は、例えば第1設定数「N」(Nは自然数)とすることができる。これに限定されるものではないが、例えば「5~10」程度の値、例えば「7(N=7)」としてもよい。
【0038】
次いで、フレームスコア判定部109は、計画者フレーム候補選択情報に基づいて、計画者のフレームスコアを判定し、記憶部のフレームスコアデータ193に記憶させる(F3)。
具体的には、フレーム候補選択情報に基づいて、例えば、計画者のユーザIDと関連付けて、選択されたフレーム候補についてはフレームスコアを「1」、選択されなかったフレーム候補についてはフレームスコアを「-1」として、フレームスコアデータ193に記憶させる。
【0039】
その後、計画者回答フレーム情報取得部103は、計画者回答フレーム情報を取得する(F5)。
この場合、例えば、あらかじめ情報処理装置1で設定したフレームの自由回答フォームを計画者に提示し、フレーム候補リストに存在しない、計画者の意に沿ったフレーム候補を計画者に自由に入力させるようにしてもよい。
【0040】
そして、計画者回答フレーム情報取得部103は、取得した回答フレーム情報に含まれる回答フレームを、記憶部のフレーム候補リストデータ191に追加して更新する(F7)。
【0041】
次いで、フレームスコア判定部109は、フレーム候補リストに追加されたフレーム候補について、計画者のフレームスコアを判定し、記憶部のフレームスコアデータ193に記憶させる(F9)。
具体的には、例えば、計画者のユーザIDと関連付けて、追加されたフレーム候補についてフレームスコアを「2」として、フレームスコアデータ193に記憶させる。
【0042】
次いで、情報処理装置1の制御部は、フレーム候補リストに含まれるフレーム候補数が第2設定数「M」(M>Nの自然数)に達したか否かを判定する(F11)。
なお、第2設定数「M」は任意に設定可能であるが、例えば、第1設定数「N」の2倍程度の値を設定するようにしてもよい。
【0043】
第2設定数に達したと判定したならば(F11:YES)、フレーム候補コミュニティ分割部1171が、フレーム候補コミュニティ分割処理を行う(F13)。
【0044】
フレーム候補コミュニティ分割処理では、フレーム候補リストに記憶されたフレーム候補を対象として、所定のコミュニティ分割の手法(アルゴリズム)に基づいて、フレーム候補を複数のコミュニティに分割する。
【0045】
その一例を説明する。
なお、ノードおよびエッジは、グラフ理論で用いられるものとしてよい。
便宜的に、対象のノードに対応するフレーム候補に賛同したユーザを「賛同ユーザ」と称し、賛同ユーザの数を「賛同ユーザ数」と称する。
ここで、賛同ユーザ数は、例えば、フレーム候補ごとに、少なくとも、そのフレーム候補を選択したユーザの数を合計した数として算出することができる。便宜的に、フレーム候補を選択したユーザを「選択ユーザ」と称し、選択ユーザの数を「選択ユーザ数」と称する。具体的には、フレームスコアデータ193に「1」が記憶されたユーザを選択ユーザとし、それを合計した数を選択ユーザ数として算出することができる。
なお、以下では、フレームスコアデータ193に「-1」が記憶されたユーザを「非選択ユーザ」と称し、その数を「非選択ユーザ数」と称する場合がある。
【0046】
ここで、前述したように、ユーザによってフレーム候補が追加される場合がある。フレーム候補を追加したユーザ(以下、「追加ユーザ」と称する。)は、そのフレーム候補に賛同していると考えることができる。このため、追加されたフレーム候補については、追加ユーザも賛同ユーザに含めて集計するようにしてもよい。具体的には、フレームスコアデータ193に「2」が記憶されたユーザを追加ユーザとし、これを賛同ユーザに含めて集計するようにしてもよい。
【0047】
その上で、例えば以下のようなフレームネットワークを構成する。
・フレーム候補リストデータ191に含まれる各々のフレーム候補をノードとする。
・同一のユーザ(回答者)が選択した複数のフレーム候補に対応するノードをエッジで結ぶ。
【0048】
また、各々のエッジの重みを算出し、エッジのリスト(エッジリスト)を生成する。例えば、エッジで結ばれる2つのノードの選択ユーザ数を算出し、そのエッジの重みとする。これは、フレームスコアデータ193においてフレームスコアに「1」が記憶されている欄を参照することで算出可能である。
また、上記のノードの値を算出し、ノードのリスト(ノードリスト)を生成する。例えば、ノードに対応するフレーム候補の賛同ユーザ数を算出し、そのノードの値とする。
【0049】
次いで、ノードリストと、エッジリストとを用いて、例えば、Girvan-Newmanのコミュニティ分割(コミュニティ検出)のアルゴリズム(Girvan-Newmanアルゴリズム)を用いて、フレーム候補リストのフレーム候補を第3設定数「L」(Lは自然数)のコミュニティに分割する。
第3設定数「L」は、フレーム候補の数よりも小さい任意の値を設定してよい。例えば、第1設定数「N」と同じ値を設定してもよい。
【0050】
なお、Girvan-Newmanアルゴリズムに限定されるものではなく、他のコミュニティ分割の手法を用いて同様の処理を行うようにしてもよい。
【0051】
そして、フレーム候補コミュニティ分割部1171は、その結果に基づいてフレーム候補リストデータ191を更新した後、フレーム候補コミュニティ分割処理を終了する。
【0052】
F11においてフレーム候補数が第2設定数に達していないと判定したならば(F11)、情報処理装置1は、F13のステップをスキップする。
【0053】
次いで、対象とする各々のステークホルダーについて、ループAの処理を行う(F15~F33)。なお、これは、ステークホルダーのユーザIDに対するループ処理としてもよい。
また、詳細は後述するが、本手法をクライアントサーバシステム等によって実現する場合、このループAの処理は、ステークホルダーの端末に対するループ処理としてもよい。
【0054】
ループAの処理では、ステークホルダー回答フレーム情報取得部107が、該ステークホルダーの受容性アンケート回答情報を取得する(F17)。
この場合、情報処理装置1は、計画者によって作成・編集されるなどした、複数の質問を含む受容性アンケートをステークホルダーに提示し、各々の質問に対する回答を行わせることができる。この場合、回答候補の中から回答を選択させるようにしてもよい。
【0055】
次いで、受容性スコア判定部115が、取得した受容性アンケート回答情報に基づいて、該ステークホルダーの受容性スコアを判定し、受容性スコアデータ197に記憶させる(F19)。
【0056】
ここで、受容性スコアは、例えば、質問に対する回答候補と関連付けられたスコアとして設定しておくことができる。例えば、質問に対する回答候補と、受容性スコアの値とは、以下のような対応関係として設定しておくようにすることができる。
・とてもそう思う:スコア「1」
・ややそう思う:スコア「2」
・どちらともいえない:スコア「3」
・あまりそう思わない:スコア「4」
・全くそう思わない:スコア「5」
【0057】
なお、これはあくまで一例に過ぎず、これに限定されるものではない。この他にも、例えば「分からない」という回答候補を設定してもよい。
【0058】
F19のステップでは、受容性アンケート回答情報に含まれる各々の質問に対する回答に基づき、各々の質問に対応する受容性スコアを、上記の対応関係から特定し、該ステークホルダーのステークホルダーIDと関連付けて受容性スコアデータ197に記憶させる。
【0059】
なお、受容性アンケートの質問は、上記のように計画者が自分で作成・編集するようにすることができ、計画者は受容性アンケートに回答しなくてよい。
このため、計画者については、例えば、各々の質問に対する受容性スコアを「0」として受容性スコアデータ197に記憶させるようにしてもよい。
【0060】
その後、ステークホルダーフレーム候補選択情報取得部105は、該ステークホルダーについて、ステークホルダーフレーム候補選択情報を取得する(F21)。
【0061】
次いで、フレームスコア判定部109は、取得したステークホルダーフレーム候補選択情報に基づいて、該ステークホルダーのフレームスコアを判定し、記憶部のフレームスコアデータ193に記憶させる(F23)。
具体的には、ステークホルダーフレーム候補選択情報に基づいて、例えば、該ステークホルダーのユーザIDと関連付けて、選択されたフレーム候補についてはフレームスコアを「1」、選択されなかったフレーム候補についてはフレームスコアを「-1」として、フレームスコアデータ193に記憶させる。
【0062】
その後、ステークホルダー回答フレーム情報取得部107は、該ステークホルダーについて、ステークホルダー回答フレーム情報を取得する(F25)。
【0063】
次いで、ステークホルダー回答フレーム情報取得部107は、取得したステークホルダー回答フレーム情報に含まれる回答フレームを、記憶部のフレーム候補リストデータ191に追加して更新する(F27)。
【0064】
その後、フレームスコア判定部109は、フレーム候補リストに追加されたフレーム候補について、該ステークホルダーのフレームスコアを判定し、記憶部のフレームスコアデータ193に記憶させる(AF29)。
具体的には、例えば、該ステークホルダーのユーザIDと関連付けて、追加されたフレーム候補についてフレームスコアを「2」として、フレームスコアデータ193に記憶させる。
【0065】
次いで、情報処理装置1は、フレーム候補リストに含まれるフレーム候補数が第2設定数に達したか否かを判定する(F31)。
第2設定数に達したと判定したならば(F31:YES)、フレーム候補コミュニティ分割部1171が、前述したコミュニティ分割処理を行う(F13)。
一方、第2設定数以上ではないと判定したならば(F31:NO)、情報処理装置1は、F13のステップをスキップする。
そして、情報処理装置1は、対象とする次のステークホルダーへと処理を移す。
【0066】
対象とする全てのステークホルダーについて上記の処理を行ったならば、情報処理装置1は、ループAの処理を終了する(F33)。
【0067】
次いで、フレームネットワーク生成部117が、フレームネットワークを生成するフレームネットワーク生成処理を行う(F35)。詳細は後述する。
【0068】
また、受容性ネットワーク生成部118が、フレームネットワークに基づいて、受容性ネットワークを生成する受容性ネットワーク生成処理を行う(F37)。詳細は後述する。
【0069】
情報処理装置1は、生成したネットワークを出力する。
そして、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0070】
なお、例えば、図2のF11,F13のステップと、図3のF31、F13のステップとを行わないようにしてもよい。
また、例えば、図2のF5~F13のステップを行わないようにしてもよい。つまり、計画者に関しては、回答フレーム情報の取得やフレームコミュニティ分割処理を行わず、ステークホルダーに関してのみ、回答フレーム情報の取得やフレームコミュニティ分割処理を行うようにしてもよい。
【0071】
また、図2のF1,F3のステップと、図2のF5~F9のステップとは、処理の順番を入れ替えてもよい。
また、図3のF17,F19のステップと、図3のF21,F23のステップと、図3のF25~F29のステップとは、処理の順番を入れ替えてもよい。
また、図3のF17,F19のステップと同様に、計画者からも受容性アンケート回答情報を取得して受容性スコアを判定・記憶するようにしてもよい。
【0072】
図4は、本実施形態におけるフレーム候補リストデータ191のデータ構成の一例を示す図である。
ここでは、一例として、情報処理装置1によって第1設定数として「3」(N=3)が設定された場合のデータを例示する。
また、一例として、情報処理装置1によって、計画者にはユーザIDとして「U001」が設定されており、ステークホルダーにはユーザIDとして「U002」、「U003」、「U004」、・・・、が設定されているものとする。
なお、実際には、フレーム候補としてより具体的な内容が記述されるが、原理説明のため、抽象的に記述したものを示す。
【0073】
フレーム候補リストには、例えば、フレーム候補IDと、フレーム内容、種別と、追加ユーザIDとが関連付けて記憶される。
フレーム候補IDは、フレーム候補をユニークに識別するための識別情報の一種であり、例えば、情報処理装置1によってユニークなIDが設定されて記憶される。
【0074】
フレーム内容は、このフレーム候補IDによって識別されるフレーム候補の具体的な内容である。
【0075】
種別は、このフレーム候補IDによって識別されるフレーム候補の種別であり、例えば、初期設定として設定されているものについては「初期」が、ユーザによって追加されたものについては「追加」が記憶される。
【0076】
追加ユーザIDには、種別が「追加」であるフレーム候補について、そのフレーム候補を追加したユーザのユーザIDが記憶される。また、種別が「初期」であるフレーム候補については「-(なし)」とされる。
【0077】
なお、種別と追加ユーザIDとは、必ずしもフレーム候補リストに記憶させなくてもよい。
【0078】
いくつか例を挙げて具体的に説明する。
フレーム候補ID「F001」~「F003」のフレーム候補は、種別が「初期」であるフレーム候補であり、例えば、フレーム候補ID「F001」のフレーム候補には、フレーム内容として「××したい」が記憶されている。また、種別が「初期」であるため、追加ユーザIDは「-」とされている。
【0079】
また、例えば、フレーム候補ID「F004」のフレーム候補は、種別が「追加」であるフレーム候補であり、そのフレーム内容として「**のはずだ」が記憶されている。また、追加ユーザIDとして「U001」が記憶されており、これは、例えば、図2のF5,F7のステップにおいて、計画者によって追加されたフレーム候補であることを意味している。
【0080】
また、例えば、フレーム候補ID「F007」のフレーム候補は、種別が「追加」であるフレーム候補であり、そのフレーム内容として「○○が重要だ」が記憶されている。また、追加ユーザIDとして「U003」が記憶されており、これは、例えば、図3のF25、F27のステップにおいて、ユーザIDが「U003」であるステークホルダーによって追加されたフレーム候補であることを意味している。
【0081】
このように、フレーム候補リストデータ191には、初期状態では第1設定数「N」のフレーム候補が記憶されており、その後、計画者やステークホルダーによって自由回答されたフレーム候補が追加されて更新されていく。
【0082】
なお、計画者またはステークホルダー、もしくはその両方は、必ずしもフレーム候補を自由回答する必要はなく、必要がなければ回答なしとすることができる。この場合、フレーム候補リストは更新されない。
【0083】
図5は、フレームスコアデータ193のデータ構成の一例を示す図である。
ここでは、図4に例示したフレーム候補リストに基づくフレームスコアを例示する。
フレームスコアデータ193には、例えば、ユーザIDと、フレーム候補IDとが関連付けて記憶され、各々のユーザIDについて、フレーム候補IDごと(そのフレーム候補IDによって識別されるフレーム候補ごと)のフレームスコアが記憶される。
【0084】
図5(1)には、ユーザIDとして計画者のユーザID「U001」が記憶され、フレーム候補IDごとのフレームスコアが記憶された状態が示されている。
この例では、フレーム候補ID「F001」については「1」が、フレーム候補ID「F002」については「1」が、フレーム候補ID「F003」については「-1」がそれぞれ記憶されている。
これは、例えば、図2のF1,F3のステップにおいて、情報処理装置1が取得した計画者フレーム候補選択情報に基づくスコアであり、この例では、計画者によって、フレーム候補ID「F001」、「F002」のフレーム候補は選択されたが、フレーム候補ID「F003」のフレーム候補は選択されなかったことを示している。
【0085】
図5(2)には、例えば、図2のF5~F9のステップにおいて、図5(1)に引き続いて、計画者によって自由回答によってフレーム候補が追加されてフレームスコアデータ193が更新された状態が示されている。
この例では、計画者によって追加された、フレーム候補ID「F004」、「F005」のフレーム候補のスコアとして「2」が記憶された状態が示されている。
【0086】
図5(3)には、図5(2)に引き続いて、ユーザID「U002」のステークホルダーのフレームスコアが記憶された状態が示されている。
この例では、該ステークホルダーについて、フレーム候補ID「F001」については「1」が、フレーム候補ID「F002」については「-1」が、フレーム候補ID「F003」については「1」が、フレーム候補ID「F004」については「1」が、フレーム候補ID「F005」については「1」がそれぞれ記憶されている。
これは、例えば、図2のF21,F23のステップにおいて、情報処理装置1が該ステークホルダーから取得したステークホルダーフレーム候補選択情報に基づくスコアであり、この例では、該ステークホルダーによって、フレーム候補ID「F002」以外のフレーム候補は選択されたが、フレーム候補ID「F002」のフレーム候補は選択されなかったことを示している。
【0087】
図5(4)には、例えば、図2のF25~F29のステップにおいて、図5(3)に引き続いて、該ステークホルダーによって自由回答によってフレーム候補が追加されてフレームスコアデータ193が更新された状態が示されている。
この例では、該ステークホルダーによって追加されたフレーム候補ID「F006」のフレーム候補のスコアとして「2」が記憶された状態が示されている。
なお、この例では、ユーザID「U002」のステークホルダーは、計画者よりも後にフレーム候補と追加しているため、計画者(ユーザID「U001」)のフレーム候補ID「F006」の欄は空欄とされている。
【0088】
以下、同様にして、他のステークホルダーについても、同様にフレームスコアデータ193が更新されていく。
【0089】
図6は、受容性アンケートデータ195のデータ構成の一例を示す図である。
受容性アンケートデータ195には、例えば、質問IDと、質問内容とが関連付けて記憶されている。実際には、質問としてより具体的な内容が記述されるが、原理説明のため、抽象的に記述したものを示している。
ここでは、例えばステークホルダーに対するアンケートの質問として、4つの質問が、例えば計画者によって設定されたものとする。
【0090】
なお、アンケートの質問は、ステークホルダーによって設定されるようにしてもよいし、計画者とステークホルダーとによって設定されるようにしてもよい。
例えば、一人のユーザによって受容性アンケートが設定された場合、そのユーザのユーザIDが受容性アンケートデータ195に関連付けられるようにしてもよい。
また、例えば、複数のユーザによって個別に質問が設定された場合、質問IDと関連付けて、その質問を設定したユーザのユーザIDが記憶されるようにしてもよい。
【0091】
質問IDは、アンケート(質問)をユニークに識別するための識別情報の一種であり、例えば、情報処理装置1によってユニークなIDが設定されて記憶される。
質問内容は、この質問IDによって識別されるアンケート(質問)の具体的な内容であり、計画者の入力に基づき、計画者端末から情報処理装置1に送信されて記憶される。
【0092】
具体例を挙げて説明する。
質問ID「Q001」は、質問内容が「[・・・計画]に賛成である」とする質問のアンケートとして記憶されている。
【0093】
質問ID「Q002」は、質問内容が「私は「・・・計画」についてよく知っている」とする質問のアンケートとして記憶されている。
【0094】
質問ID「Q003」は、「[・・・計画]には非常に満足している」とする質問のアンケートとして記憶されている。
【0095】
質問ID「Q004」は、「私は[・・・計画の計画者]を信頼している」とする質問のアンケートとして記憶されている。
【0096】
なお、「・・・計画」として図示しているが、ここには、計画者が実際に立案・提案する計画名が入力されるようにすることができる。
また、「計画」に限らず、この計画に関する技術「・・・技術」等が入力されるようにしてもよい。
【0097】
また、これらの各々のアンケート(質問)に対して、各々のステークホルダーは、例えば、前述した5段階評価によって回答をすることができる。
・とてもそう思う:1
・ややそう思う:2
・どちらともいえない:3
・あまりそう思わない:4
・全くそう思わない:5
【0098】
この場合、例えば、ステークホルダーに、上記の質問の内容とともに上記の5段階評価の回答候補を提示し、1つの回答候補を選択させることによって、各々の質問に対する回答を得るようにしてもよい。
【0099】
図7は、受容性スコアデータ197のデータ構成の一例を示す図である。
受容性スコアデータ197には、例えば、ユーザIDと、質問IDとが関連付けて記憶され、各々のユーザIDについて、質問IDごと(その質問IDによって識別される質問ごと)の受容性スコアが記憶される。
この例では、上記の回答候補に関連付けられた数字のうち、ユーザによって選択(回答)された数字が、そのまま受容性スコアとして記憶されるものとして説明する。
【0100】
図7(1)には、ユーザIDとして計画者のユーザID「U001」が記憶され、質問IDごとの受容性スコアが記憶された状態が示されている。
この例では、質問ID「Q001」~「Q004」の各々について、受容性スコアとして「0」が記憶されている。
計画者が受容性アンケートに回答する必要がないため、この例では、計画者の受容性スコアは「0」としている。
なお、計画者も受容性アンケートに回答するようにしてもよい。
【0101】
図7(2)には、ユーザIDが「U002」であるステークホルダーについて、受容性アンケートに対する回答に基づいて、受容性スコアが記憶された状態が示されている。
この例では、質問ID「Q001」については「5」が記憶され、質問ID「Q002」については「3」が記憶され、質問ID「Q003」については「4」が記憶され、質問ID「Q004」については「4」が記憶された状態が示されている。
これは、該ステークホルダーは、図6の質問ID「Q001」の質問に対しては「全くそう思わない」と回答し、図6の質問ID「Q002」の質問に対しては「どちらとも言えない」と回答し、図6の質問ID「Q003」の質問に対しては「あまりそう思わない」と回答し、図6の質問ID「Q004」の質問に対しては「あまりそう思わない」と回答したことを示している。
【0102】
以下、図7(3)を含め、同様にして、他のステークホルダーについても、同様に受容性スコアデータ197が更新されていく。
【0103】
図8は、本実施形態におけるフレームネットワークグラフ(フレームネットワークの可視化グラフ)の一例を示す図である。
この例では、簡単のため、図4に示した7つのフレーム候補を3つのコミュニティに分けた場合のフレームネットワークグラフを二次元で表したものを例示する。
また、このフレームネットワークグラフでは、同じコミュニティに属するフレーム候補に対応するノードを濃淡の色分けで示している。
【0104】
フレームネットワークは、前述した、フレーム候補に対応するノード(&ノードの値)と、ノードを接続するエッジ(&エッジの重み)とで構成される。
このフレームネットワークを可視化するために、二次元平面または三次元空間に、以下説明する大きさのノードと、以下説明する太さのエッジとを描画する。
各々のノードは、例えば、任意の位置関係で配置するようにしてもよい。また、ノードとするフレーム候補は、最終的なフレーム候補リストデータ191に含まれるフレーム候補(初期設定のフレーム候補+各々のユーザによって追加されたフレーム候補)としてもよいし、初期設定のフレーム候補としてもよい。
なお、ユーザにとって見易いネットワークグラフとなるように、グラフ描画プログラム(グラフ描画ソフトやグラフ描画ライブラリ)を用いて描画してもよい。
【0105】
各々のノードの大きさを、例えば、前述したノードリストのノードの値に基づいて算出する。例えば、ノードの値が大きいほどノードの大きさが大きくなるように算出する。具体的には、例えば、あらかじめ情報処理装置1によって設定され、賛同ユーザ数を変数とし、賛同ユーザ数と正の相関を有する関数に基づいて、各々のノードの大きさを算出する。
各々のエッジの太さを、例えば、前述したエッジリストの重みに基づいて算出する。例えば、重みが大きいほどエッジの太さが太くなるように算出する。これも同様に、例えば、あらかじめ情報処理装置1によって設定された関数等に基づいて、各々のエッジの太さを算出してもよい。
そして、算出した大きさでノードを描画し、算出した太さでエッジを描画する。
【0106】
なお、例えば、重みが、設定された閾値以下(または閾値未満)であるエッジについては、描画しないようにするなどしてもよい。
【0107】
図8の例では、フレーム候補「**のはずだ」に対応するノードと、フレーム候補「○○したい」に対応するノードとが、他のノードと比べて大きく描画されている。これは、これらに対応するノードは賛同ユーザ数が特に多かったことを意味している。
また、この例では、フレーム候補「**のはずだ」に対応するノードと、フレーム候補「○○したい」に対応するノードとを結ぶエッジの線が、他のエッジよりも太く描画されている。これは、フレーム候補「**のはずだ」とフレーム候補「○○したい」の両方を選択した選択ユーザ数が特に多かったことを示している。
【0108】
また、この例では、フレーム候補「**のはずだ」と、フレーム候補「**がより良い」と、フレーム候補「○○が重要だ」と、フレーム候補「△△すべきだ」とが、前述したフレーム候補コミュニティ分割処理によって同じコミュニティ(コミュニティ1)に含まれている。
同様に、この例では、フレーム候補「○○したい」と、フレーム候補「□□が重要だ」とが同じコミュニティ(コミュニティ2)に含まれている。
また、この例では、フレーム候補「××したい」は、1つのコミュニティ(コミュニティ3)を形成している。
【0109】
図9図10は、本実施形態における受容性ネットワークグラフ(受容性ネットワークの可視化グラフ)の一例を示す図である。
受容性ネットワークは、例えば、フレームネットワークと、受容性スコアデータ197とに基づいて生成される。ここでは、図8に示したフレームネットワークグラフに対応するフレームネットワークに基づき、図8に示したフレームネットワークグラフと同じ形状の受容性ネットワークグラフを生成する場合を例示する。
【0110】
受容性ネットワークは、例えば、受容性アンケートの各々の質問ごとに生成することができる。また、受容性ネットワークは、例えば、対象の質問について、以下のいずれかと、フレーム候補との関係性(関連性)を示すネットワークとして生成することができる。
(A)フレーム候補を選択したユーザの受容性スコアの平均
(B)フレーム候補を選択しなかったユーザの受容性スコアの平均
【0111】
(A)では、対象の質問について、各々のフレーム候補を対象として、例えば以下の処理を行うようにすることができる。
・そのフレーム候補について、フレームスコアに基づいて、そのフレーム候補の賛同ユーザ(フレームスコアが「1」または「2」のユーザ)を判定する。
・そのフレーム候補について、受容性スコアデータ197に基づいて、判定した賛同ユーザの各々の受容性スコアを判定する。
・そのフレーム候補について、判定した受容性スコアの平均を算出する。
・そのフレーム候補について、算出した平均がどの評価に最も近いかを判定する。
なお、賛同ユーザ数は選択ユーザ数としてもよい。
【0112】
(B)では、対象の質問について、各々のフレーム候補を対象として、例えば以下の処理を行うようにすることができる。
・そのフレーム候補について、フレームスコアに基づいて、そのフレーム候補の非選択ユーザ(フレームスコアが「-1」のユーザ)を判定する。
・そのフレーム候補について、受容性スコアデータ197に基づいて、判定した非選択ユーザの各々の受容性スコアを判定する。
・そのフレーム候補について、判定した受容性スコアの平均を算出する。
・そのフレーム候補について、算出した平均がどの評価に最も近いかを判定する。
【0113】
なお、これはあくまでも一例に過ぎず、上記以外にも、各々の質問ごとに、任意の統計量(例えば代表値:平均値、中央値、最頻値、最小値、最大値等)や受容性スコア別の受容性ネットワークを生成するようにしてもよい。
【0114】
図9には、例えば、図6の受容性アンケートの質問ID「Q001」の質問について、上記(A)と、フレーム候補との関係性を示す受容性ネットワークグラフの一例を示している。
この図では、図6に示した5段階評価の回答候補に基づき、フレームネットワークを構成する各々のノードに対応するフレーム候補を選択しなかったユーザの受容性スコアの平均が5段階評価のどの評価に最も近いかを、各々のノードに5段階評価に関連付けられたハッチングを施すことによって示している。
なお、便宜的にハッチングとしているが、実際にはノードを色分けして描画してもよい。
【0115】
図9によれば、例えば、フレーム候補「○○したい」を選択したユーザは、この質問に対して「とてもそう思う」と多く回答した傾向があることがわかる。
また、例えば、フレーム候補「**のはずだ」を選択したユーザは、この質問に対して「どちらとも言えない」と多く回答した傾向があることがわかる。
【0116】
図10には、例えば、図6の受容性アンケートの質問ID「Q001」の質問について、上記(B)と、フレーム候補との関係性を示す受容性ネットワークに基づく受容性ネットワークグラフの一例を示している。図の見方は図9と同様である。
図10によれば、例えば、フレーム候補「○○したい」を選択しなかったユーザは、この質問に対して「あまりそう思わない」と多く回答した傾向があることがわかる。
また、例えば、フレーム候補「**のはずだ」を選択しなかったユーザは、この質問に対して「全くそう思わない」と多く回答した傾向があることがわかる。
【0117】
このように、受容性ネットワークグラフを見ることで、ユーザは、各々の質問に対して、例えば、
・どのようなフレームを持つ人が質問に対して肯定的な回答をする傾向があるのか(逆に言えば、質問に対して肯定的な回答をした人はどのようなフレームを持つ傾向があるのか)
・どのようなフレームを持つ人が否定的な回答をする傾向があるのか(逆に言えば、質問に対して否定的な回答をした人はどのようなフレームを持つ傾向があるのか)
等の傾向を把握可能となる。
【0118】
ここで、上記のような傾向は分かるものの、受容性ネットワークグラフを見ただけでは、どのようなフレーム候補のコミュニティが形成されているかをユーザが把握することが難しい場合があり得る。
この場合、フレームネットワークグラフを参照することで、どのようなフレーム候補のコミュニティが形成されているかをユーザが把握可能となる。
例えば、図9図10に示した受容性ネットワークグラフに対応する図8のフレームネットワークグラフを表示させれば、そのノードの色分けによって、どのフレーム候補が同じコミュニティに属しているかをユーザが把握可能となる。
【0119】
なお、ここでは受容性アンケートの質問ID「Q001」の質問に関する受容性ネットワークグラフを示したが、受容性アンケートの他の質問についても、同様に受容性ネットワークグラフを生成するようにすることができる。
【0120】
また、受容性ネットワークグラフは、必ずしもフレームネットワークグラフと同じ形状として生成しなければならないわけではなく、フレームネットワークグラフとは異なる形状として生成するようにしてもよい。
【0121】
<フレーム候補のラベリング>
図2図3に示したフレーム候補コミュニティ分割処理(F13のステップ)において、例えば、同じコミュニティに属するフレーム候補の中から代表フレーム候補を決定し、同じコミュニティに属するフレーム候補を代表フレーム候補でラベリングするようにしてもよい。
抽出されたコミュニティに1つのフレーム候補しか含まれない場合もあり得るが、この場合は、そのフレーム候補を代表フレーム候補としてもよい。
【0122】
例えば、図8に示したフレームネットワークグラフにおける、フレーム候補「**のはずだ」と、フレーム候補「**がより良い」と、フレーム候補「△△すべきだ」と、フレーム候補「○○が重要だ」とを含むコミュニティにおける、各々のフレーム候補を選択した選択ユーザの割合を計算した結果、フレーム候補「**のはずだ」を選択した選択ユーザの割合が「55%」であり、フレーム候補「△△すべきだ」を選択した選択ユーザの割合が「20%」であり、フレーム候補「**がより良い」を選択した選択ユーザの割合が「15%」であり、フレーム候補「○○が重要だ」を選択した選択ユーザの割合が「10%」であったとする。
【0123】
この場合、選択ユーザの割合を頻度分布とし、例えば「0」~「1」の数値範囲で乱数を発生させ、発生させた乱数値によって代表フレーム候補を決定するようにすることができる。
この例では、フレーム候補「**のはずだ」を選択した選択ユーザの割合が「55%」で最も高いため、確率的に、フレーム候補「**のはずだ」が代表フレーム候補として最も選ばれやすくなる。仮に、フレーム候補「**のはずだ」が選ばれた場合、このコミュニティはフレーム候補「**のはずだ」によってラベリングされる。
なお、別のフレーム候補が選ばれた場合は、そのフレーム候補によってラベリングされる。
【0124】
図11は、この場合におけるフレーム候補リストデータ191の一例であるフレーム候補リストデータ191Aのデータ構成の一例を示す図である。
このフレーム候補リストデータ191Aでは、例えば、ラベルを識別するためのIDであるラベルIDと、このラベルのラベル名と、代表フレーム候補に対応するフレーム候補IDである代表フレーム候補IDと、同じコミュニティに属するフレーム候補のIDであるフレーム候補IDと、フレーム内容と、種別と、追加ユーザIDとが関連付けて記憶される。
図4に示したフレーム候補リストデータ191と異なるのは、同じコミュニティに属するフレーム候補が代表フレーム候補によってラベリングされている点である。
【0125】
このように確率的に代表フレーム候補を決定するのは、多くのユーザによって選択されたフレーム候補が代表フレーム候補に選ばれ易くなるようにしつつも、少ないながらもユーザによって選択されたフレーム候補がある以上、ユーザの意思を尊重し、そのようなフレーム候補も代表フレーム候補に選択され得る余地を残すためである。
また、ユーザによって最も多く選択されたフレーム候補が必ずしも最適(妥当)なフレーム候補であるとも限らず、例えばフレーム候補の数が増加していくにつれて誤った方向にネットワークが生成されてしまう可能性もあり得るため、それを防止する意味合いもある。
【0126】
なお、確率的に代表フレーム候補を決定するのは必須ではなく、例えば、ユーザによって最も多く選択されたフレーム候補を代表フレーム候補に決定するようにしてもよい。
【0127】
上記のようにしてラベリングを行ったならば、フレームネットワークと受容性ネットワークとのうちの少なくともいずれか一方において、例えば、代表フレーム候補に対応するノードおよびそれらを結ぶエッジのみを描画するようにすることができる。
また、この場合、例えば、代表フレーム候補に対応するノードに、そのラベル名を関連付けて描画するようにすることができる。
【0128】
図12は、この場合におけるフレームネットワークグラフの一例であり、図8に示したフレームネットワークグラフに対応するものを示している。
点線で示すノードおよびエッジは描画されないが、ここでは分かり易いように示している。
【0129】
このフレームネットワークグラフでは、同じコミュニティに属するフレーム候補がラベリングされ、3つの代表フレーム候補によって代表されたものが示されている。具体的には、3つの代表フレーム候補に対応するノードと、それらを結ぶエッジとで構成されるフレームネットワークの可視化グラフが示されている。より具体的には、代表フレーム候補「**のはずだ」に対応するノードと、代表フレーム候補「○○したい」に対応するノードと、代表フレーム候補「××したい」に対応するノードと、これらを結ぶエッジとが描画されている。
【0130】
また、この例では、同じコミュニティに属するフレーム候補に対応するノードの二次元平面における配置位置に基づき、これらのノードのおよそ中心位置(重心位置としてもよい。)に、代表フレーム候補に対応するノードが描画されている。
【0131】
ただし、これに限定されるものではなく、代表フレーム候補を元の位置に描画するようにしてもよい。
【0132】
図13は、この場合における受容性ネットワークグラフの一例であり、図10に示した受容性ネットワークグラフに対応するものを示している。
この受容性ネットワークグラフでは、図12と同様に、同じコミュニティに属するフレーム候補がラベリングされ、3つの代表フレーム候補に対応するノードと、それらを結ぶエッジとで構成される受容性ネットワークの可視化グラフが示されている。
なお、図9に示した受容性ネットワークグラフについても同様とすることができる。
【0133】
<具体的な構成>
上記原理で説明した内容を実現する具体的な構成として、例えば、以下のうちのいずれかを適用してよい。
(1)スタンドアローン
(2)クライアントサーバシステム
【0134】
(1)スタンドアローンでは、例えば、情報処理装置1を、計画者による計画の説明会の会場等に設置されるパソコンや管理コンピュータとすることができる。
そして、例えば、計画者が、情報処理装置1の操作部を介して上記の各種の情報を入力し、情報処理装置1は、入力された情報を受け付けることによって取得する。
また、例えば、来場した複数のステークホルダーが、順番に、情報処理装置1の操作部を介して上記の各種の情報を入力し、情報処理装置1は、入力された情報を受け付けることによって取得する。
そして、情報処理装置1は、上記の処理を行って、フレームネットワークグラフや受容性ネットワークグラフを、情報処理装置1の表示部に表示させるようにしてもよい。
この場合、計画者やステークホルダーは、その場で情報処理装置1の表示部に表示されたネットワークグラフを見ながら対話をすることができる。
【0135】
なお、本構成において、例えば、後述するネットワークグラフ表示用情報が、情報処理装置1から、計画者が所有する端末や、ステークホルダーが所有する端末に送信されるようにしてもよい。
【0136】
(2)クライアントサーバシステムでは、例えば、情報処理装置1をサーバとし、計画者が所有する端末やステークホルダーが所有する端末と通信することで、上記内容を実現するシステムを構成することができる。
【0137】
図14は、(2)クライアントサーバシステムを適用する場合のシステム構成の一例を示す図である。
このシステムは、例えば、サーバ10と、計画者の端末である計画者端末21と、ステークホルダーの端末であるステークホルダー端末23とを備える。
ただし、図14ではステークホルダー端末23を1つとして図示しているが、ステークホルダー端末23は、各々のステークホルダーが所有する複数のステークホルダー端末23とすることができる。
【0138】
なお、計画者端末21とステークホルダー端末23とは、同種の端末としてもよいし、異種の端末としてもよい。また、各々のステークホルダー端末23は、同種の端末としてもよいし、異種の端末としてもよい。
【0139】
また、本発明を実現するためのシステム構成は、図14に示すシステムに限定されるものではない。
また、図14に示すシステムのうち、全ての構成要件を設けることは必須ではなく、一部の構成要件を設けないよいにしてもよい。また、図14に示すシステムに、他の構成要件を追加するようにしてもよい。
【0140】
計画者端末21やステークホルダー端末23の構成については、後述する端末20の構成を適用可能であるため、ここでは図示・説明を省略する。
【0141】
サーバ10は、例えば、計画者フレーム候補選択情報受信部101Aと、計画者回答フレーム情報受信部103Aと、フレーム候補リスト情報送信部104と、ステークホルダーフレーム候補選択情報受信部105Aと、ステークホルダー回答フレーム情報受信部107Aと、フレームスコア判定部109と、受容性アンケート情報受信部111Aと、受容性アンケート情報送信部112と、受容性アンケート回答情報受信部113Aと、受容性スコア判定部115と、フレームネットワーク生成部117と、受容性ネットワーク生成部118と、ネットワークグラフ表示用情報送信部119とを機能部として有する。
なお、フレームスコア判定部109、受容性スコア判定部115、フレームネットワーク生成部117、受容性ネットワーク生成部118については、前述した通りであるため、再度の説明を省略する。
【0142】
また、分かり易いように、送信部や受信部を機能的に分けて記載しているが、これらは、サーバ10が備える1つの通信部(通信装置)として構成してよい。
また、各種の演算や制御を行う機能部は、例えば、サーバ10が備える制御部(制御装置)や処理部(処理装置))によって実現することができる。
【0143】
計画者フレーム候補選択情報受信部101Aは、制御部の制御に従って、計画者端末21から送信された計画者フレーム候補選択情報を受信する。
計画者フレーム候補選択情報受信部101Aは、図1の計画者フレーム候補選択情報取得部101の一種としてよい。
【0144】
なお、これに先だって、初期設定のフレーム候補リストデータ191を、計画者端末21に送信するようにしてもよい。
また、初期設定のフレーム候補リストデータ191は、計画者端末21で取得済みとしてもよい。
【0145】
計画者回答フレーム情報受信部103Aは、制御部の制御に従って、計画者端末21から送信された計画者回答フレーム情報を受信する。受信された計画者回答フレーム情報に含まれる回答フレームは、制御部によって、フレーム候補リストデータ191に記憶される。
計画者回答フレーム情報受信部103Aは、図1の計画者回答フレーム情報取得部103の一種としてよい。
【0146】
フレーム候補リスト情報送信部104は、制御部の制御に従って、記憶部に記憶された最新のフレーム候補リストデータ191を読み込みと、読み込んだデータを含むフレーム候補リスト情報をステークホルダー端末23に送信する。
【0147】
ステークホルダーフレーム候補選択情報受信部105Aは、制御部の制御に従って、フレーム候補リスト情報送信部104によるフレーム候補リスト情報の送信に基づき、ステークホルダー端末23から送信されたステークホルダーフレーム候補選択情報を受信する。
ステークホルダーフレーム候補選択情報受信部105Aは、図1のステークホルダーフレーム候補選択情報取得部105の一種としてよい。
【0148】
ステークホルダー回答フレーム情報受信部107Aは、制御部の制御に従って、ステークホルダー端末23から送信されたステークホルダー回答フレーム情報を受信する。受信された計画者回答フレーム情報に含まれる回答フレームは、制御部によって、フレーム候補リストデータ191に記憶される。
ステークホルダー回答フレーム情報受信部107Aは、図1のステークホルダー回答フレーム情報取得部107の一種としてよい。
【0149】
受容性アンケート情報受信部111Aは、制御部の制御に従って、計画者端末21から送信された受容性アンケート情報を受信する。受信された受容性アンケート情報に含まれる受容性アンケートは、記憶部の受容性アンケートデータ195に記憶される。
受容性アンケート情報受信部111Aは、図1の受容性アンケート情報取得部111の一種としてよい。
【0150】
受容性アンケート情報送信部112は、制御部の制御に従って、受容性アンケートデータ195に記憶された受容性アンケートを含む受容性アンケート情報をステークホルダー端末23に送信する。
【0151】
受容性アンケート回答情報受信部113Aは、制御部の制御に従って、ステークホルダー端末23から送信された受容性アンケート回答情報を受信する。
受容性アンケート回答情報受信部113Aは、図1の受容性アンケート回答情報取得部113の一種としてよい。
【0152】
ネットワークグラフ表示用情報送信部119は、制御部の制御に従って、例えば、ネットワークグラフの表示用の情報であるネットワークグラフ表示用情報を、計画者端末21やステークホルダー端末23に送信する。
この場合、ネットワークグラフ表示用情報送信部119は、例えば、少なくとも受容性ネットワークグラフの表示用情報を送信するようにすることができる。
なお、フレームネットワークグラフの表示用情報も送信するようにしてもよい。
【0153】
また、ネットワークグラフ表示用情報には、ネットワークの情報を含めてもよいし、ネットワークグラフ(可視化グラフ)の情報を含めてもよい。
また、ネットワークを可視化したり描画するために必要な情報を含めてもよい。
【0154】
計画者端末21は、制御部の制御に従って、操作部等の入力部を介して計画者によって選択されたフレーム候補に基づく計画者フレーム候補選択情報をサーバ10に送信する。
また、計画者端末21は、入力部を介して計画者によって入力されたフレームの自由回答に基づく計画者回答フレーム情報を通信部によってサーバ10に送信する。
また、計画者端末21は、入力部を介して計画者によって入力された受容性アンケートの質問に基づく受容性アンケート情報を通信部によってサーバ10に送信する。
【0155】
ステークホルダー端末23は、サーバ10のフレーム候補リスト送信部によって送信されたフレーム候補リスト(フレーム候補リストデータ191)を、通信部によって受信する。
また、ステークホルダー端末23は、入力部を介してステークホルダーによって選択されたフレーム候補に基づくステークホルダーフレーム候補選択情報を、通信部によってサーバ10に送信する。
また、ステークホルダー端末23は、入力部を介してステークホルダーによって入力されたフレームに基づくステークホルダー回答フレーム情報を、通信部によってサーバ10に送信する。
また、ステークホルダー端末23は、サーバ10の受容性アンケート情報送信部112によって送信された受容性アンケート情報を受信する。
また、ステークホルダー端末23は、入力部を介してステークホルダーによって入力された受容性アンケートの回答に基づく受容性アンケート回答情報を、通信部によってサーバ10に送信する。
【0156】
計画者端末21やステークホルダー端末23は、サーバ10のネットワークグラフ表示用情報送信部119から送信されて受信したネットワークグラフ表示用情報に基づいて、ネットワークグラフを表示部に表示させる。
【0157】
本システムにおける処理は、例えば、図2図3に示した情報処理装置1の処理をサーバ10の処理とし、サーバ10が、各種の情報を計画者端末21との間で通信部によって送受信し、各種の情報をステークホルダー端末23との間で通信部によって送受信することで実現可能である。
また、計画者端末21は、サーバ10との間で、各種の情報を通信部によって送受信し、ステークホルダー端末23は、サーバ10との間で、各種の情報を通信部によって送受信することで実現可能である。
【0158】
なお、例えば、サーバ10が、計画者やステークホルダーのメールアドレスを取得しておき、サーバ10と、計画者端末21やステークホルダー端末23との間でメールの送受信を行うことによって上記を実現してもよい。
【0159】
<用途>
上記のネットワークグラフは、例えば、計画者とステークホルダーとの間の合意形成を支援するために用いることができる。
【0160】
計画者は、例えば受容性ネットワークグラフを見ることで、自分の意見に対してどれだけのステークホルダーが違う意見を持っているのか、計画に賛成/反対しているステークホルダーはどのようなことを気にしているのかといったことを分析することが可能となる。そして、この分析に基づき、計画者は、自身の計画を見直したり、自分のフレーム(価値観等)を改めるといったことが可能となる。
また、ステークホルダーも、例えば受容性ネットワークグラフを見ることで、自分以外のステークホルダーがどのような意見を持っているのか、計画に賛成/反対している自分以外のステークホルダーはどのようなことを気にしているのかといったことを分析することが可能となる。
【0161】
[実施形態の効果]
本実施形態において、情報処理装置1は、フレーム候補(人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく選択肢の一例)であって、複数のフレーム候補のうち、計画者フレーム候補選択情報(計画をする計画者による選択肢の選択に関する第1情報の一例)を取得する制御を、制御部によって行う。また、情報処理装置1は、複数のフレーム候補のうち、複数のステークホルダー(計画に利害関係を有する利害関係者の一例)のステークホルダーフレーム候補選択情報(複数の利害関係者による選択肢の選択に関する第2情報の一例)を取得する制御を、制御部によって行う。また、情報処理装置1は、計画への受容性アンケートに対する複数のステークホルダーの受容性アンケート回答情報(計画への受容性に関する質問に対する複数の利害関係者の回答に関する第3情報の一例)を取得する制御を、制御部によって行う。そして、情報処理装置1は、取得したこれらの情報に基づいて、受容性ネットワーク(質問に対する回答と、複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークの一例、「ネットワーク=グラフ」と捉えてもよい。)を生成する生成処理を制御部によって行う。
これにより、人間の価値観、倫理観、問題意識、好み、感じ方のうちの少なくともいずれか1つに基づく複数の選択肢のうち、計画をする計画者によって選択された選択肢と、計画に利害関係を有する複数の利害関係者によって選択された選択肢とが考慮された、計画への受容性に関する質問に対する複数の利害関係者の回答と、複数の選択肢の選択との関係性を示すネットワークを生成することができる。このようにして生成されるネットワークによって、計画者と、計画者による計画に関する利害関係者との間の合意形成を適切に支援することができる。
【0162】
また、本実施形態において、上記の受容性ネットワークは、前述したような、複数のフレーム候補の選択とステークホルダーによる質問に対する回答の傾向との関係性を示すネットワーク、または、複数のフレーム候補の非選択とステークホルダーによる質問に対する回答の傾向との関係性を示すネットワークとして、情報処理装置1の制御部によって生成される。
これにより、複数の選択肢の選択と利害関係者による質問に対する回答の傾向との関係性や、複数の選択肢の非選択と利害関係者による質問に対する回答の傾向との関係性を、ユーザが把握できるようにすることができる。
【0163】
また、本実施形態において、上記の生成処理は、フレームネットワーク(第1ネットワークの一例)と、受容性アンケート回答情報とに基づいて、ノードとエッジとで構成される受容性ネットワーク(ネットワークの一例)を生成する処理を含む。
これにより、取得した第1情報と第2情報とに基づく複数の選択肢の各々に対応するノードおよびノード間を結ぶエッジで構成される第1ネットワークと、取得した第3情報とに基づいて、ノードとエッジとで構成されるネットワークを生成することができる。
【0164】
また、本実施形態において、受容性ネットワークは、受容性ネットワークのノードに、対応するフレーム候補が関連付けて表示されるネットワークとして制御部によって生成される。
これにより、表示されるネットワークを見れば、選択肢とノードとの対応関係を容易に把握可能となる。
【0165】
また、本実施形態において、受容性ネットワークは、受容性ネットワークのノードが、対応するフレーム候補を選択したステークホルダーによる受容性アンケートの質問に対する回答の傾向を識別可能な態様で表示されるネットワークとして制御部によって生成される。
これにより、表示されるネットワークを見れば、フレーム候補を選択した利害関係者による質問に対する回答の傾向を容易に把握可能となる。
【0166】
また、本実施形態において、受容性ネットワークは、受容性ネットワークのノードが、対応するフレーム候補を選択しなかったステークホルダーによる受容性アンケートの質問に対する回答の傾向が識別可能な態様で表示されるネットワークとして制御部によって生成される。
これにより、表示されるネットワークを見れば、フレーム候補を選択しなかった利害関係者による質問に対する回答の傾向を容易に把握可能となる。
【0167】
また、本実施形態において、生成処理は、計画者フレーム候補選択情報とステークホルダーフレーム候補選択情報とに基づき、ノードに対応するフレーム候補が選択された数に基づいてノードの値を算出する処理を含み、受容性ネットワークのノードは、算出された値に基づく態様で表示される。
これにより、表示されるネットワークを見れば、どのノードに対応する選択肢が選択された数が多いか/少ないかを容易に把握可能となる。
【0168】
また、本実施形態において、生成処理は、計画者フレーム候補選択情報とステークホルダーフレーム候補選択情報とに基づき、エッジが結ぶ両端のノードに対応するフレーム候補が選択された数に基づいてエッジの重みを算出する処理を含み、受容性ネットワークのエッジは、算出された重みに基づく態様で表示される。
これにより、表示されるネットワークを見れば、どのエッジの両端のノードに対応する選択肢が選択された数が多いか/少ないかを容易に把握可能となる。
【0169】
また、本実施形態は、情報処理装置1は、少なくともステークホルダーの入力に基づくフレーム候補を取得する制御を制御部によって行い、取得されたフレーム候補をフレーム候補リストに追加する処理を制御部によって行う。そして、情報処理装置1は、取得されたフレーム候補を含むフレーム候補リストに含まれるフレーム候補の数が設定数に達した場合に、フレーム候補コミュニティ分割処理を制御部によって行う。
これにより、少なくとも利害関係者の入力に基づく選択肢を取得した上で複数の選択肢に追加し、これらを対象として処理を行うことができる。また、複数の選択肢の数が設定数に達した場合に、複数の選択肢を複数のコミュニティに分割することができる。
なお、少なくとも利害関係者の入力に基づく選択肢を取得して追加すればよいが、計画者の入力に基づく選択肢を取得して追加するようにしてもよい。
【0170】
また、本実施形態は、情報処理装置1は、上記のコミュニティに属するフレーム候補から代表フレーム候補を決定する決定処理を行う。そして、上記のコミュニティに属するフレーム候補を、決定した代表フレーム候補でラベリングするラベリング処理を行う。
これにより、コミュニティに属する選択肢を代表選択肢に基づいてラベリングすることができる。例えば、コミュニティごとに選択肢を代表選択肢に基づいてラベリングし、その結果に基づいてネットワークの表示を簡略化するといったことが可能となり、選択肢の数が膨大であるような場合であっても、見易いネットワークを提供可能となる。
【0171】
また、本実施形態は、情報処理装置1は、ラベリング処理の結果が反映されたネットワークを生成する。
これにより、ラベリング処理の結果が反映されたネットワークを生成することが可能となる。例えば、ラベリング処理の結果に基づいてネットワークの表示を簡略化するといったことが可能となり、選択肢の数が膨大であるような場合であっても、見易いネットワークを提供可能となる。
【0172】
また、本実施形態は、情報処理装置1は、計画者端末21およびステークホルダー端末23と通信するサーバ10であり、計画者フレーム候補選択情報を取得する制御は、計画者端末21から計画者フレーム候補選択情報を受信する制御を含み、ステークホルダーフレーム候補選択情報を取得する制御は、ステークホルダー端末23からステークホルダーフレーム候補選択情報を受信する制御を含み、受容性アンケート回答情報を取得する制御は、ステークホルダー端末23から受容性アンケート回答情報を受信する制御を含む。
これにより、第1端末から第1情報を受信することによって取得し、第2端末から第2情報を受信することによって取得し、第2端末から第3情報を受信することによって取得することができ、本発明をクライアントサーバシステム等に適用可能となる。
【0173】
<実施形態の変形例>
(1)上記の実施形態において、フレーム候補リストデータ191のフレーム候補の数が、ある程度大きな値として設定された設定数(例えば30個)以上(または設定数超)となった場合、フレームネットワークグラフと受容性ネットワークグラフとのうちの少なくともいずれか一方において、ノードにフレーム候補を関連付けて表示させないようにしてもよい。これは、フレーム候補の数が多い場合、ノードの数やエッジの数が増えるため、グラフが見づらくなるためである。
【0174】
(2)上記の実施形態では、フレームネットワークのノードの値を賛同ユーザ数としたが、これを選択ユーザ数としてもよい。
【0175】
また、同一のユーザが選択しなかった複数のフレーム候補に対応するノードをエッジで結んだフレームネットワークを構成してもよい。そして、例えば、ノードの値を非選択ユーザ数とする。また、エッジで結ばれる2つのノード(両端のノード)の非選択ユーザ数をそのエッジの重みとしてもよい。
つまり、いわばポジティブなフレームネットワークを生成するのではなく、いわばネガティブなネットワークを生成するようにしてもよい。
【0176】
また、この場合、ノードの値が大きいほどノードの大きさを小さく描画し、エッジの重みが大きいほどエッジの線を細く描画するようにしてもよい。
【0177】
この場合であっても、上記と同様の手法によって受容性ネットワーク(受容性ネットワークグラフ)を生成することができる。
【0178】
(3)フレームネットワークと受容性ネットワークとの少なくともいずれか一方において、ノードの値に基づいて、ノードを異なる大きさで描画するのではなく、ノードを異なる図形や色で描画するなどしてもよい。つまり、ノードの態様は、大きさに限定されるものではない。
また、フレームネットワークと受容性ネットワークとの少なくともいずれか一方において、エッジの重みに基づいて、エッジを異なる太さで描画するのではなく、エッジを異なる線種や色で描画するなどしてもよい。つまり、エッジの態様は、線の太さに限定されるものではない。
【0179】
(4)上記の実施形態において、初期設定(デフォルト)のフレーム候補リストデータ191として、対象の計画者に関して、上記の処理を過去に行うことで蓄積された、その計画者のフレーム候補の一覧から選択されたフレーム候補を設定するようにしてもよい。この設定は、計画者端末21側で行ってもよいし、サーバ10側で行ってもよい。
また、この場合、初期設定のフレーム候補リストデータ191は、過去の処理に基づくコミュニティ分割済みのデータや、代表フレーム候補でラベリング済みのデータとしてもよい。
【0180】
(5)上記の実施形態では、情報処理装置1が、ネットワークを1回だけ生成する処理としたが、これを複数回行うようにしてもよい。
【0181】
例えば、ある計画について、情報処理装置1が、上記の処理でネットワークを生成した後、ネットワークグラフ表示用情報を計画者端末21やステークホルダー端末23に送信する。
計画者端末21は、受信したネットワークグラフ表示用情報に基づいてネットワークグラフを表示部に表示させる。
計画者は、表示されたネットワークグラフ、例えば受容性ネットワークグラフを見て分析を行う。そして、計画者は、自身の考えを改めた上で、例えば計画者端末21上で、フレーム候補リストを編集して更新する。そして、計画者端末21は、更新されたフレーム候補リストを情報処理装置1に送信する。そして、情報処理装置1は、上記の処理を再度行う。
【0182】
この場合、情報処理装置1は、設定された終了条件が成立した場合に、ネットワークの生成・出力を終了するようにしてもよい。
具体的には、例えば、図3のF37のステップの後、情報処理装置1は、設定された終了条件が成立したか否かを判定する。そして、終了条件が成立したと判定したならば、処理を終了する。一方、終了条件が成立しなかったと判定したならば、図2のA1のステップに戻るようにしてもよい。
【0183】
ここで、1つの考え方として、必ずしも利害関係者のフレーム(価値観等)を一致させる必要はなく、人間には色々なフレームがあることを認めながらも、ある程度の利害関係者が計画を受容できる状態であれば、計画を進めてもよいという考え方があり得る。
【0184】
そこで、例えば、情報処理装置1が、終了条件として、受容性アンケートの所定の質問(例えば、「・・・計画に賛成である」の質問)に関し、例えば以下の条件を設定するようにしてもよい。
(C1)受容性スコアの平均値が、設定された閾値以下(または閾値未満)になったこと
ただし、これは受容性スコアの値が小さいほど計画に対して肯定的であるとした場合である。
この条件は、ステークホルダーの多くが計画に賛成(賛同)する状態になったと推定される場合に処理を終了する条件と考えてもよい。
【0185】
この場合、情報処理装置1は、条件が成立したと判定したならば、例えば、ステークホルダーの多くが計画に賛成する状態になったと推定されることを通知する第1通知情報を計画者端末21に送信するようにしてもよい。そして、計画者端末21は、受信した第1通知情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
【0186】
また、情報処理装置1が、終了条件として、例えば以下の条件を設定するようにしてもよい。
(C2)前回の受容性スコアの平均値と今回の受容性スコアの平均値との差分が、設定された閾値以下(または閾値未満)であること
この条件は、受容性アンケートの質問に対するステークホルダーの回答が一向に変わらない状態であると推定される場合に処理を終了する条件と考えてもよい。
【0187】
この場合、情報処理装置1は、条件が成立したと判定したならば、例えば、受容性アンケートの質問に対するステークホルダーの回答が一向に変わらない状態であることを通知する第2通知情報を計画者端末21に送信するようにしてもよい。そして、計画者端末21は、受信した第2通知情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
この場合、計画者は、例えば、ステークホルダーとの対話の場を設け、ステークホルダーと対話を行うことで、どのようにすればステークホルダーが計画に納得してくれるかの妥協点を模索するなどすることが可能となる。
【0188】
なお、上記の他にも、例えば、
(C3)上記の条件が成立せず処理の繰り返し回数が設定回数(例えば「5」~「10」回程度の回数)に達したこと
等の条件を設定するようにしてもよい。
この場合は、処理の繰り返し回数が上限回数に達したことをもって、繰り返し処理を終了させることができる。
【0189】
<実施例>
上記の内容を適用した実施例について説明する。
本実施例では、計画者とステークホルダーとの間の計画に対する合意形成を支援するアプリケーション(アプリケーションソフトウェア)を用いることによって、計画者とステークホルダーとの間の計画に対する合意形成を支援するシステム(クライアントサーバシステム)を例示する。
ただし、本発明を適用可能な実施例が、以下説明する実施例に限定されるわけでない。
【0190】
<サーバの構成>
図15は、本実施例におけるシステム1000の構成およびサーバ10の構成の一例を示す図である。システム1000は、合意形成支援システムと言ってもよい。
システム1000は、例えば、サーバ10と、複数の端末20とが、通信網(通信回線)30を介して通信接続される。
【0191】
サーバ10は、例えば、制御部110と、操作部120と、表示部130と、音出力部140と、時計部160と、通信部170と、記憶部190とを備え、これらがバスを介して接続される。
【0192】
制御部110は、記憶部190に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って自装置の各部を統括的に制御し、各種の処理を行う制御装置(処理装置)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路を有して構成される。
【0193】
操作部120は、例えば、操作ボタンや操作スイッチといった、ユーザが装置に対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。
【0194】
表示部130は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-luminescence Display)等を有して構成される表示装置であり、制御部110から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。
【0195】
音出力部140は、例えば、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、制御部110から出力される音出力信号に基づいて各種の音出力を行う。
【0196】
時計部160は、内蔵時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。時計部160は、例えば、水晶発振器を利用したクロック等を有して構成される。
なお、時計部160は、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格等を適用したクロックを有して構成されてもよい。
【0197】
通信部170は、装置内部で利用される情報を外部装置との間で送受するための通信装置である。通信部170の通信方式としては、イーサネットやUSB(Universal Serial Bus)等所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、Wi―Fi(登録商標)や5G(第5世代移動通信システム)等所定の通信規格に準拠した無線通信技術を用いて無線接続する形式、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を利用して接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
本実施例において、サーバ10は、通信網30を介して、複数の端末20と通信可能に構成されている。
【0198】
記憶部190は、ROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク等の外部記憶装置等を有して構成される記憶装置である。
【0199】
本実施例において、記憶部190には、例えば、制御部110によって読み出され、合意形成支援アプリケーション管理処理として実行される合意形成支援アプリケーション管理処理プログラム1901と、合意形成支援アプリケーション管理用データ1903とが記憶される。
合意形成支援アプリケーション管理用データ1903には、合意形成支援アプリケーションにおけるサーバ10の管理用のデータであり、各々のユーザのアカウントの登録データ(アカウント登録データ)等、合意形成支援アプリケーションで用いられる各種のデータが記憶される。
【0200】
アカウント登録データは、例えば、合意形成支援アプリケーションを使用する端末20、またはそのユーザのアカウントのデータであり、例えば、サーバ10によってユニークに設定されるIDであるアプリケーションIDと、そのアプリケーションIDに対応するユーザ名とが関連付けて記憶される。
なお、各々のユーザの連絡先情報等を記憶させてもよい。
【0201】
図16は、合意形成支援アプリケーション管理用データ1903に含まれるデータの1つである計画管理データベース1903Aのデータ構成の一例を示す図である。
計画管理データベース1903Aは、計画者による計画を管理するためのデータベースであり、例えば、計画ごとのデータとして、1以上の計画管理データが記憶される。
【0202】
各々の計画管理データには、例えば、計画IDと、計画名と、計画者アプリケーションIDと、計画者名と、ステークホルダーデータと、フレーム候補データと、フレームスコアデータと、受容性アンケートデータと、受容性スコアデータと、フレームネットワークデータと、受容性ネットワークデータとが記憶される。
【0203】
計画IDは、計画をユニークに識別するための識別情報の一種であり、例えば、サーバ10によって計画ごとに一意な値(固有の値)が設定されて記憶される。
【0204】
計画名は、この計画の名称であり、例えば、計画者が使用する端末20から送信される情報に基づき、サーバ10によって記憶される。
【0205】
計画者アプリケーションIDは、この計画の計画者のユーザのアカウントであり、アカウント登録データにおいて、計画者のユーザに設定されたアプリケーションIDが記憶される。
【0206】
計画者名は、この計画の計画者のユーザ名であり、アカウント登録データにおいて、この計画者アプリケーションIDに対応するアプリケーションIDに関連付けて記憶されたユーザ名が記憶される。
【0207】
ステークホルダーデータは、この計画に利害関係を有するステークホルダーに関するデータであり、例えば、ステークホルダーアプリケーションIDと、ステークホルダー名とが関連付けて記憶される。
【0208】
ステークホルダーアプリケーションIDは、このステークホルダーのアプリケーションIDであり、アカウント登録データにおいて、このステークホルダーのユーザに設定されたアプリケーションIDが記憶される。
ステークホルダー名は、このステークホルダーのユーザ名であり、アカウント登録データにおいて、このステークホルダーアプリケーションIDに対応するアプリケーションIDに関連付けて記憶されたユーザ名が記憶される。
【0209】
フレーム候補データは、この計画に関する、前述したフレーム候補データである。
【0210】
フレームスコアデータは、この計画に関する、前述したフレームスコアデータである。
なお、前述した実施形態ではユーザIDとしたが、これを対応するユーザのアプリケーションIDとすることができる。
【0211】
受容性アンケートデータは、この計画に関する、前述した受容性アンケートデータである。
【0212】
受容性スコアデータは、この計画に関する、前述した受容性スコアデータである。
なお、前述した実施形態ではユーザIDとしたが、これを対応するユーザのアプリケーションIDとすることができる。
【0213】
フレームネットワークデータは、この計画に関する、前述したフレームネットワークのデータである。
このフレームネットワークデータには、前述したフレームネットワーク(例えばノードとエッジで構成されるデータ)の他、フレームネットワークグラフを表示させるための表示用データを含めてよい。
【0214】
受容性ネットワークデータは、この計画に関する、前述した受容性ネットワークのデータである。
この受容性ネットワークデータには、前述した受容性ネットワーク(ノードとエッジで構成されるデータ)の他、受容性ネットワークグラフを表示させるための表示用データを含めてよい。
【0215】
(2)端末の構成
図17は、本実施例における端末20の構成の一例を示す図である。
端末20は、例えば、制御部210と、操作部220と、タッチパネル225と、表示部230と、音出力部240と、撮像部250と、時計部260と、通信部270と、記憶部290とを備える。
制御部210、表示部230、音出力部240、時計部260、通信部270、記憶部290等のHW構成は、サーバ10と同様としてもよい。
【0216】
操作部220は、例えば、表示部230と一体的に構成されたタッチパネル225を有し、このタッチパネル225は、ユーザと端末20との間の入力インターフェースとして機能してもよい。また、表示部230は、タッチパネル225と一体的に構成されてタッチスクリーンを形成してよい。
【0217】
撮像部250は、例えば、任意のシーンの画像を撮像可能に構成された撮像デバイスであり、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等の撮像素子(半導体素子)を有して構成される。撮像部250は、撮像対象物から発せられた光を、不図示のレンズによって撮像素子の受光平面に結像させ、光電変換によって、像の光の明暗を電気信号に変換する。変換された電気信号は、不図示のA/D(Analog Digital)変換器によってデジタル信号に変換されて、制御部210に出力される。
【0218】
また、撮像部250を、端末20のタッチパネル225が存在しない背面に配置され、撮像時に光源として利用可能なフラッシュ(ストロボ)を有する撮像部(リアカメラ)として構成してもよい。
また、上記のフロントカメラとリアカメラとの2つの撮像部を有するようにしてもよい。また、これらの撮像部の撮像時には、ライブビュー画像を表示部230に表示させるようにしてもよい。
なお、撮像部250を必須ではなく、これを設けなくてもよい。
【0219】
本実施例では、記憶部290には、例えば、制御部210によって読み出され、合意形成支援アプリケーション処理として実行される合意形成支援アプリケーション処理プログラム2901と、合意形成支援アプリケーションで、サーバ10によって、この端末20、またはこの端末20のユーザに設定されたアプリケーションID2903が記憶される。アプリケーションID2903は、端末20の識別情報としてもよいし、端末20のユーザの識別情報としてもよい。
なお、合意形成支援アプリケーションでは、サーバ10から、アプリケーションIDの他、各種の情報やデータを受信して記憶部290に記憶するが、これらは図示を省略している。
【0220】
なお、ネイティブアプリケーションに限定されず、Webアプリケーションとしてもよい。また、ハイブリッドアプリケーションとしてもよい。
【0221】
<処理>
図18は、本実施例において各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
この図では、左側から順に、計画者であるユーザKの端末20Kの制御部210が実行する処理、サーバ10の制御部110が実行する処理、ステークホルダーの一人であるユーザAの端末20Aの制御部210が実行する処理を示している。
本処理では、サーバ10によって、計画ID、計画名、計画者アプリケーションID、計画者名、ステークホルダーデータ等を含む計画管理データがサーバ10によって生成され、計画管理データベース1903Aに記憶されているものとして説明する。
【0222】
最初に、端末20Kの制御部210は、ユーザKのフレーム候補選択情報、回答フレーム情報等の情報を、通信部270によってサーバ10に送信する(K110)。
次いで、端末20Aの制御部210は、ユーザAのフレーム候補選択情報、回答フレーム情報、受容性アンケート回答情報等の情報を、通信部270によってサーバ10に送信する(A110)。
この場合、各々の端末20は、例えば、記憶部290に記憶されたアプリケーションID2903を含めて、各種の情報をサーバ10に送信することができる。これにより、サーバ10は、受信した情報がいずれの端末20のユーザに関する情報であるかを判定できる。
【0223】
サーバ10の制御部110は、ネットワーク生成処理を行う(S110)。このネットワーク生成処理は、例えば図2図3に示した処理に倣って実現可能である。
サーバ10の制御部110は、端末20Kから受信した情報、および、端末20Aを含む複数のステークホルダーの端末20から受信した情報に基づいて、対応する計画管理データのフレーム候補データ、フレームスコアデータ、受容性スコアデータ等を更新する。そして、サーバ10の制御部110は、生成したネットワークのデータや、ネットワークグラフのデータを、対応する計画管理データのフレームネットワークデータや受容性ネットワークデータに記憶させる。
【0224】
K110の後、端末20Kの制御部210は、操作部220等を介してネットワークグラフを表示するためのユーザ入力がなされたか否かを判定する(K120)。
ユーザ入力がなされたと判定したならば(K120:YES)、端末20Kの制御部210は、ネットワークグラフの表示を要求するためのネットワークグラフ表示要求情報を、通信部270によってサーバ10に送信する(K130)。
【0225】
S110の後、サーバ10の制御部110は、通信部170によって端末20Kからネットワークグラフ表示要求情報を受信したか否かを判定する(S120)。
受信したと判定したならば(S120:YES)、サーバ10の制御部110は、S110で生成したネットワークに対応するネットワークグラフ表示用情報を、通信部170によって端末20Kに送信する(S130)。
【0226】
通信部270によってサーバ10からネットワークグラフ表示用情報を受信すると、端末20Kの制御部210は、受信したネットワークグラフ表示用情報に基づいて、ネットワークグラフを表示部230に表示させる(K140)。
そして、端末20Kの制御部210は、処理を終了する。
【0227】
同様に、A110の後、端末20Aの制御部210は、操作部220等を介してネットワークグラフを表示するためのユーザ入力がなされたか否かを判定する(A120)。
ユーザ入力がなされたと判定したならば(A120:YES)、端末20Aの制御部210は、ネットワークグラフ表示要求情報を、通信部270によってサーバ10に送信する(A130)。
【0228】
サーバ10の制御部110は、通信部170によって端末20Aからネットワークグラフ表示要求情報を受信したか否かを判定する(S140)。
受信したと判定したならば(S140:YES)、サーバ10の制御部110は、ネットワークグラフ表示用情報を、通信部170によって端末20Aに送信する(S150)。
そして、サーバ10の制御部110は、処理を終了する。
【0229】
通信部270によってサーバ10からネットワークグラフ表示用情報を受信すると、端末20Aの制御部210は、受信したネットワークグラフ表示用情報に基づいて、ネットワークグラフを表示部230に表示させる(A140)。
そして、端末20Aの制御部210は、処理を終了する。
【0230】
なお、例えば、ネットワークの情報は含まれるが、ネットワークグラフの情報は含まれないネットワークグラフ表示用情報がサーバ10から端末20に送信される場合、端末20の制御部210が、受信したネットワークの情報に基づいてネットワークグラフを生成する生成処理を行い、生成したネットワークグラフを表示部230に表示させるようにしてもよい。
【0231】
<表示画面>
図19図22は、本実施例において、端末20の表示部230に表示される合意形成支援アプリケーションの画面の一例を示す図である。
ここでは、端末20をタブレット(タブレット端末)とした場合の表示画面例を示す。
また、ここでは、計画者による計画(テーマ)を「地熱発電計画」とする場合の表示画面例を示す。
また、ここでは、複数のフレーム候補を7個のコミュニティに分割する処理を行った場合の表示画面例を示す。
【0232】
図19には、合意形成支援アプリケーションの画面であって、前述した受容性ネットワークグラフの一例が表示された表示画面の一例を示している。
この例では、画面最上部の領域に、アプリケーションの名称である「合意形成支援アプリケーション」が表示されている。
また、その下には、計画(テーマ)の名称(この例では「地熱発電」)が表示される領域が構成されている。また、この領域の右部には、ステークホルダーの人数(ステークホルダー数)が表示されている。
【0233】
また、その下には、サーバ10によって生成されたネットワークグラフが表示されるグラフ表示領域が構成されている。
【0234】
また、この例では、グラフ表示領域の右に、ユーザが画面の表示に関する各種の設定を行うための設定領域が構成されている。
この例では、設定領域の上部に、受容性ネットワークグラフと、フレームネットワークグラフとのいずれのグラフをグラフ表示領域に表示させるかを設定するための領域が構成されている。具体的には、この例では、「受容性ネットワーク」と「フレームネットワーク」の文字とともに、各々にラジオボタンが関連付けて表示され、ラジオボタンを操作してONにすることで、対応するグラフが表示されるように構成されている。
【0235】
また、その下には、代表フレーム候補によってラベリングされたネットワークグラフと、元のネットワークグラフとのいずれをグラフ表示領域に表示させるかを設定するための領域が構成されている。具体的には、この例では、「代表」と「元」の文字とともに、各々にラジオボタンが関連付けて表示され、ラジオボタンを操作してONにすることで、対応するネットワークグラフが表示されるように構成されている。
【0236】
この画面では、ネットワークとして「受容性ネットワーク」が選択され、表示として「代表」が選択された状態が示されている。
「受容性ネットワーク」が選択されたことに基づき、その下には、受容性アンケートの質問を選択するための領域(「受容性アンケート」)と、その質問に関して何を対象として受容性ネットワークグラフを表示させるかを選択するための領域(「対象」)とが表示されている。
ここで言う対象とは、前述した、
・フレーム候補を選択したユーザの受容性スコアの平均
・フレーム候補を選択しなかったユーザの受容性スコアの平均
等のことを示している。
【0237】
また、その下には、表示される受容性ネットワークグラフのノードの態様に関するインデックスが表示されている。この例では、インデックスは、前述した5段階評価として表示されている。
【0238】
グラフ表示領域には、上記の設定に基づく、7個の代表フレーム候補に基づく受容性ネットワークグラフが表示されている。
また、各々のノードは、前述した手法に基づき算出された大きさで表示され、各々のエッジは、前述した手法に基づき算出された太さで表示されている。
また、受容性ネットワークグラフであるため、各々のノードは、前述した手法に基づき、インデックスに示される態様のハッチングが施されて表示されている。
【0239】
この例において、例えば代表フレーム候補「○○したい」に対応するノードがユーザによってタッチ(タップ)されると、例えば図20のような表示に変わる。
この例では、図19において代表フレーム候補「○○したい」に対応するノードがユーザによってタッチされたことに基づき、代表フレーム候補「○○したい」によってラベリングされたコミュニティに属するフレーム候補が展開され、そのコミュニティに属するフレーム候補に対応するノードおよびエッジが描画された詳細な部分的なグラフ(部分グラフ)が表示されている。
【0240】
これを見ると、代表フレーム候補「○○したい」によってラベリングされたコミュニティは、代表フレーム候補「○○したい」を含む、5つのフレーム候補で構成されていることが分かる。
この例では、代表フレーム候補「○○したい」によってラベリングされたコミュニティに属するフレーム候補のうちのフレーム候補「**のはずだ」に対応するノードと、他のコミュニティの代表フレーム候補「××すべきだ」に対応するノードとを結ぶエッジが、代表フレーム候補「○○したい」に対応するノードと、他のコミュニティの代表フレーム候補「××すべきだ」に対応するノードとを結ぶエッジと比べて、太い線で表示されている。
また、フレーム候補「**のはずだ」に対応するノードの大きさが、比較的大きくなっている。
このことから、これを見たユーザは、図19の画面を見ただけでは分からなかったが、フレーム候補「**のはずだ」に賛同したユーザが割と多く、フレーム候補「**のはずだ」と、フレーム候補「××すべきだ」のコミュニティに属するフレーム候補とを選択したユーザがかなり多かったのだと知ることができる。
【0241】
このように、ユーザは、代表フレーム候補に対応するノードをタッチすることによって、それと同じコミュニティに属するフレーム候補を確認可能となる。
この場合、例えば代表フレーム候補「××すべきだ」をユーザがタッチすることで、上記と同様に、代表フレーム候補「××すべきだ」によってラベリングされたコミュニティに属するフレーム候補が展開されて表示されるようにすることができる。
この場合、2つのコミュニティの各々に属するフレーム候補をユーザは確認することができ、上記の例では、フレーム候補「**のはずだ」が、代表フレーム候補「××すべきだ」によってラベリングされたコミュニティに属するいずれの代表フレーム候補と強く結合しているかを確認することができ、より詳細な分析ができる。
【0242】
なお、このような表示に限定されず、一のコミュニティの代表フレーム候補に対応するノードをタッチすると、全てのコミュニティに属するフレーム候補が展開されて表示されるようにしてもよい。
また、一のコミュニティの代表フレーム候補に対応するノードをタッチすると、そのノードとエッジで接続されたノードであって、エッジの重みが設定値(閾値)以上(または設定値超)であるノードに対応する代表フレーム候補のコミュニティに属するフレーム候補が展開されて表示されるようにしてもよい。
【0243】
図21は、図20の表示の別例を示す図である。
この例では、図19において代表フレーム候補「○○したい」に対応するノードがユーザによってタッチされたことに基づき、この代表フレーム候補「○○したい」によってラベリングされたコミュニティに属するフレーム候補が展開され、グラフ表示領域の中央部に移動されて拡大表示されている。
【0244】
図22は、例えば図20の表示画面が表示された状態で、ネットワークとして「フレームネットワーク」が選択された場合の表示画面の一例を示している。
この画面では、図20の表示画面に表示されていた受容性ネットワークグラフの形状が維持されたまま、これに対応するフレームネットワークグラフが表示されている。
この画面では、表示対象がフレームネットワークグラフに切り替わったことに基づき、画面右部の設定領域において、受容性アンケートの表示領域とプロットの表示領域とが非表示とされている。
また、インデックスとして、各々のコミュニティのラベリングの態様に関するインデックスが表示されている。
【0245】
これらの場合、サーバ10が、ネットワークグラフ表示用情報として、例えば上記のような各種の種別のネットワークグラフや各種の態様のネットワークグラフを表示させるためのデータを端末20に送信し、端末20の制御部210が、受信したデータを記憶部290に記憶させる。そして、端末20の制御部210が、操作部220に対する操作入力と、記憶部290に記憶されたデータとに基づいて、ユーザ操作に応じた種別や態様のネットワークグラフを生成する生成処理を行って、表示部230に表示させるようにしてもよい。
また、端末20の制御部210が、操作部220に対する操作入力に基づいて、その操作内容を示す情報や、どのような種別のネットワークグラフやどのような態様のネットワークグラフを表示することがユーザによって要求されたかを示す情報をサーバ10に送信する。そして、サーバ10の制御部110が、記憶部190に記憶されたデータに基づき、受信した情報に応じた種別や態様のネットワークグラフを生成する生成処理を行って、端末20に送信するようにしてもよい。
【0246】
なお、前述したように、フレーム候補の数が設定数以上(または設定数超)となった場合、フレームネットワークグラフと受容性ネットワークグラフとのうちの少なくともいずれか一方において、各々のノードにフレーム候補を関連付けて表示させないようにしてもよい。
【0247】
また、この場合において、元のネットワークグラフ(代表フレーム候補でラベリングされていないネットワークグラフ)では、各々のノードにフレーム候補を関連付けて表示させないが、例えば図21に示したように、代表フレーム候補によってラベリングされたコミュニティに属するフレーム候補を展開し拡大表示するような場合においては、そのコミュニティに属する各々のフレーム候補に対応するノードにフレーム候補を関連付けて表示するようにしてもよい。
【0248】
なお、ここでは全体的なネットワークグラフ(元のネットワークグラフ)については図示を省略しているが、上記と同様に表示させることが可能である。
【0249】
<実施例の効果>
本実施例によれば、アプリケーションを用いることによって、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0250】
また、本実施例では、端末20の制御部210が、サーバ10から受信したネットワークグラフ表示用情報に基づいて、ネットワークグラフ(受容性ネットワークグラフやフレームネットワークグラフ)を表示部230に表示させることができる。
【0251】
また、本実施例では、端末20の制御部210が、操作部220等を介したユーザ入力に基づき、代表フレーム候補でラベリングされたネットワークグラフを表示部230に表示させることができる。
【0252】
また、本実施例では、端末20の制御部210が、表示されたネットワークグラフにおいて、操作部220を介した代表フレーム候補に対する操作に基づき、その代表フレーム候補でラベリングされたコミュニティに属する代表フレーム候補を展開したネットワークグラフを表示部230に表示させることができる。
【0253】
<その他>
上記の実施例(実施形態)で説明したサーバが行う処理のうちの少なくとも一部の処理を、端末が行うようにしてもよい。計画者の端末が行うようにしてもよいし、ステークホルダーの端末が行うようにしてもよい。
【0254】
また、上記の実施例(実施形態では)では、本発明をクライアントサーバシステムによって実現する手法を例示したが、これ以外にも、サーバの機能を端末に持たせるシステム(分散システムと言ってもよい。)によって実現してもよい。これは、例えば、ブロックチェーンの技術を用いて実現可能である。また、例えば、端末同士が無線通信を行うシステムによって実現してもよい。例えば、P2P(ピアツーピア)方式等で通信を行うことによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0255】
1 情報処理装置
10 サーバ
20 端末
30 通信網
1000 システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
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図19
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図22